JP3721509B2 - 光コネクタ - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ハウジング同士を接続する光コネクタに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来、図５に示す光コネクタが提案されている（特開平９−４３４５３号公報、以下、従来技術１と呼ぶ、参照）。
【０００３】
図５に示すように、従来技術１による光コネクタ５０は、少なくとも１芯以上からなる光ファイバ５７をハウジング５１に一体化し、接続するハウジング５１の長手方向に突起部５２が一体形成されたハウジング５１の先端と対向するハウジングの先端を接続する光コネクタである。ハウジング５１の外側には、弾性体からなる箱型の係合片５５が設けられ、この係合片５５の開口端と中間部とにそれぞれ、外側及び内側に向いた夫々一対の係止片５４，５３が形成されている。この光コネクタ５０は、光軸に対して自在に変位可能なように、コイルスプリング５６等を有している。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した従来技術１による光コネクタ５０では多芯化する場合に、その数だけ光コネクタを設けなければならず、従って、全体的に大きくなり、且つ組立が煩雑であるという欠点を有している。
【０００５】
そこで、本発明の技術的課題は、効率的にスペースを活用して多芯化、互換防止構造が提供でき組立も容易である光コネクタを提供することにある。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、光フアイバを接続するための光コネクタにおいて、光ファイバを保持固定した四角形のハウジングと、前記ハウジングに摺動自在に係合保持される係合部材と、前記ハウジングを接続方向へ付勢する弾性部材とを有し、前記係合部材は、前記ハウジングの長手方向両側部と係合するように、前記ハウジング側である内側に向かって折り込まれた係止片を夫々備えた、互いに対向する一対の係合片と、前記一対の係合片の対向方向と交差する方向の前記ハウジング一端部に設けられ、前記ハウジング側とは反対側の外側に向かって突出した係止突起を備えるとともに、前記ハウジングの長手方向と交差し、かつ当該ハウジングの厚さ方向へ弾性変位して、接続相手と係合しロックするロック片とを有し、前記一対の係合片と前記ロック片によって前記ハウジングの三方を囲むように形成されていることを特徴とする光コネクタが得られる。
【０００７】
また、本発明によれば、前記光コネクタにおいて、前記係合部材に光ファイバが挿通するとともに切欠きを有する貫通孔を形成し、前記係合部材をハウジングに着脱自在に係合させるように構成したことを特徴とする光コネクタが得られる。
【０００８】
また、本発明によれば、前記いずれか一つの光コネクタと、前記光コネクタを収容するアダプタとを備え、前記アダプタは、前記ロック片と係合する係合孔部を備えていることを特徴とする光コネクタが得られる。
【０００９】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【００１０】
図１は本発明の実施の形態による光コネクタの接続状態を示す図である。図１に示すように、光コネクタ１０は、両端に開口を備えたアダプタ３０の一端開口から装着され、アダプタ３０の他端開口から相手側の光コネクタ２０が装着される。光コネクタ１０と、相手側の光コネクタ２０とは、結合面側以外は同様な構成を備えている。即ち、光コネクタ１０の結合面である先端面には、突出してガイドピン２，２が設けられ、一方、相手側の光コネクタ２０の接合面である先端面には、ガイドピン２，２が挿入されるガイド孔２５，２５が夫々設けられている。
【００１１】
図２は本発明の実施の形態による光コネクタに光ファイバを組み込んだ状態を示す図である。
【００１２】
図２に示すように、光コネクタ１０は、絶縁材からなる四角形のハウジング１と、ハウジング１の後端部（説明の便宜上、図示の左下側を前方、フラット光ファイバ４０が装着される側を後方と呼ぶ）を覆うように装着され、ハウジングの後端側の端面から３方向に張り出した係合部材５と、係合部材５とハウジング１とを繋ぐコイルスプリング等の弾性体４とを備えている。
【００１３】
ハウジング１は、前端には、軸方向に突出した位置合わせするための一対のガイドピン２，２と、後端の外周に一段と高くなって設けられた突起部３，３とを備えている。また、ハウジング１の後端面には、フラットな光ファイバ４０が接着剤等を介して装着される幅方向に細長い挿入孔１ａが設けられている。
【００１４】
係合部材５は、弾性材から形成され、貫通孔７を備えた基部６と、基部６の両側からハウジング１の両側に沿って前方に延在する係合片１１と、基部６からハウジング１の上端に沿って前方に延在するロック片１２とを備えている。基部６の貫通孔７には、基部６の下端からの切り込み８が貫通している。
【００１５】
一対の係合片１１は、板体１３一端側に、四角形の一端側一辺を残すようにコの字状に切り込まれ、内側に向かって折り込まれた係止片１４を備えており、ハウジング１の突起部３に係合される。
【００１６】
また、ロック片１２は、係合部材５の基部６から前方に延びる基部１５と、基部１５から前方中央部に台状に突出した突出部１６と、突出部１６の先端に、上端面が平らで、前端面に傾斜面を備え、外側に向かって突出した係止突起１８とを備えている。
【００１７】
また、ハウジング１の後端面と、基部５との間には、弾性体４が配置されている。この弾性体４は、ハウジング１を係合部材５に対して常時接続方向である前後方向に沿う方向に常に付勢する。
【００１８】
図３は図２のコネクタを装着するためのアダプタの他一例を示す斜視図である。
【００１９】
図３に示すように、アダプタ３０は、正面及び後面に嵌合装着のための開口部３０ａ及び３０ｂを備えた箱型形状である。アダプタ３０の上端面及び下端面に開口部３１，３２を夫々備えている。この開口部３１は、コネクタ１０を装着した際に、コネクタ１０のロック片１２の係止突起１８が嵌合して、コネクタ１０のアダプタ３０からの脱離を阻止する（ロック機構）。また、アダプタ３０のコネクタ１０の装着状態において、アダプタの上端から突出したロック片１２の突起部１６を内側に押し下げれば、ロックが解除され、コネクタ１０をアダプタ３０から抜き取ることができる。
【００２０】
また、アダプタ３０に、ロック片１２の外側に向く係止突起１８がアダプタの開口部３１に係止され、この開口部３１，３２が表裏に一体形成されているため互換防止構造が効率的なスペースで実現できる。
【００２１】
図１で示した相手側光コネクタ２０は、図１の場合とは上下逆向きに、このアダプタに装着される。
【００２２】
図４は本発明の実施の形態によるコネクタを装着するためのアダプタの別の一例を示す図である。
【００２３】
図４に示すように、光コネクタ１０は、並列にアダプタ３５にコネクタピッチ２１を持って並列に装着されている。このように、多芯化した時の状態で、コネクタ寸法をピッチに反映させるだけで多芯数化が可能である。
【００２４】
このような本発明の実施の形態による光コネクタを装着するには、図２に示すように、フラットな光フアイバ４０をハウジング１の後端の挿入孔に接着剤などを介して一体化する。ここで図示はしていないが、係合部材５の基部６の光ファイバ用の貫通孔７の下端に切り込み８を設けているので、光ファイバ４０をハウジングに接着剤などにより一体化したあと、係合部材５をハウジング１に組み付けることができる。
【００２５】
それぞれのハウジング１を対向させて接続する光コネクタ１０は、図４に示すように、接続するハウジング１の後端の突起部３に、係合部材５の互いに内側に向かって対向するように設けられた係止片１４によって、ハウジング１の前方への変位が規制されている。また、ハウジング１をアダプタ３０に装着した際には、ハウジング１の上方に突出したロック片１２の係合突起１８でアダプタ３０に、直交する弾性体開口部３６一端に外側に向く係止片がアダプタ３０の開口部３１に係止することで光コネクタ１０がロックされ、接続が可能である。
【００２６】
このように、本発明の実施の形態による光コネクタにおいては、接続する矩形の光コネクタ１０のハウジング１の長手方向の突起部３に、内側に向く１対の弾性体からなる係止片１４で変位方向の制御をし、光コネクタ１０の接続は直交する弾性体からなる上端部に外側に向く係止突起１８形成されている。そして、ハウジング１を接続するアダプタ３５に、直交する弾性体の開口部一端に外側に向く係止突起１８が係合される開口部３６が表裏一体形成されているため効率的にスペースを活用でき、組立も容易である。
【００２７】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、効率的にスペースを活用して多芯化、互換防止構造が提供でき組立も容易である光コネクタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施の形態による光コネクタの接続状態を示す斜視図である。
【図２】本発明の実施の形態による光コネクタに光ファイバを組み込んだ状態を示す図である。
【図３】図１のコネクタを装着するためのアダプタの他の一例を示す斜視図である。
【図４】本発明の実施の形態によるコネクタを装着するためのアダプタの別の一例を示す図である。
【図５】従来技術１による光コネクタの構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
１，２２ ハウジング
２ ガイドピン
３ 突起部
４ 弾性体
５ 係合部材
６ 基部
７ 貫通孔
８ 切り込み
１０ 光コネクタ
１２ ロック片
１３ 板体
１４ 係止片
１６ 突起部
１８ 係止突起
２５ ガイド孔
３０，３５ アダプタ
３０ａ，３０ｂ 開口部
３１ 開口部
５０ 光コネクタ

