JP3719444B1 - 圧縮式ヒートポンプシステム及びコージェネレーションシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、冷媒が、冷媒を圧縮する圧縮部、冷媒から放熱させる放熱部、冷媒を膨張させる膨張部、冷媒に吸熱させる吸熱部の順に夫々を循環する冷媒回路を備えた圧縮式ヒートポンプシステムに関し、その目的は、圧縮部の動作圧を比較的低く設定可能としながら放熱器において加熱対象媒体を比較的高温に加熱することができ、更に、放熱器へ供給される加熱対象媒体の温度上昇によるCOPの低下を抑制することができる圧縮式ヒートポンプシステムを提供する点にある。
【解決手段】 放熱部3としての高温側放熱部3Aと低温側放熱部3Bとを、冷媒Xの流通方向に沿って上流側から順に配置した。
【選択図】 図1

Description

本発明は、冷媒が、前記冷媒を圧縮する圧縮部、前記冷媒から放熱させる放熱部、前記冷媒を膨張させる膨張部、前記冷媒に吸熱させる吸熱部の順に夫々を循環する冷媒回路を備えた圧縮式ヒートポンプシステム及びそれを備えたコージェネレーションシステムに関する。
近年、オゾン層保護や地球温暖化防止の観点から、フロンのような人工冷媒ではなく、二酸化炭素のような自然冷媒を用い、コンプレッサの動作圧(即ち、冷媒の吐出圧力)を自然冷媒の超臨界圧力として、二酸化炭素を気相状態と気液2相状態との間で状態変化させる際の吸熱・放熱を利用して、上記吸熱器から放熱器側に熱を強制的に移動させる冷凍サイクル(以下、「超臨界冷凍サイクル」と呼ぶ。)で作動する圧縮式ヒートポンプシステムが実用化されている(例えば、特許文献1を参照。)。
また、このような超臨界冷凍サイクルで作動する圧縮式ヒートポンプシステムは、コンプレッサに加えられた仕事量に対する冷凍能力の比を示す成績係数(以下、「COP」(Coefficient of Performance)と呼ぶ。)が4程度と比較的高く省エネルギ性に優れている。
かかる超臨界冷凍サイクルで作動する圧縮式ヒートポンプシステムは、図6に示す概略構成図、及び、図7に示す冷凍サイクルを参照して、二酸化炭素等の冷媒Xが循環する冷媒回路1において、気相状態の冷媒をコンプレッサ2’(圧縮部)で圧縮して高温高圧とし(図7のa’→b’)、この高温高圧の冷媒Xを放熱器3’(放熱部)で放熱させることで冷却し(図7のb’→c’)、その冷却した冷媒Xを膨張弁4’(膨張部)で減圧させて気液2相状態とし(図7のc’→d’)、その気液2相状態の冷媒Xを吸熱器5’(吸熱部)で吸熱させることで加熱して気相状態とする(図7のd’→a’)ように構成されている。
そして、上記放熱器3’は、冷媒Xからの放熱により水又は空気等の加熱対象媒体Yを加熱して、温水又は温風を生成するように構成することができ、一方、上記吸熱器5’は、冷媒Xへの吸熱により水又は空気等の冷却対象媒体Zを冷却して、冷水又は冷風を生成するように構成することができる。
また、上記放熱器3’で生成された温水は、温度成層を形成する状態で温水を貯留可能な貯湯タンク(温水貯留部)に貯留して給湯用として消費されたり、風呂の追焚用又は暖房用として循環する循環水の加熱用に利用することができる。
超臨界冷凍サイクルで作動する圧縮式ヒートポンプシステムとして、放熱器から排出され膨張弁に流入する冷媒と、吸熱部から排出されコンプレッサに流入する冷媒との間で、熱交換を行う再生熱交換部を備えたものがある(例えば、特許文献2を参照。)。
特開2004−3825号公報 特公平7−18602号公報
しかしながら、上記のような超臨界冷凍サイクルで作動する圧縮式ヒートポンプシステムでは、二酸化炭素等の冷媒の臨界温度が従来の冷媒であるフロンの臨界温度よりも低いので、風呂の追焚用又は暖房用の循環水を加熱した後の比較的暖かい温水が加熱対象媒体として放熱器へ供給された場合、貯湯タンクにおける温水貯留量が最大となって貯湯タンクから比較的暖かい温水が加熱対象媒体として放熱器へ供給された場合、又は、夏場等に比較的暖かい空気や給水等が加熱対象媒体として放熱器へ供給された場合等のように、放熱器へ供給される加熱対象媒体の温度が上昇した場合には、放熱器から膨張弁に流入する冷媒の温度が上昇するので、膨張弁により減圧された冷媒の液化率が低下する。よって、このような場合には、所望の冷凍能力を確保するために冷媒循環量を増加させる必要があり、COPの低下を招く場合がある。
また、超臨界冷凍サイクルで作動する圧縮式ヒートポンプシステムでは、コンプレッサの圧縮のみにより冷媒を昇温させる必要があるため、放熱器において90℃程度の温水を生成するためには、コンプレッサの動作圧を10MPa以上程度と非常に高くする必要があり、コンプレッサの大型化や高コスト化を招く場合がある。
また、上記特許文献2に記載の圧縮式ヒートポンプシステムは、上記再生熱交換部を設けることにより圧縮部に流入する冷媒の温度が上昇し圧縮部で必要とされる動作圧が低く抑えられると考えられるが、放熱器へ供給される加熱対象媒体の温度が上昇した場合には、上述した従来の圧縮式ヒートポンプシステムと同様に、再生熱交換器から膨張弁に流入する冷媒温度が上昇して、膨張弁により減圧された冷媒の液化率が低下し、COPの低下を招く場合がある。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、コンプレッサの動作圧を比較的低く設定可能としながら放熱器において加熱対象媒体を比較的高温に加熱することができ、更に、放熱器へ供給される加熱対象媒体の温度上昇によるCOPの低下を抑制することができる圧縮式ヒートポンプシステム及びそれを備えたコージェネレーションシステムを提供する点にある。
