JP2011085284A - ヒートポンプ式暖房装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ヒートポンプ式暖房装置において、ヒートポンプに中温の液体が送られる場合でも、ヒートポンプのCOPを向上させる。
【解決手段】ヒートポンプ式暖房装置1Aは、低圧段圧縮機27、高圧段圧縮機21、放熱器22、膨張機25および蒸発器26を含む冷媒回路3と、加熱液体を生成するために放熱器22を経由して液体を循環させる循環路5と、加熱液体の熱を放出する暖房機4とを備えている。冷媒回路3には、放熱器22で放熱した高圧冷媒から低圧冷媒へ熱を移動させる内部熱交換器23Aが設けられている。循環路5を流れる液体は、放熱器22へ流入する前に、液体冷却用熱交換器24において内部熱交換器23Aから流出した高圧冷媒によって冷却される。
【選択図】図1

Description

本発明は、ヒートポンプ(冷凍サイクル装置)によって生成した加熱液体を利用して暖房を行うヒートポンプ式暖房装置に関する。
従来から、ヒートポンプによって温水を生成し、この温水を利用して暖房を行うヒートポンプ式暖房装置が知られている。例えば特許文献1には、図8に示すようなヒートポンプ式暖房装置100が開示されている。このヒートポンプ式暖房装置100は、冷媒を循環させる冷媒回路10を有するヒートポンプ200と、水を循環させる循環路16とを備えている。
冷媒回路10は、圧縮機11、放熱器12、膨張弁13および蒸発器14が配管でこの順に接続されて構成されている。循環路16は貯湯タンク15を有しており、貯湯タンク15から抜き出された水が放熱器12に送られて温水が生成され、この温水が貯湯タンク15に貯められる。貯湯タンク15に貯められた温水は、例えば居室内に配置された暖房機17に送られ、ここで放熱した後に貯湯タンク15に戻される。
ところで、近年では、ヒートポンプに内部熱交換器を設けることも提案されている。例えば、特許文献2には、給湯用のヒートポンプとして、図9に示すような内部熱交換器18を備えたヒートポンプ201が開示されている。内部熱交換器18は、放熱器12から流出した高圧冷媒と蒸発器14から流出した低圧冷媒との間で熱交換を行わせるためのものである。この構成により、圧縮機11へ吸入される低圧冷媒の温度が上昇し、より高い温度の温水が生成される。
また、特許文献3には、図10(a)に示すようなヒートポンプ202が開示されている。このヒートポンプ202では、冷媒を放熱させる放熱器として第1放熱器12Aと第2放熱器12Bが設けられており、第1放熱器12Aで放熱した高圧冷媒が内部熱交換器18で放熱した後に、第2放熱器12Bに導かれてさらに放熱するようになっている。一方、流通路19を流れる水は、図10(b)に示すように、第2放熱器12Bで加熱された後に第1放熱器12Aでさらに加熱される。
特開2008−39306号公報 特開2006−300487号公報 特開2002−162123号公報
ところで、図8に示すヒートポンプ式暖房装置100では、例えば暖房運転が長時間行われる場合に、暖房機17で水の温度がそれほど低下せずに、ヒートポンプ200の放熱器12に中温(例えば、40〜60°程度)の水が供給されることがある。しかしながら、このように中温の水が放熱器12に供給されると、放熱器12での熱交換効率が低下し、ヒートポンプ200のCOP(Coefficient of Performance)が低下する。なお、この問題は、図9に示すヒートポンプ式暖房装置100のヒートポンプとして、図9に示すヒートポンプ201又は図10(a)に示すヒートポンプ202を採用した場合でも同様である。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、ヒートポンプ式暖房装置において、ヒートポンプに中温の液体が送られる場合でも、ヒートポンプのCOPを向上させることである。
本発明は、上記の課題を解決するために、冷媒を予備圧縮する低圧段圧縮機と、前記低圧段圧縮機で予備圧縮された作動流体をさらに圧縮するための高圧段圧縮機と高圧冷媒を放熱させる放熱器、高圧冷媒を低圧冷媒にし得られた動力によって前記低圧段圧縮機を駆動させる膨張機、および低圧冷媒を吸熱させる蒸発器、を含む冷媒回路と、加熱液体を生成するために前記放熱器を経由して液体を循環させる循環路と、前記加熱液体の熱を放出する暖房機と、前記冷媒回路に設けられた、前記放熱器で放熱した高圧冷媒から低圧冷媒へ熱を移動させる内部熱交換器と、前記内部熱交換器から流出した高圧冷媒によって、前記循環路を流れる液体を前記放熱器へ流入する前に冷却する液体冷却用熱交換器と、を備えたヒートポンプ式暖房装置を提供する。
