JP3722762B2 - 内視鏡形状検出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は磁界発生素子と磁界検出素子とを用いて内視鏡の挿入形状等を検出して表示する内視鏡形状検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、磁界発生素子と磁界検出素子とを用いて体内等に挿入された内視鏡の形状等を検出し、表示手段により表示を行う内視鏡形状検出装置が用いられるようになった。
【0003】
例えば、特開平8−107875号公報には、磁界を用いて内視鏡形状を検出し、検出した内視鏡形状を表示する装置が開示されている。そして、体内に挿入される内視鏡の挿入部内に所定の間隔で配置した複数の磁界発生素子を駆動してその周囲に磁界を発生させ、体外に配置した磁界検出素子により各磁界発生素子の3次元位置を検出して、各磁界発生素子を連続的に結ぶ曲線を生成して、モデル化した挿入部の3次元的な画像を表示手段で表示する。
【0004】
術者等はその画像を観察することにより、体内に挿入された挿入部の先端部の位置や挿入形状等を把握でき、目的とする部位までの挿入作業等を円滑に行えるようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来例においては、挿入部に配置される磁界発生素子の間隔に対して、挿入部が小さい曲率半径でループ状等に湾曲されたような場合には、そのループ状に湾曲された部分に存在する磁界発生素子の数が少ないため、実際のループ形状のような滑らかな形状を表示できない場合があった。
【0006】
(発明の目的)
本発明は、上述した点に鑑みてなされたもので、簡単な構成で実際の挿入部の形状を精度良く表示できる内視鏡形状検出装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
被検体に挿入される内視鏡挿入部の内部に複数の磁界発生素子及び複数の磁界検出素子の一方の素子を配置し、被検体の外部に他方の素子を配置して、内視鏡挿入部の内部に配置された一方の素子の位置を前記他方の素子の位置データを用いて検出手段により検出することにより、内視鏡挿入部の形状を推定してその形状を表示手段で表示する内視鏡形状検出装置において、
前記検出手段の出力に基づき、前記検出した一方の素子の間に仮想的な素子を配置し、前記一方の素子の間のデータ補間を前記仮想的な素子の位置データを用いてデータ補間を行うデータ補間手段を設けたことにより、内視鏡挿入部が小さい曲率で屈曲された場合に対して、あたかも実際に配置された素子の数を増大した如くにその屈曲された形状を精度良く検出して、その形状を表示できるようにしている。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について述べる。
図1ないし図22は本発明の1実施の形態に係り、図1は1実施の形態を備えた内視鏡システムの構成を示し、図2はコイルユニットに内蔵されたセンスコイルの配置例を示し、図3は図1における内視鏡形状検出装置の構成を示し、図4は図3の検出ブロック及びホストプロセッサの構成と接続検知機構の構成とを示し、図5は検出ブロック等の構成を示し、図6は2ポートメモリ等の動作をタイミング図で示し、図7は検出装置及び操作パネルの構成等を示し、図8は検出装置に内視鏡等を接続した場合の接続表示機能を示し、図9は仮想点を設定しない場合と設定した場合等の補間処理された様子を示し、図10は図9の場合における表示される挿入部形状を示し、図11は仮想点設定処理の説明図を示し、図12は仮想点設定の処理の内容を示し、図13は図12の仮想点設定の処理の説明図を示し、図14は仕向け地により年月日表示等を変更した内容を示し、図15はモニタに表示される挿入部内のソースコイル部分が検出範囲内にあるとそのアイコンも緑色で表示する説明図を示し、図16はソースコイルの補間点が検出範囲の内側か否かにより表示色を決定するようにした様子を示し、図17は磁界計測からスコープモデル描画の処理を示し、図18は挿入部を3つの領域に分けた様子を示し、図19は従来例と比較して、より短い間隔でデータのバッファリングを行うようにした説明図を示し、図20は基準プレート等によるカット面の設定の様子を示し、図21は図20の場合の詳細な設定内容を示し、図22はスコープポジションOFF時等でも自動センタリングを行う作用の説明図を示す。
【0009】
図1に示すように、1実施の形態を備えた内視鏡システム1は、内視鏡検査を行う内視鏡装置2と、内視鏡検査の補助に用いられる内視鏡形状検出装置3とを備え、この内視鏡形状検出装置3は、ベッド4に横たわる患者5の体腔内に電子内視鏡6の挿入部7を挿入し、内視鏡検査を行う際の挿入補助手段として使用される。
【0010】
電子内視鏡6は、可撓性を有する細長の挿入部7の後端に湾曲操作ノブを設けた操作部8が形成され、この操作部8からユニバーサルコード9が延出され、ビデオイメージングシステム(またはビデオプロセッサ)10に接続されている。この電子内視鏡6は、ライトガイドが挿通されビデオプロセッサ10内の光源部からの照明光を伝送し、挿入部7の先端に設けた照明窓から伝送した照明光を出射し、患者等を照明する。照明された患部等の被写体は照明窓に隣接して設けられた観察窓に取り付けた対物レンズにより、その結像位置に配置された撮像素子に像を結び、この撮像素子は光電変換する。
【0011】
光電変換された信号はビデオプロセッサ10内の映像信号処理部により信号処理されて標準的な映像信号が生成され、ビデオプロセッサ10に接続された画像観察用モニタ11に表示される。
【0012】
この電子内視鏡6には鉗子チャンネル12が設けてあり、この鉗子チャンネル12の挿入口12aから例えば16個の磁界発生素子(またはソースコイル)14a、14b、…、14p(以下、符号14iで代表する)を有するプローブ15が挿通されることにより、挿入部7内にソースコイル14iが設置される。
【0013】
