JP3717355B2 - 桂皮酸誘導体の製造方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、桂皮酸誘導体の製造方法に関し、より詳しくは、新規なパラジウム−ホスフィン錯化合物を触媒とする、ハロゲン化芳香族化合物とアクリル酸誘導体から桂皮酸誘導体を製造する方法に関する。
【0002】
【従来技術】
パラジウム触媒、ホスフィン配位子及び塩基の存在下にオレフィンを臭素化芳香族化合物によってアリール化できることは既に知られている(R.F.Heck,Org.React.27,345-391(1982))。
【0003】
この方法において、パラジウムは酸化価0及び+2価のパラジウム化合物例えばパラジウム(II)ハライド及びパラジウム(II)カルボキシレート、並びにパラジウム錯体化合物、例えばPdX2L2及びPdL4などのパラジウム錯体化合物が使用できることが知られている。但しここにXはハロゲン原子を表わし、またLは配位子例えばトリフェニルホスフィン、トリ(o−トリル)ホスフィン、又はトリ(p−アニシル)ホスフィンなどのものが通常使用されている。
【0004】
また、塩素化芳香族化合物を使用するアルケンのアリール化は二座ホスフィン配位子の存在下において行うことができ(Y.Ben-Davidら、Organometallics 11,1995(1992))、また、トリシクロヘキシルホスフィンなどの親油性脂肪族ホスフィンを用いることでも可能であることが開示されている(特表平09-509420号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、触媒および塩基の存在下にアクリル酸エステル類をハロゲン化芳香族化合物によってアリール化する方法において、新規な触媒を用いた方法を提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題は、触媒として[(Ph3P)2PdPh(PhCOO)]で表される錯化合物のベンゾアト基のフェニル基にトリフルオロメチル基を有するパラジウム錯化合物を使用することで解決される。
【0007】
すなわち、本発明は、パラジウム触媒の存在下、ハロゲン化芳香族化合物(ハロゲンは塩素、臭素またはヨウ素)とアクリル酸誘導体から桂皮酸誘導体を製造する方法であって、パラジウム触媒として一般式(1)
【0008】
【化6】
【0009】
(式中、Ar1は一般式(2)
【0010】
【化7】
【0011】
(式中、R1はトリフルオロメチル基を表し、nは1〜3の整数を表す。)で表されるアリール基を表し、Ar2は一般式(3)
【0012】
【化8】
【0013】
(式中、R2はそれぞれ独立に、トリフルオロメチル基、トリフルオロメチルオキシ基、ハロゲン(フッ素、塩素、臭素またはヨウ素をいう)、ニトロ基、アセチル基、シアノ基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数2〜5のアルコキシカルボニル基を表し、mは0〜4の整数を表す。)で表されるアリール基を表し、Lはそれぞれ独立にホスフィン配位子を表す。)で表されるパラジウム錯化合物であることを特徴とする方法である。
【0014】
以下、本発明にかかるパラジウム錯化合物について説明する。
一般式(2)で表されるアリール基としては、具体的にはトリフルオロメチル基を1個有する、2−トリフルオロメチルフェニル基、3−トリフルオロメチルフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基、トリフルオロメチル基を2個有する、2,3−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基、2,4−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基、2,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基、2,6−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基、3,4−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基などが挙げられる。
【0015】
これらのうち、トリフルオロメチル基を2個有するアリール基が好ましく、さらに3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基が好ましい。
【0016】
したがって、一般式(1)で表される錯化合物としては、
【0017】
【化9】
【0018】
(式中、R2、m、Lは一般式(1)における意味と同じ。)で表される錯化合物が好ましく、
【0019】
【化10】
【0020】
(式中R2、m、Lは一般式(1)における意味と同じ。)で表されるの錯化合物がより好ましい。
【0021】
一般式(3)で表されるアリール基の置換基は、トリフルオロメチル基、トリフルオロメチルオキシ基、ハロゲン(フッ素、塩素、臭素またはヨウ素をいう)、ニトロ基、アセチル基、シアノ基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数2〜5のアルコキシカルボニル基であり、アリール基は0〜4個の置換基を有する。
【0022】
炭素数1〜4のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基)、炭素数1〜4のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、炭素数2〜5のアルコキシカルボニル基としては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、i−プロポキシカルボニル基を挙げることができる。
【0023】
さらに、一般式(3)で表されるアリール基としては少なくとも1個がトリフルオロメチル基であるアリール基が好ましい。
【0024】
一般式(3)で表されるアリール基を例示すれば、2−トリフルオロメチルフェニル基、3−トリフルオロメチルフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基などのトリフルオロメチル基を1個有するアリール基;2−トリフルオロメトキシフェニル基、3−トリフルオロメトキシフェニル基、4−トリフルオロメトキシフェニル基などのトリフルオロメトキシ基を1個有するアリール基;2−フルオロフェニル基、3−フルオロフェニル基、4−フルオロフェニル基などのフッ素を1個有するアリール基;2−クロロフェニル基、3−クロロフェニル基、4−クロロフェニル基などの塩素を1個有するアリール基;2−ブロモフェニル基、3−ブロモフェニル基、4−ブロモフェニル基などの臭素を1個有するアリール基;2−ヨードフェニル基、3−ヨードフェニル基、4−ヨードフェニル基などのヨウ素を1個有するアリール基;2−ニトロフェニル基、3−ニトロフェニル基、4−ニトロフェニル基などのニトロ基を1個有するアリール基;2−アセチルフェニル基、3−アセチルフェニル基、4−アセチルフェニル基などのアセチル基を1個有するアリール基;2−シアノフェニル基、3−シアノフェニル基、4−シアノフェニル基などのシアノ基を1個有するアリール基;2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、2−エチルフェニル基、3−エチルフェニル基、4−エチルフェニル基などのアルキル基を1個有するアリール基;2−メトキシフェニル基、3−メトキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、2−エトキシフェニル基、3−エトキシフェニル基、4−エトキシフェニル基などのアルコキシ基を1個有するアリール基;2−メトキシカルボニルフェニル基、3−メトキシカルボニルフェニル基、4−メトキシカルボニルフェニル基、2−エトキシカルボニルフェニル基、3−エトキシカルボニルフェニル基、4−エトキシカルボニルフェニル基などのアルコキシ基を1個有するアリール基などが挙げられる。
【0025】
