JPH07184948A - いびき検出装置 - Google Patents

いびき検出装置

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JPH07184948A
JPH07184948A JP33289893A JP33289893A JPH07184948A JP H07184948 A JPH07184948 A JP H07184948A JP 33289893 A JP33289893 A JP 33289893A JP 33289893 A JP33289893 A JP 33289893A JP H07184948 A JPH07184948 A JP H07184948A
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JP
Japan
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signal
snoring
determination
filter
sound
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JP33289893A
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English (en)
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Yasuhiro Umekage
康裕 梅景
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明のいびき検出装置は、いびき音に反応
して判定信号を出力するものである。 【構成】 いびき音を検出する受圧装置と、前記受圧装
置の信号を濾波するフィルター装置と、前記フィルター
装置からの信号を数値演算装置によっていびき音か否か
を判定する判定装置と、前記判定装置から判定信号を出
力する判定出力装置を備えている。周期性の信号が効果
的に検出できるため、突発的あるいは不連続な信号によ
る誤動作を防止することができる。また、信号レベルが
数値演算装置によって正規化されるため、いびき音の大
小によらず正確に判定することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、睡眠中にいびきを発生
しているか否かを判定する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のいびき検出装置について図21を
参照にして説明する。
【0003】図21は従来のいびき音検出装置のブロッ
ク図である。従来のいびき検出装置は、特開平2−13
453号公報に示されるように、マイクロホン1により
いびきを検出し、検出されたアナログ信号のうち所定帯
域の周波数だけを通過させるフィルタ2を設け、これを
通過した信号の所定レベル以上のものを検出することに
よっていびき音に応じた矩形信号の周期をカウントし、
その数が一定時間内に設定回数以上あったとき、いびき
検知の信号を出力する周期判別回路3とからなってい
る。ここで、4は増幅回路、5はコンパレータ、6は感
度調整ボリューム、7はモータドライブ回路、8はモー
タ、9は外部マイクロホンである。
【0004】上記構成において、マイクロホン1により
検出されたアナログ信号を、フィルタ2によって所定の
周波数だけを通過させて、その信号レベルが所定のレベ
ル以上のものをカウントして設定回数以上の回数が検出
されたとき、いびき検知の信号を出力するものであっ
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来の構
成では、外部からの突発的あるいは不連続な騒音、ある
いは非周期的な騒音にもカウントされて反応し、いびき
検知の誤動作を生じさせるという課題があった。
【0006】本発明は上記課題を解決するもので、外部
からの突発的あるいは不連続な騒音、あるいは非周期的
な騒音には反応せず、周期的ないびき音のみに反応して
誤動作を大幅に減少することを第1の目的としている。
そして、睡眠者といびき検出装置の位置関係やいびき音
