JP2003202260A - 音源識別装置および突発事象検出装置並びに突発事象自動記録装置 - Google Patents

音源識別装置および突発事象検出装置並びに突発事象自動記録装置

Info

Publication number
JP2003202260A
JP2003202260A JP2002309074A JP2002309074A JP2003202260A JP 2003202260 A JP2003202260 A JP 2003202260A JP 2002309074 A JP2002309074 A JP 2002309074A JP 2002309074 A JP2002309074 A JP 2002309074A JP 2003202260 A JP2003202260 A JP 2003202260A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
signal
sound source
extracted
spectrum
level
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002309074A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4046592B2 (ja
Inventor
Tatsuya Kenta
達也 堅多
Akiharu Kitamura
暁晴 北村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Zosen Corp
Original Assignee
Hitachi Zosen Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Zosen Corp filed Critical Hitachi Zosen Corp
Priority to JP2002309074A priority Critical patent/JP4046592B2/ja
Publication of JP2003202260A publication Critical patent/JP2003202260A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4046592B2 publication Critical patent/JP4046592B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】音による交通事故等の突発事象の検出精度を向
上させ得る音源識別装置を提供する。 【解決手段】マイクロフォン3にて検出した音響信号か
ら所定周波数帯域の信号を抽出する信号抽出手段11
と、この抽出音響信号を入力して、当該音響信号を積分
した音響エネルギーからそのレベル値およびピーク値が
設定値を超えているか否かを検出するレベル検出手段1
2およびピーク検出手段13と、これら両手段のいずれ
かからの検出信号が入力された場合に、抽出音響信号の
周波数スペクトルを演算するスペクトル演算手段15
と、このスペクトル演算手段にて求められたスペクトル
を入力して、ニューラルネットワークにて音源の種類を
特定する音源識別手段16とを具備したものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、交差点などに設置
されて交通事故等の突発事象に起因する音を検出すると
ともに、この交通事故等を自動的に撮影して記録するた
めの音源識別装置および突発事象検出装置並びに突発事
象自動記録装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、交通事故は増加の一途を辿り、交
通事故の発生数を減らすことが急務とされ、このため、
交差点などに交通事故自動記録装置を設置し、事故前後
の状況を映像にて記録することにより、事故分析が行わ
れている。
【0003】この種の交通事故自動記録装置は、カメラ
装置にて交差点を撮影するとともに、交通事故に基づく
衝突音、急ブレーキ音などを検出した際に、その前後に
おける映像を、自動的に保存するものである。
【0004】ところで、交差点などにおいては、事故以
外の音が多数発生しており、交通事故の映像を保存する
ためには、検出した音が交通事故に起因しているもので
あるか否かを判断する必要がある。
【0005】従来、音を分析する場合、音圧解析とスペ
クトル解析とが併用して行われており、例えば音圧解析
については、時系列の音圧分布にて、或るしきい値を超
えた場合に、車両の衝突による衝撃音が発生したと判断
されていた。すなわち、音響信号のスペクトル分布か
ら、衝撃音と判断されていた(例えば、特開平4−33
8900号公報参照)。
【0006】
【特許文献1】特開平4−338900号公報(第3頁
の[0022]〜[0023]欄)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した音
源の判断方法によると、大型トラックの荷台の振動音、
道路工事の音、カラスの鳴き声などは、事故音と区別す
るのが難しく、したがって自動的に記録された映像を再
生した場合、単に、大型トラックが通過しただけという
ように、事故とは関係のない映像が多く記録されてお
り、その検出精度が低いという問題があった。
【0008】そこで、本発明は、音による交通事故等の
突発事象の検出精度を向上させ得る音源識別装置および
突発事象検出装置並びに突発事象自動記録装置を提供す
ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の音源識別装置は、音響検出手段にて検出さ
れた音響信号から所定周波数帯域の信号を抽出する信号
抽出手段と、上記信号抽出手段にて抽出された抽出音響
信号を入力して、所定の積分時間にて積分を行い音響エ
ネルギーを求めるとともに当該音響エネルギーが所定の
設定レベル値を超えているか否かを判断するレベル検出
手段と、上記信号抽出手段にて抽出された抽出音響信号
を入力して、上記レベル検出手段における積分時間より
も短い所定の積分時間にて積分を行い音響エネルギーを
求めるとともに当該音響エネルギーが所定の設定ピーク
値を超えているか否かを検出するピーク検出手段と、上
記レベル検出手段およびピーク検出手段からの検出信号
を入力して、レベル値およびピーク値のいずれかがそれ
ぞれの設定値を超えている場合に、当該抽出音響信号の
周波数スペクトルを演算するスペクトル演算手段と、こ
のスペクトル演算手段にて求められたスペクトルを入力
して、ニューラルネットワークにて音源の種類を特定す
る音源識別手段とを具備したものである。
【0010】上記音源識別装置の構成によると、音響検
出手段にて検出された音響信号について、レベル検出手
段およびピーク検出手段にて、少なくともいずれかの検
出信号が検出された場合に、当該音響信号の周波数スペ
クトルを求めるとともに、ニューラルネットワークを用
いてその音源の種別を特定するようにしたので、すなわ
ちニューラルネットワークにて音源の種別を特定する際
に、予備判断を行うようにしたので、音源を、正確に識
別することができる。
【0011】また、本発明の突発事象検出装置は、音響
検出手段にて検出された音響信号から所定周波数帯域の
信号を抽出する信号抽出手段と、上記信号抽出手段にて
抽出された抽出音響信号を入力して、所定の積分時間に