上記のように構成された本発明のヒートポンプ式暖房装置によれば、ヒートポンプに中温の液体が送られる場合でも、放熱器に低温の液体を導入でき、また、膨張機の入り口冷媒の温度を高めることが出来るので、ヒートポンプのCOPを向上させることができる。
本発明の第1実施形態に係るヒートポンプ式暖房装置の概略構成図 図1に示すヒートポンプ式暖房装置に用いられたヒートポンプのモリエル線図 本発明の第1実施形態の変形例に係るヒートポンプ式暖房装置の概略構成図 本発明の第2実施形態に係るヒートポンプ式暖房装置の概略構成図 図4に示すヒートポンプ式暖房装置に用いられたヒートポンプのモリエル線図 本発明の第3実施形態に係るヒートポンプ式暖房装置の概略構成図 本発明の第4実施形態に係るヒートポンプ式暖房装置の概略構成図 従来のヒートポンプ式暖房装置の概略構成図 従来のヒートポンプの概略構成図 (a)は従来の他のヒートポンプの概略構成図(b)は(a)に示すヒートポンプにおける第1および第2放熱器を通過する冷媒と水の温度を示すグラフ
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係るヒートポンプ式暖房装置1Aを示している。このヒートポンプ式暖房装置1Aは、冷媒を循環させる冷媒回路3を有するヒートポンプ20Aと、液体を循環させる循環路5と、機器の全体的な制御を行う制御装置6とを備えている。
循環路5は、加熱液体を生成するために後述する放熱器22を経由して液体を循環させるものである。本実施形態では、加熱液体の熱を放出する暖房機4が循環路5に組み込まれており、液体が停留することなく循環し、生成された加熱液体が暖房機4で直接放熱するようになっている。すなわち、循環路5は暖房回路としても機能する。
本実施形態では、熱媒体である液体として水が用いられている。ただし、本発明の液体は、必ずしもこれに限定されるものではなく、冷凍回路3を循環する冷媒から熱を受け取り、暖房機4にて大気中に放熱可能なものであればなんでもよい。例えば、液体として、水にプロピレングリコール等を混入した不凍液を用いることも可能である。以下では、液体が水であり、加熱液体が温水であるとして説明する。
冷媒回路3は、冷媒を予備圧縮する低圧段圧縮機27、低圧段圧縮機27から吐出された冷媒を高圧冷媒にする高圧段圧縮機21、高圧冷媒を放熱させる放熱器22、高圧冷媒を低圧冷媒にし、得られた動力によって低圧段圧縮機27を駆動する膨張機25、低圧冷媒を吸熱させる蒸発器26、およびこれらの機器をこの順に接続する第1〜第5配管31〜35で構成されている。放熱器22では、放熱器22を通過する水と冷媒との間で熱交換が行われて水が加熱される。蒸発器26では、ファン26aによって送風される空気と冷媒との間で熱交換が行われて冷媒が吸熱する。本実施形態では、冷媒回路3に、高圧側で超臨界状態となる二酸化酸素が冷媒として充填されている。また、冷媒回路3には、第2配管32と第4配管34に跨って内部熱交換器23Aが設けられており、第2配管32には、内部熱交換器23Aよりも下流側に液体冷却用熱交換器24が設けられている。
内部熱交換器23Aは、放熱器22から流出した高圧冷媒と蒸発器26から流出した低圧冷媒との間で熱交換を行わせて、放熱器22で放熱した高圧冷媒から低圧冷媒へ熱を移動させるものである。液体冷却用熱交換器24は、内部熱交換器23Aから流出した高圧冷媒によって、循環路5を流れる水を放熱器22に流入する前に冷却するものである。
暖房機4は、温水の放熱により例えば居室内を暖房するものである。暖房機4としては、例えば、居室内に設置されるラジエータを採用してもよいし、床に敷設される温水パネルを採用してもよい。
循環路5は、暖房機4から液体冷却用熱交換器24へ水を導く供給管51と、液体冷却用熱交換器24から放熱器22へ水を導く中継管52と、放熱器22から暖房機4へ温水となった水を導く回収管53とを含む。本実施形態では、供給管51にポンプ62が設けられている。また、供給管51には、暖房機4から供給管51に流入した水の温度を検出する温度センサ61が設けられている。
供給管51のポンプ62よりも下流側の部分と中継管52とは、バイパス管54によって接続されている。具体的に、供給管51には三方弁63が設けられており、この三方弁63にバイパス管54の上流端が接続されている。バイパス管54の下流端は、中継管52の途中に接続されている。