上記目的を達成するための本発明に係る圧縮式ヒートポンプシステムは、冷媒が、前記冷媒を圧縮する圧縮部、前記冷媒から放熱させる放熱部、前記冷媒を膨張させる膨張部、前記冷媒に吸熱させる吸熱部の順に夫々を循環する冷媒回路を備えた圧縮式ヒートポンプシステムであって、その第1特徴構成は、前記放熱部としての高温側放熱部と低温側放熱部とを、前記冷媒の流通方向に沿って上流側から順に配置した点にある。
上記第1特徴構成によれば、放熱部としての上記高温側放熱部及び上記低温側放熱部とを設けることで、冷媒を比較的高温に圧縮して高温側放熱部において加熱対象媒体を比較的高温に加熱することができ、更に、高温側放熱部へ供給される加熱対象媒体の温度が上昇した場合でも、低温側放熱部から膨張部へ流入する冷媒の温度を十分に低下させることができるので、COPの低下を抑制することができる。
本発明に係る圧縮式ヒートポンプシステムの第2特徴構成は、上記第1特徴構成に加えて、前記吸熱部から前記圧縮部に流入する前記冷媒である吸熱側冷媒を加熱する再生熱交換部を備えた点にある。
上記第2特徴構成によれば、上記再生熱交換部を設けることで、上記再生熱交換部において、圧縮部に流入する吸熱側冷媒の温度を適切に上昇させることができるので、圧縮部で必要とされる動作圧を低く抑えながら、圧縮部により冷媒を比較的高温になるように圧縮することができる。従って、圧縮部において動作圧を比較的低く設定しても、冷媒を比較的高温に圧縮して高温側放熱部において加熱対象媒体を比較的高温に加熱することができる。
本発明に係る圧縮式ヒートポンプシステムの第3特徴構成は、上記第2特徴構成に加えて、前記再生熱交換部が、前記高温側放熱部から前記低温側放熱部に流入する前記冷媒である放熱側冷媒と前記吸熱側冷媒との間で熱交換を行うように構成されている点にある。
上記第3特徴構成によれば、上記再生熱交換部において、高温側放熱部から排出された上記放熱側冷媒と吸熱部から排出された上記吸熱側冷媒との熱交換を行って、低温側放熱部に流入する放熱側冷媒の温度を適切に低下させると共に、圧縮部に流入する吸熱側冷媒の温度を適切に上昇させることができる。
本発明に係る圧縮式ヒートポンプシステムの第4特徴構成は、上記第3特徴構成に加えて、前記再生熱交換部から前記低温側放熱部に流入する前記放熱側冷媒の温度を検出する温度検出手段と、
前記再生熱交換部をバイパスして前記吸熱部から前記圧縮部に前記吸熱側冷媒を流入させるバイパス流路と、
前記再生熱交換部を流通する前記吸熱側冷媒と前記バイパス流路を流通する前記吸熱側冷媒との分配状態を調整可能な調整手段とを備え、
前記温度検出手段の検出結果に基づいて前記調整手段を制御して、放熱側冷媒の温度を設定する冷媒温度設定手段を備えた点にある。
上記第4特徴構成によれば、上記冷媒温度設定手段により、上記温度検出手段で検出された放熱側冷媒の温度に基づいて上記調整手段により調整可能な吸熱側冷媒の分配状態を制御することで、低温側放熱部に流入する放熱側冷媒の温度を適切な温度に維持することができ、低温側放熱部等において加熱対象媒体を良好に加熱しながら、COPを一層向上させることができる。
本発明に係る圧縮式ヒートポンプシステムの第5特徴構成は、上記第1乃至第4特徴構成の何れかに加えて、前記吸熱部が、熱源機の排熱を前記冷媒に吸熱させるように構成されている点にある。
上記第5特徴構成によれば、発電機を駆動するエンジンや燃料電池等の熱源機を設け、例えば電力と共に熱とを発生する熱電併給装置等として構成すると共に、上記吸熱部を、排ガスや冷却水等の熱源機の排熱を冷媒に吸熱させるように構成することで、吸熱部から再生熱交換部に流入する冷媒の温度を比較的高くして、7以上程度のCOPを達成することができ、更に、熱源機への入熱量に対する放熱部における放熱量の比で示される総合熱効率を100%以上とすることができる。
本発明に係る圧縮式ヒートポンプシステムの第6特徴構成は、上記第2特徴構成に加えて、前記圧縮部が、熱電併給装置の発電電力により駆動し、
前記再生熱交換部が、前記熱電併給装置から排出された排ガスと前記吸熱側冷媒との間で熱交換を行うように構成されている点にある。
上記第6特徴構成によれば、発電機を駆動するエンジンや燃料電池等のように、電力と共に熱を発生する熱電併給装置を備えることで、圧縮部を熱電併給装置の発電電力により駆動することができると共に、再生熱交換部において、熱電併給装置から排出された排ガスと圧縮部に流入する吸熱側冷媒との間で熱交換を行って、吸熱側冷媒の温度を適切に上昇させることができる。更に、熱電併給装置から排出される排ガスには、大量の水蒸気が含まれていることから、再生熱交換器において排ガス中の水蒸気の潜熱をも、吸熱側冷媒により回収することができる。
本発明に係る圧縮式ヒートポンプシステムの第7特徴構成は、上記第6特徴構成に加えて、前記熱電併給装置から排出された排ガスを熱源として前記高温側放熱部において加熱される加熱対象媒体を予熱する予熱部を備えると共に、前記予熱部から排出された排ガスを前記再生熱交換部に供給する点にある。
上記第7特徴構成によれば、上記予熱部を設けることで、熱電併給装置から排出される高温の排ガスにより、高温側放熱部において加熱される加熱対象媒体を比較的高温に予熱することができる。更に、上記予熱部において適度に冷却された排ガスを再生熱交換部に供給することで、再生熱交換部において、圧縮部に流入する吸熱側冷媒の温度を適切な温度に上昇させることができ、結果、上記熱電併給装置から排出された排ガスの熱を有効に回収することができる。