て積分を行い音響エネルギーを求めるとともに当該音響
エネルギーが所定の設定レベル値を超えているか否かを
判断するレベル検出手段と、上記信号抽出手段にて抽出
された抽出音響信号を入力して、上記レベル検出手段に
おける積分時間よりも短い所定の積分時間にて積分を行
い音響エネルギーを求めるとともに当該音響エネルギー
が所定の設定ピーク値を超えているか否かを判断するピ
ーク検出手段と、上記信号抽出手段にて抽出された抽出
音響信号を入力して、所定の積分時間にて積分を行い音
響エネルギーを求めるとともに当該音響エネルギーが所
定の設定レベル値を超えている場合に、さらに所定時間
経過後に、再度、当該所定の設定レベル値を超えている
か否かを判断するレベル継続検出手段と、上記レベル検
出手段およびピーク検出手段からの検出信号を入力し
て、レベル値およびピーク値のいずれかがそれぞれの設
定値を超えている場合に、当該抽出音響信号の周波数ス
ペクトルを演算するスペクトル演算手段と、このスペク
トル演算手段にて求められたスペクトルを入力して、ニ
ューラルネットワークにて音源の種類を特定する音源識
別手段と、この音源識別手段にて識別された識別信号を
入力するとともに、上記ピーク検出手段およびレベル継
続検出手段からの検出信号を入力して、これら各信号に
基づき、突発事象であるか否かを判定する突発事象判定
手段とを具備したものである。
【0012】さらに、本発明の突発事象自動記録装置
は、上記突発事象検出装置を用いた突発事象自動記録装
置であって、突発事象判定手段により突発事象であると
判断された場合に、突発事象を撮影している撮影手段か
らの映像を、映像記録手段にて保存させる映像保存指示
手段を具備させたものである。
【0013】上記突発事象検出装置および当該突発事象
検出装置を用いた突発事象自動記録装置の構成による
と、上記音源識別装置におけるニューラルネットワーク
にて特定された音源に対して、さらにレベル継続検出手
段により、信号レベルが継続しているか否かの判断が加
味されているので、音源が、予め、想定された突発事象
に基づくものであるか否かを、正確に検出することがで
き、したがって自動的に突発事象の映像を記録する場合
に、その検出精度を向上させることができる。すなわ
ち、上記事故判定装置を、交通事故自動記録装置に適用
した場合には、交通事故を、精度よく、映像にて記録す
ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1の実施の形態
に係る音源識別装置および突発事象検出装置並びに突発
事象自動記録装置を、図1〜図8に基づき説明する。
【0015】なお、本実施の形態においては、突発事象
自動記録装置について説明するが、本発明に係る音源識
別装置および突発事象検出装置については、当該突発事
象自動記録装置にて使用されるものであり、この装置の
構成の一部として説明する。
【0016】また、本実施の形態では、突発事象として
交通事故を対象として説明するが、その音源の識別対象
としては、衝突音などの他に、交通事故の検出に際し、
重要な手掛かりとなるブレーキ、クラクション、サイレ
ン、暴走音などの音源についても対象としており、した
がって以下の説明では、これらを含めて事故音と称する
とともに、交通事故以外の事象も含むため事故等と称
し、さらに突発事象検出装置については事故検出装置
と、また突発事象自動記録装置については交通事故自動
記録装置として説明する。
【0017】図1に示すように、この交通事故自動記録
装置1には、交通事故を監視する箇所、例えば交通事故
が頻繁に発生する交差点Kに設置されるカメラ装置(撮
影手段)2と、交差点K付近にて発生する音を検出する
ためのマイクロフォン(音響検出手段の一例で、以下、
マイクという)3と、このマイク3にて検出された音響
信号に基づき事故等を特定するための事故検出装置4
と、この事故検出装置4にて事故等であると判断された
場合に、カメラ装置1にて撮影された映像を記録する映
像記録手段(例えば、ビデオ装置、ハードディスク装置
などが用いられる)5とから構成されている。
【0018】上記事故検出装置4は、図2に示すよう
に、上記マイク3にて集音された音響信号を入力して所
定周波数帯域の信号を抽出する信号抽出手段11と、こ
の信号抽出手段11にて抽出された抽出音響信号を入力
して、所定の第1積分時間にて積分を行い音響エネルギ
ー(積分値である、以下、同じ)を求め、且つ当該音響
エネルギーが所定の第1設定レベル値を超えているか否
かを判断するとともに、超えている場合には、所定の検
出信号を出力するレベル検出手段12と、上記信号抽出
手段11にて抽出された抽出音響信号を入力して、上記
第1積分時間よりも短い所定の第2積分時間にて積分を
行い音響エネルギーを求め、且つ当該音響エネルギーが
所定の設定ピーク値を超えているか否かを判断するとと
もに、超えている場合には、所定の検出信号を出力する
ピーク検出手段13と、上記信号抽出手段11にて抽出
された抽出音響信号を入力して、所定の第3積分時間に
て積分を行い音響エネルギーを求め、且つ当該音響エネ
ルギーが所定の設定レベル値を超えている場合に、さら
に所定時間経過後に、再度、当該所定の設定レベル値を
超えているか否かを判断するとともに、超えている場合
には、所定の検出信号を出力するレベル継続検出手段1
4と、上記レベル検出手段12およびピーク検出手段1
3からの少なくともいずれかの検出信号を入力した場合
に、所定周波数領域を所定個数に分割するとともに、こ
れら各分割周波数領域に係る音響信号の周波数スペクト
ル(以下、単にスペクトルといい、またスペクトラムと
もいう)をそれぞれ演算するスペクトル演算手段15
と、このスペクトル演算手段15にて求められた各分割
周波数領域でのスペクトルを入力して、ニューラルネッ
トワーク(手法)を用いて音源を特定し識別を行う音源
識別手段16と、この音源識別手段16にて識別された
音源識別信号を入力するとともに、上記ピーク検出手段
13およびレベル継続検出手段14からの検出信号をそ
れぞれ入力して、事故等であるか否かを判定する事故判
定手段17とが具備されている。
【0019】また、この交通事故自動記録装置1には、
上記事故判定手段17にて事故等であると判定された場
合に、カメラ装置2にて撮影している映像を映像記録手
段5に記録させるための保存指示を出力する映像保存指
示手段18が設けられている。
【0020】次に、上記各手段における構成または処理
内容について詳しく説明する。上記信号抽出手段11で
は、周波数が例えば0〜2.5kHzの信号が取り出さ
れた後、0〜500Hzの部分が除去される。これは、
交通事故および車両の走行に、すなわち事故等に起因し
て発生する事故音の範囲を絞るとともに、余分なエンジ
ン音(0〜500Hz)を除去するためである。
【0021】また、上記レベル検出手段12は、信号抽
出手段11からの抽出音響信号を入力して、所定の第1
積分時間(例えば、500msec程度)にて積分を行
い音響エネルギーを求める第1積分器21と、この第1
積分器21にて求められた音響エネルギーと所定の第1
設定レベル値とを比較して音響エネルギーが当該第1設
定レベル値を超えている場合に、検出信号(トリガー信
号である)として、例えば「1」の信号(なお、設定レ
ベル値以下の場合には、「0」が出力されている)を出
力する第1比較器22とが具備されている。すなわち、
このレベル検出手段12では、音響信号を或る時間間隔
