JP5168549B2 - 車両用ドア開閉装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両用ドアに対する利用者の開閉操作の有無を判断して、当該車両用ドアを開閉する車両用ドア開閉装置に関する。
このような車両用ドア開閉装置の一例として、車両用ドアの解錠や施錠を自動的に制御するロッキングシステム(スマートエントリーシステム)と連携した車両用ドア開閉装置が知られている。スマートエントリーシステムは、利用者が携帯する携帯機との通信により利用者の車両への接近や降車を検知し、その利用者の車両用ドアに対する解錠または施錠の指示を認識して当該車両用ドアの施解錠を制御する。このようなスマートエントリーシステムにおける車両用ドア開閉装置として、利用者が車両用ドアの開閉操作を行うドアハンドルに検出電極を設けたものが提案されている。この車両用ドア開閉装置では、検出電極と車両用ドアとの間で形成される静電容量を利用し、検出電極と車両用ドアとの間に利用者の手が挿入されたことにより生じる静電容量の変化を検出して利用者の指示を認識する(例えば、特許文献1参照。)。
また、ドアハンドルを握ってロックを開錠、もしくは叩いた振動リズムにより暗証番号を照合させる車両用ドア開閉装置が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
特開2002−295064号公報(第2〜9段落等) 特開2005−98016号公報(第90〜101段落、図20等)
しかしながら、従来のドアハンドルに設けた検出電極と車両用ドアとの間の静電容量の変化を検出する車両用ドア開閉装置では、利用者の手以外であっても検出電極と車両用ドアとの間に空気と媒質定数が異なるものが存在すると静電容量が変化する。このため、雨等の環境の変化によっても静電容量の変化を検出する場合があり、ロック解錠からドア全開までを自動で行うシステムでは、誤作動により利用者の意志と関係なくドアが開いてしまう場合がある。また、ドアを開ける際には必ずドアハンドルに手を挿入するか、リモートキーを操作する必要があるが、両手が塞がっている場合にはドア開閉操作が困難であり、操作性の向上が求められている。
また、リズミカルな叩きによりドアを開閉する場合でも、振動は車両全体に伝搬するため、誤作動により利用者が開閉操作していないドアが開閉する場合がある。また、雨や雹等による振動により利用者が開閉操作していないドアが開閉する可能性もある。
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、ドアの開閉操作の操作性が良好で、また、雨等の環境の変化に対する耐性が高く、車両用ドアに対する利用者の開閉操作の有無を良好に判断することが可能な車両用ドア開閉装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明に係る車両用ドア開閉装置の特徴構成は、
車両用ドアに対する利用者の開閉操作の有無を判定して、当該車両用ドアを開閉する車両用ドア開閉装置であって、
振動検知センサと制御回路とを有し、前記利用者が前記車両用ドアに与える開閉操作による振動を検出する振動検出手段を備え、
前記制御回路は、
前記振動検知センサから得られる振動波形の山又は谷の何れかを繋いで形成される包絡線を取得し、
前記包絡線の形状に基づいて、前記利用者による前記車両用ドアの開閉操作の有無を判定する点にある。
この特徴構成によれば、車両用ドア開閉装置は、利用者がドアに与えた開閉操作による振動を検出してドアを開閉作動するため、両手が塞がっている際でも良好な操作性が得られる。また、車両用ドア開閉装置は、振動検知センサからの振動波形から取得した包絡線から利用者によるドアの開閉操作(例えば、ドアを叩く操作)の有無を判定する。従って、振動波形から開閉操作の有無を判定する場合と比べて、走行時の振動、雨や雹等による振動等のノイズによる判定への影響を抑制することができる。また、車両用ドア開閉装置は、包絡線の形状から利用者によるドアの開閉操作の有無を判定しドアを開閉する。従って、利用者が開閉操作するドアとその他のドアとが明確に区別され、利用者が開閉操作していないドアが開閉する可能性を抑制することができる。つまり、利用者が開閉操作していないドアへは車両本体等を介して振動が伝搬するため、利用者により直接開閉操作された場合の振動とは包絡線の形状が異なるものとなる。従って、利用者が開閉操作するドアとその他のドアとが良好に区別される。
また、本発明に係る車両用ドア開閉装置の前記制御回路は、前記包絡線が所定の閾値からピーク値に至るまでの増加時間と、前記包絡線が前記ピーク値から前記所定の閾値まで減衰する減衰時間とに基づいて、前記利用者による前記ドアの開閉操作の有無を判定すると好適である。
制御回路は、包絡線が所定の閾値からピーク値に至るまでの増加時間と、包絡線がピーク値から所定の閾値まで減衰する減衰時間とから、利用者によるドアの開閉操作の有無を判定する。従って、利用者が開閉操作するドアとその他のドアを区別し、利用者が開閉操作していないドアが開閉する可能性を抑制することができる。
また、本発明に係る車両用ドア開閉装置は、
前記利用者が前記車両用ドアに与える開閉操作が、当該車両用ドア又は当該車両用ドアに設けられた開閉操作部への連続した打ち叩きであり、
前記制御回路が、連続して取得される前記包絡線の内、1回目に取得される前記包絡線のピーク値と、2回目以降に所得される前記包絡線の形状とに基づいて、前記利用者による前記車両用ドアの開閉操作の有無を判定すると好適である。
