JP3719325B2 - ポリテトラメチレンエーテルグリコールジカルボン酸エステルの連続的製造方法 - Google Patents

ポリテトラメチレンエーテルグリコールジカルボン酸エステルの連続的製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はポリテトラメチレンエーテルグリコールジカルボン酸エステルの製造方法に関する。ポリテトラメチレンエーテルグリコールジカルボン酸エステルをアルコールとエステル交換して得られるポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMGと略記する)は、ポリエステル樹脂或いはポリウレタン樹脂の原料として有用な物質である。
【0002】
【従来の技術】
PTMGの製造法に関しては多くの製法が知られているが、中でも、テトラヒドロフラン(THF)をカルボン酸無水物、例えば無水酢酸及び触媒の存在下、開環重合させて得られるポリテトラメチレンエーテルグリコールのジカルボン酸エステル(PTMEと略記する)を低級アルコールでエステル交換してPTMGを製造する方法が、廃棄物が少なく、工業的に優れた方法であるとされている。
PTMGに要求される品質として、分子量及び分子量分布がある。PTMGとしては分子量分布の狭い製品が要望されている。PTMGの分子量分布を狭くする方法としては、通常、溶媒分別や、分子蒸留等の手段で、PTMG中のオリゴマーを分離する方法が知られているが、オリゴマーを分離する設備や、分離したオリゴマーを再利用するための設備が必要であり、経済的に有利ではない。
【0003】
上記の如き背景から、反応条件の制御により分子量分布の狭いPTMG或いはその原料のPTMEを製造する方法の開発が望まれていた。
固体酸触媒を用いてTHFからPTMEを製造する反応を、従来から知られた固定床反応により実施すると、THFの転化率にもよるが反応液は数十mPaSの粘度になり、下降流で反応するときは反応器の差圧の関係から触媒の粒子の大きさを3mmを超える大きさにする必要がある。
上昇流の反応では粒子径の小さな触媒を採用出来るが、偏流を避けがたくコントロールが難しい。また、THFの重合反応は発熱反応であり、反応器内の温度分布が出来るため、これによってもPTMEの分子量分布は拡大する。温度によるPTMEの分子量分布の拡大を防止するためには適当な除熱が必要であり、設備面での工夫を要する。
【0004】
また、この反応で生成するPTMEの分子量はカルボン酸無水物とTHFのモル比によって決定される。重合反応は、触媒の細孔内の活性点で起こるので、活性点での基質のモル比が問題となる。触媒の粒径が大きくなると、特に粘度の高くなる本反応のような場合には、基質の拡散を十分に考慮しなければならないが、大きな粒径を必要とする固定床反応器では、触媒内部へのそれぞれの基質の拡散速度が異なり、触媒内部に基質のモル比の分布が出来るために、得られるPTMEの分子量分布が拡大する。これを防止するには小さな粒径の触媒を用いるのが望ましいが、固定床反応器では難しい。
【0005】
一方、小さな粒径の触媒を用いる方法として懸濁床反応器では、基質の滞留時間が不均一になるため、通常、固定床反応器の場合より分子量分布は広くなることが知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、PTMGの原料となる、PTMEの製造条件を選択することにより、分子量分布の狭いPTMEを工業的有利に製造する方法を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者等の検討によれば、連続的にPTMEを製造する場合、従来知られている固定床触媒を使用する方法では、分子量分布の制御が難しく、PTMG製品に要求される分子量分布に応じたPTMEを得ることは困難であるが、触媒の使用形態を変えることにより分子量分布を制御できることを知り本発明を達成した。即ち本発明の要旨は、テトラヒドロフランとカルボン酸無水物を触媒の存在下、連続的に反応させ、ポリテトラメチレンエーテルグリコールジカルボン酸エステルを連続的に製造する方法に於いて、触媒として無機固体酸触媒を懸濁状態で使用することを特徴とするポリテトラメチレンエーテルグリコールジカルボン酸エステルの連続的製造方法に存する。
本発明方法は、触媒を懸濁状態で使用することにより、分子量分布の改善に成功したものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明につき詳細に説明する。
本発明方法に使用される無水カルボン酸としては、特に限定されるものではないが、無水酢酸が好ましい。カルボン酸無水物の使用量は最終製品であるPTMGに要求される分子量、および触媒の特性によって異なるが、通常、THF、カルボン酸無水物、触媒を主体とする反応液中濃度が0.1〜30重量%程度となる量使用される。
また、無水カルボン酸とともに対応するカルボン酸を併用しても良い。通常、カルボン酸無水物/THFはモル比で0.001〜0.3、カルボン酸/THFはモル比で0〜0.1、カルボン酸/カルボン酸無水物はモル比で0〜1/3、好ましくは0〜1/15の使用量で用いられる。
【0009】
本発明方法に使用される触媒は無機固体酸触媒であって具体的には活性白土、シリカアルミナ、ジルコニアシリカ等の粉末、又は成形触媒が好適に用いられる。触媒の粒径は大きい方が触媒分離には好ましいが、触媒内部での基質の分布によるPTMEの分子量分布の拡大が生じるので、あまり大きな粒径は好ましくなく、平均粒子径で3.0〜0.001mm、好ましくは1.0〜0.005mmが好適に用いられる。触媒の反応液中の濃度は、用いる触媒の活性にもよるが、通常1〜20重量%、好ましくは5〜10重量%の濃度で用いられる。