このプローブ15の後端から延出されたソースケーブル16は、その後端のコネクタ16aが内視鏡形状検出装置3の装置本体としての検出装置(装置本体ともいう)21に着脱自在に接続される。そして、検出装置21側から高周波信号伝達手段としてソースケーブル16を介して磁界発生手段となるソースコイル14iに高周波信号(駆動信号)を印加することにより、ソースコイル14iは磁界を伴う電磁波を周囲に放射する。
【0014】
また、患者5が横たわるベッド4の付近に配置されるこの検出装置21には、(センス)コイルユニット23が上下方向に移動(昇降)自在に設けられ、このコイルユニット23内には複数の磁界検出素子(センスコイル)が配置されている(より具体的に説明すると、図2に示すように例えば中心のZ座標が第1のZ座標である例えばX軸に向いたセンスコイル22a−1、22a−2、22a−3、22a−4と、中心のZ座標が第1のZ座標と異なる第2のZ座標であるY軸に向いたセンスコイル22b−1、22b−2、22b−3、22b−4と、中心のZ座標が第1及び第2のZ座標と異なる第3のZ座標であるZ軸に向いたセンスコイル22c−1、22c−2、22c−3、22c−4の12個のセンスコイル(以下、符号22jで代表する)が配置されている)。
【0015】
センスコイル22jは、コイルユニット23からの図示しないケーブルを介して検出装置21に接続されている。この検出装置21には使用者が装置を操作するための操作パネル24が設けられている。また、この検出装置21には検出した内視鏡形状を表示する表示手段として液晶モニタ25がその上部に配置されている。
【0016】
内視鏡形状検出装置3は、図3に示すように、ソースコイル14iを駆動する駆動ブロック26と、コイルユニット23内のセンスコイル22jが受信した信号を検出する検出ブロック27と、検出ブロック27で検出した信号を信号処理するホストプロセッサ28とから構成される。
【0017】
図4(A)に示すように、電子内視鏡6の挿入部7に設置されるプローブ15には、上述したように、磁界を生成するための16個のソースコイル14iが所定の間隔で配置されており、これらソースコイル14iは、駆動ブロック26を構成する16個の互いに異なる周波数の駆動信号を生成するソースコイル駆動回路31に接続されている。
【0018】
ソースコイル駆動回路部31は、各ソースコイル14iをそれぞれ異なる周波数の正弦波の駆動信号電流で駆動し、それぞれの駆動周波数はソースコイル駆動回路部31内部の図示しない駆動周波数設定データ格納手段或いは駆動周波数設定データ記憶手段に格納された駆動周波数設定データ(駆動周波数データとも記す)により設定される。この駆動周波数データは、ホストプロセッサ28において内視鏡形状の算出処理等を行うCPU(中央処理ユニット)32によりPIO(パラレル入出力回路)33を介してソースコイル駆動回路部31内の駆動周波数データ格納手段(図示せず)に格納される。
一方、コイルユニット23内の12個のセンスコイル22jは、検出ブロック27を構成するセンスコイル信号増幅回路部34に接続されている。
【0019】
センスコイル信号増幅回路部34では、図5に示すようにセンスコイル22jを構成する12個の単心コイル22kがそれぞれ増幅回路35kに接続されて12系統の処理系が設けられており、各単心コイル22kで検出された微小な信号が増幅回路35kにより増幅されフィルタ回路36kでソースコイル群が発生する複数周波数が通過する帯域をもち不要成分を除去して出力バッファ37kに出力された後、ADC(アナログ・デジタル・コンバータ)38kでホストプロセッサ28が読み込み可能なデジタル信号に変換される。
なお、検出ブロック27は、センスコイル信号増幅回路部34及びADC38kより構成され、センスコイル信号増幅回路部34は増幅回路35k、フィルタ回路36k及び出力バッファ37kより構成される。
【0020】
図4(A)に戻り、このセンスコイル信号増幅回路部34の12系統の出力は、12個の前記ADC38kに伝送され、制御信号発生回路部40から供給されるクロックにより所定のサンプリング周期のデジタルデータに変換される。このデジタルデータは、制御信号発生回路部27からの制御信号によりローカルデータバス41を介して2ポートメモリ42に書き込まれる。
【0021】
なお、2ポートメモリ42は、図5に示すように、機能的には、ローカルコントローラ42a、第1のRAM42b、第2のRAM42c及びバススイッチ42dよりなり、図6に示すようなタイミングにより、ローカルコントローラ42aからのA/D変換開始信号によりADC38kがA/D変換を開始し、ローカルコントローラ42aからの切り換え信号によりバススイッチ42dがRAM42b、42cを切り換えながら第1RAM42b、42cを交互に読み出しメモリ及び書き込みメモリとして用い、書き込み信号により、電源投入後は、常時データの取り込みを行っている。
【0022】
再び、図4(A)に戻り、CPU32は、制御信号発生回路部27からの制御信号により2ポートメモリ42に書き込まれたデジタルデータをローカルデータバス43、PCIコントローラ44及びPCIバス45(図5参照)からなる内部バス46を介して読みだし、メインメモリ47を用い、後述するように、デジタルデータに対して周波数抽出処理(高速フーリエ変換:FFT)を行い、各ソースコイル14iの駆動周波数に対応する周波数成分の磁界検出情報に分離抽出し、分離した磁界検出情報の各デジタルデータから電子内視鏡6の挿入部7内に設けられた各ソースコイル14iの空間位置座標を算出する。
【0023】
また、算出された位置座標データから電子内視鏡6の挿入部7の挿入状態を推定し、内視鏡形状画像を形成する表示データを生成し、ビデオRAM48に出力する。このビデオRAM48に書き込まれているデータをビデオ信号発生回路49が読みだし、アナログのビデオ信号に変換して液晶モニタ25へと出力する。液晶モニタ25は、このアナログのビデオ信号を入力すると、表示画面上に電子内視鏡6の挿入部7の挿入形状(以下、スコープモデルという)を表示する。
【0024】
CPU32において、各ソースコイル14iに対応した磁界検出情報、すなわち、各センスコイル22jを構成する単心コイル22kに発生する起電力(正弦波信号の振幅値)と位相情報が算出される。なお、位相情報は、起電力の極性±を示す。
【0025】