また、一般式(3)で表されるアリール基は、2個以上の置換基を有することもでき、任意の組み合わせが可能であるが、そのうちの1個の置換基がトリフルオロメチル基であるアリール基が好ましく、たとえば、2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル基、2−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル基、2−フルオロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル基、3−フルオロ−5−(トリフルオロメチル)フェニル基、2−ブロモ−6−(トリフルオロメチル)フェニル基、4−クロロ−2−(トリフルオロメチル)フェニル基、4−フルオロ−2−(トリフルオロメチル)フェニル基、2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル基、4−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル基、1−クロロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル基、2−フルオロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル基、2−フルオロ−5−(トリフルオロメチル)フェニル基、2−クロロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル基、4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル基、4−クロロ−2−(トリフルオロメチル)フェニル基など;2−メチル−3−(トリフルオロメチル)フェニル基、3−メチル−5−(トリフルオロメチル)フェニル基、2−メチル−4−(トリフルオロメチル)フェニル基、4,5−ジメチル−2−(トリフルオロメチル)フェニル基、2−メチル−5−(トリフルオロメチル)フェニル基、5,6−ジメチル−2−(トリフルオロメチル)フェニル基、2−メチル−5−(トリフルオロメチル)フェニル基、4−メチル−3−(トリフルオロメチル)フェニル基など;2−メトキシ−4−(トリフルオロメチル)フェニル基、2−エトキシ−4−(トリフルオロメチル)フェニル基、4−エトキシ−2−(トリフルオロメチル)フェニル基、4−メトキシ−2−(トリフルオロメチル)フェニル基、2−メトキシ−5−(トリフルオロメチル)フェニル基など;2−トリフルオロメトキシフェニル基、3−トリフルオロメトキシフェニル基、4−トリフルオロメトキシフェニル基など;2−ニトロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル基、2−ニトロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル基、4−ニトロ−2−(トリフルオロメチル)フェニル基、3−ニトロ−5−(トリフルオロメチル)フェニル基、2−ニトロ−5−(トリフルオロメチル)フェニル基、4−ニトロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル基など;2−シアノ−5−(トリフルオロメチル)フェニル基、2−シアノ−4−(トリフルオロメチル)フェニル基、4−フルオロ−3−シアノ−5−(トリフルオロメチル)フェニル基、4−シアノ−3−(トリフルオロメチル)フェニル基、2−クロロ−5−シアノ−3−(トリフルオロメチル)フェニル基、4−シアノ−2−(トリフルオロメチル)フェニル基など;2−アミノ−6−(トリフルオロメチル)フェニル基、2−アミノ−5−(トリフルオロメチル)フェニル基、2−アミノ−4−(トリフルオロメチル)フェニル基、2−アミノ−3−(トリフルオロメチル)フェニル基、3−アミノ−6−(トリフルオロメチル)フェニル基、3−アミノ−5−(トリフルオロメチル)フェニル基、4−アミノ−2−(トリフルオロメチル)フェニル基、4−アミノ−3−(トリフルオロメチル)フェニル基、4−アミノ−2−(トリフルオロメチル)フェニル基、3−アミノ−5−(トリフルオロメチル)フェニル基などを例示することできるがこれらに限られない。
【0026】
また、一般式(3)で表されるアリール基としてはトリフルオロメチル基を二個以上有するアリール基がより好ましい。
【0027】
トリフルオロメチル基を2個のみ有するアリール基としては、2,3−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基、2,4−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基、2,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基、2,6−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基、3,4−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基などが挙げられる。
【0028】
また、さらに前記した置換基を有するアリール基としては、2,3,4−トリス(トリフルオロメチル)フェニル基、2,4,5−トリス(トリフルオロメチル)フェニル基、2,3,5−トリス(トリフルオロメチル)フェニル基、1,3,5−トリス(トリフルオロメチル)フェニル基、3,4,5−トリス(トリフルオロメチル)フェニル基、2,3,4,6−テトラキス(トリフルオロメチル)フェニル基、1−ブロモ−2,3,4−トリス(トリフルオロメチル)フェニル基、2−ブロモ−4,5、6−トリス(トリフルオロメチル)フェニル基など;3,5−ジクロロ−4,6−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基、2−クロロ−3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基、2−メトキシ−3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基、2−ブロモ−3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基、2−ニトロ−4,6−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基、5,6−ジクロロ−1,3−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基、4−クロロ−3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基などが例示できるがこれらに限られない。
【0029】
一般式(1)で表される化合物においてLで表されるホスフィン配位子は、特に限定されないが、一般式(4)、
P(R3)3 (4)
(式中、R3はそれぞれ独立に置換基を有することもあるフェニル基、炭素数1〜6のアルキル基を表す。)で表されるホスフィン配位子である。ここで、R3はそれぞれ独立に無置換であるかまたは炭素数1〜6のアルキル基が置換したフェニル基、または炭素数1〜6の分岐を有することもあるアルキル基である。具体的には、フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、メチル基、エチル基、n−ブチル基などから選ばれた基であることが好ましい。また、Lで表されるホスフィン配位子は、トリフェニルホスフィン、トリス(o−トリル)ホスフィン、トリス(m−トリル)ホスフィン、トリス(p−トリル)ホスフィンまたはトリス(n−ブチル)ホスフィンなどが好ましく、トリフェニルホスフィンは特に好ましい。
【0030】
この新規化合物は結晶性であり、多くの有機溶媒に溶解し、安定である。また、室温において空気中で安定である。
【0031】
このような物理的、化学的性質を有するために単離操作が容易であるので高純度の物質が得られやすく、保存も容易であるので工業的な使用においても取り扱い易いという特徴がある。
【0032】
本発明の錯化合物の製造法は特に限定されないが以下に例示的に示す。密閉でできる容器に一般式(5)
【0033】
【化11】
【0034】
(式中、R1はトリフルオロメチル基を表し、nは1〜3の整数を表す。)で表わされる安息香酸と一般式(6)
【0035】
【化12】
【0036】
(式中、Xはハロゲン(フッ素、塩素、臭素またはヨウ素をいう)、トリフルオロメタンスルホネート基、炭素数1〜4のアルキルスルホネート基、置換または非置換アリールスルホネート基を表し、R2、mは一般式(1)に同じ)で表される芳香族化合物、溶媒、パラジウム化合物、ホスフィン配位子となるホスフィン、塩基性物質を仕込む。溶媒としては、融点が低い場合には一般式(6)で表される芳香族化合物が使える他、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)、エチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、アセトニトリルなどのニトリル類、ピリジンなどの第三アミン類、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)などの酸アミド類、ジメチルスルホキシド(DMSO)、スルホランなどの含硫黄化合物、水などを使うことができる。
【0037】
塩基性物質としては、アンモニア、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリアリルアミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、ピリジン、N−メチルモルホリンなどの第三アミン類、酢酸ナトリウム、酢酸カリウムなどの酢酸塩、あるいは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどの無機塩基などを挙げることができる。
【0038】
パラジウム化合物としては、酢酸パラジウム、塩化パラジウム、臭化パラジウムなどが好適である。
【0039】
原料各物質の使用比率は特に限定されないが、パラジウムを有効に利用するために、一般式(6)で表される芳香族化合物と一般式(5)で表される安息香酸はそれぞれ1当量以上用い、ホスフィンは2当量以上使用するのが好ましい。他の溶媒等は適宜の量を使用すればよい。
【0040】
