JP3717862B2 - アルミ溶解保持炉 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明はアルミ溶解保持炉に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
例えばフィルター付き黒鉛ルツボは、側壁や底壁に穿設したフィルター嵌着孔に溶湯フィルターを嵌着したもので、アルミ溶解保持用ルツボやアルミ連続溶解保持炉の汲出し室のアルミ溶湯内に浸漬し、溶湯フィルターにより濾過されて酸化物や不純物等の夾雑物が除去されたアルミ溶湯を汲出すためのものである。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、フィルター付き黒鉛ルツボはアルミ溶湯よりも比重が軽く、アルミ溶湯内に浸漬すると浮き上がってしまう。このため、フィルター付き黒鉛ルツボをアルミ溶解保持炉に溶解保持されたアルミ溶湯に浸漬して使用する場合には、フィルター付き黒鉛ルツボの上端面の複数箇所を押えて浮き上がらないように保持する必要がある。
本発明は、上記要請に応えるためになされたもので、アルミ溶湯中での黒鉛ルツボの浮き上がりを防止できるアルミ溶解保持炉を提供することを目的とする。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための請求項１に記載のアルミ溶解保持炉は、上端の汲出し口の外周部にフランジを一体形成し、該フランジの全周若しくは複数箇所に鉄皮を嵌着し、該鉄皮に係止部材を複数個配設するとともに、フィルター嵌着孔を穿設して溶湯フィルターを嵌着した黒鉛ルツボを、溶解保持されるルツボ内のアルミ溶湯に浸漬させて、前記溶湯フィルターにより濾過されたアルミ溶湯を前記黒鉛ルツボの汲出し口から汲出すようにしたアルミ溶解保持炉において、前記黒鉛ルツボの係止部材に係止板を固定するとともに、アルミ溶解保持炉に水平旋回により前記ルツボ上に移動する複数個の係止アームを配設し、該係止アームにより前記係止部材に固定した係止板を係止し、前記ルツボ内のアルミ溶湯に浸漬した前記黒鉛ルツボの浮き上がりを防止することを特徴とする。
【０００５】
【発明の作用及び効果】
請求項１に記載のアルミ溶解保持炉によれば、水平旋回によりルツボ上に移動する複数個の係止アームにより、係止部材に固定した係止板を係止して、溶解保持されるルツボ内のアルミ溶湯に浸漬した黒鉛ルツボの浮き上がりを防止する。係止板を固定した複数の係止部材は、フランジの全周若しくは複数箇所に嵌着した鉄皮に配設されているから、強度的に十分であり操業時の黒鉛ルツボの浮き上がり防止を安全かつ確実に行なうことができる。
【０００６】
【発明の実施の形態】
本発明のアルミ溶解保持炉３１について図１を参照して説明する。アルミ溶解保持炉３１は、アルミ溶湯を溶解保持するルツボ３２が設置されている。そして、アルミ溶解保持炉３１には、略１２０度角間隔置きに旋回軸３３が配設されている。該旋回軸３３には、水平旋回により移動してルツボ３２上に突出する係止アーム３４が支持されている。ルツボ３２内ではアルミ溶湯が溶解保持され、フィルター付き黒鉛ルツボ２１が浸漬される。
【０００７】
図２は上記フィルター付き黒鉛ルツボ２１の断面図である。フィルター付き黒鉛ルツボ２１は、ルツボ本体２２の側部の数箇所及び底面に穿設したフィルター嵌着孔２３に溶湯フィルター２４が嵌着されるとともに、上端に開口した汲出し口２５の外周に一体形成したフランジ２６の全周に鉄皮２７が嵌着され、該鉄皮２７の上面に浮き上がり防止用の係止部材２８を略１２０度角間隔置きに配設したものである。係止部材２８には、上端に係止板２９が固定されている。
【０００８】
上記フィルター付き黒鉛ルツボ２１は、図１に示すようにアルミ溶解保持炉３１のルツボ３２のアルミ溶湯内に浸漬し、溶湯フィルター２４により濾過されて酸化物や不純物等の夾雑物が除去されたアルミ溶湯を汲出し口２５から汲出す。この場合、フィルター付き黒鉛ルツボ２１はアルミ溶湯よりも比重が軽いため、アルミ溶湯内に浸漬すると浮き上がってしまう。このため、アルミ溶解保持炉３１に略１２０度角間隔置き配設した旋回軸３３に支持してルツボ３２上に突出させた係止アーム３４の係止部３５に、フィルター付き黒鉛ルツボ２１の鉄皮２７の上面に配設した係止部材２８の係止板２９を係止して浮き上がりを防止する。係止アーム３４は、旋回軸３３により旋回させてルツボ３２上から退避させることができる。
【０００９】
上記したように係止アーム３４に係止される係止部材２８は、フランジ２６の全周に嵌着した鉄皮２７に配設されているから、強度的に十分でありアルミ溶解保持炉３１のルツボ３２のアルミ溶湯内に浸漬したときの浮き上がり防止及び溶湯フィルター２４交換等の際に係止部材２８による吊り上げ搬送を安全かつ確実に行なうことができる。
【００１０】
尚、フランジ２６に嵌着する鉄皮は、略１２０度角間隔置きに断面コの字形の鉄皮を嵌着して、上面に係止部材２８を配設してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図１】 アルミ溶解保持炉の断面図である。