また、本実施の形態では図1に示すように検出装置21には、体内に挿入された挿入部7の位置を確認したりする為に、体外での位置を表示させるための体外マーカ57と、患者5の腹部などに取り付ける等して、患者5の体位が変化しても(患者5の)特定の方向から常にスコープモデルを表示させるため等で使用する基準プレート58を検出装置21に接続して使用することもできる。
【0026】
体外マーカ57は内部に1つのソースコイルが収納されており、この体外マーカ57のケーブル59の基端のコネクタ59aは検出装置21に着脱自在で接続される。
【0027】
そして、このコネクタ59aを接続することにより、プローブ15内のソースコイルの場合と同様に体外マーカ57のソースコイルも駆動され、コイルユニット23で検出された体外マーカ57のソースコイルの位置もスコープモデルと同様にモニタ25に表示される。
【0028】
また、基準プレート58は、そのディスク形状部分の内部にそのディスク面上に例えば3個のソースコイルが配置され、これら3個のソースコイルに接続されたケーブル60の基端のコネクタ60aは検出装置21に着脱自在で接続される。
【0029】
これらの3個のソースコイルの位置検出により、それらが配置されている面が決定される。そして、その面に垂直な方向から挿入部7を見た場合に観察されるスコープモデルとなるようにスコープモデルの描画を行うのに使用される。
【0030】
また、図4(A)に示すように本実施の形態では、検出装置21にはプローブ15のコネクタ16a、体外マーカ57のコネクタ59a、基準プレート58のコネクタ60aがそれぞれ接続されるコネクタ受け21a、21b、21cが設けてあり、各コネクタ受け21a、21b、21cはソースコイル駆動回路31に接続される。
【0031】
また、図4(B)に示すように例えばコネクタ受け21aにはコネクタ16aの接続の有無を検出する接続検知機構80が設けてある。
コネクタ16a内にはソースコイル14a〜14pに接続される接続ピンp1〜pnの他に共通ピンpcと接続検知用ピンpkが設けてあり、ピンpkはピンpcに接続されている。
【0032】
また、コネクタ受け21a側には接続ピンp1〜pn、pc及びpkにそれぞれ接続されるピン受けp1′〜pn′、pc′及びpk′が設けてあり、ピン受けpc′はグランドに接続されている。
【0033】
また、ピン受けpk′はプルアップ抵抗Rにより電源端Vcに接続されるとともに、CPU32の接続検知用ポートに接続されている。そして、CPU32はこのピン受けpk′のレベルが電源端Vcのレベルの“H”レベルか、グランドの“L”レベルかにより、プローブ15が検出装置21に無接続の状態か接続状態かを判断するようにしている。
【0034】
つまり、図4(B)に示すようにプローブ15が接続された状態では、ピン受けpk′はコネクタ16a側の導通したピンpk及びpcを経てグランドに接続されたピン受けpc′と接続され、従ってこのピン受けpk′のレベルはグランドの“L”レベルとなり、プローブ15が接続された状態であると判断する。 一方、プローブ15が接続されない状態では、ピン受けpk′のレベルは電源端Vcのレベルの“H”レベルとなり、無接続と判断する。
【0035】
なお、コネクタ受け21b、21cにも同様な接続検知機構が設けてある。そして、CPU32はプローブ15(を設けた内視鏡)、体外マーカ57、基準プレート58が接続された場合には、後述する図14(A)のモニタ25の例えば右下の隅の接続状態表示部25aに接続された内視鏡接続アイコン、体外マーカ接続アイコン、基準プレート接続アイコンの表示を行う。接続されていない場合にはそのアイコンを表示しない。
【0036】
また、本実施の形態では、CPU32はソースコイル14i(ここでは、14iで示すが、プローブ15内のソースコイル14iの他に、体外マーカ57のソースコイル、基準プレート58のソースコイルも含む)の位置データの異常を監視する判定手段32aの機能を備えている。
この判定手段32aは、次の異常判定を行う。
【0037】
a)各ソースコイル14iの位置データが所定の範囲内であれば有効、範囲外であれば無効と判定する。
b)ソースコイル14iによる磁界を検出するセンスコイル22jにより検出された起電力を、予め設定した基準値と比較し、基準値を超えるものは位置検出可能、基準値以下なら位置検出不可能と判定する。
c)図示しないソースコイル断線短絡検知手段の検知結果が断線または短絡ならば異常、それ以外ならば正常と判定する。
【0038】
上記a)b)c)の結果を基にソースコイルの位置データの異常を判定する。さらに判定手段32aは、プローブ内のソースコイルについて次の異常判定を行う。
所定の距離範囲に対し2つのソースコイル14i,14i+1の距離が短すぎるか長すぎる区間は異常、範囲内ならば正常と判定する。
【0039】
その判定結果は、スコープモデルや、体外マーカ57の3次元位置の表示の際に、判定結果に応じて表示形態を変更することにより操作者に分かるように表示するようにしている。
【0040】
例えばCPU32は上記内視鏡接続アイコン、体外マーカ接続アイコン、基準プレート接続アイコンを表示する場合、判定結果により、表示色選択手段32bの機能を通してモニタ25に表示する制御を行う。従って、操作者は図8(A)の右下の接続状態表示部25aに表示されるアイコンの表示色により、所定の精度以上で検出された状態であるか否かを容易に知ることができるようにしている。
【0041】
また、本実施の形態では、接続状態表示部25aで表示色を変更して表示する他に、モニタ25の表示面に表示されるスコープモデルと、体外マーカ57のマーカ位置との表示に関しても有効検出範囲内か否かに応じて表示色を変更するようにしている。
【0042】
例えばプローブ15(つまり、内視鏡6)の場合には、各ソースコイル14iの位置検出により、補間等してスコープモデルで表示するため、例えば有効検出範囲内に存在する部分のスコープモデル部分と、有効検出範囲外に存在する部分のスコープモデル部分とをそれぞれ異なる表示色で表示するようにしている。 そのため、上記判定手段32aによる判定結果は、例えばビデオRAM48に格納される画像データに反映されるようにしている。つまり、CPU32はスコープモデル等の画像データをビデオRAM48に格納する場合、ビデオRAM48のR,G,Bのプレーンには、判定結果に応じて格納する。