例えばノックなどの、利用者による連続した打ち叩き操作は、汎用的な操作であり幅広い対象の人が理解し易く、実行し易い開閉操作である。そして、制御部は、連続した打ち叩きに対応して、複数回取得される包絡線の内の1回目の包絡線のピーク値と、2回目以降に所得される包絡線の形状とに基づいて、利用者による前記車両用ドアの開閉操作の有無を判定する。従って、制御部は、より正確な判定が可能となる。
また、本発明に係る車両用ドア開閉装置の前記制御回路は、1回目に取得される前記包絡線のピーク値が、所定の下限閾値を超えている場合に、2回目以降に所得される前記包絡線の形状に基づいて、前記利用者による前記車両用ドアの開閉操作の有無を判定すると好適である。
この構成によれば、1回目に取得される包絡線のピーク値に基づいて打ち叩きが所定の強さを有しているか否かが判定されることになる。制御部は、1回目に検出される振動が所定の強さ以上である場合に、2回目以降に検出される振動に基づく開閉操作の判定を行う。従って、雨などの比較的弱い力の印加による振動を開閉操作として判定する可能性を抑制することができる。
また、本発明に係る車両用ドア開閉装置の前記制御回路は、1回目に取得される前記包絡線のピーク値が、前記下限閾値よりも大きい値に設定された上限閾値を超えている場合は、2回目以降に所得される前記包絡線の形状に拘わらず、前記利用者による前記車両用ドアの開閉操作が無いと判定すると好適である。
この構成によれば、1回目に取得される包絡線のピーク値に基づいて打ち叩きの強さが過剰でないか否かが判定されることになる。制御部は、1回目に検出される振動が所定の強さ以下である場合に、2回目以降に検出される振動に基づく開閉操作の判定を行う。従って、利用者の開閉操作とは関係なく人や物が車両に与えた衝撃、つまり利用者が意図しない衝撃による比較的大きい力の印加による振動を開閉操作として判定する可能性を抑制することができる。
また、本発明に係る車両用ドア開閉装置の前記制御回路は、
前記振動検知センサの出力を増幅する増幅部を有し、増幅後の前記振動波形から形成される前記包絡線を取得するものであり、
1回目に取得される前記包絡線のピーク値が前記下限閾値を超えた場合に、前記増幅部の増幅率を、当該包絡線の当該ピーク値が所定の目標ピーク値に達する倍率に設定し、
当該設定後の増幅率を用いて増幅された後の前記振動波形から形成され、2回目以降に取得される前記包絡線の形状に基づいて、前記利用者による前記車両用ドアの開閉操作の有無を判定すると好適である。
この構成によれば、1回目に取得される包絡線のピーク値に基づいて、2回目以降に取得される振動検知センサの出力を増幅する増幅率が設定される。例えばノックなどの、利用者による連続した打ち叩き操作は、ほぼ同じ強さで行われる。従って、2回目以降に取得される振動検知センサの出力が増幅された後に取得された包絡線は、所定の目標ピーク値の近傍の好適な値をピーク値とする包絡線となる。従って、制御部は、2回目以降の包絡線の形状に基づいて、良好に利用者による車両用ドアの開閉操作の有無を判定することができる。尚、上記上限閾値と、目標ピーク値とが同じ値であると好適である。増幅前にピーク値が目標ピーク値に達するような大きな振動波形を発生させる外力が印加された場合に良好に除外できると共に、増幅後の包絡線のピーク値を充分大きくすることができるので、開閉操作の判定精度が向上する。
また、本発明に係る車両用ドア開閉装置の前記制御回路は、前記増加して減衰する包絡線が所定の操作期間内に出現する回数から、前記利用者による前記ドアの開閉操作の有無を判定すると好適である。ここで、前記制御回路が、前記操作期間内に当該包絡線が2回以上出現する場合に、前記利用者による前記ドアの開閉操作が有ると判定すると好適である。さらに、前記制御回路が、前記操作期間よりも短く設定される所定の操作可能期間内に当該包絡線が3回以上出現する場合に、前記利用者による前記ドアの開閉操作が無いと判定すると好適である。
この構成によれば、制御回路は、立ち上がり減衰する包絡線が所定の期間内に出現する回数から、乗員によるドアの開閉操作の有無を判断する。従って、利用者やその他の人や物が開閉操作を目的としないでドアに振動を与えた場合(例えば、体がドアに接触した場合)に、利用者の意志と関係なく開閉操作があると判定されることを抑制することができる。また、例えばノックなどの、利用者による連続した打ち叩き操作は、一般的に2〜3回程度の連続回数である。従って、所定の操作期間内に包絡線が2回以上出現する場合に、利用者による開閉操作があると判定すると好適である。また、ノックなどの、利用者による連続した打ち叩き操作は、あまり高速な操作ではない。従って、所定の操作可能期間内に連続して打ち叩くことが可能な回数は限定される。そこで、例えば3回の打ち叩き操作が不可能と考えられる期間を操作可能期間として設定し、この期間内に包絡線が3回以上出現する場合には、開閉操作ではないと判定されるようにすれば、利用者の意思に依らない振動を開閉操作として判定する可能性を抑制することができる。