容器は加圧してもしなくてもよく、攪拌してもしなくてもよい。仕込んだ原料などは通常は50〜150℃程度に加熱して反応の進行を速める。所定の時間が経過した後、容器を冷却して内容物を取り出す。内容物に適宜抽出溶媒を加え固形分を分離して、揮発成分を留去すれば目的とする一般式(1)で表される錯化合物が得られる。必要に応じて再結晶により精製することができる。
【0041】
また、前記の製造法において一般式(5)で表される安息香酸を使用しないでほぼ同様の反応条件で、ほぼ同様の処理を行うことによって、一般式(7)
【0042】
【化13】
【0043】
(式中のR2、X、mは一般式(6)における記号と、また、Lは一般式(4)における記号と同じ)で表されるパラジウム錯化合物を調製し、得られた錯化合物と一般式(5)で表わされる安息香酸と前記の溶媒、塩基を容器に仕込み、必要に応じて加熱し、前記同様の精製方法を施すことで一般式(1)で表される錯化合物が得られる。
【0044】
本発明にかかるパラジウム錯化合物としては、例えば、下式で表される[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾアト]3’,5’−ビス(トリフルオロメチル)フェニルビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾアト]3’−トリフルオロメチルフェニルビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)が挙げられる。
【0045】
パラジウムの量は、使用するハロゲン化芳香族化合物に対してその割合が0.0001〜1モル%、好ましくは0.005〜0.05モル%になるように選ぶことができる。
【0046】
次に、本発明の製造方法を詳細に説明する。
本発明に使用するアクリル酸誘導体は、例えば一般式(8)で表される化合物である。
【0047】
【化14】
【0048】
式中、RはCNまたはCOR4であり、ここでR4はOH、O−C6-10のアリール、O−C1-20のアルキル、NH2、NH−C6-10のアリール、NHC1-20のアルキル、N−C6-10のアリール、N−(C1-20のアルキル)−C6-10のアリールまたはN−(C1-20のアルキル)2であり、R’はH、C1-10のアルキル、C6-20のアリールまたはRである。
【0049】
一般式(8)においてRは、R4がOH、O−C1-20のアルキル、特に好ましくはOH、O−C1-10のアルキルであるCOR4であるのが好ましい。具体的には、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸sec−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸ペンチル、アクリル酸オクチル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸sec−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸ペンチル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸シクロヘキシルなどが挙げられる。
【0050】
本発明に使用するハロゲン化芳香族化合物は、一般式(9)で表される化合物である。
【0051】
【化15】
【0052】
式中、Yは塩素、臭素またはヨウ素であり、R5はC6-10の−アリール、C1-20のアルキル、CN、S−R6、CO−OR6、−F、CF3、−OCF3、OR6またはNR6 2であり、ただしR6は水素、C6-10のアリールまたはC1-20のアルキルであり、pは1または2であり、qは1〜5であり、p+qは2〜6である。
【0053】
一般式(9)において、R5は好ましくはCF3、OR6またはNR6 2であり、ただしR6はフェニルまたはC1-10のアルキルであり、R5はさらに好ましくはCF3である。pは好ましくは1である。
【0054】
一般式(9)で表されるハロゲン化芳香族化合物としては、R5の少なくとも1個がCF3であるのが好ましく、少なくとも2個がCF3であるのがより好ましい。そのような芳香族化合物としては、一般式(3)で表される該当する置換フェニル基とY(臭素)からなる化合物が例示できる。特に好ましいものとして、トリフルオロメチル基を1個のみ有するものとしては、2−トリフルオロメチルブロモベンゼン、3−トリフルオロメチルブロモベンゼン、4−トリフルオロメチルブロモベンゼン、また、トリフルオロメチル基を2個のみ有するものとしては、2,3−ビス(トリフルオロメチル)ブロモベンゼン、2,4−ビス(トリフルオロメチル)ブロモベンゼン、2,5−ビス(トリフルオロメチル)ブロモベンゼン、2,6−ビス(トリフルオロメチル)ブロモベンゼン、3,4−ビス(トリフルオロメチル)ブロモベンゼン、3,5−ビス(トリフルオロメチル)ブロモベンゼンが挙げられる。
【0055】
ハロゲン化芳香族化合物のアクリル酸誘導体に対するモル比は任意に選ぶことができる。該モル比が1:0.7〜1:3の範囲内で実施するのが好ましく、この比が1:0.8〜1:1.5であるのが特に好ましい。Yで表される2個のハロゲン原子が反応において活性な場合は2倍量のアクリル酸誘導体が用いられる。
【0056】
本発明方法のための適当な無機塩基は、例えば弱酸のアルカリ金属及びアルカリ土類金属の塩であり、好ましくはアルカリ金属及びアルカリ土類金属の酢酸塩、重炭酸塩、及び/または炭酸塩である。酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウムの使用が特に好ましい。ハロゲン化芳香族化合物の塩基に対する比は、好ましくは0.3〜2、特に好ましくは0.4〜1.3になるように選ばれ、ハロゲン化芳香族化合物のモル当り当量の塩基が用いられる。
【0057】
本発明による方法は、例えば50〜180℃の範囲の温度で実施することができる。好ましい温度は80〜150℃の範囲であり、特に好ましくは使用する溶媒の沸点領域にある温度である。本発明方法は通常大気圧下に実施される。しかし減圧または加圧下で実施することもできる。加圧の適用は、反応混合物の個々の成分が大気圧では沸騰すると思われる反応温度で実施ることが望ましい場合に特に適当である。本発明の方法は一般に、窒素等の保護ガス及び撹拌下に実施される。
【0058】
適当な溶媒は、例えばトルエン等の炭化水素、テトラヒドロフラン等のエーテル、例えばN−メチル−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトニトリルまたはジメチルスルホキシド等の極性の非プロトン性溶媒である。
【0059】
本発明方法を使用して、例えば一般式(10)の桂皮酸誘導体を製造することが可能である。ただし上式中、使用した記号は式(8)及び(9)の場合に示した意味を有する。
【0060】
【化16】
【0061】
本発明方法により桂皮酸誘導体とともに生成した無機塩は例えば簡単な濾過(吸引または吸引しない)で分離することができる。また、静置して塩を沈殿させ反応混合物の残りを傾瀉することも可能である。
【0062】
本発明の実施態様を以下に説明する。
反応器にハロゲン化芳香族化合物、アクリル酸誘導体、無機塩基、本発明にかかるパラジウム錯化合物、及び任意に溶媒を仕込み、攪拌する。仕込みの順序は任意でよい。反応器を所定の温度、50〜200℃、好ましくは80〜150℃加熱し、もはや反応の進行が認められなくなった後室温まで冷却する。
【0063】
反応液を水中に注ぎ、水性相を分離して有機溶媒(例えばエーテル)で抽出し、水または飽和食塩水で洗浄し次いで乾燥し、溶媒を留去し、残渣として固体または液体の生成物を得る。必要に応じてこれを再結晶または精留して高純度の桂皮酸誘導体を得る。
【0064】
【実施例】
以下に実施例をもって本発明を説明するがこれらの実施態様に限られない。
【0065】
[調製例1][3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾアト]3’,5’−ビス(トリフルオロメチル)フェニルビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)の合成
ステンレス製オートクレーブに3,5−ビス(トリフルオロメチル)ブロモベンゼン65.3g、テトラヒドロフラン100ml、酢酸パラジウム50.0g、トリフェニルホスフィン175.5g、3,5−ビス(トリフルオロメチル)安息香酸57.6g、25%アンモニア水60.8gを仕込んだ。窒素置換を2回行い、窒素圧を3kg/cm2として攪拌を始めると内温が約50℃に上昇した。その後油浴温度を120℃に設定し加熱を開始した。約2時間後、内温が95.6℃に達した時点で油浴を外し冷却した。反応液に水200mlおよびトルエン600mlを加え、数分間攪拌した。得られた処理液を吸引濾過し、濾液の有機層(上層)を分液した後、飽和食塩水で2回洗浄し、無水マグネシウムで乾燥後、揮発成分を留去濃縮した。濃縮初期に析出した固体を濾別し、さらに濾液を濃縮した後,n−ヘキサンを加え冷却し析出した固体を濾別し粗生成物187.5gを得た。粗生成物をトルエンから再結晶し淡黄色結晶143.0gを得た。
【0066】
[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾアト]3’,5’−ビス(トリフルオロメチル)フェニルビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)
融点:168-170℃(decomp.)