【0043】
例えばモニタ25に表示されるスコープモデル全体が有効検出範囲内の場合には、所定の色、例えば灰色で表示されるように、ビデオRAM48のGとRとBのプレーンにその画像データが格納される。
一方、スコープモデルの一部が有効検出範囲外の場合には、その部分が例えば黄色で表示されるように、ビデオRAM48のGとRのプレーンにその部分の画像データが格納される。
体外マーカ57の場合もほぼ同様に、その体外マーカ57が有効検出範囲内か否かに応じて、その体外マーカを表示するマーカの色を変更する。
【0044】
このように本実施の形態では、モニタ25に表示されるスコープモデルや、体外マーカ57などの表示色からそれらが有効検出範囲内に存在して所定の精度以上で検出できている状態か、所定の精度未満の状態かを簡単に知ることができるようにしていることが特徴となっている。
【0045】
また、プローブ15等が接続された状態であっても、ソースコイル側を駆動しても、センスコイルにより検出信号が検出できないような場合には故障と判断するようにしている。
【0046】
図7(A)及び(B)は検出装置21とその検出装置21に設けられている操作パネル24を示す。図7(B)に示すようにこの操作パネル24には、(図7(C)に示すようなメインメニューの)メニューバーの表示を行うためのメニューボタン51、リセット操作を行うリセットボタン52と、上下、左右の矢印によりスコープモデルを回転などさせてビューアングルを変更したり、機能選択(上下の矢印)、項目選択(左右の矢印)を行うビューアングル/セレクトボタン53(なお、以下では、簡単化のため、↑↓及び→←ボタン等で説明する場合がある)と、スコープモデルの拡大/縮小や、日時、地域変更を行う+、−の表示のズームボタン54(+及び−ボタン等で説明する場合がある)と、1画面と2画面の表示の指示を行う1画面/2画面ボタン55と、スコープモデルの表示の開始位置の設定を行うスコープポジションボタン56とが設けてある。
より詳しい機能は以下のようになっている。
【0047】
(a)メニューボタン51の機能
モニタ画面の特定の位置にメニューバーを表示/非表示する。(メニューバー50を非表示させた場合、設定された機能の状態を記憶装置に記憶させる)。
日時、地域の設定画面内の項目の選択。
(b)リセットボタン52の機能
メニューバーにより各項目の機能を設定している状況において、各メニュー項目の設定値をメニューバーが表示される前の状態に戻す。
日時、地域設定画面において、各項目の機能の設定値を日時、地域設定画面に入る前の状態に戻す。
【0048】
(c)ビューアングル/セレクトボタン53の機能
←↑↓→ボタンでスコープモデルの回転。
↑↓ボタンで、メニューバーのフォーカスの移動。
←→ボタンで、サブメニューの表示、選択。及び日時、地域設定画面においてメニューボタン51で選択された項目の機能の選択。
【0049】
(d)ズームボタン54の機能
スコープモデルの拡大/縮小。
日時、地域設定画面の各項目の機能の設定。
(e)1画面/2画面ボタン55の機能
視点位置/向きの異なる2画面の表示。
【0050】
(f)スコープポジションボタン56の機能
体外マーカを患者の肛門位置等の表示を開始したい位置にもって行き、スコープポジションボタン56を操作することにより、その位置から表示を開始させる設定。
【0051】
次に図8を参照して、接続表示の機能を説明する。
本実施の形態では、図1及び図4で説明したように、検出装置21には、内視鏡6、基準プレート57、体外マーカ58を着脱自在で接続することができる。
そして、接続の有無により、モニタ25の接続状態表示部25aにより接続の有無を容易に分かるようにしている。
【0052】
また、接続された状態において、正常な接続状態か、精度低下か、異常或いは故障かを検知して、表示色を変えて表示し、ユーザに接続状態の表示色で確認できるようにしている。
検出装置21に体外マーカ57、基準プレート58、内視鏡6が接続されていると、図8(A)に示すように体外マーカ接続アイコン、基準プレート接続アイコン、内視鏡接続アイコンが接続状態表示部25aに表示される。
【0053】
図8(B)は接続状態表示部25aに表示される体外マーカ接続アイコン、基準プレート接続アイコン、内視鏡接続アイコンの形状とその内容を示す。また、そのアイコンの表示色は、正常な接続状態の場合には緑色、精度低下の場合には黄色、異常或いは故障の場合には赤色で表示し、ユーザは表示色により接続状態を確認できるようにしている。
【0054】
なお、有効な精度内か否かの判定により、表示色を変更して表示するものに限定されるものでなく、例えば接続状態表示部25aに表示されるアイコンを通常は点滅させないで表示し、精度低下になった場合に点滅させて表示する表示形態に変更する表示形態としても良い。
【0055】
また、モニタ25に視覚的に表示する表示形態を変更するものに限定されるものでなく、音で或いは音声で有効な精度内か或いは外であるかを告知する告知形態を変更するようにしても良い。また、接続の有無に関しても視覚的な告知形態によるものに限定されるものでなく、音による音響的な告知形態を変更するようにしても良い。例えば、有効な精度から精度低下になった場合に、音で告知するようにしても良い(例えば、有効な精度内の場合には、音を発生しないで、精度低下になったら音或いは音声を発生させる。つまり、音或いは音声の有無や、その変化などで表示若しくは告知するようにしても良い)。
【0056】
また、本実施の形態では、ソースコイル14iの位置検出により、挿入部7の形状を算出する補間処理を行う場合、実際に挿入部7内に配置されたソースコイル14iの位置の他に、ソースコイル14iの間の中間点に仮想的なソースコイルを配置する処理を行い、特に小さい曲率で屈曲された場合に、より精度良く挿入部形状を算出できるようにする。
このため、図4に示すCPU32はさらに仮想的な素子を追加する仮想点設定処理手段32cの機能を行う。
【0057】
