以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ説明を行う。
(第1の実施例)
図1から図5は、本発明の第1の実施例に係るものである。
生体観測システム1は、図1に示すように、内視鏡4を用いて被検体の内部の観察を行うことが可能な内視鏡装置2と、該被検体の内部に挿入された内視鏡4の形状を検出することが可能な内視鏡形状検出装置3と、を有して構成されている。
内視鏡装置2は、被検体の内部の被写体を撮像して撮像信号を出力する内視鏡4と、被写体を照明するための照明光(例えば面順次のRGB光)を内視鏡4へ供給する光源装置5と、内視鏡4から出力される撮像信号に信号処理を施して映像信号を出力するビデオプロセッサ6と、ビデオプロセッサ6から出力される映像信号に応じた被写体の像を表示するモニタ7と、を有して構成されている。
プローブとしての機能を有する内視鏡4は、可撓性を具備する細長形状の挿入部11と、挿入部11の後端に設けられた操作部12と、を有して構成されている。
挿入部11の内部には、光源装置5から供給される照明光を挿入部11の先端部14に設けられた照明窓(図示せず)へ伝送する導光路として構成されたライトガイド13が、長手方向に沿って挿通配置されている。すなわち、光源装置5から供給される照明光は、ライトガイド13と、前記照明窓と、を少なくとも経て被写体へ出射される。
また、挿入部11の内部には、磁界発生素子である複数のソースコイルC1、C2、…、Cn(C1〜Cnと略記)が、長手方向に沿って所定の間隔を有して配置されている。なお、本実施例においては、ソースコイルC1が挿入部11の最も先端側に配置されているとともに、ソースコイルCnが挿入部11の最も基端側に配置されているものとして説明を行う。
ソースコイルC1〜Cnは、内視鏡形状検出装置3から出力される駆動信号に応じた磁界を周囲に発する。そして、ソースコイルC1〜Cnから発せられた磁界は、内視鏡形状検出装置3のセンスコイルユニット21により各々検出される。
挿入部11の先端部14の後端側には、湾曲自在に構成された湾曲部(図示せず)が設けられている。前記湾曲部は、操作部12に設けられた湾曲操作ノブ(図示せず)等の操作に応じて所望の方向に湾曲させることができる。
内視鏡4の操作部12には、前述の湾曲操作ノブに加え、生体観測システム1により実現される諸機能のオンオフの切り替え等に係る操作指示を行うことが可能な、スコープスイッチ群12aが設けられている。
一方、先端部14における照明窓(図示せず)に隣接する位置には、対物レンズ15が取り付けられた観察窓(図示せず)が設けられている。また、対物レンズ15の結像位置には、CCD等からなる撮像素子16の撮像面が配置されている。
撮像素子16は、信号線を介してビデオプロセッサ6と電気的に接続されるとともに、対物レンズ15により結像された被写体の光学像に応じた撮像信号を生成してビデオプロセッサ6へ出力する。
なお、光源装置5は、例えば、面順次のRGB光を照明光として供給する場合には、各々の光が供給される期間に同期した同期信号をビデオプロセッサ6に出力するものとする。このとき、ビデオプロセッサ6は、光源装置5から出力される前記同期信号に同期して信号処理を行うものとする。
プローブ形状検出装置としての機能を有する内視鏡形状検出装置3は、ソースコイルC1〜Cnから発せられた磁界の検出結果に応じた磁界検出信号を出力するセンスコイルユニット21と、センスコイルユニット21から出力される磁界検出信号に基づいて挿入部11の形状(挿入形状)を推定する内視鏡形状演算処理装置22と、内視鏡形状演算処理装置22の処理結果に応じた画像(形状検出画像)を表示するディスプレイ23と、ディスプレイ23に表示される画像(形状検出画像)の基準位置を指定する基準位置指定装置24と、を有して構成されている。
センスコイルユニット21は、例えば患者が横臥した検査ベッドの周辺部等に配置可能であるとともに、ソースコイルC1〜Cnから発せられた磁界の検出結果に応じた磁界検出信号を内視鏡形状演算処理装置22へ出力可能に構成されている。
また、センスコイルユニット21は、図2に示すように、ソースコイルC1〜Cnから発せられた磁界を、相互に直交する3つの軸方向の磁界成分として検出可能に構成されたコイル群211、212、213及び214を有している。
コイル群211は、センスコイルユニット21の左右方向に相当するx軸方向に向けて配置されたコイル211xと、センスコイルユニット21の上下方向に相当するy軸方向に向けて配置されたコイル211yと、センスコイルユニット21の奥行方向に相当するz軸方向に向けて配置されたコイル211zと、の3つのコイルを1組として構成されている。
コイル群212は、センスコイルユニット21の左右方向に相当するx軸方向に向けて配置されたコイル212xと、センスコイルユニット21の上下方向に相当するy軸方向に向けて配置されたコイル212yと、センスコイルユニット21の奥行方向に相当するz軸方向に向けて配置されたコイル212zと、の3つのコイルを1組として構成されている。
コイル群213は、センスコイルユニット21の左右方向に相当するx軸方向に向けて配置されたコイル213xと、センスコイルユニット21の上下方向に相当するy軸方向に向けて配置されたコイル213yと、センスコイルユニット21の奥行方向に相当するz軸方向に向けて配置されたコイル213zと、の3つのコイルを1組として構成されている。