本発明に係る圧縮式ヒートポンプシステムの第8特徴構成は、上記第7特徴構成に加えて、前記再生熱交換部から排出された排ガスと外気とを混合して混合ガスを生成するガス混合部を備え、
前記吸熱部が、前記ガス混合部で生成された混合ガスから前記冷媒に吸熱させるように構成されている点にある。
上記第8特徴構成によれば、上記ガス混合部において上記再生熱交換部から排出された排ガスに外気を混合して大量の且つ吸熱部の熱源として適切な温度の混合ガスを生成し、上記吸熱部において、その大量且つ適切な温度の混合ガスから冷媒に吸熱させるように構成することで、吸熱部における伝熱効率を向上することができる。
本発明に係る圧縮式ヒートポンプシステムの第9特徴構成は、上記第1乃至第8特徴構成の何れかに加えて、前記冷媒が二酸化炭素である点にある。
上記第9特徴構成によれば、冷媒として二酸化炭素を利用した場合でも、上述したように、高温側放熱部へ供給される加熱対象媒体の温度が上昇した場合でもCOPの低下を抑制することができ、更に、高温放熱部において加熱対象媒体としての水を例えば90℃程度と比較的高温に加熱することができ、5.2程度のCOPを達成することができる。
本発明に係る圧縮式ヒートポンプシステムの第10特徴構成は、上記第1乃至第9特徴構成の何れかに加えて、前記高温側放熱部及び前記低温側放熱部が、前記冷媒から加熱対象媒体としての水に放熱させて温水を生成するように構成され、
前記高温側放熱部で生成された高温水を貯留する高温水貯留部と、前記低温側放熱部で生成された低温水を貯留する低温水を貯留する低温水貯留部とを備えた点にある。
上記第10特徴構成によれば、高温側放熱部で生成された高温水と低温側放熱部で生成された低温水との夫々を高温水貯留部と低温水貯留部とへ各別に貯留することができ、高温水及び低温水を夫々の用途に合わせて使い分けることができる。また、この高温水貯留部に貯留されている水を高温側放熱部に加熱対象媒体として供給すると共に、低温水貯留部に貯留されている水を低温側放熱部に加熱対象媒体として供給することで、高温側放熱部及び低温水放熱部に夫々に適切な温度の加熱対象媒体を供給することができる。
更に、高温側放熱部に加熱対象媒体として比較的高温の温水を供給してもCOPの低下を抑制できることから、高温側貯留部に貯留されている温水を高温側放熱部との間で比較的高流量で循環させる形態で、高温側放熱部において冷媒から温水に放熱させて、高温側放熱部における伝熱効率を向上することができる。
一方、低温側貯留部において低温水を、温度成層を形成する形態で貯留すると共に、その下方の比較的低温の水を低温側放熱部に供給する形態で、低温側放熱部において冷媒から低温の水に放熱させて、冷媒の温度を十分に低下させることができる。
本発明に係る圧縮式ヒートポンプシステムの第11特徴構成は、上記第10特徴構成に加えて、前記高温水貯留部に、前記高温水の熱を蓄熱する潜熱蓄熱材が設けられている点にある。
上記第10特徴構成によれば、高温水貯留部に潜熱蓄熱材を設けることで、潜熱蓄熱材を融解する形態で、高温水の熱を効率良く蓄熱することができる。よって、高温水貯留部に貯留される高温水を、風呂の追焚用又は暖房用として循環する循環水の加熱用に利用する場合において、高温水が潜熱蓄熱材により蓄熱された熱により良好に加熱されることから、多くの循環水を高温に加熱することができ、高温水貯留部の小型化を図ることができる。
本発明に係る圧縮式ヒートポンプシステムの第12特徴構成は、上記第10乃至第11特徴構成の何れかに加えて、前記低温水貯留部に貯留された低温水を前記加熱対象媒体として前記高温側放熱部に供給するように構成されている点にある。
上記第12特徴構成によれば、低温水貯留部に貯留された低温水を上記高温水放熱部に加熱対象媒体として供給することで、低温側放熱部で生成された低温水を有効に消費することができる。また、上述したように、高温側放熱部へ供給される加熱対象媒体が低温側放熱部で生成された比較的暖かい低温水であっても、上記第2特徴構成の如く再生熱交換部を設ければ、低温側放熱部から膨張部へ流入する冷媒の温度が十分に低下されるので、COPの低下が抑制される。
本発明に係る圧縮式ヒートポンプシステムの第13特徴構成は、上記第10乃至第12特徴構成の何れかに加えて、前記高温水貯留部及び前記低温水貯留部の夫々が、温度成層を形成する形態で前記温水を貯留するように構成され、
前記高温水貯留部が前記低温水貯留部の上方に配置されていると共に、前記高温水貯留部の底部と前記低温水貯留部の天井部とが連通路により連通されている点にある。
上記第13特徴構成によれば、温度成層を形成する形態で温水を貯留するように構成された高温水貯留部と低温水貯留部とを上記連通路により連通させることで、低温水貯留部の上方の貯留された低温水が高温水貯留部の下方に供給されることになる。よって、高温水貯留部においては、上方に高温水が存在し下方に低温水が存在するという温度成層が形成されることになるので、温度成層間の温度差を小さくして、高温水を高温に維持した状態貯留することができ、更に、下方に存在する低温水を高温側放熱器に供給することができる。
本発明に係る圧縮式ヒートポンプシステムの第14特徴構成は、上記第10乃至第13特徴構成の何れかに加えて、前記高温水貯留部に貯留された高温水と前記低温水貯留部に貯留された低温水とを混合割合の調整を伴って混合して給湯部に給湯可能な混合手段を備えた点にある。
上記第14特徴構成によれば、上記混合手段を設けることで、高温水よりも低温且つ低温水よりも高温な所望温度の温水が必要な場合でも、高温水と低温水を混合して、所望温度の温水を給湯部に給湯することができ、高温側放熱器及び低温側放熱器での放熱を有効利用することができる。