IR(KBr:cm-1):3060,2926,1637,1437,1321,1277,1173,1127,748,697,518
1H-NMR(基準物質:TMS 溶媒:CDCl3):
δppm 6.97(s,1H),7.09(s,2H),7.20-7.32(m,18H),7.40-7.50(m,12H),7.53(s,2H),7.62(s,1H)
31P-NMR(基準物質:85%H3PO4 溶媒:CDCl3):δppm 25.73(s)。
【0067】
[調製例2]
ステンレス製オートクレーブに3,5−ビス(トリフルオロメチル)ブロモベンゼン32.5g、テトラヒドロフラン75ml、酢酸パラジウム25.0g、トリフェニルホスフィン87.3g、25%アンモニア水38.0g(アンモニアとして9.5g)を仕込んだ。窒素置換を2回行い、窒素圧を3kg/cm2として攪拌を始めると内温が上昇した。その後油浴温度を105℃に設定し加熱を開始した。約1.8時間後、内温が97℃に達した時点で油浴を外し冷却した。反応液にトルエン200mlを加え、数分間攪拌し、得られた処理液を吸引濾過し、濾物を少量のn−ヘキサンで洗浄した後、乾燥し淡緑色結晶72.10gを得た。
【0068】
ステンレス製オートクレーブに上で得られたブロモ[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)70.0g、3,5−ビス(トリフルオロメチル)安息香酸39.1g、テトラヒドロフラン150mlを加えた。そこへ25%アンモニア水20.5gを仕込んだ後、窒素置換を2回行い、窒素圧を3kg/cm2として攪拌を始め、油浴温度を100℃に設定し加熱を開始した。約2時間後、油浴を外し冷却した。反応液にトルエン500ml、25%アンモニア水150ml、および水200mlを加え、数分間攪拌した。上層の有機層を分液し、水洗2回、飽和食塩水で1回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、揮発成分を留去、濃縮し、淡黄色結晶75.3gを得た。結晶のIRおよび1H−NMRは実施例1で得られた結晶([3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾアト]3’,5’−ビス(トリフルオロメチル)フェニルビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II))と同一であった。
【0069】
[調製例3][3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾアト]3’−トリフルオロメチルフェニルビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)の合成
ステンレス製オートクレーブに、3−トリフルオロメチルブロモベンゼン25.0g、テトラヒドロフラン75ml、酢酸パラジウム25g、トリフェニルホスフィン87.3g、25%アンモニア水38g、3,5−ビス(トリフルオロメチル)安息香酸57.5gを仕込み、実施例1と同様な操作を行って[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾアト]3’−トリフルオロメチルフェニルビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)が 32.3g得られた。
【0070】
[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾアト]3’−トリフルオロメチルフェニルビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)
1H-NMR(基準物質:TMS 溶媒:CDCl3):
δppm 6.47(dd,J=7.3,7.8Hz,1H),6.77(d,J=7.3Hz,1H),6.80(brs,1H),6.95(d,J=7.8Hz,1H),7.24-7.30(m,18H),7.40-7.46(m,12H)。
【0071】
[実施例1]3,5−ビス(トリフルオロメチル)桂皮酸n−ブチルエステルの合成
真空乾燥した無水酢酸ナトリウム9.02gを200mlフラスコに取り、窒素気流下、さらに3,5−ビス(トリフルオロメチル)ブロモベンゼン29.3g、アクリル酸n−ブチル15.4gおよび実施例1で得られたパラジウム錯体([3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾアト]3’,5’−ビス(トリフルオロメチル)フェニルビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II))210mg、N,N−ジメチルアセトアミド70mlを加えた。攪拌しつつ、油浴を用いて加熱した。110℃で約1時間反応させた後室温まで冷却した。反応液を氷水に注ぎ、エーテルで抽出した。有機層を分液した後、水で3回洗浄し、飽和食塩水で2回洗浄し次いで無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒をエバポレータで減圧下留去し、残渣として褐色固体を得た。これをn−ヘキサンで再結晶して結晶22.3gを得た。
3,5−ビス(トリフルオロメチル)桂皮酸n−ブチル:
融点:47-48℃
1H-NMR:(基準物質:TMS 溶媒:CDCl3)
δppm 0.975(t,J=7.3Hz,3H),1.38-1.50(m,2H),1.66-1.75(m,2H),4.25(t,J=6.6Hz,2H)6.57(d,J=16Hz,1H),7.70(d,J=16Hz,1H),7.86(s,1H),7.93(s,2H)。
【0072】
[実施例2]3−トリフルオロメチル桂皮酸n−ブチルエステルの合成
無水酢酸ナトリウム9.02gを200mlフラスコに取り、窒素気流下、さらに3−トリフルオロメチルブロモベンゼン22.5g、アクリル酸n−ブチル15.4gおよび実施例1で得られたパラジウム錯体([3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾアト]3’,5’−ビス(トリフルオロメチル)フェニルビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II))55.1mg、およびN,N−ジメチルアセトアミド70mlを加えた。攪拌しつつ、油浴を用いて加熱した。110℃で約40時間反応させた後室温まで冷却した。反応液を氷水に注ぎ、エーテルで抽出した。有機層を分液した後、水で3回洗浄し、飽和食塩水で2回順次洗浄し次いで無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒をエバポレータで減圧下留去した後、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、標題化合物21.5gを油状物として得た。
【0073】
[実施例3]3−トリフルオロメチル桂皮酸の合成
ステンレス製オートクレーブに3−トリフルオロメチルブロモベンゼン56.3g、アクリル酸19.8g、トリエチルアミン50.6gおよび実施例1で得られたパラジウム錯体([3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾアト]3’,5’−ビス(トリフルオロメチル)フェニルビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II))137.7mg、およびテトラヒドロフラン100mlを仕込んだ。窒素置換を2回行い、窒素圧を2.5kg/cm2として攪拌を始め、油浴を用いて内温を110℃に調整しながら反応を行った。約8時間後、油浴を外し冷却した。反応液を氷水に注ぎ、濃塩酸を加えてpH1に調整後、エーテルで抽出した。有機層を分液した後、水で3回洗浄し、飽和食塩水で2回洗浄し次いで無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒をエバポレータで減圧下留去した後、得られた残渣をn−ヘキサン/酢酸エチルで再結晶し、標題化合物41.7gを無色結晶として得た。
融点:135〜137℃
【0074】
【発明の効果】
本発明の製造方法は、新規のパラジウム錯化合物を用いることで、芳香族化合物とアクリル酸誘導体から高い収率で桂皮酸誘導体を製造することができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、桂皮酸誘導体の製造方法に関し、より詳しくは、新規なパラジウム−ホスフィン錯化合物を触媒とする、ハロゲン化芳香族化合物とアクリル酸誘導体から桂皮酸誘導体を製造する方法に関する。
【0002】
【従来技術】
パラジウム触媒、ホスフィン配位子及び塩基の存在下にオレフィンを臭素化芳香族化合物によってアリール化できることは既に知られている(R.F.Heck,Org.React.27,345-391(1982))。
【0003】