コイル群214は、センスコイルユニット21の左右方向に相当するx軸方向に向けて配置されたコイル214xと、センスコイルユニット21の上下方向に相当するy軸方向に向けて配置されたコイル214yと、センスコイルユニット21の奥行方向に相当するz軸方向に向けて配置されたコイル214zと、の3つのコイルを1組として構成されている。
以上に述べた構成によれば、例えば、ソースコイルCp(1≦p≦n)から磁界が発せられた場合、該磁界のx軸方向の磁界成分に応じた起電圧がコイル211x〜214xにおいてそれぞれ生じた後、該起電圧に応じた磁界検出信号が内視鏡形状演算処理装置22へ出力される。また、以上に述べた構成によれば、例えば、ソースコイルCpから磁界が発せられた場合、該磁界のy軸方向の磁界成分に応じた起電圧がコイル211y〜214yにおいてそれぞれ生じた後、該起電圧に応じた磁界検出信号が内視鏡形状演算処理装置22へ出力される。さらに、以上に述べた構成によれば、例えば、ソースコイルCpから磁界が発せられた場合、該磁界のz軸方向の磁界成分に応じた起電圧がコイル211z〜214zにおいてそれぞれ生じた後、該起電圧に応じた磁界検出信号が内視鏡形状演算処理装置22へ出力される。
内視鏡形状演算処理装置22は、図1に示すように、駆動信号送信部221と、磁界検出信号受信部222と、制御部223と、を有して構成されている。また、内視鏡形状演算処理装置22は、信号線を介してビデオプロセッサ6との通信を行うことができるように構成されている。
駆動信号送信部221は、ソースコイルC1〜Cnのうち、複数のソースコイルをそれぞれ異なる周波数により同時に駆動させるための駆動信号を内視鏡4へ送信する。または、駆動信号送信部221は、ソースコイルC1〜Cnを同一の周波数により1個ずつ順次駆動させるための駆動信号を内視鏡4へ送信する。なお、本実施例においては、後者の場合、すなわち、ソースコイルC1〜Cnを同一の周波数により1個ずつ順次駆動させるための駆動信号が内視鏡4へ送信される場合について説明を行う。そして、このような駆動信号が送信されることにより、各ソースコイル毎に個別のタイミングで交流磁界が発せられる。
磁界検出信号受信部222は、センスコイルユニット21から出力される各磁界検出信号に対して周波数分離等の信号処理を施す。そして、磁界検出信号受信部222は、前記信号処理を施した後の各磁界検出信号をコイル群毎に分けて出力する。
制御部223は、図3に示すように、テーブル格納部223aと、候補ベクトル演算部223bと、起電圧誤差演算部223c、223d及び223eと、起電圧誤差判定部223fと、画像生成部223gと、を有して構成されている。また、制御部223は、ソースコイルC1〜Cnへの駆動信号の出力に係る制御を駆動信号送信部221に対して行うことができるように構成されている。このような制御部223の制御により、駆動信号送信部221は、例えば、ソースコイルC1〜Cnを1つずつ順番に駆動させるように駆動信号を出力する。
テーブル格納部223aには、センスコイルユニット21の磁界の検出範囲内においてソースコイルC1〜Cnがそれぞれ取り得る候補位置に相当する、m個の座標データがテーブルデータとして格納されている。具体的には、テーブル格納部223aには、例えば図4に示すように、t1(x1,y1,z1)〜tm(xm,ym,zm)のm個の座標データを含むテーブルデータ223hが格納されている。
候補ベクトル演算部223bは、テーブル格納部223aのテーブルデータ223hに含まれる各座標データの中から、座標データtq(1≦q≦m)を読み込む。その後、候補ベクトル演算部223bは、テーブル格納部223aから読み込んだ座標データtqと、コイル群211の3つのコイル(211x、211y及び211z)から磁界検出信号受信部222を経て出力された磁界検出信号の電圧(信号レベル)とに基づき、該座標データtqに対応する候補ベクトルを算出し、算出結果を起電圧誤差演算部223c、223d及び223eへそれぞれ出力する。
なお、前述の候補ベクトルは、座標データtqに対応する位置にソースコイルが存在すると仮定した場合の該ソースコイルの向きを示すパラメータである。
起電圧誤差演算部223cは、テーブル格納部223aのテーブルデータ223hに含まれる各座標データの中から、候補ベクトル演算部223bにおいて読み込まれたものと同じ座標データtqを読み込む。その後、起電圧誤差演算部223cは、テーブル格納部223aから読み込んだ座標データtqと、候補ベクトル演算部223bから出力される候補ベクトルの算出結果とに基づき、該座標データtqに対応する推定起電圧を算出する。そして、起電圧誤差演算部223cは、コイル群212の3つのコイル(212x、212y及び212z)から磁界検出信号受信部222を経て出力された磁界検出信号の電圧(信号レベル)と、前述の推定起電圧と、の差である起電圧誤差Δvx1、Δvy1及びΔvz1を算出し、算出結果を起電圧誤差判定部223fへ出力する。
なお、前述の推定起電圧は、座標データtqに対応する位置にソースコイルが存在し、かつ、該ソースコイルが候補ベクトル演算部223bから出力される候補ベクトルの向きを向いていると仮定した場合に、該ソースコイルから発せられる磁界を検出した際に生じると推定される起電圧の値を示すパラメータである。
