JP3719809B2 - 冷凍サイクル装置の制御方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、R22代替冷媒のクラスレート生成媒体を除去する冷凍サイクル装置の制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年の圧縮機、凝縮器、絞り装置、蒸発器、アキュームレータ等からなる冷凍サイクル装置における作動媒体は、オゾン層に対する有害な影響があるとされる従来のCFC冷媒やHCFC冷媒から、オゾン層に対する脅威がない代替冷媒とされるHFC冷媒への移行が提案されている。
【0003】
特に空調機用の作動媒体は、HCFC冷媒のR22からの移行として、HFC冷媒のR32(ジフルオロメタン、CH2F2、沸点−51.66℃)とR125(ペンタフルオロエタン、CF3-CHF2、沸点−48.14℃)からなる混合冷媒が注目されており、50±2重量%のR32と50±2重量%のR125からなる混合冷媒は、R410Aという一つの冷媒の如く扱われている。
【0004】
図4は一般的な空調用の冷凍サイクル装置を示す構成図である。この冷凍サイクル装置は、インバータ1により駆動される圧縮機2、凝縮器3、合成ゼオライト4等を充填したドライヤ5、膨張弁6、蒸発器7、小孔のオイル戻し穴8をもったアキュームレータ9等からなる蒸気圧縮冷凍サイクルと、アキュームレータ9近傍に設けた圧力センサ10と温度センサ11およびインバータ1と膨張弁6の制御装置12で構成され、前記HFC冷媒の単体または混合冷媒を作動媒体としている。また、冷凍サイクル装置は、望まれない少量の水を含む場合がある。
【0005】
図2は上述した一般的な空調用の冷凍サイクル装置において、通常の空調運転で蒸発器7を冷房装置として利用する場合の制御方法を示すフローチャートである。本制御方法は圧縮機2の回転数を制御する圧縮機制御部と、膨張弁6の開度を制御する膨張弁制御部に分けられている。
【0006】
圧縮機制御部は、圧縮機2の保護のため、アキュームレータ9近傍に設けた圧力センサ10の出力値である圧縮機2の吸入圧力が常用範囲内におさまるように、圧縮機2の回転数を制限する。圧縮機2の吸入圧力が常用範囲下限値より小さくなった場合は(ステップS1)、あらかじめ定められた値fLだけ回転数を落とし(ステップS41,S5)、常用範囲上限値より大きくなった場合は(ステップS2)、あらかじめ定められた値fHだけ回転数を上げる(ステップS42,S5)。圧縮機2の吸入圧力が常用範囲にある場合に制御装置12は、蒸発器7の設置される空調空間の設定温度を設定する温度設定器(図示せず)と空調空間の温度を検出する温度センサ(図示せず)との差より、蒸発器7に必要な空調能力を計算し(ステップS3)、インバータ1により圧縮機2の回転数を決定する(ステップS4,S5)。なお、圧縮機2の吸入圧力の前記常用範囲は、蒸発器7の出口から圧縮機2の吸入口のラインでの冷媒の想定温度範囲において、冷媒が蒸気のみの状態であるような範囲に設定されている。
【0007】
膨張弁制御部は、圧縮機2の省エネルギー運転を実現するために、アキュームレータ9近傍に設けた圧力センサ10の出力値から換算される飽和温度と、アキュームレータ9近傍に設けた温度センサ11の出力値の差温である過熱度(対象とする蒸気の温度が飽和圧力に相当する飽和温度より何度高いかを表すもの)が、適正範囲内におさまるように、膨張弁6の開度を制御する。つまり、過熱度が適正範囲下限値より小さくなった場合は(ステップS6,S7)、あらかじめ定められた値VLだけ膨張弁6の開度を閉じ(ステップS91,S10)、適正範囲上限値より大きくなった場合は(ステップS6,S8)、あらかじめ定められた値VHだけ開度を開く(ステップS92,S10)。過熱度の適正範囲は、圧縮機に冷媒が液で吸収されないよう5K(ケルビン)程度を下限とし、効率よい運転をするために、10K程度を上限とすることが一般的である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、R410AをはじめとするHFC冷媒同士の混合冷媒もしくはHFC冷媒単独の冷媒を冷媒とする冷凍サイクル装置を運転したとき、冷凍サイクル中の少量の水と反応して、クラスレート(包接化合物またはハイドレードともいう)を生成し、蒸発器出口から圧縮機吸入ラインが氷結し、なかなか消滅しないという問題点が起こっている。特にアキュームレータに設けた小孔のオイル戻し穴が氷結すると、オイルが圧縮機に循環せず、信頼性に大きな影響を及ぼすものとなる。