三方弁63は、バイパス管54を通さずに水を循環させる、すなわち液体用熱交換器24と放熱器22の双方を経由して水を循環させるか、バイパス管54を通して水を循環させる、すなわち放熱器22のみを経由して水を循環させるか、を切り替えるものであり、本発明の切り替え手段を構成する。なお、本発明の切り替え手段は、三方弁63で構成されている必要はなく、例えば、バイパス管54に設けられた開閉弁、および供給管51におけるバイパス管54がつながる位置よりも下流側に設けられた開閉弁によって構成されていてもよい。
制御装置6は、マイクロコンピュータまたはDSP(digital signal processor)などで構成されており、上述したヒートポンプ20Aならびにポンプ62、温度センサ61および三方弁63と接続されている。
次に、制御装置6が行う制御について具体的に説明する。
制御装置6は、例えばユーザーによって図略の暖房スイッチがONにされると、ヒートポンプ20Aを稼働させるとともにポンプ62を回転させる。これにより、放熱器22で水が加熱されて温水が生成されるとともに、この温水が暖房機4に送られて暖房が行われる。
この暖房運転の間、制御装置6は、温度センサ61によって供給管51に流入した水の温度をモニタリングする。そして、温度センサ61で検出される水温度が予め設定された設定温度(例えば、20℃)未満のとき(以下「低温状態」という。)は、制御装置6は、水がバイパス管54を通して循環されるように三方弁63を制御する。具体的に、制御装置6は、三方弁63を、供給管51の三方弁63よりも上流側部分51aとバイパス管54とが連通する状態にセットする。これにより、放熱器22のみを経由する第1ルートが選択される。
低温状態では、冷媒回路3を循環する冷媒は、次のように作動する。冷媒は、低圧段圧縮機27および高圧段圧縮機21によって高温・高圧に圧縮された後に、放熱器22に流入し、ここで循環路5を流れる水に放熱する。放熱器22から流出した冷媒は、内部熱交換器23Aに流入し、ここで蒸発器26から流出した冷媒にさらに放熱する。内部熱交換器23Aから流出した冷媒は、液体冷却用熱交換器24をそのまま通過し、膨張機25によって減圧され、低温・低圧に膨張する。膨張した冷媒は、蒸発器26に流入し、ここで空気から吸熱する。蒸発器26から流出した冷媒は、内部熱交換器23Aに流入し、ここで放熱器22から流出した冷媒からさらに吸熱する。内部熱交換器23Aから流出した冷媒は、再び低圧段圧縮機27へ吸入されて圧縮される。
一方、循環路5(第1ルート)を循環する水は、放熱器2で加熱されて温水とされた後に、暖房機4に流入して大気中に放熱する。暖房機4にて放熱した水は、再び放熱器2に流入して温水とされる。
逆に、温度センサ61で検出される水温度が前記設定温度以上のとき(以下「中温状態」という。)は、制御装置6は、水がバイパス管54を通さずに循環されるように三方弁63を制御する。具体的に、制御装置6は、三方弁63を、供給管51の三方弁63よりも上流側部分51aと下流側部分51bとが連通する状態にセットする。これにより、液体用熱交換器24と放熱器22の双方を経由する第2ルートが選択される。
中温状態では、液体冷却用熱交換器24へ流入する水の温度は、液体冷却用熱交換器24へ流入する冷媒の温度よりも高くなる。冷媒回路3を循環する冷媒は、次のように作動する。冷媒は、低圧段圧縮機27および高圧段圧縮機21によって高温・高圧に圧縮された後に、放熱器22に流入し、ここで循環路5を流れる水に放熱する。放熱器22から流出した冷媒は、内部熱交換器23Aに流入し、ここで蒸発器26から流出した冷媒にさらに放熱する。内部熱交換器23Aから流出した冷媒は、液体冷却用熱交換器24に流入し、ここで循環路5を流れる水と熱交換することにより液体冷却用熱交換器24へ流入する水の温度近くまで加熱される。液体冷却用熱交換器24から流出した冷媒は、膨張機25によって減圧され、低温・低圧に膨張した後に、蒸発器26に流入し、ここで空気から吸熱する。蒸発器26から流出した冷媒は、内部熱交換器23Aに流入し、ここで放熱器22から流出した冷媒からさらに吸熱する。内部熱交換器23Aから流出した冷媒は、再び低圧段圧縮機27へ吸入されて圧縮される。
一方、循環路5(第2ルート)を循環する水は、放熱器2で加熱されて温水とされた後に、暖房機4に流入して大気中に放熱することにより、中温水となる。暖房機4から流出した中温水は、液体冷却用熱交換器24に流入し、ここで内部熱交換器23Aから流出した冷媒と熱交換することで冷却されて低温になる。低温になった水は、再び放熱器2に流入して温水とされる。