起電圧誤差演算部223dは、テーブル格納部223aのテーブルデータ223hに含まれる各座標データの中から、候補ベクトル演算部223bにおいて読み込まれたものと同じ座標データtqを読み込む。その後、起電圧誤差演算部223dは、テーブル格納部223aから読み込んだ座標データtqと、候補ベクトル演算部223bから出力される候補ベクトルの算出結果とに基づき、該座標データtqに対応する推定起電圧を算出する。そして、起電圧誤差演算部223dは、コイル群213の3つのコイル(213x、213y及び213z)から磁界検出信号受信部222を経て出力された磁界検出信号の電圧(信号レベル)と、前述の推定起電圧と、の差である起電圧誤差Δvx2、Δvy2及びΔvz2を算出し、算出結果を起電圧誤差判定部223fへ出力する。
起電圧誤差演算部223eは、テーブル格納部223aのテーブルデータ223hに含まれる各座標データの中から、候補ベクトル演算部223bにおいて読み込まれたものと同じ座標データtqを読み込む。その後、起電圧誤差演算部223eは、テーブル格納部223aから読み込んだ座標データtqと、候補ベクトル演算部223bから出力される候補ベクトルの算出結果とに基づき、該座標データtqに対応する推定起電圧を算出する。そして、起電圧誤差演算部223eは、コイル群214の3つのコイル(214x、214y及び214z)から磁界検出信号受信部222を経て出力された磁界検出信号の電圧(信号レベル)と、前述の推定起電圧と、の差である起電圧誤差Δvx3、Δvy3及びΔvz3を算出し、算出結果を起電圧誤差判定部223fへ出力する。
起電圧誤差判定部223fは、起電圧誤差演算部223c、223d及び223eからそれぞれ出力される各起電圧誤差の値(Δvx1、Δvy1、Δvz1、Δvx2、Δvy2、Δvz2、Δvx3、Δvy3及びΔvz3)を加算した結果に基づく判定処理を行うことにより、テーブルデータ223hに含まれる各座標データの中から、ソースコイル毎の推定位置を取得して順次蓄積する。そして、起電圧誤差判定部223fは、ソースコイルC1〜Cnの推定位置を蓄積し終わった際に、該推定位置を画像生成部223gへ出力する。なお、前述の判定処理の詳細については、後程説明を行う。
画像生成部223gは、起電圧誤差判定部223fから出力されるソースコイルC1〜Cnの推定位置に基づいて挿入部11の形状を示す形状検出画像を生成する。また、画像生成部223gは、基準位置指定装置24により指定された基準位置に基づき、例えば、形状検出画像の最も根元側(基端側)がディスプレイ23の表示画面内の最下部の中央に表示されるように表示位置を設定する。そして、画像生成部223gは、表示位置が設定された状態の形状検出画像に基づいて映像信号を生成してディスプレイ23へ出力する。
基準位置指定装置24は、内視鏡形状演算処理装置22に接続されているとともに、術者等により操作されるスイッチ241と、コイル242と、を有している。
スイッチ241は、術者等の操作に応じ、コイル242からの磁界の発生状態をオンまたはオフにする指示を駆動信号送信部221に対して行うことができるように構成されている。このような構成によれば、スイッチ241においてコイル242から磁界を発生させる(磁界の発生状態をオンにする)指示がなされた場合、該指示を受けた駆動信号送信部221からの駆動信号がコイル242へ供給され、該駆動信号に応じた磁界がコイル242から発せられる。
コイル242から発せられた磁界は、該磁界の検出結果に応じた磁界検出信号としてセンスコイルユニット21から出力され、磁界検出信号受信部222を経た後、制御部223に入力される。その後、制御部223のテーブル格納部223a、候補ベクトル演算部223b、起電圧誤差演算部223c、起電圧誤差演算部223d、起電圧誤差演算部223e、及び、起電圧誤差判定部223fの各部において、磁界検出信号に基づく処理が行われることにより、コイル242の推定位置を得ることができる。そして、画像生成部223gは、コイル242の推定位置を前述の基準位置として用いることにより、形状検出画像の表示位置の設定を行う。
次に、本実施例の作用について説明を行う。
まず、術者等は、図1に示すように生体観測システム1の各部を接続した後、該各部の電源を投入する。
内視鏡形状演算処理装置22は、自身の電源が投入された直後において、故障箇所の有無に係る自己診断を行う。具体的には、内視鏡形状演算処理装置22の各部は、電源が投入された直後に、駆動信号送信部221→磁界検出信号受信部222、磁界検出信号受信部222→制御部223、及び、制御部223→駆動信号送信部221の3つの経路において、故障診断用の信号の送受信を行う。そして、内視鏡形状演算処理装置22は、前述の3つの経路のうちの少なくとも1つの経路において故障診断用の信号の送受信がなされていないことを検出した場合に、例えば、自身の外表面に設けられたLED(図示せず)を点滅させる等の動作を行うことにより、自身に故障箇所が存在する旨を術者等に報知する。
一方、術者等は、内視鏡形状演算処理装置22に故障箇所が存在しないことを確認した後、検査ベッド(図示せず)に横たわった患者の肛門付近に基準位置指定装置24を配置してスイッチ241を操作することにより、コイル242から磁界を発生させる(磁界の発生状態をオンにする)指示を行う。
コイル242から発せられた磁界は、センスコイルユニット21における該磁界の検出結果に応じた磁界検出信号として出力され、磁界検出信号受信部222を経た後、制御部223に入力される。その後、制御部223のテーブル格納部223a、候補ベクトル演算部223b、起電圧誤差演算部223c、起電圧誤差演算部223d、起電圧誤差演算部223e、及び、起電圧誤差判定部223fの各部において、磁界検出信号に基づく処理が行われることにより、コイル242の推定位置が取得される。そして、画像生成部223gは、コイル242の推定位置を前述の基準位置として用いることにより、形状検出画像の表示位置の設定を行う。