以下、本発明に係る車両用ドア開閉装置の好適な実施形態を図面を参照して詳細に説明する。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の車両用ドア開閉装置1を搭載したスライドドア2(車両用ドア)を示す説明図である。本実施形態において、スライドドア2は、後述するドア制御部18により制御されるモータなどのアクチュエータにより自動で開閉作動するドアである。本実施形態において、スライドドア2が備えられる車両には、スマートエントリーシステムと称されるドアの施解錠及び開閉を自動制御するシステムが搭載されている。図1に示す符号30は、スマートエントリーシステムの認定手段の1つとしての車室外認定手段を模式的に示したものである。車室外認定手段30には、車両から降車している利用者(乗員)との通信を制御する車室外ドライバや、通信アンテナなどが備えられる(不図示)。また、車室内には、スマートエントリーシステムの認定手段の1つとして、車室内に居る利用者との通信を制御する車室内ドライバや通信アンテナを備える車室内認定手段(不図示)が備えられる。また、認定手段の中核となり、車室外認定手段及び車室内認定手段を制御するスマートエントリーシステムのシステムECU(electronic control unit)(不図示)も、車室内に備えられる。
スマートエントリーシステムは、よく知られたように、利用者(乗員)が携帯する携帯機と通信してID認証を行い、当該利用者が車両に接近したこと、あるいは降車して車室外へ移動したことを認識して、車両用ドアの施解錠や開閉を自動的に制御するシステムである。例えば、スマートエントリーシステムは、携帯機を携帯する利用者が車両に接近すると、車両側でこの接近を認識し、利用者が車両用ドアを開けようとして行う所定の開閉操作から利用者の解錠の意思を認識して自動的に車両用ドアを解錠するように制御する。さらに、解錠に続いて車両用ドアを自動的に開く制御を実施するシステムも実用化されている。従来、この開閉操作として、ドアハンドル3に手を掛けるなどの操作が静電容量センサなどのセンサによって検出されてきた。スマートエントリーシステムについては、例えば、特開2004−176343号公報、特開2006−70558号公報などにも記載されているように、公知の技術であるので詳細な説明は省略する。
スライドドア2の中央部付近にはスマートエントリーシステムの車室外認定手段30と相互に通信可能な振動検出装置10(振動検出手段)が備えられる。スマートエントリーシステムの車室外認定手段30と振動検出装置10は、自動で開閉可能な左右それぞれのスライドドア2に設けられ、それぞれスマートエントリーシステムのシステムECUと相互に通信を行う。
図2は、スライドドア2のII−II断面で、スライドドア2を構成するドアパネル4に振動検出装置10が取り付けられた状態を示す説明図である。振動検出装置10は、ドアパネル4に設けられた取付ボス5と振動検出装置10に設けられた取付フランジ13がボルト6で締結されることにより、ドアパネル4に固定される。スライドドア2又はドアハンドル3を利用者が叩く振動vは、図2に示すようにドアパネル4、取付ボス5を介して、取付フランジ13を有する振動検出装置10に伝搬される。この利用者による打ち叩きは、いわゆるノックであると好適である。
図3は、振動検出装置10の構成例を模式的に示す説明図である。振動検出装置10は、円盤型の圧電センサ11(振動検知センサ)と、圧電センサ11が取り付けられるセンサ回路12(制御回路)と、センサ回路12を支持する支柱14と、取付フランジ13と支柱14が取り付けられる躯体17とから構成される。圧電センサ11は半田付け部16においてセンサ回路12と半田付けされ、振動伝搬可能に固定される。取付フランジ13を介して振動検出装置10に伝搬した振動は、躯体17、支柱14、センサ回路12、を介して圧電センサ11に伝搬する。圧電センサ11とセンサ回路12は信号線15により結線されており、圧電センサ11で検知した振動vは、振動信号(後述する符号S)としてセンサ回路12に送られる。
図4は、図3の振動検出装置10とは別の振動検出装置20の構成例を模式的に示す説明図であり、円盤型の圧電センサ11の代わりにケーブル型の圧電センサ21(振動検知センサ)を用いた実施例を示している。図3と共通の部位については同一の符番を用いて説明する。振動検出装置20は、ケーブル型の圧電センサ21と、圧電センサ21と接続されるセンサ回路12と、センサ回路12を支持する支柱14と、取付フランジ13と支柱14が取り付けられる躯体17と、躯体17に固定され圧電センサ21を支持するタイラップ22とから構成される。取付フランジ13を介して振動検出装置20に伝搬した振動vは、躯体17、タイラップ22を介して圧電センサ21に伝搬する。圧電センサ21とセンサ回路12は結線されており、圧電センサ21で検知した振動vは、振動信号Sとしてセンサ回路12に送られる。
図5は、圧電センサ11、21からセンサ回路12に送られる振動信号Sから得られる振動波形41、及び当該振動波形41から取得される包絡線40(W)の一例を模式的に示す説明図である。振動波形41は、振動波形Sから図7に示すフィルタ31(バンドパスフィルタ)により100〜300Hz以外の波形が除去された波形となる。センサ回路12は振動波形41の山を繋いで形成される包絡線40を取得する。包絡線40を取得することにより、走行及びアイドリングによるエンジンの振動、車載オーディオの音響による振動、雨や雹等による振動等のノイズを除去できる。その結果、振動波形41から判断する場合と比べてノイズによる誤作動を防止できる。本実施例では振動波形41の山42を繋いで形成される包絡線40を取得したが、振動波形41の谷43を繋いで包絡線を取得してもよい。
また、振動波形41を電圧Vの図示プラス側あるいはマイナス側に全波整流して、全波整流後の波形の山又は谷を繋いで包絡線を取得してもよい。全波整流後の波形は、山と山、あるいは谷と谷との間隔が、全波整流前の波形に比べて狭くなるので、より高い精度で包絡線を取得することが可能となる。
