JP3721547B2 - 安定化された難燃化スチレン系樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ブロム系難燃剤を含有する難燃化スチレン系樹脂に対して、高度に熱安定性が要求される分野に広く利用することができる。
【0002】
【従来の技術】
一般に、スチレン系樹脂の難燃化には、ブロム系化合物の難燃剤や、三酸化アンチモン等の難燃助剤を添加する方法が多用されている。
【0003】
しかしながら、一般的に、スチレン系樹脂に、難燃剤としてブロム系化合物を添加した難燃化スチレン系樹脂は、熱安定性が著しく低下することが知られており、その熱安定性の低下を抑制するために、ハイドロタルサイトを添加する方法(特開昭60−1241号)、A型ゼオライトを添加する方法(特開昭61−115948号)、亜鉛置換ハイドロタルサイトを添加する方法(特開昭61−174270号)、周期律表第II族若しくは第IV族の金属から選ばれた少なくとも1種の金属を含むゼオライトを添加する方法(特開昭63−170440号)、硼酸、無水硼酸、硼酸金属塩、脂肪酸多価アルコールエステル・ボレートを添加する方法(特開平4−239059号)、A型ゼオライト及び/又は周期律表第II族若しくは第IV族の金属から選ばれた少なくとも1種の金属を含むゼオライト並びにハイドロタルサイト及び/又は亜鉛置換ハイドロタルサイトを添加する方法(特開平5−179553号)、A型ゼオライト及び周期律表第II族若しくは第IV族の金属を含むゼオライトの少なくとも1種及び/又はハイドロタルサイト、亜鉛置換ハイドロタルサイト類化合物の少なくとも1種と硼酸、無水硼酸、周期律表第II族、第III族若しくは第IV族の金属の硼酸塩及び脂肪酸多価アルコールエステル・ボレートの少なくとも1種を併用添加する方法(特開平8−48839号)等が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これら従来の方法でも、特に微妙な色合いが問題とされる難燃化スチレン系樹脂の淡色成形品に対する熱安定性は未だ満足されるものではなく、更に有効なる熱安定剤を添加して成る難燃化スチレン系樹脂組成物の開発が待たれていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らはかかる観点から、熱安定性の優れる難燃化スチレン系樹脂組成物につき鋭意研究を重ねた結果、スチレン系樹脂及びブロム系難燃剤から成る難燃化スチレン系樹脂に対して、(a)ケイ酸マグネシウムと、(b)ハイドロタルサイト及び亜鉛置換ハイドロタルサイト類化合物の中から選ばれた化合物の少なくとも1種と、(c)1価の脂肪族アルコールエステル・ボレート、アルコキシアルコールエステル・ボレート及び脂肪酸多価アルコールエステル・ボレートの中から選ばれた化合物の少なくとも1種を併用添加して成る難燃化スチレン系樹脂組成物が、顕著な熱安定性を有することを見いだし、本発明を完成した。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について更に詳細に説明する。本発明で使用されるスチレン系樹脂とは、ビニル芳香族単量体の重合体、ビニル芳香族単量体と、その他の単量体の少なくとも1種との共重合体並びにそれらのブレンドポリマーを挙げることができ、当該「その他の単量体」としては、ビニル鎖状化合物単量体、ビニル複素環化合物単量体及び共役ジエン化合物単量体等を挙げることができる。
【0007】
ビニル芳香族化合物単量体とは、ベンゼン核にビニル基が結合したスチレンを基本骨格とし、該ベンゼン核に置換基が導入された核置換スチレン、側鎖ビニル基に置換基が導入された核置換スチレン並びに核・側鎖置換スチレンが挙げられる。該核置換基の例としては、メチル、エチル、プロピル及びブチル等の低級アルキル基及びビニル基、塩素及び臭素等のハロゲンが挙げられる。核置換スチレンの例としては、o−、m−及びp−ビニルトルエン、o−、m−及びp−ジビニルベンゼン等が挙げられ、側鎖置換スチレンの例としては、α−メチルスチレン、α、βジメチルスチレン及びβ、β−ジメチルスチレン等を挙げることができ、核・側鎖置換スチレンの例としては、o−α−メチルビニルトルエン等が挙げられる。
【0008】
又、前記の「その他の単量体」である、ビニル鎖状化合物単量体は、メチル基を有するか有しないビニル基を有するニトリル化合物、同アミド化合物、同低級脂肪族カルボン酸及び同低級脂肪族カルボン酸低級アルキルエステル等を挙げることができる。その例としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル及びメタクリル酸2−エチルヘキシル等を挙げることができる。
