JP3717074B2 - 情報処理装置および方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は情報処理装置および方法に関し、特に、異常を精度よく検知し、誤報の発生を抑制することができるようにした情報処理装置および方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、従来の車両用の防犯装置は、センサにより音を検知し、そのセンサにより検知された検知信号に基づいて、その音が盗難行為やいたずら行為等による異常音であるか否かを判定し、その音が異常音であると判定された場合、防犯装置に実装された警報器により警報音を発生するようになされている。
【0003】
しかし、防犯装置の周囲には、盗難行為等による異常音だけでなく、異常音以外の環境音(すなわち、防犯装置の周囲において発生する異常音以外の音)も存在する。
【0004】
その結果、防犯装置のセンサは、本来検出すべき異常音だけでなく、例えば、ただ単にトラック等の他の車両が通過したとき発せられる音、工事等により加わる音等の外乱要素をも検出してしまう。これにより、防犯装置のセンサは、防犯装置が装備された車両において実際に盗難行為が行われていないにもかかわらず、その車両において盗難があったものと誤判定し、警報器により警報音を発生してしまう。
【0005】
この警報音は本来盗難があったことを周囲に知らせるためのものであることから、警報音の音量はある程度大きく設定してあるため、実際に盗難行為が行われていないにもかかわらず防犯装置がこのような警報音を発生してしまうことは、周辺の生活環境上、好ましいことではない。
【0006】
そこで、このような誤報の発生を防止するために、外乱要素と人為的盗難行為を判定することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
この提案は、予め求めた外乱要素による波形と人為的な盗難行為に特有の波形とを予め測定しておき、センサからの検知信号の出力波形を、その波形と比較することで盗難行為の有無を判定する方法である。
【0008】
【特許文献1】
特開2000−348263号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来は、センサにより検知された検知信号を、その大きさのみにより判定しているため、異常音を精度よく検知することができないという課題があった。また、単なる異常の検出にとどまり、多様な状況の認識をすることが困難であるという課題があった。
【0010】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、異常音を精度よく検知し、誤報の発生を抑制することができるようにすることを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の情報処理装置は、外部から入力された音を検知し、検知信号を生成する検知信号生成手段と、検知信号生成手段により生成された検知信号を、少なくとも2つの異なる周波数帯域の周波数成分に分離する分離手段と、分離手段により分離された周波数帯域の周波数成分のうち、少なくとも1つの周波数帯域の周波数成分から、予め設定された周波数成分の種類ごとに、周波数成分の特徴を表す特徴量を抽出する特徴量抽出手段と、特徴量抽出手段により抽出された特徴量が増加している増加時間を計時する計時手段と、計時手段により計時された特徴量の増加時間に基づいて、の種類を判定する種類判定手段と、種類判定手段により判定されたの種類が、所定の種類であるか否かを判定する所定種類判定手段と、所定種類判定手段により、の種類が所定の種類であると判定された場合、その旨を通知する通知手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
検知信号生成手段は、例えば、センサにより構成され、分離手段は、例えば、 LPF Low Pass Filter )および HPF(High Pass Filter) により構成され、特徴量抽出手段は、例えば、低周波成分抽出部により構成される。計時手段は、例えば、タイマにより構成され、種類判定手段は、例えば、低周波成分判定部より構成される。所定種類判定手段は、例えば、認識部により構成され、通知手段は、例えば、警報音発生部により構成される。
【0013】
以上のように構成することにより、異常を精度よく検知することができる。従って、誤報を抑えることができる。
【0014】
特徴量抽出手段により抽出された周波数成分の種類ごとの特徴量を積算する積算手段をさらに備え、計時手段は、積算手段により積算された結果得られる特徴量の積算値が増加している増加時間を計時するようにすることができる。
【0015】
積算手段は、例えば、特徴量演算部により構成される。
積算手段により積算された結果得られる特徴量の積算値の平均値を演算する平均値演算手段をさらに備え、計時手段は、平均値演算手段により得られる平均値が増加している増加時間を計時するようにすることができる。
平均値演算手段は、例えば、特徴量演算部により構成される。
【0016】
以上のように構成することにより、センサにより検知された入力信号の特徴量をより正確に抽出できる。
【0017】
分離手段は、検知信号から所定の低周波成分を抽出する低周波成分抽出手段と、検知信号から所定の高周波成分抽出する高周波成分抽出手段備え、特徴量抽出手段は、低周波成分抽出手段により抽出された低周波数成分から、予め設定された周波数成分の種類ごとに、低周波成分の特徴量を抽出する低周波成分特徴量抽出手段と、高周波成分抽出手段により抽出された高周波成分から、高周波成分の特徴を表す特徴量を抽出する高周波成分特徴量抽出手段とを備え、計時手段は、低周波成分特徴量抽出手段により抽出された低周波成分の特徴量が増加している増加時間を計時し、所定種類判定手段は、高周波成分特徴量抽出手段により抽出された高周波成分の特徴量をさらに利用して、の種類が所定の種類であるか否かを判定するようにすることができる。
【0018】
低周波成分抽出手段は、例えば、 LPF により構成され、高周波成分抽出手段は、例えば、HPFにより構成される。また、低周波成分特徴量抽出手段は、例えば、低周波成分抽出部により構成され、高周波成分特徴量抽出手段は、例えば、高周波成分抽出部により構成される。
【0019】
以上のように構成することにより、センサにより検知された入力信号が異常であるか否かを確実に判定することができる。
【0020】