以上に述べたような場合においては、患者の肛門付近に相当する位置がディスプレイ23の表示画面内の最下部の中央に位置するように基準位置が指定される。すなわち、患者の肛門から挿入するタイプの内視鏡4を用いて観察を行う際に、患者の肛門付近に相当する位置を基準位置として指定することにより、形状検出画像の最も根元側(基端側)がディスプレイ23の表示画面内の最下部の中央に表示されるように表示位置が設定される。
なお、本実施例によれば、スコープスイッチ群12aのいずれか1つのスイッチにスイッチ241の機能を持たせ、さらに、挿入部11の最も基端側に配置されたソースコイルCnにコイル242の機能を持たせることにより、基準位置の指定に係る操作を実現することもできる。このような場合、術者等は、ソースコイルCnが配置された位置まで挿入部11を挿入した後でスコープスイッチ群12aを操作することにより、ソースコイルCnから磁界を発生させればよい。
また、本実施例によれば、基準位置指定装置24にコイル242のみを設けるとともに、ビデオプロセッサ6または内視鏡形状演算処理装置22に接続可能なキーボード(図示せず)の所定のキーにスイッチ241の機能を持たせるようにしてもよい。
術者等は、基準位置指定装置24を用いて基準位置の指定に係る操作を行った後、モニタ7に表示される被写体の像を見ながら挿入部11を患者の体腔内に挿入してゆく。また、患者の体腔内への挿入部11の挿入が開始されるタイミングに相前後して、ソースコイルC1〜Cnから磁界が発せられる。
ここで、本実施例の内視鏡形状検出装置3の動作及び処理等に係る説明を、図5のフローチャートを参照しつつ行う。なお、以降においては、説明の簡単のため、各ソースコイルから発せられた磁界がソースコイルC1、C2、…、Cnの順番に検出されるとともに、この順番で磁界検出信号が出力される場合を例に挙げて述べる。
ソースコイルCpから磁界が発せられると、該磁界に応じた磁界検出信号がコイル群211、212、213及び214の各コイルから出力される(図5のステップS1)。
候補ベクトル演算部223bは、テーブル格納部223aのテーブルデータ223hに含まれる各座標データの中から、座標データtqを読み込む。その後、候補ベクトル演算部223bは、テーブル格納部223aから読み込んだ座標データtqと、コイル群211の3つのコイル(211x、211y及び211z)から磁界検出信号受信部222を経て出力された磁界検出信号の電圧(信号レベル)とに基づき、該座標データtqに対応する候補ベクトルを算出し(図5のステップS2)、算出結果を起電圧誤差演算部223c、223d及び223eへそれぞれ出力する。
起電圧誤差演算部223c、223d及び223eは、テーブル格納部223aのテーブルデータ223hに含まれる各座標データの中から、候補ベクトル演算部223bにおいて読み込まれたものと同じ座標データtqを読み込む。その後、起電圧誤差演算部223c、223d及び223eは、テーブル格納部223aから読み込んだ座標データtqと、候補ベクトル演算部223bから出力される候補ベクトルの算出結果とに基づき、該座標データtqに対応する推定起電圧を算出する(図5のステップS3)。
起電圧誤差演算部223cは、コイル群212の3つのコイル(212x、212y及び212z)から磁界検出信号受信部222を経て出力された磁界検出信号の電圧(信号レベル)と、前述の推定起電圧と、の差である起電圧誤差Δvx1、Δvy1及びΔvz1を算出し、算出結果を起電圧誤差判定部223fへ出力する(図5のステップS4)。
起電圧誤差演算部223dは、コイル群213の3つのコイル(213x、213y及び213z)から磁界検出信号受信部222を経て出力された磁界検出信号の電圧(信号レベル)と、前述の推定起電圧と、の差である起電圧誤差Δvx2、Δvy2及びΔvz2を算出し、算出結果を起電圧誤差判定部223fへ出力する(図5のステップS4)。
起電圧誤差演算部223eは、コイル群214の3つのコイル(214x、214y及び214z)から磁界検出信号受信部222を経て出力された磁界検出信号の電圧(信号レベル)と、前述の推定起電圧と、の差である起電圧誤差Δvx3、Δvy3及びΔvz3を算出し、算出結果を起電圧誤差判定部223fへ出力する(図5のステップS4)。
起電圧誤差判定部223fは、起電圧誤差演算部223c、223d及び223eからそれぞれ出力される各起電圧誤差の値(Δvx1、Δvy1、Δvz1、Δvx2、Δvy2、Δvz2、Δvx3、Δvy3及びΔvz3)を加算する(図5のステップS5)。また、このような起電圧誤差の加算処理に前後して、起電圧誤差判定部223fは、候補ベクトル演算部223bにおいて読み込まれたものと同じ座標データtqを読み込む。
その後、起電圧誤差判定部223fは、座標データtqに対応する起電圧誤差の加算処理結果が、これ以前に得られた起電圧誤差の加算処理結果に対して最小であるか否かの判定を行う(図5のステップS6)。そして、起電圧誤差判定部223fは、座標データtqに対応する起電圧誤差の加算処理結果が最小であると判定した場合には、該加算処理結果に応じて最尤位置情報を更新した(図5のステップS7)後、図5のステップS9の処理へ移行する。また、起電圧誤差判定部223fは、座標データtqに対応する起電圧誤差の加算処理結果が最小ではないと判定した場合には、該加算処理結果を破棄し、これ以前に得た最尤位置情報を維持したまま(図5のステップS8)、図5のステップS9の処理へ移行する。