【0009】
ビニル複素環化合物単量体とは、メチル基を有するか有しないビニル基を有する、複素環化合物であって、複素環としては、N,O,Sを少なくとも1個以上含む五員環乃至十一員環の複素環を挙げることができ、例えば、フラン、ピロール、ピリジン、ピペリジン、イミダゾール、ピラゾール、ピリミジン、ピラジン、キノリン、イソキノリン、オキサゾール、イソオキサゾール、チオフェン、チアゾール、カルバゾール及びこれらの置換誘導体を挙げることができ、このビニル複素環化合物単量体の例としては、ビニルピリジン、ビニルピペリジン、ビニルイミダゾール、ビニルピラジン、ビニルチオフェン、ビニルチアゾール及びビニルカルバゾール等を挙げることができる。
【0010】
共役ジエン化合物単量体とは、2個以上の炭素−炭素二重結合が、それぞれ炭素−炭素単結合を挟んで結合している単量体であって、炭素数4以上の鎖状共役ジエン化合物単量体が挙げられ、又、塩素又は臭素等のハロゲンを置換基として有していても良い。共役ジエン化合物単量体の例としては、ブタジエン、1−クロルブタジエン、2−クロルブタジエン及びイソプレン等を挙げることができる。
【0011】
更に「その単量体」として、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−プロピルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N−2エチルヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド及びN−シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド化合物単量体、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、及びこれらの有機酸と炭素数1〜8の一価の飽和脂肪酸アルコールとのエステル並びに無水マレイン酸等を挙げることができる。
【0012】
これらのスチレン系樹脂の中で、代表的なものとして、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体(以下、「AS樹脂」と称す。)、メタクリル酸メチル−スチレン共重合体、スチレン−α−メチルスチレン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−マレイミド共重合体、スチレン−N−置換マレイミド共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(以下、「ABS樹脂」と称す。)、スチレン−ブタジエン−N−フェニルマレイミド共重合体、メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体(以下、「MBS樹脂」と称す。)、アクリロニトリル−アクリルゴム−スチレン共重合体(以下、「AAS樹脂」と称す。)、アクリロニトリル−スチレン−塩素化ポリエチレン共重合体(以下、「ACS樹脂」と称す。)、メタクリル酸メチル−アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン−α−メチルスチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン−N−フェニルマレイミド共重合体、メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン−α−メチルスチレン共重合体又はこれらのブレンド品を挙げることができる。
【0013】
本発明に使用されるブロム系難燃剤は、通常この分野で使用されるブロム系難燃剤を限定なく使用することができ、例えば、ブロム化鎖状脂肪族炭化水素類、ブロム化芳香族炭化水素類、ブロム化イソシアネート類及びブロム化エポキシ樹脂類等を挙げることができる。
【0014】
ブロム化鎖状脂肪族炭化水素類は、少なくとも1個のブロム原子が、炭素数2乃至6の鎖状脂肪族炭化水素に結合した炭化水素であって、その例としては、ブロム原子が2固以上のものが好ましく、ジブロモエタン、テトラブロモエタン、トリブロモプロパン、テトラブロモブタン及びオクタブロモヘキサン等が挙げられる。
【0015】
ブロム化環状脂肪族炭化水素類は、少なくとも1個のブロム原子が、炭素数6乃至12の環状脂肪族炭化水素に結合した炭化水素類であって、その例としては、ブロム原子が6個以上のものが好ましく、ヘキサブロムシクロヘキサン、ヘキサブロムシクロドデカン等が挙げられる。
