JPH05155881A - 2−置換ベンゾ[bチオフェンおよびその中間体の製造方法 - Google Patents

2−置換ベンゾ[bチオフェンおよびその中間体の製造方法

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JPH05155881A
JPH05155881A JP32732391A JP32732391A JPH05155881A JP H05155881 A JPH05155881 A JP H05155881A JP 32732391 A JP32732391 A JP 32732391A JP 32732391 A JP32732391 A JP 32732391A JP H05155881 A JPH05155881 A JP H05155881A
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博 五田
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和良 山下
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 極性溶媒の存在下、2−ハロベンズアルデヒ
ドに水硫化アルカリ金属または硫化アルカリ金属を反応
せしめて2−メルカプトベンズアルデヒドまたはそのア
ルカリ金属メルカプチドとなし、引き続き、下記一般式
(I)で表わされるハロ化合物を反応させることを特徴
とする下記一般式(II)で表わされる2−置換ベンゾ
[b]チオフェンの製造方法。 XCHCOY ……(I) (式中、XはClまたはBrを表わし、Yは−CH
−OH、−ONa、−OK、−OCH、または−OC
基を表わす。) 【化1】 (式中、Yは、前記と同様である。) 【効果】 2−ハロベンズアルデヒドを原料として、目
的とする2−置換ベンゾ[b]チオフェンを、安価に、
しかも簡単な操作、いわゆるワンポット反応で得ること
ができるため、工業的価値は極めて大きい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、メルカプトベンズアル
デヒドの製造方法、およびこの方法により得られる2−
メルカプトベンズアルデヒドを原料として用いる2−置
換ベンゾ[b]チオフェンの製造方法に関する。メルカ
プトベンズアルデヒドおよび2−置換ベンゾ[b]チオ
フェンは、医薬、農薬、機能性高分子等の中間体として
有用な化合物である。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】従来、メ
ルカプトベンズアルデヒドの製造方法としては、いくつ
かの方法が知られている。例えば、以下のような方法が
挙げられる。
【0003】(A)2,2′−ジチオサリチル酸を原料
とする方法
【化2】
【0004】(B)2−ニトロベンズアルデヒドを原料
とする方法
【化3】
【0005】(C)チオサリチル酸を原料とする方法
【化4】
【0006】(D)4−メチルメルカプトベンズアルデ
ヒドを原料とする方法
【化5】
【0007】しかし、このようなメルカプトベンズアル
デヒドの公知の製造方法は、原料コストが高い、工程数
が長い、収率が低い等の欠点を有するため、決して工業
的に有利な方法とは言い難い。
【0008】また一方、従来より、2−置換ベンゾ
[b]チオフェンの製造方法、例えば2−アセチルベン
ゾ[b]チオフェンの製造例としては、下記に挙げる方
法などが知られている。
【0009】(1)ベンゾ[b]チオフェンにブチルリ
チウムを反応させ、引き続きN,N−ジメチルアセトア
ミドを作用させる方法
【化6】
【0010】(2)2−メルカプトベンズアルデヒドの
ナトリウム塩とクロロアセトンを水酸化ナトリウムの存
在下に反応せしめる方法
【化7】
【0011】(3)チオサリチル酸をリチウムアルミニ
ウムハイドライドで還元して2−メルカプトベンジルア
ルコール塩となし、引き続き、クロロアセトンと反応さ
せスルフィドとし、その後、ピリジン−無水硫酸で環化
する方法
【化8】
【0012】しかしながら、このような公知の方法は、
それぞれ次のような欠点を有している。
【0013】(1)の方法は、原料として用いるベンゾ
[b]チオフェンが高価なため、工業的に有利な方法と
は言い難い。
【0014】(3)の方法も(1)の方法と同様、原料
コストおよび高価な副原料を使用するため、工業的に有
利な方法とは言い難い。
【0015】(2)の方法に関しては、原料として用い
る2−メルカプトベンズアルデヒドあるいはそのアルカ
リ金属メルカプチドの製造方法および安定性に問題があ