上記目的を達成するための本発明に係るコージェネレーションシステムは、上記第1乃至第15特徴構成の何れかを有する圧縮式ヒートポンプシステムを備えると共に、電力と熱とを発生する熱電併給装置とを備え、前記熱電併給装置が発生した電力を前記圧縮式ヒートポンプシステムが備える圧縮部の駆動源として供給すると共に、前記熱電併給装置の排熱を前記圧縮式ヒートポンプシステムの熱源として供給するように構成されている。
即ち、かかるコージェネレーションシステムは、上述した第1乃至第15特徴構成と同様の作用効果を実現することができると共に、熱電併給装置が発生した電力と熱とを圧縮式ヒートポンプシステムで有効利用して、全体的な熱効率を大幅に向上することができる。
更に、このようなコージェネレーションシステムにおいて、熱電併給装置の出力が安定する(例えば一定となる)ように、圧縮式ヒートポンプシステムの圧縮部の動力、即ち、圧縮式ヒートポンプシステムの出力を制御するように構成すれば、熱電併給装置を高効率な状態で維持し、更には、熱電併給装置の出力変動に伴う劣化等を抑制することができる。
〔第1実施形態〕
1実施形態について、図面に基づいて説明する。
図1に示す圧縮式ヒートポンプシステムは、公知の如く、自然冷媒としての二酸化炭素である冷媒Xが、冷媒Xを圧縮するコンプレッサ2(圧縮部)、冷媒Xから放熱させて加熱対象媒体Yを加熱する放熱器3(放熱部)、冷媒Xを膨張させて減圧させる膨張弁4(膨張部)、冷媒Xに吸熱させて冷却対象媒体Zを冷却する吸熱器5(吸熱部)の順に夫々を循環する冷媒回路1を備えて構成されている。
このような二酸化炭素を冷媒Xとして用いた圧縮式ヒートポンプシステムは、図2に示す冷凍サイクルで作動し、コンプレッサ2の動作圧(即ち、冷媒Xの吐出圧力)を自然冷媒の超臨界圧力とし、冷媒Xを気相状態と気液2相状態との間で状態変化させる際の吸熱・放熱を利用して、吸熱器3から放熱器5側に熱を強制的に移動させる超臨界冷凍サイクルで作動するものである。詳しくは、冷媒回路1において、気相状態の冷媒Xをコンプレッサ2で圧縮して高温高圧とし(図2のa→b)、この高温高圧の冷媒Xを放熱器3で放熱させることで冷却し(図2のb→c、及び、d→e)、その冷却した冷媒Xを膨張弁4で減圧させて気液2相状態とし(図2のe→f)、その気液2相状態の冷媒Xを吸熱器5で吸熱させることで加熱して気相状態とする(図2のf→g)ように構成されており、以上のような構成については、公知の超臨界冷凍サイクルで作動する圧縮式ヒートポンプシステムと同様の構成を採用することができる。
ここで、放熱器3は、冷媒Xからの放熱により水又は空気等の加熱対象媒体Yを加熱して、温水又は温風を生成するように構成することができ、本第1実施形態において、放熱器3は、上記加熱対象媒体Yとしての水を加熱して温水Hを生成するように構成されている。
一方、吸熱器5は、冷媒Xへの吸熱により水又は空気等の冷却対象媒体Zを冷却して、冷水又は冷風を生成するように構成することができ、本第1実施形態において、吸熱器5は、上記冷却対象媒体Zとして、外気、又は、発電機を駆動するエンジンや燃料電池等の熱源機の排熱により加熱された排ガスや冷却水等が供給され、その冷却対象媒体Zを冷却することで、冷媒Xに吸熱させるように構成されている。
放熱器3で生成された温水Hは、温度成層を形成する状態で温水を貯留可能な貯湯タンク20(温水貯留部)に貯留される。
即ち、上記貯湯タンク20は、詳細については後述するが、上水道管に接続された給水路23から底部に低温の水Wが供給されて常に満水状態とされると共に、ポンプ22を作動させることにより、下方側から取り出された加熱対象媒体Yとしての比較的低温の水Wが、放熱器3により加熱されて温水Hとされた後に、上方側に戻されることにより、上方側ほど高温の温水Hの層が存在する温度成層を形成する状態で温水Hを貯留するように構成されている。
そして、この貯湯タンク20に貯留された温水Hは、給湯用として給湯栓や風呂などの給湯部30に供給されて消費され、その消費された分に相当する給水Wが給水路23から貯湯タンク20の底部に供給される。
上記のような圧縮式ヒートポンプシステムでは、循環水Cを加熱した後の比較的暖かい温水Hがそのまま加熱対象媒体Yとして放熱器3へ供給された場合、貯湯タンク20における温水貯留量が最大となって貯湯タンク20から比較的暖かい温水Hが加熱対象媒体Yとして放熱器3へ供給された場合、又は、夏場等に比較的暖かい加熱対象媒体Yが放熱器3へ供給された場合等のように、放熱器3へ供給される加熱対象媒体Yの温度が上昇した場合でも、COPの低下を抑制することができ、その構成について説明を加える。
圧縮式ヒートポンプシステムの冷媒回路1には、上記放熱器3としての高温側放熱器3A(高温側放熱部)と低温側放熱器3B(低温側放熱部)とが、冷媒Xの流通方向に沿って上流側から順に配置され、更に、高温側放熱器3Aから低温側放熱器3Bに流入する放熱側冷媒X1と吸熱器5からコンプレッサ2に流入する冷媒Xである吸熱側冷媒X2との間で熱交換を行う再生熱交換器10(再生熱交換部)が設けられている。
即ち、上記再生熱交換器10を設けることにより、再生熱交換器10から低温側放熱器3Bに流入する放熱側冷媒X1の温度が適切に低下する(図2のc→d)と共に、再生熱交換器10からコンプレッサ2に流入する吸熱側冷媒X2の温度が適切に上昇する(図2のg→a)ので、コンプレッサ2により冷媒Xを比較的高温になるように圧縮することができ、コンプレッサ2において動作圧を、8MPa程度以下(例えば6.2(冬季)〜7.5MPa(夏季))と比較的低く設定しても冷媒Xを比較的高温に圧縮して高温側放熱器3Aにおいて加熱対象媒体Yを比較的高温に加熱することができ、更には、高温側放熱器3Aへ供給される加熱対象媒体Yの温度が上昇した場合でも、低温側放熱器3Bから膨張弁4へ流入する冷媒Xの温度を十分に低下させて、COPの低下を抑制することができる。