本発明においては、包絡線Wの形状から、利用者が開閉操作するスライドドア2とその他のドアを区別し、他のドアが誤作動されることを防止することができる。また、包絡線Wの形状から、利用者による開閉操作により生じた振動と、その他の事象により生じた振動とを区別し、スライドドア2が誤作動されることを防止することができる。具体的には、包絡線Wが所定の閾値V1からピーク値Pに至るまでの増加時間T1と、包絡線Wがピーク値Pから所定の閾値V1まで減衰する減衰時間T2とに基づいて、利用者によるドアの開閉操作の有無が判定される。
本実施形態では包絡線40のピーク電圧(ピーク値P)の10分の1の値を閾値電圧(閾値V1)としている。閾値V1は任意に変更可能である。また、各包絡線ごとに閾値V1を設定することなく、例えば平均値などの標準的なピーク値Pから標準的な閾値V1が設定されていてもよい。包絡線Wが閾値V1を超えてからピーク値Pに至るまでの立ち上がり時間(増加時間T1)は、数ms以内(例えば3〜5ms以内)としている。またピーク値Pから所定の閾値V1まで減衰する減衰時間T2は、150ms以内としている。減衰時間T2はスライドドア2の大きさ、取付位置、ドアパネル4の材質等により変化する。減衰時間T2は式(1)及び(2)から求めることができる。
χ = ae-αωt ・・・(1)
ω = 2πf ・・・(2)
ここで、χ:電圧、a:ピーク電圧、α:減衰特性、ω:角速度、t:減衰時間、f:周波数である。減衰特性αは、ドアパネル4の板の厚み、材料、大きさ、車両への取り付け方など、ドアパネル4に依存する変数である。
尚、図5に示した波形例では、振動波形41の山と山とを繋いだ包絡線40を判定対象の包絡線Wとしているので、増加時間T1は、閾値V1を超えてからピーク値Pに至るまでの立ち上がり時間となる。しかし、判定対象の包絡線Wが振動波形41の谷と谷とを繋いで取得される場合には、閾値V1が谷側に設定され、増加時間T1は、閾値V1を負の方向に超えてからピーク値Pに至るまでの立ち下がり時間となる。
以下、本実施形態に係る車両用ドア開閉装置が、利用者による開閉操作の有無を判定する手順を詳細に説明する。図6は、第1実施形態の車両用ドア開閉装置の処理手順の一例を示すフローチャートである。また、図7は、第1実施形態の車両用ドア開閉装置の構成を模式的に示すブロック図である。
はじめに、センサ回路(制御回路)12は、圧電センサ(振動検知センサ)11から、車両をたたく振動信号Sを取得する(#1)。次に、センサ回路12のフィルタ部31は、送られた振動信号Sからフィルタ部31によるフィルタリング処理を実施して100〜300Hzの信号を取り出す(#2)。そして、センサ回路12の増幅部32は、BPFで取り出された信号を増幅し、包絡線検波部33は、増幅後の信号である振動波形41から包絡線Wを取得する(#3)。尚、増幅部32は必須ではなく、フィルタリング処理後の信号から包絡線Wが取得される構成であっても構わない。以下、#4〜#6の処理を実施して、センサ回路12は、包絡線Wの形状が、利用者がスライドドア2又はドアハンドル3を叩いた形状であるか否か判定する。尚、ステップ#4〜#6の各処理の順序は任意に入れ替えることが可能である。
センサ回路12の特徴判定部35は、包絡線Wが閾値V1を超えているか判定する(#4)。包絡線Wが閾値V1を超えている場合、特徴判定部35は、包絡線Wが閾値V1を超えてから、ピーク検出部34で検出されたピーク電圧Pまでの立ち上がり時間(増加時間T1)が所定の増加許容時間(例えば、数ms)以内であるか判定する(#5)。立ち上がり時間(増加時間T1)が数ms以内と判断された場合、特徴判定部35は、ピーク値Pから閾値V1まで減衰する減衰時間T2が減衰許容時間(150ms)以内であるか判定する(#6)。減衰時間T2が150ms以内と判定されると、センサ回路12の判定部36は、包絡線Wの形状が、利用者が開閉操作のためにスライドドア2を叩いた形状であると判定する。
ここで、判定部36は、ドア制御部18に対して「開閉操作『有り』」との判定結果を伝達してもよい(#8)。そして、ドア制御部18は、利用者がスライドドア2を開閉する意志を持って叩いたとして、スライドドア2を開閉作動させてもよい(#9)。しかし、さらに以下に示すように、ステップ#8の処理の前に、判定部36がステップ#7の処理を実行すると好適である。
ステップ#7において、判定部36は、利用者が叩いたことによる包絡線Wの形状が、利用者がスライドドア2又はドアハンドル3を連続して叩く0.5〜1.0秒(所定の操作期間)に2〜3回(複数回)出現するか否か判定する。包絡線Wの形状が所定の操作期間に2〜3回(複数回)出現する場合には、判定部36は、利用者がスライドドア2を開閉する意志を持って叩いたと判定する。そして、ドア制御部18は、この判定結果に基づいて、スライドドア2を開閉作動させる(#9)。
尚、ステップ#4、#5、#6、#7の各工程において、それぞれ所定の条件が満たされなかった場合には、判定部36は「開閉操作『無し』」と判定する(#10)。そして、ドア制御部18は、この判定結果に基づき、スライドドア2を開閉作動させない。
本発明の車両用ドア開閉装置1では、利用者がスライドドアドア2に与えた開閉操作による振動を検出してスライドドア2を開閉作動するため、利用者の両手が塞がっている際でも良好な操作性が得られる。また、圧電センサ11、21からの振動波形41から取得した包絡線Wから利用者によるスライドドア2の開閉操作(ドアを叩く操作)の有無を判定するため、振動波形Sから判定する場合と比べて、走行時の振動、雨や雹等による振動等のノイズによるスライドドア2の誤作動を防止できる。また、包絡線Wの形状から利用者によるスライドドア2の開閉操作の有無を判定され、スライドドア2が開閉されるため、利用者が開閉操作するスライドドア2とその他のスライドドア2とが区別され、他のスライドドア2が誤作動することが防止される。