なお、前述の最尤位置情報は、起電圧誤差判定部223fに設けられた図示しないメモリに格納される情報であって、起電圧誤差の加算処理結果が最小値になった際の該加算処理結果と、該加算処理結果に関連付けられた一の座標データと、を含んでいる。すなわち、図5のステップS6における判定処理は、起電圧誤差判定部223fのメモリに格納された最尤位置情報を読み込むことにより得られた加算処理結果と、図5のステップS5において得られた起電圧誤差の加算処理結果と、を比較することにより行われる。そして、このような判定処理の処理結果に応じ、起電圧誤差判定部223fのメモリに格納された最尤位置情報が適宜書きかえられる。但し、q=1の場合には、それ以前の最尤位置情報が存在しないため、図5のステップS6における判定処理を行わずにステップS7へ移行し、ステップS5において得られた起電圧誤差の加算処理結果と、該加算処理結果に関連付けられた座標データt1と、が最尤位置情報として起電圧誤差判定部223fのメモリに格納される。
一方、以上に述べた制御部223の各部において、全ての座標データt1〜tmに対する処理が完了していない場合には(図5のステップS9)、次の座標データt(q+1)が読み込まれた(図5のステップS10)後、該座標データt(q+1)を用いて図5のステップS2〜ステップS8の処理が行われる。また、全ての座標データt1〜tmに対する処理が完了した場合(図5のステップS9)、起電圧誤差判定部223fは、その時点で自身が保持している最尤位置情報に含まれる座標データを、ソースコイルCpの推定位置として取得する(図5のステップS11)。
そして、全てのソースコイルC1〜Cnの推定位置が得られていない場合には(図5のステップS12)、次のソースコイルC(p+1)から発せられた磁界に応じた磁界検出信号に基づき、図5のステップS1〜ステップS11の処理が行われる(図5のステップS13)。また、全てのソースコイルC1〜Cnの推定位置が得られた場合、起電圧誤差判定部223fは、ソースコイルC1〜Cnの推定位置の情報を画像生成部223gへ出力する。
画像生成部223gは、起電圧誤差判定部223fから出力されるソースコイルC1〜Cnの推定位置に基づいて挿入部11の形状を示す形状検出画像を生成する。また、画像生成部223gは、基準位置指定装置24により指定された基準位置に基づき、形状検出画像の最も根元側(基端側)がディスプレイ23の表示画面内の最下部の中央に表示されるように表示位置を設定する。そして、画像生成部223gは、表示位置が設定された状態の形状検出画像に基づいて映像信号を生成してディスプレイ23へ出力する。
以上に述べたように、本実施例によれば、ソースコイルの向きを変数として用いた演算を行わずとも、該ソースコイルの推定位置を得ることができる。そのため、本実施例によれば、ソースコイルの推定位置を得る際の演算量を低減することができ、すなわち、被検体内に挿入されたプローブの形状を検出する際にかかる時間を従来に比べて短縮することができる。
また、本実施例によれば、ソースコイルの推定位置を得る際の演算量が低減されることに伴い、フレームレートを向上させることができ、すなわち、被検体内に挿入されたプローブの形状を示す形状検出画像を従来に比べて滑らかに表示することができる。(なお、本実施例によれば、フレームレートを従来の約3倍程度まで向上させることができる。)
また、本実施例によれば、ソースコイルの推定位置を得る際の演算量が低減されることに伴い、挿入部の挿入操作(及び抜去操作)に対する応答性を向上させることができ、結果的に、挿入部の挿入操作(及び抜去操作)を効率的に支援することができる。
ところで、ニュートンラプソン法または多変量解析を用いた従来の演算によれば、例えば、ソースコイルとセンスコイルユニットとの間の距離が近い場合には、解が発散してしまい、すなわち、ソースコイルの推定位置を得られないという状況が発生し得る。さらに、ニュートンラプソン法または多変量解析を用いた従来の演算によれば、ソースコイルとセンスコイルユニットとの間の距離に応じ、ソースコイルの推定位置を得るために要する演算時間が一定しないという状況も発生し得る。これに対し、本実施例によれば、1つのソースコイルの推定位置を得る際の演算回数を一定の回数に制限しているとともに、該一定の回数の演算を経て該1つのソースコイルの一意な推定位置を得ることができるように構成されている。その結果、本実施例によれば、被検体内に挿入されたプローブの形状を示す形状検出画像の画質を従来に比べて向上させることができる。
なお、本実施例のセンスコイルユニット21は、x軸方向、y軸方向及びz軸方向に沿ってそれぞれ配置されたコイルからなる候補ベクトル算出用のコイル群と、x軸方向、y軸方向及びz軸方向に沿ってそれぞれ配置されたコイルからなる起電圧誤差算出用のコイル群と、を少なくとも1つずつ有する限りにおいては、4つのコイル群211〜214を有して構成されるものでなくともよい。
また、本実施例によれば、全てのソースコイルC1〜Cnの推定位置を取得して形状検出画像を生成するものに限らず、例えば、所定の1つのソースコイル(例えばソースコイルC1)の推定位置を時系列的に取得して図形化することにより、該所定の1つのソースコイルの動きの軌跡に応じた検出画像を生成するものであってもよい。