の大きさに関係なく判定を行うことによって、いびき音
の認識率を向上することを第2の目的としている。ま
た、騒音の渡来方向を判断することによって、睡眠者の
頭部近傍から発射された騒音か、外部から渡来した騒音
かを判断していびき音の検出精度を向上することを第3
の目的としている。さらに、フーリエ解析によりフィル
ター装置を代用していびき特有の周波数成分を検出する
とともに、各個人にあった特有の周波数帯域にソフト的
に修正することが可能で構成部品の追加が不要であるこ
とによって、いびき音を判定することで装置の構成を簡
素化することを第4の目的としている。そして、時間変
動や周波数特性の基準パターンと実際の音のパターンを
比較することによって、いびき音を検出することを第5
の目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記第1と第2
の目的を達成するため、音を検出する受圧装置と、前記
受圧装置の信号を濾波するフィルター装置と、前記フィ
ルター装置からの信号を数値演算装置によっていびき音
か否かを判定する判定装置と、前記判定装置から判定信
号を出力する判定出力装置を備えた構成とし、さらに数
値演算装置は、フィルター装置からの信号を相関解析し
て相関係数を求め、所定時間の前記相関係数が所定のレ
ベル以上になれば、いびき音と判定する判定装置からな
る構成とした。そして、数値演算装置による相関解析
は、フィルター装置からの信号を自己相関解析して自己
相関係数を求め、所定時間の前記自己相関係数が所定の
レベル以上になれば、いびき音と判定する判定装置から
なる構成とした。
【0008】また、第1、第2、第3の目的を達成する
ため、周囲の音を検出する複数個の受圧装置と、前記複
数個の受圧装置の信号をそれぞれ濾波する複数個のフィ
ルター装置と、前記複数個のフィルター装置それぞれか
らの信号について相互相関解析を行う数値演算装置によ
って、所定時間の相互相関係数が所定のレベル以上にな
れば、いびき音と判定する判定装置と、前記判定装置か
ら判定信号を出力する判定出力装置を備えた構成とし
た。そして、周囲の音を検出する複数個の受圧装置と、
前記複数個の受圧装置の信号をそれぞれ濾波する複数個
のフィルター装置と、前記複数個のフィルター装置それ
ぞれからの信号について相互相関解析を行う第1の数値
演算装置によって、所定時間の相互相関係数が所定のレ
ベルに達しているかを判断する第1の判定装置と、前記
第1の判定装置の判定を受けることによって、前記受圧
装置のうちどちらか一方の信号の自己相関解析を行う第
2の数値演算装置と、前記演算結果から得られた所定時
間の自己相関係数が所定レベル以上になれば、いびき音
と判定する第2の判定装置と、前記第2の判定装置から
判定信号を出力する判定出力装置を備えた構成とした。
さらに、フィルター装置は、10Hz以下にカットオフ
周波数もたせた低域通過フィルター装置で構成した。
【0009】そして、第4の目的を達成するため、数値
演算装置は、受圧装置からの信号をフーリエ解析してフ
ーリエ係数を求め、前記フーリエ係数のうち特定のフー
リエ係数が所定のレベル以上になれば、いびき音と判定
する判定装置と、前記判定装置から判定信号を出力する
判定出力装置を備えた構成とした。また、フィルター装
置は、複数の通過帯域をもつフィルター装置とした。
【0010】さらに、第5の目的を達成するため、数値
演算装置は、フィルター装置からの信号をパターン解析
によりパターン誤差係数を求め、前記パターン誤差係数
が所定のレベル以下になれば、いびき音と判定するパタ
ーン解析装置からなる構成とし、パターン解析装置は、
フィルター装置からの信号の時間変動と、所定の時間変
動パターンとをパターン比較により比較し、いびき音を
判定する判定装置を備えた構成とした。そして、パター
ン解析装置は、フィルター装置からの信号をフーリエ解
析して求めたフーリエ係数の周波数特性パターンと、所
定の周波数特性パターンとをパターン比較により比較
し、いびき音を判定する判定装置を備えた構成とした。
【0011】
【作用】本発明は上記構成によって、周期性の信号が効
果的に検出できるため、突発的あるいは不連続な信号に
