JP2003160705A - 難燃化ポリプロピレン組成物 - Google Patents

難燃化ポリプロピレン組成物

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JP2003160705A JP2001362366A JP2001362366A JP2003160705A JP 2003160705 A JP2003160705 A JP 2003160705A JP 2001362366 A JP2001362366 A JP 2001362366A JP 2001362366 A JP2001362366 A JP 2001362366A JP 2003160705 A JP2003160705 A JP 2003160705A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ドリップを促進させ、且つUL−94V試験の
コットン発火を抑制し難燃性を一層向上させた難燃化ポ
リプロピレン組成物を提供する。 【解決の手段】ポリプロピレン及び特定量のブロム系難
燃剤からなる難燃化ポリプロピレンに、2,3−ジメチ
ル−2,3−ジフェニルブタン及び有機錫カルボン酸塩
を特定量併用添加し、或いは更に、多価アルコール化合
物を特定量併用添加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリプロピレン及
びブロム系難燃剤からなる難燃化ポリプロピレンに特定
の添加剤を添加して、ドリップを促進させ、且つUL−
94V試験のコットン発火を抑制し難燃性を一層向上さ
せた難燃化ポリプロピレン組成物を提供するものであ
り、当該難燃性が要求される分野に広く使用する事が出
来る。
【0002】
【従来の技術】一般にポリプロピレン等の熱可塑性樹脂
は、火炎により燃焼し易いため、その難燃化のために、
ハロゲン系化合物、リン系化合物、三酸化アンチモン等
の難燃剤や難燃助剤が添加されていた。しかしながら、
得てしてこれらの難燃剤を多く使用することにより、難
燃化を高度化すればするほどドリップは少なくなる傾向
であるが、その機械的特性、成形性は犠牲にせざるを得
なかった。しかしながら、近年、難燃剤や難燃助剤の添
加量を減らし、機械的特性、成形性を犠牲にせずに難燃
性を維持する方法として、2,3−ジメチル−2,3−
ジフェニルブタンを添加してなる樹脂組成物が提案され
ている。その例としては、特開平11−349824号
及び特開昭63−27543号があり、前者の特開平1
1−349824号の技術は、熱可塑性樹脂に難燃剤と
2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン等のラジ
カル発生剤を添加する方法であり、2,3−ジメチル−
2,3−ジフェニルブタンの添加によって成形時の流動
性が向上し機械的特性を損なうことなく、且つ燃焼時に
ドリップが促進され難燃性を向上させている。また、後
者の特開昭63−27543号の技術は、ポリオレフィ
ン系樹脂に、有機臭素化合物と三酸化アンチモンを含む
難燃剤と、2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタ
ンと、塩素化ポリエチレンと、エチレン−酢酸ビニル共
重合体あるいはエチレン−エチルアクリレート共重合体
と、金属水酸化物を配合する方法であるが、2,3−ジ
メチル−2,3−ジフェニルブタンを添加するとドリッ
プし易くなるので、塩素化ポリエチレン等の樹脂及び水
酸化マグネシウム等の金属水酸化物を添加して、ドリッ
プを防止し難燃性を向上させている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の従来の方法の、2,3−ジメチル−2,3−ジフェニ
ルブタンを添加する場合、流動性が増しドリップし易く
なるが、UL−94V試験のコットン発火の抑制が不十
分であった。また、2,3−ジメチル−2,3−ジフェ
ニルブタンに更に、塩素化ポリエチレンと金属水酸化物
を添加する方法では、ドリップは防止されるものの、金
属水酸化物が無機化合物であるため樹脂との相溶性が悪
く、衝撃強度や流動性といった機械的特性が低下すると
いう問題点を有していた。そこで、本発明者らは、2,
3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタンを使用する際
に、難燃剤の添加量を減らし、機械的特性や成形性を維
持しつつ、ドリップを促進させ、且つUL−94V試験
のコットン発火を抑制し難燃性を一層向上させたものを
開発すべく鋭意研究を行った。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる観
点から、ポリプロピレン及びブロム系難燃剤からなる難
燃化ポリプロピレンに、2,3−ジメチル−2,3−ジ
フェニルブタンを使用し、ドリップを促進させ、且つU
L−94V試験のコットン発火を抑制し難燃性を一層向
上させる添加剤につき鋭意研究を重ねた結果、ポリプロ
ピレン100質量部及びブロム系難燃剤3〜30質量部
からなる難燃化ポリプロピレンに、(a)成分 2,3
−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン及び(b)成分
有機錫カルボン酸塩を(a)成分対(b)成分が95
対5質量%〜5対95質量%の割合で合計0.05〜
2.0質量部併用添加してなる難燃化ポリプロピレン組
成物は、機械的特性や成形性を維持しつつ、ドリップを
促進させ、且つUL−94V試験のコットン発火を抑制
し難燃性を向上させることが出来ることを見出し、本発
明を完成した。更に、ポリプロピレン100質量部及び
ブロム系難燃剤3〜30質量部からなる難燃化ポリプロ
ピレンに、(a)成分 2,3−ジメチル−2,3−ジ
フェニルブタン及び(b)成分 有機錫カルボン酸塩を
(a)成分対(b)成分が95対5質量%〜5対95質
量%の割合で合計0.05〜2.0質量部並びに(c)
成分 多価アルコール化合物を0.05〜2.0質量部
併用添加してなる難燃化ポリプロピレン組成物は、ドリ
ップを促進させ、且つUL−94V試験のコットン発火
を抑制し難燃性を一層向上させることが出来ることを見
出し、本発明を完成した。
【0005】本発明で使用されるポリプロピレンはホモ
ポリマー、ブロックコポリマー、ランダムコポリマー等
を挙げることができる。
【0006】本発明に使用されるブロム系難燃剤は、通
常この分野で使用されるブロム系難燃剤を限定なく使用
することができ、これらの中でも汎用されるものとし
て、ブロム化ビスフェノールA類またはブロム化ビスフ
ェノールS類、ブロム化フェニルエーテル類、ブロム化
ビスフェノールA系カーボネートオリゴマー、ブロム化
ビスフェノールA系エポキシ樹脂、ブロム化スチレン
系、ブロム化フタルイミド系、ブロム化ベンゼン類、ブ
ロム化シクロアルカン、ブロム化イソシアヌレート類等
の各難燃剤を挙げることができる。
【0007】ブロム化ビスフェノールA類またはブロム
化ビスフェノールS類は、1〜8個のブロム原子がビス
フェノールA残基またはビスフェノールS残基のベンゼ
ン環に結合した化合物を挙げることができ、その例とし
ては、テトラブロムビスフェノールA、テトラブロムビ
スフェノールAビス(2−ヒドロキシエチルエーテ
ル)、テトラブロムビスフェノールAビス(アリルエー
テル)、テトラブロムビスフェノールAビス(2−ブロ
ムエチルエーテル)、テトラブロムビスフェノールAビ