図2は、本実施形態で用いられたヒートポンプ20Aの中温状態でのモリエル線図を示したものである。図中の破線は、図9に示すような液体冷却用熱交換器を有しないヒートポンプ201のモリエル線図である。なお、図2中のA〜G、Iの点は、図1中のA〜G、Iの・印の状態を表す。
液体冷却用熱交換器を有しない図9に示すヒートポンプ201では、放熱器を通過する冷媒の温度は、圧縮機によって高温になったTd’(B’点)から、暖房機からの戻り中温水の温度Tw1近傍のTGC’(C’点)に低下する。放熱器を出た冷媒は、内部熱交換器を通過することによりさらに低温となった後に、膨張機で減圧される。減圧された冷媒のエンタルピーは、蒸発器を通過することによりH2’(F’点)からH1’(G’点)に増加し、内部熱交換器を通過することによりさらに増加する。
一方、本実施形態で用いられたヒートポンプ20Aでは、放熱器22に流入する水は、液体冷却用熱交換器24で冷却されるため、その温度はTw2(<Tw1)となる。それに伴って放熱器22の出口冷媒温度は、TGC(C点)と従来のヒートポンプ201に比べて低くなる。放熱器22を出た冷媒は、内部熱交換器5によってTIH(D点)まで温度を下げた後に、液体冷却用熱交換器24にてTEX(E点)まで温められる。その後、冷媒は、膨張機25にて減圧される。減圧後の冷媒のエンタルピーH2(F点)は、図に示すように従来のヒートポンプ201のH2’と比べて、冷媒が液体冷却用熱交換器24によって温められてから減圧される分、高くなる(H2>H2’)。このため、蒸発器4でのエンタルピー幅(ΔH=H1−H2)は、従来のヒートポンプ201でのエンタルピー幅(ΔH’=H1’−H2’)と比べて小さくなる。
以上のように、本実施形態のヒートポンプ式暖房装置1Aでは、ヒートポンプ20Aに中温水が送られる場合でも、放熱器22に低温の水を導入できる。従って、ヒートポンプ20AのCOPを向上させることができる。
また、本実施形態によれば、従来のヒートポンプ201に比べて、放熱器22の出口冷媒温度を低くできるので、放熱器22の出口冷媒温度に対する最適高圧(ヒートポンプのCOPが最大となる高圧)を下げることができる。このため、冷凍サイクルの高圧と低圧の差圧を小さくできるので、高圧段圧縮機21の圧縮部に加わる差圧力を軽減できる。これによって、冷媒の漏れ損失および摺動損失が軽減されるため、高圧段圧縮機21の効率を向上させることができる。また、冷凍サイクルの高圧を下げることができるので、冷媒回路3の信頼性も向上させることができる。また、構成部材の耐圧強度を下げることができるので、暖房装置を安価に製造することができる。
また、高圧段圧縮機21の吐出圧力が下がることで、高圧段圧縮機21の吐出冷媒温度を低くでき、高温の吐出冷媒に起因する部材の劣化を低減でき、機器の信頼性を向上させることができる。特に、外気温度が極端に低下する場合(−5〜−15℃程度)の圧縮機吐出冷媒の高温化対策に効果を発揮する。
また、一般的に、膨張機へ吸入される冷媒のエンタルピーが大きいほど、断熱膨張変化時のエンタルピー変化幅(ΔH)は大きくなる。膨張機で回収できる動力エネルギーは、このエンタルピー変化幅に比例することから、膨張機へ吸入される冷媒のエンタルピーが大きいほど、膨張機で回収できる動力エネルギーは大きくなる。このため、液体冷却用熱交換器を有しないヒートポンプでの膨張機が回収できる膨張エネルギーよりも、本実施形態で用いられた膨張機25が回収できる膨張エネルギーは、著しく大きくなる。その結果、回収した膨張エネルギーによって低圧段圧縮機27を駆動させたときの圧力上昇幅が大きくなり、高圧段圧縮機27に必要な入力を軽減させることができるので、ヒートポンプ20AのCOPを飛躍的に向上させることができる。
また、本実施形態における冷媒回路3では、最適高圧を下げることができるので、膨張機25に作用する高圧と低圧の差を小さくできる。このため、冷媒の漏れ損失および摺動損失が軽減されることで、膨張機25の効率を向上させることができ、より多くの膨張エネルギーを得ることができる。
さらに、蒸発器26でのエンタルピー幅が小さくなることから、低圧が従来のヒートポンプ201に比べて上昇する。このため、冷凍サイクルの高圧と低圧の差圧をさらに小さくできるので、高圧段圧縮機21の圧縮部に加わる差圧力をいっそう軽減できる。また、蒸発器26内部の圧力が上昇することにより、蒸発器26の平均温度が上昇する。その結果、着霜に伴うデフロスト運転の負荷を低減できるため、ヒートポンプ20Aの消費エネルギーを小さくでき、機器の効率を向上させることができる。