また、冷媒回路1には、再生熱交換器10から低温側放熱器3Bに流入する放熱側冷媒X1の温度を検出する温度センサ13(温度検出手段)と、再生熱交換器10をバイパスして吸熱器5からコンプレッサ2に吸熱側冷媒X2を流入させるバイパス流路11とが設けられており、更に、再生熱交換器10を流通する吸熱側冷媒X1とバイパス流路11を流通する吸熱側冷媒X1との分配状態を調整可能な調整手段として、バイパス流路11には、そのバイパス流路11を流通する吸熱側冷媒X2の流量を調整可能な流量調整弁12が設けられている。
即ち、上記のように調整手段として機能する流量調整手段9により、バイパス流路11を流通する吸熱側冷媒X2の流量を調整することで、再生熱交換器10を流通する吸熱側冷媒X2の流量が調整されることになるので、再生熱交換器10において放熱側冷媒X1から吸熱側冷媒X2に伝達する熱量が調整され、結果、再生熱交換器10から低温側放熱器3Bに流入する放熱側冷媒X1の温度が調整されることになる。
そして、コンピュータからなる制御装置(図示せず)が所定のプログラムを実行することにより機能する冷媒温度設定手段14を設け、その冷媒温度設定手段14を、上記温度センサ13の検出結果に基づいて上記流量調整弁12を制御して、上記放熱側冷媒X1の温度を例えば18℃〜45℃程度の適切な温度に設定するように構成することで、低温側放熱器3Bにおいて加熱対象媒体Yが良好に加熱され、COPが一層向上される。
貯湯タンク20は、高温側放熱器3Aで生成された例えば65℃〜90℃程度の高温水HH等を貯留する高温水貯留部20Aと、低温側放熱器3Bで生成された例えば15℃〜35℃程度の低温水HL等を貯留する低温水貯留部20Bとで構成されており、これら高温水HHと低温水HLとを夫々の用途に合わせて使い分けることができる。
更に、高温水貯留部20Aが低温水貯留部20Bの上方に配置されていると共に、高温水貯留部20Aの底部と低温水貯留部20Bの天井部とが連通路20Cにより連通されているので、貯湯タンク20の高温水貯留部20Aには、上方側から下方側にかけて、高温水HHからなる層と、その高温水HHよりも低温で且つ上記低温水HLよりも高温の低温水HL’の層との2層の温度成層が形成され、低温水貯留部20Bには、上方側から下方側にかけて、低温水HLと、低温水HLよりも低温の給水Wからなる2層の温度成層が形成される状態で、温水Hが貯留されることになる。
また、高温側放熱器3Aには、高温側ポンプ22Aを作動させることにより高温水貯留部20Aの下方側から取り出された加熱対象媒体Yとしての低温水HL’が供給されることになり、この高温側放熱器3Aで生成された高温水HHが高温水貯留部20Aの上方側に戻されることになる。
一方、低温側放熱器3Bには、低温側ポンプ22Bを作動させることにより低温水貯留部20Bの下方側から取り出された加熱対象媒体Yとしての給水Wが供給されることになり、この低温側放熱器3Bで生成された低温水HLが低温水貯留部20Bの上方側に戻されることになる。
そして、低温側放熱器3Bで生成された低温水HLが、上記連通路20Cを通じて、上記高温側放熱器3Aに加熱対象媒体Yとして供給されて、低温水HLが有効利用される。
高温水貯留部20Aに貯留された例えば90℃程度の高温水HHと低温水貯留部20Bに貯留された例えば18℃程度の低温水HLとは、夫々個別に消費しても構わないが、それら高温水HHと低温水HLとを混合割合の調整を伴って混合して給湯部30に供給可能な混合手段としての三方調整弁26を設けることで、所望温度の温水を給湯部30に給湯することができる。
更に、三方調整弁26から給湯部30に供給される温水の温度を検出する温度センサ27と、コンピュータからなる制御装置(図示せず)が所定のプログラムを実行することにより機能する給湯温度設定手段28とを設け、その給湯温度設定手段28を、上記温度センサ27の検出結果に基づいて上記三方調整弁26を制御して、給湯部30へ供給される温水の温度を、高温水HHの温度(例えば90℃)から低温水HLの温度(例えば18℃)まで範囲内において例えば予めリモコン等において設定された所望の温度に設定するように構成することができる。
また、給湯部30へ給湯する構成と同様に、高温水HHと低温水HLとを混合割合の調整を伴って混合して給湯部としての風呂38に供給可能な三方調整弁31と、三方調整弁31から風呂38に供給される温水の温度を検出する温度センサ32と、湯張り温度設定手段33とが設けられており、電磁弁34を開状態として風呂38への湯張りを行う際に、その湯張り温度設定手段33により、温度センサ32の検出結果に基づいて上記三方調整弁31を制御して、風呂38へ供給される温水の温度を、高温水HHの温度(例えば90℃)から低温水HLの温度(例えば18℃)まで範囲内において例えば予めリモコン等において設定された所望の湯張り温度に設定するように構成されている。
更に、高温水貯留部20A内に設けられた伝熱管36と風呂38との間で、風呂の水を循環させる追焚用循環回路37が設けられており、この追焚用循環回路37に設けられた循環ポンプ35を作動させることにより、伝熱管36において風呂38の水を高温水貯留部20A内に貯留されている高温水HHとの熱交換により加熱即ち追焚するように構成されている。