【0010】
本発明は触媒を流動状態で使用するので、攪拌機付の反応器、或いは適当な液上昇速度を持った管型反応器が好適に用いられる。触媒は、液と共に反応器外に流れ出るので触媒を反応液と分離して反応器に戻すことが必要であり、触媒の分離は、濾過、遠心濾過、遠心沈降などの方法が好適に用いられる。
反応は、20〜60℃、好ましくは30〜50℃で実施される。
反応の圧力は、常圧或いは若干加圧(0〜0.2MPa)が好ましく、窒素シール下で反応を行うのが好ましい。反応液の滞留時間は用いる触媒の活性および濃度によって決定されるが、通常2〜15時間である。かくして得られたPTMEは、同一の触媒、又はそれを成形して得た触媒を用いた固定床反応によるPTMEに比べ分子量分布が改善されており、特段の分別を行うことなくエステル交換によりPTMGに変換して使用に供することが出来る。
【0011】
【実施例】
以下、本発明を実施例をもって具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例で使用した触媒は参考例に従って調製した。
【0012】
参考例1
0.3容量部のナス型フラスコの中で、23.4重量部のZrO(NO2 2 ・2H2 Oを1容量部のH2 Oに溶解した後、粒径0.075〜0.5mmφのCARiACT−15(商品名、富士シリシア化学(株)製シリカ担体)100重量部をこれに添加した。この混合物をロータリーエバポレーターにより2時間混合した後、28%NH3 水溶液を0.01容量部加え、更に2時間攪拌した。水を油浴温度70℃にて減圧下除去した後、120℃で乾燥させ、更に800℃で焼成した。
【0013】
参考例2
市販の漂白土(独国Sued−chemie製Tonsil Oputimum FF)100重量部に水を60重量部を加えて混練したのち、押し出し成形し、更に乾燥させて直径1.7mm、長さ5mmの円柱状の触媒を得た。
【0014】
実施例1
攪拌装置を備え付けた容量1.5容量部のジャケット付き加圧濾過器に参考例1で合成した触媒を60重量部投入した。ジャケットに40℃の温水を流して加圧濾過器内の温度を一定に保ちながら、無水酢酸を8重量%含むTHFを加圧濾過器内を満たすようにして0.1容量部/hrで流通させた。
流通開始後、700時間目に反応液をサンプリングしゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で分析した。GPCのキャリブレーションには、英国POLYMER LABORATORIES社のPOLYTETRAHYDROFURANキャリブレーションキットを使用した。その結果、数平均分子量(Mn)は1940、分子量分布の目安であるMw/Mnは2.0であった。また転化率は40%であった。
【0015】
実施例2
触媒に30重量部の活性白土(独国Sued−chemie製TonsilOputimum FF)を粉末状のまま用いた他は実施例1と同様にして反応を行った。流通開始後700時間目に反応液をサンプリングしGPCで分析した。Mnは2150、Mw/Mnは2.1、転化率は30%であった。
【0016】
比較例1
ジャケットを備え、1容量部の容積及び約1:7の直径対長さの比率を有する反応管に参考例1で得た触媒を充填した。この反応管のジャケットに40℃の温水を通して内温を一定に保ちながら、無水酢酸を5%含むTHFを毎時1容量部で流通させた。流通開始後700時間目に反応液をサンプリングしGPCで分析した。Mnは2000、Mw/Mnは2.2、転化率は35%であった。
【0017】
比較例2
参考例2で得た触媒を用いた他は比較例1と同様に実施した。流通開始後700時間目に反応液をサンプリングしGPCで分析した。Mnは1700、Mw/Mnは2.4、転化率は30%であった。
【0018】
比較例3
触媒に独国Sued−chemie製の成形モンモリロナイトK306を用い、無水酢酸濃度を14%とした他は実施例2と同様に実施した。この触媒は4〜5mmの球状に成形されている。流通開始後700時間目に反応液をサンプリングしGPCで分析した。Mnは1030、Mw/Mnは3.5、転化率は24%であった。
【0019】
【発明の効果】
本発明方法によれば、重合条件を選択することによって分子量分布の狭いPTMEを得ることが出来るので、これを原料として製造されたPTMGも狭い分子量分布の製品となる。従って、本発明方法によれば、PTMGの分子量分布を狭くするために、オリゴマーの分離を行う必要がなく、工業的に極めて有利な方法である。

Claims (2)

  1. テトラヒドロフランとカルボン酸無水物を触媒の存在下、連続的に反応させ、ポリテトラメチレンエーテルグリコールジカルボン酸エステルを連続的に製造する方法に於いて、触媒として平均粒子径が3mm以下の無機固体酸触媒を懸濁状態で使用することを特徴とするポリテトラメチレンエーテルグリコールジカルボン酸エステルの連続的製造方法。
  2. 無機固体酸触媒の平均粒子径が1.0〜0.005mmであることを特徴とする請求項1記載のポリテトラメチレンエーテルグリコールジカルボン酸エステルの連続的製造方法。
JP10101198A 1998-04-13 1998-04-13 ポリテトラメチレンエーテルグリコールジカルボン酸エステルの連続的製造方法 Expired - Lifetime JP3719325B2 (ja)

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