JP6810587B2 - 内視鏡装置、内視鏡装置の作動方法 - Google Patents

内視鏡装置、内視鏡装置の作動方法 Download PDF

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Description

本発明は、被検体の臓器モデル上に内視鏡の先端位置を位置合わせする内視鏡装置、内視鏡装置の作動方法に関する。
例えば尿管結石を治療する際に、内視鏡の先端が現在、腎臓内のどの位置にあるかを表示することは有用である。こうした内視鏡の先端位置の情報を用いれば、腎臓内における観察済み部分と未観察部分とを区別可能に表示すること、あるいは腎臓内のどこで結石を除去したのかを表示することなども可能となるためである。
そこで、内視鏡の先端部に配置された位置センサにより取得される位置情報を、仮想空間の3次元臓器モデル上にリアルタイムに表示する内視鏡検査システムが提案されている。
例えば、特許第5945643号公報には、被検体内を観察するための内視鏡と、対物光学系の位置情報を取得する位置検出装置とを備え、管腔臓器の3次元情報に対して位置検出装置で取得された位置情報を位置合わせすることが記載されている。
具体的な例としては、位置センサとしての磁気センサを内視鏡の先端部に設けて、磁気センサ座標系において内視鏡の先端部の位置をリアルタイムに計測する。一方、3次元臓器モデルは、例えばCT画像に基づいてCT座標系上に構築されている。そこで、磁気センサ座標系の座標をCT座標系の座標に変換する変換式に基づき、磁気センサ座標系における内視鏡の先端位置の情報を、CT座標系における位置情報に変換することで、3次元臓器モデル上に内視鏡の先端位置を重畳して表示するようになっている。
このとき、磁気センサ座標系からCT座標系への変換式は、対応が分かっている複数の座標点に基づき設定されるようになっており、例えば、腎臓などの臓器の入り口付近における、3次元臓器モデルのCT座標と、内視鏡の先端部の磁気センサ座標と、が変換式を設定するために使用される。ここに、臓器の入り口は3次元臓器モデル上で指定することができ、内視鏡の先端が臓器の入り口にあることは内視鏡画像から確認することができるためである。
特許第5945643号公報
しかしながら、変換式を一旦正確に決定したとしても、内視鏡検査を行う時間経過の中で被検体が動くなどすると、実空間における実座標の座標系(実座標系)である磁気センサ座標系とモデル空間におけるモデル座標の座標系(モデル座標系)であるCT座標系との位置関係にずれが生じて、変換式が正確でなくなることがある。こうした場合には、例えば現実の内視鏡の先端が臓器内壁に接触した状態にあるにも関わらず、臓器モデル(3次元臓器モデルであってもよいが、2次元臓器モデルであっても構わない)に表示される内視鏡の先端位置は、臓器内壁に届かない離れた位置にあったり、あるいは臓器内壁を突き抜けた位置にあったりして、正確な内視鏡の先端位置を表示することができないことがある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、臓器モデルにおけるリアルタイムの内視鏡の先端位置をより正確に表示することが可能な内視鏡装置、内視鏡装置の作動方法を提供することを目的としている。
本発明のある態様による内視鏡装置は、被検体の臓器の内部を観察する内視鏡と、前記内視鏡の先端の実座標を順次取得する位置情報取得部と、前記位置情報取得部が取得した実座標を、変換式に基づき、臓器モデルを記述するモデル空間のモデル座標に変換する座標変換部と、前記内視鏡の先端と前記臓器の内壁とが接触したか否かを判定する接触判定部と、前記接触判定部により接触したと判定されたときの、前記内視鏡の先端の実座標と、前記内視鏡の先端の実座標に対応するモデル座標と、に基づいて、新たな変換式を算出して、前記座標変換部が用いる変換式を更新する変換式算出部と、を備え、前記変換式算出部は、前記内視鏡の先端の実座標を前記変換式に基づき変換した算出モデル座標に対する、前記臓器モデルの内壁における最近接点を、前記内視鏡の先端の実座標に対応するモデル座標とし、前記接触判定部により接触したと判定された複数の接触位置に関して、前記算出モデル座標と前記最近接点との距離の総和が最小値を取るように、共役勾配法を用いて前記新たな変換式を算出する。
本発明のある態様による内視鏡装置の作動方法は、位置情報取得部が、被検体の臓器の内部を観察する内視鏡の先端の実座標を順次取得し、座標変換部が、前記位置情報取得部が取得した実座標を、変換式に基づき、臓器モデルを記述するモデル空間のモデル座標に変換し、接触判定部が、前記内視鏡の先端と前記臓器の内壁とが接触したか否かを判定し、変換式算出部が、前記接触判定部により接触したと判定されたときの、前記内視鏡の先端の実座標と、前記内視鏡の先端の実座標に対応するモデル座標と、に基づいて、新たな変換式を算出して、前記座標変換部が用いる変換式を更新し、前記内視鏡の先端の実座標を前記変換式に基づき変換した算出モデル座標に対する、前記臓器モデルの内壁における最近接点を、前記内視鏡の先端の実座標に対応するモデル座標とし、前記接触判定部により接触したと判定された複数の接触位置に関して、前記算出モデル座標と前記最近接点との距離の総和が最小値を取るように、共役勾配法を用いて前記新たな変換式を算出する。
本発明の内視鏡装置、内視鏡装置の作動方法によれば、臓器モデルにおけるリアルタイムの内視鏡の先端位置をより正確に表示することが可能となる。
本発明の実施形態1における内視鏡装置の構成を示す図。 上記実施形態1のワークステーションの構成をより詳細に示すブロック図。 上記実施形態1の液晶ディスプレイにおける表示の一例を示す図。 上記実施形態1の内視鏡装置における検査時の作用を示すフローチャート。 上記実施形態1において、剣状突起および臍の磁気センサ座標を取得する例を示す図。 上記実施形態1において、剣状突起、臍に加えてさらに左右腸骨の磁気センサ座標を取得する例を示す図。 上記実施形態1において、腎臓入口の磁気センサ座標を取得する例を示す図。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