また、センサ回路12は、包絡線Wが所定の閾値V1を超えてからピーク値Pまでの増加時間T1と、包絡線Wのピーク値Pから所定の閾値V1まで減衰する減衰時間T2とから、利用者によるスライドドア2の開閉操作の有無を判定するため、利用者が開閉操作するスライドドア2とその他のスライドドア2とが区別され、他のスライドドア2が誤作動することがより確実に防止される。
また、センサ回路12は、増加して減衰する包絡線Wが所定の操作期間(0.5〜1.0s)内に出現する回数(2〜3回)から、利用者によるスライドドア2の開閉操作の有無を判定するため、利用者が開閉操作を目的としないでスライドドア2に振動を与えた場合(例えば、体がドアに接触した場合)に、利用者の意志と関係なくスライドドア2が誤作動することが防止される。
〔第2実施形態〕
以下、本発明の第2実施形態について説明する。図1〜図5を利用して説明した点、つまり振動検知装置10の構造や、包絡線Wの波形の形状の判定方法などについては第1実施形態と同様であるので、適宜説明を省略する。第2実施形態は、利用者がスライドドア2などの車両用ドアに与える開閉操作が、車両用ドア又は車両用ドアに設けられたドアハンドル3などの開閉操作部への連続した打ち叩きである場合に好適な実施形態である。例えば、一般的に行われる2回〜3回程度のノックは、利用者による連続した打ち叩きの好適な実施態様である。ここで、制御回路としてのセンサ回路12は、連続して取得される包絡線Wの内、1回目に取得される包絡線Wのピーク値Pと、2回目以降に所得される包絡線Wの形状とに基づいて、利用者による車両用ドアの開閉操作の有無を判定する。
図8は、第2実施形態の車両用ドア開閉装置の構成を模式的に示すブロック図であり、図9は、第2実施形態における操作入力の検出原理を示す説明図であり、図10は、第2実施形態における判定原理を示す説明図であり、図11は、第2実施形態の車両用ドア開閉装置の処理手順の一例を示すフローチャートである。
図8に示すように、第2実施形態のセンサ回路12A(制御回路)は、第1実施形態のセンサ回路12に対し、さらに、操作入力検出部41、増幅率設定部42、タイマ43を備えて構成されている。判定部36は、特徴判定部35の判定結果と、操作入力検出部41の検出結果とに基づいて、利用者によるスライドドア2への開閉操作の有無を判定する。
操作入力検出部41は、図9に示すように、包絡線W(W0)が所定の下限閾値VLを超えている場合に、操作入力を検出する。この時、好適には、増幅部32の増幅率は増幅率設定部42によって、1倍を含む低い増幅率(初期増幅率)に設定されている。下限閾値VLは、一般的な力により利用者がスライドドア2に対して行う、ノック等の打ち叩きによる開閉操作の振動が最も小さい場合を想定して設定される。つまり、下限閾値VLは、想定される最も小さい振動の場合に、包絡線Wのピーク値Pが下限閾値VLを超えるように設定される。
包絡線W0のピーク値P0は、ピーク検出部34によって検出される。増幅率設定部42は、ピークP0と所定の目標ピーク値VPとに基づいて、増幅部32の増幅率を設定する。つまり、図10に示すように、包絡線W1のピークP1が少なくとも目標ピーク値VPに達する倍率に増幅率が設定される(図10に示す例ではピーク値P1は目標ピーク値VPを超えている。)。この増幅率の設定は、1回目に取得される包絡線W0(第1包絡線)のピーク値P0が下限閾値VLを超えた場合に実施される。開閉操作がノックである場合、連続して印加される振動はほぼ同じ振幅の振動波形を発生する。従って、2回目以降に取得される包絡線W1(第2包絡線)は、そのピーク値P1が目標ピーク値PVに達するように振動信号Sが増幅された振動波形41から取得されたものとなる。
尚、目標ピーク値VPは、第1実施形態において上述した閾値V1以上の値に設定される。従って、第2包絡線W1のピーク値P1は、確実に閾値V1を超え、1実施形態と同様に増加時間T1と減衰時間T2とに基づいて包絡線Wの形状が判定される。
尚、一連の打ち叩き操作(ノック)が継続する時間はタイマ43により計測される。そして、所定の時間が経過するとタイマ43は増幅率設定部42をリセットし、増幅率設定部42は初期増幅率を増幅部32にセットする。尚、タイマ43が、増幅部32をリセットすることによって増幅率を初期増幅率にしてもよい。
利用者の個人差によって、あるいは同じ利用者であってもその時々によって、スライドドア2に与える振動の大きさは異なる。発明者の実験によれば、振動の大きさには約20倍の開きがある。利用者が与える振動の大きさに対して増幅部32の増幅率が大きい場合には、増幅後の振動波形41が電源電圧や回路の制限電圧において振動波形41が飽和する場合がる。この場合、振動波形41から正しい包絡線Wが取得できず、特徴判定部35が包絡線Wの形状を判定できなくなる可能性がある。しかし、図9及び図10を利用して原理を説明したように、その都度、適切な増幅率が設定されることで、ピーク値Pがほぼ一定の範囲に収まるような包絡線Wを得られる。従って、利用者により与えられる振動の大きさが一般的な範囲内に収まっていれば、センサ回路12Aは、振動の大きさに拘わらず常に一定の範囲にピーク値Pが収まる包絡線Wを取得することができる。そして、良好に第1実施形態と同様に包絡線Wの形状を判定することができる。