この方法において、パラジウムは酸化価0及び+2価のパラジウム化合物例えばパラジウム(II)ハライド及びパラジウム(II)カルボキシレート、並びにパラジウム錯体化合物、例えばPdX2L2及びPdL4などのパラジウム錯体化合物が使用できることが知られている。但しここにXはハロゲン原子を表わし、またLは配位子例えばトリフェニルホスフィン、トリ(o−トリル)ホスフィン、又はトリ(p−アニシル)ホスフィンなどのものが通常使用されている。
【0004】
また、塩素化芳香族化合物を使用するアルケンのアリール化は二座ホスフィン配位子の存在下において行うことができ(Y.Ben-Davidら、Organometallics 11,1995(1992))、また、トリシクロヘキシルホスフィンなどの親油性脂肪族ホスフィンを用いることでも可能であることが開示されている(特表平09-509420号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、触媒および塩基の存在下にアクリル酸エステル類をハロゲン化芳香族化合物によってアリール化する方法において、新規な触媒を用いた方法を提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題は、触媒として[(Ph3P)2PdPh(PhCOO)]で表される錯化合物のベンゾアト基のフェニル基にトリフルオロメチル基を有するパラジウム錯化合物を使用することで解決される。
【0007】
すなわち、本発明は、パラジウム触媒の存在下、ハロゲン化芳香族化合物(ハロゲンは塩素、臭素またはヨウ素)とアクリル酸誘導体から桂皮酸誘導体を製造する方法であって、パラジウム触媒として一般式(1)
【0008】
【化6】
【0009】
(式中、Ar1は一般式(2)
【0010】
【化7】
【0011】
(式中、R1はトリフルオロメチル基を表し、nは1〜3の整数を表す。)で表されるアリール基を表し、Ar2は一般式(3)
【0012】
【化8】
【0013】
(式中、R2はそれぞれ独立に、トリフルオロメチル基、トリフルオロメチルオキシ基、ハロゲン(フッ素、塩素、臭素またはヨウ素をいう)、ニトロ基、アセチル基、シアノ基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数2〜5のアルコキシカルボニル基を表し、mは0〜4の整数を表す。)で表されるアリール基を表し、Lはそれぞれ独立にホスフィン配位子を表す。)で表されるパラジウム錯化合物であることを特徴とする方法である。
【0014】
以下、本発明にかかるパラジウム錯化合物について説明する。
一般式(2)で表されるアリール基としては、具体的にはトリフルオロメチル基を1個有する、2−トリフルオロメチルフェニル基、3−トリフルオロメチルフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基、トリフルオロメチル基を2個有する、2,3−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基、2,4−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基、2,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基、2,6−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基、3,4−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基などが挙げられる。
【0015】
これらのうち、トリフルオロメチル基を2個有するアリール基が好ましく、さらに3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基が好ましい。
【0016】
したがって、一般式(1)で表される錯化合物としては、
【0017】
【化9】
【0018】
(式中、R2、m、Lは一般式(1)における意味と同じ。)で表される錯化合物が好ましく、
【0019】
【化10】
【0020】
(式中R2、m、Lは一般式(1)における意味と同じ。)で表されるの錯化合物がより好ましい。
【0021】
一般式(3)で表されるアリール基の置換基は、トリフルオロメチル基、トリフルオロメチルオキシ基、ハロゲン(フッ素、塩素、臭素またはヨウ素をいう)、ニトロ基、アセチル基、シアノ基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数2〜5のアルコキシカルボニル基であり、アリール基は0〜4個の置換基を有する。
【0022】
炭素数1〜4のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基)、炭素数1〜4のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、炭素数2〜5のアルコキシカルボニル基としては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、i−プロポキシカルボニル基を挙げることができる。
【0023】
さらに、一般式(3)で表されるアリール基としては少なくとも1個がトリフルオロメチル基であるアリール基が好ましい。
【0024】
一般式(3)で表されるアリール基を例示すれば、2−トリフルオロメチルフェニル基、3−トリフルオロメチルフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基などのトリフルオロメチル基を1個有するアリール基;2−トリフルオロメトキシフェニル基、3−トリフルオロメトキシフェニル基、4−トリフルオロメトキシフェニル基などのトリフルオロメトキシ基を1個有するアリール基;2−フルオロフェニル基、3−フルオロフェニル基、4−フルオロフェニル基などのフッ素を1個有するアリール基;2−クロロフェニル基、3−クロロフェニル基、4−クロロフェニル基などの塩素を1個有するアリール基;2−ブロモフェニル基、3−ブロモフェニル基、4−ブロモフェニル基などの臭素を1個有するアリール基;2−ヨードフェニル基、3−ヨードフェニル基、4−ヨードフェニル基などのヨウ素を1個有するアリール基;2−ニトロフェニル基、3−ニトロフェニル基、4−ニトロフェニル基などのニトロ基を1個有するアリール基;2−アセチルフェニル基、3−アセチルフェニル基、4−アセチルフェニル基などのアセチル基を1個有するアリール基;2−シアノフェニル基、3−シアノフェニル基、4−シアノフェニル基などのシアノ基を1個有するアリール基;2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、2−エチルフェニル基、3−エチルフェニル基、4−エチルフェニル基などのアルキル基を1個有するアリール基;2−メトキシフェニル基、3−メトキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、2−エトキシフェニル基、3−エトキシフェニル基、4−エトキシフェニル基などのアルコキシ基を1個有するアリール基;2−メトキシカルボニルフェニル基、3−メトキシカルボニルフェニル基、4−メトキシカルボニルフェニル基、2−エトキシカルボニルフェニル基、3−エトキシカルボニルフェニル基、4−エトキシカルボニルフェニル基などのアルコキシ基を1個有するアリール基などが挙げられる。
【0025】
また、一般式(3)で表されるアリール基は、2個以上の置換基を有することもでき、任意の組み合わせが可能であるが、そのうちの1個の置換基がトリフルオロメチル基であるアリール基が好ましく、たとえば、2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル基、2−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル基、2−フルオロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル基、3−フルオロ−5−(トリフルオロメチル)フェニル基、2−ブロモ−6−(トリフルオロメチル)フェニル基、4−クロロ−2−(トリフルオロメチル)フェニル基、4−フルオロ−2−(トリフルオロメチル)フェニル基、2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル基、4−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル基、1−クロロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル基、2−フルオロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル基、2−フルオロ−5−(トリフルオロメチル)フェニル基、2−クロロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル基、4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル基、4−クロロ−2−(トリフルオロメチル)フェニル基など;2−メチル−3−(トリフルオロメチル)フェニル基、3−メチル−5−(トリフルオロメチル)フェニル基、2−メチル−4−(トリフルオロメチル)フェニル基、4,5−ジメチル−2−(トリフルオロメチル)フェニル基、2−メチル−5−(トリフルオロメチル)フェニル基、5,6−ジメチル−2−(トリフルオロメチル)フェニル基、2−メチル−5−(トリフルオロメチル)フェニル基、4−メチル−3−(トリフルオロメチル)フェニル基など;2−メトキシ−4−(トリフルオロメチル)フェニル基、2−エトキシ−4−(トリフルオロメチル)フェニル基、4−エトキシ−2−(トリフルオロメチル)フェニル基、4−メトキシ−2−(トリフルオロメチル)フェニル基、2−メトキシ−5−(トリフルオロメチル)フェニル基など;2−トリフルオロメトキシフェニル基、3−トリフルオロメトキシフェニル基、4−トリフルオロメトキシフェニル基など;2−ニトロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル基、2−ニトロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル基、4−ニトロ−2−(トリフルオロメチル)フェニル基、3−ニトロ−5−(トリフルオロメチル)フェニル基、2−ニトロ−5−(トリフルオロメチル)フェニル基、4−ニトロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル基など;2−シアノ−5−(トリフルオロメチル)フェニル基、2−シアノ−4−(トリフルオロメチル)フェニル基、4−フルオロ−3−シアノ−5−(トリフルオロメチル)フェニル基、4−シアノ−3−(トリフルオロメチル)フェニル基、2−クロロ−5−シアノ−3−(トリフルオロメチル)フェニル基、4−シアノ−2−(トリフルオロメチル)フェニル基など;2−アミノ−6−(トリフルオロメチル)フェニル基、2−アミノ−5−(トリフルオロメチル)フェニル基、2−アミノ−4−(トリフルオロメチル)フェニル基、2−アミノ−3−(トリフルオロメチル)フェニル基、3−アミノ−6−(トリフルオロメチル)フェニル基、3−アミノ−5−(トリフルオロメチル)フェニル基、4−アミノ−2−(トリフルオロメチル)フェニル基、4−アミノ−3−(トリフルオロメチル)フェニル基、4−アミノ−2−(トリフルオロメチル)フェニル基、3−アミノ−5−(トリフルオロメチル)フェニル基などを例示することできるがこれらに限られない。
【0026】
また、一般式(3)で表されるアリール基としてはトリフルオロメチル基を二個以上有するアリール基がより好ましい。
【0027】
トリフルオロメチル基を2個のみ有するアリール基としては、2,3−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基、2,4−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基、2,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基、2,6−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基、3,4−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基などが挙げられる。
【0028】
また、さらに前記した置換基を有するアリール基としては、2,3,4−トリス(トリフルオロメチル)フェニル基、2,4,5−トリス(トリフルオロメチル)フェニル基、2,3,5−トリス(トリフルオロメチル)フェニル基、1,3,5−トリス(トリフルオロメチル)フェニル基、3,4,5−トリス(トリフルオロメチル)フェニル基、2,3,4,6−テトラキス(トリフルオロメチル)フェニル基、1−ブロモ−2,3,4−トリス(トリフルオロメチル)フェニル基、2−ブロモ−4,5、6−トリス(トリフルオロメチル)フェニル基など;3,5−ジクロロ−4,6−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基、2−クロロ−3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基、2−メトキシ−3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基、2−ブロモ−3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基、2−ニトロ−4,6−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基、5,6−ジクロロ−1,3−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基、4−クロロ−3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基などが例示できるがこれらに限られない。
【0029】
一般式(1)で表される化合物においてLで表されるホスフィン配位子は、特に限定されないが、一般式(4)、
P(R3)3 (4)
(式中、R3はそれぞれ独立に置換基を有することもあるフェニル基、炭素数1〜6のアルキル基を表す。)で表されるホスフィン配位子である。ここで、R3はそれぞれ独立に無置換であるかまたは炭素数1〜6のアルキル基が置換したフェニル基、または炭素数1〜6の分岐を有することもあるアルキル基である。具体的には、フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、メチル基、エチル基、n−ブチル基などから選ばれた基であることが好ましい。また、Lで表されるホスフィン配位子は、トリフェニルホスフィン、トリス(o−トリル)ホスフィン、トリス(m−トリル)ホスフィン、トリス(p−トリル)ホスフィンまたはトリス(n−ブチル)ホスフィンなどが好ましく、トリフェニルホスフィンは特に好ましい。
【0030】
この新規化合物は結晶性であり、多くの有機溶媒に溶解し、安定である。また、室温において空気中で安定である。
【0031】
このような物理的、化学的性質を有するために単離操作が容易であるので高純度の物質が得られやすく、保存も容易であるので工業的な使用においても取り扱い易いという特徴がある。
【0032】
本発明の錯化合物の製造法は特に限定されないが以下に例示的に示す。密閉でできる容器に一般式(5)
【0033】
【化11】
【0034】
(式中、R1はトリフルオロメチル基を表し、nは1〜3の整数を表す。)で表わされる安息香酸と一般式(6)
【0035】
【化12】
【0036】
(式中、Xはハロゲン(フッ素、塩素、臭素またはヨウ素をいう)、トリフルオロメタンスルホネート基、炭素数1〜4のアルキルスルホネート基、置換または非置換アリールスルホネート基を表し、R2、mは一般式(1)に同じ)で表される芳香族化合物、溶媒、パラジウム化合物、ホスフィン配位子となるホスフィン、塩基性物質を仕込む。溶媒としては、融点が低い場合には一般式(6)で表される芳香族化合物が使える他、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)、エチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、アセトニトリルなどのニトリル類、ピリジンなどの第三アミン類、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)などの酸アミド類、ジメチルスルホキシド(DMSO)、スルホランなどの含硫黄化合物、水などを使うことができる。
【0037】
塩基性物質としては、アンモニア、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリアリルアミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、ピリジン、N−メチルモルホリンなどの第三アミン類、酢酸ナトリウム、酢酸カリウムなどの酢酸塩、あるいは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどの無機塩基などを挙げることができる。
【0038】
パラジウム化合物としては、酢酸パラジウム、塩化パラジウム、臭化パラジウムなどが好適である。
【0039】
原料各物質の使用比率は特に限定されないが、パラジウムを有効に利用するために、一般式(6)で表される芳香族化合物と一般式(5)で表される安息香酸はそれぞれ1当量以上用い、ホスフィンは2当量以上使用するのが好ましい。他の溶媒等は適宜の量を使用すればよい。
【0040】
容器は加圧してもしなくてもよく、攪拌してもしなくてもよい。仕込んだ原料などは通常は50〜150℃程度に加熱して反応の進行を速める。所定の時間が経過した後、容器を冷却して内容物を取り出す。内容物に適宜抽出溶媒を加え固形分を分離して、揮発成分を留去すれば目的とする一般式(1)で表される錯化合物が得られる。必要に応じて再結晶により精製することができる。
【0041】