【0009】
クラスレートとは、「原子または分子が結合してできた三次元構造の内部に適当な大きさの空孔があって、その中に他の原子または分子が入り込んで特定の結晶構造を形成する物質」とされている。ホスト溶液は、三次元構造の骨格を作る物質であり、一般的には水が用いられる。ゲスト分子は、骨格の内部を満たし、クラスレートの氷構造を安定化させ、氷生成温度(0℃)よりもはるかに高い温度での生成を可能とする。クラスレートの構造は、通常、ゲスト分子の大きさに依存するが、その生成条件(温度と圧力)や消滅条件(臨界分解点)は個別のゲスト分子によって異なる。
【0010】
図3は、50/50重量%のR32/R125混合冷媒(R410A)のクラスレート生成条件を、縦軸をlogスケール表示した圧力、横軸を温度とする座標平面で表したものである。クラスレートの生成条件である混合冷媒の圧力と温度を変化させてクラスレート生成の可否を調査した結果、図3の2本の直線で挟まれた網掛け部の範囲でのみ、クラスレートが生成されうることが確認されている(以下、この範囲を「クラスレート生成範囲」と呼ぶ)。上側の線は、50/50重量%のR32/R125混合冷媒(R410A)の飽和液圧力線であり、下側の線は、一定圧力下で最も高温となるクラスレート生成点を結んだ、水と50/50重量%のR32/R125混合冷媒(R410A)のクラスレート生成限界線である。水と50/50重量%のR32/R125混合冷媒(R410A)のクラスレートの場合、前記クラスレート生成限界線は、前記座標平面において、温度19.76℃、圧力1.430MPaの座標点と温度5.16℃、圧力0.255MPaの座標点を通る直線であることが確認されている。温度19.76℃、圧力1.430MPaの座標点は前記クラスレート生成限界線と前記飽和液圧力線の交点で、この点は臨界分解点と呼ばれている。この臨界分解点は、0℃よりもはるかに高い温度に相当し、この温度以上であれば、いかなる圧力においても、クラスレートを生成することはない。図3のR410A飽和液圧力線の下側の範囲は、一定圧力において、50/50重量%のR32/R125混合冷媒(R410A)の飽和液温度よりも過熱された温度に相当する。したがって、50/50重量%のR32/R125混合冷媒(R410A)の飽和液温度が0℃(このときの飽和液圧力は0.806MPa)のとき、過熱度が約+15Kの範囲までクラスレートが生成し得ることになる。
【0011】
R410Aは、50±2重量%のR32と50±2重量%のR125からなる混合冷媒であるが、各成分の組成割合が50%から±5%変動した45〜55重量%のR32と55〜45重量%のR125からなる混合冷媒の場合でも、その臨界分解点はほとんど変動せず、さらに45〜100重量%のR32と55〜0重量%のR125からなる冷媒、すなわちR32単一冷媒を含む場合でも、その臨界分解点はほとんど変動しないことが明かとなっている。また、R32/R125混合冷媒は、疑似共沸混合冷媒であり、一定温度における飽和液圧力は飽和ガス圧力よりも若干高くはなるものの、飽和液圧力線と飽和ガス圧力線は実質的に等しいと言える。
【0012】