よる誤動作を防止することができる。また、信号レベル
が数値演算装置によって正規化されるため、いびき音の
大小によらず正確に判定することができる。また、2つ
のマイクロホンの信号と相関解析を用いることによっ
て、騒音の渡来方向を判断することができ、睡眠者の頭
部近傍から発射された騒音か、外部から渡来した騒音か
を判断していびき音の検出精度を向上することができ
る。さらに、フーリエ解析によりフィルター装置を代用
していびき特有の周波数成分を検出するとともに、各個
人にあった特有の周波数帯域にソフト的に修正すること
が可能で構成部品の追加が不要な簡素な構成とすること
ができる。そして、時間変動や周波数特性の基準パター
ンと実際の音のパターンを数値演算装置によって比較す
ることによって、いびき音を検出することができる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の第1の実施例のいびき検出装
置を、図1から図4を参照して説明する。
【0013】図1に示すように、いびき音を検出する受
圧装置としてのマイクロホン10と、前記マイクロホン
10からの出力信号を所定の周波数で濾波するフィルタ
ー装置11と、前記フィルター装置11からの信号を数
値演算装置12によっていびき音か否かを判定する判定
装置13と、前記判定装置13から判定信号を出力する
判定出力装置14を備える構成とした。ここで、15は
フィルター回路、16は信号増幅器である。また、数値
演算装置12には、フィルター装置11からのアナログ
信号をデジタル信号に変換するA/D変換器17を介し
てデジタル信号が入力される。そして、数値演算装置1
2は、このデジタル信号を基に自己相関解析を行い、自
己相関係数を求めるのである。
【0014】自己相関関数C(τ)は、次式で表され
る。
【0015】
【数1】
【0016】そして、このC(τ)をτ=0の時の値C
(0)で割った値を、自己相関係数と呼んでおり次式で
表され、R(0)=1に正規化された値となる。
【0017】
【数2】
【0018】デジタル信号で行う場合は、自己相関関数
d(τ)と自己相関係数Rd(τ)は次式で表される演
算によって解析するものである。
【0019】
【数3】
【0020】図2に示すような周期的ないびき音の信号
から、前記演算によって得られた自己相関関数の特性を
図3に示す。ここで、いびき音の判定は、演算で得られ
た自己相関係数を基に、所定時間τ1からτ2の間の前
記自己相関係数が所定のレベルR1以上になれば、いび
き音と判定することとした。実際には、τ1は約1秒、
τ2は約8秒とすると、通常のいびきの周期をカバーす
ることができる。また、R1はいびきの周期性条件によ
って設定レベルが設定変更できるようにしてあり、誤動
作する場合は、R1の数値を徐々に変更することで対応
できる。
【0021】また、上記自己相関解析を行うに当たっ
て、いびき音の信号をそのまま用いると、高周波数成分
が多く含まれ、解析結果として求めようとしている低周
波数のいびきの周期性の相関係数が十分得られない。そ
こで、その低周波数の周期性を示す自己相関係数を求め
るために、低周波数帯域のみを通過させる低周波数通過
フィルターを介して信号を入力している。ここでは、速
いいびきの周期を約1秒として考えた。そのいびきの周
波数は1Hzとなり、サンプリング定理から最小サンプ
リング周波数は2倍の2Hzが必要となる。この周波数
を超えて十分なサンプリング周波数とするとともに、サ
ンプリングデータの数を極力少なくして数値演算装置の
負荷を軽減するために、実際には10倍の20Hzでサ
ンプリングすることとした。よって、サンプリング定理
から低周波数通過フィルターのカットオフ周波数は、サ
ンプリング周波数の1/2の周波数の10Hzを用いる
こととした。図2に示すように、いびき音のピークはΔ
Tの時間だけ存在する(通常1秒程度)が、20Hzで
サンプリングすると、0.05秒ごとにデータが計測さ
れ、非常に短い特殊ないびき音(ΔT=0.1)でも、
通常のいびき音(ΔT=1)でもΔT>0.05であれ
ば、読み飛ばしなく測定することができるのである。こ
こで、Tはいびきの周期である。