る。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記した
状況に鑑み、簡易にかつ経済的に有利にメルカプトベン
ズアルデヒドを製造する方法を提供すべく鋭意検討し
た。その結果、極性溶媒の存在下、下記反応式に示すよ
うに、ハロベンズアルデヒドに水硫化アルカリ金属また
は硫化アルカリ金属を反応せしめることにより、目的と
するメルカプトベンズアルデヒドが容易に得られること
を見い出し、請求項1〜4に記載の発明に至った。
【化9】 (式中、ZはClまたはBrを示し、Mはアルカリ金属
を示す。)
【0017】さらに、本発明者らは、上記した状況に鑑
み、工業的に有利に、かつ通常の取り扱い条件下で、2
−置換ベンゾ[b]チオフェンを製造する方法を提供す
べく、鋭意検討を重ねた。その結果、下記反応式に示す
ように、容易かつ安価に入手することができる一般式
(III)で表わされる2−ハロベンズアルデヒドと水
硫化アルカリ金属または硫化アルカリ金属を極性溶媒の
存在下に反応せしめ、一段で2−メルカプトベンズアル
デヒドあるいはそのアルカリ金属メルカプチドとなし、
引き続き、一般式(I)で表わされるハロ化合物を反応
せしめることにより、いわゆるワンポット反応で、目的
とする2−置換ベンゾ[b]チオフェンを製造できるこ
とを見い出し、請求項5〜10に記載の発明に至った。
【化10】 (式中、XおよびZはそれぞれClまたはBrを示し、
Mはアルカリ金属を示し、Yは−CH、−OH、−O
Na、−OK、−OCH、−OC基を示す。)
【0018】すなわち、請求項1〜4に記載の発明の要
旨は、極性溶媒の存在下、ハロベンズアルデヒドに水硫
化アルカリ金属または硫化アルカリ金属を反応せしめる
ことを特徴とするメルカプトベンズアルデヒドの製造方
法である。本発明によるメルカプトベンズアルデヒドの
製造方法は、従来にない全く新規な方法であり、その特
徴は、工業的に安価に入手できるハロベンズアルデヒド
を原料として用い、これに水硫化アルカリ金属または硫
化アルカリ金属を反応せしめ、容易に製造できる点にあ
る。
【0019】本発明で得られるメルカプトベンズアルデ
ヒドとしては、2−メルカプトベンズアルデヒド、4−
メルカプトベンズアルデヒド等を挙げることができ、こ
れを得るために用いる原料のハロベンズアルデヒドとし
ては、2−クロロベンズアルデヒド、2−ブロモベンズ
アルデヒド、4−クロロベンズアルデヒド、4−ブロモ
ベンズアルデヒド等を挙げることができる。
【0020】水硫化アルカリ金属としては、水硫化ナト
リウム、水硫化カリウム等が挙げられ、硫化アルカリ金
属としては、硫化ナトリウム、硫化カリウム等を挙げる
ことができる。
【0021】本発明で使用する水硫化アルカリ金属また
は硫化アルカリ金属の使用量は、ハロベンズアルデヒド
に対して、通常0.8〜2.5倍モル、好ましくは1.
0〜2.0倍モルの範囲である。水硫化アルカリ金属ま
たは硫化アルカリ金属の使用量が0.8倍モル未満の場
合には、未反応のハロベンズアルデヒドが多くなり、一
方、2.5倍モルを超える場合には、副反応が多くな
り、収率が低下する。
【0022】ハロベンズアルデヒドと水硫化アルカリ金
属または硫化アルカリ金属との反応は、極性溶媒の存在
下で行なうが、用いる極性溶媒としては特に限定される
ものではなく、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N
−ジメチルアセトアミド、アセトアミド、ホルムアミ
ド、N−メチル−2−ピロリドン、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、ジメチルスルホキシド、ス
ルホラン、アセトニトリル等が挙げられる。特に、N,
N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリド
ン等を用いた場合には好結果を与える。溶媒の使用量
は、ハロベンズアルデヒドに対し、0.5〜30重量倍
が適量である。
【0023】本反応の溶媒としては、上記に示した極性
溶媒を単独に用いることもできるが、経済的な見地か
ら、他の溶媒との混合系も可能である。用いられる他の
溶媒としては、水;メタノール、エタノール、プロパノ
ール、イソプロパノール等の低級アルコール類;ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族炭
化水素類;塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン化