Claims (3)

1. 光フアイバを接続するための光コネクタにおいて、光ファイバを保持固定した四角形のハウジングと、前記ハウジングに摺動自在に係合保持される係合部材と、前記ハウジングを接続方向へ付勢する弾性部材とを有し、前記係合部材は、前記ハウジングの長手方向両側部と係合するように、前記ハウジング側である内側に向かって折り込まれた係止片を夫々備えた、互いに対向する一対の係合片と、前記一対の係合片の対向方向と交差する方向の前記ハウジング一端部に設けられ、前記ハウジング側とは反対側の外側に向かって突出した係止突起を備えるとともに、前記ハウジングの長手方向と交差し、かつ当該ハウジングの厚さ方向へ弾性変位して、接続相手と係合しロックするロック片とを有し、前記一対の係合片と前記ロック片によって前記ハウジングの三方を囲むように形成されていることを特徴とする光コネクタ。
2. 請求項１記載の光コネクタにおいて、前記係合部材に光ファイバが挿通するとともに切欠きを有する貫通孔を形成し、前記係合部材をハウジングに着脱自在に係合させるように構成したことを特徴とする光コネクタ。
3. 請求項１又は２記載の光コネクタと、前記光コネクタを収容するアダプタとを備え、前記アダプタは、前記ロック片と係合する係合孔部を備えていることを特徴とする光コネクタ。

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