ところで、特許文献3に開示された図10(a)に示すヒートポンプ202は、一見して本実施形態のヒートポンプ20Aと似たような構成を有しているようにも見える。しかしながら、特許文献3のヒートポンプ202では、内部熱交換器18を挟んで第1放熱器12Aと第2放熱器12Bが配置されていて、図10(b)に示すように冷媒および水の温度は下降または上昇し続けるだけであり、本実施形態のヒートポンプ20Aによる作用とは明らかに異なる。さらに、特許文献3には、水の循環について記載されていないばかりでなく、水が中温水になってヒートポンプに戻されることも記載されていない。
なお、本実施形態では、バイパス管54および切り替え手段である三方弁63が設けられていて、水の循環を第1ルートと第2ルートのどちらで行うかを選択できるようになっているが、これらを省略して、水が液体冷却用熱交換器24と放熱器22の双方を常に通るようにしてもよい。ただし、本実施形態のように、循環路5にバイパス管54と切り替え手段を設けておくことは、温度センサ61で検出される水温度が予め設定された設定温度未満のときに、水が第2ルートを通って液体冷却用熱交換器24にて冷媒によって加熱されるのを防ぐことができ、放熱器22に流入する水の温度が可能な限り低くなるように第1ルートと第2ルートを切り替え、冷凍サイクルの効率を高く保つことができるという点で好ましい。
また、本実施形態で用いる液体冷却用熱交換器24と放熱器22はどちらも水と冷媒を熱交換させる熱交換器であるので、それら24,22を一体の水冷媒熱交換器として製造することも可能である。この場合は、水冷媒熱交換器を構成する冷媒流路と水流路とをそれぞれ二分割にすればよい。このようにすれば、熱交換器をコンパクトに設計可能になるので、暖房装置を構成するユニット(例えば、ヒートポンプユニット)を小型化できるのに加え、製造コストを低減させることができる。
<変形例>
なお、前記実施形態では、冷媒回路3で加熱した温水を暖房機4で大気中に放熱させているが、暖房機4は、例えば給湯もしくは融雪などの加熱源として用いられてもよい。これらの用途においても、上記と同様の効果が得られることは言うまでもない。
また、前記実施形態では、冷媒として二酸化炭素を用いているが、本発明の冷媒は、放熱器22の出口冷媒の温度の低下によって、最適高圧が下がる特性を持つ冷媒であればなんでもよい。また、放熱器22の出口冷媒温度が下がることで、放熱器22の入口冷媒と出口冷媒の温度差は広がるため、放熱器22での熱交換効率は向上し、結果高圧は低下する。このため、フロン系冷媒のように通常の運転では、高圧側で超臨界状態とならない冷媒であっても上記と同様の効果を得られることは言うまでもない。
さらに、前記実施形態では、放熱器22を流出した高圧冷媒と蒸発器26から流出した低圧冷媒との間で熱交換を行わせる内部熱交換器23Aを用いたが、図3に示すように、放熱器22から流出した高圧冷媒と蒸発器26へ流入する前の低圧冷媒との間で熱交換を行わせる内部熱交換器23Bを用いてもよい。
また、高圧段圧縮機21を、主圧縮機とこれに並列に接続された副圧縮機で構成することも可能である。
また、本実施形態では、膨張機を減圧手段として用いているが、冷媒差圧で動力回収する流体圧モータを用いても同様の効果を得ることができる。
なお、上述した変形例は、後述する実施形態においても適用可能である。
(第2実施形態)
図4は、本発明の第2実施形態に係るヒートポンプ式暖房装置1Bを示している。図4に示すように、第2実施形態のヒートポンプ式暖房装置1Bは、第1実施形態のヒートポンプ式暖房装置1Aとほぼ同様な構成である。そのため、同一機能部品については同一の符号を付し、同様な構成およびその動作についての説明を省略する。なお、この点は、後述する第3〜第4実施形態においても同様である。
本実施形態のヒートポンプ式暖房装置1Bが第1実施形態のヒートポンプ式暖房装置1Aと異なる点は、膨張機25の下流側に気液分離器28を設け、気液分離器28の気相空間と低圧段圧縮機27の吐出管とを連通するガスバイパス配管36と、気液分離器28の液相空間と蒸発器26との間に設けられた膨張弁29とが用いられている点のみである。本実施形態でも、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
図5は、本実施形態で用いられたヒートポンプ20Bの中温状態でのモリエル線図を示したものである。
本実施形態で用いられたヒートポンプ20Bでは、放熱器22を出た冷媒は、内部熱交換器23Aによって温度を下げた後、液体冷却用熱交換器24にてE点まで温められて膨張機25に吸入される。そして、冷媒はJ点まで膨張した後、気液分離器28の中で、気相と液相に分離する。この時の気相冷媒がK点、液相冷媒がL点である。液相冷媒は、膨張弁29でF点まで減圧された後、蒸発器26に流入する。一方、気相冷媒は、低圧段圧縮機の吐出側配管である第5配管35にガスバイパス配管36を経て合流する。
