JP3290160B2 - 防犯装置における盗難行為の判定方法 - Google Patents

防犯装置における盗難行為の判定方法

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JP3290160B2
JP3290160B2 JP16084199A JP16084199A JP3290160B2 JP 3290160 B2 JP3290160 B2 JP 3290160B2 JP 16084199 A JP16084199 A JP 16084199A JP 16084199 A JP16084199 A JP 16084199A JP 3290160 B2 JP3290160 B2 JP 3290160B2
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加藤  学
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は乗物等の防犯装置
が防犯を行う際の盗難行為の判定方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
例えば車両用の防犯装置においてはセンサにて異常を検
知し、そのセンサからの検知信号を受けて制御部が盗難
行為(いたずら行為を含む。以下同じ)の有無を判定
し、警報器から警報音を発生させるようにしている。
【0003】ここで従来一般の防犯装置の場合、センサ
が車両に加わった衝撃ないし振動を検知し、その衝撃な
いし振動レベルが一定レベルを超えたときに盗難行為有
りと判定して警報音を発生させるようにしている。
【0004】しかしながらこの場合、ただ単に車両の横
を通り過ぎる他の車両,トラック等から発せられる地響
きや工事等により加わる振動,航空機の往来,地震,雷
等の外乱要素による衝撃ないし振動をも拾ってしまい、
実際に盗難行為が行われていないにも拘らず盗難があっ
たものと誤判定してしまって警報音を発生してしまうと
いった問題がある。
【0005】この警報音は本来盗難があった事を周辺に
知らせるためのものであって大きな音であり、従って実
際に盗難行為が行われていないにも拘わらずこのような
警報音が発生してしまうと周辺に大きな迷惑を及ぼして
しまう。
【0006】このため従来にあっては、防犯装置に一定
の効果があることを認識していながらも誤警報を発する
恐れから、かかる防犯装置の使用に躊躇があるというの
が実情であった。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような事情
を背景とし、車両等に対する盗難行為を正確に検知し得
て誤警報の発生を防止することのできる防犯装置におけ
る盗難行為の判定方法を提供することを目的としてなさ
れたものである。而して請求項の判定方法は、盗難防
止すべき対象物に作用した衝撃又は音を検知する衝撃セ
ンサ又は音感センサにて異常を検知し防犯を行う防犯装
置における盗難行為の判定方法であって、前記センサか
らの出力波がノイズ除去のために設定した所定のしきい
値を超えてからピーク値に向う際の波形立上がり部分の
勾配を検出し、該勾配が予め設定した規定勾配値よりも
大きいときに前記盗難行為による波形であると判定する
ことを特徴とする。
【0008】請求項2の判定方法は、請求項に記載の
判定方法において、前記出力波の前記しきい値の通過点
と前記ピーク値とを結ぶ線の勾配を検出して前記判定を
行うことを特徴とする。
【0009】請求項の判定方法は、盗難防止すべき対
象物に作用した衝撃又は音を検知する衝撃センサ又は音
感センサにて異常を検知し防犯を行う防犯装置における
盗難行為の判定方法であって、前記センサからの出力波
がノイズ除去のために設定した所定のしきい値を超えて
からピーク値に向う際の波形立上がり部分を時分割して
該時分割毎の変化量を検出し、該何れかの変化量が予め
設定した規定変化量より大きいときに前記盗難行為によ
る波形であると判定することを特徴とする。
【0010】請求項の判定方法は、盗難防止すべき対
象物に作用した衝撃又は音を検知する衝撃センサ又は音
感センサにて異常を検知し防犯を行う防犯装置における
盗難行為の判定方法であって、前記センサからの出力波
がノイズ除去のために設定した所定のしきい値を超えて
からピーク値に到達するまでの所要到達時間を検出し、
該所要到達時間が予め設定した規定到達時間より短いと