【0016】
ブロム化芳香族炭化水素類は、少なくとも1個のブロム原子が、ベンゼン環に結合した炭化水素類であって、その例としては、ブロム原子が2個以上のものが好ましく、テトラブロモベンゼン、ヘキサブロモベンゼン、ブロムスチレン、テトラブロム無水フタル酸、ジブロムフェノール、トリブロムフェノール、ペンタブロムトルエン、トリブロムフェニルマレイミド、ペンタブロムフェニルプロピルエーテル、テトラブロムビスフェノールA、ヘキサブロムジフェニルエーテル、デカブロムジフェニルエーテル、オクタブロムジフェニルエーテル、エチレンビス(テトラブロムフタルイミド)、ブロム化ポリスチレン、ポリジブロムフェニレンオキサイド、テトラブロムビスフェノールAのカーボネートオリゴマー、テトラブロムビスフェノールAビス(2−ヒドロキシエチルエーテル)、テトラブロムビスフェノールAビス(2,3−ジブロムプロピルエーテル)、テトラブロムビスフェノールA(2−ブロムエチルエーテル)、テトラブロムビスフェノールA(プロピルエーテル)、2,3−ジブロムプロピルペンタブロムフェニルエーテル、ビス(トリブロムフェノキシ)エタン、テトラブロムビスフェノールS、テトラブロムビスフェノールSビス(2,3−ジブロムプロピルエーテル)及びビス(ペンタブロムフェニル)エタン等を挙げることができる。
【0017】
ブロム化イソシアネート類は、前記のブロム化鎖状脂肪族炭化水素類とイソシアン酸残基−N=C=Oが結合した化合物及び前記のブロム化芳香族炭化水素類とイソシアン酸残基−N=C=Oが結合した化合物を挙げることができる。その例としては、トリス(2,3−ジブロムプロピル)イソシアヌレート、トリス(ジブロムフェノキシ)イソシアヌレート、トリス(トリブロムフェノキシ)イソシアヌレート及びトリス(ジブロムプロピルフェノキシ)イソシアヌレート等を挙げることができる。
【0018】
ブロム化エポキシ樹脂類は、ブロム原子を少なくとも1個以上有するエポキシ樹脂であって、当該エポキシ樹脂は、エピクロルヒドリンと多価フェノール類あるいは多価アルコール類との反応によって得られるエポキシ樹脂、オレフィンの過酸によるエポキシ化により得られるエポキシ樹脂等を挙げることができる。ブロム化エポキシ樹脂類としては、ブロム化エポキシ樹脂並びに該エポキシ樹脂の末端エポキシ基の一部乃至全部を封鎖した構造を有する化合物を挙げることができる。ブロム化エポキシ樹脂としては、例えば、ブロム化ビスフェノール型エポキシ樹脂、ブロム化フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ブロム化クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ブロム化レゾルシン型エポキシ樹脂、ブロム化ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ブロム化メチルレゾルシン型エポキシ樹脂、ブロム化レゾルシンノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられるが、通常は平均重合度0〜50程度のブロム化ビスフェノール型エポキシ樹脂を使用する。このブロム化ビスフェノール型エポキシ樹脂を構成するブロム化ビスフェノールの具体例としては、ジブロムビスフェノールA、テトラブロムビスフェノールA、ジブロムビスフェノールF、テトラブロムビスフェノールF、ジブロムビスフェノールS及びテトラブロムビスフェノールS等を挙げることができる。
【0019】
ブロム化エポキシ樹脂の末端エポキシ基の一部乃至全部を封鎖した構造を有する化合物における末端エポキシ基の一部乃至全部を封鎖する化合物としては、エポキシ基を開環付加する化合物であれば限定されないが、フェノール類、アルコール類、カルボン酸類、アミン類及びイソシアネート類等にブロム原子を含有するものを挙げることができ、その中でも難燃効果を向上させる点でブロム化フェノール類が好ましく、ジブロムフェノール、トリブロムフェノール、オエンタブロムフェノール、ジブロムエチルフェノール、ジブロムプロピルフェノール、ジブロムブチルフェノール及びジブロムクレゾール等を挙げることができる。
【0020】
本発明で使用されるブロム系難燃剤の添加量に特別な制限はないが、要求される難燃化度により適宣変量すれば良く、一般に、スチレン系樹脂100重量部に対して2〜30重量部を単独又は2種以上併用することが好ましい。又、更に三酸化アンチモン等の難燃助剤を併用すると、より難燃効果が優れ、その添加量は通常スチレン系樹脂100重量部に対して1〜20重量部が好ましい。
【0021】