この処理手段32cによる作用の概略をまず、図9及び図10により説明する。本実施の形態では、挿入部7内には、例えばコイル間隔Lが100mmでそれぞれソースコイル14iが配置されている。
その挿入部7が例えばφ60でループ状に湾曲された場合には、その内部のソースコイル14iの位置が図9(A)のクロス点で示すような状態であると、通常の補間処理を行うと、ループとして検出できないで、図10(A)のような挿入部形状として表示する。
【0058】
その挿入部7が例えばφ60でループ状に湾曲された場合には、その内部の位置が図9(A)のクロス点で示すような状態であると、通常の補間処理を行うと、ループとして検出できないで、図10(A)のような形状として表示する。
【0059】
これに対して、図9(B)に示すようにそのループ部分におけるソースコイル14iの中間点に仮想的なソースコイルを配置した場合(その点をPv1、Pv2で示している)には、ループ部分により多くのソースコイルが配置された状態と近似的に等価となり、この状態に対して図9(A)の場合と同様の補間処理を行って形状の算出を行うと、ループ形状を識別して図10(B)に示すようなループ形状のスコープモデルで表示できる。
【0060】
なお、図9(C)は実際にコイル間隔を50mmにした場合におけるループ形状にした場合に対するコイル位置を示し、この場合に対して補間処理を行って挿入部の形状の算出をすると、図10(C)のようになる。
【0061】
つまり、本実施の形態のように仮想点設定処理32cを行うことにより、実際のソースコイル41iの中間点にさらにソースコイルを配置した如くの挿入部形状をより精度良く検出して表示することができるようになる。
このため、上記仮想点を設定する仮想点設定処理手段32cとしては、基本的には図11に示す仮想点Q′を設定する処理をソフトウェアで行う。
【0062】
図11におけるPa,Pbをソースコイル検出点とし、弧PaQPbを通常の補間形状とすると、この弧PaQPbの長さがソースコイル間隔L(実際には100mm)より所定量以上短い場合には、ベクトルOQを点Q側に延長して、ソースコイル間隔Lの点Q′を仮想点として求める。
【0063】
この点Q′を挿入部7に実際に配置されたソースコイル点に追加して、補間をすることにより、所定の乖離内でループ形状に屈曲されたような場合に対しても図9(B)及び図10(B)で説明した如くに挿入部形状を精度良く表示できるようになる。
【0064】
この場合の処理を図12を参照して以下に説明する。
仮想点の算出処理が開始すると、CPU32は図12のステップS1の事前補間処理を行い、位置推定されたコイル位置Piについて補間処理を行い、補間点dPnを得る。ここで、iは実際に挿入部7内に配置されたソースコイル41iに対するものであり、1からN(例えば12或いは16)であり、nはiとi+1間の補間点数である。
【0065】
なお、エラーで間引かれたソースコイル位置は、その前後のソースコイル位置(以下では単にコイル位置)の間で補間された弧の中点で補う。そして、図13に示すように、例えばコイル位置PiとPi+1との間に点線で示すような補間点を得る。
【0066】
次のステップS2で隣接するコイル間の(補間点dPnに沿った)距離を求め、それをLriとする。そして、次のステップS3で、このコイル間の距離Lriが、所定値Lpi(具体的には設計上のコイル間隔100mm)に所定係数値(ここでは1.5)を乗じた大きい方の所定値以下になっているか否かを判断する。つまり、Lri≦Lpi×1.5か否かを判断する。
【0067】
ステップS3の判断により、Lri≦Lpi×1.5の条件に該当しない場合には、算出されたコイル距離Lriが大きすぎるとしてステップS4のエラー処理を行い、ステップS14に移る。このエラー処理では、エラーレベルは低いとして、例えばエラーコードE8として表示する。この場合には、その部分を例えば黄色で表示する。
【0068】
一方、ステップS3の判断により、Lri≦Lpi×1.5の条件に該当する場合には、さらにステップS5で小さい方の所定値以上か否か、具体的には、Lri≧Lpi×0.8か否かの判断を行う。この条件に該当する場合には、補間により算出されたコイル距離Lriが正常なコイル距離として算出されていると判断して、ステップS14に移る。
【0069】
また、このステップS5では、図13に示すように、コイル位置Pi−1、Pi、Pi+1、Pi+2の4点において、角Pi−1、Pi、Pi+1と角Pi、Pi+1、Pi+2をそれぞれα、βとした場合にα+βが180°以上になっているか否か(つまり、α+β≧180°か)の判断も行う。
【0070】
そして、この条件に該当する場合には、少なくとも3つのコイル位置が円弧(ループ)上に存在していると判断して、つまり通常の補間処理のみですでに実際の形状を近似的に算出できると判断して、ステップS14に移る。
ステップS14では事前補正により得られて補正点dPnにおける隣接するコイル間の距離Liの中点を仮想点Pviに設定してステップS15に進む。
【0071】
一方、ステップS5の判断において、Lri≧Lpi×0.8に該当しない場合或いはα+β≧180°に該当しない場合には、補間処理では精度良くその形状を算出できていないと判断して、補間点を補正して仮想点算出の処理を行うようにする。
【0072】
そのためにまず、ステップS6で、補間した弧の中点を求め、それをdPmiとする。
具体的には、図13に示すようにコイル位置Pi,Pi+1の区間に対して補間してできた点線で示す弧の中点dPmiを求める。
【0073】
次にステップS8の線分PiPi+1の中点を求め、それをPmiとする。そして、図13に示すように実際の円弧は線分PiPi+1の中点Pmiから弧の中点dPmiに引いたベクトルを延長した上に実際の円弧が存在すると見なす(図13ではOを起点とした場合での単位ベクトルe1を示している)。
【0074】
そして、ベクトルe1の延長上で円弧と交わる円弧中点を求めるために、その円弧の中心をOとし、その場合の円弧中点との距離、つまり円弧の半径をriとし、さらに角PiOPi+1の中心角をθiとして、円弧PiPi+1の長さと所定区間距離Lpiとの差が最小となる半径ri及びθiの組み合わせを最小2乗法で求める。そして、ステップS8に示すように(ri,θi)を決定する処理を行う。