きに前記盗難行為による波形であると判定することを特
徴とする。
【0011】請求項5の判定方法は、請求項に記載の
判定方法において、前記規定到達時間が150ms未満
であることを特徴とする。
【0012】請求項6の判定方法は、請求項4,5の何
れかに記載の判定方法において、前記規定到達時間が1
00ms以下であることを特徴とする。
【0013】請求項7の判定方法は、請求項4〜6の何
れかに記載の判定方法において、前記規定到達時間が6
0ms以下であることを特徴とする。
【0014】請求項の判定方法は、盗難防止すべき対
象物に作用した衝撃又は音を検知する衝撃センサ又は音
感センサにて異常を検知し防犯を行う防犯装置における
盗難行為の判定方法であって、前記センサからの出力波
がノイズ除去のために設定した所定のしきい値を超えて
からピーク値に上昇到達するまでの波形前半部分と該ピ
ーク値から該しきい値に下降するまでの波形後半部分と
の波形形状の比較に基づいて前記盗難行為による波形で
あるか否かを判定することを特徴とする。
【0015】請求項9の判定方法は、請求項に記載の
判定方法において、前記センサからの出力波形を、横軸
に時間軸、縦軸に出力値をとって表したとき、前記ピー
ク値に到ったときの時刻に対して時間軸に沿って同一時
間差分だけ前の時刻と後の時刻との各出力値の比率が予
め設定した規定出力比よりも大きいか又は該出力波が予
め設定した一定のレベル値を超えてから前記ピーク値に
上昇するまでの所要時間と該ピーク値を超えてから該一
定レベル値まで下降するまでの所要時間との比率が予め
設定した規定時間比よりも大きいときに前記盗難行為に
よる波形と判定することを特徴とする。
【0016】請求項10の判定方法は、請求項に記載
の判定方法において、前記一定レベル値を、前記ノイズ
除去のために設定したしきい値とすることを特徴とす
る。
【0017】請求項11の判定方法は、請求項1〜10
の何れかに記載の判定方法において、前記防犯装置が車
両用防犯装置であることを特徴とする。
【0018】
【作用及び発明の効果】上記のように従来の防犯装置に
おいて誤警報が頻発するのは、センサによって検知した
衝撃ないし振動レベルが一定レベルを超えているか否か
で異常判定、即ち盗難行為の有無を判定していることに
基づくものである。このような判定方法の場合、上記の
ような外乱要素、例えば車両等の横を通り過ぎる他の車
両やトラック或いは土木工事等により車両等に加わる振
動等のレベルが一定レベルを超えると必然的にこのよう
な振動をも拾ってしまうこととなる。
【0019】本発明者は、車両等に加わる衝撃ないし振
動が一定レベルを超えているか否かによって盗難行為の
有無を判定する限りこのような誤警報は避けられないも
のと考え、そこで人為的な盗難行為が行われた場合と車
両等の横をトラック等が通過した際のセンサからの出力
波形に着眼し、その出力波形の調査研究を行った。その
結果、人為的な盗難行為が行われた場合と車両等の横を
トラック等が通過したような場合とでセンサからの出力
波形に明確な相違があることを見出した。
【0020】因みに図12(C)は防犯装置を装着した
車両の隣を土砂を満載した大型のトラックが地響きをた
てながら通過した際のセンサからの出力信号波形を、ま
た同図(B)はマフラー改造車両が爆音を発しながら通
過した際のセンサからの出力信号波形をそれぞれ表して
いる。一方、(A)は防犯装置を装着した車両を人為的
に手で叩いたときにセンサから出力された信号波形を示
したものである。
【0021】これらの比較から明らかなように、外乱要
素によるセンサからの出力信号波形と人為的に車両が叩
かれたときのセンサからの出力信号波形との間には明確
な差が見て取れる。
【0022】詳述すると、図12(B),(C)の波形の場
合、出力波がノイズ除去のために設定したしきい値を超
えてからゆっくりとピーク値に到達すること、従ってピ
ーク値に到達するまでの所要時間が長いこと、従ってま
たピーク値に到達する際の波形立上がり部分の勾配が小
さいこと、更にまたピーク値に到達する前の波形前半部
分とピーク値を超えてからの波形後半部分とが実質的に
対称形状を成していること等の特徴がある(図13
(B)参照)のに対し、同図(A)に示す波形の場合、
波形前半部分が欠けた波形形状をなしており、しきい値
を超えてから速やかにピーク値に到達すること、従って
しきい値を超えてからピーク値到達までの所要時間が短
く、従って波形立上がり部分の勾配が大きく急峻である