ス(3−ブロムプロピルエーテル)、テトラブロムビス
フェノールAビス(2,3−ジブロムプロピルエーテ
ル)、テトラブロムビスフェノールS、テトラブロムビ
スフェノールSビス(2−ヒドロキシエチルエーテル)
及びテトラブロムビスフェノールSビス(2,3−ジブ
ロムプロピルエーテル)等を挙げることができる。
【0008】市販されているブロム化ビスフェノールA
類またはブロム化ビスフェノールS類としては、ブロモ
ケム・ファーイースト(株)の「FR−1524」、グ
レート・レークス・ケミカル(株)の「Great L
akes BA−50」、「Great Lakes
BA−50P」、「Great Lakes BA−5
9」、「Great Lakes BA−59P」及び
「Great Lakes PE−68」、アルベマー
ル(株)の「Saytex RB−100」、帝人化成
(株)の「ファイヤガード2000」、「ファイヤガー
ド3000」、「ファイヤガード3100」及び「ファ
イヤガード3600」、丸菱油化工業(株)の「ノンネ
ンPR−2」、東ソー(株)の「フレームカット121
R」、(株)鈴裕化学の「ファイアカットP−680」
等を挙げることができる。
【0009】ブロム化フェニルエーテル類は、1個以上
のブロム原子がフェニルエーテル基に結合した化合物で
あって、例えば、ビス(トリブロムフェノキシ)エタ
ン、ヘキサブロムジフェニルエーテル、オクタブロムジ
フェニルエーテル、デカブロムジフェニルエーテル及び
ポリジブロムフェニレンオキサイド等を挙げることがで
きる。
【0010】市販されているブロム化フェニルエーテル
類難燃剤としては、ブロモケム・ファーイースト(株)
の「FR−1210」及び「FR−1208」、グレー
ト・レークス・ケミカル(株)の「Great Lak
es FF−680」、「Great Lakes D
E−83」、「Great Lakes DE−83
R」及び「Great Lakes DE−79」、ア
ルベマール(株)の「Saytex 102E」及び
「Saytex 111」を挙げることができる。
【0011】ブロム化ビスフェノールA系カーボネート
オリゴマーは、下記式
【0012】
【化1】
【0013】で示される基の重合物であって、オリゴマ
ーとは、重合度(n)が1〜10のものをいう。例え
ば、下記式で示される難燃剤を挙げることができる。
【0014】
【化2】
【0015】上記式の市販されている難燃剤としては、
帝人化成(株)の「ファイヤガード7000」及び「フ
ァイヤガード7500」を挙げることができる。
【0016】
【化3】
【0017】また、上記式の市販されている難燃剤とし
ては、グレート・レークス・ケミカル(株)の「Gre
at Lakes BC−52」及び「Great L
akes BC−58」等を挙げることができる。
【0018】ブロム化ビスフェノールA系エポキシ樹脂
は、下記式で示される化合物を挙げることができる。
【0019】
【化4】
【0020】上記式の市販されている難燃剤としては、
重合度(n)に応じて種々の製品があり、ブロモケム・
ファーイースト(株)の「F−2300」、「F−23
00H」、「F−2400」及び「F−2400H」、
大日本インキ化学工業(株)の「プラサームEP−1
6」、「プラサームEP−30」、「プラサームEP−
100」及び「プラサームEP−500」、阪本薬品工
業(株)の「SR−T1000」、「SR−T200
0」、「SR−T5000」及び「SR−T2000
0」等を挙げることができる。
【0021】また、ブロム化ビスフェノールA系エポキ
シ樹脂の例として、上記式の両末端のエポキシ基がブロ
ック化剤で封鎖された化合物及び片側の末端エポキシ基
がブロック化剤で封鎖された化合物を挙げることができ
る。そのブロック化剤としては、エポキシ基を開環付加
する化合物であれば限定されないが、フェノール類、ア
ルコール類、カルボン酸類、アミン類及びイソシアネー
ト類等にブロム原子を含有するものを挙げることがで
き、その中でも難燃効果を向上させる点でブロム化フェ
ノール類が好ましく、ジブロムフェノール、トリブロム
フェノール、ペンタブロムフェノール、エチルジブロム
フェノール、プロピルジブロムフェノール、ブチルジブ
ロムフェノール及びジブロムクレゾール等を挙げること
ができる。
【0022】当該重合物の両末端のエポキシ基がブロッ
ク化剤で封鎖された難燃剤の例としては、下記式で示さ
れる難燃剤を挙げることができる。
【0023】
【化5】
【0024】上記式の市販されている難燃剤としては、
大日本インキ化学工業(株)の「プラサームEC−1
4」、「プラサームEC−20」及び「プラサームEC
−30」、東都化成(株)の「TB−60」及び「TB
−62」、阪本薬品工業(株)の「SR−T3040」
及び「SR−T7040」等を挙げることができる。
【0025】また、当該重合物の片側の末端エポキシ基
がブロック化剤で封鎖された難燃剤の例としては、下記
式で示される難燃剤を挙げることができる。
【0026】
【化6】
【0027】上記式の市販されている難燃剤としては、
大日本インキ化学工業(株)の「プラサームEPC−1
5F」、油化シェルエポキシ(株)の「E5354」等
を挙げることができる。
【0028】ブロム化スチレン系難燃剤は、スチレン骨
格のベンゼン環に1〜5個のブロム原子が結合した下記
式のブロム化スチレンモノマー
【0029】
【化7】
【0030】及び下記式のその重合体(ポリマー)
【0031】
【化8】
【0032】であって、好ましくは重合体である。例え
ば、ブロムスチレン及びブロム化ポリスチレンを挙げる
ことができ、市販されているブロム化ポリスチレン系難
燃剤としては、グレート・レークス・ケミカル(株)の
「Great Lakes PDBS−10」及び「G
reat Lakes PDBS−80」等を挙げるこ
とができる。また、前記の難燃剤と製法は異なるが、フ
ェロ(株)の「パイロチェック68PB」もブロム化ポ
リスチレン系難燃剤の例として挙げることができる。
【0033】ブロム化フタルイミド系難燃剤は、フタル
イミド基のベンゼン環に1〜4個のブロム原子が結合し
た化合物であって、例えば、モノブロムフタルイミド、
ジブロムフタルイミド、トリブロムフタルイミド、テト
ラブロムフタルイミド、エチレンビス(モノブロムフタ
ルイミド)、エチレンビス(ジブロムフタルイミド)、
エチレンビス(トリブロムフタルイミド)及び下記式の
エチレンビス(テトラブロムフタルイミド)
【0034】
【化9】
【0035】を挙げることができ、市販されている難燃
剤としては、アルベマール(株)の「Saytex B
T−93」及び「Saytex BT−93W」を挙げ
ることができる。
【0036】ブロム化ベンゼン類は、1個以上のブロム
原子がベンゼン環に結合した基からなる化合物であっ
て、テトラブロムベンゼン、ペンタブロムベンゼン、ヘ
キサブロムベンゼン、ブロムフェニルアリルエーテル、
ペンタブロムトルエン、ビス(ペンタブロムフェニル)
エタン及びポリ(ペンタブロムベンジルアクリレート)
等を挙げることができ、市販されている難燃剤として
は、アルベマール(株)の「Saytex 8010」
を挙げることができる。
【0037】ブロム化シクロアルカン系は、1〜6個の
ブロム原子が炭素数6〜12のシクロアルカン(環状脂
肪族炭化水素)に結合したブロム化炭化水素類である。
該シクロアルカンの例としては、シクロヘキサン及びシ
クロドデカンを挙げることができ、ブロム化シクロアル
カンの例としては、ペンタブロムシクロヘキサン、ヘキ
