JP3720390B2 - バックライト装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、一般的には、液晶パネル等の情報表示手段を照射するバックライト装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、液晶パネルに光を照射して、該液晶パネルに表示された情報に認識を容易にするバックライト装置は種々提案されている。
【0003】
かかるバックライト装置は、光源としての蛍光灯(熱陰極管)を備えており、該蛍光灯のフィラメントを予熱するための予熱手段や、該蛍光灯を点灯させるための点灯手段などを備えている。
【0004】
ところで、大画面の液晶パネルにおいては表示部の明るさを均一にする必要があり、蛍光灯を複数本備えたバックライト装置が使用されていた。そして、このように複数本の蛍光灯を備えたバックライト装置にあっては、上記予熱手段や点灯手段も蛍光灯の数だけ具備されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のように予熱手段や点灯手段を蛍光灯の本数だけ備えた場合には、その分駆動回路や周辺回路が複雑となり、コストの上昇や、大型化を招くという問題があった。また、このように点灯手段等を熱陰極管毎に設けたのでは、いずれかが異常となった場合には、熱陰極管の輝度が等しくなくなってしまい、表示品質が低下するという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、複数の熱陰極管を1つの点灯手段等によって駆動することにより、装置の簡素化等を図るバックライト装置を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述事情に鑑みなされたものであって、第1のフィラメント及び第2のフィラメントを有する複数の熱陰極管と、該熱陰極管の第1のフィラメント及び第2のフィラメントに予熱電流を流し、予め、該複数の熱陰極管を予熱するためのランプ予熱発生電圧発生手段と、該熱陰極管の第1のフィラメント及び第2のフィラメントに点灯電流を流し、該複数の熱陰極管を点灯させるためのランプ点灯電圧発生手段と、を有し、前記ランプ予熱発生電圧発生手段は、1次側巻き線及びこれに対向する複数の2次側巻き線を備えたトランスを有し、該複数の2次側巻き線の1つを前記複数の第1のフィラメントと直列に接続させ、該複数の2次側巻き線の他を前記複数の第2のフィラメントと並列に接続させ、前記ランプ点灯電圧発生手段は、1次側巻き線及びこれに対向する2次側巻き線を備えたトランスを有し、該2次側巻き線の一方の配線を前記複数の第1のフィラメントと直列に接続させ、該2次側巻き線の他方の配線をチョークコイルを介して前記複数の第2のフィラメントと並列に接続させ、前記並列上の各第2のフィラメント毎に設けた各チョークコイルは、同一のコアに巻いて形成したことを特徴とする。
【0008】
一方、他の発明は、前記コアの一端は、スイッチ手段が接続され、該スイッチ手段へのスイッチパルス幅を調整するようになしたことを特徴とする。
【0010】
【作用】
以上構成に基づき予熱手段を起動すると、該手段によって熱陰極管が予熱され、該熱陰極管の電極からの熱電子放出が容易な状態になる。この状態で前記点灯手段を駆動すると、前記熱陰極管に電圧が印加されて該熱陰極管が点灯される。この場合、熱陰極管が複数あるにもかかわらず、該複数の熱陰極管の予熱を1つの予熱手段により行うと共にそれらの点灯を1つの点灯手段により行うようにしたため、その分装置が簡素化される。
【0011】
また、各第2の電極と前記点灯手段の他端との間にはそれぞれコイルが介装されているため、全ての熱陰極管に適正な電圧を印加できる。さらに、これらのコイルは同一のコアに巻きつけられて形成されているため、各熱陰極管に流れる電流が等しくなる。
【0012】
【実施例】
以下、図面に沿って、本発明の実施例について説明する。
【0013】
まず、本発明の第1実施例について、図1に沿って説明する。
【0014】
本実施例に係るバックライト装置1は、4本の蛍光灯(熱陰極管)FL1,FL2,FL3,FL4と、これらの蛍光灯FL1,…を予熱する1つの予熱手段2と、これらの蛍光灯FL1,…に電圧を印加して該蛍光灯を点灯する1つの点灯手段3と、を備えている。