本発明の情報処理方法は、外部から入力された音を検知し、検知信号を生成する検知信号生成ステップと、検知信号生成ステップの処理により生成された検知信号を、少なくとも2つの異なる周波数帯域の周波数成分に分離する分離ステップと、分離ステップの処理により分離された周波数帯域の周波数成分のうち、少なくとも1つの周波数帯域の周波数成分から、予め設定された周波数成分の種類ごとに、周波数成分の特徴を表す特徴量を抽出する特徴量抽出ステップと、特徴量抽出ステップの処理により抽出された特徴量が増加している増加時間を計時する計時ステップと、計時ステップの処理により計時された特徴量の増加時間に基づいて、の種類を判定する種類判定ステップと、種類判定ステップの処理により判定されたの種類が、所定の種類であるか否かを判定する所定種類判定ステップと、所定種類判定ステップの処理により、の種類が所定の種類であると判定された場合、その旨を通知する通知ステップとを含むことを特徴とする。
【0021】
検知信号生成ステップは、例えば、センサが音を検知するステップにより構成され、分離ステップは、例えば、 LPF Low Pass Filter )および HPF(High Pass Filter) が低周波成分と高周波成分を抽出するステップにより構成され、特徴量抽出ステップは、例えば、低周波成分抽出部が特徴量を演算するステップにより構成される。計時ステップは、例えば、タイマが増加時間を計測するステップにより構成される。種類判定ステップは、例えば、低周波成分判定部が音の種類を判定するステップにより構成され、所定種類判定ステップは、例えば、認識部が異常音であるかどうかを認識するステップにより構成される。通知ステップは、例えば、警報音発生部が警報を鳴らすステップにより構成される。
【0022】
以上のように構成されることにより、本発明の情報処理装置における場合と同様に、異常を精度よく検知することができる。従って、誤報を抑えることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
【0024】
図1は、本発明を適用した監視装置1の構成例を示す。
【0025】
監視装置1は、センサ11、アナログ信号処理部12、A/Dコンバータ13乃至15、判定部16、記憶部17、認識部18、警報音発生部19、発光素子制御部21、発光素子22、およびU/I制御部23により構成されている。
【0026】
U/I制御部23は、ユーザにより操作されたリモートコマンダ81から発信されたIR(赤外線)信号を検出すると、発光素子22の点滅を開始させるための点滅開始制御信号を生成し、発光素子制御部21に供給するとともに、センサ11の動作を開始するための動作開始制御信号を生成し、センサ11に供給する。
【0027】
センサ11は、U/I制御部23から供給された動作開始制御信号に基づいて、検知動作を開始する。センサ11は、外部から入力された音(空気の振動)を検知すると、その音を電気信号としての検知信号に変換し、アナログ信号処理部12に供給する。アナログ信号処理部12は、センサ11から供給された検知信号を異なる所定の周波数帯域(例えば、低周波帯域と高周波帯域)に分離した後、アンプによりその信号を増幅し、それぞれ、A/Dコンバータ13乃至15に供給する。A/Dコンバータ13乃至15は、アナログ信号処理部12から供給された各周波数帯域のアナログ信号をディジタル信号に変換し、判定部16に供給する。
【0028】
判定部16は、A/Dコンバータ13乃至15からそれぞれ供給されたディジタル信号に基づいて、低周波成分抽出部62(図4を参照して後述する)により抽出された各周波数帯域の成分における特徴量、および高周波成分抽出部63(図5を参照して後述する)によるピークのエンベロープにより判定されたセンサ11で検知された音の種類を、それぞれ、認識部18に供給する。
【0029】
記憶部17は、特徴量の種類が定義付けられたデータベース171(図15を参照して後述する)を有しており、判定部16および認識部18から供給される判定結果や認識結果を適宜記憶する。
【0030】
認識部18は、判定部16から供給された検知音の種類に基づいて、センサ11により検知された音が異常音であるか否かを判定する。認識部18は、センサ11により検知された音が異常音であると判定した場合、警報音発生部19に警報音を発生するように警報音発生制御信号を供給する。
【0031】
警報音発生部19は、認識部18から供給された警報音発生制御信号に基づいて、警報音を発生し、所定の時間経過した後、あるいは、ユーザが停止操作を行ったとき、警報音を停止する。
【0032】
発光素子制御部21は、U/I制御部23から供給された点滅開始制御信号に基づいて、発光素子22の動作を制御する発光素子制御信号を生成し、発光素子22に供給する。発光素子22は、発光素子制御部21から供給された発光素子制御信号に基づいて、所定の周期で点滅する。
【0033】
アナログ信号処理部12は、アンプ41、LPF(Low Pass Filter)42、アンプ43、アンプ44、HPF(High Pass Filter)45、アンプ46、およびピークディテクタ47により構成されている。
【0034】
センサ11より出力された検知信号は、検知信号から低周波帯域の周波数成分を分離するための低周波経路と、検知信号から高周波帯域の周波数成分を分離するための高周波経路に供給される。
【0035】
低周波経路は、アンプ41、LPF42、アンプ43、およびアンプ44により構成されている。アンプ41は、センサ11より入力された検知信号を所定の増幅率により増幅し、その増幅信号をLPF42に供給する。LPF42は、アンプ41から供給された検知信号から、所定の低周波成分、例えば、50Hz以下の低周波成分を抽出する。LPF42により抽出された低周波成分は、2つの異なる増幅率のアンプ、すなわち、アンプ43、およびアンプ44に供給される。アンプ43の増幅率はNとされ、アンプ44の増幅率はNより小さいMとされる。
【0036】
アンプ43またはアンプ44は、LPF42から供給された低周波成分を、それぞれ、N倍、または、M倍に増幅し、A/Dコンバータ13または14にそれぞれ出力する。
【0037】
高周波経路は、HPF45、アンプ46、およびピークディテクタ47により構成されている。HPF45は、センサ11より入力された検知信号から、所定の高周波成分、例えば、6KHz以上の高周波を抽出し、アンプ46に供給する。アンプ46は、HPF45から供給された高周波成分を所定の増幅率により増幅し、ピークディテクタ47に供給する。ピークディテクタ47は、アンプ46から供給された検知信号から、ピーク値を検出し、そのエンベロープ成分をA/Dコンバータ15に出力する。
【0038】