[実施形態1]
図1から図7は本発明の実施形態1を示したものであり、図1は内視鏡装置の構成を示す図である。
この内視鏡システムは、内視鏡1と、光源装置2と、ビデオプロセッサ3と、モニタ4と、磁気センサ本体5と、磁場発生装置6と、磁気センサ7,8a,8bと、フットスイッチ9と、液晶ディスプレイ10と、ワークステーション11と、を備えている。
内視鏡1は、被検体20の臓器に挿入されて内部を観察するためのものであり、被検体20の臓器の内部の光学像を表す画像データ(内視鏡画像データ)を取得して入力する入力部あるいは入力装置である。ここに、内視鏡1により取得される画像データは、例えば、時系列的な(つまり、順次取得された)複数のフレームで構成される動画像データ、あるいは順次取得された1枚以上の静止画像データである。この内視鏡1は、図示はしないが、照明光を伝送するライトガイド、伝送された照明光を内視鏡1の先端部から被検体20内へ照射する照明光学系、照明光を照射された被検体20内の光学像を結像する対物光学系、および対物光学系により結像された光学像を光電変換して画像データを生成する撮像素子などを備えている。
光源装置2は、ライトガイドコネクタを介して内視鏡1と接続されており、内視鏡1のライトガイドへ照明光を供給する。
ビデオプロセッサ3は、ビデオコネクタを介して内視鏡1と接続されていて、画像データを入力する入力部あるいは入力装置を構成し、入力された画像データを画像処理して表示用あるいは記録用の画像データを生成する。また、ビデオプロセッサ3は、調光ケーブルを介して光源装置2と接続されており、取得した画像データに基づいて被検体20内の明るさを検出し、被検体20内が暗い場合には照明光の光量を増加させるように、また、被検体20内が明るい場合には照明光の光量を減少させるように、光源装置2を調光制御する。
モニタ4は、例えばシリアルデジタルインタフェース(SDI:Serial Digital Interface)ケーブルを介してビデオプロセッサ3と接続されており、ビデオプロセッサ3により画像処理された画像データにより内視鏡画像を表示する。また、モニタ4は、ワークステーション11にも接続されており、ワークステーション11により生成された被検体20の臓器の3Dモデル画像(ここでは臓器モデルとして3Dモデルを説明するが、2Dモデルであっても構わない)を内視鏡画像と共に表示することができるようになっている。
次に、位置検出システムは、磁気センサ本体5、磁場発生装置6、および磁気センサ7,8a,8bを備えて構成された位置情報取得部である。
磁場発生装置6は、交番磁場を発生する。
磁気センサ7,8a,8bは、例えばコイルを含んで構成されていて、検出動作時には、検出した交番磁場に応じた電気信号を連続的に発生させる。
ここに、磁気センサ7は、内視鏡1の先端部に配置されていて、内視鏡センサとして機能する。
また、磁気センサ8a,8bは、被検体20における特定の位置に配置され、ここでは例えば、被検体20の体表上における、3Dモデル画像のモデル座標との位置関係を明確に確立することができる特定の位置に配置されている。具体的には、図5に示すように、磁気センサ8aが被検体20の体表上の剣状突起に配置されて剣状突起センサとして機能し、磁気センサ8bが被検体20の体表上の臍に配置されて臍センサとして機能するようになっている。ここに、図5は、剣状突起および臍の磁気センサ座標を取得する例を示す図である。
なお、ここでは2つの磁気センサ8a,8bを配置したが、磁気センサ座標からCT座標への変換を行うための変換式の精度を高めるために、3つ以上の磁気センサを配置するようにしても構わない。図6は、剣状突起、臍に加えてさらに左右腸骨の磁気センサ座標を取得する例を示す図である。この図6に示すように、剣状突起の磁気センサ座標を取得するための磁気センサ8aと、臍の磁気センサ座標を取得するための磁気センサ8bと、に加えてさらに、体表上において右腸骨の磁気センサ座標を取得するための磁気センサ8cと、体表上において左腸骨の磁気センサ座標を取得するための磁気センサ8dと、をさらに備えるようにしてもよい。
あるいは、内視鏡検査を行う前に1回だけ体表位置の磁気センサ座標を取得するのであれば、1つの磁気センサを用いて、順次に座標測定を行っても構わない。
磁気センサ本体5は、センサケーブルを介して、磁場発生装置6および磁気センサ7,8a,8bと接続されている。そして、磁気センサ本体5は、磁場発生装置6を制御して交番磁場を発生させる。交番磁場を受けた磁気センサ7,8a,8bは、電気信号をそれぞれ発生する。磁気センサ本体5は、磁気センサ8aから発生された電気信号に基づき、被検体20の剣状突起の磁気センサ座標を示す剣状突起センサデータを出力すると共に、磁気センサ8bから発生された電気信号に基づき、被検体20の臍の磁気センサ座標を示す臍センサデータを出力する。さらに、磁気センサ本体5は、磁気センサ7から発生された電気信号に基づき、内視鏡1の先端位置を検出して時系列的な内視鏡センサデータとして出力する。
こうして、位置検出システムにおける磁気センサ本体5、磁場発生装置6、および磁気センサ7は、被検体20の臓器内における内視鏡1の先端の実座標としての内視鏡位置情報(内視鏡センサデータ)を順次取得する位置情報取得部を構成する。
フットスイッチ9は、術者が足で踏むことで、内視鏡装置に対する操作入力を行うための操作部である。このフットスイッチ9は、後述するように、例えば腎臓の入り口に到達したこと(あるいはさらに、内視鏡1の先端が腎臓の内壁に接触したこと)を術者が内視鏡装置へ通知するために用いられる。そして、フットスイッチ9からの操作入力は、例えばビデオプロセッサ3へ入力され、さらにワークステーション11へ入力されるようになっている。