【0015】
このうち予熱手段2は、予熱用電源としてのランプ予熱電圧発生手段20を備えており、該発生手段はパルス幅制御(PWM制御)によって所定の電圧を発生するように構成されている。また、ランプ予熱電圧発生手段20には予熱用トランス21が接続されており、該トランス21は、1つの1次側巻き線21aと、5つの2次側巻き線21b,21c,21d,21e,21fとを有している。つまり、本実施例の予熱用トランス21は、蛍光灯FL1,…の数(後述する左側フィラメントの数であり、4つ)よりも1つ多い5つの2次側巻き線を有している。
【0016】
また、点灯手段3も同様に、点灯用電源としてのランプ点灯電圧発生手段30を備えており、該発生手段はパルス幅制御(PWM制御)によって所定の電圧を発生するように構成されている。また、ランプ点灯電圧発生手段30には点灯用トランス31が接続されており、該トランス31は、1次側巻き線31aと2次側巻き線31bとを有している。
【0017】
一方、各蛍光灯FL1,…は、周知のように、その両端部に第1の電極5L及び第2の電極5Rが相対向するように配置されて構成されており(以下、説明の便宜のため“右側フィラメント5R”とし、“左側フィラメント5L”とする)、各蛍光灯FL1,…の左側フィラメント(第1の電極)5L,…は、全て直列に接続されると共に、予熱用トランス21の2次側巻き線21bと共に閉回路を構成している。したがって、上記ランプ予熱電圧発生手段20を駆動すると、1次側巻き線21aと2次側巻き線21bとの巻き数比に応じた電流(以下、“予熱電流”とする)が各左側フィラメント5L,…に流れ、これらの左側フィラメント5L,…が予熱されることとなる。
【0018】
また、他方の右側フィラメント(第2の電極)5R,…は、左側フィラメント5L,…のように直列には接続されておらず、予熱用トランス21の2次側巻き線21c,21d,21e,21fと共にそれぞれ独立に別々の閉回路を構成している。したがって、上記ランプ予熱電圧発生手段20を駆動すると、各右側フィラメント5R,…には別々の予熱電流が流れ、これらのフィラメント5R,…が予熱されることとなる。
【0019】
また、上述した点灯用トランス31は、その2次側端子31b1は蛍光灯FL1,…の左側フィラメント5L,…に接続され、もう一方の2次側端子31b 2 は蛍光灯FL1,…の右側フィラメント5R,…に接続されている。これにより、蛍光灯FL1,…は、点灯用トランス31の2次側巻き線31bに対して並列に接続されることとなり、ランプ点灯電圧発生手段30によって電圧が印加されることとなる。さらに、上述した2次側端子31b 2 と各右側フィラメント5R,…との間には、それぞれチョークコイルL1,L2,L3,L4が介装されており、点灯時の電流の安定化を図って、各蛍光灯FL1,…が同時にかつ安定して点灯するように構成されている。また、本実施例においては、これらのチョークコイルL1,…は同一のコアAに巻かれて形成されており、各チョークコイルL1,…を介して各蛍光灯FL1,…に供給される電流が皆等しくなるように設定されている。
【0020】
ついで、本実施例の作用について説明する。
【0021】
いま、ランプ予熱電圧発生手段20を起動すると、該手段はパルス幅制御(PWM制御)によって所定の電圧を所定時間だけ発生する。すると、トランス21の2次側巻き線21bには予熱電流が発生し、該予熱電流は、直列に接続された左側フィラメント5L,…を流れてこれらを予熱する。また、他の2次側巻き線21c,21d,21e,21fにもそれぞれ予熱電流が誘起され、各予熱電流は右側フィラメント5R,…を流れて各フィラメントを予熱する。これにより、全てのフィラメント5L,…,5R,…が熱電子放出の可能な状態になる。
【0022】
該予熱が終了すると、点灯電圧発生手段30が起動される。そして、該起動によって各蛍光灯FL1,…の右側フィラメント5Rと左側フィラメント5Lとの間には所定の電圧が印加されて、各蛍光灯FL1,…が点灯される。
【0023】
次に、本実施例の効果について説明する。
【0024】
本実施例によれば、複数の蛍光灯FL1,…を1つの予熱手段2及び1つの点灯手段3によって駆動するように構成したため、駆動回路や周辺回路が複雑とならず、その分コストの低減が図れ、装置も簡単なものとなる。したがって、回路の信頼性が向上し、装置のメンテナンス性も向上される。