なお、低周波経路において低周波帯域の周波数成分を抽出する場合、センサ11から検知信号をLPF42に直接入力すると、LPF42は低周波帯域の周波数成分を検知信号から抽出しにくい。そのため、この監視装置1の低周波経路においては、高周波経路とは異なり、センサ11より入力された検知信号は、アンプ41により増幅された後、低周波成分を抽出するLPF42に供給される。これにより、LPF42は、検知信号から低周波成分を精度よく抽出することが可能になる。
【0039】
また、A/Dコンバータ13乃至15におけるアナログ信号からディジタル信号への変換は、標本化、量子化、符号化の3つの過程から構成されている。標本化とは、時間的に連続なアナログ信号(以下、「原信号」という。例えば、この場合、センサ11からの検知信号)から、ある時間間隔ごとに原信号の大きさを抽出する操作のことで、原信号から抽出された信号のことをサンプル値という。サンプル値から原信号を完全に復元するためには、サンプリング周期が原信号に含まれる最高周波数成分の周期の1/2より小さいことが必要である(いわゆるサンプリング定理)。例えば、100Hzでサンプリングすると、A/Dコンバータは、50Hzまでの信号しか標本化することができない。
【0040】
従って、検知信号から高周波成分を分離する高周波経路において、分離した高周波成分を高周波経路からそのままA/Dコンバータ15に出力した場合、A/Dコンバータ15は、高周波成分から特徴量を精度よく抽出できる程度にまで標本化するようにするためには、サンプリング周期を相当小さくする(周波数を相当高くする)必要がある。その結果、監視装置1は、全体として、多くの電力を消費してしまう。
【0041】
そこで、高周波経路においては、検知信号はHPF45に供給された後、アンプ46を介してピークディテクタ47に供給されることにより、ピークのエンベロープが検出される。すなわち、ピークディテクタ47によりピーク値のみが抽出された場合、例えば、図2に示されるように、その信号は、高周波成分101のピーク値A乃至Eの離散的なものとなる。しかしながら、これらのピーク値A乃至Eを結んで得られるエンベロープ102は、周波数の低い信号となる。これにより、検知信号から分離された高周波成分のデータ量が少なくなるので、監視装置1は、A/Dコンバータ15以降の処理における電力消費を抑えることが可能となる。
【0042】
判定部16は、低周波合成成分生成部61、低周波成分抽出部62、および高周波成分抽出部63により構成されている。
【0043】
低周波合成成分生成部61は、A/Dコンバータ13およびA/Dコンバータ14より入力されたN倍増幅低周波成分およびM倍増幅低周波成分に基づいて、低周波合成成分を生成し、その低周波合成成分を低周波成分抽出部62に供給する。なお、低周波合成成分生成部61の構成については、図3を参照して後述する。
【0044】
低周波成分抽出部62は、低周波合成成分生成部61から供給された低周波合成成分に基づいて低周波特徴量を抽出し、検知音の種類を判定して、判定結果を認識部18に出力する。高周波成分抽出部63は、A/Dコンバータ15より入力された高周波成分のピーク値のエンベロープに基づいて、検知音の種類を判定し、判定結果を認識部18に出力する。
【0045】
図3は、低周波合成成分生成部61の構成を示すブロック図である。
【0046】
低周波合成成分生成部61は、飽和判定部111および計算部112により構成されている。
【0047】
飽和判定部111は、A/Dコンバータ13より入力されたN倍増幅低周波成分が飽和しているか否か、すなわち、N倍増幅した際の出力レベルが検出可能な限界値を超えているか否かを判定し、その判定結果を計算部112に供給する。なお、N倍増幅低周波成分の飽和については、図9を参照して後述する。
【0048】
計算部112は、飽和判定部111から供給された判定結果が飽和を表している場合、A/Dコンバータ13およびA/Dコンバータ14より入力されたN倍増幅低周波成分およびM倍増幅低周波成分に基づいて、線形変換を行い、低周波合成成分を生成し、低周波成分抽出部62に出力する。判定結果が飽和を表していない場合、計算部112は、A/Dコンバータ13により入力されたN倍増幅低周波成分をそのまま低周波合成成分として、低周波成分抽出部62に出力する。なお、低周波合成成分生成方法の詳細については、図10および図11を参照して後述する。
【0049】
図4は、低周波成分抽出部62の構成を示すブロック図である。
【0050】
低周波成分抽出部62は、DCT変換部131、分類部132、特徴量演算部133、低周波成分判定部134、およびタイマ135により構成されている。
【0051】
DCT変換部131は、低周波合成成分生成部61から入力された低周波合成成分をDCT(Discrete Cosine Transform)変換し(時間領域のデータから周波数領域のデータに変換し)、すなわち、予め設定しておいた基底周波数成分、例えば、16の基底周波数成分(図14を参照して後述する)のDCT係数に変換し、分類部132および特徴量演算部133に供給する。なお、時間領域のデータから周波数領域のデータへの変換については、図14を参照して後述する。
【0052】
分類部132は、DCT変換部131から供給された基底周波数成分を取得し、記憶部17に予め記憶させたデータベース171(図15を参照して後述する)を参照しながら、取得された基底周波数成分をグループごとに分類し、分類結果を特徴量演算部133に供給する。
【0053】
特徴量演算部133は、DCT変換部131および分類部132から供給された基底周波数成分およびそのグループの分類に基づいて、基底周波数成分の出力レベルをグループごとに加算することにより低周波成分特徴量を演算し、サンプリング値を決定する。そして、サンプリング値から平均特徴量を演算し、低周波成分判定部134に供給する。なお、平均特徴量の演算については、図12のフローチャートを参照して後述する。
【0054】
低周波成分判定部134は、タイマ135を制御し、供給された平均特徴量の増加時間を計測させる。この増加時間と供給された平均特徴量に基づいて、低周波成分判定部134は、検知音の種類を判定し、その判定結果を記憶部17と認識部18に出力する。
【0055】
図5は、高周波成分抽出部63の構成を示すブロック図である。
【0056】
高周波成分抽出部63は、高周波成分判定部151を有する。高周波成分判定部151は、A/Dコンバータ15より入力された高周波成分のピーク値のエンベロープを取得し、記憶部17に予め記憶させた基準値より、取得されたエンベロープの出力レベルが大きいか否かに基づいて、検知音の種類を判定し、判定結果を記憶部17と認識部18に出力する。
【0057】
次に、図6のフローチャートを参照して、監視装置1における監視処理について説明する。
【0058】