サブロムシクロヘキサン、テトラブロムシクロドデカ
ン、ペンタブロムシクロドデカン及びヘキサブロムシク
ロドデカン等を挙げることができる。
【0038】市販されているヘキサブロムシクロドデカ
ンとしては、ブロモケム・ファーイースト(株)の「F
R−1206」、アルベマール(株)の「Saytex
HBCD」、グレート・レークス・ケミカル(株)の
「Great LakesCD−75P」、(株)鈴裕
化学の「ファイアカットP−880M」及び第一工業製
薬(株)の「ピロガード SR−103」等を挙げるこ
とができる。
【0039】ブロム化イソシアヌレート類は、炭素数2
〜6のアルキル基(鎖状脂肪族炭化水素基)にブロム原
子が結合したブロム化アルキル基とイソシアヌル酸残基
が結合した化合物並びに1〜5個のブロム原子がフェノ
キシ基に結合したブロム化フェノキシ基とイソシアヌル
酸残基が結合した化合物を挙げることができる。その具
体例としては、トリス(モノブロムプロピル)イソシア
ヌレート、トリス(2,3−ジブロムプロピル)イソシ
アヌレート、トリス(トリブロムプロピル)イソシアヌ
レート、トリス(テトラブロムプロピル)イソシアヌレ
ート、トリス(ペンタブロムプロピル)イソシアヌレー
ト、トリス(ヘプタブロムプロピル)イソシアヌレー
ト、トリス(オクタブロムブチル)イソシアヌレート、
トリス(モノブロムフェノキシ)イソシアヌレート、ト
リス(ジブロムフェノキシ)イソシアヌレート、トリス
(トリブロムフェノキシ)イソシアヌレート、トリス
(ペンタブロムフェノキシ)イソシアヌレート、トリス
(エチルモノブロムフェノキシ)イソシアヌレート及び
トリス(プロピルジブロムフェノキシ)イソシアヌレー
ト等を挙げることができる。
【0040】市販されているブロム化イソシアヌレート
類としては、日本化成(株)の「タイク−6B」及び
(株)鈴裕化学の「ファイアカットP−660」等を挙
げることができる。
【0041】実施例において、これらの中で汎用されて
いる代表的なブロム系難燃剤を使用しているが、それ以
外の上記ブロム系難燃剤を使用しても、同様の効果を示
すことが期待される。
【0042】前記のような汎用されるブロム系難燃剤以
外に、文献にも示され、ブロム系難燃剤メーカーのカタ
ログ等にも示されているものも勿論使用することがで
き、これらブロム系難燃剤からなる難燃化ポリプロピレ
ン組成物についても、本発明の効果を遜色なく実現する
ことが充分に期待される。それらのブロム系難燃剤とし
ては、ブロム化フェノール類、ブロム化フェノキシトリ
アジン系、ブロム化アルカン系、ブロム化マレイミド系
及びブロム化フタル酸類等を挙げることができる。
【0043】ブロム化フェノール類は、1〜5個のブロ
ム原子がフェノール基に結合した化合物であって、例え
ば、モノブロムフェノール、ジブロムフェノール、トリ
ブロムフェノール、テトラブロムフェノール及びペンタ
ブロムフェノール等を挙げることができる。
【0044】ブロム化フェノキシトリアジン系は、1〜
5個のブロム原子がフェノキシ基に結合し、そのブロム
化フェノキシ基の1〜3個がトリアジン環に結合した化
合物であって、例えば、モノ(トリブロムフェノキシ)
トリアジン、ビス(モノブロムフェノキシ)トリアジ
ン、ビス(トリブロムフェノキシ)トリアジン、トリス
(ジブロムフェノキシ)トリアジン及びトリス(トリブ
ロムフェノキシ)トリアジン等を挙げることができ、市
販されている難燃剤としては、第一工業製薬(株)の
「ピロガード SR−245」を挙げることができる。
【0045】ブロム化アルカン系は、炭素数2〜6のア
ルカン(鎖状脂肪族炭化水素)にブロム原子が結合した
化合物である。該アルカンの例としては、エタン、プロ
パン、ブタン、ペンタン及びヘキサンを挙げることがで
き、ブロム化アルカンの例としては、ジブロムエタン、
テトラブロムエタン、モノブロムプロパン、トリブロム
プロパン、ヘキサブロムプロパン、オクタブロムプロパ
ン、テトラブロムブタン、ヘキサブロムブタン、オクタ
ブロムブタン、トリブロムペンタン、ペンタブロムペン
タン、オクタブロムペンタン、ジブロムヘキサン、トリ
ブロムヘキサン、テトラブロムヘキサン、ヘキサブロム
ヘキサン及びオクタブロムヘキサン等を挙げることがで
きる。
【0046】ブロム化マレイミド系は、1〜5個のブロ
ム原子がフェニルマレイミド基に結合した化合物であっ
て、例えば、モノブロムフェニルマレイミド、ジブロム
フェニルマレイミド、トリブロムフェニルマレイミド及
びペンタブロムフェニルマレイミド等を挙げることがで
きる。
【0047】ブロム化フタル酸類は、1〜4個のブロム
原子が無水フタル酸に結合した化合物を挙げることがで
き、その例としては、モノブロム無水フタル酸、ジブロ
ム無水フタル酸、トリブロム無水フタル酸及びテトラブ
ロム無水フタル酸等を挙げることができる。
【0048】本発明で使用されるブロム系難燃剤の使用
量は、ポリプロピレンに要求される難燃化の程度及び物
性との関係から種々に変化するものであり、通常、ポリ
プロピレン100質量部に対して、3〜30質量部使用
される。3質量部未満では、所望の難燃性を付与でき
ず、また、30質量部を超えると当該樹脂組成物の成形
体の物性を損なうので好ましくない。しかしながら、難
燃性と物性とのバランスから、実用的には、3〜20質
量部の範囲で使用される。また、目的に応じては、ブロ
ム系難燃剤を2種以上併用することができる。難燃性を
更に高める目的で、三酸化アンチモン等の難燃助剤を併
用することはよく行なわれることであるが、この難燃助
剤の添加によって、本発明の効果に何ら影響を与えるも
のではない。その難燃助剤の添加量は、通常、ポリプロ
ピレン100質量部に対して、0.5〜10質量部使用
されるが、物性等との関係で、好ましい使用量は2〜7
質量部である。
【0049】本発明に使用される(a)成分の2,3−
ジメチル−2,3−ジフェニルブタンには、特別の制限
はなく、一般に市販されているものでよい。
【0050】本発明に使用される(b)成分の有機錫カ
ルボン酸塩は、 一般式(1) (R1mSn(OCOR24-m (1) で示される有機錫(モノカルボン酸塩)、一般式(2) (R1mSn(OCOCH=CHCOOR34-m (2) で示される有機錫(マレイン酸エステル塩)、及び一般式(3) 〔(R12Sn(OCOCH=CHCOO)〕p (3) で示される有機錫マレエート系化合物〔式(1)乃至
(3)中、R1は炭素数1〜12のアルキル基、R2はア
ルキル基、アルケニル基、アリール基、アルキルアリー
ル基、ヒドロキシアルキル基またはヒドロキシアルケニ
ル基であり、R3はアルキル基、シクロアルキル基、ア
ルケニル基、アラルキル基、アルコキシアルキル基また
はヒドロキシアルキル基を示す。mは1または2の整
数、pは1〜10の整数を示す。〕を挙げることができ
る。
【0051】一般式(1)乃至(3)中のR1は、炭素
数1〜12のアルキル基である。
【0052】該アルキル基の具体例としては、メチル、
エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、オクチル及びラ
ウリル等を挙げることができ、好ましい基としては、メ
チル、ブチル及びオクチルを挙げることができる。
【0053】一般式(1)中のR2は、炭素数1〜22
のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基、炭素数
6〜18のアリール基、炭素数7〜19のアルキルアリ
ール基、炭素数4〜21のヒドロキシアルキル基または