ワークステーション11は、例えばRS−232Cケーブルを介して磁気センサ本体5と接続されていて、磁気センサ本体5から位置情報を取得する。また、ワークステーション11は、接続ケーブルを介してビデオプロセッサ3と接続されていて、ビデオプロセッサ3から画像データを取得する。そして、ワークステーション11は、被検体20の臓器の3次元モデル画像(3Dモデル画像)を生成する。さらに、ワークステーション11は、磁気センサ本体5から取得した磁気センサ座標における内視鏡位置情報を、後述する変換式(変換マトリクス)を用いることで、3次元モデル画像(3Dモデル画像)が構築されているCT座標における内視鏡位置情報に変換して、変換した内視鏡位置情報を3次元モデル画像上に重畳した画像データを生成し、液晶ディスプレイ10およびモニタ4へ出力するようになっている。このとき、ワークステーション11は、内視鏡1の先端と臓器の内壁との接触を判定して、接触したときの磁気センサ座標とCT座標とに基づいて、変換式を更新する。
こうして、ワークステーション11は、位置情報取得部が取得した実座標を、変換式に基づき、臓器モデルを記述するモデル空間のモデル座標に変換する座標変換部と、内視鏡1の先端と臓器の内壁とが接触したか否かを判定する接触判定部と、接触判定部により接触したと判定されたときの、内視鏡1の先端の実座標と、内視鏡1の先端の実座標に対応するモデル座標と、に基づいて、新たな変換式を算出して、座標変換部が用いる変換式を更新する変換式算出部と、を兼ねたものとなっている。
液晶ディスプレイ10は、ディスプレイケーブルを介してワークステーション11と接続されており、ワークステーション11により生成された3Dモデル画像と、ワークステーション11を介してビデオプロセッサ3から取得した内視鏡画像と、を例えば並べて表示する。
ここに、図3は、液晶ディスプレイ10における表示の一例を示す図である。なお、ここでは液晶ディスプレイ10の表示例としたが、モニタ4の表示例であっても構わない。
図示のように、液晶ディスプレイ10の表示画面には、内視鏡画像10aと3Dモデル画像10bとが表示され、3Dモデル画像10bには内視鏡1の先端位置を示すマークMKが重畳表示されている。ここに、マークMKの矢印の方向は、内視鏡の視線方向を表している。そして、内視鏡画像10aと3Dモデル画像10bとを並べて表示することで、術者の視線の動きを小さくすることができる。
次に、図2はワークステーション11の構成をより詳細に示すブロック図である。
ワークステーション11は、レジストレーション部12と、3Dモデル画像生成部16と、を備えている。
レジストレーション部12は、記録部13と処理部14とを備えている。
磁気センサ本体5からワークステーション11に入力された体表位置情報(剣状突起センサデータおよび臍センサデータ)および内視鏡位置情報(内視鏡センサデータ)と、ビデオプロセッサ3から入力される画像データとは、記録部13に記録される。
レジストレーション部12の処理部14は、変換式算出部として機能し、位置検出システムの磁気センサ本体5から入力される磁気センサ座標から、被検体20に係る3次元のボリュームデータにおけるCT座標への変換式である変換マトリクスを後述するように算出して、記録部13に記録する。そして、処理部14は、内視鏡検査が進むにつれて、より新しい情報に基づいた変換マトリクスの算出を行い、記録部13に記録されている変換マトリクスを、新たに算出された変換マトリクスによって更新する。
さらに、処理部14は、座標変換部として機能し、記録部13に記録されている変換マトリクスを用いて、磁気センサ座標における座標点として得られた内視鏡センサデータを、CT座標における座標点へ変換する。
3Dモデル画像生成部16は、例えば造影CTスキャンにより取得された被検体20の臓器(本実施形態においては、例えば腎臓を想定しているが、これに限定されるものではない)のボリュームデータに基づいて、被検体20の臓器を所望の視線方向から見た3Dモデル画像(なお、この3Dモデル画像は、回転させて視線方向を変化させることができるようになっている)を生成する。ここに、ボリュームデータは、ワークステーション11内の記録部13等に記憶されていてもよいし、院内システムのサーバに記憶されているボリュームデータを、院内ネットワークを介して読み込むようにしても構わない。
さらに、3Dモデル画像生成部16は、レジストレーション部12の処理部14により算出された内視鏡1の先端位置を示すCT座標の情報に基づいて、生成した3Dモデル画像上に、内視鏡1の先端位置を示すマークMKを例えば図3に示したように重畳する。
こうして3Dモデル画像生成部16により生成された3Dモデル画像10bが、液晶ディスプレイ10(またはモニタ4)に、内視鏡画像10aと共に表示される。
次に、処理部14により算出される変換マトリクスについて説明する。
本実施形態においては、上述したように、実空間における実座標の座標系(実座標系)として磁気センサ座標系CSm(図5および図6参照)を例に挙げ、臓器モデルのモデル空間におけるモデル座標の座標系(モデル座標系)としてCT座標系CSc(図5および図6参照)を例に挙げる。ただし、磁気センサ以外のセンサ等を用いて実座標を取得しても構わないために、実座標は磁気センサ座標に限るものではない。同様に、臓器モデルはCT画像に基づき構築するに限るものではないために、モデル座標はCT座標に限るものではない。
3次元直交座標系である磁気センサ座標系CSmとCT座標系CScとは一般に一致しないために、磁気センサ座標系CSmの座標をCT座標系CScの座標に変換するためには、次の(1)〜(4)のような変換が必要である。
(1)空間回転
(2)並進移動
(3)スケール変換
(4)空間反転
これらの内の(4)は、磁気センサ座標系CSmとCT座標系CScとの内の、一方を右手座標系、他方を左手座標系としたときに必要な変換であるために、磁気センサ座標系CSmとCT座標系CScとの両方を右手座標系に設定した場合には不要となる。そこで以下では簡単のために、磁気センサ座標系CSmおよびCT座標系CScは右手座標系であるとする。