本発明で使用されるケイ酸マグネシウムとしては、一般式(1)で示されるケイ酸マグネシウムが挙げられ、天然又は合成品であっても良い。又、用いっられるケイ酸マグネシウムは、高級脂肪酸等で表面処理されていても良い。
【0022】
【一般式(1)】
【0023】
一般式(1)の代表例としては、次のものが挙げられる。
【0024】
【化1】
【0025】
本発明に使用されるハイドロタルサイトは、マグネシウム及びアルミニウムからなる化合物であって、例えば、一般式(2)で示される化合物を挙げることができ、又、亜鉛置換ハイドロタルサイト類化合物は、例えば一般式(2)中のMgの一部をZnに置換した化合物であって、一般式(3)の化合物を挙げることができる。Znの置換率としては、Mgに対して、1モル%〜50モル%であり、好ましくは15モル%〜30モル%である。
【0026】
【一般式(2)】
【0027】
【一般式(3)】
【0028】
一般式(2)の代表例としては、次のものが挙げられる。
【0029】
【化2】
【0030】
一般式(3)の代表例としては、次のものが挙げられる。
【0031】
【化3】
【0032】
本発明において、該ハイドロタルサイト及び亜鉛置換ハイドロタルサイト類化合物と難燃化スチレン系樹脂との相溶性、分散性を向上させるために、該ハイドロタルサイト及び亜鉛置換ハイドロタルサイト類化合物を表面処理剤で表面処理することができる。
【0033】
このような表面処理剤の例としては、この分野で一般に用いられているものを挙げることができ、例えば、高級脂肪酸、アニオン系界面活性剤類、シラン系カップリング剤類、チタネート系カップリング剤類、グリセリンと脂肪酸のエステル類等を挙げることができ、それらの具体例としては、ステアリン酸、オレイン酸、ラウリン酸等の高級脂肪酸類、ステアリン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウムラウリルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアニオン系界面活性剤類、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート等のシラン系又はチタネート系カップリング類、グリセリンモノステアレート、グリセリンモノオレート等のグリセリン脂肪酸エステル等を挙げることができる。
【0034】
本発明で、使用される1価の脂肪族アルコールエステル・ボレートは、脂肪族アルコールの少なくとも1個と、少なくとも1個の硼酸でエステル化された硼酸エステルであって、一般式(4)〜(6)〔化4〕で示される。
【0035】
【化4】
【0036】
前記C4〜C30の1価飽和脂肪族並びに不飽和脂肪族アルコールの例としては、ブチルアルコール、イソブチルアルコール、2−メチル−2−プロピルアルコール、ペンチルアルコール、イソペンチルアルコール、ヘキシルアルコール、イソヘキシルアルコール、2,3−ジメチル−2−ブチルアルコール、ヘプチルアルコール、2,4−ジメチル3−ペンチルアルコール、オクチルアルコール、2−エチル1−ヘキシルアルコール、ノニルアルコール、2,6−ジメチル−4−ヘプチルアルコール、デシルアルコール、ラウリルアルコール、ステアリルアルコール、セリルアルコール及びミリシルアルコール等の飽和脂肪族アルコール、並びにクロチルアルコール、メチルビニルカルビノール及びフィトール等の不飽和脂肪族アルコールが挙げられる。
【0037】
又、本発明で使用されるアルコキシアルコールエステル・ボレートは、二価並びに多価アルコールの1〜4個のOH基を有するエーテル化合物の少なくとも1個と、少なくとも1個の硼酸でエステル化された硼酸エステルであって、一般式(7)〜(18)〔化5〕で示される。
【0038】
【化5】
【0039】
アルコキシアルコールの例としては、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、3−メトキシプロパノール、3−エトキシプロパノール、2−メトキシプロパノール、2−エトキシプロパノール、3−メトキシブタノール、3−メチル−3−メトキシブタノール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコールモノエチルエーテル、ポリエチレングリコールモノブチルエーテル、ポリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ポリプロピレングリコールモノブチルエーテル、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、ポリグリセリン、トリメチロールメタン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、及び1,3−ジメトキシ−2−プロパノール等が挙げられる。