炭素数5〜22のヒドロキシアルケニル基であり、それ
らの具体例としては、メチル、エチル、プロピル、イソ
プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、イ
ソヘプチル、オクチル、イソオクチル、ノニル、デシ
ル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、ペンタデシ
ル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナ
デシル、エイコシル、ヘンエイコシル、ベヘニル、ビニ
ル、アリル、イソプロペニル、ヘプタデセニル、フェニ
ル、t−ブチルフェニル、ヒドロキシウンデシル及びヒ
ドロキシヘプタデセニル等の基を挙げることができる。
また、R2COOはR2COOHで示されるモノカルボン
酸の残基であり、該モノカルボン酸の具体例としては、
酢酸、プロピオン酸、酪酸、ヘプタン酸、オクチル酸、
2―エチルヘキサン酸、デカン酸、ラウリン酸、パルミ
チン酸、ステアリン酸、エイコサン酸、ベヘニン酸、ア
クリル酸、クロトン酸、オレイン酸、安息香酸、p−t
−ブチル安息香酸、ヒドロキシラウリン酸及びリシノー
ル酸等を挙げることができる。
【0054】一般式(1)で示される有機錫(モノカル
ボン酸塩)の具体例としては、モノメチル錫トリアセテ
ート、モノメチル錫トリオクトエート、モノメチル錫ト
リラウレート、モノメチル錫トリステアレート、モノメ
チル錫トリベヘネート、モノメチル錫トリオレート、モ
ノメチル錫トリベンゾエート、モノメチル錫トリ(ヒド
ロキシラウレート)、モノメチル錫トリリシノレート、
モノブチル錫トリアセテート、モノブチル錫トリオクト
エート、モノブチル錫トリラウレート、モノブチル錫ト
リステアレート、モノブチル錫トリベヘネート、モノブ
チル錫トリオレート、モノブチル錫トリベンゾエート、
モノブチル錫トリ(ヒドロキシラウレート)、モノブチ
ル錫トリ(ヒドロキシオレート)、モノオクチル錫トリ
アセテート、モノオクチル錫トリオクトエート、モノオ
クチル錫トリラウレート、モノオクチル錫トリステアレ
ート、モノオクチル錫トリベヘネート、モノオクチル錫
トリオレート、モノオクチル錫トリベンゾエート、モノ
オクチル錫トリ(ヒドロキシラウレート)、モノオクチ
ル錫トリリシノレート、モノラウリル錫トリオクトエー
ト、モノラウリル錫トリラウレート、モノラウリル錫ト
リステアレート、ジメチル錫ジアセテート、ジメチル錫
ジオクトエート、ジメチル錫ジラウレート、ジメチル錫
ジステアレート、ジメチル錫ジベヘネート、ジメチル錫
ジオレート、ジメチル錫ジベンゾエート、ジメチル錫ジ
(ヒドロキシラウレート)、ジメチル錫ジリシノレー
ト、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジオクトエー
ト、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジステアレー
ト、ジブチル錫ジベヘネート、ジブチル錫ジオレート、
ジブチル錫ジベンゾエート、ジブチル錫ジ(ヒドロキシ
ラウレート)、ジブチル錫ジリシノレート、ジオクチル
錫ジアセテート、ジオクチル錫ジオクトエート、ジオク
チル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジステアレート、ジ
オクチル錫ジベヘネート、ジオクチル錫ジオレート、ジ
オクチル錫ジベンゾエート、ジオクチル錫ジ(ヒドロキ
シラウレート)、ジオクチル錫ジリシノレート、ジラウ
リル錫ジオクトエート、ジラウリル錫ジラウレート及び
ジラウリル錫ジステアレート等を挙げることができる。
【0055】一般式(2)中のR3は、炭素数1〜22
のアルキル基、炭素数6〜18のシクロアルキル基、炭
素数2〜22のアルケニル基、炭素数7〜19のアラル
キル基、炭素数3〜22のアルコキシアルキル基及び炭
素数4〜22のヒドロキシアルキル基であり、それらの
具体例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロ
ピル、ブチル、オクチル、イソオクチル、2−エチルヘ
キシル、ノニル、ドデシル、トリデシル、オクタデシ
ル、ドコシル、シクロヘキシル、オレイル、ベンジル、
メチルベンジル、メトキシブチル、ヒドロキシドデシル
及びヒドロキシオクタデシル等の基を挙げることができ
る。
【0056】一般式(2)で示される有機錫(マレイン
酸エステル塩)の具体例としては、モノメチル錫トリス
(イソオクチルマレエート)、モノメチル錫トリス(2
−エチルヘキシルマレエート)、モノメチル錫トリス
(トリデシルマレエート)、モノメチル錫トリス(オク
タデシルマレエート)、モノメチル錫トリス(オレイル
マレエート)、モノメチル錫トリス(ヒドロキシドデシ
ルマレエート)、モノブチル錫トリス(イソオクチルマ
レエート)、モノブチル錫トリス(2−エチルヘキシル
マレエート)、モノブチル錫トリス(ドデシルマレエー
ト)、モノブチル錫トリス(トリデシルマレエート)、
モノブチル錫トリス(オクタデシルマレエート)、モノ
ブチル錫トリス(ドコシルマレエート)、モノブチル錫
トリス(オレイルマレエート)、モノブチル錫トリス
(ヒドロキシオクタデシルマレエート)、モノオクチル
錫トリス(エチルマレエート)、モノオクチル錫トリス
(ブチルマレエート)、モノオクチル錫トリス(イソオ
クチルマレエート)、モノオクチル錫トリス(2−エチ
ルヘキシルマレエート)、モノオクチル錫トリス(ノニ
ルマレエート)、モノオクチル錫トリス(ドデシルマレ
エート)、モノオクチル錫トリス(オクタデシルマレエ
ート)、モノオクチル錫トリス(ドコシルマレエー
ト)、モノオクチル錫トリス(シクロヘキシルマレエー
ト)、モノオクチル錫トリス(オレイルマレエート)、
モノオクチル錫トリス(ベンジルマレエート)、モノオ
クチル錫トリス(メトキシブチルマレエート)、モノオ
クチル錫トリス(ヒドロキシオクタデシルマレエー
ト)、ジメチル錫ビス(イソオクチルマレエート)、ジ
メチル錫ビス(2−エチルヘキシルマレエート)、ジメ
チル錫ビス(ドデシルマレエート)、ジメチル錫ビス
(トリデシルマレエート)、ジメチル錫ビス(オクタデ
シルマレエート)、ジメチル錫ビス(ドコシルマレエー
ト)、ジメチル錫ビス(シクロヘキシルマレエート)、
ジメチル錫ビス(オレイルマレエート)、ジメチル錫ビ
ス(メチルベンジルマレエート)、ジメチル錫ビス(ヒ
ドロキシドデシルマレエート)、ジブチル錫ビス(ブチ
ルマレエート)、ジブチル錫ビス(イソオクチルマレエ
ート)、ジブチル錫ビス(2−エチルヘキシルマレエー
ト)、ジブチル錫ビス(デシルマレエート)、ジブチル
錫ビス(ドデシルマレエート)、ジブチル錫ビス(トリ
デシルマレエート)、ジブチル錫ビス(オクタデシルマ
レエート)、ジブチル錫ビス(ドコシルマレエート)、
ジブチル錫ビス(シクロヘキシルマレエート)、ジブチ
ル錫ビス(オレイルマレエート)、ジブチル錫ビス(ベ
ンジルマレエート)、ジブチル錫ビス(メトキシブチル
マレエート)、ジブチル錫ビス(ヒドロキシオクタデシ
ルマレエート)、ジオクチル錫ビス(エチルマレエー
ト)、ジオクチル錫ビス(ブチルマレエート)、ジオク
チル錫ビス(イソオクチルマレエート)、ジオクチル錫
ビス(2−エチルヘキシルマレエート)、ジオクチル錫
ビス(ノニルマレエート)、ジオクチル錫ビス(ドデシ
ルマレエート)、ジオクチル錫ビス(トリデシルマレエ
ート)、ジオクチル錫ビス(オクタデシルマレエー