以上の様に、本実施形態のヒートポンプ式暖房装置1Bでは、液体冷却用熱交換器24で冷媒のエンタルピーを大きくしてから膨張機25で減圧させ、減圧後の気相割合が大きい冷媒状態でも、気液分離器28によって気相冷媒を蒸発器26をバイパスさせて運転することができるので、蒸発器26に過剰の気相冷媒が流入することによる圧力損失を防ぐことで、ヒートポンプ20BのCOPを向上させることができる。
また、本実施形態における冷媒回路3では、高圧段圧縮機21の吸入側冷媒の状態(A点)は、膨張機25の減圧後冷媒の気相冷媒(K点)と、低圧段圧縮機27の吐出冷媒とが混合するため、冷媒密度は上昇する。(モリエル線図では、等圧線上では左に位置するほど密度が高くなる)このため、高圧段圧縮機21が吐出する冷媒質量流量が大きくなるため、放熱器22での放熱能力を高めることができる。
(第3実施形態)
図6は、本発明の第3実施形態に係るヒートポンプ式暖房装置1Cを示している。本実施形態のヒートポンプ式暖房装置1Cが第1実施形態のヒートポンプ式暖房装置1Aと異なる点は、循環路5が暖房機4の代わりに貯湯タンク50で構成されている点である。
貯湯タンク50は、鉛直方向に延びる円筒状の密閉容器であり、内部は水で満たされている。貯湯タンク50の下部は、供給管51によって液体冷却用熱交換器24と接続され、貯湯タンク50の上部は、回収管53によって放熱器22と接続されている。そして、ポンプ62が回転させられると、供給管31によって貯湯タンク50の下部から液体冷却用熱交換器24へ水が導かれるとともに、回収管53によって放熱器22から貯湯タンク50の上部へ温水となった水が導かれる。これにより、貯湯タンク50内には温水が上側から貯められる。また、本実施形態では、供給管51に設けられた温度センサ61によって、貯湯タンク50から供給管51に流入した水の温度が検出される。
一方、暖房機4は、送り管81によって貯湯タンク50の上部と接続されているとともに、戻し管82によって貯湯タンク50の下部と接続されている。本実施形態では、戻し管82に暖房用ポンプ65が設けられているが、暖房用ポンプ65は送り管81に設けられていてもよい。暖房用ポンプ65は、制御装置6に接続されている。そして、暖房用ポンプ65が回転させられると、貯湯タンク50に貯められた温水が送り管81を通じて暖房機4に送られるとともに、暖房機4で放熱した温水が戻し管82を通じて貯湯タンク50に戻される。すなわち、貯湯タンク50、送り管81、暖房機4および戻し管82は、暖房回路8を構成する。
次に、制御装置6が行う制御について具体的に説明する。
<貯湯運転>
制御装置6は、貯湯タンク50に設けられた図略のセンサによって貯湯タンク50内の温水量が少ないと判定すると、ヒートポンプ20Cを稼働させるとともにポンプ62を回転させる。これにより、放熱器22で水が加熱されて温水が生成されるとともに、この温水が貯湯タンク50に送られて貯湯が行われる。
この貯湯運転の間、制御装置6は、温度センサ61によって供給管51に流入した水の温度をモニタリングする。そして、温度センサ61で検出される水温度が予め設定された設定温度未満のとき(低温状態)は、制御装置6は、水がバイパス管54を通して循環されるように三方弁63を制御する。具体的に、制御装置6は、三方弁63を、供給管51の三方弁63よりも上流側部分51aとバイパス管54とが連通する状態にセットする。これにより、放熱器22のみを経由する第1ルートが選択される。
低温状態では、冷媒回路3を循環する冷媒は、第1実施形態と同様に作動する。一方、循環路5(第1ルート)を循環する水は、放熱器2で加熱されて温水とされた後に、貯湯タンク50に貯められる。貯湯タンク50の下部から抜き出された水は、再び放熱器2に流入して温水とされる。
逆に、温度センサ61で検出される水温度が前記設定温度以上のとき(中温状態)は、制御装置6は、水がバイパス管54を通さずに循環されるように三方弁63を制御する。具体的に、制御装置6は、三方弁63を、供給管51の三方弁63よりも上流側部分51aと下流側部分51bとが連通する状態にセットする。これにより、液体用熱交換器24と放熱器22の双方を経由する第2ルートが選択される。