【図２】 フィルター付き黒鉛ルツボの断面図である。
【符号の説明】
２１... フィルター付き黒鉛ルツボ
２３...フィルター嵌着孔
２４... 溶湯フィルター
２５...汲出し口
２６...フランジ
２７...鉄皮
２８... 係止部材
２９ ... 係止板
３１...アルミ溶解保持炉
３２ ... ルツボ
３３ ... 旋回軸
３４...係止アーム
【発明の属する技術分野】
本発明はアルミ溶解保持炉に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
例えばフィルター付き黒鉛ルツボは、側壁や底壁に穿設したフィルター嵌着孔に溶湯フィルターを嵌着したもので、アルミ溶解保持用ルツボやアルミ連続溶解保持炉の汲出し室のアルミ溶湯内に浸漬し、溶湯フィルターにより濾過されて酸化物や不純物等の夾雑物が除去されたアルミ溶湯を汲出すためのものである。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、フィルター付き黒鉛ルツボはアルミ溶湯よりも比重が軽く、アルミ溶湯内に浸漬すると浮き上がってしまう。このため、フィルター付き黒鉛ルツボをアルミ溶解保持炉に溶解保持されたアルミ溶湯に浸漬して使用する場合には、フィルター付き黒鉛ルツボの上端面の複数箇所を押えて浮き上がらないように保持する必要がある。
本発明は、上記要請に応えるためになされたもので、アルミ溶湯中での黒鉛ルツボの浮き上がりを防止できるアルミ溶解保持炉を提供することを目的とする。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための請求項１に記載のアルミ溶解保持炉は、上端の汲出し口の外周部にフランジを一体形成し、該フランジの全周若しくは複数箇所に鉄皮を嵌着し、該鉄皮に係止部材を複数個配設するとともに、フィルター嵌着孔を穿設して溶湯フィルターを嵌着した黒鉛ルツボを、溶解保持されるルツボ内のアルミ溶湯に浸漬させて、前記溶湯フィルターにより濾過されたアルミ溶湯を前記黒鉛ルツボの汲出し口から汲出すようにしたアルミ溶解保持炉において、前記黒鉛ルツボの係止部材に係止板を固定するとともに、アルミ溶解保持炉に水平旋回により前記ルツボ上に移動する複数個の係止アームを配設し、該係止アームにより前記係止部材に固定した係止板を係止し、前記ルツボ内のアルミ溶湯に浸漬した前記黒鉛ルツボの浮き上がりを防止することを特徴とする。
【０００５】
【発明の作用及び効果】
請求項１に記載のアルミ溶解保持炉によれば、水平旋回によりルツボ上に移動する複数個の係止アームにより、係止部材に固定した係止板を係止して、溶解保持されるルツボ内のアルミ溶湯に浸漬した黒鉛ルツボの浮き上がりを防止する。係止板を固定した複数の係止部材は、フランジの全周若しくは複数箇所に嵌着した鉄皮に配設されているから、強度的に十分であり操業時の黒鉛ルツボの浮き上がり防止を安全かつ確実に行なうことができる。
【０００６】
【発明の実施の形態】
本発明のアルミ溶解保持炉３１について図１を参照して説明する。アルミ溶解保持炉３１は、アルミ溶湯を溶解保持するルツボ３２が設置されている。そして、アルミ溶解保持炉３１には、略１２０度角間隔置きに旋回軸３３が配設されている。該旋回軸３３には、水平旋回により移動してルツボ３２上に突出する係止アーム３４が支持されている。ルツボ３２内ではアルミ溶湯が溶解保持され、フィルター付き黒鉛ルツボ２１が浸漬される。
【０００７】
図２は上記フィルター付き黒鉛ルツボ２１の断面図である。フィルター付き黒鉛ルツボ２１は、ルツボ本体２２の側部の数箇所及び底面に穿設したフィルター嵌着孔２３に溶湯フィルター２４が嵌着されるとともに、上端に開口した汲出し口２５の外周に一体形成したフランジ２６の全周に鉄皮２７が嵌着され、該鉄皮２７の上面に浮き上がり防止用の係止部材２８を略１２０度角間隔置きに配設したものである。係止部材２８には、上端に係止板２９が固定されている。
【０００８】
上記フィルター付き黒鉛ルツボ２１は、図１に示すようにアルミ溶解保持炉３１のルツボ３２のアルミ溶湯内に浸漬し、溶湯フィルター２４により濾過されて酸化物や不純物等の夾雑物が除去されたアルミ溶湯を汲出し口２５から汲出す。この場合、フィルター付き黒鉛ルツボ２１はアルミ溶湯よりも比重が軽いため、アルミ溶湯内に浸漬すると浮き上がってしまう。このため、アルミ溶解保持炉３１に略１２０度角間隔置き配設した旋回軸３３に支持してルツボ３２上に突出させた係止アーム３４の係止部３５に、フィルター付き黒鉛ルツボ２１の鉄皮２７の上面に配設した係止部材２８の係止板２９を係止して浮き上がりを防止する。係止アーム３４は、旋回軸３３により旋回させてルツボ３２上から退避させることができる。
【０００９】
上記したように係止アーム３４に係止される係止部材２８は、フランジ２６の全周に嵌着した鉄皮２７に配設されているから、強度的に十分でありアルミ溶解保持炉３１のルツボ３２のアルミ溶湯内に浸漬したときの浮き上がり防止及び溶湯フィルター２４交換等の際に係止部材２８による吊り上げ搬送を安全かつ確実に行なうことができる。