【0075】
次ににステップS9に示すように、求めた半径riの2倍、つまり求めた円弧の直径が所定の最小直径φi未満かの判断を行う。この最小直径φiは例えば実際に挿入部7をループ状にした場合にできる最小半径をある係数(例えば1.5)で除算した値である。
【0076】
従って、ステップS9の条件に該当した場合にはエラーと判断して、ステップS10のエラー処理を行った後、条件に該当しない場合と同様にステップS11に進む。つまり、求めた半径riが実際に挿入部7をループ状にした場合にできる最小半径よりも小さいとして、その半径が信頼性が低いとして、その部分を黄色で表示する。
なお、この他に、検出範囲が推定座標系の範囲の外に行った場合にも、その範囲では表示をしないようにした。
【0077】
ステップS11では、中心角θiが180°以下か否かの判断を行い、図13に示す単位ベクトルe1の延長上かその反対側に仮想点Pviが有るか否かの判断を行う。
【0078】
そして、中心角θiが180°以下の場合には、ステップS12に概略を示すようにして仮想点Pviを決定し、中心角θiが180°以上の場合には、ステップS13に概略を示すようにして仮想点Pviを決定する。
その後、コイルの番号iが最後の番号Nに隣接する値N−1まで行ったか否かの判断を行い、求める仮想点処理が残っていると、ステップS2に戻り同様の処理を繰り返す。
【0079】
このような処理を行うことにより、仮想点設定処理を行った後は、その仮想点を実際のソースコイル14iの位置と共に、使用して補間処理を行うことにより挿入部形状の算出を行い、算出された挿入部形状をモデル化してモニタ25の表示画面に表示する。このように仮想点の設定を行うことにより、その後の挿入部形状算出のためのデータ補間が容易となる。
【0080】
図9、図10で示したように小さな曲率でループ状に屈曲された場合にも、実際に多数のソースコイルを内蔵した如くに精度良く挿入部形状を算出してそれを表示することができる。
【0081】
また、本実施の形態では、隣接するソースコイルの間に仮想的なソースコイルを適切な条件を満たすように配置した如くに設定する処理をソフトウェアでして、挿入部形状の検出及び表示を行うようにしているので、既存の装置に対してもソフトウェアの変更により適用ができる。
従って、既存の装置に対して、その形状検出の処理プログラムを本実施の形態のものに置換すれば、精度の良い形状検出及び形状表示ができるようになる。
【0082】
また、挿入部7内に配置するプローブ15におけるソースコイルの数を増やさないで済むため、プローブ15が複雑になったり、信号線の本数を増やさないても済むこと、駆動手段側の構成を変更しなくても済む等のメリットもある。つまり、簡単な構成で挿入部7の形状を精度良く検出して、その形状を表示することができる。
【0083】
なお、上述の説明では、挿入部7側に磁界を発生する磁界発生素子としてソースコイル14iを配置し、体外側のコイルユニット23には磁界を検出する磁界検出素子としてのセンスコイル22jを配置した場合で説明したが、挿入部7側にセンスコイルを、コイルユニット23側にソースコイルを配置しても同様にセンスコイルに対して仮想点の設定処理により、(あたかも挿入部7内により多数のセンスコイルを配置した如くに)精度良く挿入部形状の検出ができる。
【0084】
本実施の形態では、この他に以下に説明するように種々の機能を備えている。図14に示すように本実施の形態の内視鏡形状検出装置は、日本、米国、英国、仏国、独国の5箇所の仕向け地があり、その仕向け地に応じて、年月日表示、表示フォント、表示シンボル(表示アイコン)の設定内容を変更するようにしている。
そして、仕向け地に応じて、年月日表示を連動して変更し、仕向け地毎に見やすい表示画面を提供できるようにしている。
【0085】
また、本実施の形態では、図15に示すようにモニタ25に表示される範囲内に配置されたソースコイル14iにより、図8に示す内視鏡のアイコンの表示色を決定するようにした。
従来例では、(内視鏡)挿入部内のソースコイル14iが検出範囲の外にあると、その内視鏡のアイコンを黄色で表示していたが、実際にモニタ25に表示されている挿入部形状は検出範囲の内側にあれば、灰色で表示され、表示される挿入部形状とそれに対応するアイコンとの表示色が異なる場合があった。
【0086】
このため、その相違を解消するために、モニタ25に表示される部分のソースコイル14iが検出範囲の内側か否かにより、そのアイコンの表示色を決定するようにした。従って、図15に示す場合のように、挿入部形状は検出範囲の内側にあり、灰色で表示され、またそのアイコンも緑色で表示されるようになり、理解し易い表示となる。なお、体外マーカや基準プレートの場合にも、同様の表示方法にしている。
【0087】
また、従来例では、挿入部形状を表示する場合の表示色としては、あるコイル位置が検出範囲の外にあると、そのコイルに隣接する(実際には検出範囲内の)コイル位置もその位置算出の際に、検出範囲外のコイル位置の情報を使用して、算出を行うことから、実際には検出範囲内のコイル位置付近も黄色で表示されることがあった。
【0088】
このような表示の場合には、信頼性の高い表示色で表示ができるが、不利な点として検出範囲の境界を把握しにくくなる。このため、本実施の形態では、検出範囲境界の補間点により表示色を決定するようにした。
【0089】
例えば図16に示すように検出範囲の境界をまたぐようにしてスコープモデルの算出が行われた場合、クロス点で示すコイル位置から算出される複数の補間点のうち、境界付近にある三角で示す2つの補間点で挟まれる区間が範囲外として黄色で、三角の補間点の端部が範囲内として灰色で表示される。このため、その表示色から境界をより把握し易くなる。
【0090】
また、本実施の形態では、以下に説明するようにスコープモデルの動きをスムーズにするために、位置データのバッファリングタイミングを変更するようにした。
【0091】
図17は、磁界計測により、スコープモデル描画のプロセスを示す。つまり、ステップS21の磁界計測の後にステップS22の位置検出を行い、位置検出したデータをステップS23でデータを取り込むデータバッファ処理し、さらにバッファ処理したデータに対してステップS24のデジタルフィルタ処理をした後、ステップS25のスコープ描画処理を行う。