さらに、本実施例によれば、図5のステップS2〜ステップS10に示す処理において、テーブルデータ223hに含まれる全ての座標データに対する処理を毎回繰り返してソースコイルの推定位置を取得するものに限らず、例えば、テーブルデータ223hに含まれる全ての座標データのうち、前回取得したソースコイルCpの推定位置を基準とした所定の範囲内の座標データ、または、前回取得したソースコイルCpの推定位置を用いて算出した範囲内の座標データのいずれかに限定して読み込んで処理を行うことにより、今回のソースコイルCpの推定位置を取得するものであってもよい。具体的には、例えば、テーブルデータ223hに含まれる各座標データのうち、前回取得したソースコイルCpの推定位置に相当する座標データとの間の距離が所定値以下となる範囲内に存在する座標データ群に限定して読み込ませるようにすることにより、今回のソースコイルCpの推定位置を取得する際の処理に用いられる座標データの数を削減する(絞り込む)ことができる。
(第2の実施例)
図6及び図7は、本発明の第2の実施例に係るものである。
なお、本実施例においては、第1の実施例と同様の構成等を有する部分に関する詳細な説明を省略するとともに、第1の実施例と異なる構成等を有する部分に関して主に説明を行う。
本実施例の生体観測システムは、第1の実施例における制御部223の代わりに制御部223Aを有して構成されている一方で、その他については第1の実施例の生体観測システム1と同様の構成を有している。
制御部223Aは、図6に示すように、テーブル格納部223aと、候補ベクトル演算部223bと、起電圧誤差判定部223fと、画像生成部223gと、セレクタ223i及び223jと、起電圧誤差演算部223kと、セレクタ制御部223sと、を有して構成されている。また、制御部223Aは、ソースコイルC1〜Cnへの駆動信号の出力に係る制御を駆動信号送信部221に対して行うことができるように構成されている。このような制御部223Aの制御により、駆動信号送信部221は、例えば、ソースコイルC1〜Cnを1つずつ順番に駆動させるように駆動信号を出力する。
セレクタ223iは、セレクタ制御部223sの制御に基づき、コイル群211〜214のうち、いずれか1つのコイル群から出力された磁界検出信号を選択して候補ベクトル演算部223bへ出力できるように構成されている。
セレクタ223jは、セレクタ制御部223sの制御に基づき、コイル群211〜214のうち、いずれか1つのコイル群から出力された磁界検出信号を選択して起電圧誤差演算部223kへ出力できるように構成されている。
起電圧誤差演算部223kは、テーブル格納部223aのテーブルデータ223hに含まれる各座標データの中から、候補ベクトル演算部223bにおいて読み込まれたものと同じ座標データtqを読み込む。その後、起電圧誤差演算部223cは、テーブル格納部223aから読み込んだ座標データtqと、候補ベクトル演算部223bから出力される候補ベクトルの算出結果とに基づき、該座標データtqに対応する推定起電圧を算出する。そして、起電圧誤差演算部223cは、磁界検出信号受信部222及びセレクタ223jを経て出力された磁界検出信号の電圧(信号レベル)と、前述の推定起電圧と、の差である起電圧誤差Δvx、Δvy及びΔvzを算出し、算出結果を起電圧誤差判定部223fへ出力する。
セレクタ制御部223sは、候補ベクトル演算部223b、起電圧誤差判定部223f、及び、起電圧誤差演算部223kにおける演算の実行状況を随時監視しながら、セレクタ223i及び223jにおける磁界検出信号の入出力に係る経路を適切な経路に設定するための制御を行う。なお、このような制御の詳細については、後程説明を行う。
次に、本実施例の作用について説明を行う。なお、以降においては、制御部223の代わりに制御部223Aを設けた場合の内視鏡形状検出装置3の動作及び処理等に係る部分を図7のフローチャートを参照しながら説明するとともに、他の部分については適宜省略しながら説明を進めるものとする。また、以降においては、説明の簡単のため、各ソースコイルから発せられた磁界がソースコイルC1、C2、…、Cnの順番に検出されるとともに、この順番で磁界検出信号が出力される場合を例に挙げて述べる。
ソースコイルCpから磁界が発せられると、該磁界に応じた磁界検出信号がコイル群211、212、213及び214の各コイルから出力される(図7のステップS101)。
一方、セレクタ制御部223sは、候補ベクトル演算部223b、起電圧誤差判定部223f、及び、起電圧誤差演算部223kにおける演算の実行状況に基づき、コイル群211〜214のうちの一のコイル群から出力される磁界検出信号が候補ベクトル演算部223bに入力されるようにセレクタ223iの経路を設定するとともに、該一のコイル群以外の他の3つのコイル群から出力される磁界検出信号が起電圧誤差演算部223kに順次入力されるようにセレクタ223jの経路を設定する制御を行う(図7のステップS102)。
具体的には、セレクタ制御部223sは、例えば、コイル群211から出力される磁界検出信号が候補ベクトル演算部223bに入力されるようにセレクタ223iの経路を設定するとともに、コイル群212〜214から出力される磁界検出信号が起電圧誤差演算部223kに順次入力されるようにセレクタ223jの経路を設定する制御を行う。
なお、本実施例によれば、前述の他の3つのコイル群からの磁界検出信号が起電圧誤差演算部223kに順次入力されるようにセレクタ223jの経路が設定されるものに限らず、該磁界検出信号が起電圧誤差演算部223kに同時に入力されるようにセレクタ223jの経路が設定されるものであってもよい。