具体的に、図5および図6に示すように、磁気センサ座標系CSmをx’y’z’右手直交座標系、CT座標系CScをxyz右手直交座標系とする。
(1)の空間回転は、種々の表現法があるが、ここでは直交座標系を採用しているために、x軸周りの回転、y軸周りの回転、およびz軸周りの回転の合成による表現を採用することにする(ただし、これに限定されるものではなく、例えばオイラー角を用いた表現を採用しても構わない)。
具体的に、行列表現を用いれば、x軸周りの角度θxの回転、y軸周りの角度θyの回転、およびz軸周りの角度θzの回転は、それぞれ次の数式1,2,3に示すようなRx,Ry,Rzとして表現される。
[数1]
Figure 0006810587
[数2]
Figure 0006810587
[数3]
Figure 0006810587
空間回転Rは、これらのRx,Ry,Rzの適宜の順序(順序は任意に決定することができる)の積により表現される。一例としてR=RxRyRzを挙げることができるが、R=RzRyRxを採用してもよいし、その他の任意の順序の積を採用しても構わない。
(2)の並進移動は、x方向の並進移動をTx、y方向の並進移動をTy、z方向の並進移動をTzとしたときに、空間座標の変換を表す3×3行列に対して、行および列に1つずつ要素を加えた4×4行列を用いて次の数式4に示すように表現される。
[数4]
Figure 0006810587
さらに、(3)のスケール変換は、x軸方向、y軸方向、z軸方向のそれぞれにおいて異なる変換を行う場合には次の数式5に示すような行列表現が用いられる。
[数5]
Figure 0006810587
ただし、本実施形態においてはスケールに異方性はないと考えてよいために、単にスカラー量のスケール変換係数Sc(つまり、Sx=Sy=Sz=Sc)を用いれば足りる。
こうして、磁気センサ座標(x’,y’,z’)からCT座標(x,y,z)への変換式は、並進移動を表現するための要素を1つ加えた(x’,y’,z’,1)に対して乗算する変換マトリクスAとして、次の数式6に示すように表現される。
[数6]
Figure 0006810587
ここに、数式6におけるScRは、4×4行列でなる変換マトリクスAの中の3×3行列の部分である。
そして、磁気センサ座標(x’,y’,z’)を含む列ベクトル(1列のマトリクス)(x’,y’,z’,1)からCT座標(x,y,z)を含む列ベクトル(1列のマトリクス)(x,y,z,1)への変換は、変換マトリクスAを用いて次の数式7に示すように行われる。
[数7]
Figure 0006810587
従って、変換マトリクスAを構成するパラメータθx,θy,θz,Tx,Ty,Tz,Scの値を決定することで、変換マトリクスAの決定が行われる。
ここに、パラメータは7個あるために、全てのパラメータを決定するには、独立した7個の等式が必要である。空間座標は3次元であるために、磁気センサ座標における1つの点の座標と、この1つの点に対応するCT座標における1つの点の座標と、が分かれば3つの等式を作成することができる。従って、変換マトリクスA(θx,θy,θz,Tx,Ty,Tz,Sc)を決定するためには、少なくとも3点に関する磁気センサ座標とCT座標との対応関係が必要になる。
そして、対応関係が分かっている点の数が3よりも多くなれば(より正確には、パラメータを決定するための独立した等式が7個よりも多くなれば)、例えば勾配法(最急降下法、共役勾配法など)を用いることで、より多くのデータに基づいてより高い精度で変換マトリクスAを決定することが可能となる。このときに、例えば共役勾配法を用いると、短い演算時間および小さい演算負荷で最適解を見つけることができるために好ましい。
図4は、内視鏡装置における検査時の作用を示すフローチャートである。
この処理を開始すると、まず、体表座標(上述したように、例えば、剣状突起および臍の座標)を取得する(ステップS1)。ここに、取得する座標は、磁気センサ座標系CSmにおける座標、およびCT座標系CScにおける座標である。
磁気センサ座標系CSmにおける剣状突起の磁気センサ座標および臍の磁気センサ座標は、磁気センサ8a,8bの出力に基づき磁気センサ本体5から得られる。また、CT座標系CScで構築された3Dモデル画像上における剣状突起のCT座標および臍のCT座標は、3Dモデル画像上の点を術者等が指定することにより(あるいは自動的な画像解析により)得られる。
なお、変換マトリクスAの精度(ひいては、変換後のCT座標系CScにおける内視鏡1の先端の位置精度)をより高めるために、剣状突起および臍に加えて、図6に示したように、例えば右左の腸骨2点の座標を磁気センサ8c,8dによりそれぞれ取得するようにしてもよい。
次に、内視鏡1を被検体20に挿入開始する(ステップS2)。これにより、内視鏡検査が開始される。
そして、内視鏡1の先端が、図7に示すように、被検体20の臓器(例えば腎臓)の入口21aに到達したか否かを、ワークステーション11が判定する(ステップS3)。図7は、腎臓入口21aの磁気センサ座標を取得する例を示す図である。
ここに、内視鏡画像10aを見ながら内視鏡1を挿入しているときに、術者が内視鏡画像10aに基づき内視鏡1の先端が被検体20の臓器(例えば腎臓21)の入口21aに到達したと考えた時点で、術者がフットスイッチ9を踏む等の操作を行う。これにより、フットスイッチ9から、内視鏡1の先端が臓器入口21aに到達したことを示すトリガー信号が発生される。
ワークステーション11は、ビデオプロセッサ3を介して入力されたフットスイッチ9からのトリガー信号を検知することにより、内視鏡1の先端が被検体20の臓器(例えば腎臓)の入口21aに到達したと判定するようになっている。