こと、一方でピーク値を超えてからの波形立下り部分は
(B),(C)に示す出力波形に似て比較的緩やかな波形に
なっていることなどの特徴がある(図13(A)参照)
ことが分る。
【0023】このような波形の相違は以下のような理由
に基づくものである。即ち大型のトラックやマフラー改
造車両が通過する際の速度はほぼ一定であり、従ってト
ラックや車両の接近に伴うセンサからの出力波の上昇程
度と、通過後のピーク値からの下降程度とはほぼ同程度
であり、従って出力波形はピーク値を頂点としてその前
後波形が略対称な滑らかな曲線となるのに対し、車両に
対して盗難行為が行われる場合には急激に車両に衝撃な
いし振動が加わり、このことから同ケースでの出力波形
は急峻な立ち上がりを示し、その後振動が減衰して行く
ものと考えられる。
【0024】以上外乱要素として大型のトラックやマフ
ラー改造車両が通過する場合の例を示したが、航空機が
上空を通過する場合においてもセンサからの出力波形は
同様のものとなる。但し工事等により車両に振動等が加
わった場合には若干様子は異なるものの、振動ないし衝
撃の発生源が車両から遠距離にあり且つ衝撃ないし振動
が地面や空気を伝って車両に到るため、センサからの出
力波形は上記図12(B),(C)の波形と概略似たような
波形となることが判明している。
【0025】本発明者の調査によれば、外乱要素による
出力波形の場合には、振動ないし衝撃が地面或いは空気
を伝播して車両に伝わることから、出力波がしきい値を
超えてからピーク値に到達するまでの所要時間は最も短
い場合であっても150ms(ミリセカンド)以上であ
るのに対し、車両への物理的接触による出力波形、即ち
人為的な盗難行為による出力波形の場合、ピーク値まで
の到達時間はどんなに長くても150ms以上になるこ
とはないこと、具体的には何れもが60ms以下である
ことが判明した。
【0026】また外乱要素による出力波形の場合最も高
い出力値、具体的には電圧値は1.9Vであったのに対
し、車両等への直接的な衝撃が加わった場合には最低で
も同様の条件で1Vを下回ることがなかった。従ってこ
のような波形の相違を判定することによって、車両等に
対する盗難行為を正確に検出し判定することができる。
【0027】本発明は以上のような知見に基づいてなさ
れたものである。而して請求項1の判定方法は、センサ
からの出力波における波形立上がり部分の勾配を検出
し、その勾配が予め設定した規定勾配値よりも大きいと
きに盗難行為による波形であると判定するもので、この
ようにすることにより、センサからの出力波形が予め求
めてある外乱要素による外乱波形か又は人為的な盗難行
為に特有の波形に属するかを容易に判定することができ
る。この方法によれば、外乱要素による防犯装置の誤動
作を防止し得て防犯装置の信頼性を高めることができ
る。また目的とする行為とそうでないものとを正確に識
別できることから、センサの感度を高く設定して使用す
ることができ、これにより盗難行為が行われる際の微妙
な状態変化をも容易に検出することが可能となる。
【0028】本発明は車両に装着されて防犯を行う車両
用防犯装置に適用して特に効果が大である(請求項
【0029】この場合において、上記出力波がしきい値
を通過してからピーク値に到るまでの全体の勾配を検出
して上記の判定を行うようになすことができる(請求項
)。即ち波形立上がり部分のある部分を取り出して、
その勾配を検出することによっても判定を行うことが可
能であるが、しきい値の通過点とピーク値とを結ぶ線の
勾配を検出することで簡単に勾配の大小を判定すること
ができる。
【0030】一方請求項の方法は、波形立上がり部分
を時分割して時分割毎の変化量を検出し、何れかの変化
量が予め設定した規定変化量より大きいときに盗難行為
による波形であると判定するもので、この方法によって
も盗難行為特有の波形を簡単に識別認識することができ
る。
【0031】次に請求項の判定方法は、出力波がピー
ク値に到達するまでの所要到達時間を検出してこれを規
定到達時間と比較し、その所要到達時間が規定到達時間
よりも短いときに盗難行為有りと判定するもので、この
ようにした場合であっても容易且つ正確に盗難行為特有
の波形を識別認識することができる。
【0032】この場合において、上記規定到達時間を1
50ms(ミリセカンド)未満となすことができる(請
求項)。但しこの規定到達時間は100ms以下とす
ることができ(請求項)、このようにした場合、より