以下、本実施形態に係る車両用ドア開閉装置が、利用者による開閉操作の有無を判定する手順を詳細に説明する。第1実施形態と同様、はじめに、センサ回路(制御回路)12Aは、圧電センサ(振動検知センサ)11から、車両をたたく振動信号Sを取得する(#1)。次に、センサ回路12のフィルタ部31は、送られた振動信号Sにフィルタリング処理を実施して100〜300Hzの信号を取り出す(#2)。そして、センサ回路12の増幅部32は、取り出された信号を初期増幅率により増幅し、包絡線検波部33は、増幅後の信号である振動波形41から包絡線W(W0)を取得する(#3)。
次に、操作入力検出部41は、第1包絡線W0が下限閾値VLを超えるか否か判定する(#31)。第1包絡線W0が下限閾値VLを超えている場合、次に、ピーク検出部34により第1包絡線W0のピーク値P0が検出される(#32)。増幅率設定部42は、ピークP0と所定の目標ピーク値VPとに基づいて、増幅部32の増幅率を設定する。つまり、図10に示すように、包絡線W1のピークP1が少なくとも目標ピーク値VPに達する倍率に増幅率が設定される(#33)。
増幅部32の増幅率が#33においてリアルタイムに変更されるので、第2包絡線W1は新たな増幅率により、そのピーク値P1が少なくとも目標ピーク値VPに達する値となるように増幅された信号波形41から生成される。尚、厳密に言えば、第2包絡線W1は、図11のステップ#33の後で、ステップ#1〜#3を実行することによって取得されるものである。しかし、図6、図11、後述する図14に示すフローチャートは、ソフトウェア的な処理を厳密に示したものではなく、並列処理が可能なハードウェアとの協働により実現される本発明の技術思想を示したものである。従って、当業者に理解可能な範囲で簡略化された図を用いて説明する。
第2包絡線W1は、飽和することなく、そして確実に閾値V1を超えるピーク値P1を有する。従って、センサ回路12は、第1実施形態と同様のステップ#4〜#6の処理を実行することにより、包絡線Wの形状が、利用者がスライドドア2又はドアハンドル3を叩いた形状であるか否か判定する。詳細については、上述した通りであるので、説明を省略する。
ここで、判定部36は、ドア制御部18に対して「開閉操作『有り』」との判定結果を伝達してもよい(#8)。そして、ドア制御部18は、利用者がスライドドア2を開閉する意志を持って叩いたとして、スライドドア2を開閉作動させてもよい(#9)。しかし、さらに以下に示すように、ステップ#8の処理の前に、判定部36がステップ#9の処理を実行すると好適である。
ステップ#7において、判定部36は、利用者が叩いたことによる第2包絡線W1の形状が、利用者がスライドドア2又はドアハンドル3を連続して叩く0.5〜1.0s(所定の操作期間)に2〜3回(複数回)出現するか否か判定する。包絡線Wの形状が所定の操作期間に2〜3回(複数回)出現する場合には、判定部36は、利用者がスライドドア2を開閉する意志を持って叩いたと判定する。そして、ドア制御部18は、この判定結果に基づいて、スライドドア2を開閉作動させる(#9)。
尚、ステップ#31、#4、#5、#6、#7の各工程において、それぞれ所定の条件が満たされなかった場合には、判定部36は「開閉操作『無し』」と判定する(#10)。そして、ドア制御部18は、この判定結果に基づき、スライドドア2を開閉作動させない。
利用者の個人差によって、あるいは同じ利用者であってもその時々によって、スライドドア2に与える振動の大きさは異なる。しかし、本第2実施形態によれば、利用者により与えられる振動の大きさが一般的な範囲内に収まっていれば、センサ回路12Aは、振動の大きさに拘わらず常に一定の範囲にピーク値Pが収まる包絡線Wを取得することができる。そして、良好に第1実施形態と同様に包絡線Wの形状を判定することができる。
〔第3実施形態〕
以下、本発明の第3実施形態について説明する。図1〜図5を利用して説明した点、つまり振動検知装置10の構造や、包絡線Wの波形の形状の判定方法などについては第1実施形態と同様であるので、適宜説明を省略する。また、連続して取得される包絡線Wの内、1回目に取得される包絡線W0のピーク値P0に基づいて増幅率を設定し、2回目以降に所得される包絡線W1の形状に基づいて、利用者による車両用ドアの開閉操作の有無を判定する点については、第2実施形態と同様であるので、適宜説明を省略する。第3実施形態は、1回目に取得される包絡線W0のピーク値P0に基づいて、振動信号Sが利用者による一般的な打ち叩き(ノック)ではない非操作入力によるものであることを判定する好適な実施形態である。
図12は、第3実施形態の車両用ドア開閉装置の構成を模式的に示すブロック図であり、図13は、第3実施形態における非操作入力の検出原理を示す説明図であり、図14は、第3実施形態の車両用ドア開閉装置の処理手順の一例を示すフローチャートである。
図12に示すように、第3実施形態のセンサ回路12B(制御回路)は、第2実施形態のセンサ回路12に対し、さらに、非操作入力検出部45を備えて構成されている。判定部36は、特徴判定部35の判定結果と、操作入力検出部41の検出結果と、非操作入力検出部45の検出結果とに基づいて、利用者によるスライドドア2への開閉操作の有無を判定する。