ただし、ワークステーション11によるステップS3の判定は、フットスイッチ9からのトリガー信号に基づいて行うに限るものではなく、例えば内視鏡画像10aを画像解析して、画像解析結果に基づき内視鏡1の先端が被検体20の臓器の入口21aに到達したと判定するようにしても構わない。
こうして、ステップS3において内視鏡1の先端が臓器の入口21aに到達するまで待機して、到達したと判定された場合には、被検体20の臓器(例えば腎臓)の入口21aの、CT座標および磁気センサ座標を、上述した剣状突起や臍などの場合と同様に取得する(ステップS4)。
これで剣状突起、臍、臓器入口21aの3点(あるいはさらに左右の腸骨を含めた5点)における、CT座標と磁気センサ座標との対応関係の情報が取得されたために、例えば共役勾配法を用いることにより(あるいは、連立方程式を解くことにより)、変換マトリクスAを決定する(後述する数式8も参照)(ステップS5)。
その後、内視鏡1を臓器内へ挿入して行き、内視鏡1の先端が臓器(例えば腎臓)と接触(ここでは、臓器内への挿入後であるために、臓器の内壁と接触)したか否かを判定する(ステップS6)。
この接触の検出は、例えば、内視鏡画像10aを見た術者が内視鏡1の先端が臓器の内壁に接触した考えたときに、フットスイッチ9を踏む等の操作を行うことにより発生されたトリガー信号(この場合には、内視鏡1の先端が接触したことを示すトリガー信号となる)に基づき行うようにしてもよい。
ただし、接触の度に術者がフットスイッチ9を踏むのは煩雑であるために、内視鏡の先端に例えば圧力センサを設けて、圧力センサの出力値が所定の閾値以上になったときに接触したと検出するようにしてもよい。
あるいは、内視鏡で取得した画像に基づいて検出するようにしても構わない。例えば、内視鏡の先端が被検体20の臓器内壁に接触していないときには、照明光を照射された被検体20の臓器内壁からの戻り光が撮像される。これに対して、内視鏡の先端が被検体20の臓器内壁に接触した場合には、照明光学系からの照明光は、被検体20の臓器内壁の表面から内部へ進入し、臓器内壁の内部において反射されて対物光学系に至る経路をとるために、画像の輝度や色相が、接触の有無に応じて変化する。従って、こうした画像の輝度や色相の変化に基づいて、接触の有無を検出するようにしてもよい。
このステップS6において、内視鏡1の先端が接触していないと判定された場合には、内視鏡1の先端の磁気センサ座標を取得する(ステップS7)。
そして、記録部13に記録されている変換マトリクスAを用いて、内視鏡1の先端の磁気センサ座標をCT座標に変換し、3Dの臓器モデル(腎臓モデル)に内視鏡1の先端位置を例えば図3のマークMKに示したように表示する(ステップS11)。
その後、内視鏡検査を終了するか否かを判定して(ステップS12)、まだ終了しないと判定された場合には、ステップS6へ戻って上述したような処理を行う。
また、ステップS6において、内視鏡1の先端が接触したと判定された場合には、接触時の内視鏡1の先端の磁気センサ座標を取得すると共に、内視鏡1の先端の磁気センサ座標を記録部13に記録されている変換マトリクスAにより変換してCT座標を算出する(ステップS8)。
ここで、内視鏡1の先端の磁気センサ座標を、記録部13に記録されている変換マトリクスAにより変換して得られるCT座標は、接触時点での変換マトリクスAが正確であれば、臓器モデルにおける臓器内壁に接触した位置を示すはずである。
一方、内視鏡検査を行う時間経過の中で被検体20が動くなどすると、磁気センサ座標系CSmとCT座標系CScとの位置関係が変化することがある。この場合には、接触時点での変換マトリクスAが正確でなくなって、変換マトリクスAにより変換して得られたCT座標が示す位置は、臓器内壁に届かない離れた位置になったり、あるいは臓器内壁を突き抜けた位置になったりすることがある。
そこで、変換マトリクスAの更新が可能であるか否かを判定する(ステップS9)。すなわち、上述したように、変換マトリクスAを算出するためには、3つ以上の点の磁気センサ座標とCT座標とが必要である。このため、ステップS9においては、変換マトリクスAを算出し直すのに必要な例えば3つ以上の所定数nの点の座標が取得されたか否かを判定する。
このときさらに、取得された座標点が最新のものであることを保証するために、所定数nの点が現時点から遡った所定の期間に取得されたものである場合にのみ、変換マトリクスAの更新が可能であると判定するようにしてもよい。つまりこの場合には、現時点よりも所定期間以上遡った時点で取得された座標データについては、変換マトリクスAの算出に用いる座標データから除外することになる。
また、異なる時点で取得された複数の点の座標であっても、互いに近接した位置にある場合(近傍であることを示す所定範囲内にある場合)には、重心点を用いる、あるいは1つの点を代表点とするなどして、1つの点の座標としてまとめて取り扱うようにするとよい。これは、近接した位置にある点の座標データのみから変換マトリクスAを算出すると、算出される変換マトリクスAの精度が下がるからである。また、複数の点をまとめて取り扱うことで、処理すべきデータ量を減らすことも可能となる。
このステップS9において、更新可能でないと判定された場合には、記録部13に記録されている現在の変換マトリクスAを引き続き使用することになるために、ステップS11の処理に進む。
一方、ステップS9において更新可能であると判定された場合には、取得されている最新の所定数nの点の磁気センサ座標およびCT座標の関係に基づいて、最適化した変換マトリクスAを算出し、記録部13に記録されている変換マトリクスAを、新たに算出された変換マトリクスAによって更新する(ステップS10)。
ここに、臓器内壁との接触点の座標を用いる場合には、例えば次のように変換マトリクスAの算出を行う。