確実正確に盗難行為の有無を判定できる。或いはまたこ
の規定到達時間を60ms以下としておくことができ
(請求項)、このようにすれば更に正確に盗難行為の
有無を判定することが可能となる。
【0033】請求項の判定方法は、ピーク値に上昇到
達するまでの波形前半部分とピーク値以後の波形後半部
分との波形形状の比較に基いて盗難行為の有無を判定す
るものである。
【0034】前述したように外乱要素による出力波形は
波形前半部分と波形後半部分とが実質的に対称形状をな
している。これに対して盗難行為に基く出力波形は、ピ
ーク値に到達するまでの波形前半部分が急峻な立上がり
を示し、またピーク値を越えてからの波形後半部分がな
だらかな波形を示し、波形前半部分と後半部分とが明ら
かな非対称形状である。従って請求項に基いて波形前
半部分と後半部分との比較を行うことによって、容易に
盗難行為に基く波形を識別認識することができる。
【0035】而して波形前半部分と後半部分とが対称形
状であるか否かを判定する具体的な方法として、ピーク
値から前後に同一時間差分だけ時間軸に沿って前後に離
れた位置の出力値の比率を求め、その比率が規定出力比
よりも大きいときに、波形前半部分と後半部分とが非対
称であると判定することができる。
【0036】或いはまた、出力波が予め設定してある一
定のレベル値を超えてからピーク値に上昇するまでの所
要時間と、ピーク値を超えてから該一定レベル値まで下
降するまでの所要時間との比率を求め、その比率が規定
時間比よりも大きいときに波形前半部分と波形後半部分
とが非対称であると判定することができる(請求項
)。尚ここで上記一定レベル値は上記しきい値として
おくことができる(請求項10
【0037】
【実施例】次に本発明を自動車の防犯装置に適用した場
合の実施例を図面に基づいて詳しく説明する。図1にお
いて、10はその防犯装置におけるセンサで、自動車1
2の車両内部の適宜な位置に装着してある。本例ではこ
のセンサ10としては衝撃ないし振動を検知する衝撃セ
ンサが用いられている。このセンサ10としては、加え
られた衝撃ないし振動を電圧値として出力するピエゾ素
子を用いることができるが他のセンサも用いることも勿
論可能である。
【0038】図2はその防犯装置の概略構成を示したも
ので、同図に示しているようにこの防犯装置の場合、車
両に加わる異常を検知するセンサ10と、制御部14
と、警報発報部16とを含んで構成されている。ここで
警報発報部16は、警報信号合成回路18とスピーカ2
0とを有しており、制御部14からの警報信号に基づい
て警報信号合成回路18で警報信号を生成し、スピーカ
20から警報音を発報する。
【0039】一方制御部14は、センサ10から出力さ
れる信号波(電圧信号波)を増幅するための増幅回路2
2、波形を平滑化するためのローパスフィルタ24、連
続したアナログ信号をデジタル変換するA/Dコンバー
タ26、デジタル信号を信号処理して波形分析を行い、
センサ10からの出力波形が人為的な行為によらない外
乱要素による波形か又は人為的な盗難行為による波形で
あるかを比較判定する比較判定回路28を有している。
【0040】この例の防犯装置の場合、遠隔操作のため
のリモコン30を備えており、そのリモコン30の操作
によって発信部32から受信部34に向けて操作信号が
発信される。受信部34はこれを受けて受信信号を制御
部14に入力する。本例の場合、リモコン30からのオ
ン信号に基づいて防犯装置が作動状態に入る。またリモ
コン30からの解除信号によってその作動状態が解除さ
れる。
【0041】本例では、図3に示しているようにセンサ
10からの信号出力(電圧信号出力)を増幅回路22で
増幅した上、ローパスフィルタ24に通して波形平滑化
を行い、更にA/Dコンバータ26にて信号をアナログ
信号からデジタル信号に変換する(ステップS10,S
12,S14)。そしてそのデジタル信号に基づいて比
較判定回路28によりセンサ10からの出力波形の比較
判定を行う。
【0042】図4(I)は、センサ10から出力され、
増幅回路22で増幅された状態の出力波の波形を表して
おり、また(II)はローパスフィルタ24にて波形平滑
化した後の波形を示している。また図4(III)はその
信号をデジタル値に変換し、これを波形として表示した
状態を示している。図4(III)の状態では波形が時分
割され、各時分割毎の信号出力値の大きさが示されてい
る。