図4に示す一般的な空調用の冷凍サイクル装置において、図2に示す通常の空調運転での制御方法を用いた場合、R32/R125混合冷媒は圧縮機2により吸引され圧縮された後、凝縮器3に導かれて凝縮液化する。膨張弁6は蒸発器7の圧力を特定圧力以下まで下げ、液冷媒は蒸発器7において蒸発する。熱は蒸発器7から除かれ、クラスレートが生成される臨界分解点の温度以下まで低下する。R32/R125混合冷媒は、冷媒と一緒に循環する少量の水から生成されるクラスレートのゲスト分子として機能し、0℃以上の蒸発器7の入口から圧縮機2吸入においてクラスレートを生成する。特に過熱ガスとなりやすい蒸発器7の出口から圧縮機2吸入ラインにおいて、最もクラスレートを生成しやすい。望まれないクラスレートが生成されるとき、膨張弁6の出口、蒸発器7、圧縮機2の吸入ラインは氷結する。特にアキュームレータ9に設けた小孔のオイル戻し穴8が氷結すると、オイルが圧縮機2に循環せず、信頼性に大きな影響を及ぼすものとなる。図4に示す一般的な空調用の冷凍サイクル装置はドライヤ5を備えており、これによって冷媒と一緒に循環する水はある程度除去されるが、冷媒と一緒に循環する水の量がクラスレートの生成に最低限必要な量未満となる前に、クラスレートが生成されてしまう。一旦クラスレートが生成されてしまうと、水分はクラスレートとして留まってしまうため、水分除去手段としてのドライヤ5に接触しないため、なかなか除去しにくくなってしまう。
【0013】
本発明は、このような従来の冷凍サイクル装置の制御方法のクラスレートが生成してしまうという課題を考慮し、クラスレート生成による運転中の不具合点を解消した冷凍サイクル装置の制御方法を提供することを目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、請求項1の本発明は、圧縮機、凝縮器、膨張弁、蒸発器を備えた冷凍サイクルに用いられる冷媒の、前記蒸発器の出口から前記圧縮機の吸入口のラインにおける圧力と温度の関係を、ホスト溶液を水、ゲスト分子を前記冷媒とするクラスレートが生成せず、かつ前記ラインにおいて前記冷媒が蒸気のみの状態である範囲に制御する方法を一つの制御方法とすることを特徴とする冷凍サイクル装置の制御方法である。
【0015】
また請求項2の本発明は、圧縮機、凝縮器、膨張弁、蒸発器を備えた冷凍サイクルに用いられる冷媒の、前記蒸発器の出口から前記圧縮機の吸入口のラインにおける圧力と温度の関係を、ホスト溶液を水、ゲスト分子を前記冷媒とするクラスレートを生成せず、かつ前記ラインにおいて前記冷媒が蒸気のみの状態である範囲に制御することを一つの制御方法とし、前記圧力と温度の関係を前記ラインにおいて前記冷媒が蒸気のみの状態である範囲内でそれぞれ予め定めた上限値と下限値の間に収まるように制御することをもう一つの制御方法として、両制御方法を切り換え可能とすることを特徴とする冷凍サイクル装置の制御方法である。
【0016】
従って、小孔のオイル戻し穴をもったアキュームレータにおいて、圧縮機吸入圧力と圧縮機吸入温度を、冷媒の飽和液圧力線とクラスレート生成限界線で挟まれたクラスレート生成範囲をはずすように、過熱度を一定値以上に制御することにより、クラスレートの生成を防止しながら、ドライヤがホスト溶液である水を吸着除去するため、一旦クラスレートが生成されるとなかなか除去しにくい水分を速やかに吸着除去することが可能となるものである。
【0017】
また本発明の前記一つの制御方法よって、アキュームレータに設けた小孔のオイル戻し穴は氷結することなく、少量の水は速やかにドライヤ中の合成ゼオライトによって吸着除去されて後、前記もう一つの制御方法によって、さらに少量となった水は継続してドライヤ中の合成ゼオライトによって吸着除去され、アキュームレータに設けた小孔のオイル戻し穴の近傍の圧力と温度がクラスレート生成範囲に入ることがあっても、クラスレートの生成には一定量以上の水が必要であるため、アキュームレータに設けた小孔のオイル戻し穴は氷結することがない。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
【0019】