炭化水素類;ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘ
プタン等の炭化水素類を挙げることができる。この場
合、全溶媒中の極性溶媒の割合は、10〜100重量
%、好ましくは30〜100重量%である。
【0024】ハロベンズアルデヒドと水硫化アルカリ金
属または硫化アルカリ金属との反応温度は、使用する溶
媒種および混合比により変わり、一概には言えないが、
通常、10〜120℃、好ましくは20〜100℃の範
囲である。反応温度が10℃より低いと、反応速度が遅
く、逆に120℃より高い場合は、副反応のために収率
が低下し、好ましくない。反応時間は、通常、0.5〜
10時間の範囲である。
【0025】本発明により得られるメルカプトベンズア
ルデヒドは、酸化されやすいので、反応系に、チオ硫酸
ナトリウム、亜ジチオン酸ナトリウム、ピロ亜硫酸ナト
リウム、ピロ硫酸ナトリウム、ハイドロキノン等の還元
剤を添加しておくと、生成したメルカプトベンズアルデ
ヒドの酸化を抑制することができ、収率の向上を図るこ
とができる。還元剤の添加量は、溶媒に対して0.5〜
10重量%が適量である。0.5重量%より少ない量で
は、還元剤添加の効果が明白でなく、10重量%を超え
て使用しても、それに見合う効果が認められないからで
ある。
【0026】このようにして得られたメルカプトベンズ
アルデヒドは、例えば、抽出等の操作により、容易に取
得することができる。
【0027】次に、請求項5〜10に記載の発明の態様
は、2−置換ベンゾ[b]チオフェンの製造方法に関す
るものであり、前記した方法により得られる2−メルカ
プトベンズアルデヒドまたはそのアルカリ金属メルカプ
チドを原料とし、引き続き、一般式(I)で表わされる
ハロ化合物を反応せしめることにより、2−置換ベンゾ
[b]チオフェンを得る製造方法に関する。
【0028】すなわち、請求項5〜10に記載の発明の
要旨は、極性溶媒の存在下、一般式(III)で表わさ
れる2−ハロベンズアルデヒドと水硫化アルカリ金属ま
たは硫化アルカリ金属を反応せしめて、2−メルカプト
ベンズアルデヒドまたはそのアルカリ金属メルカプチド
となし、引き続き、一般式(I)で表わされるハロ化合
物を反応せしめることを特徴とする、一般式(II)で
表わされる2−置換ベンゾ[b]チオフェンの製造方法
である。
【0029】2−メルカプトベンズアルデヒドまたはそ
のアルカリ金属メルカプチドを得るにあたっては、請求
項1〜4記載の発明の態様をそのまま応用することがで
きる。
【0030】請求項1〜4記載の発明の態様により得ら
れた2−メルカプトベンズアルデヒドまたはそのアルカ
リ金属メルカプチドは、そのまま単離することも可能で
あるが、前述したように、酸化され易い化合物であるた
め、工業的見地からみれば、単離することなく、反応液
をそのまま次工程へ移すことが好ましい。
【0031】すなわち、得られた2−メルカプトベンズ
アルデヒドまたはそのアルカリ金属メルカプチドの反応
液に、引き続き、一般式(I)で表わされるハロ化合物
を反応せしめると、いわゆるワンポットで、目的とする
一般式(II)で表わされる2−置換ベンゾ[b]チオ
フェンを得ることができる。その際に、必要に応じて塩
基を添加してもよい。
【0032】一般式(I)で表わされるハロ化合物とし
ては、クロロアセトン、ブロモアセトン、クロロ酢酸、
クロロ酢酸ナトリウム、クロロ酢酸カリウム、ブロモ酢
酸、ブロモ酢酸ナトリウム、クロロ酢酸メチル、クロロ
酢酸エチル、ブロモ酢酸エチル等を挙げることができ
る。
【0033】一般式(I)で表わされるハロ化合物の使
用量は、原料として用いる一般式(III)の2−ハロ
ベンズアルデヒドに対し、通常0.5〜2.0倍モル、
好ましくは0.6〜1.5倍モルの範囲である。ハロ化
合物の使用量が0.5倍モル未満の場合には収率が低下
し、逆に2.0倍モルを超えて使用しても、それに見合
う効果が得られないため、経済的に不利となる。
【0034】添加する塩基としては、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ金属;炭酸ナト
リウム、炭酸カリウム等の炭酸アルカリ金属;ナトリウ
ムメチラート、ナトリウムエチラート等の金属アルコラ
ート等を使用することができる。経済的見地からみる
と、水酸化ナトリウムが好ましい。しかしながら、前述
した2−ハロベンズアルデヒドと水硫化アルカリ金属ま
たは硫化アルカリ金属の反応終了時に、過剰の水硫化ア
ルカリ金属または硫化アルカリ金属が残存する場合、こ
の過剰の水硫化アルカリ金属または硫化アルカリ金属が
塩基の役割をはたすため、ことさらに塩基を追加使用す
る必要がない場合もある。