中温状態では、液体冷却用熱交換器24へ流入する水の温度は、液体冷却用熱交換器24へ流入する冷媒の温度よりも高くなる。冷媒回路3を循環する冷媒は、第1実施形態と同様に作動する。一方、循環路5(第2ルート)を循環する水は、放熱器2で加熱されて温水とされた後に、貯湯タンク50に貯められる。貯湯タンク50の下部には、暖房機4で十分に放熱できずに中温水となった水が貯められている。貯湯タンク50の下部から抜き出された中温水は、液体冷却用熱交換器24に流入し、ここで内部熱交換器23Aから流出した冷媒と熱交換することで冷却されて低温になる。低温になった水は、再び放熱器2に流入して温水とされる。
<暖房運転>
制御装置6は、例えばユーザーによって図略の暖房スイッチがONにされると、暖房用ポンプ65を回転させる。これにより、貯湯タンク50内に貯められた温水が暖房機4に送られて暖房が行われる。
本実施形態でも、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。また、本実施形態では、沸きあがった温水を貯湯タンク50に一旦貯留することができるので、例えば暖房を一時的に停止した後に再び運転させる場合に、暖房運転の停止によって冷えてしまった水をヒートポンプ20Aで温め直す前に、貯湯タンク50に貯留している温水を暖房機4に送り込むことで、すばやく暖房運転を再開することができる。
また、本実施形態によれば、夜間の安価な電気料金で高温の温水を生成し、この温水を貯湯タンク50に貯めることができるため、暖房運転にかかるランニングコストを下げることができる。
<変形例>
貯湯タンク50には、貯湯タンク50に水道水を供給する給水管91(図7参照)を設けてもよい。このようにすることで、暖房機4に流入する温水と水道水とを混ぜたり熱交換させたりして暖房機4に流入する温水の温度を自由に制御することがでる。さらに、水道水によって暖房機4へ流入する水の温度を制御可能となるため、貯湯タンク50には暖房機4で使用する温水より高い温度の温水を貯留しておいても、暖房機4には最適な温度を流入させることができる。このため、貯湯タンク50に蓄える蓄熱量を増加させるこができるので、ヒートポンプ20Aの運転を長時間停止しても暖房回路8での暖房運転を持続することができる。あるいは、送り管81に混合弁を設け、この混合弁に給水管91を接続してもよい。
また、貯湯タンク50に、貯湯タンク50から温水を取り出す出湯管92(図7参照)を設けてもよい。このようにすることで、暖房運転を行いながら、給湯も行うことができる。
なお、前記実施形態においても、気液分離器28を備えたヒートポンプ20Bを採用可能であることは言うまでもない。
(第4実施形態)
図7は、本発明の第5実施形態に係るヒートポンプ式暖房装置1Dを示している。本実施形態のヒートポンプ式暖房装置1Dが第4実施形態のヒートポンプ式暖房装置1Cと異なる点は、貯湯タンク50内にタンク内熱交換器83が配設されている点である。また、貯湯タンク50の下部には給水管91が接続されており、貯湯タンク50の上部には出湯管92が接続されている。
タンク内熱交換器83は、貯湯タンク50に貯められた温水によって第2の液体である熱媒体を加熱するためのものである。タンク内熱交換器83は、送り管81および戻し管82によって暖房機4と接続されている。そして、暖房用ポンプ65が回転させられると、タンク内熱交換器83で加熱された熱媒体が送り管81を通じて暖房機4に送られ、暖房機4で放熱した熱媒体が戻し管82を通じてタンク内熱交換器83に戻される。熱媒体としては、例えば不凍液を用いることも可能であるが、安価で大量入手可能な水を用いることが好ましい。
なお、制御装置6が行う制御は、第3実施形態と同じであるため、その説明は省略する。ただし、暖房運転時には、貯湯タンク50内に貯められた温水と熱交換した熱媒体が暖房機4で放熱することにより、すなわち温水の熱が熱媒体を介して暖房機4で放出されることにより暖房が行われる。
本実施形態でも、第3実施形態と同様の効果を得ることができる。
本発明のヒートポンプ式暖房装置は、暖房機で発生する中温水を利用しながらヒートポンプのCOPを向上させる手段として有用である。
1A〜1D ヒートポンプ式暖房装置
20A〜20B ヒートポンプ
21 高圧段圧縮機
22 放熱器
23A,23B 内部熱交換器
24 液体冷却用熱交換器
25 膨張機
26 蒸発器
27 低圧段圧縮機
3 冷媒回路
4 暖房機
5 循環路
50 貯湯タンク
51 供給管
52 中継管
53 回収管
54 バイパス管
6 制御装置
61 温度センサ
81 送り管
82 戻し管
83 タンク内熱交換器
91 給水管
92 給湯管

Claims (13)

  1. 冷媒を予備圧縮する低圧段圧縮機と、