【0025】
また、本実施例においては、左側フィラメント5L,…を直列に接続しており、1つの2次側巻き線21bのみによってこれら全ての左側フィラメント5L,…を予熱するように構成されている。したがって、その分予熱用トランス21の2次側巻き線を少なくでき、装置の軽量化が図れる。
【0026】
ところで、仮に、予熱用トランスの2次側巻き線の数を2つのみとし、左右両側のフィラメント5L,…,5R,…を共に、上述左側フィラメント5L,…のように直列に接続し、さらに、左側のフィラメント5L,…と1つの巻き線とによって、及び右側のフィラメント5R,…と他の1つの巻き線とによってそれぞれ閉回路を形成したとすると、点灯手段3を駆動しても電圧降下等の原因により1つの蛍光灯FL1のみが点灯し、他の蛍光灯FL2,FL3,FL4は点灯しないこととなる。しかし、本実施例によれば、直列に接続するフィラメントは左側のもののみであり、右側のフィラメントは図示のように接続されるため、上述のような問題を回避して、確実な点灯を確保できる。
【0027】
また、通常、1つの点灯手段で複数の蛍光灯を点灯させようとした場合には、点灯開始電圧がばらついて、1つの蛍光灯が点灯してしまうと残りの蛍光灯は点灯しない状況が発生するが、本実施例によれば、蛍光灯FL1,…毎にチョークコイルL1,…が配置されているため、全ての蛍光灯FL1,…に適正な電圧が印加される。したがって、これらの蛍光灯FL1,…が同時にかつ安定して点灯される。
【0028】
さらに、本実施例においては、チョークコイルL1,…は同一のコアAに巻かれて形成されているため、蛍光灯FL1,…に供給される電流が等しくなり、蛍光灯FL1,…の輝度が均一になる。したがって、大画面の液晶パネル(不図示)を照射する場合においても液晶パネルの明るさが均一になり、表示品質が良好なものとなる。
【0029】
なお、上述実施例においては左側フィラメント5L,…を直列に接続すると共に右側フィラメント5R,…を独立にするものとしたが、もちろんこれに限る必要はなく、右側フィラメント5R,…を直列に接続すると共に左側フィラメント5L,…を独立にするようにしてもよい。
【0030】
次に、図2に沿って、本発明の第2実施例について説明する。なお、図1に示すものと同一部分は同一符号を付して説明を省略する。
【0031】
本実施例に係るバックライト装置10においては、コアAの一端にコイルL0が形成され、該コイルL0にはスイッチ手段11が接続されてスイッチングパルス幅を調整できるように構成されている。なお、該スイッチ手段11は、トランジスタQ1、抵抗R1,R2、及び発振回路OSCによって構成されている。
【0032】
ついで、本実施例の作用について説明する。
【0033】
本実施例によれば、上述実施例と同様の作用によって蛍光灯FL1,…が予熱され、その後に点灯される。そして、特に本実施例においては、点灯時に上述したスイッチ手段11によってスイッチングパルス幅を調整すると、蛍光灯FL1,…に流れる点灯電流の大きさがそれに伴って変化する。
【0034】
ついで、本実施例の効果について説明する。
【0035】
本実施例によれば、上述第1実施例と同様の効果が得られると共に、スイッチ手段11によってスイッチングパルス幅を調整することにより、蛍光灯FL1,…に流れる点灯電流を適切な大きさに調整できる。したがって、バックライト装置によって照射する液晶パネルの明るさを適切なものにできる。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によると、複数の熱陰極管を1つの点灯手段によって点灯させることができるため、駆動回路や周辺回路が複雑とならず、その分コストの低減が図れ、装置も簡単なものとなる。したがって、回路の信頼性が向上し、装置のメンテナンス性も向上される。
【0037】
また、本発明によると、点灯手段の他端と前記各第2の電極との間にそれぞれコイルが介装されているため、全ての熱陰極管を同時にかつ安定して点灯させることが可能となる。さらに、これらのコイルは同一のコアに巻きつけられて形成されているため、熱陰極管に供給される電流が等しくなり、熱陰極管の輝度が均一になる。したがって、大画面の液晶パネル(不図示)を照射する場合においても液晶パネルの明るさが均一になり、表示品質が良好なものとなる。