ステップS1において、U/I制御部23は、ユーザにより操作されたリモートコマンダ81から発信されたIR信号を検出したか否かを判定する。ステップS1において、IR信号を検出したと判定された場合、U/I制御部23は、発光素子22の点滅を開始させるための点滅開始制御信号を生成し、発光素子制御部21に供給するとともに、センサ11の動作を開始するための動作開始制御信号を生成し、センサ11に供給する。ステップS1においてIR信号を検出していないと判定された場合、U/I制御部23は、IR信号が入力されるまで待機する。
【0059】
ステップS2において、発光素子制御部21は、U/I制御部23から点滅開始制御信号が入力されると、発光素子22の動作を制御する発光素子制御信号を生成し、発光素子22に供給する。発光素子22は、発光素子制御部21から供給された発光素子制御信号に基づいて、所定の周期で点滅を開始する。センサ11は、U/I制御部23から動作開始制御信号が入力されると、ステップS3において、外部からの音を検知するための検知動作を開始する。センサ11は、外部からの音を検知すると、その音を電気信号としての検知信号に変換し、アナログ信号処理部12に供給する。
【0060】
ステップS4において、センサ11より入力された検知信号から低周波成分と高周波成分が抽出される。すなわち、検知信号は、アナログ信号処理部12のアンプ41により増幅された後、LPF42に供給されるとともに、HPF45に供給される。LPF42は、アンプ41から供給された検知信号から、50Hz以下の低周波成分を抽出し、その低周波成分をアンプ43およびアンプ44に供給する。アンプ43またはアンプ44は、LPF42から供給された低周波成分を、それぞれ、N倍またはM倍に増幅し、N倍増幅低周波成分またはM倍増幅低周波成分を、それぞれA/Dコンバータ13またはA/Dコンバータ14に出力する。
【0061】
HPF45は、センサ11より入力された検知信号から、6KHz以上の高周波成分を抽出し、その高周波成分をアンプ46に供給する。アンプ46は、HPF45から供給された高周波成分を増幅し、アナログ信号処理部12のピークディテクタ47に供給する。ピークディテクタ47は、アンプ46から供給された検知信号から、ピーク値のエンベロープを検出し、A/Dコンバータ15に出力する。
【0062】
ステップS5において、A/Dコンバータ13乃至15は、アンプ43、アンプ44、およびピークディテクタ47から供給されたN倍増幅低周波成分、M倍増幅低周波成分、および高周波成分のピーク値のエンベロープを、それそれ、アナログ信号からディジタル信号に変換する。A/Dコンバータ13およびA/Dコンバータ14は、変換されたN倍増幅低周波成分およびM倍増幅低周波成分のディジタル信号を、判定部16の低周波合成成分生成部61に供給し、A/Dコンバータ15は、変換された高周波成分のピーク値のエンベロープのディジタル信号を、判定部16の高周波成分抽出部63に供給する。
【0063】
ステップ6において、判定部16は、検知音の判定処理を実行する。検知音の判定処理には、低周波処理と高周波処理の2つの処理があり、両処理が同時に実行される。低周波処理および高周波処理は、それぞれ、図7および図18のフローチャートに示されている。
【0064】
まず、図7のフローチャートを参照して、低周波処理について説明する。ステップS31において、低周波合成成分生成部61は、低周波合成成分生成処理を実行する。
【0065】
低周波合成成分生成処理の詳細は、図8のフローチャートに示されている。ステップS51において、飽和判定部111は、A/Dコンバータ13から入力されたN倍増幅低周波成分を取得し、取得されたN倍増幅低周波成分が飽和しているか否か、すなわち、N倍増幅した際の出力レベルが検出可能な限界値を超えているか否かを判定する。
【0066】
図9を参照して、N倍増幅低周波成分の飽和について説明する。
【0067】
図9Aおよび図9Bは、アンプ43が異なる検知信号の低周波成分についてN倍の増幅率で増幅した場合における、N倍増幅低周波成分の波形の例を示す。図9Aに示されるように、図9AのN倍増幅低周波成分は、検出可能な限界値を超えておらず、飽和していない。従って、アンプ43は、N倍増幅低周波成分の波形全体を検出することができる。一方、図9Bに示されるように、図9BのN倍増幅低周波成分は、検出可能な限界値を超えており、飽和している(正のピークPuと負のピークPdが上限に達している)。従って、ピークPu,Pdの部分においては、アンプ43は、N倍増幅低周波成分の波形全体(図9において、点線で示される値)を検出することができない。
【0068】
図8のフローチャートに戻り、ステップS51においてN倍増幅低周波成分が飽和していると判定された場合、飽和判定部111は、その判定結果を計算部112に供給する。ステップS52において、計算部112は、A/Dコンバータ13およびA/Dコンバータ14から入力されたN倍増幅低周波成分およびM倍増幅低周波成分に基づいて、線形変換を行い、N倍増幅低周波成分とM倍増幅低周波成分に基づく低周波合成成分を生成し、低周波成分抽出部62に出力する。ステップS51で、N倍増幅低周波成分が飽和していないと判定された場合、ステップS52の線形変換処理はスキップされる。このとき、N倍増幅低周波成分がそのまま低周波合成成分として出力される。
【0069】
図10および図11を参照して、低周波合成成分生成における線形変換について説明する。
【0070】
図10A乃至図10Bは、アンプ43およびアンプ44が、同一の検知信号の低周波成分についてそれぞれの増幅率で増幅した場合における、N倍増幅低周波成分およびM倍増幅低周波成分の波形の例を示す。
【0071】
図10Aに示される低周波成分の波形は、飽和した場合におけるN倍増幅低周波成分(増幅率が大きい)の波形であり、ピークPu1,Pd1,Pd2の部分においては、図9において上述した場合と同様に、検出可能な限界値を超えており、飽和している。一方、図10Bに示される低周波成分の波形は、M倍増幅低周波成分(増幅率が小さい)の波形であり、飽和していない。図10に示されるように、N倍増幅低周波成分の波形とM倍増幅低周波成分の波形とは、同一の検知信号の低周波成分を異なる増幅率で増幅した波形であるので、両波形は、図10の時刻t1乃至時刻t4において同様にピークを示すが、両波形の出力レベルは異なったレベルとなる。換言すれば、両信号は、レベルが異なるだけで、同期している。
【0072】
なお、アンプ44における増幅率Mは、アンプ44において低周波成分を増幅しても通常飽和することのない程度の低増幅率であり、例えば、アンプ43の増幅率Nは、24倍、アンプ44の増幅率Mは、4倍に設定される。
【0073】