【0035】2−メルカプトベンズアルデヒドまたはそ
のアルカリ金属メルカプチドと一般式(I)で表わされ
るハロ化合物の反応温度は、通常0〜80℃、好ましく
は5〜50℃の範囲である。反応温度が0℃より低い
と、反応速度が遅く、逆に80℃より高い場合、副反応
のために収率が低下する。反応時間は、通常0.5〜6
時間の範囲である。
【0036】このようにして、ワンポット反応で生成す
る一般式(II)で表わされる2−置換ベンゾ[b]チ
オフェンとしては、2−アセチルベンゾ[b]チオフェ
ン、2−ベンゾ[b]チオフェンカルボン酸、2−ベン
ゾ[b]チオフェンカルボン酸メチルエステル、2−ベ
ンゾ[b]チオフェンカルボン酸エチルエステル等を挙
げることができる。これらの2−置換ベンゾ[b]チオ
フェンの反応液からの単離は、通常、反応液に水を加
え、抽出して晶析あるいは酸析等の操作により行なうこ
とができる。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、ハロベンズアルデヒド
と水硫化アルカリ金属または硫化アルカリ金属とを反応
せしめることにより、容易に目的とするメルカプトベン
ズアルデヒドが収率よく得られるため、経済的にも、工
業的にも、有利な方法である。
【0038】また、得られた2−メルカプトベンズアル
デヒドを原料として、目的とする2−置換ベンゾ[b]
チオフェンを、安価に、しかも簡単な操作、いわゆるワ
ンポット反応で得ることができるため、工業的価値は極
めて大きい。
【0039】実施例1 撹拌機、温度計、冷却器を備えた300ml四つ口フラ
スコに、窒素雰囲気下で、70%水硫化ナトリウム8.
8g(0.11モル)、2−ブロモベンズアルデヒド1
8.50g(0.10モル)、N,N−ジメチルホルム
アミド50gを仕込み、60℃で2時間撹拌した。反応
後、反応液を室温まで冷却し、水200gを加え、濃塩
酸で反応液を中和した。ついで、塩化メチレン100g
で抽出・分液し、2−メルカプトベンズアルデヒドを含
む塩化メチレン溶液を得た。この溶液を、高速液体クロ
マトグラフィーにより定量したところ、8.98gの2
−メルカプトベンズアルデヒドが生成していた。2−ブ
ロモベンズアルデヒドに対する収率は、65.1%であ
った。
【0040】実施例2〜4 表1に示すハロベンズアルデヒド、溶媒、水硫化アルカ
リ金属または硫化アルカリ金属、モル比に変える以外は
実施例1と同様にして、メルカプトベンズアルデヒドを
得た。得られたメルカプトベンズアルデヒドおよび収率
を表1に示す。
【0041】
【表1】
【0042】実施例5 溶媒をN−メチル−2−ピロリドン20gとシクロヘキ
サン30gの混合溶媒に変えた以外は実施例2と同様に
して、2−メルカプトベンズアルデヒドを得た。2−ク
ロロベンズアルデヒドに対する収率は58.8%であっ
た。
【0043】実施例6 2−クロロベンズアルデヒドと水硫化ナトリウムとの反
応時に還元剤として2.5gの亜ジチオン酸ナトリウム
を添加した以外は実施例2と同様にして、2−メルカプ
トベンズアルデヒドを得た。2−クロロベンズアルデヒ
ドに対する収率は60.6%であった。
【0044】実施例7 撹拌機、温度計、冷却器を備えた300ml四つ口フラ
スコに、窒素雰囲気下で、70%水硫化ナトリウム8.
8g(0.11モル)、2−クロロベンズアルデヒド1
4.05g(0.10モル)、N−メチル−2−ピロリ
ドン20g、シクロヘキサン30gを仕込み、60℃で
2時間撹拌し、2−メルカプトベンズアルデヒドを含む
反応液を得た。引き続き、この反応液を20℃まで冷却
した後、同温度でクロロアセトン10.18g(0.1
1モル)を滴下し、1時間撹拌した。ついで、48%水
酸化ナトリウム水溶液8.3g(0.10モル)を加
え、1時間撹拌し、環化反応を行なった。
【0045】反応終了後、水80gおよびシクロヘキサ
ン70gを加え、60℃にて熱抽出分液し、シクロヘキ
サン層120gを得た。このシクロヘキサン層に、活性
炭3gを加え、60℃で活性炭処理した後、冷却・晶析
・濾過・乾燥し、淡黄白色結晶の2−アセチルベンゾ
[b]チオフェン9.2gを得た。2−クロロベンズア
ルデヒドに対する収率は52.3%であった。
【0046】実施例8〜10 表2に示す2−ハロベンズアルデヒド、NaSHのモル
比、溶媒を用いる以外は実施例7と同様にして、2−ア
セチルベンゾ[b]チオフェンを得た。2−ハロベンズ
アルデヒドに対する収率を表2に示す。
【0047】
【表2】
【0048】実施例11 撹拌機、温度計、冷却器を備えた300ml四つ口フラ
スコに、窒素雰囲気下で、60%硫化ナトリウム15.