高温水貯留部20Aの上方側から取り出した高温水HHを高温水貯留部20Aの上方側へ循環させる暖房用一次循環回路40と、床暖房機や浴室暖房乾燥機等の暖房機器45の暖房用水Dを循環させる暖房用二次循環回路43と、暖房用一次循環回路40を循環する高温水HHと暖房用二次循環回路43を循環する暖房用水Dとの熱交換を行う熱交換器42とが設けられており、暖房用一次循環回路40に設けられた循環ポンプ41と暖房用二次循環回路43に設けられた循環ポンプ44とを作動させることにより、高温水HHにより暖房用水Dとの熱交換により加熱して、暖房機器45の暖房を行うように構成されている。
以下、図1に示す第1実施形態の圧縮式ヒートポンプシステム(実施例)と、図6に示す従来の圧縮式ヒートポンプシステム(比較例)とについて、COP等を数値解析により計算した結果について説明する。
尚、各種温度条件は、下記の表1に示す条件を想定した。
Figure 0003719444
実施例の圧縮式ヒートポンプシステムでは、上記条件に加えて、低温側放熱器3Bで生成され高温側放熱器3Aに供給される温水HLの温度を約35℃とした場合において、コンプレッサ2の動作圧を6MPa程度と比較的低く設定することができ、更に、COPを4.8程度と非常に高くなることが確認できた。一方、比較例の圧縮式ヒートポンプシステムでは、コンプレッサ2の動作圧を11.5MPa程度に設定する必要があり、COPは3.2程度であることが確認できた。よって、実施例の圧縮式ヒートポンプシステムは、従来の圧縮式ヒートポンプシステムと比較して、コンプレッサの動作圧の低減及びCOP向上の点で優れていることが確認できた。
更に、実施例の圧縮式ヒートポンプシステムでは、吸熱器5において発電機を駆動するエンジンや燃料電池等の熱源機の排熱を冷媒Xに吸熱させるように構成することを想定して、排熱により90℃程度に加熱された冷却水を冷却対象媒体Zとして吸熱器5に供給し、その冷却対象媒体Zが吸熱器5において17℃程度に冷却されると想定した場合においては、図3の冷凍サイクルに示すように、吸熱器5において冷媒Xが高温の冷却対象媒体Zにより温度上昇を伴って気相状態となり(f→g)、コンプレッサ2の動作圧を6.9MPa程度と比較的低く設定しながら、COPを8.8程度、更には、総合熱効率を100%以上になることが確認できた。
〔第2実施形態〕
本発明の第2実施形態について、図面に基づいて説明する。尚、上記第1実施形態と同様の構成については同じ符号を付して詳細な説明は割愛する場合がある。
図4に示す圧縮式ヒートポンプシステムは、上記第1実施形態と同様に、自然冷媒としての二酸化炭素である冷媒Xが、コンプレッサ2(圧縮部)、放熱器3(放熱部)、膨張弁4(膨張部)、吸熱器5(吸熱部)の順に夫々を循環する冷媒回路1を備えて構成され、図5に示す超臨界冷凍サイクルで作動するものである。
即ち、冷媒回路1において、気相状態の冷媒Xをコンプレッサ2で圧縮して高温高圧とし(図5のh→i)、この高温高圧の冷媒Xを放熱器3で放熱させることで冷却し(図5のi→j→k)、その冷却した冷媒Xを膨張弁4で減圧させて気液2相状態とし(図5のk→l)、その気液2相状態の冷媒Xを吸熱器5で吸熱させることで加熱して気相状態とする(図5のl→m)ように構成されている。
また、コンプレッサ2は、電気モータ51を動力源として駆動するように構成されており、その電気モータ51は、熱電併給装置50の発電電力を消費して駆動するように構成されている。尚、この熱電併給装置50は、発電機とそれを駆動するエンジンとを備える形態、又は、燃料電池を備える形態等の公知の形態を採用することができる。
また、この熱電併給装置50は、上記エンジンや燃料電池から水蒸気を多く含み比較的高温の排ガスEが排出される。そして、この排ガスEは、ファン58の吸引力により、詳細については後述するが予熱熱交換器55(予熱部)と再生熱交換器56(再生熱交換部)とに順に熱源として供給されて顕熱及び潜熱が回収された後に、ガス混合器57(ガス混合部)で外気Aと混合されて混合ガスMとなって、吸熱器5に冷却対象媒体Zとして供給される。
即ち、この圧縮式ヒートポンプシステムは、電力と熱とを発生する熱電併給装置50と併設されることで、コージェネレーションシステムとして構築されており、この熱電併給装置50が発生した電力がコンプレッサ1の動力源として供給されると共に、熱電併給装置50が発生した熱が圧縮式ヒートポンプシステムの熱源として供給される。
よって、熱電併給装置50の排ガスEの熱を有効に回収することにより、総合熱効率を大幅に向上することができ、例えば、熱電併給装置50を設けずに、コンプレッサ2を駆動する電気モータ51を商用電力系統からの買電により駆動した場合よりも、一次エネルギ消費量を削減することができる。
また、熱電併給装置50の発電電力をコンプレッサ2の駆動源として消費するように構成する場合には、例えば、熱電併給装置50の発電電力を消費する電力消費部における電力負荷が大きい昼間などには、コンプレッサ2の動力を小さくし、逆に、電力消費部における電力負荷が小さい夜間などには、コンプレッサ2の動力を大きくするなどの形態で、熱電併給装置50の負荷を略一定に保つように、コンプレッサ2の動力、即ち、圧縮式ヒートポンプシステムの出力を制御するように構成することもできる。
よって、このように熱電併給装置50の負荷を略一定に保つことで、熱電併給装置50を高効率な状態で維持し、更には、熱電併給装置50に設けられる燃料電池の出力変動に起因する劣化等を抑制することができる。
圧縮式ヒートポンプシステムの冷媒回路1には、上記第1実施形態と同様に、上記放熱器3としての高温側放熱器3A(高温側放熱部)と低温側放熱器3B(低温側放熱部)とが、冷媒Xの流通方向に沿って上流側から順に配置されている。