図1は本発明の実施の形態における一つの制御方法を示すフローチャートである。本実施の形態は、図4で示した一般的な空調用の冷凍サイクル装置において、図1で示した一つの制御方法を水分除去のための試運転制御モードとし、図2で示したもう一つの制御方法を通常の空調運転制御モードとして、両モードを切り換え可能とする制御方法である。なお、本実施の形態における通常の空調運転制御モードの構成については、従来の技術における通常の空調運転で蒸発器7を冷房装置として利用する場合の制御方法と同じものなのでここでの説明は省略する。
【0020】
図1に示す如く、本実施の形態における試運転制御のモードは、圧縮機2の回転数を制御する圧縮機制御部と、膨張弁6の開度を制御する膨張弁制御部に分けられている。
【0021】
圧縮機制御部は、圧力センサ10の出力値である圧縮機2の吸入圧力が当該冷凍システム装置の常用範囲の圧力の下限値となるように制御する。これによって、圧縮機2は常用範囲内での最大の回転数で運転されることになり、当該冷凍システム内を循環する冷媒の速度は前記常用範囲内で最大になるため、ドライヤ5によりできるだけ速やかに水分除去が行われる。具体的には、圧縮機吸入圧力が常用下限値以下の場合は(ステップS1)、あらかじめ定められた値fLLだけ回転数を落とし(ステップS21,S3)、常用範囲下限値より大きくなった場合は(ステップS1)、あらかじめ定められた値fLHだけ回転数を上げ(ステップS22,S3)、常用範囲下限値と等しい場合は(ステップS1)、回転数を変えない(ステップS2,S3)。なお、図2に示した通常の空調運転での制御方法において説明したように、圧縮機2の吸入圧力の前記常用範囲は、蒸発器7の出口から圧縮機2の吸入口のラインでの冷媒の想定温度範囲において、冷媒が蒸気のみの状態であるような範囲に設定されている。すなわち、図3に示した飽和液圧力線の下側になるように設定されている。
【0022】
膨張弁制御部は、蒸発器7の出口から圧縮機2の吸入口のライン、特にアキュームレータ9に設けた小孔のオイル戻し穴8が氷結することを避けるために、圧力センサ10の出力値から換算される飽和温度と、温度センサ11の出力値の差温である過熱度が、クラスレートが生成されない限界の過熱度以上になるように、膨張弁6の開度を制御する。すなわち、過熱度が小さくなってアキュームレータ9近傍の温度と圧力がクラスレート生成範囲(図3の網掛け部)に入りそうになると(ステップS4,S5)、膨張弁6の開度をあらかじめ定められた値VLLだけ閉じ(ステップS61,S7)、アキュームレータ9近傍の温度と圧力がクラスレート生成範囲に入らない場合は(ステップS4,S5)、膨張弁6の開度は変えない(ステップS6,S7)。
【0023】
50/50重量%のR32/R125混合冷媒(R410A)を冷媒とする場合を例にとると、蒸発器7の出口から圧縮機2の吸入口のラインでの冷媒の圧力と温度の関係は、図3の斜線部の範囲に収まり、かつ圧力が当該冷凍システム装置の吸入圧力の常用範囲下限値になるように制御される。例えば吸入圧力の常用範囲下限値が0.806MPa(このときの飽和液温度は0℃)に設定されている場合は、圧縮機吸入過熱度が約+15K以上になるように圧縮機吸入温度が制御される。
【0024】
試運転制御モードにおいては、アキュームレータ9に設けた小孔のオイル戻し穴8の近傍の圧力と温度がクラスレート生成範囲に入ることが避けられるため、アキュームレータ9に設けた小孔のオイル戻し穴8は氷結することなく、少量の水分は速やかにドライヤ5中の合成ゼオライト4によって吸着除去される。この状態で、ある程度の水分を吸着除去した後に、通常の空調運転制御モードに切り換えると、当該冷凍システム中に少量の水分は残っているが、クラスレートの生成には一定量以上の水分が必要であるので、氷結が避けられることとなる。したがって、少量となった水分はさらに継続してドライヤ5中の合成ゼオライト4によって吸着除去される。すなわち通常の空調運転制御モードにおいて、さらに少量となった水は継続してドライヤ5中の合成ゼオライト4によって吸着除去され、アキュームレータ9に設けた小孔のオイル戻し穴8の近傍の圧力と温度がクラスレート生成範囲に入ることがあっても、クラスレートの生成には一定量以上の水が必要であるため、アキュームレータ9に設けた小孔のオイル戻し穴8は氷結することがない。