【0040】
更に又、本発明で使用される脂肪酸多価アルコールエステル・ボレートは、少なくとも1個の脂肪酸でエステル化された多価アルコールの少なくとも1個と、少なくとも1個の硼酸でエステル化された硼酸エステルであって、一般式(19)〜(27)〔化6〕で示される。
【0041】
【化6】
【0042】
前記のC2〜C28の1価飽和脂肪酸並びに不飽和脂肪酸の例としては、酢酸、プロピオン酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、2−エチルヘキシル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ヘプタデシル酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸及びモンタン酸等の飽和脂肪酸、並びに、アクリル酸、クロトン酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、エルカ酸、ソルビン酸、リノール酸及びリノレン酸等の不飽和脂肪酸が挙げられる。
【0043】
前記の1〜6個のOH基を有する C1〜C30の脂肪族アルコールの例としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、イソオクタノール、2−エチルヘキサノール、ノナノール、デカノール、トリデカノール、テトラデカノール、ペンタデカノール、ヘキサデカノール、ヘプタデカノール、オクタデカノール、ノナデカノール、エイコサノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヘキサメチレングリコール、テトラメチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、メチルプロピルプロパンジオール、オクタンジオール、2,2,4−トリメチルペンタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、グリセリン、ポリグリセリン、トリメチロールメタン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、エリスリトール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトール及びマンニトール等の脂肪族アルコール等が挙げられ、好ましくは1,4−ブタンジオール、グリセリン等が挙げられる。
【0044】
前記の2〜6個のOH基を有する C2〜C30の脂肪族アルコールの例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヘキサメチレングリコール、テトラメチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、メチルプロピルプロパンジオール、オクタンジオール、2,2,4−トリメチルペンタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、グリセリン、ポリグリセリン、トリメチロールメタン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、エリスリトール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトール及びマンニトール等の脂肪族アルコールが挙げられ、好ましくは1,4−ブタンジオール、グリセリン等が挙げられる。
【0045】
前記の3〜6個のOH基を有する C2〜C30の脂肪族アルコールの例としては、グリセリン、トリメチロールメタン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン及びトリメチロールブタン等の脂肪族アルコールを挙げることができる。前記の4〜6個のOH基を有する C2〜C30のアルコールの例としては、ポリグリセリン、エリスリトール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトール及びマンニトール等の脂肪族アルコールを挙げることができる。
【0046】
1価の脂肪族アルコールエステル・ボレート、アルコキシアルコールエステル・ボレート及び脂肪酸多価アルコールエステル・ボレートの具体的な例としては、次のものが挙げられる。
【0047】
【化7】