即ち、高温側放熱器3Aでは、高温高圧の冷媒Xが放熱する(図5のi→j)ことで、加熱対象媒体Yが比較的高温に加熱され(図5のY1→Y2)、低温側放熱器3Bでは、高温側放熱器3Aで冷却された熱媒Xが放熱する(図5のj→k)ことで、加熱対象媒体Yが比較的低温に加熱される(図5のY0→Y1)。
そして、高温側放熱器3Aへ供給される加熱対象媒体Yの温度が上昇した場合でも、低温側放熱器3Bから膨張弁4へ流入する冷媒Xの温度を十分に低下させて、COPの低下を抑制することができる。
貯湯タンク20は、高温側放熱器3Aで生成された高温の高温水HHを貯留する高温水貯留部20Aと、低温側放熱器3Bで生成された上記高温水HHよりも低温の低温水HLを貯留する低温水貯留部20Bとで構成されており、これら高温水HHと低温水HLとを夫々の用途に合わせて使い分けることができる。
更に、貯湯タンク20は、上方に高温水貯留部20Aを形成すると共に下方に低温水貯留部20Bを形成する1つの槽として構成されている。
また、高温側放熱器3Aには、高温側ポンプ22Aを作動させることにより、加熱対象媒体Yとして、高温水貯留部20Aの下方側から取り出された低温水HL’が供給されることになり、コンプレッサ2から吐出された高温(例えば、150℃程度)の冷媒Xが高温側放熱器3Aにおいて冷却されて、低温水HL’が高温(例えば90℃程度)の高温水HHに加熱される。
そして、この高温側放熱器3Aで生成された高温水HHが高温水貯留部20Aの上方側に戻され、更に、その高温水HHが、暖房用水Dの加熱や風呂の追焚等に利用される。
更に、上記高温側ポンプ22Aによる加熱対象媒体Y(低温水HL’、高温水HH)の供給流量は、比較的高流量に設定されており、高温側放熱器3Aにおける伝熱効率の向上が図られている。
従って、高温水貯留部20Aにおいては、高温水HHと低温水HL’とが混合された状態で温水Hが貯留されることになる。
更に、この高温水貯留部20Aの外周には、高温水HHの熱を潜熱及び顕熱として蓄熱する潜熱蓄熱材59が設けられている。
この潜熱蓄熱材59は、融点が60℃程度のパラフィンを充填した形態で構成されている。このパラフィンは、融解することで高温水HHの熱を潜熱として蓄積し、一方、凝固することでその潜熱を高温水HH側に放熱するように作用するので、高温水貯留部20Aに貯留される高温水HHの温度をできるだけパラフィンの融点以上に維持することができる。
更に、熱電併給装置50から排出された排ガスEと高温側放熱器3Aにおいて加熱される低温水HL’とを熱交換する形態で、排ガスEを熱源として低温水HL’を予熱する予熱熱交換器55が設けられており、排ガスEの顕熱を回収して熱効率の向上を図ると共に、高温側放熱器3Aにおいて十分に高温の高温水HHを生成することができる。
尚、上記熱電併給装置50が停止されて排ガスEが排出されなくなり、予熱熱交換器55における低温水HL’の予熱ができない場合には、例えば、コンプレッサ2の動作圧を上昇させて、高温側放熱器3Aに供給される冷媒Xの温度を上昇させることで、高温水HHを高温に加熱することができる。
一方、低温側放熱器3Bには、低温側ポンプ22Bを作動させることにより、加熱対象媒体Yとして、低温水貯留部20Bの下方側から取り出された低温(例えば、5℃(冬季)〜25℃(夏季))の給水Wが供給されることになり、高温側放熱器3Aから吐出された高温(例えば、120℃程度)の冷媒Xが低温側放熱器3Bにおいて十分に低温(例えば、9℃(冬季)〜28℃(夏季))に冷却されて、給水Wが上記高温水HHよりも低温(例えば65℃程度)に加熱される。
そして、この低温側放熱器3Bで生成された低温水HLが低温水貯留部20Bの上方側に戻され、更に、その低温水HLが、給湯部30に供給されたり、上方の高温水貯留部A側から上記高温側放熱器3Aに上記低温水HL’として供給されるなどして利用される。
更に、上記低温側ポンプ22Bによる加熱対象媒体Y(給水W、低温水HL)の供給流量は、低温側放熱器3Bで生成される低温水HLの温度が設定温度となるような形態で制御される。
従って、低温水貯留部20Bにおいては、上方側から下方側にかけて、低温水HLと、低温水HLよりも低温の給水Wからなる2層の温度成層が形成される状態で、温水Hが貯留されることになる。
圧縮式ヒートポンプシステムの冷媒回路1には、熱電併給装置50から排出された排ガスEと、吸熱器5からコンプレッサ2に流入する冷媒Xである吸熱側冷媒X2との間で、熱交換を行う再生熱交換器56(再生熱交換部)が設けられている。
更に、この再生熱交換器56においては、予熱熱交換器55において顕熱の一部が回収され比較的低温(例えば85℃程度)となった排ガスEが供給され、その排ガスEの顕熱と共に排ガスEの水蒸気の潜熱を回収して、その排ガスEを冷却する(図5のE0→E1)ことで、吸熱側冷媒X2を加熱する(図5のm→h)ことができる。
即ち、上記再生熱交換器56を設けることにより、再生熱交換器56からコンプレッサ2に流入する吸熱側冷媒X2の温度が適切な温度(例えば、60℃程度)に上昇するので、コンプレッサ2により冷媒Xを比較的高温になるように圧縮することができ、コンプレッサ2において動作圧を比較的低く設定しても冷媒Xを比較的高温に圧縮して高温側放熱器3Aにおいて加熱対象媒体Yを比較的高温に加熱することができる。
また、上記再生熱交換器56から排出された比較的低温の排ガスEは、ガス混合気57において外気Aと混合されて混合ガスMとなり、その混合ガスMが吸熱器5に供給される。
従って、吸熱器5において、その大量且つ適切な温度の混合ガスMの熱を回収して(図5のM0→M1)、冷媒Xに吸熱させる(図5のl→m)ことで、伝熱効率が向上されている。