【００１０】
尚、フランジ２６に嵌着する鉄皮は、略１２０度角間隔置きに断面コの字形の鉄皮を嵌着して、上面に係止部材２８を配設してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図１】 アルミ溶解保持炉の断面図である。
【図２】 フィルター付き黒鉛ルツボの断面図である。
【符号の説明】
２１... フィルター付き黒鉛ルツボ
２３...フィルター嵌着孔
２４... 溶湯フィルター
２５...汲出し口
２６...フランジ
２７...鉄皮
２８... 係止部材
２９ ... 係止板
３１...アルミ溶解保持炉
３２ ... ルツボ
３３ ... 旋回軸
３４...係止アーム
Claims (1)
- 上端の汲出し口の外周部にフランジを一体形成し、該フランジの全周若しくは複数箇所に鉄皮を嵌着し、該鉄皮に係止部材を複数個配設するとともに、フィルター嵌着孔を穿設して溶湯フィルターを嵌着した黒鉛ルツボを、溶解保持されるルツボ内のアルミ溶湯に浸漬させて、前記溶湯フィルターにより濾過されたアルミ溶湯を前記黒鉛ルツボの汲出し口から汲出すようにしたアルミ溶解保持炉において、
前記黒鉛ルツボの係止部材に係止板を固定するとともに、アルミ溶解保持炉に水平旋回により前記ルツボ上に移動する複数個の係止アームを配設し、該係止アームにより前記係止部材に固定した係止板を係止し、前記ルツボ内のアルミ溶湯に浸漬した前記黒鉛ルツボの浮き上がりを防止することを特徴とするアルミ溶解保持炉。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002088042A JP3717862B2 (ja) | 2002-03-27 | 2002-03-27 | アルミ溶解保持炉 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002088042A JP3717862B2 (ja) | 2002-03-27 | 2002-03-27 | アルミ溶解保持炉 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2003285156A JP2003285156A (ja) | 2003-10-07 |
| JP3717862B2 true JP3717862B2 (ja) | 2005-11-16 |
Family
ID=29234032
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2002088042A Expired - Fee Related JP3717862B2 (ja) | 2002-03-27 | 2002-03-27 | アルミ溶解保持炉 |
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| JP (1) | JP3717862B2 (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN110586919A (zh) * | 2019-09-12 | 2019-12-20 | 杨佳志 | 一种用于铝液的抽吸泵式扒渣方法 |
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| CN108145143B (zh) * | 2017-11-14 | 2019-11-05 | 广德亚太汽车智能制动系统有限公司 | 一种铁水自动化出料系统 |
| CN108057877B (zh) * | 2017-11-14 | 2019-11-05 | 广德亚太汽车智能制动系统有限公司 | 一种铁水自动化出料方法 |
| JP7392623B2 (ja) * | 2020-10-06 | 2023-12-06 | トヨタ自動車株式会社 | 定量容器 |
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2002
- 2002-03-27 JP JP2002088042A patent/JP3717862B2/ja not_active Expired - Fee Related
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN110586919A (zh) * | 2019-09-12 | 2019-12-20 | 杨佳志 | 一种用于铝液的抽吸泵式扒渣方法 |
| CN110586919B (zh) * | 2019-09-12 | 2021-10-15 | 陕西专壹知识产权运营有限公司 | 一种用于铝液的抽吸泵式扒渣方法 |
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|---|---|
| JP2003285156A (ja) | 2003-10-07 |
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