ここで、特徴量を抽出する際に用いられる波形として、低増幅率で増幅した波形と高増幅率で増幅した波形とを比較した場合、判定部16は、高増幅率で増幅した波形(より大きなレベルの信号)を用いた方が、より正確な検知音の種類の判定を行うことができる。
【0074】
従って、図10Aに示される飽和したN倍増幅低周波成分の波形におけるピークPu1,Pd1,Pd2の部分が飽和していないのであれば、図10Bに示されるM倍増幅低周波成分の波形よりも、N倍増幅低周波成分の波形を用いた方が、判定部16は、より正確な検知音の種類の判定を行うことができる。しかしながら、飽和している部分があるときは、その部分の波形を得ることができない。そこで計算部112は、式(1)に従って、M倍増幅低周波成分のレベルmをN/M倍することで、N倍増幅低周波成分のレベルを演算する。
【0075】
すなわち、図11に示されるように、図10の任意の時刻tにおけるM倍増幅低周波成分の波形(図10B)およびN倍増幅低周波成分の波形(図10A)の出力レベルを、それぞれ、mおよびnとすると、M倍増幅低周波成分の波形の出力レベルmとN倍増幅低周波成分の波形の出力レベルnは、上述したように、同一の検知信号の低周波成分を異なる増幅率で増幅した波形であるので、一般的に、式(1)のような関係が成り立つ。
n=(N/M)×m ・・・(1)
【0076】
例えば、図10の時刻t3におけるM倍増幅低周波成分の波形出力レベルm3と、N倍増幅低周波成分の波形の出力レベルn3においては、n3=(N/M)×m3の関係が成り立っている。従って、図10の時刻t1におけるN倍増幅低周波成分の波形の出力レベルn1は、式(1)に基づき、n1=(N/M)×m1の関係式から線形変換を行うことにより、N倍増幅低周波成分の波形の飽和部分における波形を正確に求めることができる。
【0077】
これにより、常に高感度の低周波成分を生成することができる。また、判定部16は、生成された高感度の低周波成分に基づいて精度よく検知音の種類を判定することができる。従って、ユーザは、検知したい音に応じて、アンプによる感度を調節する必要がなくなる。
【0078】
図7に戻り、ステップS31において、以上のようにして低周波合成成分生成処理が行われた後、ステップS32において、低周波成分抽出部62は、低周波成分判定処理を実行する。この低周波成分判定処理の詳細は、図12と図13のフローチャートに示されている。
【0079】
図12と図13を参照して、低周波成分判定処理について説明する。ステップS71において、DCT変換部131は、低周波合成成分生成部61より入力された低周波合成成分をDCT変換し、すなわち、予め設定しておいた基底周波数成分、例えば、16の基底周波数成分に変換し、分類部132および特徴量演算部133に供給する。
【0080】
図14は、低周波合成成分の波形と16の基底周波数成分の波形の関係を模式的に表している。
【0081】
図14Aは、低周波合成成分生成部61により生成された低周波合成成分の波形の例であり、図14f0乃至図14f4は、この低周波合成成分をDCT変換して得られる16の基底周波数成分のうちの一部の基底周波数成分f0,f1,f2,f3,およびf4の波形を示している。図14f0は、基底周波数成分f0の直流波形であり、周波数0である。図14f1から図14f4になるにつれて周波数は高くなり、基底周波数成分f15(図示せず)の周波数が最高となる。例えば、低周波合成成分生成部61より入力された低周波合成成分の波形により、図14f0乃至図14f4の基底周波数成分f0乃至f4における各波形のレベルは変化する。例えば、入力された低周波合成成分の波形に、レベルの大きい基底周波数成分f2が低周波合成成分に含まれていた場合、当然、図14f2の基底周波数成分f2のレベルGも大きくなる。従って、低周波合成成分の波形の種類(すなわち、検知された音の種類、例えば、「ガラス破壊音」と「エンジン始動音」)によって、検出される基底周波数成分とそのレベルが変化する。
【0082】
従って、DCT変換部131は、低周波合成成分の波形を、基底周波数成分f0乃至f15の周波数領域のデータに変換し、基底周波数成分f0乃至f15の周波数領域のデータの和として分類部132および特徴量演算部133に供給する。
【0083】
なお、本実施の形態においては、DCT(Discrete Cosine Transform)を用いて低周波合成成分を時間領域のデータから周波数領域のデータに変換しているが、FFT(Fast Fourier Transform)を用いてもよい。
【0084】
図12に戻って、ステップS72において、分類部132は、DCT変換部131から供給された基底周波数成分f0乃至f15を、記憶部17に予め記憶されたデータベースに基づいて、いくつかのグループに分類し、その分類を特徴量演算部133に供給する。
【0085】
図15は、記憶部17に記憶されたデータベース171の例を示す。
【0086】
図15に示されるように、データベース171は、例えば、基底周波数成分f0、基底周波数成分f1、基底周波数成分f2およびf3、基底周波数成分f4至f7、並びに基底周波数成分f8乃至f15を、グループ0乃至4にそれぞれ分類して記憶する。また、データベース171は、後述する、特徴量演算部133によりグループごとに演算される低周波特徴量を、それぞれ、特徴量act0乃至特徴量act4と予め定義し、記憶する。
【0087】
ステップS73において、特徴量演算部133は、DCT変換部131から供給された基底周波数成分f0乃至f15を、分類部132から供給された分類に基づいて、グループ毎に加算することにより、グループ毎の低周波成分特徴量を演算する。即ち、act0は、基底周波数成分f0であり、act1は、基底周波数成分f1である。また、act2は、基底周波数成分f2とf3の和であり、act3は、基底周波数成分f4乃至f7の和であり、act3は、基底周波数成分f8乃至f15の和である。
【0088】
さらに、特徴量演算部133は、以下の式(2)に従って、サンプリング値Sを決定する。
S=A×act0+B×act1+C×act2+D×act3+E×act4 ・・・(2)
なお、A乃至Eは、定数を表している。
【0089】
ステップS74において、特徴量演算部133は、ステップS73の処理で決定されたサンプリング値Sを、以下の式(3)に基づいて、平均化し、平均特徴量fを演算する。そして、特徴量演算部133は、演算した平均特徴量fを低周波成分判定部134に供給する。
f(n+1)=f(n)*((n-1)/n)+Sn/n・・・(3)