【0025】
50/50重量%のR32/R125混合冷媒(R410A)を冷媒とする場合を例にとると、例えば吸入圧力が0.806MPa(このときの飽和液温度は0℃)で、圧縮機吸入過熱度が約+15K以下になるように制御されているときにおいては、蒸発器7の出口から圧縮機2の吸入口のラインでの冷媒の圧力と温度の関係は、クラスレート生成範囲に入るが、このとき当該ライン中にある水分は少量で、クラスレートが生成されるには不十分な量であるため、氷結が避けられることとなる。
【0026】
なお、本発明の圧力と温度の関係を制御することの具体的手段は、上述した実施の形態においては、圧縮機2をあらかじめ定めた範囲の回転数で運転させた状態で、圧力センサ10の出力値から換算される飽和温度と、温度センサ11の出力値の差温である過熱度を、膨張弁6の開度を調整することによって制御することとして説明したが、これに限らず、他の手段としても良い。例えば圧力センサ10の代わりに、蒸発器7の入口から中間部にかけての冷媒が二相域となる領域に取り付けた温度センサ(図示せず)を用いれば、直接に冷媒の飽和温度を計測することができる。また、過熱度の代わりに、アキュームレータ9近傍に設けた温度センサ11の出力値の絶対値そのものを制御することとしてもよい。要するに、蒸発器7の出口から圧縮機2の吸入口のラインにおける圧力と温度を設定した範囲に制御できさえすれば良い。
【0027】
また、本発明のクラスレートを生成せず、かつ蒸発器の出口から圧縮機の吸入口のラインにおいて冷媒が蒸気のみの状態である範囲は、上述した実施の形態においては、図3の斜線部の範囲として説明したが、この斜線部の範囲に含まれる範囲であれば良い。したがって、過熱度の代わりに、アキュームレータ9近傍に設けた温度センサ11の出力値の絶対値そのものを制御する場合においては、前記絶対値がクラスレート臨界分解点の温度以上になるように制御してもよい。
【0028】
また、上述した実施の形態においては、試運転制御モードにおいて、ドライヤ5による水分除去できるだけ速やかに行うために、圧縮機2の吸入圧力が当該冷凍システム装置の常用範囲の圧力の下限値となるように制御するとして説明したが、本モードを試運転以外にも使用する場合は、水分除去の緊急性よりも冷凍サイクル装置としての基本性能を満足することを要求されることがあるので、そういう場合は、本モードの圧縮機制御部を通常の空調運転制御モードの圧縮機制御部に代えれば良い。
【0029】
本発明の冷凍サイクル装置は、上述した実施の形態においては、図4で示された空調用の冷凍サイクル装置として説明したが、これに限らず、他の冷凍サイクル装置としても良い。例えば、図4の冷凍サイクル装置に、四方弁を挿入して、室内熱交換器と室外熱交換器をもった冷暖房兼用装置としてもよい。さらに室内熱交換器を複数として、マルチ型冷暖房兼用装置としてもよい。また、膨張弁の数は1個に限らず、複数個としても良く、当該冷凍サイクル中に設置された別の弁との併用で過熱度を制御しても良い。さらに、ドライヤ5の位置は、凝縮器と膨張弁の間にこだわるものではない。
【0030】
さらに本発明の冷媒は、上述した実施の形態においては、50/50重量%のR32/R125混合冷媒(R410A)として説明したが、これに限らず、クラスレートを生成するすべての冷媒であれば良い。
【0031】