で積分することにより、当該音響信号の大きさが、所定
のレベルを超えているか否かが判断される。
【0022】上記ピーク検出手段13は、信号抽出手段
11からの抽出音響信号を入力して、上記第1積分時間
より短い第2積分時間(例えば、100msec程度)
にて積分を行い音響エネルギーを求める第2積分器23
と、この第2積分器23にて求められた音響エネルギー
と所定の第2設定レベル値とを比較して音響エネルギー
のピーク値が当該第2設定レベル値(設定ピーク値でも
ある)を超えている場合に、検出信号(トリガー信号で
ある)として、例えば「1」の信号(なお、設定レベル
値以下の場合には、「0」が出力されている)を出力す
る第2比較器24とが具備されている。すなわち、この
ピーク検出手段13では、音響信号を短い時間でもって
積分することにより、当該音響信号のピーク値が、所定
のレベル(ピーク値)を超えているか否かが判断され
る。
【0023】上記レベル継続検出手段14は、信号抽出
手段11からの抽出音響信号を入力して、所定の第3積
分時間(例えば、レベル検出手段における第1積分時間
と同じ時間とされる)にて積分を行い音響エネルギーを
求める第3積分器25と、この第3積分器25にて求め
られた音響エネルギーと所定の第3設定レベル値(例え
ば、レベル検出手段における設定レベル値が用いられ
る)とを比較して音響エネルギーが当該第3設定レベル
値を超えている場合に、所定時間後(例えば、300m
sec)に、再度、同じ設定レベル値を超えているか否
かを比較して超えている場合には、当該設定レベル値が
継続(維持)されていると判断し、検出信号(トリガー
信号である)として、例えば「1」の信号(なお、設定
レベル値が継続されていない場合には、「0」が出力さ
れている)を出力する第3比較器26とが具備されてい
る。
【0024】なお、図3に、上記各検出手段12〜14
における各比較器22,24,26での入力信号、出力
信号および検出信号の波形図を示し、(a)はレベル検
出手段12での第1比較器22のものを、(b)はピー
ク検出手段13での第2比較器24のものを、(c)は
レベル継続検出手段14での第3比較器26のものをそ
れぞれ示し、また(d)は、リセット信号を示す。
【0025】また、上記スペクトル演算手段15では、
レベル検出手段12からの検出信号(「1」)およびピ
ーク検出手段13からの検出信号(「1」)のいずれか
が入力されると、まず抽出音響信号がA/D変換器(図
示せず)にてデジタル化された後、図4に示すように、
所定周波数領域(450〜2500Hz)を所定個数、
例えば105個に分割した各分割周波数領域(バンクと
もいう)に係る音響信号の周波数スペクトル(周波数ス
ペクトラムともいう)が、高速フーリエ変換(FFT)
にて求められる。
【0026】そして、上記音源識別手段16にて、ニュ
ーラルネットワークが用いられて音源の種類が特定され
る。以下、このニューラルネットワークを用いた処理内
容について、詳しく説明する。
【0027】この音源識別手段16では、周波数スペク
トルを4段階にてそれぞれの分類方法(第1分類〜第4
分類)に基づき且つニューラルネットワーク(手法)を
用いて認識・分類作業が行われ、これらの分類作業にて
得られた分類番号が、予め、実験などにより求められた
分類表と照合されて、検出された音が、衝突音、タイヤ
と路面の摩擦音、クラクション、暴走音、サイレンを含
めて多数の種類のいずれかに特定される。
【0028】ここで、上記分類作業の内容について説明
する。第1分類(第1段階)では、105個に分割した
各分割周波数領域(以下、バンクという)に係る音響信
号の各周波数スペクトルを、その最大値でもって正規化
を行った後、正規化が行われた105バンクにおける周
波数スペクトルが最大ピークのものを求める。
【0029】そして、この105バンクの分割周波数領
域が、上記最大ピークが存在するバンク数(バンクの位
置)に応じた分割パターンに、例えば10個に分けられ
るとともに#0〜#9の分類番号が付された後、当該抽
出音響信号に係るスペクトル系列(図4の棒状グラフに
て示す)のうち、最大のレベルを有するスペクトルが、
#0〜#9のいずれの部分に属するかが求められる。な
お、105バンクの分割の仕方は、最大レベルのバンク
位置に応じて予め求められている。具体的には、実際の
交通音のサンプルデータ(5000件)に基づき、例え
ば5000件それぞれの各最大レベルのバンク位置を度
数分布化し(横軸がバンク位置で、縦軸が件数とな
る)、それが等分になるように分割する。すなわち、最
大レベルのバンク位置の度数分布が大きい部分は、分割
幅が狭くされるとともに、最大レベルのバンク位置の度
数分布が小さい部分は、分割幅が広くされる(場合によ
っては、等分でなくてもよく、また分割個数について
は、10個でなくてもよい)。そして、例えばバンク番
号が小さいものから大きいものへと分類番号が、#0〜
#9というように付けられる。したがって、図4におい
ては、88バンク付近が最大のレベルを有しており、こ
の88バンクが属する分類番号が、例えば#8というよ
うに割り当てられる。
【0030】そして、第2分類〜第4分類においては、
音響信号の特徴部分をスペクトルに基づき抽出するとと
もに、この抽出されたスペクトル系列と、音源を特定す
るために、予め実験により求められたスペクトル系列と
のパターンマッチング(パターン認識)を、ニューラル
ネットワーク(手法)を用いて行い、これら各分類作業
にて得られた分類番号に基づき、最終的に、上述したよ
うに、実験などにより求められた分類表と照合されて、
検出された音が、衝突音、タイヤと路面の摩擦音、クラ
クション、暴走音、サイレンを含めて多数の種類のいず
れかに特定される。なお、これら各分類作業において
は、その前段階作業にて得られた分類結果に基づき、デ
ータベースに多数用意された信号特定用パターンの中か
ら、所定個数の一群(後述するが、例えば5個づつ)が
選択抽出されて、パターン認識に使用される。
【0031】以下、第2分類作業〜第4分類作業につい
て説明する。第2分類作業では、まず、上記第1分類で
求められた分類番号(例えば、#8である)に基づき、
5個のパターンがデータベースから取り出される。
【0032】そして、当該音響信号における105バン
クのスペクトル系列のうち、最大スペクトルの50%未
満のデータを零となし(ゼロリセットともいう)、これ
を正規化したスペクトル系列(図5に示す)に対して、
ニューラルネットワークを用いて、上記5個のパターン
に、当該5個以外のパターン(用意されたパターン以外
のもの)を示すパターンを加えた、計6個のパターンと
パターンマッチングを行うことにより、分類番号が割り
当てられる。
【0033】第3分類では、上記第2分類で求められた
分類番号に基づき、やはり、5個のパターンがデータベ
ースから取り出されるとともに、当該音響信号における
105バンクのスペクトル系列のうち、最大スペクトル
およびその前後2バンクづつの合計5バンクのスペクト
ル部分をゼロとなし(ゼロリセット)、新たな105バ
ンクのスペクトル系列を作成する。そして、新たに作成
された105バンクのスペクトル系列のうち、最大スペ
クトルが或るしきい値以上のスペクトルに対しては、最
大スペクトルの25%未満をゼロとなし、それを正規化
したスペクトル系列(図6に示す)に対してニューラル
ネットワークを用いて、上記5個のパターンに、当該5
個以外のパターンを示すパターンおよびしきい値未満の
パターン(しきい値未満についても、1個のパターンと
みなす)を加えた、計7個のパターンとパターンマッチ
ングを行うことにより、分類番号が割り当てられる。す
なわち、この分類作業では、強さが一番大きいスペクト
ル部分が除去された残りのスペクトル系列に対する分類
が行われることになる。
【0034】さらに、第4分類では、下記の2つの場合
について分類が行われる。勿論、この分類作業において
も、第3分類作業にて得られた分類番号に基づき、デー
タベースからパターンマッチングに使用されるパターン
が5個取り出される。
【0035】第3分類において、最大スペクトルがし
きい値未満である場合。 第3分類にて作成された105バンクのスペクトル系列
のうち、最大スペクトルの25%未満のスペクトルをゼ
ロとなし(ゼロリセット)、それを正規化したスペクト
ル系列に対して、ニューラルネットワークにより、上記
5個のパターンに、当該5個以外のパターンを示すパタ
ーンを加えた、計6個のパターンとパターンマッチング
を行うことにより、分類番号が割り当てられる。
【0036】第3分類において、最大スペクトルが所
定のしきい値以上である場合。 第3分類にて作成された105バンクのスペクトル系列
に対し、最大スペクトルおよびその前後2バンクの計5
バンクのスペクトルをゼロとなし(ゼロリセット)、新
たな105バンクのスペクトル系列を作成する。
【0037】そして、この105バンクのスペクトル系
列のうち、最大スペクトルが或るしきい値以上のスペク
トルに対しては、最大スペクトルの12.5%未満のス
ペクトルをゼロとなし、それを正規化したスペクトル系
列(図7に示す)に対してニューラルネットワークによ
るパターン認識を行い、7個のパターン(この場合も、
データベースから取り出された5パターンに、当該5個
以外のパターンを示すパターンおよびしきい値未満のパ
ターンを加えたもの)とパターンマッチングを行うこと
により、分類番号が割り当てられる。この分類作業で
は、強さが二番目に大きいスペクトル部分が除去された
スペクトル系列に対する分類が行われることになる。な
お、上記のニューラルネットワークによる分類作業の概
念図を、図8に示す。
【0038】さらに、上記事故判定手段17では、上記
音源識別手段16での分類結果、すなわち識別信号(N
Tにて表す)および上記レベル継続検出手段14からの
検出信号(PDにて表す)並びにピーク検出手段13か
らの検出信号(PTにて表す)を入力して、{(NTa
ndPD)orPT}の論理演算が行われ、その音源が
事故等に起因するもの(事故音)であるか否かが判定さ
れる。なお、識別信号(NT)については、事故等に起
因して発生する音である場合には「1」とされ、また検
出信号(PD)についても、音が継続している場合には
「1」に、検出信号(PT)についても、ピーク値が所
定の強さ以上である場合には「1」とされる。
【0039】そして、上記論理演算式における論理積
(and)の部分は、音が瞬間的なものでなく、事故等
であれば、わずかな時間ではあるが継続する音であると
考えられることから、検出信号(PD)との論理積をと
るようにしたものであり、一方、事故等に起因する音で
あれば、そのピーク値がかなりの強さを有すると考えら
れるため、そのピーク値が設定レベル値(勿論、この値
は実験などにより設定されている)より大きいものであ
る場合には、事故等に起因するものと判断し得るよう
に、上記論理積(NTandPD)に対して検出信号
(PT)の論理和をとるようにしたものである。
【0040】したがって、この論理演算式によると、検
出した音が、ニューラルネットワークにより、事故等に
関係するものであり且つその音が少しの時間であるが継
続している場合、または検出した音のピーク値が事故等
に起因して発生するような強い(高い)ものである場合
には、事故等に起因した音であると判定される。
【0041】この事故判定手段17で事故等であると判
定された場合には、映像保存指示手段18にその旨の指
示が出力されて、映像記録手段5にて、当該事故等の発
生時の前後における映像が記録されて保存される。
【0042】そして、この映像保存指示手段18による
映像の保存指示時には、映像データのインデックスとし
て、上記事故判定手段17で事故等であると判断された
場合の事故内容(例えば、コード化したもの)が一緒に
記録される。このインデックスにより、例えば衝突音、
衝突音+タイヤと路面の摩擦音、衝突音+クラクショ
ン、タイヤと路面の摩擦音、クラクション、暴走音、サ
イレン、これら以外の音の識別が行われる。
【0043】ところで、上記各手段、積分器、比較器な
どについては、それぞれ電気信号回路により構成されて
おり、特に、ニューラルネットワークにより演算が行わ
れる音源識別手段16には、演算処理部として例えばC
PUが具備されており、勿論、ニューラルネットワーク
には学習機能が具備されている。
【0044】次に、上記交通事故自動記録装置により、
交通事故等を自動的に記録する際の処理手順を簡単に説
明する。例えば、交差点に配置された当該交通事故自動
記録装置1のカメラ装置2およびマイク3が作動してい
る状態において、マイク3により検出された音響信号が
信号抽出手段11にて所定周波数帯域でもって抽出さ
れ、この抽出音響信号が、レベル検出手段12、ピーク
検出手段13およびレベル継続検出手段14に入力され
て、事故等であるか否かの予備判断が行われる。
【0045】そして、レベル検出手段12およびピーク
検出手段13のうち、少なくもと、いずれかからの検出
信号があった場合、抽出音響信号に対してA/D変換が
行われた後、スペクトル演算手段15にてスペクトルの
演算が行われる。
【0046】この演算により求められたスペクトル系列
が音源識別手段16に入力されて、ここで、上述したニ
ューラルネットワークを用いた分類方法にて、音源が識
別されるとともに、この識別された音が事故等に結び付
く可能性が高いもの(例えば、衝突音、衝突音+タイヤ
と路面の摩擦音、衝突音+クラクション、タイヤと路面
の摩擦音、クラクション、暴走音、サイレンなどの音)
である場合には、事故等を示す検出信号(NT)が出力
される。
【0047】次に、上記事故等の検出信号(NT)、レ
ベル継続検出手段14からの継続を示す検出信号(P
D)およびピーク検出手段13からのピークの検出信号
(PT)が事故判定手段17に入力されて論理演算が行
われ、事故等に起因する音であるか否かが判定される。
【0048】そして、事故判定手段17にて、事故等で
あると判断された場合には、映像保存指示手段18にそ
の旨の指示信号が出力されて、その音が発生した前後に
おいて撮影された映像が映像記録手段5に記録されて保
存される。勿論、この映像データの記録時には、その映
像データに対するインデックスとして、音源識別手段1
6にて特定された音源種別のコードデータが一緒に記録
され、後からの映像データの検索の容易化が図られてい
る。
【0049】なお、音源識別手段16での1回の識別時
間は、例えば3秒とされており、各検出手段12〜14
において、検出信号(トリガー信号)が得られた場合に
は、この3秒が経過するまでは検出信号の出力が維持さ
れ、3秒経過後にリセット信号が出力される。
【0050】このように、上記交通事故自動記録装置1
の構成、特にその音源識別手段16の構成によると、エ
ンジン音などのように、車両が通常に発している低周波