【0048】
【化8】
【0049】
【化9】
【0050】
【化10】
【0051】
【化11】
【0052】
本発明で使用される(a)ケイ酸マグネシウムと、(b)ハイドロタルサイト、亜鉛置換ハイドロタルサイト類化合物の中から選ばれた化合物の少なくとも1種と、(c)1価の脂肪族アルコールエステル・ボレート、アルコキシアルコール・ボレート及び脂肪酸多価アルコールエステル・ボレートの中から選ばれた化合物の少なくとも1種とを併用添加する量については特別な制限はないが、実行を有する範囲としては、スチレン系樹脂100重量部に対して、0.01〜5.0重量部である。
【0053】
尚、添加量が0.01重量部未満では熱安定化効果は顕著には見られず、5.0重量部を越えると予期した熱安定化効果が見られず、好ましくは、0.1〜3.0重量部である。また、併用する場合についても成分(a)と(b)と(c)の併用割合については特別な制限はないが、実行を有する併用割合としては、成分(a)対(b)対(c)が5〜93対5〜93対2〜40重量%であり、好ましくは、10〜85対10〜60対5〜30重量%である。成分(c)の併用割合が2重量%未満では、着色防止効果が顕著には見られず、40重量%を越えると熱安定性が低下する。
【0054】
本発明で使用される特定の添加剤をスチレン系樹脂及びブロム系難燃剤から成る難燃化スチレン系樹脂に添加する方法は、従来公知の技術で行えばよく、例えば、該難燃化スチレン系樹脂と該添加剤とをヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、バンバリーミキサー等で混合してもよいし、あるいは該添加剤をあらかじめワンパックしたものを該難燃化スチレン系樹脂と前述の混合機で混合してもよい。
【0055】
又、これらの該添加剤に更に公知の安定剤、例えば、金属石ケン、有機リン化合物、酸化防止剤、紫外線吸収剤、有機錫系化合物等を併用できる。
【0056】
更に必要に応じて、可塑剤、滑剤、顔料、炭酸カルシウムやタルク等の充填剤、加工助剤、クロル系難燃剤、難燃助剤等を添加することができる。
【0057】
【実施例】
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、当該発明はこれらによって限定されるものではない。これらの実施例において、部とは重量部を意味する。
[実施例1]
ABS樹脂[日本合成ゴム(株)製JSR ABS#15NP]95部、塩素化ポリエチレン[昭和電工(株)製 エラスレン303B]5部、ブロム化エポキシ系オリゴマー[大日本インキ化学工業(株)製 プラサームEP−16]18部、三酸化アンチモン6部に、表1乃至表4に示す添加剤を添加した配合物を155℃に調整した6インチ試験ロールで3分間混練し、厚さ0.5mmのシートを作成した。得られたシートを裁断し6枚重ね、厚さ1mmの枠を使用して、260℃、50kg/cm2、5分間、30分間、45分間プレスを行い、標準白色板を標準として、5分間、30分間、45分間プレス板の着色性を測色色差計[東京電色(株)製 カラーアナライザー TC−1800MK−II]を用いて色差(ΔE)を測った。結果を表1乃至表3に示す。
【0058】
【表1】
【0059】
【表2】
【0060】
【表3】
【0061】
表1乃至表3の結果を比較すれば明らかな如く、本発明の安定化された難燃化スチレン系樹脂組成物は熱安定性に極めて優れていることがわかる。
【0062】
[実施例2]
スチレン樹脂[三菱化学(株)製 ダイヤレックス HT−76−NAT]100部、ヘキサブロムシクロドデカン[グレートレークス社製 CD−75P]4部に、表4乃至表6に示す添加剤を添加した配合物を150℃に調整した6インチ試験ロールで3分間混練し、厚さ0.5mmのシートを作製した。得られたシートを裁断し6枚重ね、厚さ1mmの枠を使用して、220℃、50kg/cm2、5分間、30分間、50分間プレスを行い、標準白色板を標準として、5分間、30分間、50分間プレス板の着色性を測色色差計[東京電色(株)製 カラーアナライザー TC−1800MK−II]を用いて色差(ΔE)を測った。結果を表4乃至表6に示す。
【0063】
【表4】
【0064】
【表5】
【0065】
【表6】
【0066】
表5乃至表6の結果を比較すれば明らかな如く、本発明の安定化された難燃スチレン系樹脂組成物は熱安定性に極めて優れていることがわかる。
【0067】
【発明の効果】
本発明の難燃化スチレン系樹脂組成物は、優れた熱安定性を有してる。
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