ト)、ジオクチル錫ビス(ドコシルマレエート)、ジオ
クチル錫ビス(シクロヘキシルマレエート)、ジオクチ
ル錫ビス(オレイルマレエート)、ジオクチル錫ビス
(ベンジルマレエート)、ジオクチル錫ビス(メトキシ
ブチルマレエート)及びジオクチル錫ビス(ヒドロキシ
オクタデシルマレエート)等を挙げることができる。
【0057】一般式(3)で示される有機錫マレエート
系化合物の具体例としては、ジメチル錫マレエート、ジ
ブチル錫マレエート、ジオクチル錫マレエート、ジラウ
リル錫マレエート及びこれらのポリマーを挙げることが
できる。
【0058】本発明に使用される(a)成分の2,3−
ジメチル−2,3−ジフェニルブタン及び(b)成分の
有機錫カルボン酸塩の添加量は、ポリプロピレン100
質量部に対して、(a)成分と(b)成分が95対5質
量%〜5対95質量%の割合で合計0.05〜2.0質
量部であり、好ましくは、0.1〜1.0質量部であ
る。
【0059】(a)成分の2,3−ジメチル−2,3−
ジフェニルブタン及び(b)成分の有機錫化合物の添加
量の合計が、0.05質量部未満の場合には、十分な難
燃性が得られず、2.0質量部を超える場合には、増量
による予期した難燃性が得られない。また、(a)成分
と(b)成分の併用割合が本発明の併用割合の範囲を外
れる場合は、十分な難燃性が得られない。
【0060】本発明に使用される(c)成分の多価アル
コール化合物は、炭化水素の水素原子を2〜8個の水酸
基で置換した化合物であり、代表例としては、エチレン
グリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ペン
タエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペン
タエリスリトール、meso−エリスリトール、トリメ
チロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、トリメ
チロールプロパンモノアリルエーテル、トリメチロール
エタン及びネオペンチルグリコール等を挙げることがで
き、また、分子内に2個の水酸基をもつ2,2−ジメチ
ル−3−ヒドロキシプロピル=2,2−ジメチル−3−
ヒドロキシプロピオネートも本発明の多価アルコール化
合物に含まれるものとする。
【0061】好ましい多価アルコール化合物としては、
ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリ
メチロールプロパン、トリメチロールエタン、ネオペン
チルグリコール及び2,2−ジメチル−3−ヒドロキシ
プロピル=2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピオ
ネート等を挙げることができる。
【0062】本発明に使用される(c)成分の多価アル
コール化合物の添加量は、ポリプロピレン100質量部
に対して、0.05〜2.0質量部であり、好ましく
は、0.1〜1.0質量部である。
【0063】(c)成分の多価アルコール化合物の添加
量が、0.05質量部未満の場合には、十分な難燃性が
得られず、2.0質量部を超える場合には、増量による
予期した難燃性が得られない。
【0064】本発明の難燃化ポリプロピレン組成物に、
無機物などの充填剤を添加しても、本発明の難燃性は何
ら影響を受けない。
【0065】更に、必要に応じて、熱安定剤、抗酸化
剤、紫外線吸収剤、光安定剤、滑剤、顔料等を添加する
ことができる。
【0066】本発明の難燃化ポリプロピレン組成物は、
カレンダーロール、押出機、バンバリーミキサー、ニー
ダーなどを用いて各成分を混練りすることにより得られ
る。混練りする際の仕込方法は、ミキサーの種類によっ
て異なり、各成分を一括して混練りしても、別々に分け
て添加し混練りしてもよい。また、混練りする際の各材
料はそのまま使用してもよいし、分散を一層確実にする
ため材料に加工を加えたもの、例えば、融点の近いもの
同士を溶融混合処理した材料を使用してもよい。
【0067】本発明の実施に当たっては、以下の実施態
様を挙げることができる。 (1)ポリプロピレン100質量部及びブロム系難燃剤
3〜30質量部からなる難燃化ポリプロピレンに、
(a)成分 2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブ
タン及び(b)成分 有機錫カルボン酸塩を(a)成分
対(b)成分が95対5質量%〜5対95質量%の割合
で合計0.05〜2.0質量部併用添加してなる難燃化
ポリプロピレン組成物。 (2)ポリプロピレン100質量部及びブロム系難燃剤
3〜20質量部からなる難燃化ポリプロピレンに、
(a)成分 2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブ
タン及び(b)成分 有機錫カルボン酸塩を(a)成分
対(b)成分が95対5質量%〜5対95質量%の割合
で合計0.05〜2.0質量部併用添加してなる難燃化
ポリプロピレン組成物。 (3)ポリプロピレン100質量部及びブロム系難燃剤
3〜20質量部からなる難燃化ポリプロピレンに、
(a)成分 2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブ
タン及び(b)成分 モノアルキル錫カルボン酸塩及び
/またはジアルキル錫カルボン酸塩を(a)成分対
(b)成分が95対5質量%〜5対95質量%の割合で
合計0.05〜2.0質量部併用添加してなる難燃化ポ
リプロピレン組成物。 (4)ポリプロピレン100質量部及びブロム系難燃剤
3〜20質量部からなる難燃化ポリプロピレンに、
(a)成分 2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブ
タン及び(b)成分 モノアルキル錫カルボン酸塩及び
/またはジアルキル錫カルボン酸塩を(a)成分対
(b)成分が95対5質量%〜5対95質量%の割合で
合計0.1〜1.0質量部併用添加してなる難燃化ポリ
プロピレン組成物。 (5)ポリプロピレン100質量部及びブロム系難燃剤
3〜30質量部からなる難燃化ポリプロピレンに、
(a)成分 2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブ
タン及び(b)成分 有機錫カルボン酸塩を(a)成分
対(b)成分が95対5質量%〜5対95質量%の割合
で合計0.05〜2.0質量部並びに(c)成分 多価
アルコール化合物を0.05〜2.0質量部併用添加し
てなる難燃化ポリプロピレン組成物。 (6)ポリプロピレン100質量部及びブロム系難燃剤
3〜20質量部からなる難燃化ポリプロピレンに、
(a)成分 2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブ
タン及び(b)成分 有機錫カルボン酸塩を(a)成分
対(b)成分が95対5質量%〜5対95質量%の割合
で合計0.05〜2.0質量部並びに(c)成分 多価
アルコール化合物を0.05〜2.0質量部併用添加し
てなる難燃化ポリプロピレン組成物。 (7)ポリプロピレン100質量部及びブロム系難燃剤
3〜20質量部からなる難燃化ポリプロピレンに、
(a)成分 2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブ
タン及び(b)成分 モノアルキル錫カルボン酸塩及び
/またはジアルキル錫カルボン酸塩を(a)成分対
(b)成分が95対5質量%〜5対95質量%の割合で
合計0.05〜2.0質量部並びに(c)成分 多価ア