数および人間が聞くことが困難な高い周波数を除去した
抽出音響信号について、レベル検出手段12にて音響信
号のレベル値が設定レベル値を超えているか否かを検出
するとともに、ピーク検出手段13にて音響信号のピー
ク値が設定ピーク値を超えているか否かを検出し、少な
くとも一方がそれぞれの設定値を超えている場合に、当
該音響信号の周波数スペクトルを求めるとともに、ニュ
ーラルネットワークを用いて、その音源の種別を特定す
るようにしたので、音源の識別を、より正確に行うこと
ができる。
【0051】また、この音源識別手段16を用いた事故
検出装置4の構成によると、ニューラルネットワークに
て特定された音源に対して、さらにレベル継続検出手段
14にて音響信号のレベル継続時間が設定継続時間を超
えているか否かの判断が加味されているので、事故等で
あるか否かの判断を、一層、正確に行うことができる。
【0052】したがって、この事故判定装置4を、交通
事故自動記録装置1に適用した場合には、交通事故等
を、精度よく、映像にて記録することができる。交差点
に設置して実験を行ったところ、従来の交通事故自動記
録装置では、その検出精度が30%程度であったのに対
し、本実施の形態に係る交通事故自動記録装置では、そ
の検出精度が80%程度までに向上した。
【0053】次に、本発明の第2の実施の形態に係る音
源識別装置および突発事象検出装置並びに突発事象自動
記録装置について説明する。上記第1の実施の形態にお
いては、最初に、105バンクに分割された分割周波数
領域を、最大レベルを有するスペクトルのバンク番号に
応じて、予め、定められた分割パターンに応じて10個
に分割するようにしたが、本第2の実施の形態では、周
波数スペクトルの合計面積に応じた分割パターンに基づ
き5個に分割し、この5個に分割されたパターンと上記
第1の実施の形態と同様の分割の方法にて10個に分割
されたパターンとを併用するようにしたものである。
【0054】以下、本第2の実施の形態について説明す
るが、基本的な構成については、第1の実施の形態で説
明したものと同じであるため、音源識別手段16に着目
して説明する。なお、構成については、同一番号を用い
て簡単に説明するものとする。
【0055】音源識別手段16では、周波数スペクトル
を4段階にてそれぞれの分類方法(第1分類〜第4分
類)に基づき且つニューラルネットワーク(手法)を用
いて認識・分類作業が行われ、これらの分類作業にて得
られた分類番号が、予め、実験などにより求められた分
類表と照合されて、検出された音が、衝突音、タイヤと
路面の摩擦音、クラクション、暴走音、サイレンを含め
て多数の種類のいずれかに特定される。
【0056】ここで、上記分類作業の内容について説明
する。本第2の実施の形態では、第1分類において、分
類基準が異なる2種類の分割パターンを併用して分類番
号を求めるようにしたものである。
【0057】すなわち、第1分類(第1段階)では、1
05個に分割した各分割周波数領域(以下、バンクとも
いう)に係る音響信号の各周波数スペクトルを、その最
大値でもって正規化を行った後、正規化が行われた10
5バンクにおける周波数スペクトルについて、合計面積
が求められる。
【0058】そして、105バンクの分割周波数領域
が、上記合計面積に応じて予め定められている分割パタ
ーンに基づき、例えば5個に分けられて、#0〜#4の
分類番号が付される。ここでの分割の仕方は、実際の交
通音のサンプルデータ(5000件)に基づき、例えば
5000件それぞれの各合計面積値を度数分布化し(横
軸がバンク位置で、縦軸が面積値となる)、それが等分
になるように分割する。すなわち、合計面積値の度数分
布の大きい部分は、分割幅が狭くされるとともに、合計
面積値の度数分布が小さい部分は、分割幅が広くされる
(場合によっては、等分でなくてもよく、また分割個数
については、5個でなくてもよい)。例えば、第1の実
施の形態にて説明した図4において、105バンクの周
波数スペクトルの合計面積が2410であるとすると、
この合計面積2410が属する分類番号(予め、合計面
積値と分類番号とが対応付けられている)が、例えば#
3というように割り当てられる。
【0059】次に、第1の実施の形態と同様の方法(手
順)にて、105バンクが例えば10個に分けられて、
#0〜#9の分類番号が付される。そして、この第1分
類における分類番号は上記2種類の番号が考慮されて決
定される。例えば、合計面積値による5個の分割では#
3に、最大レベルのバンク位置による10個の分割では
#9というように番号が割り当てられると、この第1分
類による分類番号は、#39となる。
【0060】次に、第2分類〜第4分類においては、音
響信号の特徴部分をスペクトルに基づき抽出するととも
に、この抽出されたスペクトル系列と、音源を特定する
ために、予め実験により求められたスペクトル系列との
パターンマッチング(パターン認識)を、ニューラルネ
ットワーク(手法)を用いて行い、これら各分類作業に
て得られた分類番号に基づき、最終的に、上述したよう
に、実験などにより求められた分類表と照合されて、検
出された音が、衝突音、タイヤと路面の摩擦音、クラク
ション、暴走音、サイレンを含めて多数の種類のいずれ
かに特定される。なお、これら各分類作業においては、
その前段階作業にて得られた分類結果に基づき、データ
ベースに多数用意された信号特定用パターンの中から、
所定個数の一群(後述するが、例えば5個づつ)が選択
抽出されて、パターン認識に使用される。
【0061】以下、第2分類作業〜第4分類作業につい
て説明する。第2分類作業では、まず、上記第1分類で
求められた分類番号(例えば、#39である)に基づ
き、5個のパターンがデータベースから取り出される。
【0062】そして、当該音響信号における105バン
クのスペクトル系列のうち、最大スペクトルの50%未
満のデータを零となし(ゼロリセットともいう)、これ
を正規化したスペクトル系列に対して、ニューラルネッ
トワークを用いて、上記5個のパターンに、当該5個以
外のパターン(用意されたパターン以外のもの)を示す
パターンを加えた、計6個のパターンとパターンマッチ
ングを行うことにより、分類番号が割り当てられる。
【0063】第3分類では、上記第2分類で求められた
分類番号に基づき、やはり、5個のパターンがデータベ
ースから取り出されるとともに、当該音響信号における
105バンクのスペクトル系列のうち、最大スペクトル
およびその前後2バンクづつの合計5バンクのスペクト
ル部分をゼロとなし(ゼロリセット)、新たな105バ
ンクのスペクトル系列を作成する。そして、新たに作成
された105バンクのスペクトル系列のうち、最大スペ
クトルが或るしきい値以上のスペクトルに対しては、最
大スペクトルの25%未満をゼロとなし、それを正規化
したスペクトル系列に対してニューラルネットワークを
用いて、上記5個のパターンに、当該5個以外のパター
ンを示すパターンおよびしきい値未満のパターン(しき
い値未満についても、1個のパターンとみなす)を加え
た、計7個のパターンとパターンマッチングを行うこと
により、分類番号が割り当てられる。すなわち、この分
類作業では、強さが一番大きいスペクトル部分が除去さ
れた残りのスペクトル系列に対する分類が行われること
になる。
【0064】さらに、第4分類では、下記の2つの場合
について分類が行われる。勿論、この分類作業において
も、第3分類作業にて得られた分類番号に基づき、デー