非操作入力検出部45は、図13に示すように、包絡線W(W0)が下限閾値VLよりも大きい値に設定された所定の上限閾値VHを超えている場合に、非操作入力を検出する。つまり、包絡線W0が、利用者の一般的なノック等の打ち叩きにより生じた振動信号Sによるものではないことが検出される。第2実施形態において説明したように、この時、増幅部32の増幅率は増幅率設定部42によって1倍を含む低い増幅率(初期増幅率)に設定されている。従って、このような低い増幅率であるにも拘わらず、包絡線W0が上限閾値VHを超える場合には、非常に大きな振動を発生させる外力がスライドドア2に印加されたことを示す。
詳細は、後述するが、センサ回路12B(判定部36)は、1回目に取得される包絡線W0のピーク値P0が、下限閾値VLよりも大きい値に設定された上限閾値VHを超えている場合は、2回目以降に所得される包絡線W1の形状に拘わらず、利用者による車両用ドア(スライドドア2)の開閉操作が無いと判定する。
尚、この上限閾値VHは、例えば第2実施形態において説明した目標ピーク値VPと同じ値とすると好適である。上述したように、目標ピーク値VPは、増幅部32の増幅率が適正に設定された後において好適な、包絡線Wのピーク値Pとほぼ等価である。増幅部32の増幅率が小さい値である初期増幅率の際に、包絡線Wが目標ピーク値VPを超えるということは、振動信号Sが大き過ぎることを示す。従って、上限閾値VHを設定する目安として、目標ピーク値VPは好適である。
以下、本実施形態に係る車両用ドア開閉装置が、利用者による開閉操作の有無を判定する手順を詳細に説明する。第1実施形態及び第2実施形態と同様、はじめに、センサ回路(制御回路)12Bは、圧電センサ(振動検知センサ)11から、車両をたたく振動信号Sを取得する(#1)。次に、センサ回路12のフィルタ部31は、送られた振動信号Sにフィルタリング処理を実施して100〜300Hzの信号を取り出す(#2)。そして、センサ回路12の増幅部32は、取り出された信号を初期増幅率により増幅し、包絡線検波部33は、増幅後の信号である振動波形41から包絡線W(W0)を取得する(#3)。
次に、非操作入力検出部45は、第1包絡線W0が上限閾値VHを超えるか否か判定する(#30)。ここで、第1包絡線W0が上限閾値VHを超えると判定されると、判定部36は、「開閉操作『無し』」と判定する(#10)。第1包絡線W0が上限閾値VH以下であれば、第2実施形態と同様に、操作入力検出部41により、第1包絡線W0が下限閾値VLを超えるか否か判定される(#31)。以下、第2実施形態と同様である。
本第3実施形態によれば、利用者により与えられる振動の大きさが一般的な範囲内に収まっていない場合、センサ回路12Bは、当該振動に起因する振動信号Sが利用者による開閉操作によるものではないと判定する。従って、精度良く利用者による開閉操作の有無を判定することができる。
〔第2実施形態及び第3実施形態の補足〕
尚、上記第2実施形態及び第3実施形態におけるステップ#7において、包絡線W(W1)が所定の操作期間内に出現する回数に基づく判定を行った。この点について、図15を利用して補足する。つまり、以下、センサ回路12(制御回路)が、増加して減衰する包絡線Wが所定の操作期間内に出現する回数から、利用者によるスライドドア2の開閉操作の有無を判定する場合について補足する。ここでは、センサ回路12が、操作期間内に包絡線Wが2回以上出現する場合に、利用者によるスライドドア2の開閉操作が有ると判定する場合を例として説明する。
図15は、所定の操作期間内に出現する包絡線Wの数による判定原理を示す説明図である。図15の上段に示す波形図は、振動信号Sを模式的に示したものである。ここでは、利用者による打ち叩きとして、例えば、「トン、トン、トン」と3回のノックがなされた場合を示している。利用者によるノックは、ほぼ同じ力により、ほぼ同じ時間間隔をおいて3回行われている。図15に示す波形が現れる期間は、おおむね0.5秒〜1秒程度である。
図15の下段に示す波形図は、増幅部32による増幅後の振動波形41から取得された包絡線Wを模式的に示したものである。図15の下段左側の包絡線Wは、第2実施形態及び第3実施形態における第1包絡線W0に相当する。第1包絡線W0は、下限閾値VLを超えるため、そのピーク値P0に基づいて増幅率設定部42により新たな増幅率が増幅部32に設定される。また、第3実施形態において説明したように、第1包絡線W0は上限閾値VHを超えていないので、その形状が判定される。尚、ここでは、上限閾値VHと目標ピーク値VPとを同じ値としている。
図15の下段中央の包絡線Wは、2回目に取得される包絡線Wであり、第2実施形態及び第3実施形態における第2包絡線W1に相当する。第2包絡線W1は、大きな増幅率により増幅された後の振動波形41から取得されるため、第1包絡線W0よりも大きいピーク値P1を有しており、そのピーク値P1は目標ピーク値VPを超えている。そして、この包絡線Wは、増加時間T1及び減衰時間T2の判定基準を満たしている。
図15の下段右側の包絡線Wは、3回目に取得される包絡線Wであり、第2実施形態及び第3実施形態における第2包絡線W1に相当する。この第2包絡線W1も、大きな増幅率により増幅された後の振動波形41から取得されるため、第1包絡線W0よりも大きいピーク値P1を有しており、そのピーク値P1は目標ピーク値VPを超えている。そして、この包絡線Wも、増加時間T1及び減衰時間T2の判定基準を満たしている。
即ち、図15の下段に示す波形例においては、判定基準を満たす包絡線Wが0.5秒から1秒の間の所定の操作期間内に2回出現している。判定部36は、このように、判定基準を満たす包絡線Wが操作期間内に2回以上確認された場合に、利用者による開閉操作があったと判定することができる。単発の包絡線Wに基づいて判定を行う場合に比べて、より精度の高い判定が可能となる。