また、前記の製造法において一般式(5)で表される安息香酸を使用しないでほぼ同様の反応条件で、ほぼ同様の処理を行うことによって、一般式(7)
【0042】
【化13】
【0043】
(式中のR2、X、mは一般式(6)における記号と、また、Lは一般式(4)における記号と同じ)で表されるパラジウム錯化合物を調製し、得られた錯化合物と一般式(5)で表わされる安息香酸と前記の溶媒、塩基を容器に仕込み、必要に応じて加熱し、前記同様の精製方法を施すことで一般式(1)で表される錯化合物が得られる。
【0044】
本発明にかかるパラジウム錯化合物としては、例えば、下式で表される[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾアト]3’,5’−ビス(トリフルオロメチル)フェニルビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾアト]3’−トリフルオロメチルフェニルビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)が挙げられる。
【0045】
パラジウムの量は、使用するハロゲン化芳香族化合物に対してその割合が0.0001〜1モル%、好ましくは0.005〜0.05モル%になるように選ぶことができる。
【0046】
次に、本発明の製造方法を詳細に説明する。
本発明に使用するアクリル酸誘導体は、例えば一般式(8)で表される化合物である。
【0047】
【化14】
【0048】
式中、RはCNまたはCOR4であり、ここでR4はOH、O−C6-10のアリール、O−C1-20のアルキル、NH2、NH−C6-10のアリール、NHC1-20のアルキル、N−C6-10のアリール、N−(C1-20のアルキル)−C6-10のアリールまたはN−(C1-20のアルキル)2であり、R’はH、C1-10のアルキル、C6-20のアリールまたはRである。
【0049】
一般式(8)においてRは、R4がOH、O−C1-20のアルキル、特に好ましくはOH、O−C1-10のアルキルであるCOR4であるのが好ましい。具体的には、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸sec−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸ペンチル、アクリル酸オクチル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸sec−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸ペンチル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸シクロヘキシルなどが挙げられる。
【0050】
本発明に使用するハロゲン化芳香族化合物は、一般式(9)で表される化合物である。
【0051】
【化15】
【0052】
式中、Yは塩素、臭素またはヨウ素であり、R5はC6-10の−アリール、C1-20のアルキル、CN、S−R6、CO−OR6、−F、CF3、−OCF3、OR6またはNR6 2であり、ただしR6は水素、C6-10のアリールまたはC1-20のアルキルであり、pは1または2であり、qは1〜5であり、p+qは2〜6である。
【0053】
一般式(9)において、R5は好ましくはCF3、OR6またはNR6 2であり、ただしR6はフェニルまたはC1-10のアルキルであり、R5はさらに好ましくはCF3である。pは好ましくは1である。
【0054】
一般式(9)で表されるハロゲン化芳香族化合物としては、R5の少なくとも1個がCF3であるのが好ましく、少なくとも2個がCF3であるのがより好ましい。そのような芳香族化合物としては、一般式(3)で表される該当する置換フェニル基とY(臭素)からなる化合物が例示できる。特に好ましいものとして、トリフルオロメチル基を1個のみ有するものとしては、2−トリフルオロメチルブロモベンゼン、3−トリフルオロメチルブロモベンゼン、4−トリフルオロメチルブロモベンゼン、また、トリフルオロメチル基を2個のみ有するものとしては、2,3−ビス(トリフルオロメチル)ブロモベンゼン、2,4−ビス(トリフルオロメチル)ブロモベンゼン、2,5−ビス(トリフルオロメチル)ブロモベンゼン、2,6−ビス(トリフルオロメチル)ブロモベンゼン、3,4−ビス(トリフルオロメチル)ブロモベンゼン、3,5−ビス(トリフルオロメチル)ブロモベンゼンが挙げられる。
【0055】
ハロゲン化芳香族化合物のアクリル酸誘導体に対するモル比は任意に選ぶことができる。該モル比が1:0.7〜1:3の範囲内で実施するのが好ましく、この比が1:0.8〜1:1.5であるのが特に好ましい。Yで表される2個のハロゲン原子が反応において活性な場合は2倍量のアクリル酸誘導体が用いられる。
【0056】
本発明方法のための適当な無機塩基は、例えば弱酸のアルカリ金属及びアルカリ土類金属の塩であり、好ましくはアルカリ金属及びアルカリ土類金属の酢酸塩、重炭酸塩、及び/または炭酸塩である。酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウムの使用が特に好ましい。ハロゲン化芳香族化合物の塩基に対する比は、好ましくは0.3〜2、特に好ましくは0.4〜1.3になるように選ばれ、ハロゲン化芳香族化合物のモル当り当量の塩基が用いられる。
【0057】
本発明による方法は、例えば50〜180℃の範囲の温度で実施することができる。好ましい温度は80〜150℃の範囲であり、特に好ましくは使用する溶媒の沸点領域にある温度である。本発明方法は通常大気圧下に実施される。しかし減圧または加圧下で実施することもできる。加圧の適用は、反応混合物の個々の成分が大気圧では沸騰すると思われる反応温度で実施ることが望ましい場合に特に適当である。本発明の方法は一般に、窒素等の保護ガス及び撹拌下に実施される。
【0058】
適当な溶媒は、例えばトルエン等の炭化水素、テトラヒドロフラン等のエーテル、例えばN−メチル−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトニトリルまたはジメチルスルホキシド等の極性の非プロトン性溶媒である。
【0059】
本発明方法を使用して、例えば一般式(10)の桂皮酸誘導体を製造することが可能である。ただし上式中、使用した記号は式(8)及び(9)の場合に示した意味を有する。
【0060】
【化16】
【0061】
本発明方法により桂皮酸誘導体とともに生成した無機塩は例えば簡単な濾過(吸引または吸引しない)で分離することができる。また、静置して塩を沈殿させ反応混合物の残りを傾瀉することも可能である。
【0062】
本発明の実施態様を以下に説明する。
反応器にハロゲン化芳香族化合物、アクリル酸誘導体、無機塩基、本発明にかかるパラジウム錯化合物、及び任意に溶媒を仕込み、攪拌する。仕込みの順序は任意でよい。反応器を所定の温度、50〜200℃、好ましくは80〜150℃加熱し、もはや反応の進行が認められなくなった後室温まで冷却する。
【0063】
反応液を水中に注ぎ、水性相を分離して有機溶媒(例えばエーテル)で抽出し、水または飽和食塩水で洗浄し次いで乾燥し、溶媒を留去し、残渣として固体または液体の生成物を得る。必要に応じてこれを再結晶または精留して高純度の桂皮酸誘導体を得る。
【0064】
【実施例】
以下に実施例をもって本発明を説明するがこれらの実施態様に限られない。
【0065】
[調製例1][3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾアト]3’,5’−ビス(トリフルオロメチル)フェニルビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)の合成
ステンレス製オートクレーブに3,5−ビス(トリフルオロメチル)ブロモベンゼン65.3g、テトラヒドロフラン100ml、酢酸パラジウム50.0g、トリフェニルホスフィン175.5g、3,5−ビス(トリフルオロメチル)安息香酸57.6g、25%アンモニア水60.8gを仕込んだ。窒素置換を2回行い、窒素圧を3kg/cm2として攪拌を始めると内温が約50℃に上昇した。その後油浴温度を120℃に設定し加熱を開始した。約2時間後、内温が95.6℃に達した時点で油浴を外し冷却した。反応液に水200mlおよびトルエン600mlを加え、数分間攪拌した。得られた処理液を吸引濾過し、濾液の有機層(上層)を分液した後、飽和食塩水で2回洗浄し、無水マグネシウムで乾燥後、揮発成分を留去濃縮した。濃縮初期に析出した固体を濾別し、さらに濾液を濃縮した後,n−ヘキサンを加え冷却し析出した固体を濾別し粗生成物187.5gを得た。粗生成物をトルエンから再結晶し淡黄色結晶143.0gを得た。
【0066】
[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾアト]3’,5’−ビス(トリフルオロメチル)フェニルビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)
融点:168-170℃(decomp.)