ルコール化合物を0.05〜2.0質量部併用添加して
なる難燃化ポリプロピレン組成物。 (8)ポリプロピレン100質量部及びブロム系難燃剤
3〜20質量部からなる難燃化ポリプロピレンに、
(a)成分 2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブ
タン及び(b)成分 モノアルキル錫カルボン酸塩及び
/またはジアルキル錫カルボン酸塩を(a)成分対
(b)成分が95対5質量%〜5対95質量%の割合で
合計0.05〜2.0質量部並びに(c)成分 ペンタ
エリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリメチロ
ールプロパン、トリメチロールエタン、ネオペンチルグ
リコール、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル
=2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピオネートの
中から選ばれた少なくとも一種の化合物を合計0.05
〜2.0質量部併用添加してなる難燃化ポリプロピレン
組成物。 (9)ポリプロピレン100質量部及びブロム系難燃剤
3〜20質量部からなる難燃化ポリプロピレンに、
(a)成分 2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブ
タン及び(b)成分 モノアルキル錫カルボン酸塩及び
/またはジアルキル錫カルボン酸塩を(a)成分対
(b)成分が95対5質量%〜5対95質量%の割合で
合計0.1〜1.0質量部並びに(c)成分 ペンタエ
リスリトール、ジペンタエリスリトール、トリメチロー
ルプロパン、トリメチロールエタン、ネオペンチルグリ
コール、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル=
2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピオネートの中
から選ばれた少なくとも一種の化合物を合計0.1〜
1.0質量部併用添加してなる難燃化ポリプロピレン組
成物。 (10)ポリプロピレン100質量部、ブロム系難燃剤
3〜30質量部及び三酸化アンチモン0.5〜10質量
部からなる難燃化ポリプロピレンに、(a)成分 2,
3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン及び(b)成
分 有機錫カルボン酸塩を(a)成分対(b)成分が9
5対5質量%〜5対95質量%の割合で合計0.05〜
2.0質量部併用添加してなる難燃化ポリプロピレン組
成物。 (11)ポリプロピレン100質量部、ブロム系難燃剤
3〜20質量部及び三酸化アンチモン2〜7質量部から
なる難燃化ポリプロピレンに、(a)成分 2,3−ジ
メチル−2,3−ジフェニルブタン及び(b)成分 有
機錫カルボン酸塩を(a)成分対(b)成分が95対5
質量%〜5対95質量%の割合で合計0.05〜2.0
質量部併用添加してなる難燃化ポリプロピレン組成物。 (12)ポリプロピレン100質量部、ブロム系難燃剤
3〜20質量部及び三酸化アンチモン2〜7質量部から
なる難燃化ポリプロピレンに、(a)成分 2,3−ジ
メチル−2,3−ジフェニルブタン及び(b)成分 モ
ノアルキル錫カルボン酸塩及び/またはジアルキル錫カ
ルボン酸塩を(a)成分対(b)成分が95対5質量%
〜5対95質量%の割合で合計0.05〜2.0質量部
併用添加してなる難燃化ポリプロピレン組成物。 (13)ポリプロピレン100質量部、ブロム系難燃剤
3〜20質量部及び三酸化アンチモン2〜7質量部から
なる難燃化ポリプロピレンに、(a)成分 2,3−ジ
メチル−2,3−ジフェニルブタン及び(b)成分 モ
ノアルキル錫カルボン酸塩及び/またはジアルキル錫カ
ルボン酸塩を(a)成分対(b)成分が95対5質量%
〜5対95質量%の割合で合計0.1〜1.0質量部併
用添加してなる難燃化ポリプロピレン組成物。 (14)ポリプロピレン100質量部、ブロム系難燃剤
3〜20質量部及び三酸化アンチモン0.5〜10質量
部からなる難燃化ポリプロピレンに、(a)成分 2,
3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン及び(b)成
分 有機錫カルボン酸塩を(a)成分対(b)成分が9
5対5質量%〜5対95質量%の割合で合計0.05〜
2.0質量部並びに(c)成分 多価アルコール化合物
を0.05〜2.0質量部併用添加してなる難燃化ポリ
プロピレン組成物。 (15)ポリプロピレン100質量部、ブロム系難燃剤
3〜20質量部及び三酸化アンチモン2〜7質量部から
なる難燃化ポリプロピレンに、(a)成分 2,3−ジ
メチル−2,3−ジフェニルブタン及び(b)成分 有
機錫カルボン酸塩を(a)成分対(b)成分が95対5
質量%〜5対95質量%の割合で合計0.05〜2.0
質量部並びに(c)成分 多価アルコール化合物を0.
05〜2.0質量部併用添加してなる難燃化ポリプロピ
レン組成物。 (16)ポリプロピレン100質量部、ブロム系難燃剤
3〜20質量部及び三酸化アンチモン2〜7質量部から
なる難燃化ポリプロピレンに、(a)成分 2,3−ジ
メチル−2,3−ジフェニルブタン及び(b)成分 モ
ノアルキル錫カルボン酸塩及び/またはジアルキル錫カ
ルボン酸塩を(a)成分対(b)成分が95対5質量%
〜5対95質量%の割合で合計0.05〜2.0質量部
並びに(c)成分 多価アルコール化合物を0.05〜
2.0質量部併用添加してなる難燃化ポリプロピレン組
成物。 (17)ポリプロピレン100質量部、ブロム系難燃剤
3〜20質量部及び三酸化アンチモン2〜7質量部から
なる難燃化ポリプロピレンに、(a)成分 2,3−ジ
メチル−2,3−ジフェニルブタン及び(b)成分 モ
ノアルキル錫カルボン酸塩及び/またはジアルキル錫カ
ルボン酸塩を(a)成分対(b)成分が95対5質量%
〜5対95質量%の割合で合計0.05〜2.0質量部
並びに(c)成分 ペンタエリスリトール、ジペンタエ
リスリトール、トリメチロールプロパン、トリメチロー
ルエタン、ネオペンチルグリコール、2,2−ジメチル
−3−ヒドロキシプロピル=2,2−ジメチル−3−ヒ
ドロキシプロピオネートの中から選ばれた少なくとも一
種の化合物を合計0.05〜2.0質量部併用添加して
なる難燃化ポリプロピレン組成物。 (18)ポリプロピレン100質量部、ブロム系難燃剤
3〜20質量部及び三酸化アンチモン2〜7質量部から
なる難燃化ポリプロピレンに、(a)成分 2,3−ジ
メチル−2,3−ジフェニルブタン及び(b)成分 モ
ノアルキル錫カルボン酸塩及び/またはジアルキル錫カ
ルボン酸塩を(a)成分対(b)成分が95対5質量%
〜5対95質量%の割合で合計0.1〜1.0質量部並
びに(c)成分 ペンタエリスリトール、ジペンタエリ
スリトール、トリメチロールプロパン、トリメチロール
エタン、ネオペンチルグリコール、2,2−ジメチル−
3−ヒドロキシプロピル=2,2−ジメチル−3−ヒド
ロキシプロピオネートの中から選ばれた少なくとも一種
の化合物を合計0.1〜1.0質量部併用添加してなる
難燃化ポリプロピレン組成物。
【0068】
【発明の実施の形態】本発明の好ましい実施の形態とし
ては、前記の実施態様(2)〜(4)、(6)〜
(9)、(11)〜(13)及び(15)〜(18)が
挙げられ、更に好ましい実施の形態としては、実施態様
(3)、(4)、(7)〜(9)、(12)、(13)