【0092】
この場合、図18に示すように挿入部7のコイルは先端部、中間部、基端部の3つにグループ分けされ、図19(A)に示すようにA,B,C,A,…のタイミングで順次駆動される。
【0093】
この場合、限られた周波数帯域で、より多くの磁界を発生させるため、時分割で駆動するようにしている。
そして、図19(B)に示すように1つの駆動グループのデータが更新されたタイミングでバッファリングする。
【0094】
これに対して、従来例は図19(C)に示すように全てのデータが更新されたタイミング(つまり、図19(B)の3倍の更新間隔)でバッファリングするようにしていた。
【0095】
このように本実施の形態では、データの更新レートが3倍になり、後段のデジタルフィルタの出力データも1/3の時間間隔で更新されるため、スコープモデルのフレームレートが3倍になり、スムーズな動きをするような描画ができるようにしている。
【0096】
次に基準プレート58を使用した時にスコープポジション記憶を設定した際、スコープモデルと装置本体の位置関係を把握し易いように設定して、見やすい表示画面(スコープモデル)を提供できるようにしたことを説明する。
【0097】
図20は本体装置21と患者が横たわるベッド4を上面から見た様子を示し、通常左側が患者の頭部側となる。
体外と(モニタ25に表示される)体内との境界は平面で規定され、カット面と呼び、このカット面より体外側は非表示にする。
既存のカット面は、基準プレート58の接続状態により設定が異なる。図20の▲1▼−1の面を未接続のカット面、▲2▼−1の面を接続時のカット面とする。
【0098】
スコープポジションは、体外マーカ57を使って既存のカット面位置を(図20で左右方向に)平行移動する機能であり、ON時には▲1▼−2/▲2▼−2の面に平行移動する。
【0099】
また、基準プレート58、体外マーカ57の使用状態に応じて、図21の表に示すようにカット面が設定される。なお、表中の”有効”、”無効”は、接続中の基準プレート58,体外マーカ57の検出された位置を使った機能の状態を示している。
【0100】
ここで、特徴となる設定は、基準プレート58を接続した場合には、その基準プレート58により設定される面と垂直な方向がカット面となり、従来では体外マーカ57のONにより、基準プレート58により設定されるカット面▲2▼−1の面とは方位が異なるカット面に設定されるようになっていたが、本実施の形態では、(基準プレート58を接続した場合にはそのカット面の方位は変更されないで)単に体外マーカ57を通るように平行移動したカット面▲2▼−2のように設定して基準プレート58の機能を把握し易くした。
【0101】
また、本実施の形態では従来例で採用していたスコープモデルのグレースケールの表示方法を変更している。つまり、従来例では、スコープモデルが表示されている範囲に、明暗のフルスケールが割り付けられていたため、例えば平面に近い状態でも一部が極端に明るくなったり、暗くなったりする表示となる場合があった。このため、以下のようなグレースケールの設定を採用するようにした。
【0102】
スコープモデルの注意表示に該当しない正常なソースコイル区間は、グレースケールで色付けする。このとき、グレーの明るさが画面手前から画面奥行きの方向(視野系座標のZ方向)に暗くなるように設定する。その変化率γの算出には、次式を使用する。
【0103】
γ=sinθ/2×(Cmax−Cmin)+Cmin
θ=(Z−Zmin)/(ZmaxーZmin)×π−π/2
Cmin:最も暗いグレーのRGB値(256階調)
Cmax:最も明るいグレーのRGB値(256階調)
Zmin:グレースケール表示する最も画面奥行側のz座標
Zmax:グレースケール表示する最も画面手前側のz座標
従来例における実際に検出されたスコープ範囲に応じてグレースケールを決めていたのを、規定の検出範囲等の固定値により決めるように変更することにより、極端なグレースケール表示することなく、そのグレースケール表示から立体的な形状の把握をしやすくできるようにした。
【0104】
次にモニタ25に表示するスコープモデルを表示する場合、自動センタリング機能により、スコープモデルが画面から外れるのを有効に防止できるようにして見やすい表示画面を提供するようにしているが、本実施の形態ではさらに画面水平方向を変更する操作(例えばスコープポジションOFF時、基準プレート接続/抜去時)には必ず自動センタリングの機能を行わせるようにして、スコープモデルが画面から外れるのをより有効に防止できるようにしている。
【0105】
通常のセンタリングの機能は、図22(A)に示すように表示画面の水平ラインをスコープモデルの先端が上部側の表示領域側に移動した時、その時のスコープモデル先端が、画面水平方向のセンタとなるように調整して、スコープモデルの表示を行うようにする。
【0106】
図22(A)では、例えばスコープモデルの先端が画面下の水平方向のセンタより左側でカット面となる画面下の水平ラインを交差して、その位置がセンタ位置となるようにして表示が行われる。
【0107】
この状態で体外マーカ57によりカット面を移動すると、その移動によりカット面が図22(A)の例えば2点鎖線で示す位置に設定されたとする。その状態で表示すると、カット面の位置から上部となるスコープモデル部分が表示されるが、その場合におけるカット面と交差するスコープモデル位置は画面下の水平方向のセンタ位置からずれるので、自動センタリングの機能により修正され、図22(B)のようにカット面と交差するスコープモデル位置は画面下の水平方向のセンタ位置に設定されて表示される。
【0108】
この状態において、体外マーカ57の使用を止めた場合(体外マーカ57を外したり、スコープポジションをOFFにする)には、カット面の位置が体外マーカ57を使用しない状態でのそのスコープモデルの画面下の位置が水平方向のセンタ位置となるように自動センタリングを機能させる。つまり、図22(C)の実線で示すような表示とする。
【0109】