なお、nはいままでのサンプリングの個数を表し、Snは、n回目のサンプリング値Sを表す。したがって、例えば、サンプリング値がS1とS2の2個ある場合、式(3)により、平均特徴量f(3)=S1/2+S2/2となり、2個のサンプリング値の平均となる。即ち、特徴量演算部133は、それまでのサンプリング値の平均値を演算する。
【0090】
ステップS75において、低周波成分判定部134は、平均特徴量が増加している(前回の平均特徴量より今回の平均特徴量の方が大きい)か否かを判定する。平均特徴量が増加していると判定された場合、低周波成分判定部134は、処理をステップS76に進め、タイマ135を制御して、平均特徴量の増加時間を計測させる。その後の処理は、図6のステップS7に進む。
【0091】
ステップS75において、平均特徴量が増加していない(今回の平均特徴量は前回の平均特徴量と等しいか、またはそれより小さい)と判定された場合、低周波成分判定部134は、処理をステップS77に進め、タイマ135の計時動作が既に開始されている(前回の処理でステップS76の処理が行なわれた)か否かを判定する。タイマ135の計時動作がまだ開始されていないと判定された場合、処理は、図6ステップS7に進む。
【0092】
ステップS77において、タイマ135の計時動作が既に開始されていると判定された場合、低周波成分判定部134は、処理をステップS78に進め、タイマ135の計時動作を終了させる。即ち、音が検出されない場合、ステップS71乃至S75,S77の処理が繰り返される(図6のステップS7,S8,S11、ステップS3乃至S6の処理が繰り返される)。音が検出されると、計時動作が開始され、音がなくなるかまたは一定になると、計時動作が終了される。これにより、結局音が発生してから減少し始めるか、または一定になるまでの時間(増加時間)が計測される。
【0093】
ステップS79において、低周波成分判定部134は、タイマ135で計測された時間(ステップS76の処理で開始され、ステップS78の処理で終了されるまでの時間)、すなわち、平均特徴量の増加時間tが所定の基準値m以上であるか否かを判定する。
【0094】
ステップS79の処理で、平均特徴量の増加時間tが基準値m以上であると判定された場合(増加時間tが十分長い場合)、低周波成分判定部134は、処理をステップS80に進める。ステップS80において、低周波成分判定部134は、平均特徴量の増加時間tが所定の基準値q(q>m)以上であるか否かを判定する。
【0095】
ステップS80において、低周波成分判定部134は、平均特徴量の増加時間tが基準値q以上(t≧q≧m)であると判定された場合、処理をステップS81に進める。ステップS81において、低周波成分判定部134は、センサ11で検知された音が「風」のノイズであると判定し、その判定結果を記憶部17および認識部18に出力して、処理を図6のステップS7に進める。なお、「風」とは、監視装置1が装備された対象に対して常時吹き付ける空気の流れであり、空気を媒介として伝わる極低周波の振動に基づく環境音である。
【0096】
一方、ステップS80において、平均特徴量の増加時間tが基準値q以上ではない(m≦t<q)と判定された場合、低周波成分判定部134は、処理をステップS82に進める。ステップS82において、低周波成分判定部134は、センサ11で検知された音が、監視装置1が装備された対象の周りでトラックが通過した音(「トラックの通過音」)であると判定し、その判定結果を記憶部17および認識部18に出力して、処理を図6のステップS7に進める。すなわち、基準値mは、検出された音が環境音であるか否かを判定する閾値であり、基準値qは、「風」(または「トラックの通過音」)であるか否かを判定する閾値である。
【0097】
ステップS79の処理で、平均特徴量の増加時間tが基準値m以上ではない(t<m)と判定された場合、低周波成分判定部134は、処理をステップS83に進める。ステップS83において、低周波成分判定部134は、平均特徴量の増加時間tが所定の基準値n(n<m)以上であるか否かを判定する。
【0098】
ステップS83において、平均特徴量の増加時間tが基準値n以上である(n≦t<m)と判定された場合、低周波成分判定部134は、処理をステップS84に進める。ステップS84において、低周波成分判定部134は、センサ11で検知された音が「エンジン始動音」であると判定し、その判定結果を記憶部17および認識部18に出力して、処理を図6のステップS7に進める。なお、「エンジン始動音」とは、監視装置1が装備された車両のエンジンを始動させたときの始動音であり、監視装置1が監視しているときは、エンジンは始動されないはずであるので、エンジンが始動した際の低周波振動に基づく異常音である。
【0099】
ステップS83において、低周波成分判定部134は、平均特徴量の増加時間tが基準値n以上ではない(t<n<m)と判定された場合(増加時間tが極めて短い場合)、処理をステップS85に進める。ステップS85において、低周波成分判定部134は、センサ11で検知された音が「ガラス破壊音」であると判定し、その判定結果を記憶部17および認識部18に出力して、処理を図6のステップS7に進める。なお、「ガラス破壊音」とは、窓ガラス等を破壊する音であり、ガラス破壊により生ずる低周波および高周波に基づく異常音である。
【0100】
このように、上述の処理による平均特徴量の増加時間tと音の種類の関係は、図16に示されるような関係になる。t<nのとき、検知された音は、「ガラス破壊音」と判定され、n≦t<mのとき、検知された音は、「エンジン始動音」と判定される。m≦t<qのとき、検知された音は、「トラックの通過音」と判定され、t≧qのとき、検知された音は、「風」と判定される。
【0101】
増加時間tが基準値m以上の場合と、基準値mより小さい場合とで、その後の基準値をqまたはnと異なる値にしたので、音の種類をより正確に判定することが可能になる。
【0102】
なお、上述の処理においては、低周波成分判定部134は、平均特徴量の増加時間に基づいて、音の種類を判定したが、特徴量演算部133に、例えば、積分値、微分値等の特徴量の変化に関する値を計算させ、その値の増加時間に基づいて、音の種類を判定してもよい。
【0103】
図17に、監視装置1が装備された対象の周りでトラックが通過した場合の平均特徴量fの時間変化の例を示す。この例の場合、時間T1まで、監視対象にトラックが近づいて来ており、時間T1から時間T2まで、対象車両の側をトラックが通過中であり、時間T2以降、トラックが遠ざかっており、センサ11はこのときの音を検知している。特徴量演算部133は、音が検出され始めた後、一定となるまでの時間T1が経過したとき、平均特徴量の増加時間tは基準値m以上で基準値qより小さいと判定し(図13のステップS79,S80の処理)、センサ11で検知した音は「トラックの通過音」であると判定する。