【0022】また、図4に示すように、フィルター装置
からの信号はA/D変換器でアナログ信号からデジタル
信号に変換され、所定のデータ数Nになるまで測定が続
けられる。そして、所定のデータ数Nになれば、数値演
算装置によって上記自己相関係数の演算を行い、その演
算結果を基にτ1からτ2の時間内の自己相関係数Rd
(τ)がR1以上になっていればいびき音と判定し、判
定出力装置から判定信号が出力される。そして、τ1か
らτ2の時間内の自己相関係数がR1以下であればいび
き音ではないと判定し、次のいびきデータを収集する動
作を行うものである。また、いびき検出装置の停止操作
を行わないときは、判定信号を出力した後も引き続き次
のいびきデータを収集する動作を行うものである。
【0023】上記構成によれば、自己相関係数による判
定では、τ=0時の相関係数Cd(0)でCd(τ)を割
った値となり、R(τ)が正規化され、R1のレベル
は、いびき音の大小に関係なく設定することができ、い
びき検出装置を枕元や棚上など自由な場所において使用
することができる。
【0024】また、自己相関解析による周期性を解析し
ているため、外部からのノイズ、例えば会話音やテレビ
音、自動車や電車が通過する音など偶発的な音に対して
は、自己相関係数が小さくなり、前記判定装置の判定で
除外することが可能であり、確実に誤動作を防止するこ
とができる。
【0025】さらに、10Hzの低域通過フィルターを
用いることによって、精度よく低周波数の周期性が測定
できるとともに、数値演算装置の演算負荷やメモリー負
荷を最小限に抑えることができ、簡易な構成でいびき検
出装置を実現することができる。
【0026】次に第2の実施例について図5から図8を
用いて説明する。上記第1の実施例と同一構造で、かつ
同一作用をする部分には同一符号を付して詳細な説明は
略し、異なる部分を中心に説明する。
【0027】図5に示すように、周囲の音を検出する2
個の受圧装置であるマイクロホン18、19と、前記マ
イクロホン18、19の信号をそれぞれ濾波する2個の
フィルター装置20、21と、前記フィルター装置2
0、21のそれぞれからの信号について相互相関解析を
行う数値演算装置22によって、所定時間内の相互相関
係数が所定のレベル以上になれば、いびき音と判定する
判定装置23と、前記判定装置23から判定信号を出力
する判定出力装置24を備えた構成である。
【0028】このような構成において、2個のマイクロ
ホン18、19は、図6に示すように、それぞれ睡眠者
の頭部25近傍の両側に設置することによって、睡眠者
のいびき音を検出して数値演算装置22に入力される。
いびき音は、頭部の口26付近から発生するため、2つ
のマイクロホン18、19の信号の時間差は、図7に示
すようにそれぞれのマイクロホン18、19と口26と
の距離L1、L2の差を音速Cで割った値が信号の時間
差となって現れる。すなわち、2つのマイクロホンの間
に音源である口があるため、時間差は(L1−L2)/
Cとなり、2つのマイクロホン間距離の時間差L/Cよ
りも当然小さくなる。ここで、L1、L2は音源とマイ
クロホン間の距離、Lは2つのマイクロホン間の距離で
ある。
【0029】一方、外部からの騒音は、2つのマイクロ
ホンの外側で発生して2つのマイクロホンに到達する。
図6に示すような方向27から音が入ってきた場合、2
つのマイクロホンの信号の差は、(L3−L4*COS
(θ))/Cとなり、数値演算装置22によって時間差
が計算される。ここで、28は時間差のしきい値基準で
ある。
【0030】この違いを利用して、2つのマイクロホン
の信号の相互相関解析により、2つのマイクロホンの信
号間の時間差を求め、その時間差が、2つのマイクロホ
ン間の時間差以内であれば、2つのマイクロホンの間か
ら音が発生していると考えられ、いびき音と判定するこ
とができるのである。この原理では、2つのマイクロホ
ン間で発生する音を検出するため、いびき音以外の歯ぎ
しり音や寝言なども検出することができる効果がある。
ここで、音が睡眠者の上側から伝わってくると、同位相
で2つのマイクロホンに入ることが考えられるが、通常
の寝室で上方から音がくることは非常に少なく、窓やド