6g(0.12モル)、2−クロロベンズアルデヒド1
4.05g(0.10モル)、N,N−ジメチルホルム
アミド50gを仕込み、還元剤としてハイドロキノンを
0.5g添加し、60℃で2時間撹拌して2−メルカプ
トベンズアルデヒドを含む反応液を得た。引き続き、こ
の反応液を25℃まで冷却した後、同温度でモノクロロ
酢酸ナトリウム12.81g(0.11モル)を添加
し、1時間撹拌した。ついで、48%水酸化ナトリウム
水溶液8.3g(0.10モル)を加え、1時間撹拌
し、環化反応を行なった。
【0049】反応終了後、水200gを加え、濃塩酸で
酸析・濾過・水洗し、粗2−ベンゾ[b]チオフェンカ
ルボン酸を得た。この粗2−ベンゾ[b]チオフェンカ
ルボン酸を、メタノール80gと水40gの混合溶媒中
で再結晶し、淡黄白色粉末の2−ベンゾ[b]チオフェ
ンカルボン酸8.5gを得た。2−クロロベンズアルデ
ヒドに対する収率は47.8%であった。
【0050】実施例12 実施例11と同様にして、2−メルカプトベンズアルデ
ヒドを含む反応液を得た。引き続き、この反応液を25
℃まで冷却した後、同温度でモノクロロ酢酸メチル1
1.94g(0.11モル)を滴下し、1時間撹拌し
た。ついで、48%水酸化ナトリウム水溶液8.3g
(0.10モル)を加え、1時間撹拌し、環化反応を行
なった。
【0051】反応終了後、水200gを加え、析出・濾
過・水洗し、粗2−ベンゾ[b]チオフェンカルボン酸
メチルエステルを得た。この粗2−ベンゾ[b]チオフ
ェンカルボン酸メチルエステルを、メタノール65gと
水80gの混合溶媒中で再結晶し、淡黄白色結晶の2−
ベンゾ[b]チオフェンカルボン酸メチルエステル9.
1gを得た。2−クロロベンズアルデヒドに対する収率
は47.4%であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉田 勝彦 兵庫県加古郡播磨町宮西346番地の1 住 友精化株式会社第1研究所内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 極性溶媒の存在下、ハロベンズアルデヒ
    ドに水硫化アルカリ金属または硫化アルカリ金属を反応
    せしめることを特徴とするメルカプトベンズアルデヒド
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 水硫化アルカリ金属が水硫化ナトリウム
    であり、硫化アルカリ金属が硫化ナトリウムである請求
    項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 極性溶媒がN,N−ジメチルホルムアミ
    ドおよび/またはN−メチル−2−ピロリドンである請
    求項1または2記載の方法。
  4. 【請求項4】 還元剤の存在下で行なうことを特徴とす
    る請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 【請求項5】 極性溶媒の存在下、2−ハロベンズアル
    デヒドに水硫化アルカリ金属または硫化アルカリ金属を
    反応せしめて2−メルカプトベンズアルデヒドまたはそ
    のアルカリ金属メルカプチドとなし、引き続き、下記一
    般式(I)で表わされるハロ化合物を反応させることを
    特徴とする下記一般式(II)で表わされる2−置換ベ
    ンゾ[b]チオフェンの製造方法。 XCHCOY ……(I) (式中、XはClまたはBrを表わし、Yは−CH
    −OH、−ONa、−OK、−OCH、または−OC
    基を表わす。) 【化1】 (式中、Yは、前記と同様である。)
  6. 【請求項6】 前記一般式(I)で表わされるハロ化合
    物がクロロアセトンまたはブロモアセトンである請求項
    5記載の方法。
  7. 【請求項7】 2−ハロベンズアルデヒドが2−クロロ
    ベンズアルデヒドである請求項5または6記載の方法。
  8. 【請求項8】 水硫化アルカリ金属が水硫化ナトリウム
    であり、硫化アルカリ金属が硫化ナトリウムである請求
    項5〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 【請求項9】 極性溶媒がN,N−ジメチルホルムアミ
    ドおよび/またはN−メチル−2−ピロリドンである請
    求項5〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 【請求項10】 還元剤の存在下で行なうことを特徴と
    する請求項5〜9のいずれか1項に記載の方法。
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