    前記低圧段圧縮機で予備圧縮された作動流体をさらに圧縮するための高圧段圧縮機と
    高圧冷媒を放熱させる放熱器、高圧冷媒を低圧冷媒にし得られた動力によって前記低圧段圧縮機を駆動させる膨張機、および低圧冷媒を吸熱させる蒸発器、を含む冷媒回路と、
    加熱液体を生成するために前記放熱器を経由して液体を循環させる循環路と、
    前記加熱液体の熱を放出する暖房機と、
    前記冷媒回路に設けられた、前記放熱器で放熱した高圧冷媒から低圧冷媒へ熱を移動させる内部熱交換器と、
    前記内部熱交換器から流出した高圧冷媒によって、前記循環路を流れる液体を前記放熱器へ流入する前に冷却する液体冷却用熱交換器と、
    を備えたヒートポンプ式暖房装置。
  2. 前記液体冷却用熱交換器へ流入する液体の温度は、前記液体冷却用熱交換器へ流入する高圧冷媒の温度よりも高い、請求項1に記載のヒートポンプ式暖房装置。
  3. 前記内部熱交換器は、前記放熱器から流出した高圧冷媒と前記蒸発器から流出した低圧冷媒との間で熱交換を行わせるものである、請求項1または2に記載のヒートポンプ式暖房装置。
  4. 前記内部熱交換器は、前記放熱器から流出した高圧冷媒と前記蒸発器へ流入する前の低圧冷媒との間で熱交換を行わせるものである、請求項1または2に記載のヒートポンプ式暖房装置。
  5. 前記膨張機と前記低圧段圧縮機は一軸で連結されている、請求項1〜4のいずれか一項に記載のヒートポンプ式暖房装置。
  6. 前記膨張機の冷媒下流側に設けた気液分離器と、
    前記気液分離器の気相空間と前記低圧段圧縮機の吐出管とを連通するガスバイパス配管と、
    前記気液分離器の液相空間と前記蒸発器との間に設けられた減圧手段と、
    を備えた請求項1〜5のいずれかに一項に記載のヒートポンプ式暖房装置。
  7. 前記循環路は、前記暖房機から前記液体冷却用熱交換器へ液体を導く供給管と、前記液体冷却用熱交換器から前記放熱器へ液体を導く中継管と、前記放熱器から前記暖房機へ加熱液体となった液体を導く回収管とを含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載のヒートポンプ式暖房装置。
  8. 前記循環路は、前記加熱液体を貯めるタンクと、前記タンクから前記液体冷却用熱交換器へ液体を導く供給管と、前記液体冷却用熱交換器から前記放熱器へ液体を導く中継管と、前記放熱器から前記タンクへ加熱液体となった液体を導く回収管とを含み、
    前記タンクに貯められた加熱液体を前記暖房機に送る送り管と、
    前記暖房機で放熱した加熱液体を前記タンクに戻す戻し管と、をさらに備える、請求項1〜6のいずれか一項に記載のヒートポンプ式暖房装置。
  9. 前記循環路は、前記加熱液体を貯めるタンクと、前記タンクから前記液体冷却用熱交換器へ液体を導く供給管と、前記液体冷却用熱交換器から前記放熱器へ液体を導く中継管と、前記放熱器から前記タンクへ加熱液体となった液体を導く回収管とを含み、
    前記タンク内に配設され、前記タンクに貯められた加熱液体によって熱媒体を加熱するタンク内熱交換器と、
    前記タンク内熱交換器で加熱された熱媒体を前記暖房機に送る送り管と、
    前記暖房機で放熱した熱媒体を前記タンク内熱交換器に戻す戻し管と、をさらに備える、請求項1〜6のいずれか一項に記載のヒートポンプ式暖房装置。
  10. 前記液体は水であり、前記加熱液体は温水であり、
    前記タンクに水道水を供給する給水管と、前記タンクから温水を取り出す出湯管と、
    をさらに備える、請求項8または9に記載のヒートポンプ式暖房装置。
  11. 前記循環路は、前記供給管と前記中継管とを接続するバイパス管と、前記液体を前記バイパス管を通さずに循環させるか前記バイパス管を通して循環させるかを切り替える切り替え手段をさらに含む、請求項7〜10のいずれか一項に記載のヒートポンプ式暖房装置。
  12. 前記供給管には、当該供給管に流入した液体の温度を検出する温度センサが設けられており、
    前記温度センサで検出される液体温度が所定温度未満のときは前記液体が前記バイパス管を通して循環され、前記温度センサで検出される液体温度が前記所定温度以上のときは前記液体が前記バイパス管を通さずに循環されるように、前記切り替え手段を制御する制御装置をさらに備える、請求項11に記載のヒートポンプ式暖房装置。
  13. 前記冷媒は二酸化炭素である、請求項1〜12のいずれかに記載のヒートポンプ式暖房装置。
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