【0104】
このように、平均特徴量の増加時間tにより、「風」、「トラックの通過音」などの環境音と、「エンジン始動音」、「ガラス破壊音」などの異常音が混在する1Hz乃至50Hzの低周波帯域においても、センサ11で検知された音が、環境音であるか、異常音であるかを確実に判断することができ、誤報を防ぐことができる。
【0105】
次に、図18のフローチャートを参照して、高周波処理について説明する。この処理は図12と図13の低周波処理と平行して行われる。
【0106】
ステップS91において、高周波成分判定部151は、高周波成分特徴量である高周波成分のピーク値のエンベロープのレベルが、記憶部17に記憶された所定の基準値より大きいか否かを判定する。例えば、図19に示されるように、高周波成分判定部151は、エンベロープ191のレベルが所定の基準値kより大きいか否かを判定する。
【0107】
ステップS91において所定の基準値より大きいと判定された場合、ステップS92で高周波成分判定部151は、センサ11で検知された音は、「ガラス破壊音」であると判定し、その判定結果を記憶部17および認識部18に出力する。
【0108】
ステップS91において高周波成分の値が所定の基準値より大きくないと判定された場合、高周波成分判定部151は、ステップS92の処理をスキップし(「ガラス破壊音」と判定せず)、高周波処理は終了される。
【0109】
なお、上述の処理においては、高周波特徴量が基準値より大きいか否かに基づいて、「ガラス破壊音」であるか否かを判定しているが、例えば、記憶部17に、三角形、なだらかな山形、直角に立ち上がっている等の包絡線の形の特徴を予め記憶しておき、その包絡線の形の特徴をさらに用いて、「ガラス破壊音」であると判定してもよい。
【0110】
図6に戻り、以上のようにして、ステップS6で、低周波処理と高周波処理が完了した後、ステップS7において、認識部18は、認識処理を実行する。
【0111】
図20のフローチャートを参照して、認識処理について説明する。ステップS111において、認識部18は、センサ11により検知された音の種類(判定結果)を、記憶部17から読み出す。ステップS112において、認識部18は、記憶部17から読み出された検知音の種類が「風」または「トラックの通過音」であるか否かを判定する。
【0112】
ステップS112において、検知音の種類が「風」または「トラックの通過音」であると判定された場合、認識部18は、ステップS113において、異常音ではないと認識し、異常音認識フラグFを0に設定する。
【0113】
ステップS112において、検知音の種類が「風」または「トラックの通過音」ではないと判定された場合、ステップS114において認識部18は、検知音の種類が「ガラス破壊音」または「エンジン始動音」であるか否かを判定する。「ガラス破壊音」は、低周波処理と高周波処理の両方で検出されるが、いずれか一方において「ガラス破壊音」と検出された場合、または両方で「ガラス破壊音」と検出された場合に、最終的に「ガラス破壊音」が検出されたと判定される。
【0114】
ステップS114において、認識部18は、検知音の種類が「ガラス破壊音」または「エンジン始動音」であると判定した場合、処理をステップS115に進め、異常音であると認識し、異常音認識フラグFを1に設定する。
【0115】
ステップS114において、検知音の種類が「ガラス破壊音」または「エンジン始動音」ではないと判定された場合、結局低周波成分処理で平均特徴量が1度も増加していないと判定されており、かつ高周波処理で「ガラス破壊音」ではないと判定されているので、認識部18は異常音ではないと認識し、処理をステップS113に進め、異常音認識フラグFを0に設定する。
【0116】
図6に戻り、ステップS8において、認識部18は、ステップS7の認識処理でセンサ11により検知された音が異常音であると認識されたか否か、すなわち、異常音認識フラグFが1と設定されたか否かを判定する。ステップS8において、ステップS7の認識処理で異常音認識フラグFが1と設定されたと判定された場合、認識部18は、警報音発生制御信号を生成し、警報音発生部19に警報音発生制御信号を供給する。
【0117】
ステップS9において、警報音発生部19は、認識部18より警報音発生制御信号が供給されると、警報音の発生を開始する。ステップS10において、警報音発生部19は、警報音の発生開始から所定の時間経過したとき、あるいはユーザが停止の操作をしたとき警報音を停止する。
【0118】
ステップS8において、ステップS7の認識処理で異常音認識フラグFが1に設定されていないと判定された場合(異常音認識フラグFが0である場合)、ステップS9,S10の処理はスキップされる。
【0119】
ステップS11において、U/I制御部23は、ユーザから監視処理の終了の指示がなされたか否かを判定する。ステップS11において監視処理の終了の指示がなされなかったと判定された場合、処理はステップS3に戻り、同様の処理が繰り返される。ステップS11において監視処理の終了の指示がなされたと判定された場合、監視処理は終了する。
【0120】
なお、上述の処理では、環境音を「風」と「トラックの通過音」、異常音を「エンジン始動音」、「ガラス破壊音」としたが、音の種類はこれに限られるものではない。
【0121】
また、本明細書において、フローチャートのステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0122】
さらに、本発明は、センサを備えた各種の監視装置、例えば、車両用および家屋用監視装置などに適用することができる。さらに、無線部を設けることにより、監視装置1において異常を検知するごとに、ユーザに異常の種類、検知時刻等を知らせることも可能である。
【0123】
また、本発明の実施の形態においては、低周波低域と高周波帯域の2つに分類したが、勿論、低周波低域、中周波帯域、および高周波帯域の3つの帯域に分類することもでき、これにより、より正確な異常音認識処理を行うことができる。
【0124】
また、本発明の実施の形態においては、センサ11により音を検知するようにしているが、本発明は、振動、加速度、圧力、回転などの音以外の入力信号を検知する場合にも適用することが可能である。
【0125】
さらに、以上においては、監視装置について説明したが、本発明は、監視装置の他、分析装置、観測装置、計測装置その他の情報処理装置に適用することができる。