候補ベクトル演算部223bは、テーブル格納部223aのテーブルデータ223hに含まれる各座標データの中から、座標データtqを読み込む。その後、候補ベクトル演算部223bは、テーブル格納部223aから読み込んだ座標データtqと、セレクタ223iを経て出力された磁界検出信号の電圧(信号レベル)とに基づき、該座標データtqに対応する候補ベクトルを算出し(図7のステップS103)、算出結果を起電圧誤差演算部223kへ出力する。
起電圧誤差演算部223kは、テーブル格納部223aのテーブルデータ223hに含まれる各座標データの中から、候補ベクトル演算部223bにおいて読み込まれたものと同じ座標データtqを読み込む。その後、起電圧誤差演算部223kは、テーブル格納部223aから読み込んだ座標データtqと、候補ベクトル演算部223bから出力される候補ベクトルの算出結果とに基づき、該座標データtqに対応する推定起電圧を算出する(図7のステップS104)。
また、起電圧誤差演算部223kは、セレクタ223jを経て出力された磁界検出信号の電圧(信号レベル)と、前述の推定起電圧と、の差である起電圧誤差Δvx、Δvy及びΔvzを前述の他の3つのコイル群のそれぞれにおいて算出し(図7のステップS105)、算出結果として得られた9個の起電圧誤差を加算した(図7のステップS106)後、加算結果として得られた加算値を、自身に設けられた図示しないメモリに格納して保持する。
セレクタ制御部223sは、候補ベクトル演算部223b、起電圧誤差判定部223f、及び、起電圧誤差演算部223kにおける演算の実行状況に基づき、前記加算値が算出されたことを検出した際に、全コイル群(コイル群211〜214)の磁界検出信号が候補ベクトル演算部223bに入力済であるか否かを判定する(図7のステップS107)。そして、セレクタ制御部223sは、磁界検出信号が未入力のコイル群が存在する場合には、図7のステップS102に戻り、該コイル群からの磁界検出信号が候補ベクトル演算部223bに入力されるように、セレクタ223i及び223jにおける経路を再設定する。また、セレクタ制御部223sは、全コイル群の磁界検出信号が候補ベクトル演算部223bに入力済である場合には、その旨を示す完了信号を起電圧誤差演算部223kに対して出力する。
すなわち、本実施例によれば、前述の完了信号がセレクタ制御部223sから出力されるまでの間、図7のステップS102〜S107の処理が繰り返されることにより、各コイル群毎に算出した候補ベクトルに応じた起電圧誤差の加算値が起電圧誤差演算部223kのメモリに格納される。そして、起電圧誤差演算部223kは、前述の完了信号の入力を検出した際に、起電圧誤差演算部223kのメモリに格納された全ての加算値(4種類の加算値)を起電圧誤差判定部223fへ出力した後、該メモリをリセットする。
起電圧誤差判定部223fは、座標データtqに対応する全ての起電圧誤差に相当する、起電圧誤差演算部223kから出力される4種類の加算値に対して加算処理を施す(図7のステップS108)。また、このような加算処理に前後して、起電圧誤差判定部223fは、候補ベクトル演算部223bにおいて読み込まれたものと同じ座標データtqを読み込む。
その後、起電圧誤差判定部223fは、座標データtqに対応する全ての起電圧誤差の加算処理結果が、これ以前に得られた起電圧誤差の加算処理結果に対して最小であるか否かの判定を行う(図7のステップS109)。そして、起電圧誤差判定部223fは、座標データtqに対応する起電圧誤差の加算処理結果が最小であると判定した場合には、該加算処理結果に応じて最尤位置情報を更新した(図7のステップS110)後、図7のステップS112の処理へ移行する。また、起電圧誤差判定部223fは、座標データtqに対応する起電圧誤差の加算処理結果が最小ではないと判定した場合には、該加算処理結果を破棄し、これ以前に得た最尤位置情報を維持したまま(図7のステップS111)、図7のステップS112の処理へ移行する。
なお、前述の最尤位置情報は、起電圧誤差判定部223fに設けられた図示しないメモリに格納される情報であって、起電圧誤差の加算処理結果が最小値になった際の該加算処理結果と、該加算処理結果に関連付けられた一の座標データと、を含んでいる。すなわち、図7のステップS109における判定処理は、起電圧誤差判定部223fのメモリに格納された最尤位置情報を読み込むことにより得られた加算処理結果と、図7のステップS108において得られた起電圧誤差の加算処理結果と、を比較することにより行われる。そして、このような判定処理の処理結果に応じ、起電圧誤差判定部223fのメモリに格納された最尤位置情報が適宜書きかえられる。但し、q=1の場合には、それ以前の最尤位置情報が存在しないため、図7のステップS109における判定処理を行わずにステップS110へ移行し、ステップS108において得られた起電圧誤差の加算処理結果と、該加算処理結果に関連付けられた座標データt1と、が最尤位置情報として前述のメモリに格納される。
一方、以上に述べた制御部223Aの各部において、全ての座標データt1〜tmに対する処理が完了していない場合には(図7のステップS112)、次の座標データt(q+1)が読み込まれた(図7のステップS113)後、該座標データt(q+1)を用いて図7のステップS102〜ステップS111の処理が行われる。また、全ての座標データt1〜tmに対する処理が完了した場合(図7のステップS112)、起電圧誤差判定部223fは、その時点で自身が保持している最尤位置情報に含まれる座標データを、ソースコイルCpの推定位置として取得する(図7のステップS114)。