これに対して、従来例では図22(C)の2点鎖線で示すように図22(B)の状態を単にカット面移動前の位置までずらした状態で表示する。
つまり、従来例では、画面下の水平ラインと交差するスコープモデル位置はそのセンタ位置からずれてしまう。
【0110】
本実施の形態ではその場合にも、自動センタンリングの機能を行わせることにより、実線で示すようにセンタ位置に再設定してスコープモデルの表示を行う状態を維持する。ここでは、体外マーカ57の場合で説明したが、基準プレート接続/抜去時にも自動センタリングの機能を行わせる。
このようにして、スコープモデルが画面から外れるのをより有効に防止できる。
【0111】
なお、上述の説明ではコイルユニット23内に配置されるセンスコイル22jの数を12としたが、これに限定されるものでなく、それ以外の複数、例えば16個等に設定しても良い。
【0112】
[付記]
1.被検体に挿入される可撓性を有する内視鏡挿入部の内部に磁界発生素子及び磁界検出素子との一方の素子を複数配置し、被検体の外部に他方の素子を複数配置して、内視鏡挿入部の内部に配置された前記一方の素子の各位置を前記他方の素子の位置データを用いて検出手段により検出することにより、内視鏡挿入部の形状を推定してその形状を表示手段で表示する内視鏡形状検出装置において、
前記検出手段の出力に基づき、検出した前記一方の素子の間に所定の条件を満たすように仮想的な素子を配置し、前記一方の素子の間のデータ補間を前記仮想的な素子の位置データも用いてデータ補間を行うデータ補間手段を設けたことを特徴とする内視鏡形状検出装置。
2.付記1において、前記データ補間手段はソフトウェアで形成される。
【0113】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の内視鏡形状検出装置によれば、被検体に挿入される内視鏡挿入部の内部に複数の磁界発生素子及び複数の磁界検出素子の一方の素子を配置し、被検体の外部に他方の素子を配置して、内視鏡挿入部の内部に配置された一方の素子の位置を前記他方の素子の位置データを用いて検出手段により検出することにより、内視鏡挿入部の形状を推定してその形状を表示手段で表示する内視鏡形状検出装置において、
前記検出手段の出力に基づき、前記検出した一方の素子の間に仮想的な素子を配置し、前記一方の素子の間のデータ補間を前記仮想的な素子の位置データを用いてデータ補間を行うデータ補間手段を設けているので、内視鏡挿入部が小さい曲率で屈曲された場合に対して、あたかも実際に配置された素子の数を増大した如くにその屈曲された形状を精度良く検出して、その形状を表示できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施の形態を備えた内視鏡システムの構成を示すブロック図。
【図2】コイルユニットに内蔵されたセンスコイルの配置例を基準の座標系で示す図。
【図3】図1における内視鏡形状検出装置の構成を示すブロック図。
【図4】図3の検出ブロック及びホストプロセッサの構成及び接続検知機構の構成を示す図。
【図5】検出ブロック等の構成を示すブロック図。
【図6】2ポートメモリ等の動作のタイミング図。
【図7】検出装置及び操作パネルの構成等を示す図。
【図8】検出装置に内視鏡等を接続した場合の接続表示機能を示す図。
【図9】仮想点を設定しない場合と設定した場合等の補間処理された様子を示す図。
【図10】図9の場合における表示される挿入部形状を示す図。
【図11】仮想点設定処理の基本的な説明図。
【図12】仮想点設定の処理の内容を示すフローチャート図。
【図13】図12の仮想点設定の処理の説明図。
【図14】仕向け地により年月日表示などを変更した内容を示す図。
【図15】はモニタに表示される挿入部内のソースコイル部分が検出範囲内にあるとそのアイコンも緑色で表示する説明図。
【図16】ソースコイルの補間点が検出範囲の内側か否かにより表示色を決定するようにした様子を示す図。
【図17】磁界計測からスコープモデル描画の処理を示すフローチャート図。
【図18】挿入部を3つの領域に分けた様子を示す図。
【図19】従来例と比較して、より短い間隔でデータのバッファリングを行うようにした説明図。
【図20】基準プレート等によるカット面の設定の様子を示す図。
【図21】図20の場合の詳細な設定内容を示す図。
【図22】スコープポジションOFF時等でも自動センタリングを行う作用の説明図。
【符号の説明】
1…内視鏡システム
2…内視鏡装置
3…内視鏡形状検出装置
4…ベッド
5…患者
6…電子内視鏡
7…挿入部
8…操作部
10…ビデオプロセッサ
12…鉗子チャンネル
14i…ソースコイル
15…プローブ
16…ケーブル
21…検出装置
23…コイルユニット
22j…センスコイル
24…操作パネル
26…駆動ブロック
27…検出ブロック
28…ホストプロセッサ
31…ソースコイル駆動回路
32…CPU
32a…判定手段
32b…表示色選択手段
32c…仮想点設定処理手段
51…メニューボタン
52…リセットボタン
53…ビューアングル/セレクトボタン
54…ズームボタン
57…体外マーカ
58…基準プレート
Claims (3)
- 被検体に挿入される可撓性を有する内視鏡挿入部の内部に磁界発生素子及び磁界検出素子の一方の素子を複数配置し、被検体の外部に他方の素子を複数配置して、内視鏡挿入部の内部に配置された前記一方の素子の各位置を前記他方の素子の位置データを用いて検出手段により検出することにより、内視鏡挿入部の形状を推定してその形状を表示手段で表示する内視鏡形状検出装置において、
前記検出手段の出力に基づき、検出した前記一方の素子の間に仮想的な素子を配置し、前記一方の素子の間のデータ補間を前記仮想的な素子の位置データを用いてデータ補間を行うデータ補間手段を設けたことを特徴とする内視鏡形状検出装置。 - 前記内視鏡挿入部の内部に配置される前記一方の素子は磁界発生素子であることを特徴とする請求項1記載の内視鏡形状検出装置。
- 前記一方の素子が配置された距離情報等の条件を用いて前記仮想的な素子の配置位置を推定する推定手段を有することを特徴とする請求項1記載の内視鏡形状検出装置。
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