尚、センサ回路12は、0.5秒から1秒の操作期間よりも短く設定される所定の操作可能期間(例えば、0.5秒)内に包絡線Wが3回以上出現する場合に、利用者によるスライドドア2への開閉操作が無いと判定する。利用者による打ち叩きとして、例えば、「トン、トン、トン、・・・」と複数回のノックがなされる場合があるが、通常、人間が可能な打ち叩きの速さには限界がある。一般的な利用者は、0.5秒の間に3回のノックを行うことは困難である。従って、判定部36が、所定の操作可能期間に包絡線Wが3回以上出現する場合に、利用者によるスライドドア2への開閉操作が無いと判定すると、正確な判定が可能となる。
〔その他の実施形態〕
尚、上記各実施形態では、スライドドア2に車両用ドア開閉装置1を搭載した実施形態を説明したが、本発明は、スライドドア2に限定されるものではなく、バックドア、スイングドア等にも適用することができる。
本発明の車両用ドア開閉装置を搭載したスライドドアの説明図 スライドドアのII−II断面で、スライドドアを構成するドアパネルに振動検出装置が取り付けられた状態を示す説明図 振動検出装置の構成例を模式的に示す説明図 振動検出装置の他の構成例を模式的に示す説明図 振動波形から取得される包絡線の一例を模式的に示す説明図 第1実施形態の車両用ドア開閉装置の処理手順の一例を示すフローチャート 第1実施形態の車両用ドア開閉装置の構成を模式的に示すブロック図 第2実施形態の車両用ドア開閉装置の構成を模式的に示すブロック図 第2実施形態における操作入力の検出原理を示す説明図 第2実施形態における判定原理を示す説明図 第2実施形態の車両用ドア開閉装置の処理手順の一例を示すフローチャート 第3実施形態の車両用ドア開閉装置の構成を模式的に示すブロック図 第3実施形態における非操作入力の検出原理を示す説明図 第3実施形態の車両用ドア開閉装置の処理手順の一例を示すフローチャート 操作期間内に出現する包絡線の数による判定原理を示す説明図
符号の説明
1 車両用ドア開閉装置
2 スライドドア(車両用ドア)
3 ドアハンドル
10、20 振動検出装置(振動検出手段)
11、21 圧電センサ(振動検知センサ)
12 センサ回路(制御回路)
41 振動波形
44 ピーク電圧(ピーク値)
V1 閾値電圧(閾値)
VL 下限閾値
VH 上限閾値
VP 目標ピーク値
T1 増加時間
T2 減衰時間
W 包絡線

Claims (8)

  1. 車両用ドアに対する利用者の開閉操作の有無を判定して、当該車両用ドアを開閉する車両用ドア開閉装置であって、
    振動検知センサと制御回路とを有し、前記利用者により与えられる前記車両用ドア又は当該車両用ドアに設けられた開閉操作部への連続した打ち叩きによる振動を検出する振動検出手段を備え、
    前記制御回路は、
    前記振動検知センサから得られる振動波形の山又は谷の何れかを繋いで形成される包絡線を取得し、
    連続して取得される前記包絡線の内、1回目に取得される前記包絡線のピーク値と、2回目以降に所得される前記包絡線の形状に基づいて、前記利用者による前記車両用ドアの開閉操作の有無を判定する車両用ドア開閉装置。
  2. 前記制御回路は、
    前記包絡線が所定の閾値からピーク値に至るまでの増加時間と、
    前記包絡線が前記ピーク値から前記所定の閾値まで減衰する減衰時間と、
    に基づいて、前記利用者による前記ドアの開閉操作の有無を判定する請求項1に記載の車両用ドア開閉装置。
  3. 前記制御回路は、1回目に取得される前記包絡線のピーク値が、所定の下限閾値を超えている場合に、2回目以降に所得される前記包絡線の形状に基づいて、前記利用者による前記車両用ドアの開閉操作の有無を判定する請求項1又は2に記載の車両用ドア開閉装置。
  4. 前記制御回路は、1回目に取得される前記包絡線のピーク値が、前記下限閾値よりも大きい値に設定された上限閾値を超えている場合は、2回目以降に所得される前記包絡線の形状に拘わらず、前記利用者による前記車両用ドアの開閉操作が無いと判定する請求項に記載の車両用ドア開閉装置。
  5. 前記制御回路は、
    前記振動検知センサの出力を増幅する増幅部を有し、増幅後の前記振動波形から形成される前記包絡線を取得するものであり、
    1回目に取得される前記包絡線のピーク値が前記下限閾値を超えた場合に、前記増幅部の増幅率を、当該包絡線の当該ピーク値が所定の目標ピーク値に達する倍率に設定し、
    当該設定後の増幅率を用いて増幅された後の前記振動波形から形成され、2回目以降に取得される前記包絡線の形状に基づいて、前記利用者による前記車両用ドアの開閉操作の有無を判定する請求項又はの何れか一項に記載の車両用ドア開閉装置。
  6. 前記制御回路は、加して減衰する前記包絡線が所定の操作期間内に出現する回数から、前記利用者による前記ドアの開閉操作の有無を判定する請求項1〜の何れか一項に記載の車両用ドア開閉装置。
  7. 前記制御回路は、前記操作期間内に当該包絡線が2回以上出現する場合に、前記利用者による前記ドアの開閉操作が有ると判定する請求項に記載の車両用ドア開閉装置。
  8. 前記制御回路は、前記操作期間よりも短く設定される所定の操作可能期間内に当該包絡線が3回以上出現する場合に、前記利用者による前記ドアの開閉操作が無いと判定する請求項又はに記載の車両用ドア開閉装置。
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