本発明に係る圧縮式ヒートポンプシステムの第1実施形態を示す概略構成図 第1実施形態の圧縮式ヒートポンプシステムの冷凍サイクルを示す図 第1実施形態の圧縮式ヒートポンプシステムの冷凍サイクルを示す図 本発明に係る圧縮式ヒートポンプシステムの第2実施形態を示す概略構成図 第2実施形態の圧縮式ヒートポンプシステムの冷凍サイクルを示す図 従来の圧縮式ヒートポンプシステムを示す概略構成図 従来の圧縮式ヒートポンプシステムの冷凍サイクルを示す図
符号の説明
1:循環回路
2:コンプレッサ(圧縮部)
3:放熱器(放熱部)
3A:高温側放熱器(高温側放熱部)
3B:低温側放熱器(低温側放熱部)
4:膨張弁(膨張部)
5:吸熱器(吸熱部)
10:再生熱交換器(再生熱交換部)
11:バイパス流路
12:流量調整弁(調整手段)
14:冷媒温度設定手段
20:貯湯タンク(温水貯留部)
20A:高温水貯留部
20B:低温水貯留部
30:給湯部
26,31:三方調整弁(混合手段)
27,32:温度センサ
28:給湯温度設定手段
33:湯張り温度設定手段
50:熱電併給装置
55:予熱熱交換器(予熱部)
56:再生熱交換器56(再生熱交換部)
57:ガス混合器(ガス混合部)
59:潜熱蓄熱材
A:外気
E:排ガス
M:混合ガス
X:冷媒
X1:放熱側冷媒
X2:吸熱側冷媒
Y:加熱対象媒体
Z:冷却対象媒体
HH:高温水
HL:低温水

Claims (12)

  1. 冷媒が、前記冷媒を圧縮する圧縮部、前記冷媒から放熱させる放熱部、前記冷媒を膨張させる膨張部、前記冷媒に吸熱させる吸熱部の順に夫々を循環する冷媒回路を備えた圧縮式ヒートポンプシステムであって、
    前記放熱部としての高温側放熱部と低温側放熱部とを、前記冷媒の流通方向に沿って上流側から順に配置し
    前記吸熱部から前記圧縮部に流入する前記冷媒である吸熱側冷媒を加熱する再生熱交換部を備え、
    前記再生熱交換部が、熱電併給装置から排出された排ガスと前記吸熱側冷媒との間で熱交換を行うように構成され、
    前記圧縮部が、前記熱電併給装置の発電電力により駆動し、
    前記熱電併給装置から排出された排ガスを熱源として前記高温側放熱部において加熱される加熱対象媒体を予熱する予熱部を備えると共に、前記予熱部から排出された排ガスを熱源として前記再生熱交換部に供給する圧縮式ヒートポンプシステム。
  2. 前記再生熱交換部が、前記高温側放熱部から前記低温側放熱部に流入する前記冷媒である放熱側冷媒と前記吸熱側冷媒との間で熱交換を行うように構成されている請求項に記載の圧縮式ヒートポンプシステム。
  3. 前記再生熱交換部から前記低温側放熱部に流入する前記放熱側冷媒の温度を検出する温度検出手段と、
    前記再生熱交換部をバイパスして前記吸熱部から前記圧縮部に前記吸熱側冷媒を流入させるバイパス流路と、
    前記再生熱交換部を流通する前記吸熱側冷媒と前記バイパス流路を流通する前記吸熱側冷媒との分配状態を調整可能な調整手段とを備え、
    前記温度検出手段の検出結果に基づいて前記調整手段を制御して、放熱側冷媒の温度を設定する冷媒温度設定手段を備えた請求項に記載の圧縮式ヒートポンプシステム。
  4. 前記吸熱部が、熱源機の排熱を前記冷媒に吸熱させるように構成されている請求項1からの何れか一項に記載の圧縮式ヒートポンプシステム。
  5. 前記再生熱交換部から排出された排ガスと外気とを混合して混合ガスを生成するガス混合部を備え、
    前記吸熱部が、前記ガス混合部で生成された混合ガスから前記冷媒に吸熱させるように構成されている請求項1から4の何れか一項に記載の圧縮式ヒートポンプシステム。
  6. 前記冷媒が二酸化炭素である請求項1からの何れか一項に記載の圧縮式ヒートポンプシステム。
  7. 前記高温側放熱部及び前記低温側放熱部が、前記冷媒から加熱対象媒体としての水に放熱させて温水を生成するように構成され、
    前記高温側放熱部で生成された高温水を貯留する高温水貯留部と、前記低温側放熱部で生成された低温水を貯留する低温水を貯留する低温水貯留部とを備えた請求項1からの何れか一項に記載の圧縮式ヒートポンプシステム。
  8. 前記高温水貯留部に、前記高温水の熱を蓄熱する潜熱蓄熱材が設けられている請求項に記載の圧縮式ヒートポンプシステム。
  9. 前記低温水貯留部に貯留された低温水を前記加熱対象媒体として前記高温側放熱部に供給するように構成されている請求項又はに記載の圧縮式ヒートポンプシステム。
  10. 前記高温水貯留部及び前記低温水貯留部の夫々が、温度成層を形成する形態で前記温水を貯留するように構成され、
    前記高温水貯留部が前記低温水貯留部の上方に配置されていると共に、前記高温水貯留部の底部と前記低温水貯留部の天井部とが連通路により連通されている請求項からの何れか一項に記載の圧縮式ヒートポンプシステム。
  11. 前記高温水貯留部に貯留された高温水と前記低温水貯留部に貯留された低温水とを混合割合の調整を伴って混合して給湯部に給湯可能な混合手段を備えた請求項から10の何れか一項に記載の圧縮式ヒートポンプシステム。
  12. 請求項1から11の何れか一項に記載の圧縮式ヒートポンプシステムと、
    電力と熱とを発生する熱電併給装置とを備え、
    前記熱電併給装置が発生した電力を前記圧縮式ヒートポンプシステムが備える圧縮部の駆動源として供給すると共に、前記熱電併給装置の排熱を前記圧縮式ヒートポンプシステムの熱源として供給するように構成されたコージェネレーションシステム。
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