ア、あるいはテレビのある側方から伝わってくることが
多いことから本手法で検出することができるのである。
【0031】なお、相互相関関数Cdxy(τ)と相互
相関係数Rdxy(τ)は、次式で表され、自己相関関
数のXi(t+τ)をYi(t+τ)に置き換えることに
よって表されるため、詳しい説明は省略する。
【0032】
【数4】
【0033】また、図8に示すように、2つのフィルタ
ー装置からの信号は、それぞれ2つのA/D変換器でア
ナログ信号からデジタル信号に変換され、所定のデータ
数Nになるまで測定が続けられる。そして、それぞれ所
定のデータ数Nになれば、数値演算装置によって上記相
互相関関数の演算を行い、その演算結果の時間差がτ3
の時間内で、かつ相互相関係数Rdxy(τ)がR1x
y以上になっていればいびき音であると判定し、判定出
力装置から判定信号が出力される。また、τ3の時間外
であるか、または相互相関係数がR1xy以下であれば
いびき音ではないと判定し、次のいびきデータを収集す
る動作を行うものである。また、いびき検出装置の停止
操作を行わないときは、判定信号を出力した後も引き続
き次のいびきデータを収集する動作を行うものである。
【0034】このような相互相関係数による判定では、
τ=0時の相関係数Cdxy(0)でCdxy(τ)を割
った値となり、Rxy(τ)が正規化され、R1xyの
レベルは、いびき音の大小に関係なく設定することがで
きる。よって、いびき検出装置を自由な場所に設置して
もその判定精度が低下しない効果がある。
【0035】また、相互相関解析により信号の遅れ時間
を解析して騒音の渡来方向を判定しいいるため、外部か
らのノイズに対しては、前記判定装置の判定で除外する
ことが可能であり、誤動作を防止することができる。
【0036】次に第3の実施例について図9と図10を
用いて説明する。上記第1の実施例と同一構造で、かつ
同一作用をする部分には同一符号を付して詳細な説明は
略し、異なる部分を中心に説明する。
【0037】図9に示すように、周囲の音を検出する2
個の受圧装置であるマイクロホン18、19と、マイク
ロホン18、19の信号をそれぞれ濾波する2個のフィ
ルター装置20、21と、フィルター装置20、21の
それぞれからの信号について相互相関解析を行う第1の
数値演算装置29によって、所定時間内の相互相関係数
が所定のレベルに達しているかを判断する第1の判定装
置30と、第1の判定装置30の判定を受けることによ
って、マイクロホンのうちどちらか一方の信号の自己相
関解析を行う第2の数値演算装置31で、信号の周期性
を判定していびき音と判定する第2の判定装置32と、
前記第2の判定装置から判定信号を出力する判定出力装
置24を備えた構成である。
【0038】このような構成において、図10に示すよ
うに、マイクロホン18とマイクロホン19の信号をそ
れぞれ所定のデータ数であるN個取り込み、第1の数値
演算装置29で、その信号間の相互相関解析を行う。そ
して、上記実施例と同様にその相関係数が所定のτ3の
時間内で、かつ相互相関係数Rdxy(τ)がR1xy
以上になっていれば2つのマイクロホンの間から音が発
生していると考え、マイクロホン18の信号の周期性に
ついて、第2の数値演算装置31で自己相関解析を行
い、その相関係数のレベルが所定の時間内で所定のレベ
ル以上であればいびき音であると判定し、判定出力装置
から判定信号が出力される。
【0039】2つのマイクロホンの間で発生した音かど
うかを相互相関係数で判定することによって、外部から
伝わってくる騒音を除去することができ、誤動作を防止
することができる。そして、自己相関係数から周期性の
特徴を抽出し、いびき音を判定するため、会話や寝言あ
るいは歯ぎしりのような周期性のない音に対しても、誤
動作を防止することができる。
【0040】次に、第4の実施例について図11から図
15を用いて説明する。上記第1の実施例と同一構造
で、かつ同一作用をする部分には同一符号を付して詳細
な説明は略し、異なる部分を中心に説明する。
【0041】図11に示すように、いびき音を検出する
受圧装置としてのマイクロホン10と、マイクロホン1
0からの出力信号を増幅する増幅器16と、増幅器16