タベースからパターンマッチングに使用されるパターン
が5個取り出される。
【0065】第3分類において、最大スペクトルがし
きい値未満である場合。 第3分類にて作成された105バンクのスペクトル系列
のうち、最大スペクトルの25%未満のスペクトルをゼ
ロとなし(ゼロリセット)、それを正規化したスペクト
ル系列に対して、ニューラルネットワークにより、上記
5個のパターンに、当該5個以外のパターンを示すパタ
ーンを加えた、計6個のパターンとパターンマッチング
を行うことにより、分類番号が割り当てられる。
【0066】第3分類において、最大スペクトルが所
定のしきい値以上である場合。 第3分類にて作成された105バンクのスペクトル系列
に対し、最大スペクトルおよびその前後2バンクの計5
バンクのスペクトルをゼロとなし(ゼロリセット)、新
たな105バンクのスペクトル系列を作成する。
【0067】そして、この105バンクのスペクトル系
列のうち、最大スペクトルが或るしきい値以上のスペク
トルに対しては、最大スペクトルの12.5%未満のス
ペクトルをゼロとなし、それを正規化したスペクトル系
列に対してニューラルネットワークによるパターン認識
を行い、7個のパターン(この場合も、データベースか
ら取り出された5パターンに、当該5個以外のパターン
を示すパターンおよびしきい値未満のパターンを加えた
もの)とパターンマッチングを行うことにより、分類番
号が割り当てられる。この分類作業では、強さが二番目
に大きいスペクトル部分が除去されたスペクトル系列に
対する分類が行われることになる。
【0068】なお、この後の作業について説明すると、
上述した第1の実施の形態と同様に、上記事故判定手段
17では、上記音源識別手段16での分類結果、すなわ
ち識別信号(NTにて表す)および上記レベル継続検出
手段14からの検出信号(PDにて表す)並びにピーク
検出手段13からの検出信号(PTにて表す)を入力し
て、{(NTandPD)orPT}の論理演算が行わ
れ、その音源が事故等に起因するもの(事故音)である
か否かが判定される。なお、識別信号(NT)について
は、事故等に起因して発生する音である場合には「1」
とされ、また検出信号(PD)についても、音が継続し
ている場合には「1」に、検出信号(PT)について
も、ピーク値が所定の強さ以上である場合には「1」と
される。
【0069】そして、上記論理演算式における論理積
(and)の部分は、音が瞬間的なものでなく、事故等
であれば、わずかな時間ではあるが継続する音であると
考えられることから、検出信号(PD)との論理積をと
るようにしたものであり、一方、事故等に起因する音で
あれば、そのピーク値がかなりの強さを有すると考えら
れるため、そのピーク値が設定レベル値(勿論、この値
は実験などにより設定されている)より大きいものであ
る場合には、事故等に起因するものと判断し得るよう
に、上記論理積(NTandPD)に対して検出信号
(PT)の論理和をとるようにしたものである。
【0070】したがって、この論理演算式によると、検
出した音が、ニューラルネットワークにより、事故等に
関係するものであり且つその音が少しの時間であるが継
続している場合、または検出した音のピーク値が事故等
に起因して発生するような強い(高い)ものである場合
には、事故等に起因した音であると判定される。
【0071】この事故判定手段17で事故等であると判
定された場合には、映像保存指示手段18にその旨の指
示が出力されて、映像記録手段5にて、当該事故等の発
生時の前後における映像が記録されて保存される。
【0072】そして、この映像保存指示手段18による
映像の保存指示時には、映像データのインデックスとし
て、上記事故判定手段17で事故等であると判断された
場合の事故内容(例えば、コード化したもの)が一緒に
記録される。このインデックスにより、例えば衝突音、
衝突音+タイヤと路面の摩擦音、衝突音+クラクショ
ン、タイヤと路面の摩擦音、クラクション、暴走音、サ
イレン、これら以外の音の識別が行われる。
【0073】この第2の実施の形態に係る音源識別装置
においても、第1の実施の形態と同様に音源の識別をよ
り正確に行うことができるが、第1分類の過程を設けて
いるため、さらなる正確さでもって音源の識別を行うこ
とができる。
【0074】ところで、上記第2の実施の形態において
は、第1分類〜第4分類というように、4段階でもって
分類を行うものとして説明したが、例えば第2の実施の
形態にて説明した第1分類〜第3分類を用いて、音源の
識別を行うようにしてもよい。勿論、この場合も、第1
の実施の形態と同様に、音源の識別を正確に行うことが
できる。
【0075】
【発明の効果】以上のように本発明の音源識別装置の構
成によると、音響検出手段にて検出された音響信号につ
いて、レベル検出手段およびピーク検出手段にて、少な
くともいずれかの検出信号が検出された場合に、当該音
響信号の周波数スペクトルを求めるとともに、ニューラ
ルネットワークを用いてその音源の種別を特定するよう
にしたので、すなわちニューラルネットワークにて音源
の種別を特定する際に、予備判断を行うようにしたの
で、音源を、より正確に識別することができる。
【0076】また、本発明の突発事象検出装置および当
該突発事象検出装置を用いた突発事象自動記録装置の構
成によると、上記音源識別装置におけるニューラルネッ
トワークにて特定された音源に対して、さらにレベル継
続検出手段により、信号レベルが継続しているか否かの
判断が加味されているので、音源が、予め、想定された
突発事象に基づくものであるか否かを、一層、正確に検
出することができ、したがって自動的に突発事象の映像
を記録する場合に、その検出精度を向上させることがで
きる。例えば、上記事故判定装置を、交通事故自動記録
装置に適用した場合には、交通事故を、精度よく、映像
にて記録することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における交通事故自
動記録装置の概略全体構成を示す図である。
【図2】同交通事故自動記録装置における事故判定装置
の概略構成を示すブロック図である。
【図3】同事故判定装置における判断予備信号検出手段
での検出信号を示すグラフである。
【図4】同音源識別手段における第1分類作業に係る音
響信号のスペクトル演算結果を示すグラフである。
【図5】同音源識別手段における第2分類作業の結果の
スペクトル分布を示すグラフである。
【図6】同音源識別手段における第3分類作業の結果の
スペクトル分布を示すグラフである。
【図7】同音源識別手段における第4分類作業の結果の
スペクトル分布を示すグラフである。
【図8】同事故判定装置の音源識別手段におけるニュー
ラルネットワークによる分類作業の概念図である。
【符号の説明】
1 突発事象自動記録装置 2 カメラ装置 3 マイクロフォン 4 突発事象検出装置 5 映像記録手段 11 信号抽出手段 12 レベル検出手段 13 ピーク検出手段 14 レベル継続検出手段 15 スペクトル演算手段 16 音源識別手段 17 事故判定手段 18 映像保存指令手段 21 第1積分器 22 第1比較器 23 第2積分器 24 第2比較器 25 第3積分器 26 第3比較器
フロントページの続き Fターム(参考) 2G064 AB01 AB04 AB13 AB21 CC29 CC42 CC52 DD18 5H180 AA01 BB19 CC04 CC11 EE15