及び(16)〜(18)が挙げられ、最も好ましい実施
の形態としては、実施態様(4)、(9)、(13)及
び(18)が挙げられる。
【0069】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
するが、当該発明はこれらによって限定されるものでは
ない。これらの実施例において、部とは質量部を意味す
る。
【0070】〔本発明に使用される添加剤:(a)成
分〕 A−1 :2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタ
ン 〔日本油脂(株)製、ノフマーBC〕 〔本発明に使用される添加剤:(b)成分〕 B−1 :モノメチル錫トリラウレート B−2 :ジメチル錫ジオクトエート B−3 :モノブチル錫トリステアレート B−4 :ジブチル錫ジステアレート B−5 :モノオクチル錫トリベヘネート B−6 :ジオクチル錫ジベヘネート B−7 :ジラウリル錫ジラウレート B−8 :ジオクチル錫ビス(ドデシルマレエート) B−9 :ジオクチル錫マレエート 〔本発明に使用される添加剤:(c)成分〕 C−1 :ペンタエリスリトール C−2 :ジペンタエリスリトール C−3 :トリメチロールプロパン C−4 :トリメチロールエタン C−5 :ネオペンチルグリコール C−6 :2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル
=2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピオネート 〔本発明以外の添加剤:(d)成分〕 D−1 :ジブチル錫ビス(ラウリルメルカプチド) D−2 :ステアリルアルコール 〔実施例1〕ポリプロピレン〔日本ポリケム(株)製
ホモポリマー ノバテックPP MA4〕100部、三
酸化アンチモン3部に、表1〜表3に示す添加量のテト
ラブロムビスフェノールAビス(2,3−ジブロムプロ
ピルエーテル)〔帝人化成(株)製 ファイヤガード3
100〕と表1〜表3に示す添加剤を配合し、ヘンシェ
ルミキサーで混合後、押出機を用いて210℃で熔融混
練してペレットを得た。このペレットを220℃で射出
成形し、1/16インチ厚の難燃性評価用試験片を配合
別にそれぞれ10個づつ成形した。得られた試験片をU
L−94Vの耐炎性試験に準じて難燃性の評価を行っ
た。燃焼時のドリップによるコットンの発火回数を調
べ、その結果を表1〜表3に示す。数字の小さいほど難
燃性に優れていることを示す。
【0071】
【表1】
【0072】
【表2】
【0073】
【表3】
【0074】試料番号1〜30は実施例、同番号31〜
47は比較例である。表1〜表3の結果を比較すれば明
らかな如く、本発明の難燃化ポリプロピレン組成物は、
難燃性が極めて優れていることがわかる。尚、試料番号
9〜18、24〜28の如く、(a)成分と(b)成分
に(c)成分を併用添加すると、同番号1〜8、19〜
23のような(a)成分と(b)成分のみを併用添加し
た場合に比べて、難燃性が一段と優れていることがわか
る。また、試料番号29の如く、(a)成分と(b)成
分に本発明以外の添加剤を併用添加した場合並びに同番
号30の如く、(a)成分と(b)成分に(c)成分を
併用添加し、更に本発明以外の添加剤を併用添加した場
合でも本発明の難燃性は何ら影響を受けない。また、試
料番号31〜35の如く、(a)成分と(b)成分を併
用添加しないで(a)成分または(b)成分のみを添加
した場合、同番号36及び37の如く、(a)成分と
(b)成分を併用添加しないで(a)成分と(c)成分
を併用添加または(b)成分と(c)成分を併用添加し
た場合、同番号38及び39の如く、(a)成分と
(b)成分を添加しないで(c)成分のみを添加した場
合、同番号40及び41の如く、本発明以外の添加剤を
添加した場合、同番号42及び43の如く、(a)成分
と併用する(b)成分の代りに本発明以外の添加剤を
(a)成分と併用添加した場合、同番号44の如く、
(c)成分と本発明以外の添加剤を併用添加した場合並
びに同番号45〜46の如く、添加剤を添加しない場合
は、いずれも十分な難燃性が得られず、さらに同番号4
7の如く、添加剤を添加しないで難燃剤の添加量を増量
しても十分な難燃性が得られない。
【0075】〔実施例2〕ポリプロピレン〔日本ポリケ
ム(株)製 ホモポリマー ノバテックPP MA4〕
100部、テトラブロムビスフェノールAビス(2,3
−ジブロムプロピルエーテル)〔帝人化成(株)製 フ
ァイヤガード3100〕20部、ビス(ペンタブロムフ
ェニル)エタン〔アルベマール(株)製 Saytex
8010〕5部、酸化防止剤としてn−オクタデシル
=3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェ
ニル)プロピオネート〔吉富製薬(株)製 トミノック
スSS〕0.1部と表4に示す添加剤を配合し、ヘンシ
ェルミキサーで混合後、押出機を用いて210℃で熔融
混練してペレットを得た。このペレットを220℃で射
出成形し、1/16インチ厚の難燃性評価用試験片を配
合別にそれぞれ10個づつ成形した。得られた試験片を
UL−94Vの耐炎性試験に準じて難燃性の評価を行っ
た。燃焼時のドリップによるコットンの発火回数を調
べ、その結果を表4に示す。数字の小さいほど難燃性に
優れていることを示す。
【0076】
【表4】
【0077】試料番号1〜11は実施例、同番号12〜
17は比較例である。表4の結果を比較すれば明らかな
如く、本発明の難燃化ポリプロピレン組成物は、難燃性
が極めて優れていることがわかる。尚、試料番号9〜1
1の如く、(a)成分と(b)成分に(c)成分を併用
添加すると、同番号1〜8のような(a)成分と(b)
成分のみを併用添加した場合に比べて、難燃性が一段と
優れていることがわかる。また、試料番号12及び13
の如く、(a)成分と(b)成分を併用添加しないで
(a)成分または(b)成分のみを添加した場合、同番
号14及び15の如く、(a)成分と(b)成分を添加
しないで(c)成分のみを添加した場合、同番号16の
如く、本発明以外の添加剤を添加した場合並びに同番号
17の如く、添加剤を添加しない場合は、いずれも十分
な難燃性が得られない。
【0078】〔実施例3〕ポリプロピレン〔日本ポリケ
ム(株)製 ホモポリマー ノバテックPP MA4〕
100部、三酸化アンチモン5部、テトラブロムビスフ
ェノールSビス(2,3−ジブロムプロピルエーテル)
〔丸菱油化工業(株)製 ノンネンPR−2〕15部と
表5に示す添加剤を配合し、ヘンシェルミキサーで混合
後、押出機を用いて210℃で熔融混練してペレットを
得た。このペレットを220℃で射出成形し、1/16
インチ厚の難燃性評価用試験片を配合別にそれぞれ10
個づつ成形した。得られた試験片をUL−94Vの耐炎
性試験に準じて難燃性の評価を行った。燃焼時のドリッ
プによるコットンの発火回数を調べ、その結果を表5に
示す。数字の小さいほど難燃性に優れていることを示
す。
【0079】
【表5】
【0080】試料番号1〜11は実施例、同番号12〜
17は比較例である。表5の結果を比較すれば明らかな
如く、本発明の難燃化ポリプロピレン組成物は、難燃性
が極めて優れていることがわかる。尚、試料番号9〜1
1の如く、(a)成分と(b)成分に(c)成分を併用
添加すると、同番号1〜8のような(a)成分と(b)
成分のみを併用添加した場合に比べて、難燃性が一段と
優れていることがわかる。また、試料番号12及び13