【0043】センサ10からの出力信号はA/Dコンバ
ータ26にてデジタル変換された後、比較判定回路28
に入力される。比較判定回路28は、これを受けてセン
サ10からの出力波の波形が人為的な盗難行為特有の波
形に属するものであるか又は人為的行為によらない外乱
による波形であるのかを判定する。即ち実際に盗難行為
が行われたか否かを判定する。そしてその結果盗難行為
が行われたものと判定したときには、警報発報部16に
警報信号を出力し、スピーカ20から警報音を発生させ
る。
【0044】本例において、比較判定回路28は具体的
には以下のようにして波形の分析を行い、判定を行う。
即ち図5に示しているようにセンサ10からの出力波が
ノイズ除去のために設定したしきい値Vrを通過してか
らピーク値Vpに到るまでの所要到達時間Tpを求め、そ
してそのTpが予め設定してある規定到達時間Txより短
いか否かを判定する(図3中ステップS16,S1
8)。そしてそのTpがTxよりも短いときには、人為的
な盗難行為が行われたものと判定する。
【0045】ここでTxは150ms未満としておくこ
とができ、より望ましくは100ms以下に設定してお
くことができる。或いはこの値を60ms以下に設定し
ておくことができる。
【0046】図6(B)は人為的な行為によらない外乱
による波形を、また図6(A)は盗難行為による波形を
それぞれ示したもので、これらの図から明らかなように
外乱による波形の場合Tpは大きく、また盗難行為によ
る波形の場合Tpは小さい。
【0047】図6(B)の外乱による波形の場合、Tp
の値は小さくても精々150ms止りであり、従って規
定到達時間Txをこれよりも小さくしておくことで、即
ちセンサ10からの出力波形におけるTpが150ms
より短いか否かを検出することによって、センサ10に
加わった衝撃が盗難行為によるものであるかどうかを正
しく検知判定することができる。
【0048】尚本発明者の調査によれば、前述したよう
に盗難行為による波形、具体的には車両に直接物理的な
接触による衝撃を与えたときの波形はTpが長くても6
0msを超えることが殆どなく、従ってTxを100m
sと設定しておくことによって、更に望ましくは60m
sと設定しておくことによってより正確に盗難行為の有
無を判定することができる。
【0049】以上のような本例の判定方法によれば、外
乱要素による防犯装置の誤動作を防止し得て防犯装置の
信頼性を高めることができ、また目的とする行為とそう
でないものとを正確に識別できることから、センサ10
の感度を高く設定して使用することができる。これによ
り盗難行為が行われる際の微妙な状態変化をも容易に検
出できるようになる。
【0050】図7は他の判定方法の例を示したもので、
この例では上記ピーク値Vpに到るまでの所要到達時間
pを求めて、波形立上がり部分の勾配Kを算出し、そ
してそのKと予め設定してある規定勾配値Kxとの比較
を行う。そして算出したKが規定勾配値Kxよりも大き
いときに盗難行為が行われたものと判定する(ステップ
S20,S22)。
【0051】図6の波形の比較から明らかなように、外
乱により生じた波形の場合波形立上がり部分の勾配Kは
小さく、また一方車両への物理的接触により生じた波形
の場合、波形立上がり部分の勾配Kは大きな値となる。
従って図7の処理手順に従って信号処理及び判定を行う
ことによって、センサ10にて検知されたものが盗難行
為による異常であるか外乱によるものであるかを正確に
判定することができる。
【0052】図8及び図9は更に他の判定方法の例を示
している。この例では、出力波がノイズ除去のために設
定したしきい値Vrを超えてからピーク値Vpに向う際の
波形立上がり部分を時分割して、時分割毎の変化量Δy
1,Δy2,Δy3,・・・,Δynを検出し(ステップS
24)、続いてその平均値(avΔy)を求める(ステッ
プS26)。そして各変化量Δy1,Δy2,Δy3,・
・・,Δynのそれぞれを予め設定した規定変化量Δyx
と比較する。ここでΔyxはΔyの平均値に定数Aを加
えた値である。尚、定数Aの大きさはavΔyの1/10
0以上としておくことができる。
【0053】例えば図6(B)に示す波形、即ち外乱に
よる波形の場合、波形立上がり部分における時分割毎の
変化量はほぼ一定である。即ち図6(B)の波形の場
合、波形立上がり部分において出力値はほぼ一定量ずつ
時間とともに増大して行く。従ってΔy1,Δy2,Δy
3,・・・,Δynはほぼ一定であって、それら各値とそ