からの信号をA/D変換するA/D変換器17と、A/
D変換器17からの信号を数値演算装置33によってい
びき音か否かを判定する判定装置34と、判定装置34
から判定信号を出力する判定出力装置14を備えた構成
である。ここで、数値演算装置33は、フーリエ解析を
行うもので、フーリエ解析により得られた結果を基に、
特定の周波数成分のみに着目して、その周波数成分のレ
ベルFK(f)でいびき音を判定する構成とした。そし
て、その特定の周波数成分、すなわち通過帯域は、図1
2に示すような、事前にいびき音を分析して得られた結
果の周波数特性を参考に、f1、f2、f3に設定し
た。その周波数帯域以外の成分を、フーリエ解析して得
られた結果から、演算によって差し引いて、実際にフィ
ルター装置を通過した信号として入力する。残った信号
のレベルを、所定のしきい値FK1と比較していびき音
を判定するものである。フローチャートを図13に示
す。
【0042】このような構成において、複数個の周波数
帯域の信号レベルを比較して判定することによって精度
よくいびき音を判定することができる。また、フーリエ
解析によってフィルターを擬似的に実現するためにフィ
ルター装置が不要となり、構成を簡素化することができ
る。また、演算によってフィルターを実現しているた
め、そのフィルター特性は数値データを変更することで
特性変更が可能であり、人によって少しずつ異なるいび
きの特性に合わせたフィルター特性を部品の追加なしで
実現することができる。
【0043】さらに、第5の実施例についてフィルター
装置を用いる場合は、図14のように数値演算装置35
でデジタルフィルター36を構成し、数値演算によって
信号の通過帯域を制限してフィルター特性を得る構成を
実現した。そして、デジタルフィルター36を通過した
信号を基に、フーリエ解析を行うフーリエ演算装置37
で周波数解析を行い、判定装置38で判定する構成とし
た。そのフローチャートを図15に示す。
【0044】このような構成によって、複数個の周波数
帯域の信号レベルを比較して判定することによって精度
よくいびき音を判定することができる。また、アナログ
フィルターのような回路が不要となるとともに、ソフト
的な修正でフィルター特性を変更することが可能であ
り、簡素化が図れる。当然、フィルター装置は複数の通
過帯域を持つアナログフィルターで構成しても同様の効
果が得られるものである。
【0045】次に、第6の実施例について図16から図
20を用いて説明する。上記第1の実施例と同一構造
で、かつ同一作用をする部分には同一符号を付して詳細
な説明は略し、異なる部分を中心に説明する。
【0046】図16に示すように、受圧装置であるマイ
クロホン10の信号をフィルター装置11で濾波し、数
値演算装置であるパターン解析装置39に入力する。パ
ターン解析装置39では、前記信号を所定の時間変動パ
ターンと比較するパターン解析によりパターン誤差係数
δxを求め、前記パターン誤差係数δxが所定のレベル
δ0以下になれば、いびき音と判定する判定装置40を
備えた構成である。
【0047】ここで、パターン解析は、いびき音の所定
の原波形D1(i)と、実際に入力されたいびき音の波
形D2(i)を時間軸上で比較する。両者の差の比較に
は、次式で示す誤差の自乗を用いて行っている。
【0048】
【数5】
【0049】そして、比較した結果、D1、D2の両者
の差δxが所定の値δ0より小さい場合にいびき音と判
定することとした。そのフローチャートを図18に示
す。
【0050】このような構成において、検出されたいび
き音の時間変動D2(i)を基準とするいびき音の時間
変動D1(i)と比較することによって、いびき音かど
うかを判定することができる。このような方法によっ
て、外部から入ってくる突発的な騒音は、時間変動パタ
ーンが異なるため、誤差係数が大きくなりいびき音では
ないことが判断できる。よって、いびき音を精度よく検
出することができるものである。
【0051】また、誤差係数は、次式に示すような自乗
誤差を用いても同様の効果が得られるものであり、信号
を前述の相関関数などを用いて正規化を行うことによっ
て、誤差係数の所定レベルδ0を入力信号の大きさに関