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】音響検出手段にて検出された音響信号から
    所定周波数帯域の信号を抽出する信号抽出手段と、 上記信号抽出手段にて抽出された抽出音響信号を入力し
    て、所定の積分時間にて積分を行い音響エネルギーを求
    めるとともに当該音響エネルギーが所定の設定レベル値
    を超えているか否かを判断するレベル検出手段と、 上記信号抽出手段にて抽出された抽出音響信号を入力し
    て、上記レベル検出手段における積分時間よりも短い所
    定の積分時間にて積分を行い音響エネルギーを求めると
    ともに当該音響エネルギーが所定の設定ピーク値を超え
    ているか否かを検出するピーク検出手段と、 上記レベル検出手段およびピーク検出手段からの検出信
    号を入力して、レベル値およびピーク値のいずれかがそ
    れぞれの設定値を超えている場合に、当該抽出音響信号
    の周波数スペクトルを演算するスペクトル演算手段と、 このスペクトル演算手段にて求められたスペクトルを入
    力して、ニューラルネットワークにて音源の種類を特定
    する音源識別手段とを具備したことを特徴とする音源識
    別装置。
  2. 【請求項2】音響検出手段にて検出された音響信号から
    所定周波数帯域の信号を抽出する信号抽出手段と、 上記信号抽出手段にて抽出された抽出音響信号を入力し
    て、所定の積分時間にて積分を行い音響エネルギーを求
    めるとともに当該音響エネルギーが所定の設定レベル値
    を超えているか否かを判断するレベル検出手段と、 上記信号抽出手段にて抽出された抽出音響信号を入力し
    て、上記レベル検出手段における積分時間よりも短い所
    定の積分時間にて積分を行い音響エネルギーを求めると
    ともに当該音響エネルギーが所定の設定ピーク値を超え
    ているか否かを判断するピーク検出手段と、 上記信号抽出手段にて抽出された抽出音響信号を入力し
    て、所定の積分時間にて積分を行い音響エネルギーを求
    めるとともに当該音響エネルギーが所定の設定レベル値
    を超えている場合に、さらに所定時間経過後に、再度、
    当該所定の設定レベル値を超えているか否かを判断する
    レベル継続検出手段と、 上記レベル検出手段およびピーク検出手段からの検出信
    号を入力して、レベル値およびピーク値のいずれかがそ
    れぞれの設定値を超えている場合に、当該抽出音響信号
    の周波数スペクトルを演算するスペクトル演算手段と、 このスペクトル演算手段にて求められたスペクトルを入
    力して、ニューラルネットワークにて音源の種類を特定
    する音源識別手段と、 この音源識別手段にて識別された識別信号を入力すると
    ともに、上記ピーク検出手段およびレベル継続検出手段
    からの検出信号を入力して、これら各信号に基づき、突
    発事象であるか否かを判定する突発事象判定手段とを具
    備したことを特徴とする突発事象検出装置。
  3. 【請求項3】請求項2記載の突発事象検出装置を用いた
    突発事象自動記録装置であって、突発事象判定手段によ
    り突発事象であると判断された場合に、突発事象を撮影
    している撮影手段からの映像を、映像記録手段にて保存
    させる映像保存指示手段を具備させたことを特徴とする
    突発事象自動記録装置。
JP2002309074A 2001-10-25 2002-10-24 音源識別装置および突発事象検出装置並びに突発事象自動記録装置 Expired - Fee Related JP4046592B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002309074A JP4046592B2 (ja) 2001-10-25 2002-10-24 音源識別装置および突発事象検出装置並びに突発事象自動記録装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001327045 2001-10-25
JP2001-327045 2001-10-25
JP2002309074A JP4046592B2 (ja) 2001-10-25 2002-10-24 音源識別装置および突発事象検出装置並びに突発事象自動記録装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003202260A true JP2003202260A (ja) 2003-07-18
JP4046592B2 JP4046592B2 (ja) 2008-02-13