れらの平均値との差は微小である。
【0054】これに対して図6(A)の波形の場合、波
形立上がり部分での変化量Δyは一般に時間の経過とと
もに急激に増大して行く。従って上記のような処理及び
判定を行うことによって、センサ10からの出力波形が
盗難行為特有の波形であるのか又は外乱による波形であ
るのかを正確に判定することができる。
【0055】図10及び図11は更に他の判定方法の例
を示している。この例では、センサ10からの出力波が
しきい値Vrを通過してからピーク値Vpに上昇到達する
までの波形前半部分と、ピーク値Vpからしきい値Vr
下降するまでの波形後半部分との波形形状の比較に基づ
いて、盗難行為による波形であるか否かの判定を行うよ
うにしている。
【0056】但し具体的にはこの例では次のようにして
これを判定する。即ち、出力波がしきい値Vrを超えて
からピーク値Vpに到るまでの所要時間Δt1と、ピーク
値Vpからしきい値Vrに到るまでの所要時間Δt2とを
求めてそれらの比較を行う(ステップS30,S32,
S34,S36)。そしてΔt2とΔt1との比率が予め
設定した規定時間比Bよりも大きいときに盗難行為が発
生したものと判定し、またそれ以外の場合には外乱によ
る波形であると判定する。
【0057】図6(B)の波形の場合、即ち外乱による
波形の場合、波形前半部分と後半部分はほぼ対称形状を
なしており、従ってΔt1とΔt2とは同じような値とな
る。これに対して図6(A)の波形の場合、Δt2はΔ
1に対して著しく大きな値となる。
【0058】従って、上記規定時間比Bの値をそれら図
6(A)の波形と同図(B)の波形とを明確に区別でき
るような値に設定しておくことによって、センサ10か
らの出力波の波形が盗難行為によるものであるか又は外
乱による波形であるかを正確に判定することができる。
ここでBの大きさは2以上としておくことができる。
【0059】尚この例では、波形前半部分と後半部分と
の形状を比較するためにΔt1とΔt2とを求めてそれら
の比率をとっているが、他の方法として、ピーク値Vp
に到ったときの時刻に対し、時間軸に沿って同一時間差
分だけ前の時刻と後の時刻との各出力値を求め、それら
の比率が予め設定した規定出力比よりも大きいときに盗
難行為による波形と判定し、また小さいときに外乱によ
る波形であると判定するようになすこともできる。
【0060】以上本発明の実施例を詳述したがこれはあ
くまで一例示である。例えば本発明は上記衝撃センサに
代えて音感センサを車両に装着してなる防犯装置に適用
することも可能であるし、或いはまた自動車等乗物以外
の対象物に対する防犯装置に適用することも可能である
など、その主旨を逸脱しない範囲において種々変更を加
えた態様で実施可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の適用対象である防犯装置のセンサを自
動車に装着した状態を示す図である。
【図2】防犯装置の概略構成を示す図である。
【図3】本発明の一実施例の判定方法の内容を示すフロ
ーチャートである。
【図4】図3に示す手順で処理を行った際に得られる波
形の状態を示す図である。
【図5】同実施例の判定方法の要部の説明図である。
【図6】同実施例の判定方法によって盗難行為を正確に
判定できる理由の説明図である。
【図7】本発明の他の実施例の判定方法の内容を示すフ
ローチャートである。
【図8】本発明の更に他の実施例の判定方法の内容を示
すフローチャートである。
【図9】図8の判定方法の要部の説明図である。
【図10】本発明の更に他の実施例の判定方法の内容を
示すフローチャートである。
【図11】図10の判定方法の要部の説明図である。
【図12】盗難行為による波形パターンと外乱による波
形パターンとを示す図である。
【図13】図12の波形をモデル化して示す図である。
【符号の説明】 10 センサ 26 A/Dコンバータ
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G08B 13/16 B60R 25/10 621 G08B 25/00 510

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 盗難防止すべき対象物に作用した衝撃又
    は音を検知する衝撃センサ又は音感センサにて異常を検
    知し防犯を行う防犯装置における盗難行為の判定方法で