まず、臓器内壁は一般に大小の凹凸がある複雑な表面形状をしているために、所定の条件に合う臓器内壁上の点(後述するように、ある点から最も近接した位置にある臓器内壁上の点)の座標を求めることは困難である。そこで、臓器内壁を構成する各座標点に基づいて、臓器内壁をモデル化する。ここに、モデルとしては、例えば、複数のポリゴン(多角形)で構成される内壁モデル(平面図形で構成する例)、あるいは複数のOBB(Oriented Bounding Box)などの多面体で構成される内壁モデル等(立体図形で構成する例)を用いればよい(ただし、これらに限定されるものではない)。以下では、複数の平面図形または立体図形を用いたモデルを多図形モデル、多図形モデルによりモデル化すること多図形モデル化と呼ぶことにする。
次に、接触時点の磁気センサ座標をr’=(x’,y’,z’)とし、磁気センサ座標r’を変換マトリクスAにより変換して得られる算出モデル座標であるCT座標をr=(x,y,z)とすると、点rから多図形モデル化された内壁モデル上の任意点までの距離の最小値を与える点、つまり点rに対する内壁モデルにおける最近接点Mを、内視鏡1の先端の実座標に対応するモデル座標として求める。ここに、最近接点Mを求める方法は、コンピュータグラフィックス等の分野において既知となっている任意の方法を用いて構わない(勿論、演算負荷が軽く、演算時間が短い方法を採用することが好ましい)。そして、所定数nの内のi番目の点rをriとし、i番目の最近接点をMiとしたときに、i=1〜nの全てについての最近接点Miを求める。
そして、次の数式8に示すような点ri=Ar’iと最近接点Miとの距離(ここに、数式8の2重縦線は、2重縦線で囲まれた列ベクトル(Mi−Ar’i)の長さ(ひいては点riと最近接点Miとの距離)を算出することを表している)のiに関する総和を与える関数Errorについて、例えば共役勾配法を用いて、関数Errorの最小値を与える変換マトリクスAのパラメータθx,θy,θz,Tx,Ty,Tz,Scの値を決定することで、最適化した変換マトリクスAを決定する。
[数8]
Figure 0006810587
なお、上述したステップS5においては、剣状突起、臍、臓器入口21aの3点(n=3)(あるいはさらに左右の腸骨を含めた5点(n=5))のCT座標をMiとして、数式8に示したような関数Errorの最小値を与える変換マトリクスAを決定していることになる。
ステップS10の処理を行ったらステップS11の処理に進むが、このときには、ステップS10により更新された最新の変換マトリクスAが、磁気センサ座標をCT座標に変換するのに用いられる。
その後のステップS12において、内視鏡検査を終了すると判定された場合には、この処理を終了する。
このような実施形態1によれば、内視鏡1の先端と臓器の内壁とが接触したときの、内視鏡1の先端の実座標と、内視鏡1の先端の実座標に対応するモデル座標と、に基づいて内視鏡1の先端の実座標をモデル座標に変換する変換式を新たに算出し、算出した新たな変換式によりそれまでの変換式を更新するようにしたために、臓器モデルにおけるリアルタイムの内視鏡の先端位置をより正確に表示することが可能となる。
また、内視鏡1の先端の実座標を変換式に基づき変換した算出モデル座標に対する、臓器モデルの内壁における最近接点を、内視鏡1の先端の実座標に対応するモデル座標とすることにより、内視鏡1の先端位置に対応するモデル座標上の位置を手動で決定する等の手間を不要としながら、ほぼ適切な位置を決定することができる。
さらに、臓器モデルの内壁を多図形モデル化した内壁モデルに基づいて、最近接点を算出するようにしたために、臓器モデルをそのまま用いる場合に比して、演算負荷を大幅に軽減することができる。
そして、複数の接触位置に関して、算出モデル座標と最近接点との距離の総和が最小値を取るように、新たな変換式を算出することで、変換式を高い精度で決定することができる。このとき、互いに近接した位置にある複数の点の座標については、1つの点の座標としてまとめて取り扱うようにしたために、変換マトリクスAの精度の低下を防ぎながら、処理負荷を軽減することができる。
加えて、距離の総和が最小値を取る新たな変換式を、共役勾配法を用いて算出するようにした場合には、最適解を短時間で求めることが可能となる。
また、臓器モデルとして臓器の3次元モデルを用いるようにしたために、臓器における内視鏡1の先端位置を立体的に把握することができる。
[実施形態2]
次に、本発明の実施形態2を、上記図1から図7を適宜参照しながら説明する。この実施形態2において、上述の実施形態1と同様である部分については説明を適宜省略し、主として異なる点についてのみ説明する。
上述した実施形態1では、変換マトリクスAに含まれる7つのパラメータθx,θy,θz,Tx,Ty,Tz,Scを決定する必要があるために、演算処理の負荷が大きい。そこで本実施形態では、内視鏡検査を開始する前に体表座標として取得された例えば剣状突起の座標、あるいは臍の座標(さらにあるいは左右腸骨の座標)などを用いて、幾つかのパラメータを固定値として決定することで、適応的に決定すべきパラメータの数を減らすようにしたものとなっている。
第1の例は、変換式算出部が、被検体20の体表上の点の実座標が原点となるように実座標系を設定し、体表上の点の実座標に対応するモデル座標が原点となるようにモデル座標系を設定するものである。
具体的には、剣状突起の座標と臍の座標との内の何れか一方、例えば、臍の座標が原点になるように、CT座標系CScの原点および磁気センサ座標系CSmの原点を設定する。これにより、シフト量に係るパラメータTx,Ty,Tzを何れも0に固定することができる。
また、第2の例は、変換式算出部が、被検体20の体表上の2つの点の一方から他方へ向かう方向が、実座標系における第1座標軸の方向に一致するように実座標系を設定し、かつモデル座標系における第1座標軸の方向に一致するようにモデル座標系を設定するものである。
具体的には、剣状突起から臍へ向かう方向ベクトル(図5の矢印参照)(あるいは臍から剣状突起へ向かう方向ベクトルでも構わない)がCT座標系CScにおける第1座標軸としてのz軸方向に一致するようにCT座標を座標変換すると共に、剣状突起から臍へ向かう方向ベクトル(同様に、臍から剣状突起へ向かう方向ベクトルでも構わない)が磁気センサ座標系CSmにおける第1座標軸としてのz’軸方向に一致するように磁気センサ座標系CSmを再設定する。
なお、磁気センサ座標系CSmにおいて剣状突起から臍(あるいは臍から剣状突起)へ向かう方向ベクトルを検出する場合には、1つの磁気センサを、図5の矢印に示すように剣状突起から臍(あるいは臍から剣状突起)へ向けて移動させることにより、検出を行っても構わない。
こうしてz軸とz’軸の方向を一致させれば、回転角度に係るパラメータθx,θy、およびシフト量に係るパラメータTx,Tyの何れも0に固定することができる。
さらに、第3の例は、変換式算出部が、被検体20の体表上の2つの点の実座標系における距離と、被検体20の体表上の2つの点のモデル座標系における距離と、の比に基づいて、変換式における実座標系とモデル座標系との長さの比を示すスケール変換係数Scを決定するものである。
具体的に、例えば剣状突起と臍との距離を、磁気センサ座標系CSmとCT座標系CScとの両方において求めて、これらの比を取ることにより、次の数式9に示すように、スケール変換係数Scを決定して固定する。
[数9]
Figure 0006810587
ここに、磁気センサ座標系CSmにおける臍の座標を(x’um,y’um,z’um)、剣状突起の座標を(x’xi,y’xi,z’xi)とし、CT座標系CScにおける臍の座標を(xum,yum,zum)、剣状突起の座標を(xxi,yxi,zxi)としている。
加えて、第1〜第3の例を組み合わせても構わない。例えば、第1〜第3の例を全て組み合わせた場合には、変換マトリクスAにおいて未設定として残るパラメータは、z軸周りの角度θzのみとなる。このために、内視鏡1の先端が臓器内壁に1回接触する毎に変換マトリクスAを更新することができ、更新頻度を上げることができると共に、演算負荷を大幅に軽減することが可能となる。
なお、第2の例において、第1座標軸としてのz軸とz’軸の方向を一致させるように座標系を再設定するのに代えて、例えば第1座標軸としてのx軸とx’軸の方向を一致させるように座標系を再設定する場合であって、第1〜第3の例を組み合わせた場合には、未設定のパラメータはθxとなる。このように、初期設定において固定するパラメータと、未設定のパラメータとの組み合わせは、上述した例に限定されるものではなく、7つのパラメータの内の、任意の1つ以上のパラメータを固定値とし、その他のパラメータを未設定とするようにしても構わない。
例えば、回転角度に係るパラメータθx,θy,θzおよびスケール変換係数Scを固定とした場合には、シフト量に係るパラメータTx,Ty,Tzのみが未設定となるために、接触時点の磁気センサ座標r’を変換マトリクスAにより変換して得られるCT座標rが、最近接点Mに重なるようにパラメータTx,Ty,Tzを設定する(つまり、シフトだけを行う)ことにより、変換マトリクスAを更新することになる。このときさらに、内視鏡1の先端位置を、内視鏡1の長手方向に延長した直線と、多図形モデル化した内壁モデルとの交点が最近接点Mになるという近似を行えば、パラメータTx,Ty,Tzは内視鏡1の長手方向と同一方向に制限されるために、決定すべきパラメータを実体的に1つにすることができ、演算負荷をより一層軽減することができる。
また、体表上の磁気センサ8a,8b(あるいはさらに8c,8c)を体表上に固定して内視鏡検査を行う場合には、内視鏡検査を行っている最中も体表座標を順次取得することができる。従って、適宜の時間間隔毎に、最新の体表座標に基づいて、固定するパラメータの値を更新するようにしてもよい。
このような実施形態2によれば、上述した実施形態1とほぼ同様の効果を奏するとともに、変換式を決定するための複数のパラメータの内の、少なくとも1つのパラメータの値を、体表上の点の実座標と、体表上の点の実座標に対応するモデル座標と、に基づいて固定するようにしたために、演算負荷を軽減し、演算時間も短縮することができる。これにより、ガイド表示のディレイ(遅延)時間が短縮されて、表示のリアルタイム性をより高めることができる。
また、被検体20の体表上の点の実座標が原点となるように実座標系を設定し、体表上の点の実座標に対応するモデル座標が原点となるようにモデル座標系を設定する場合には、決定が必要な7つのパラメータを4つに減らすことができ、演算負荷を大幅に軽減することができる。
さらに、被検体20の体表上の2つの点の一方から他方へ向かう方向が、実座標系における第1座標軸の方向に一致するように実座標系を設定し、かつモデル座標系における第1座標軸の方向に一致するようにモデル座標系を設定する場合には、決定が必要な7つのパラメータを3つに減らすことができ、同様に演算負荷を大幅に軽減することができる。
そして、被検体20の体表上の2つの点の実座標系における距離と、被検体20の体表上の2つの点のモデル座標系における距離と、の比に基づいて、変換式における実座標系とモデル座標系との長さの比を示すスケール変換係数を決定する場合には、実座標系とモデル座標系との縮尺関係を一意に決定することができる。
加えて、複数の方法を組み合わせて決定が必要なパラメータをさらに減らすことにより、より一層簡易化された処理を行うことができ、ワークステーション11の演算負荷を軽減することができる。
また、内視鏡検査を行っている最中も体表座標を順次取得して、固定するパラメータの値を更新する場合には、常に最適化された固定パラメータを用いることができる。
さらに、7つのパラメータを決定するためには3つ以上の点の実座標とモデル座標との関係が必要であったが、パラメータを減らすことで、2つ、または1つの点の実座標とモデル座標との関係に基づき関係式を決定することができるようにした場合には、関係式である変換マトリクスAの更新頻度も向上するために、臓器モデル上に重畳される内視鏡1の先端位置が常に最適化されたものとなる。
なお、上述した各部は、回路として構成されていてもよい。そして、任意の回路は、同一の機能を果たすことができれば、単一の回路として実装されていてもよいし、複数の回路を組み合わせたものとして実装されていても構わない。さらに、任意の回路は、目的とする機能を果たすための専用回路として構成されるに限るものではなく、汎用回路に処理プログラムを実行させることで目的とする機能を果たす構成であっても構わない。あるいは、ハードウェアとして構成されたプロセッサが、各部の処理を行うようにしてもよい。
また、上述では主として内視鏡装置について説明したが、内視鏡装置を上述したように作動させる作動方法であってもよいし、コンピュータに内視鏡装置と同様の処理を行わせるための処理プログラム、該処理プログラムを記録するコンピュータにより読み取り可能な一時的でない記録媒体、等であっても構わない。
さらに、本発明は上述した実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明の態様を形成することができる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。このように、発明の主旨を逸脱しない範囲内において種々の変形や応用が可能であることは勿論である。
1…内視鏡
2…光源装置
3…ビデオプロセッサ
4…モニタ
5…磁気センサ本体
6…磁場発生装置
7,8a,8b,8c,8d…磁気センサ
9…フットスイッチ
10…液晶ディスプレイ
10a…内視鏡画像
10b…モデル画像
11…ワークステーション
12…レジストレーション部
13…記録部
14…処理部
16…3Dモデル画像生成部
20…被検体
21…腎臓
21a…腎臓の入口
CSc…CT座標系(実座標系)
CSm…磁気センサ座標系(モデル座標系)
MK…内視鏡の先端位置を示すマーク

Claims (7)

  1. 被検体の臓器の内部を観察する内視鏡と、
    前記内視鏡の先端の実座標を順次取得する位置情報取得部と、
    前記位置情報取得部が取得した実座標を、変換式に基づき、臓器モデルを記述するモデル空間のモデル座標に変換する座標変換部と、
    前記内視鏡の先端と前記臓器の内壁とが接触したか否かを判定する接触判定部と、
    前記接触判定部により接触したと判定されたときの、前記内視鏡の先端の実座標と、前記内視鏡の先端の実座標に対応するモデル座標と、に基づいて、新たな変換式を算出して、前記座標変換部が用いる変換式を更新する変換式算出部と、
    を備え
    前記変換式算出部は、
    前記内視鏡の先端の実座標を前記変換式に基づき変換した算出モデル座標に対する、前記臓器モデルの内壁における最近接点を、前記内視鏡の先端の実座標に対応するモデル座標とし、
    前記接触判定部により接触したと判定された複数の接触位置に関して、前記算出モデル座標と前記最近接点との距離の総和が最小値を取るように、共役勾配法を用いて前記新たな変換式を算出する、
    ことを特徴とする内視鏡装置。
  2. 前記位置情報取得部は、前記被検体の体表上の点の実座標をさらに取得し、
    前記変換式算出部は、前記変換式を決定するための複数のパラメータの内の、少なくとも1つのパラメータの値を、前記体表上の点の実座標と、前記体表上の点の実座標に対応するモデル座標と、に基づいて固定することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡装置。
  3. 前記変換式算出部は、前記被検体の体表上の点の実座標が原点となるように実座標系を設定し、前記体表上の点の実座標に対応するモデル座標が原点となるようにモデル座標系を設定することを特徴とする請求項2に記載の内視鏡装置。
  4. 前記位置情報取得部は、前記被検体の体表上の2つの点の実座標をさらに取得し、
    前記変換式算出部は、前記被検体の体表上の2つの点の一方から他方へ向かう方向が、実座標系における第1座標軸の方向に一致するように前記実座標系を設定し、かつモデル座標系における第1座標軸の方向に一致するように前記モデル座標系を設定することを特徴とする請求項2に記載の内視鏡装置。
  5. 前記位置情報取得部は、前記被検体の体表上の2つの点の実座標をさらに取得し、
    前記変換式算出部は、前記被検体の体表上の2つの点の実座標系における距離と、前記体表上の2つの点のモデル座標系における距離と、の比に基づいて、前記変換式における前記実座標系と前記モデル座標系との長さの比を示すスケール変換係数を決定することを特徴とする請求項2に記載の内視鏡装置。
  6. 前記臓器モデルは、前記臓器の3次元モデルであることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡装置。
  7. 位置情報取得部が、被検体の臓器の内部を観察する内視鏡の先端の実座標を順次取得し、
    座標変換部が、前記位置情報取得部が取得した実座標を、変換式に基づき、臓器モデルを記述するモデル空間のモデル座標に変換し、
    接触判定部が、前記内視鏡の先端と前記臓器の内壁とが接触したか否かを判定し、
    変換式算出部が、
    前記接触判定部により接触したと判定されたときの、前記内視鏡の先端の実座標と、前記内視鏡の先端の実座標に対応するモデル座標と、に基づいて、新たな変換式を算出して、前記座標変換部が用いる変換式を更新し、
    前記内視鏡の先端の実座標を前記変換式に基づき変換した算出モデル座標に対する、前記臓器モデルの内壁における最近接点を、前記内視鏡の先端の実座標に対応するモデル座標とし、
    前記接触判定部により接触したと判定された複数の接触位置に関して、前記算出モデル座標と前記最近接点との距離の総和が最小値を取るように、共役勾配法を用いて前記新たな変換式を算出する、
    ことを特徴とする内視鏡装置の作動方法。
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