【0126】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、外部の入力信号を検知することができる。また、異常を精度よく検知することができる。これにより、誤報の発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した監視装置の構成例を示すブロック図である。
【図2】高周波成分のピーク値のエンベロープを説明する図である。
【図3】図1の低周波合成成分生成部の構成を示すブロック図である。
【図4】図1の低周波成分抽出部の構成を示すブロック図である。
【図5】図1の高周波成分抽出部の構成を示すブロック図である。
【図6】監視装置における監視処理を説明するフローチャートである。
【図7】図6のステップS6の判定処理を説明するフローチャートである。
【図8】図7のステップS31の低周波合成成分生成処理を説明するフローチャートである。
【図9】 N倍増幅低周波成分の飽和について説明する図である。
【図10】 N倍増幅低周波成分およびM倍増幅低周波成分の波形の例を示す図である。
【図11】 N倍増幅低周波成分の波形とM倍増幅低周波成分の波形間における出力レベルの関係を説明する図である。
【図12】図7のステップS32の低周波成分判定処理を説明するフローチャートである。
【図13】図7のステップS32の低周波成分判定処理を説明するフローチャートである。
【図14】基底周波数成分の波形の一部の例を示す図である。
【図15】記憶部に記憶されたデータベースの例を示す図である。
【図16】平均特徴量の増加時間tと音の種類の関係の例を示す図である。
【図17】トラックの通過音の平均特徴量の時間変化の例を示す図である。
【図18】図6のステップS6の他の判定処理を説明するフローチャートである。
【図19】図18のステップS91における判定方法を説明する図である。
【図20】図6のステップS7の認識処理を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
1 監視装置
11 センサ
12 アナログ信号処理部
13乃至15 A/Dコンバータ
16 判定部
17 記憶部
18 認識部
19 警報音発生部
21 発光素子制御部
22 発光素子
23 U/I制御部
41 アンプ
42 LPF
43,44 アンプ
45 HPF
46 アンプ
47 ピークディテクタ
61 低周波合成成分生成部
62 低周波成分抽出部
63 高周波成分抽出部
111 飽和判定部
112 計算部
131 DCT変換部
132 分類部
133 特徴量演算部
134 低周波成分判定部
135 タイマ
151 高周波成分判定部

Claims (5)

  1. 外部から入力された音を検知し、検知信号を生成する検知信号生成手段と、
    前記検知信号生成手段により生成された前記検知信号を、少なくとも2つの異なる周波数帯域の周波数成分に分離する分離手段と、
    前記分離手段により分離された前記周波数帯域の周波数成分のうち、少なくとも1つの周波数帯域の周波数成分から、予め設定された前記周波数成分の種類ごとに、前記周波数成分の特徴を表す特徴量を抽出する特徴量抽出手段と、
    前記特徴量抽出手段により抽出された前記特徴量が増加している増加時間を計時する計時手段と、
    前記計時手段により計時された前記特徴量の増加時間に基づいて、前記の種類を判定する種類判定手段と、
    前記種類判定手段により判定された前記の種類が、所定の種類であるか否かを判定する所定種類判定手段と、
    前記所定種類判定手段により、前記の種類が所定の種類であると判定された場合、その旨を通知する通知手段と
    を備えることを特徴とする情報処理装置。
  2. 前記特徴量抽出手段により抽出された前記周波数成分の種類ごとの前記特徴量を積算する積算手段
    をさらに備え、
    前記計時手段は、前記積算手段により積算された結果得られる特徴量の積算値が増加している増加時間を計時する
    ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
  3. 前記積算手段により積算された結果得られる特徴量の積算値の平均値を演算する平均値演算手段
    をさらに備え、
    前記計時手段は、前記平均値演算手段により得られる平均値が増加している増加時間を計時する
    ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
  4. 前記分離手段は、
    前記検知信号から所定の低周波成分を抽出する低周波成分抽出手段と、
    前記検知信号から所定の高周波成分抽出する高周波成分抽出手段
    備え
    前記特徴量抽出手段は、
    前記低周波成分抽出手段により抽出された低周波数成分から、予め設定された前記周波数成分の種類ごとに、前記低周波成分の特徴量を抽出する低周波成分特徴量抽出手段と、
    前記高周波成分抽出手段により抽出された高周波成分から、前記高周波成分の特徴を表す特徴量を抽出する高周波成分特徴量抽出手段と
    を備え、
    前記計時手段は、前記低周波成分特徴量抽出手段により抽出された前記低周波成分の特徴量が増加している増加時間を計時し、
    前記所定種類判定手段は、前記高周波成分特徴量抽出手段により抽出された前記高周波成分の特徴量をさらに利用して、前記の種類が所定の種類であるか否かを判定する
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の情報処理装置。
  5. 情報処理装置の情報処理方法において、
    外部から入力された音を検知し、検知信号を生成する検知信号生成ステップと、
    前記検知信号生成ステップの処理により生成された前記検知信号を、少なくとも2つの異なる周波数帯域の周波数成分に分離する分離ステップと、
    前記分離ステップの処理により分離された前記周波数帯域の周波数成分のうち、少なくとも1つの周波数帯域の周波数成分から、予め設定された前記周波数成分の種類ごとに、前記周波数成分の特徴を表す特徴量を抽出する特徴量抽出ステップと、
    前記特徴量抽出ステップの処理により抽出された前記特徴量が増加している増加時間を計時する計時ステップと、
    前記計時ステップの処理により計時された前記特徴量の増加時間に基づいて、前記の種類を判定する種類判定ステップと、
    前記種類判定ステップの処理により判定された前記の種類が、所定の種類であるか否かを判定する所定種類判定ステップと、
    前記所定種類判定ステップの処理により、前記の種類が所定の種類であると判定された場合、その旨を通知する通知ステップと
    を含むことを特徴とする情報処理方法。
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