    あって、 前記センサからの出力波がノイズ除去のために設定した
    所定のしきい値を超えてからピーク値に向う際の波形立
    上がり部分の勾配を検出し、該勾配が予め設定した規定
    勾配値よりも大きいときに前記盗難行為による波形であ
    ると判定することを特徴とする防犯装置における盗難行
    為の判定方法。
  2. 【請求項2】 請求項に記載の判定方法において、前
    記出力波の前記しきい値の通過点と前記ピーク値とを結
    ぶ線の勾配を検出して前記判定を行うことを特徴とする
    防犯装置における盗難行為の判定方法。
  3. 【請求項3】 盗難防止すべき対象物に作用した衝撃又
    は音を検知する衝撃センサ又は音感センサにて異常を検
    知し防犯を行う防犯装置における盗難行為の判定方法で
    あって、 前記センサからの出力波がノイズ除去のために設定した
    所定のしきい値を超えてからピーク値に向う際の波形立
    上がり部分を時分割して該時分割毎の変化量を検出し、
    該何れかの変化量が予め設定した規定変化量より大きい
    ときに前記盗難行為による波形であると判定することを
    特徴とする防犯装置における盗難行為の判定方法。
  4. 【請求項4】 盗難防止すべき対象物に作用した衝撃又
    は音を検知する衝撃センサ又は音感センサにて異常を検
    知し防犯を行う防犯装置における盗難行為の判定方法で
    あって、 前記センサからの出力波がノイズ除去のために設定した
    所定のしきい値を超えてからピーク値に到達するまでの
    所要到達時間を検出し、該所要到達時間が予め設定した
    規定到達時間より短いときに前記盗難行為による波形で
    あると判定することを特徴とする防犯装置における盗難
    行為の判定方法。
  5. 【請求項5】 請求項に記載の判定方法において、前
    記規定到達時間が150ms未満であることを特徴とす
    る防犯装置における盗難行為の判定方法。
  6. 【請求項6】 請求項4,5の何れかに記載の判定方法
    において、前記規定到達時間が100ms以下であるこ
    とを特徴とする防犯装置における盗難行為の判定方法。
  7. 【請求項7】 請求項4〜6の何れかに記載の判定方法
    において、前記規定到達時間が60ms以下であること
    を特徴とする防犯装置における盗難行為の判定方法。
  8. 【請求項8】 盗難防止すべき対象物に作用した衝撃又
    は音を検知する衝撃センサ又は音感センサにて異常を検
    知し防犯を行う防犯装置における盗難行為の判定方法で
    あって、 前記センサからの出力波がノイズ除去のために設定した
    所定のしきい値を超えてからピーク値に上昇到達するま
    での波形前半部分と該ピーク値から該しきい値に下降す
    るまでの波形後半部分との波形形状の比較に基づいて前
    記盗難行為による波形であるか否かを判定することを特
    徴とする防犯装置における盗難行為の判定方法。
  9. 【請求項9】 請求項に記載の判定方法において、前
    記センサからの出力波形を、横軸に時間軸、縦軸に出力
    値をとって表したとき、前記ピーク値に到ったときの時
    刻に対して時間軸に沿って同一時間差分だけ前の時刻と
    後の時刻との各出力値の比率が予め設定した規定出力比
    よりも大きいか又は該出力波が予め設定した一定のレベ
    ル値を超えてから前記ピーク値に上昇するまでの所要時
    間と該ピーク値を超えてから該一定レベル値まで下降す
    るまでの所要時間との比率が予め設定した規定時間比よ
    りも大きいときに前記盗難行為による波形と判定するこ
    とを特徴とする防犯装置における盗難行為の判定方法。
  10. 【請求項10】 請求項に記載の判定方法において、
    前記一定レベル値を、前記ノイズ除去のために設定した
    しきい値とすることを特徴とする防犯装置における盗難
    行為の判定方法。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10の何れかに記載の判定
    方法において、前記防犯装置が車両用防犯装置であるこ
    とを特徴とする防犯装置における盗難行為の判定方法。
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