の如く、(a)成分と(b)成分の併用割合が本発明の
併用割合の範囲を外れた場合、同番号14の如く、
(a)成分と(b)成分の添加量が本発明の添加量の範
囲より少ない場合、同番号15及び16の如く、(a)
成分と(b)成分に(c)成分を併用添加しても、添加
量が本発明の添加量の範囲より少ない場合並びに同番号
17の如く、添加剤を添加しない場合は、いずれも十分
な難燃性が得られない。
【0081】〔実施例4〕ポリプロピレン〔日本ポリケ
ム(株)製 ブロックコポリマー ノバテックPP B
C03B〕100部、三酸化アンチモン7部に、トリス
(2,3−ジブロムプロピル)イソシアヌレート
〔(株)鈴裕化学製 ファイアカットP−660〕5部
と表6に示す添加剤を配合し、ヘンシェルミキサーで混
合後、押出機を用いて210℃で熔融混練してペレット
を得た。このペレットを220℃で射出成形し、1/8
インチ厚の難燃性評価用試験片を配合別にそれぞれ10
個づつ成形した。得られた試験片をUL−94Vの耐炎
性試験に準じて難燃性の評価を行った。燃焼時のドリッ
プによるコットンの発火回数を調べ、その結果を表6に
示す。数字の小さいほど難燃性に優れていることを示
す。
【0082】
【表6】
【0083】試料番号1〜6は実施例、同番号7〜18
は比較例である。表6の結果を比較すれば明らかな如
く、本発明の難燃化ポリプロピレン組成物は、難燃性が
極めて優れていることがわかる。尚、試料番号4〜6の
如く、(a)成分と(b)成分に(c)成分を併用添加
すると、同番号1〜3のような(a)成分と(b)成分
のみを併用添加した場合に比べて、難燃性が一段と優れ
ていることがわかる。また、試料番号7の如く、(a)
成分と(b)成分の添加量が本発明の添加量の範囲より
多い場合、同番号8の如く、(a)成分と(b)成分に
(c)成分を併用添加しても、添加量が本発明の添加量
の範囲より多い場合は、増量による予期した難燃性が得
られない。また試料番号9及び10の如く、(a)成分
と(b)成分を併用添加しないで(a)成分または
(b)成分のみを添加した場合、同番号11及び12の
如く、(a)成分と(b)成分を併用添加しないで
(a)成分と(c)成分を併用添加または(b)成分と
(c)成分を併用添加した場合、同番号13の如く、
(a)成分と(b)成分を添加しないで(c)成分のみ
を添加した場合、同番号14及び15の如く、本発明以
外の添加剤を添加した場合、同番号16の如く、(a)
成分と併用する(b)成分の代りに本発明以外の添加剤
を(a)成分と併用添加した場合、同番号17の如く、
(c)成分と本発明以外の添加剤を併用添加した場合並
びに同番号18の如く、添加剤を添加しない場合は、い
ずれも十分な難燃性が得られない。
【0084】〔実施例5〕ポリプロピレン〔日本ポリケ
ム(株)製 ブロックコポリマー ノバテックPP B
C3L〕100部、三酸化アンチモン7部に、ビス(ペ
ンタブロムフェニル)エタン〔アルベマール(株)製
Saytex 8010〕3部と表7に示す添加剤を配
合し、ヘンシェルミキサーで混合後、押出機を用いて2
10℃で熔融混練してペレットを得た。このペレットを
220℃で射出成形し、1/8インチ厚の難燃性評価用
試験片を配合別にそれぞれ10個づつ成形した。得られ
た試験片をUL−94Vの耐炎性試験に準じて難燃性の
評価を行った。燃焼時のドリップによるコットンの発火
回数を調べ、その結果を表7に示す。数字の小さいほど
難燃性に優れていることを示す。
【0085】
【表7】
【0086】試料番号1〜7は実施例、同番号8〜14
は比較例である。表7の結果を比較すれば明らかな如
く、本発明の難燃化ポリプロピレン組成物は、難燃性が
極めて優れていることがわかる。尚、試料番号4〜6の
如く、(a)成分と(b)成分に(c)成分を併用添加
すると、同番号1〜3のような(a)成分と(b)成分
のみを併用添加した場合に比べて、難燃性が一段と優れ
ていることがわかる。また、試料番号7の如く、(a)
成分と(b)成分に本発明以外の添加剤を併用添加した
場合でも本発明の難燃性は何ら影響を受けない。また、
同番号8及び9の如く、(a)成分と(b)成分を併用
添加しないで(a)成分または(b)成分のみを添加し
た場合、同番号10及び11の如く、(a)成分と
(b)成分を併用添加しないで(a)成分と(c)成分
を併用添加または(b)成分と(c)成分を併用添加し
た場合、同番号12及び13の如く、本発明以外の添加
剤を添加した場合並びに同番号14の如く、添加剤を添
加しない場合は、いずれも十分な難燃性が得られない。
【0087】
【発明の効果】本発明の難燃化ポリプロピレン組成物
は、格段に優れた難燃性を有している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊原 久次 神奈川県川崎市高津区久地788番地 三共 有機合成株式会社内 (72)発明者 落合 玄一郎 茨城県北相馬郡守谷町守谷甲2420番地 株 式会社鈴裕化学内 Fターム(参考) 4J002 BB121 BB141 BC112 BP021 CD052 CG032 EA047 EB046 EB096 EB136 EC049 EC059 ED076 EH006 EH039 EJ056 EL136 EU026 EU186 EU196 EV226 EZ048 FD132 FD136

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリプロピレン100質量部及びブロム系
    難燃剤3〜30質量部からなる難燃化ポリプロピレン
    に、(a)成分 2,3−ジメチル−2,3−ジフェニ
    ルブタン及び(b)成分 有機錫カルボン酸塩を(a)
    成分対(b)成分が95対5質量%〜5対95質量%の
    割合で合計0.05〜2.0質量部併用添加してなる難
    燃化ポリプロピレン組成物。
  2. 【請求項2】ポリプロピレン100質量部及びブロム系
    難燃剤3〜30質量部からなる難燃化ポリプロピレン
    に、(a)成分 2,3−ジメチル−2,3−ジフェニ
    ルブタン及び(b)成分 有機錫カルボン酸塩を(a)
    成分対(b)成分が95対5質量%〜5対95質量%の
    割合で合計0.05〜2.0質量部並びに(c)成分
    多価アルコール化合物を0.05〜2.0質量部併用添
    加してなる難燃化ポリプロピレン組成物。
  3. 【請求項3】有機錫カルボン酸塩がモノアルキル錫カル
    ボン酸塩及び/またはジアルキル錫カルボン酸塩である
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の難燃
    化ポリプロピレン組成物。
  4. 【請求項4】多価アルコール化合物がペンタエリスリト
    ール、ジペンタエリスリトール、トリメチロールプロパ
    ン、トリメチロールエタン、ネオペンチルグリコール、
    又は、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル=
    2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピオネートであ
    ることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の難
    燃化ポリプロピレン組成物。
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