そして、全てのソースコイルC1〜Cnの推定位置が得られていない場合には(図7のステップS115)、次のソースコイルC(p+1)から発せられた磁界に応じた磁界検出信号に基づき、図7のステップS101〜ステップS114の処理が行われる(図7のステップS115)。また、全てのソースコイルC1〜Cnの推定位置が得られた場合、起電圧誤差判定部223fは、ソースコイルC1〜Cnの推定位置の情報を画像生成部223gへ出力する。
画像生成部223gは、起電圧誤差判定部223fから出力されるソースコイルC1〜Cnの推定位置に基づいて挿入部11の形状を示す形状検出画像を生成する。また、画像生成部223gは、基準位置指定装置24により指定された基準位置に基づき、形状検出画像の最も根元側(基端側)がディスプレイ23の表示画面内の最下部の中央に表示されるように表示位置を設定する。そして、画像生成部223gは、表示位置が設定された状態の形状検出画像に基づいて映像信号を生成してディスプレイ23へ出力する。
以上に述べたように、本実施例によれば、ソースコイルの向きを変数として用いた演算を行わずとも、該ソースコイルの推定位置を得ることができる。そのため、本実施例によれば、ソースコイルの推定位置を得る際の演算量を低減することができ、すなわち、被検体内に挿入されたプローブの形状を検出する際にかかる時間を従来に比べて短縮することができる。
また、本実施例によれば、挿入部の挿入操作(及び抜去操作)に対する応答性の向上、及び、形状検出画像の画質の向上という点について、第1の実施例と略同様の効果を得ることができる。
一方、以上に述べたように、本実施例によれば、センスコイルユニットに設けられた各コイル群毎に、ソースコイルの向きを求めるための演算が行われるように構成されている。そのため、本実施例によれば、演算量の低減を図りながらも高精度にソースコイルの推定位置を得ることができる。
ところで、以上に述べた各実施例によれば、検査ベッドに横臥した被検体の動きに応じて生じる形状検出画像の表示位置のずれを補正するためのずれ補正処理がさらに行われるものであってもよい。
具体的には、前述のずれ補正処理は、例えば、形状検出画像の最も根元側(基端側)の表示位置がディスプレイの表示画面内の最下部の中央からどの程度ずれているかを検出し、検出結果に応じて該形状検出画像を水平移動させる、という処理を画像生成部223gの処理の一部として組み込むことにより実現することができる。
そして、前述のずれ補正処理を実施することにより、例えば図8に示すように、ディスプレイの表示画面内の見易い位置に形状検出画像を表示させることができる。
また、以上に述べた各実施例によれば、挿入部の挿入状態等に関する情報を形状検出画像に併せて表示するものであってもよい。
具体的には、例えば、図9に示すような挿入部の全長及び挿入長を示すゲージを形状検出画像の横に並べて表示させる、という処理を画像生成部223gの処理の一部として組み込むことにより実現することができる。
なお、図9においては、挿入部の全長を示すゲージの側部に沿って、スコープスイッチの所定のスイッチが操作された位置(挿入長)と、キーボードの所定のキーが操作された位置(挿入長)と、をそれぞれ識別可能なマーカが併せて表示されるようにしている。このようなマーカの表示に係る処理についても、挿入部の全長及び挿入長を示すゲージの表示に係る処理と同様に、画像生成部223gの処理の一部として組み込むことにより実現することができる。
さらに、以上に述べた各実施例によれば、センスコイルユニットの傾きに伴って生じる形状検出画像の表示形状の変化を補正するための傾き補正処理がさらに行われるものであってもよい。
具体的には、前述の傾き補正処理は、例えば、センスコイルユニットに設けられた加速度センサ(傾きセンサ)からの検出信号に基づいて該センスコイルユニットの(鉛直方向に対する)傾き角を検出し、検出結果に応じて該形状検出画像を変形及び(または)移動させる、という処理を画像生成部223gの処理の一部として組み込むことにより実現することができる。
ここで、センスコイルユニットをソースコイル側へ傾けていない状態で(例えば図10に示すような位置関係で)ソースコイルからの磁界を検出した場合には、図11に示すような形状の形状検出画像が表示される。その一方で、センスコイルユニットをソースコイル側へ傾けた状態で(例えば図12に示すような位置関係で)ソースコイルからの磁界を検出した場合には、挿入部を一切移動させていないにもかかわらず、形状検出画像の表示形状が図11に示すものから図13に示すものへ変化してしまう、という問題が従来生じている。
すなわち、前述の傾き補正処理は、このような問題を解決するために実施されるものであり、センスコイルユニットを鉛直方向に対して傾けたとしても、ソースコイルの位置が変化しない限りにおいては、センスコイルユニットを鉛直方向に対して傾けていない場合と同じ形状の形状検出画像を常に表示させることができるようにするための処理である。
なお、本発明は、上述した各実施例に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更や応用が可能であることは勿論である。
本出願は、2010年6月9日に日本国に出願された特願2010−132211号を優先権主張の基礎として出願するものであり、上記の開示内容は、本願明細書、請求の範囲、図面に引用されたものとする。