係なく決定することができ、判定精度を向上することが
できる。
【0052】
【数6】
【0053】そして、第7の実施例では、図19に示す
ように、受圧装置であるマイクロホン10の信号をフィ
ルター装置11で濾波し、数値演算装置であるパターン
解析装置41に入力する。パターン解析装置41では、
フィルター装置からの信号をフーリエ解析して求めたフ
ーリエ係数の周波数特性パターンと、所定の周波数特性
パターンとをパターン比較により比較しパターン誤差係
数δxを求め、前記パターン誤差係数δxが所定のレベ
ルδ0以下になれば、いびき音と判定する判定装置42
を備えた構成である。
【0054】ここで、パターン解析は、図20に示すよ
うないびき音の所定の原波形の周波数特性F1(f)
と、実際に入力されたいびき音の波形F2(f)を周波
数軸上で比較する。両者の差の比較には、次式で示す誤
差の自乗を用いて行っている。
【0055】
【数7】
【0056】そして、比較した結果、F1(f)、F2
(f)の両者の差δxが所定の値δ0より小さい場合に
いびき音と判定することとした。
【0057】このような構成において、検出されたいび
き音の周波数特性F2(i)を、基準とするいびき音の
周波数特性F1(i)と比較することによって、いびき
音かどうかを判定することができる。このような方法に
よって、外部から入ってくる衝撃的な騒音は、ほとんど
の周波数帯域で成分を含んでいるため、基準とする周波
数特性のパターンと大きく異なるため、誤差係数が大き
くなりいびき音ではないことが判断できる。よって、い
びき音を精度よく検出することができるものである。
【0058】
【発明の効果】以上説明したように本発明のいびき検出
装置では、自己相関係数によって、周期性が効果的に検
出できるため、突発的あるいは不連続な信号による誤動
作を防止することができ、かつ信号レベルが数値演算装
置によって正規化されるため、いびき音の大小によらず
正確に判定することができる。また、2つのマイクロホ
ンの信号と相関解析を用いることによって、騒音の渡来
方向を判断することができ、睡眠者の頭部近傍から発射
された騒音か、外部から渡来した騒音かを判断していび
き音の検出精度を向上することができる。さらに、フー
リエ解析によりフィルター装置を代用していびき特有の
周波数成分を検出するとともに、各個人にあった特有の
周波数帯域にソフト的に修正することが可能で構成部品
の追加が不要な簡素な構成とすることができる。そし
て、時間変動や周波数特性の基準パターンと実際の音の
パターンを数値演算装置によって比較することによっ
て、いびき音を精度よく検出することができる効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示すいびき検出装置の
ブロック図
【図2】いびき音の時間変動特性図
【図3】いびき音の自己相関特性図
【図4】同装置の数値演算装置のフローチャート図
【図5】本発明の第2の実施例を示すいびき検出装置の
ブロック図
【図6】同装置の動作原理を示す説明図
【図7】同装置の相互相関特性図
【図8】同装置の数値演算装置のフローチャート図
【図9】本発明の第3の実施例を示すいびき検出装置の
ブロック図
【図10】同装置の数値演算装置のフローチャート図
【図11】本発明の第4の実施例を示すいびき検出装置
のブロック図
【図12】いびき音の周波数特性図
【図13】同装置の数値演算装置のフローチャート図
【図14】本発明の第5の実施例を示すいびき検出装置
のブロック図
【図15】同装置の数値演算装置のフローチャート図
【図16】本発明の第6の実施例を示すいびき検出装置
のブロック図
【図17】いびき音の時間変動比較図
【図18】同装置の数値演算装置のフローチャート図
【図19】本発明の第7の実施例を示すいびき検出装置
のブロック図
【図20】いびき音の周波数特性比較図
【図21】従来のいびき音検出装置のブロック図
【符号の説明】
10、18、19 受音装置としてのマイクロホン 11、20、21 フィルター装置 12、22、33、35 数値演算装置 13、23、34、38、40、42 判定装置 14、24 判定出力装置 29 第1の演算装置 30 第1の判定装置 31 第2の演算装置 32 第2の判定装置 39、41 パターン解析装置