【0038】
また、複数の電極の予熱を1つの予熱手段によって行った場合には、さらに駆動回路等の簡素化が図れ、コストが低減されると共に、回路の信頼性がさらに向上し、装置のメンテナンス性も向上される。かかる場合、前記複数の熱陰極管における複数の第1の電極を直列に接続し、予熱用トランスの2次側巻き線と共に閉回路を形成した場合には、該1つの2次側巻き線によって全ての第1の電極の予熱を行うことができる。したがって、予熱用トランスの2次側巻き線をその分だけ少なくでき、装置の軽量化が図れる。
【0039】
ところで、仮に、前記複数の熱陰極管における複数の第1の電極及び第2の電極の両方を上述した第1の電極と同様に配線した場合には(すなわち、複数の第2の電極を直列に接続すると共に1つの2次側巻き線によって閉回路を形成した場合には)、前記点灯手段を駆動しても1つの熱陰極管のみが点灯されるだけで他の熱陰極管は点灯しないことがある。しかし、本発明においては、それら複数の第2の電極を同数の2次側巻き線に接続してそれぞれ独立に閉回路を形成させているため、上述のような問題もなく、全ての熱陰極管を確実に点灯させることができる。
【0040】
一方、上述したコアに別のコイルを形成すると共に該コイルにスイッチ手段を接続してスイッチングパルス幅を調整できるようにした場合には、該調整により熱陰極管に流れる電流を変えることができ、バックライト装置の光量を適切なものに設定できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例に係るバックライト装置の構造を説明するためのブロック図。
【図2】第2実施例に係るバックライト装置の構造を説明するためのブロック図。
【符号の説明】
1 バックライト装置
2 予熱手段
3 点灯手段
5L,… 左側フィラメント(第1の電極)
5R,… 右側フィラメント(第2の電極)
10 バックライト装置
20 ランプ予熱電圧発生手段(予熱用電源)
21 予熱用トランス
21b,21c,21d,21e,21f 2次側巻き線
30 ランプ点灯電圧発生手段(点灯用電源)
31 点灯用トランス
FL1,… 蛍光灯(熱陰極管)
L1,L2,L3,L4 チョークコイル
Claims (2)
- 第1のフィラメント及び第2のフィラメントを有する複数の熱陰極管と、
該熱陰極管の第1のフィラメント及び第2のフィラメントに予熱電流を流し、予め、該複数の熱陰極管を予熱するためのランプ予熱発生電圧発生手段と、
該熱陰極管の第1のフィラメント及び第2のフィラメントに点灯電流を流し、該複数の熱陰極管を点灯させるためのランプ点灯電圧発生手段と、
を有し、
前記ランプ予熱発生電圧発生手段は、1次側巻き線及びこれに対向する複数の2次側巻き線を備えたトランスを有し、該複数の2次側巻き線の1つを前記複数の第1のフィラメントと直列に接続させ、該複数の2次側巻き線の他を前記複数の第2のフィラメントと並列に接続させ、前記ランプ点灯電圧発生手段は、1次側巻き線及びこれに対向する2次側巻き線を備えたトランスを有し、該2次側巻き線の一方の配線を前記複数の第1のフィラメントと直列に接続させ、該2次側巻き線の他方の配線をチョークコイルを介して前記複数の第2のフィラメントと並列に接続させ、前記並列上の各第2のフィラメント毎に設けた各チョークコイルは、同一のコアに巻いて形成した、
ことを特徴とするバックライト装置。 - 前記コアの一端は、スイッチ手段が接続され、該スイッチ手段へのスイッチパルス幅を調整するようになしたことを特徴とする請求項1記載のバックライト装置。
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JP16311094A Expired - Fee Related JP3720390B2 (ja) | 1994-06-21 | 1994-06-21 | バックライト装置 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
1994
- 1994-06-21 JP JP16311094A patent/JP3720390B2/ja not_active Expired - Fee Related
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