以上述べたところから明らかなように、本発明の冷凍サイクル装置の制御方法は、ホスト溶液として水を含み、ゲスト分子としては、望ましくはオゾン層に対する有害な影響があるとされるCFC冷媒やHCFC冷媒を用いず、オゾン層に対する脅威がないHFC冷媒を含み、圧縮機、凝縮器、膨張弁、蒸発器等からなる蒸気圧縮冷凍サイクルにおいて、アキュームレータ近傍における温度および圧力を、上記冷媒のクラスレートの臨界分解点である特定温度および圧力以下の飽和圧力線とクラスレート生成限界線で挟まれたクラスレート生成範囲からはずすために、圧縮機の吸入過熱度を一定値以上となる如く、圧縮機の回転数と膨張弁開度を制御し、クラスレートの生成を防止しながら、ドライヤがホスト溶液である水を吸着除去するため、一旦クラスレートが生成されるとなかなか除去しにくい水分を速やかに吸着除去することが可能とするものである。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したところから明らかなように、本発明は、クラスレート生成による運転中の不具合点を解消した冷凍サイクル装置の制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における一つの制御方法を示すフローチャート。
【図2】本発明の実施の形態におけるもう一つの制御方法を示すフローチャート(従来技術における制御方法を示すフローチャート)。
【図3】50/50重量%のR32/R125混合冷媒(R410A)のクラスレート生成条件を示す座標図。
【図4】本発明の実施の形態が適用される一般的な空調用の冷凍サイクル装置の構成図。
【符号の説明】
1 インバータ
2 圧縮機
3 凝縮器
4 合成ゼオライト
5 ドライヤ
6 膨張弁
7 蒸発器
8 オイル戻し穴
9 アキュームレータ
10 圧力センサ
11 温度センサ
12 制御装置

Claims (6)

  1. 圧縮機、凝縮器、膨張弁、蒸発器を備えた冷凍サイクルに用いられる冷媒の、前記蒸発器の出口から前記圧縮機の吸入口のラインにおける圧力と温度の関係を、ホスト溶液を水、ゲスト分子を前記冷媒とするクラスレートが生成せず、かつ前記ラインにおいて前記冷媒が蒸気のみの状態である範囲に制御する方法を一つの制御方法とすることを特徴とする冷凍サイクル装置の制御方法。
  2. 圧縮機、凝縮器、膨張弁、蒸発器を備えた冷凍サイクルに用いられる冷媒の、前記蒸発器の出口から前記圧縮機の吸入口のラインにおける圧力と温度の関係を、ホスト溶液を水、ゲスト分子を前記冷媒とするクラスレートを生成せず、かつ前記ラインにおいて前記冷媒が蒸気のみの状態である範囲に制御することを一つの制御方法とし、前記圧力と温度の関係を、前記ラインにおいて前記冷媒が蒸気のみの状態である範囲内でそれぞれ予め定めた上限値と下限値の間に収まるように制御することをもう一つの制御方法として、両制御方法を切り換え可能とすることを特徴とする冷凍サイクル装置の制御方法。
  3. 前記冷凍サイクル内に水分除去のためのドライヤを備え、前記一つの制御方法を運転開始時に行った後、前記もう一つの制御方法に切り換えることを特徴とする請求項2に記載の冷凍サイクル装置の制御方法。
  4. 前記一つの制御方法を行う際、前記圧力を前記下限値になるように制御することを特徴とする請求項3に記載の冷凍サイクル装置の制御方法。
  5. 前記一つの制御方法は、前記冷媒の圧力と温度の関係を表し、縦軸にlogスケール表示された前記冷媒の圧力、横軸に前記冷媒の温度をとった座標平面において、前記蒸発器の出口から前記圧縮機の吸入口のラインにおける前記冷媒の温度と圧力を表す座標が、前記クラスレートの生成限界での圧力と温度の関係を表すクラスレート生成限界線の右側で、かつ、前記冷媒の飽和液の圧力と温度の関係を表す飽和液圧力線の下側となるように、制御する方法であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の冷凍サイクル装置の制御方法。
  6. R32とR125が各々45〜55重量%、55〜45重量%の範囲で混合されている混合冷媒を前記冷媒とし、前記クラスレート生成限界線は、前記座標平面において、温度5.16℃、圧力0.255MPaの座標と、温度19.76℃、圧力1.430MPaの座標を通る直線であることを特徴とする請求項5に記載の冷凍サイクル装置の制御方法。
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