IR(KBr:cm-1):3060,2926,1637,1437,1321,1277,1173,1127,748,697,518
1H-NMR(基準物質:TMS 溶媒:CDCl3):
δppm 6.97(s,1H),7.09(s,2H),7.20-7.32(m,18H),7.40-7.50(m,12H),7.53(s,2H),7.62(s,1H)
31P-NMR(基準物質:85%H3PO4 溶媒:CDCl3):δppm 25.73(s)。
【0067】
[調製例2]
ステンレス製オートクレーブに3,5−ビス(トリフルオロメチル)ブロモベンゼン32.5g、テトラヒドロフラン75ml、酢酸パラジウム25.0g、トリフェニルホスフィン87.3g、25%アンモニア水38.0g(アンモニアとして9.5g)を仕込んだ。窒素置換を2回行い、窒素圧を3kg/cm2として攪拌を始めると内温が上昇した。その後油浴温度を105℃に設定し加熱を開始した。約1.8時間後、内温が97℃に達した時点で油浴を外し冷却した。反応液にトルエン200mlを加え、数分間攪拌し、得られた処理液を吸引濾過し、濾物を少量のn−ヘキサンで洗浄した後、乾燥し淡緑色結晶72.10gを得た。
【0068】
ステンレス製オートクレーブに上で得られたブロモ[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)70.0g、3,5−ビス(トリフルオロメチル)安息香酸39.1g、テトラヒドロフラン150mlを加えた。そこへ25%アンモニア水20.5gを仕込んだ後、窒素置換を2回行い、窒素圧を3kg/cm2として攪拌を始め、油浴温度を100℃に設定し加熱を開始した。約2時間後、油浴を外し冷却した。反応液にトルエン500ml、25%アンモニア水150ml、および水200mlを加え、数分間攪拌した。上層の有機層を分液し、水洗2回、飽和食塩水で1回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、揮発成分を留去、濃縮し、淡黄色結晶75.3gを得た。結晶のIRおよび1H−NMRは実施例1で得られた結晶([3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾアト]3’,5’−ビス(トリフルオロメチル)フェニルビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II))と同一であった。
【0069】
[調製例3][3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾアト]3’−トリフルオロメチルフェニルビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)の合成
ステンレス製オートクレーブに、3−トリフルオロメチルブロモベンゼン25.0g、テトラヒドロフラン75ml、酢酸パラジウム25g、トリフェニルホスフィン87.3g、25%アンモニア水38g、3,5−ビス(トリフルオロメチル)安息香酸57.5gを仕込み、実施例1と同様な操作を行って[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾアト]3’−トリフルオロメチルフェニルビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)が 32.3g得られた。
【0070】
[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾアト]3’−トリフルオロメチルフェニルビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)
1H-NMR(基準物質:TMS 溶媒:CDCl3):
δppm 6.47(dd,J=7.3,7.8Hz,1H),6.77(d,J=7.3Hz,1H),6.80(brs,1H),6.95(d,J=7.8Hz,1H),7.24-7.30(m,18H),7.40-7.46(m,12H)。
【0071】
[実施例1]3,5−ビス(トリフルオロメチル)桂皮酸n−ブチルエステルの合成
真空乾燥した無水酢酸ナトリウム9.02gを200mlフラスコに取り、窒素気流下、さらに3,5−ビス(トリフルオロメチル)ブロモベンゼン29.3g、アクリル酸n−ブチル15.4gおよび実施例1で得られたパラジウム錯体([3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾアト]3’,5’−ビス(トリフルオロメチル)フェニルビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II))210mg、N,N−ジメチルアセトアミド70mlを加えた。攪拌しつつ、油浴を用いて加熱した。110℃で約1時間反応させた後室温まで冷却した。反応液を氷水に注ぎ、エーテルで抽出した。有機層を分液した後、水で3回洗浄し、飽和食塩水で2回洗浄し次いで無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒をエバポレータで減圧下留去し、残渣として褐色固体を得た。これをn−ヘキサンで再結晶して結晶22.3gを得た。
3,5−ビス(トリフルオロメチル)桂皮酸n−ブチル:
融点:47-48℃
1H-NMR:(基準物質:TMS 溶媒:CDCl3)
δppm 0.975(t,J=7.3Hz,3H),1.38-1.50(m,2H),1.66-1.75(m,2H),4.25(t,J=6.6Hz,2H)6.57(d,J=16Hz,1H),7.70(d,J=16Hz,1H),7.86(s,1H),7.93(s,2H)。
【0072】
[実施例2]3−トリフルオロメチル桂皮酸n−ブチルエステルの合成
無水酢酸ナトリウム9.02gを200mlフラスコに取り、窒素気流下、さらに3−トリフルオロメチルブロモベンゼン22.5g、アクリル酸n−ブチル15.4gおよび実施例1で得られたパラジウム錯体([3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾアト]3’,5’−ビス(トリフルオロメチル)フェニルビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II))55.1mg、およびN,N−ジメチルアセトアミド70mlを加えた。攪拌しつつ、油浴を用いて加熱した。110℃で約40時間反応させた後室温まで冷却した。反応液を氷水に注ぎ、エーテルで抽出した。有機層を分液した後、水で3回洗浄し、飽和食塩水で2回順次洗浄し次いで無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒をエバポレータで減圧下留去した後、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、標題化合物21.5gを油状物として得た。
【0073】
[実施例3]3−トリフルオロメチル桂皮酸の合成
ステンレス製オートクレーブに3−トリフルオロメチルブロモベンゼン56.3g、アクリル酸19.8g、トリエチルアミン50.6gおよび実施例1で得られたパラジウム錯体([3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾアト]3’,5’−ビス(トリフルオロメチル)フェニルビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II))137.7mg、およびテトラヒドロフラン100mlを仕込んだ。窒素置換を2回行い、窒素圧を2.5kg/cm2として攪拌を始め、油浴を用いて内温を110℃に調整しながら反応を行った。約8時間後、油浴を外し冷却した。反応液を氷水に注ぎ、濃塩酸を加えてpH1に調整後、エーテルで抽出した。有機層を分液した後、水で3回洗浄し、飽和食塩水で2回洗浄し次いで無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒をエバポレータで減圧下留去した後、得られた残渣をn−ヘキサン/酢酸エチルで再結晶し、標題化合物41.7gを無色結晶として得た。
融点:135〜137℃
【0074】
【発明の効果】
本発明の製造方法は、新規のパラジウム錯化合物を用いることで、芳香族化合物とアクリル酸誘導体から高い収率で桂皮酸誘導体を製造することができる。
Claims (19)
- パラジウム触媒の存在下、ハロゲン化芳香族化合物(ハロゲンは塩素、臭素またはヨウ素)とアクリル酸誘導体から桂皮酸誘導体を製造する方法であって、パラジウム触媒として一般式(1)
- 使用する前記パラジウム触媒が、ハロゲン化芳香族化合物に対して0.0001〜1モル%のパラジウムの量であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 一般式(9)で表されるハロゲン化芳香族化合物において、R5の少なくとも1個がCF3であることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の方法。
- 一般式(9)で表されるハロゲン化芳香族化合物において、R5がCF3、Yが臭素、nは1または2であることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の方法。
- 方法が50〜180℃の範囲の温度で行われることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の方法。
- 方法が保護ガスの下で撹拌しながら行われることを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の方法。
- 一般式(2)で表されるアリール基がビス(トリフルオロメチル)フェニル基である請求項1乃至8の何れかに記載の方法。
- 一般式(2)で表されるアリール基が3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基である請求項1乃至9の何れかに記載の方法。
- 一般式(3)で表されるアリール基のR2の少なくとも1個がトリフルオロメチル基である請求項1乃至10の何れかに記載の方法。
- 一般式(3)で表されるアリール基がフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基またはビス(トリフルオロメチル)フェニル基である請求項1乃至11の何れかに記載の方法。
- 一般式(3)で表されるアリール基が、3−トリフルオロメチルフェニル基または3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基である請求項1乃至12の何れかに記載の方法。
- 一般式(3)で表されるアリール基がフェニル基、3−トリフルオロメチルフェニル基または3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基であって、一般式(2)で表されるアリール基が3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基である請求項1乃至13の何れかに記載の方法。
- Lで表されるホスフィン配位子が一般式(4)、
P(R3)3 (4)
(式中、R3はそれぞれ独立に置換基を有することもあるフェニル基、炭素数1〜6のアルキル基を表す。)で表されるホスフィン配位子である請求項1乃至14の何れかに記載の方法。 - R3がそれぞれ独立にフェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、メチル基、エチル基またはn−ブチル基から選ばれた基である請求項1乃至15の何れかに記載の方法。
- 両方のLがトリフェニルホスフィンである請求項1乃至16の何れかに記載の方法。
- パラジウム触媒が[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾアト]3’,5’−ビス(トリフルオロメチル)フェニルビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)である請求項1乃至17の何れかに記載の方法。
- パラジウム触媒が[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾアト]3’−トリフルオロメチルフェニルビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)である請求項1乃至18の何れかに記載の方法。
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