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】音を検出する受圧装置と、前記受圧装置の
    信号を濾波するフィルター装置と、前記フィルター装置
    からの信号を数値演算装置によっていびき音か否かを判
    定する判定装置と、前記判定装置から判定信号を出力す
    る判定出力装置を備えたいびき検出装置。
  2. 【請求項2】数値演算装置は、フィルター装置からの信
    号を相関解析して相関係数を求め、所定時間の前記相関
    係数が所定のレベル以上になれば、いびき音と判定する
    判定装置からなる構成とした請求項1記載のいびき検出
    装置。
  3. 【請求項3】数値演算装置による相関解析は、フィルタ
    ー装置からの信号を自己相関解析して自己相関係数を求
    め、所定時間の前記自己相関係数が所定のレベル以上に
    なれば、いびき音と判定する判定装置からなる構成とし
    た請求項2記載のいびき検出装置。
  4. 【請求項4】フィルター装置は、10Hz以下にカット
    オフ周波数もたせた低域通過フィルター装置とする請求
    項2記載のいびき検出装置。
  5. 【請求項5】周囲の音を検出する複数個の受圧装置と、
    前記複数個の受圧装置の信号をそれぞれ濾波する複数個
    のフィルター装置と、前記複数個のフィルター装置それ
    ぞれからの信号について相互相関解析を行う数値演算装
    置によって、所定時間の相互相関係数が所定のレベル以
    上になれば、いびき音と判定する判定装置と、前記判定
    装置から判定信号を出力する判定出力装置を備えた請求
    項2記載のいびき検出装置。
  6. 【請求項6】周囲の音を検出する複数個の受圧装置と、
    前記複数個の受圧装置の信号をそれぞれ濾波する複数個
    のフィルター装置と、前記複数個のフィルター装置それ
    ぞれからの信号について相互相関解析を行う第1の数値
    演算装置によって、所定時間の相互相関係数が所定のレ
    ベルに達しているかを判断する第1の判定装置と、前記
    第1の判定装置の判定を受けることによって、前記受圧
    装置のうちどちらか一方の信号の自己相関解析を行う第
    2の数値演算装置と、前記演算結果から得られた所定時
    間の自己相関係数が所定レベル以上になれば、いびき音
    と判定する第2の判定装置と、前記第2の判定装置から
    判定信号を出力する判定出力装置を備えた請求項2記載
    のいびき検出装置。
  7. 【請求項7】数値演算装置は、受圧装置からの信号をフ
    ーリエ解析してフーリエ係数を求め、前記フーリエ係数
    のうち特定のフーリエ係数が所定のレベル以上になれ
    ば、いびき音と判定する判定装置と、前記判定装置から
    判定信号を出力する判定出力装置を備えた請求項1記載
    のいびき検出装置。
  8. 【請求項8】フィルター装置は、複数の通過帯域をもつ
    フィルター装置とする請求項7記載のいびき検出装置。
  9. 【請求項9】数値演算装置は、フィルター装置からの信
    号をパターン解析によりパターン誤差係数を求め、前記
    パターン誤差係数が所定のレベル以下になれば、いびき
    音と判定するパターン解析装置からなる請求項1記載の
    いびき検出装置。
  10. 【請求項10】パターン解析装置は、フィルター装置か
    らの信号の時間変動と、所定の時間変動パターンとをパ
    ターン比較により比較し、いびき音を判定する判定装置
    を備えた請求項9記載のいびき検出装置。
  11. 【請求項11】パターン解析装置は、フィルター装置か
    らの信号をフーリエ解析して求めたフーリエ係数の周波
    数特性パターンと、所定の周波数特性パターンとをパタ
    ーン比較により比較し、いびき音を判定する判定装置を
    備えた請求項9記載のいびき検出装置。
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