Family

ID=27666468

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002309074A Expired - Fee Related JP4046592B2 (ja) 2001-10-25 2002-10-24 音源識別装置および突発事象検出装置並びに突発事象自動記録装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4046592B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005101346A1 (ja) * 2004-03-31 2005-10-27 Hitachi Zosen Corporation 突発事象の記録・解析システム
CN101192344B (zh) * 2006-11-28 2010-06-09 株式会社日立制作所 突发事件解除判定系统
JP2010287190A (ja) * 2009-06-15 2010-12-24 Fujitsu Ten Ltd 運転情報記録装置および運転情報処理プログラム
JP2015114294A (ja) * 2013-12-16 2015-06-22 富士通株式会社 音響装置の検査装置及び音響装置の検査方法並びに音響装置の検査プログラム
JP2017010290A (ja) * 2015-06-23 2017-01-12 株式会社東芝 情報処理装置および事象検出方法
JP2020027569A (ja) * 2018-08-17 2020-02-20 国立大学法人滋賀医科大学 生体音診断装置

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11107355B2 (en) 2019-12-05 2021-08-31 Toyota Motor North America, Inc. Transport dangerous driving reporting
US11308800B2 (en) 2019-12-05 2022-04-19 Toyota Motor North America, Inc. Transport impact reporting based on sound levels
US10832699B1 (en) 2019-12-05 2020-11-10 Toyota Motor North America, Inc. Impact media sharing

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005101346A1 (ja) * 2004-03-31 2005-10-27 Hitachi Zosen Corporation 突発事象の記録・解析システム
CN101192344B (zh) * 2006-11-28 2010-06-09 株式会社日立制作所 突发事件解除判定系统
JP2010287190A (ja) * 2009-06-15 2010-12-24 Fujitsu Ten Ltd 運転情報記録装置および運転情報処理プログラム
JP2015114294A (ja) * 2013-12-16 2015-06-22 富士通株式会社 音響装置の検査装置及び音響装置の検査方法並びに音響装置の検査プログラム
JP2017010290A (ja) * 2015-06-23 2017-01-12 株式会社東芝 情報処理装置および事象検出方法
JP2020027569A (ja) * 2018-08-17 2020-02-20 国立大学法人滋賀医科大学 生体音診断装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP4046592B2 (ja) 2008-02-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4242422B2 (ja) 突発事象の記録・解析システム
JP3069529B2 (ja) 事故音検出回路
AU2013223662B2 (en) Modified mel filter bank structure using spectral characteristics for sound analysis
JP2009008823A (ja) 音響認識装置、音響認識方法、及び、音響認識プログラム
JP4046592B2 (ja) 音源識別装置および突発事象検出装置並びに突発事象自動記録装置
KR102066718B1 (ko) 음향기반 터널 사고 검지 시스템
Bhave et al. Vehicle engine sound analysis applied to traffic congestion estimation
CN112529177A (zh) 一种车辆碰撞检测方法及装置
CN108877814A (zh) 窨井盖盗损检测方法、智能终端及计算机可读存储介质
Lee et al. Acoustic hazard detection for pedestrians with obscured hearing
KR20120103286A (ko) 오디오 신호를 이용하여 차량에 대한 관심 대상 이벤트를 감지하기 위한 방법 및 장치
Kandpal et al. Classification of ground vehicles using acoustic signal processing and neural network classifier
JP2008215874A (ja) エンジン音認識装置および駐車場管理システム
CN113053412A (zh) 一种基于声音的变压器故障识别方法
JP3164100B2 (ja) 交通音源種別識別装置
JP3895657B2 (ja) 事故音検出回路
JP2950771B2 (ja) 事故音検出回路および事故音検出装置
KR100262564B1 (ko) 차량용 음성 인식 장치
CN113593251B (zh) 一种炸街车快速筛选方法及系统
JP3875111B2 (ja) 事故音検出装置、方法およびプログラム
CN113247730B (zh) 基于多维特征的电梯乘客尖叫检测方法及系统
JP2005164378A (ja) 移動体データ解析装置および移動体データ解析システム
JP7272631B2 (ja) 音響又は振動の判定方法及び判定のための情報処理システム
Zhang et al. Development of an automated accident detection system at intersections
JP3810332B2 (ja) 事故音検出装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040930

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060206

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070731

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071001

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20071023

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20071120

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101130

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4046592

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111130

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111130

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121130

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131130

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees