JP3747465B2 - 情報処理装置および方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は情報処理装置および方法に関し、特に、異常を精度よく検知し、誤報の発生を抑制することができるようにした情報処理装置および方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、従来の車両用の防犯装置は、センサにより音を検知し、そのセンサにより検知された検知信号に基づいて、その音が盗難行為やいたずら行為等による異常音であるか否かを判定し、その音が異常音であると判定された場合、防犯装置に実装された警報器により警報音を発生するようになされている。
【0003】
しかし、防犯装置の周囲には、盗難行為等による異常音だけでなく、異常音以外の環境音(すなわち、防犯装置の周囲において発生する異常音以外の音)も存在する。
【0004】
その結果、防犯装置のセンサは、本来検出すべき異常音だけでなく、例えば、ただ単にトラック等の他の車両が通過したとき発せられる音、工事等により加わる音等の外乱要素をも検出してしまう。これにより、防犯装置のセンサは、防犯装置が装備された車両において実際に盗難行為が行われていないにもかかわらず、その車両において盗難があったもの誤判定し、警報器により警報音を発生してしまう。
【0005】
この警報音は本来盗難があったことを周囲に知らせるためのものであることから、警報音の音量はある程度大きく設定してあるため、実際に盗難行為が行われていないにもかかわらず防犯装置がこのような警報音を発生してしまうことは、周辺の生活環境上、好ましいことではない。
【0006】
そこで、このような誤報の発生を防止するために、外乱要素と人為的盗難行為を判定することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
この提案は、予め求めた外乱要素による波形と人為的な盗難行為に特有の波形とを予め測定しておき、センサからの検知信号の出力波形を、その波形と比較することで盗難行為の有無を判定する方法である。
【0008】
【特許文献1】
特開2000−348263号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、外乱要素と人為的盗難行為を波形から判定する防犯装置は、空気や物体を媒体として伝わる低周波振動から得られるデータだけに基づき、外乱要素であるか人為的盗難行為であるかを判定しているため、異常音を精度よく検知することができないという課題があった。これにより、防犯装置は、誤報の発生を確実に抑制することが困難であるという課題があった。
【0010】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、異常を精度よく検知し、誤報の発生を抑制することができるようにすることを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の情報処理装置は、外部から入力される音を検知し、検知信号を生成する検知信号生成手段と、検知信号生成手段により生成された検知信号を、少なくとも2つの異なる周波数帯域の周波数成分に分離する分離手段と、分離手段により分離された周波数帯域の周波数成分のうち、少なくとも1つの周波数帯域の周波数成分から、予め設定された周波数成分の種類ごとに、周波数成分の特徴を表す特徴量を抽出する特徴量抽出手段と、特徴量抽出手段により抽出された特徴量に基づいて、音が表す状態を判定する状態判定手段と、状態判定手段により判定された状態を通知する通知手段とを備え、分離手段は、検知信号から所定の低周波成分を抽出する低周波成分抽出手段と、検知信号から所定の高周波成分を抽出する高周波成分抽出手段と、低周波成分を少なくとも2つの異なる増幅率で増幅する増幅手段とを備え、特徴量抽出手段は、低周波成分抽出手段により抽出された低周波成分から、予め設定された周波数成分の種類ごとに、低周波成分の特徴を表す特徴量を低周波成分特徴量として抽出する低周波成分特徴量抽出手段と、高周波成分抽出手段により抽出された高周波成分から、高周波成分の特徴を表す特徴量を高周波成分特徴量として抽出する高周波成分特徴量抽出手段と、より低い増幅率で増幅された低増幅率低周波成分と、より高い増幅率で増幅された高増幅率低周波成分に基づいて、低周波合成成分を生成する低周波合成成分生成手段を備え、低周波成分特徴量抽出手段は、低周波合成成分生成手段により生成された低周波合成成分から、低周波成分特徴量を抽出し、低周波合成成分生成手段は、高増幅率低周波成分が飽和しているか否かを判定する飽和判定手段と、飽和判定手段により飽和していると判定された場合、低増幅率の倍率をM、高増幅率の倍率をN、低増幅率低周波成分の出力レベルをm、および高増幅率低周波成分の出力レベルをnとしたときの n=(N/M) × m の式に基づいて、低周波合成成分を計算する計算手段とを備え、飽和判定手段により飽和していると判定された場合、計算手段の計算により低周波合成成分を生成し、飽和判定手段により飽和していないと判定された場合、高増幅率低周波成分を低周波合成成分とし、状態判定手段は、低周波成分特徴量抽出手段により抽出された低周波成分特徴量と高周波成分特徴量抽出手段により抽出された高周波成分特徴量の少なくとも一方に基づいて、状態を判定することを特徴とする。
【0012】
検知信号生成手段は、例えば、センサにより構成され、分離手段は、例えば、LPF(Low Pass Filter)、HPF(High Pass Filter)などにより構成される。分離手段は、この他、BPF(Band Pass Filter)などにより構成することもできる。特徴量抽出手段は、例えば、特徴量抽出部により構成され、状態判定手段は、例えば、認識部により構成され、通知手段は、例えば、警報音発生部により構成される。低周波成分抽出手段は、例えば、 LPH により構成され、高周波成分抽出手段は、例えば、 HPF により構成される。低周波成分特徴量抽出手段は、例えば、低周波成分特徴量抽出部により構成され、高周波成分特徴量抽出手段は、例えば、高周波特徴量抽出部により構成される。増幅手段は、例えば、アンプにより構成され、低周波合成成分生成部は、例えば、低周波合成成分生成部により構成される。飽和判定手段は、例えば、飽和判定部により構成される。計算手段は、例えば、計算部により構成される。
【0013】
以上のように構成することにより、異常を精度よく検知することができる。従って、誤報を抑えることができる。
【0016】
また、センサにより検知された入力信号の特徴量をより正確に抽出できる。
【0022】
さらに、常に高感度の低周波成分を生成することができる。また、生成された高感度の低周波成分に基づいて精度よく特徴量を抽出することができる。従って、ユーザは、検知したい入力信号に応じて、アンプによる感度を調節する必要がなくなる。
【0025】
また、高増幅率低周波成分が飽和しているか否かを判定することできる。従って、センサから入力された検知信号の出力レベルの大きさに関係なく、常に高感度の低周波成分を生成することができる。
【0028】
さらに、高感度の低周波成分を生成することができる。
【0029】
低周波成分特徴量抽出手段は、低周波成分を所定の周波数成分に変換する周波数成分変換手段と、周波数成分変換手段により変換された周波数成分に基づいて、予め設定された周波数成分の種類ごとに低周波成分特徴量を演算する低周波成分特徴量演算手段と低周波成分特徴量演算手段により演算された低周波成分特徴量が所定の範囲であるか否かに基づいて、低周波成分特徴量の種類を判定する第1の種類判定手段とを備え、高周波成分特徴量抽出手段は、高周波成分の出力レベルが所定の基準値より大きいか否かに基づいて、高周波成分特徴量の種類を判定する第2の種類判定手段を備えるようにすることができる。
【0030】
周波数領域変換手段は、例えば、DCT(Discrete Cosine Transform)変換部により構成される。周波数領域変換手段は、FFT(Fast Fourier Transform)などにより構成することもできる。低周波成分特徴量演算手段は、例えば、特徴量演算部により構成され、第1の種類判定手段は、例えば、低周波成分特徴量判定部により構成され、第2の種類判定手段は、例えば、高周波成分特徴量判定部により構成される。
【0031】
以上のように構成することにより、低周波成分特徴量および高周波成分特徴量の種類を判定することができる。
【0035】
分離手段は、高周波成分抽出手段により抽出された高周波成分のピーク値のエンベロープを検出するピーク値検出手段をさらに備え、第2の種類判定手段は、ピーク値検出手段により検出されたピーク値のエンベロープが所定の基準値より大きいか否かに基づいて、高周波成分特徴量の種類を判定するようにすることができる。
【0036】
ピーク値検出手段は、例えば、ピークディテクタにより構成される。
【0037】
以上のように構成されることにより、情報処理装置全体の消費電力を抑えることができる。
【0038】
この情報処理装置は、状態の種類に対応した低周波成分特徴量および高周波成分特徴量の種類を記憶する記憶手段をさらに備え、第1の種類判定手段は、記憶手段により記憶された低周波成分特徴量の種類に基づいて判定し、第2の種類判定手段は、記憶手段により記憶された高周波成分特徴量の種類に基づいて判定し、状態判定手段は、第1の種類判定手段により判定された低周波成分特徴量の種類と第2の種類判定手段により判定された高周波成分特徴量の種類の少なくとも一方に基づいて、状態を判定するようにすることができる。
【0039】
記憶手段は、例えば、記憶部により構成される。
【0040】
以上のように構成されることにより、状態の種類に対応した低周波成分特徴量および高周波成分特徴量の種類を記憶することができる。
【0041】
この情報処理装置は、所定の周期で発光する発光手段と、状態判定手段により判定された状態の回数を計数する計数手段とをさらに備え、発光手段は、計数手段により計数された回数に応じて周期を短縮するようにすることができる。
【0042】
発光手段は、例えば、発光素子により構成され、計数手段は、例えば、計数部により構成される。
【0043】
以上のように構成されることにより、発光することができる。また、状態の回数に比例して発光速度を上げることができる。
【0044】
本発明の情報処理方法は、外部から入力される音を検知し、検知信号を生成する検知信号生成ステップと、検知信号生成ステップの処理により生成された検知信号を、少なくとも2つの異なる周波数帯域の周波数成分に分離する分離ステップと、分離ステップの処理により分離された周波数帯域の周波数成分のうち、少なくとも1つの周波数帯域の周波数成分から、予め設定された周波数成分の種類ごとに、周波数成分の特徴を表す特徴量を抽出する特徴量抽出ステップと、特徴量抽出ステップの処理により抽出された特徴量に基づいて、音が表す状態を判定する状態判定ステップと、状態判定ステップの処理により判定された状態を通知する通知ステップとを含み、分離ステップの処理は、検知信号から所定の低周波成分を抽出する低周波成分抽出ステップと、検知信号から所定の高周波成分を抽出する高周波成分抽出ステップと、低周波成分を少なくとも2つの異なる増幅率で増幅する増幅ステップとを含み、特徴量抽出ステップの処理は、低周波成分抽出ステップの処理により抽出された低周波成分から、予め設定された周波数成分の種類ごとに、低周波成分の特徴を表す特徴量を低周波成分特徴量として抽出する低周波成分特徴量抽出ステップと、高周波成分抽出ステップの処理により抽出された高周波成分から、高周波成分の特徴を表す特徴量を高周波成分特徴量として抽出する高周波成分特徴量抽出ステップと、より低い増幅率で増幅された低増幅率低周波成分と、より高い増幅率で増幅された高増幅率低周波成分に基づいて、低周波合成成分を生成する低周波合成成分生成ステップを含み、低周波成分特徴量抽出ステップの処理は、低周波合成成分生成ステップの処理により生成された低周波合成成分から、低周波成分特徴量を抽出し、低周波合成成分生成ステップの処理は、高増幅率低周波成分が飽和しているか否かを判定する飽和判定ステップと、飽和判定ステップの処理により飽和していると判定された場合、低増幅率の倍率をM、高増幅率の倍率をN、低増幅率低周波成分の出力レベルをm、および高増幅率低周波成分の出力レベルをnとしたときの n=(N/M) × m の式に基づいて、低周波合成成分を計算する計算ステップとを含み、飽和判定ステップの処理により飽和していると判定された場合、計算ステップにおける計算により低周波合成成分を生成し、飽和判定ステップの処理により飽和していないと判定された場合、高増幅率低周波成分を低周波合成成分とし、状態判定ステップの処理は、低周波成分特徴量抽出ステップの処理により抽出された低周波成分特徴量と高周波成分特徴量抽出ステップの処理により抽出された高周波成分特徴量の少なくとも一方に基づいて、状態を判定することを特徴とする。
【0045】
検知信号生成ステップは、例えば、外部から入力される音を検知し、検知信号をセンサにより生成する検知信号生成ステップにより構成され、分離ステップは、例えば、検知信号生成ステップの処理により生成された検知信号を、LPF、HPFなどにより少なくとも2つの異なる周波数帯域の周波数成分に分離する分離ステップにより構成され、特徴量抽出ステップは、例えば、周波数帯域の周波数成分のうち、少なくとも1つの周波数帯域の周波数成分から、予め設定された周波数成分の種類ごとに、周波数成分の特徴を表す特徴量を特徴量抽出部により抽出する特徴量抽出ステップにより構成され、状態判定ステップは、例えば、入力信号が表す状態を認識部により判定する状態判定ステップにより構成され、通知ステップは、例えば、状態判定ステップの処理により判定された状態を警報音発生部により通知する通知ステップにより構成される。低周波成分抽出ステップは、例えば、 LPF などにより検知信号から所定の低周波成分を抽出する低周波成分抽出ステップにより構成され、高周波成分抽出ステップは、例えば、 HPF などにより検知信号から所定の高周波成分を抽出する高周波成分抽出ステップにより構成される。増幅ステップは、例えば、アンプにより低周波成分を少なくとも2つの異なる増幅率で増幅する増幅ステップにより構成される。低周波成分特徴量抽出ステップは、例えば、低周波成分特徴量抽出部により、低周波成分抽出ステップの処理により抽出された低周波成分から、予め設定された周波数成分の種類ごとに、低周波成分の特徴を表す特徴量を低周波成分特徴量として抽出する低周波成分特徴量抽出ステップにより構成され、高周波成分特徴量ステップは、例えば、高周波成分特徴量抽出部により、高周波成分抽出ステップの処理により抽出された高周波成分から、高周波成分の特徴を表す特徴量を高周波成分特徴量として抽出する高周波成分特徴量抽出ステップにより構成される。低周波合成成分生成ステップは、例えば、低周波合成成分生成部により、より低い増幅率で増幅された低増幅率低周波成分と、より高い増幅率で増幅された高増幅率低周波成分に基づいて、低周波合成成分を生成する低周波合成成分生成ステップにより構成される。飽和判定ステップは、例えば、飽和判定部により、高増幅率低周波成分が飽和しているか否かを判定する飽和判定ステップにより構成され、計算ステップは、例えば、計算部により、飽和判定ステップの処理により飽和していると判定された場合、低増幅率の倍率をM、高増幅率の倍率をN、低増幅率低周波成分の出力レベルをm、および高増幅率低周波成分の出力レベルをnとしたときの n=(N/M) × m の式に基づいて、低周波合成成分を計算する計算ステップにより構成される。
【0046】
以上のように構成されることにより、本発明の情報処理装置における場合と同様に、異常を精度よく検知することができる。従って、誤報を抑えることができる。
【0047】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
【0048】
図1は、本発明を適用した監視装置1の構成例を示す。
【0049】
監視装置1は、センサ11、アナログ信号処理部12、A/Dコンバータ13乃至15、特徴量抽出部16、記憶部17、認識部18、警報発生部19、計数部20、発光素子制御部21、発光素子22、およびU/I制御部23により構成されている。
【0050】
U/I制御部23は、ユーザにより操作されたリモートコマンダ81から発信されたIR(赤外線)信号を検出すると、発光素子22の点滅を開始させるための点滅開始制御信号を生成し、発光素子制御部21に供給するとともに、センサ11の動作を開始するための動作開始制御信号を生成し、センサ11に供給する。また、U/I制御部23は、異常音の発生回数のカウントを開始させる計数開始制御信号を生成し、計数部20に供給する。
【0051】
センサ11は、U/I制御部23から供給された動作開始制御信号に基づいて、検知動作を開始する。センサ11は、外部から入力された音(空気の振動)を検知すると、その音を電気信号としての検知信号に変換し、アナログ信号処理部12に供給する。アナログ信号処理部12は、センサ11から供給された検知信号を異なる所定の周波数帯域(例えば、低周波帯域と高周波帯域)に分離した後、アンプによりその信号を増幅し、それぞれ、A/Dコンバータ13乃至15に供給する。A/Dコンバータ13乃至15は、アナログ信号処理部12から供給された各周波数帯域のアナログ信号ををディジタル信号に変換し、特徴量抽出部16に供給する。
【0052】
特徴量抽出部16は、A/Dコンバータ13乃至15からそれぞれ供給されたディジタル信号に基づいて、低周波成分特徴量抽出部62(図4を参照して後述する)および高周波成分特徴量抽出部63(図5を参照して後述する)により、各周波数帯域の成分における特徴量を抽出し、それぞれ、認識部18に供給する。
【0053】
記憶部17は、異常音の種類と特徴量の種類が定義付けられたデータベース171およびデータベース211(図14と図18を参照して後述する)を有しており、特徴量抽出部16および認識部18から供給される判定結果や認識結果を適宜記憶し、また、計数部20から供給される異常音の回数を記憶する。
【0054】
認識部18は、特徴量抽出部16から供給された各周波数成分における特徴量に基づいて、記憶部17に記憶された、異常音の種類と特徴量の種類が定義付けられたデータベース(すなわち、データベース171およびデータベース211)を参照しながら、センサ11により検知された音が異常音であるか否かを判定する。認識部18は、センサ11により検知された音が異常音であると判定した場合、警報発生部19に警報音を発生するように警報音発生制御信号を供給するとともに、異常音であると認識した異常音認識信号を計数部20に供給する。
【0055】
警報発生部19は、認識部18から供給された警報音発生制御信号に基づいて、警報音を発生し、所定の時間経過した後、あるいは、ユーザが停止操作を行ったとき、警報音を停止する。計数部20は、U/I制御部23から供給された計数開始制御信号に基づいて、異常音の発生回数のカウント動作を開始し、その後、認識部18から供給された異常音認識信号に基づいて、異常音であると判定された回数をカウントするとともに、その異常音回数を示す異常音回数制御信号を発光素子制御部21に供給する。
【0056】
発光素子制御部21は、計数部20から供給された異常音回数制御信号に基づいて、発光素子22の動作を制御する発光素子制御信号を生成し、発光素子22に供給する。発光素子22は、発光素子制御部21から供給された発光素子制御信号に基づいて、所定の周期で点滅する。
【0057】
アナログ信号処理部12は、アンプ41、LPF(Low Pass Filter)42、アンプ43、アンプ44、HPF(High Pass Filter)45、アンプ46、およびピークディテクタ47により構成されている。
【0058】
センサ11より出力された検知信号は、検知信号から低周波帯域の周波数成分を分離するための低周波経路と、検知信号から高周波帯域の周波数成分を分離するための高周波経路に供給される。
【0059】
低周波経路は、アンプ41、LPF42、アンプ43、およびアンプ44により構成されている。アンプ41は、センサ11より入力された検知信号を所定の増幅率により増幅し、その増幅信号をLPF42に供給する。LPF42は、アンプ41から供給された検知信号から、所定の低周波成分、例えば、50Hz以下の低周波成分を抽出する。LPF42により抽出された低周波成分は、2つの異なる増幅率のアンプ、すなわち、アンプ43、およびアンプ44に供給される。アンプ43の増幅率はNとされ、アンプ44の増幅率はNより小さいMとされる。
【0060】
アンプ43またはアンプ44は、LPF42から供給された低周波成分を、それぞれ、N倍、または、M倍に増幅し、A/Dコンバータ13または14にそれぞれ出力する。
【0061】
高周波経路は、HPF45、アンプ46、およびピークディテクタ47により構成されている。HPF45は、センサ11より入力された検知信号から、所定の高周波成分、例えば、6KHz以上の高周波を抽出し、アンプ46に供給する。アンプ46は、HPF45から供給された高周波成分を所定の増幅率により増幅し、ピークディテクタ47に供給する。ピークディテクタ47は、アンプ46から供給された検知信号から、ピーク値を検出し、そのエンベロープ成分をA/Dコンバータ15に出力する。
【0062】
なお、低周波経路において低周波帯域の周波数成分を抽出する場合、センサ11から検知信号をLPF42に直接入力すると、LPF42は低周波帯域の周波数成分を検知信号から抽出しにくい。そのため、この監視装置1の低周波経路においては、高周波経路とは異なり、センサ11より入力された検知信号は、アンプ41により増幅された後、低周波成分を抽出するLPF42に供給される。これにより、LPF42は、検知信号から低周波成分を精度よく抽出することが可能になる。
【0063】
また、A/Dコンバータ13乃至15におけるアナログ信号からディジタル信号への変換は、標本化、量子化、符号化の3つの過程から構成されている。標本化とは、時間的に連続なアナログ信号(以下、「原信号」という。例えば、この場合、センサ11からの検知信号)から、ある時間間隔ごとに原信号の大きさを抽出する操作のことで、原信号から抽出された信号のことをサンプル値という。サンプル値から原信号を完全に復元するためには、サンプリング周期が原信号に含まれる最高周波数成分の周期の1/2より小さいことが必要である(いわゆるサンプリング定理)。例えば、100Hzでサンプリングすると、A/Dコンバータは、50Hzまでの信号しか標本化することができない。
【0064】
従って、検知信号から高周波成分を分離する高周波経路において、分離した高周波成分を高周波経路からそのままA/Dコンバータ15に出力した場合、A/Dコンバータ15は、高周波成分から特徴量を精度よく抽出できる程度にまで標本化するようにするためには、サンプリング周期を相当小さくする(周波数を相当高くする)必要がある。その結果、監視装置1は、全体として、多くの電力を消費してしまう。
【0065】
そこで、高周波経路においては、検知信号はHPF45に供給された後、アンプ46を介してピークディテクタ47に供給されるより、ピークのエンベロープが検出される。すなわち、ピークディテクタ47によりピーク値のみが抽出された場合、例えば、図2に示されるように、その信号は、高周波成分101のピーク値A乃至Eの離散的なものとなる。しかしながら、これらのピーク値A乃至Eを結んで得られるエンベロープ102は、周波数の低い信号となる。これにより、検知信号から分離された高周波成分のデータ量が少なくなるので、監視装置1は、A/Dコンバータ15以降の処理における電力消費を抑えることが可能となる。
【0066】
特徴量抽出部16は、低周波合成成分生成部61、低周波成分特徴量抽出部62、および高周波成分特徴量抽出部63により構成されている。
【0067】
低周波合成成分生成部61は、A/Dコンバータ13およびA/Dコンバータ14より入力されたN倍増幅低周波成分およびM倍増幅低周波成分に基づいて、低周波合成成分を生成し、その低周波合成成分を低周波特徴量抽出部62に供給する。なお、低周波合成成分生成部61の構成については、図3を参照して後述する。
【0068】
低周波特徴量抽出部62は、低周波合成成分生成部61から供給された低周波合成成分に基づいて低周波特徴量を抽出し、認識部18に出力する。高周波特徴量抽出部63は、A/Dコンバータ15より入力された高周波成分のピーク値のエンベロープに基づいて高周波特徴量を抽出し、認識部18に出力する。
【0069】
図3は、低周波合成成分生成部61の構成を示すブロック図である。
【0070】
低周波合成成分生成部61は、飽和判定部111および計算部112により構成されている。
【0071】
飽和判定部111は、A/Dコンバータ13より入力されたN倍増幅低周波成分が飽和しているか否か、ずなわち、N倍増幅した際の出力レベルが検出可能な限界値を超えているか否かを判定し、その判定結果を計算部112に供給する。なお、N倍増幅低周波成分の飽和については、図9を参照して後述する。
【0072】
計算部112は、飽和判定部111から供給された判定結果が飽和を表している場合、A/Dコンバータ13およびA/Dコンバータ14より入力されたN倍増幅低周波成分およびM倍増幅低周波成分に基づいて、線形変換を行い、低周波合成成分を生成し、低周波成分特徴量抽出部62に出力する。判定結果が飽和を表していない場合、計算部112は、A/Dコンバータ13により入力されたN倍増幅低周波成分をそのまま低周波合成成分として、低周波成分特徴量抽出部62に出力する。なお、低周波合成成分生成方法の詳細については、図10および図11を参照して後述する。
【0073】
図4は、低周波成分特徴量抽出部62の構成を示すブロック図である。
【0074】
低周波成分特徴量抽出部62は、DCT変換部131、分類部132、特徴量演算部133、および低周波成分特徴量判定部134により構成されている。
【0075】
DCT変換部131は、低周波合成成分生成部61から入力された低周波合成成分をDCT(Discrete Cosine Transform)変換し(時間領域のデータから周波数領域のデータに変換し)、すなわち、予め設定しておいた基底周波数成分、例えば、16の基底周波数成分(図13を参照して後述する)のDCT係数に変換し、分類部132および特徴量演算部133に供給する。なお、時間領域のデータから周波数領域のデータへの変換については、図13を参照して後述する。
【0076】
分類部132は、DCT変換部131から供給された基底周波数成分を取得し、記憶部17に予め記憶させたデータベース171(図14を参照して後述する)を参照しながら、取得された基底周波数成分をグループごとに分類し、分類結果を特徴量演算部133に供給する。
【0077】
特徴量演算部133は、DCT変換部131および分類部132から供給された基底周波数成分およびそのグループの分類に基づいて、基底周波数成分の出力レベルをグループごとに加算することにより低周波成分特徴量を演算し、低周波成分特徴量判定部134に供給する。
【0078】
低周波成分特徴量判定部134は、記憶部17に予め記憶させたデータベース171を参照して、特徴量演算部133から供給された低周波成分特徴量の種類を判定し、判定結果を認識部18に出力する。
【0079】
図5は、高周波成分特徴量抽出部63の構成を示すブロック図である。
【0080】
高周波成分特徴量抽出部63は、高周波成分特徴量判定部151を有する。高周波成分特徴量判定部151は、A/Dコンバータ15より入力された高周波成分のピーク値のエンベロープを取得し、記憶部17に予め記憶させたデータベース171を参照しながら、取得されたエンベロープの出力レベルが所定の基準値より大きいか否かに基づいて、高周波成分特徴量の種類を判定し、判定結果を認識部18に出力する。
【0081】
次に、図6のフローチャートを参照して、監視装置1における監視処理について説明する。
【0082】
ステップS1において、U/I制御部23は、ユーザにより操作されたリモートコマンダ81から発信されたIR信号を検出したか否かを判定する。ステップS1においてIR信号を検出したと判定された場合、U/I制御部23は、発光素子22の点滅を開始させるための点滅開始制御信号を生成し、発光素子制御部21に供給するとともに、センサ11の動作を開始するための動作開始制御信号を生成し、センサ11に供給する。また、U/I制御部23は、異常音の発生回数のカウントを開始する計数開始制御信号を生成し、計数部20に供給する。ステップS1においてIR信号を検出していないと判定された場合、U/I制御部23は、IR信号が入力されるまで待機する。
【0083】
ステップS2において、計数部20は、U/I制御部23から異常音回数計数制御信号が入力されたとき、異常音の発生回数を表す変数Aの初期値を0に設定する。
【0084】
ステップS3において、発光素子制御部21は、U/I制御部23から点滅開始制御信号が入力されると、発光素子22の動作を制御する発光素子制御信号を生成し、発光素子22に供給する。発光素子22は、発光素子制御部21から供給された発光素子制御信号に基づいて、所定の周期で点滅を開始する。センサ11は、U/I制御部23から動作開始制御信号が入力されると、ステップS4において、外部からの音を検知するための検知動作を開始する。センサ11は、外部からの音を検知すると、その音を電気信号としての検知信号に変換し、アナログ信号処理部12に供給する。
【0085】
なお、発光素子22は、点滅開始時点では変数Aは0であるので、例えば、1秒間に2回点滅するが、後述するステップS12において、計数部20から供給された異常音回数制御信号を取得するごとに、すなわち、異常音の回数が増えるごとに、例えば、1秒間に4回などのように、点滅速度を上げる。
【0086】
これにより、監視装置1は、異常音を出す窃盗犯や車上荒らしなどに対する警戒効果を高めることができる。
【0087】
ステップS5において、センサ11より入力された検知信号から低周波成分と高周波成分が抽出される。すなわち、検知信号は、アナログ信号処理部12のアンプ41により増幅された後、LPF42に供給されるとともに、HPF45に供給される。LPF42は、アンプ41から供給された検知信号から、50Hz以下の低周波成分を抽出し、その低周波成分をアンプ43およびアンプ44に供給する。アンプ43またはアンプ44は、LPF42から供給された低周波成分を、それぞれ、N倍またはM倍に増幅し、N倍増幅低周波成分またはM倍増幅低周波成分を、それぞれA/Dコンバータ13またはA/Dコンバータ14に出力する。
【0088】
HPF45は、センサ11より入力された検知信号から、6KHz以上の高周波成分を抽出し、その高周波成分をアンプ46に供給する。アンプ46は、HPF45から供給された高周波成分を増幅し、アナログ信号処理部12のピークディテクタ47に供給する。ピークディテクタ47は、アンプ46から供給された検知信号から、ピーク値のエンベロープを検出し、A/Dコンバータ15に出力する。
【0089】
ステップS6において、A/Dコンバータ13乃至15は、アンプ43、アンプ44、およびピークディテクタ47から供給されたN倍増幅低周波成分、M倍増幅低周波成分、および高周波成分のピーク値のエンベロープを、それそれ、アナログ信号からディジタル信号に変換する。A/Dコンバータ13およびA/Dコンバータ14は、変換されたN倍増幅低周波成分およびM倍増幅低周波成分のディジタル信号を、特徴量抽出部16の低周波合成成分生成部61に供給し、A/Dコンバータ15は、変換された高周波成分のピーク値のエンベロープのディジタル信号を、特徴量抽出部16の高周波成分特徴量抽出部63に供給する。
【0090】
ステップ7において、特徴量抽出部16は、特徴量抽出処理を実行する。特徴量抽出処理には、低周波処理と高周波処理の2つの処理があり、両処理が同時に実行される。低周波処理および高周波処理は、それぞれ、図7および図16のフローチャートに示されている。
【0091】
まず、図7のフローチャートを参照して、低周波処理について説明する。ステップS31において、低周波合成成分生成部61は、低周波合成成分生成処理を実行する。
【0092】
低周波合成成分生成処理の詳細は、図8のフローチャートに示されている。ステップS51において、飽和判定部111は、A/Dコンバータ13から入力されたN倍増幅低周波成分を取得し、取得されたN倍増幅低周波成分が飽和しているか否か、ずなわち、N倍増幅した際の出力レベルが検出可能な限界値を超えているか否かを判定する。
【0093】
図9を参照して、N倍増幅低周波成分の飽和について説明する。
【0094】
図9Aおよび図9Bは、アンプ43が異なる検知信号の低周波成分についてN倍の増幅率で増幅した場合における、N倍増幅低周波成分の波形の例を示す。図9Aに示されるように、図9AのN倍増幅低周波成分は、検出可能な限界値を超えておらず、飽和していない。従って、アンプ43は、N倍増幅低周波成分の波形全体を検出することができる。一方、図9Bに示されるように、図9BのN倍増幅低周波成分は、検出可能な限界値を超えており、飽和している(正のピークPuと負のピークPdが上限に達している)。従って、ピークPu,Pdの部分においては、アンプ43は、N倍増幅低周波成分の波形全体(図9において、点線で示される値)を検出することができない。
【0095】
図8のフローチャートに戻り、ステップS51においてN倍増幅低周波成分が飽和していると判定された場合、飽和判定部111は、その判定結果を計算部112に供給する。ステップS52において、計算部112は、A/Dコンバータ13およびA/Dコンバータ14から入力されたN倍増幅低周波成分およびM倍増幅低周波成分に基づいて、線形変換を行い、N倍増幅低周波成分とM倍増幅低周波成分に基づく低周波合成成分を生成し、低周波特徴量抽出部62に出力する。ステップS51で、N倍増幅低周波成分が飽和していないと判定された場合、ステップS52の線形変換処理はスキップされる。このとき、N倍増幅低周波成分がそのまま低周波合成成分として出力される。
【0096】
図10および図11を参照して、低周波合成成分生成における線形変換について説明する。
【0097】
図10A乃至図10Bは、アンプ43およびアンプ44が、同一の検知信号の低周波成分についてそれぞれの増幅率で増幅した場合における、N倍増幅低周波成分およびM倍増幅低周波成分の波形の例を示す。
【0098】
図10Aに示される低周波成分の波形は、飽和した場合におけるN倍増幅低周波成分(増幅率が大きい)の波形であり、ピークPu1,Pd1,Pd2の部分においては、図9において上述した場合と同様に、検出可能な限界値を超えており、飽和している。一方、図10Bに示される低周波成分の波形は、M倍増幅低周波成分(増幅率が小さい)の波形であり、飽和していない。図10に示されるように、N倍増幅低周波成分の波形とM倍増幅低周波成分の波形とは、同一の検知信号の低周波成分を異なる増幅率で増幅した波形であるので、両波形は、図10の時刻t1乃至時刻t4において同様にピークを示すが、両波形の出力レベルは異なったレベルとなる。換言すれば、両信号は、レベルが異なるだけで、同期している。
【0099】
なお、アンプ44における増幅率Mは、アンプ44において低周波成分を増幅しても通常飽和することのない程度の低増幅率であり、例えば、アンプ43の増幅率Nは、24倍、アンプ44の増幅率Mは、4倍に設定される。
【0100】
ここで、特徴量を抽出する際に用いられる波形として、低増幅率で増幅した波形と高増幅率で増幅した波形とを比較した場合、特徴量抽出部16は、高増幅率で増幅した波形(より大きなレベルの信号)を用いた方が、より正確な特徴量の抽出を行うことができる。
【0101】
従って、図10Aに示される飽和したN倍増幅低周波成分の波形におけるピークPu1,Pd1,Pd2の部分が飽和していないのであれば、図10Bに示されるM倍増幅低周波成分の波形よりも、N倍増幅低周波成分の波形を用いた方が、特徴量抽出部16は、より正確な特徴量の抽出を行うことができる。しかしながら、飽和している部分があるときは、その部分の波形を得ることができない。そこで計算部112は、式(1)に従って、M倍増幅低周波成分のレベルmをN/M倍することで、N倍増幅低周波成分のレベルを演算する。
【0102】
すなわち、図11に示されるように、図10の任意の時刻tにおけるM倍増幅低周波成分の波形(図10B)およびN倍増幅低周波成分の波形(図10A)の出力レベルを、それぞれ、mおよびnとすると、M倍増幅低周波成分の波形の出力レベルmとN倍増幅低周波成分の波形の出力レベルnは、上述したように、同一の検知信号の低周波成分を異なる増幅率で増幅した波形であるので、一般的に、式(1)のような関係が成り立つ。
n=(N/M)×m ・・・(1)
【0103】
例えば、図10の時刻t3におけるM倍増幅低周波成分の波形出力レベルm3と、N倍増幅低周波成分の波形の出力レベルn3においては、n3=(N/M)×m3の関係が成り立っている。従って、図10の時刻t1におけるN倍増幅低周波成分の波形の出力レベルn1は、式(1)に基づき、n1=(N/M)×m1の関係式から線形変換を行うことにより、N倍増幅低周波成分の波形の飽和部分における波形を正確に求めることができる。
【0104】
これにより、常に高感度の低周波成分を生成することができる。また、特徴量抽出部16は、生成された高感度の低周波成分に基づいて精度よく特徴量を抽出することができる。従って、ユーザは、検知したい音に応じて、アンプによる感度を調節する必要がなくなる。
【0105】
図7に戻り、ステップS31において、以上のようにして低周波合成成分生成処理が行われた後、ステップS32において、低周波特徴量抽出部62は、低周波特徴量抽出処理を実行する。この低周波特徴量抽出処理の詳細は、図12のフローチャートに示されている。
【0106】
図12を参照して、低周波特徴量抽出処理について説明する。ステップS71において、DCT変換部131は、低周波合成成分生成部61より入力された低周波合成成分をDCT変換し、すなわち、予め設定しておいた基底周波数成分、例えば、16の基底周波数成分に変換し、分類部132および特徴量演算部133に供給する。
【0107】
図13は、低周波合成成分の波形と16の基底周波数成分の波形の関係を模式的に表している。
【0108】
図13Aは、低周波合成成分生成部61により生成された低周波合成成分の波形の例であり、図13f0乃至図13f4は、この低周波合成成分をDCT変換して得られる16の基底周波数成分のうちの一部の基底周波数成分f0,f1,f2,f3,およびf4の波形を示している。図13f0は、基底周波数成分f0の直流波形であり、周波数0である。図13f1から図13f15になるにつれて周波数は高くなり、基底周波数成分f15(図示せず)の周波数が最高となる。例えば、低周波合成成分生成部61より入力された低周波合成成分の波形により、図13f0乃至図13f15の基底周波数成分f0乃至f15における各波形のレベルは変化する。例えば、入力された低周波合成成分の波形に、レベルの大きい基底周波数成分f2が低周波合成成分に含まれていた場合、当然、図13f2の基底周波数成分f2のレベルGも大きくなる。従って、低周波合成成分の波形の種類(すなわち、検知された音の種類、例えば、ガラス破壊音とエンジン始動音)によって、検出される基底周波数成分とそのレベルが変化する。
【0109】
従って、DCT変換部131は、低周波合成成分の波形を、基底周波数成分f0乃至f15の周波数領域のデータに変換し、基底周波数成分f0乃至f15の周波数領域のデータの和として分類部132および特徴量演算部133に供給する。
【0110】
なお、本実施の形態においては、DCT(Discrete Cosine Transform)を用いて低周波合成成分を時間領域のデータから周波数領域のデータに変換しているが、FFT(Fast Fourier Transform)を用いてもよい。
【0111】
図12に戻って、ステップS72において、分類部132は、DCT変換部131から供給された基底周波数成分f0乃至f15を、記憶部17に予め記憶されたデータベースに基づいて、いくつかのグループに分類し、その分類を特徴量演算部133に供給する。
【0112】
図14は、記憶部17に記憶されたデータベース171の例を示す。
【0113】
図14に示されるように、データベース171は、例えば、基底周波数成分f0、基底周波数成分f1、基底周波数成分f2およびf3、基底周波数成分f4至f7、並びに基底周波数成分f8乃至f15を、グループ0乃至4にそれぞれ分類して記憶する。また、データベース171は、後述する、特徴量演算部133によりグループごとに演算される低周波特徴量を、所定の範囲(図示せず)をもってそれぞれ記憶するとともに、低周波特徴量が所定の範囲である場合、それらグループ0乃至4の低周波特徴量を、それぞれ、特徴量act0乃至特徴量act4と予め定義し、記憶する。この特徴量act0乃至特徴量act4は、センサ11により検知される音の種類に対応付けられて記憶される。
【0114】
図15は、監視装置1によって検知することが可能な環境音および異常音の種類およびその周波数帯域の例を示す。
【0115】
図15に示されるように、周波数の低いほうから、例えば、「風」、「ドアの開閉音」、「衝撃音」、「ガラス破壊音」、および「エンジン始動音」の5つの種類の音を監視装置1は検知することが可能である。「風」とは、監視装置1が装備された対象に対して常時吹き付ける空気の流れであり、空気を媒介として伝わる極低周波の振動に基づく環境音である。この「風」の周波数は、例えば、主に、1Hz乃至3Hzである。「ドアの開閉音」とは、車両のドアを開閉したときの開閉音であり、対象内の空気の圧力変化による低周波に基づく異常音である。この「ドアの開閉音」の周波数は、例えば、主に、3Hz乃至6Hzである。
【0116】
「衝撃音」とは、ドアの施錠部分を破壊するときの音や、いたずら目的のために車両に他の物体をぶつけたとき(いわゆるあて逃げ)の衝撃音であり、車両の破壊により生ずる低周波に基づく異常音である。この「衝撃音」の周波数は、例えば、主に、20Hz乃至30Hzである。「ガラス破壊音」とは、窓ガラス等を破壊する音であり、ガラス破壊により生ずる低周波および高周波に基づく異常音である。この「ガラス破壊音」の周波数は、例えば、主に、30Hz乃至40Hzおよび6KHz以上である。「エンジン始動音」とは、車両のエンジンを始動させたときの始動音であり、エンジンが始動した際の低周波振動に基づく異常音である。この「エンジン始動音」の周波数は、例えば、主に、40Hz乃至50Hzである。なお、監視装置1を装備することができる対象は、例えば、車両、家屋等である。
【0117】
図15に示されるように、1Hz乃至50Hzの低周波帯域においては、「風」などの環境音と、「ドアの開閉音」、「衝撃音」、「ガラス破壊音」、および「エンジン始動音」などの異常音が混在している。
【0118】
そこで、図14に示されるように、データベース171は、例えば、特徴量act0を「風」、特徴量act1を「ドアの開閉音」、特徴量act2を「衝撃音」、特徴量act3を「ガラス破壊音」、および特徴量act4を「エンジン始動音」と定義する。これにより、記憶部17は、演算された低周波特徴量、特徴量act0乃至特徴量act4、および音の種類を関連付けて記憶することができる。従って、分類部132は、ステップS72で基底周波数成分f0をグループ0に、基底周波数成分f1をグループ1に、基底周波数成分f2とf3をグループ2に、基底周波数成分f4乃至f7をグループ3に、基底周波数成分f8乃至f15をグループ4に、それぞれ分類する。
【0119】
なお、本発明の実施の形態においては、データベース171は、グループ(例えば、図14のグループ0乃至4)ごとに演算される低周波特徴量act0乃至act4に対し、「風」、「ドアの開閉音」、「衝撃音」、「ガラス破壊音」、および「エンジン始動音」と定義したが、例えば、「エンジン始動音」の周波数などは、場合によっては40Hz乃至50Hzの範囲を超えてしまうこと(例えば、50Hz乃至70Hz)もあり、適宜、データベースに予め登録する特徴量についての定義を変更することが可能である。
【0120】
ステップS73において、特徴量演算部133は、グループを表す変数Lの初期値を0に設定する。ステップS74において、特徴量演算部133は、DCT変換部131から供給された基底周波数成分f0乃至f15を、分類部132から供給された分類に基づいて、グループ毎に加算することにより、グループLの低周波成分特徴量を演算する。すなわち、いまの場合L=0なので、特徴量演算部133はグループ0の基底周波数成分f0の値をそのまま特徴量とする。
【0121】
ステップS75において、低周波特徴量判定部134は、特徴量演算部133から供給されたグループL(いまの場合、グループ0)の低周波特徴量を取得し、記憶部17に記憶されたデータベース171を参照しながら、取得されたグループLの低周波成分特徴量が所定の範囲であるか否かを判定する。すなわち、いまの場合、グループ0の基底周波数f0の値が所定の基準値の範囲内であるか否かを判定する。ステップS75において基底周波数f0の値が所定の範囲である(例えば、基準値より大きい)と判定された場合、低周波特徴量判定部134は、グループLの低周波成分特徴量を特徴量actL(いまの場合、特徴量act0)と判定し、記憶部17および認識部18に出力する。ステップS76において、記憶部17は、低周波特徴量判定部134より入力された特徴量actLを記憶する。
【0122】
ステップS75において基底周波数f0の値が所定の範囲ではないと判定された場合、低周波特徴量判定部134は、ステップS76およびS77の処理をスキップする。
【0123】
ステップS78において、低周波成分特徴量判定部134は、グループを表す変数Lが4より小さいか否かを判定する。ステップS78において変数Lが4より小さいと判定された場合、ステップS79で変数Lは1だけインクリメントされた後(いまの場合、L=1とされた後)、ステップS74に戻り、同様の処理が繰り返される。
【0124】
すなわち、グループ1の基底周波数成分f1の値が基準値の範囲内か否か判定され、基準値の範囲内であればact1と判定され、基準値の範囲以内でなければ、act1と判定されない。以下、同様に、グループ2の基底周波数成分f2とf3の値が加算され、その値が基準値の範囲内であればact2と判定され、範囲外であればact2と判定されない。グループ3の基底周波数成分f4乃至f7の値が加算され、その値が基準値の範囲内であればact3と判定され、範囲外であればact3と判定されない。グループ4の基底周波数成分f8乃至f15の値が加算され、その値が基準値の範囲内であればact4と判定され、範囲外であればact4と判定されない。ステップS78において変数Lが4より小さくないと判定された場合(Lが4と等しいと判定された場合)、低周波成分特徴量抽出処理は終了する。
【0125】
次に、図16のフローチャートを参照して、高周波処理について説明する。この処理は図12の低周波処理と並行して行われる。
【0126】
ステップS91において、高周波成分特徴量判定部151は、高周波成分特徴量である高周波成分のピーク値のエンベロープのレベルが、所定の基準値より大きいか否かを判定する。例えば、図17に示されるように、高周波成分特徴量判定部151は、記憶部17に予め記憶されたデータベース211(図18を参照して後述する)を参照して、エンベロープ191のレベルが所定の基準値kより大きいか否かを判定する。
【0127】
図18に示されるように、データベース211には高周波成分特徴量における、エンベロープのレベルが所定の基準値より大きい場合、その高周波特徴量が、特徴量act5として予め定義されている。その特徴量act5は、センサ11により検知される音の種類のうち、「ガラス破壊音」と定義されている。これにより、記憶部17は、高周波特徴量、特徴量act5、および音の種類を関連付けて記憶することができる。なお、この場合における「ガラス破壊音」とは、図15に示される例では、ガラス破壊により生ずる6KHz以上の高周波に基づく異常音である。
【0128】
ステップS91において所定の基準値より大きいと判定された場合、ステップS92で高周波成分特徴量判定部151は、特徴量act5と判定し、その判定結果を記憶部17および認識部18に出力する。
【0129】
ステップS91において高周波成分の値が所定の基準値より大きくないと判定された場合、高周波成分特徴量判定部151は、ステップS92の処理をスキップし(act5と判定せず)、高周波処理は終了される。
【0130】
なお、図6のステップ7における特徴量抽出処理(すなわち、図7と図16を用いて説明された低周波処理と高周波処理)においては、低周波特徴量が所定の範囲であるか否か、または、高周波特徴量が基準値より大きいか否かに基づいて、それぞれ、特徴量の種類を判定しているが、例えば、データベース(例えば、図14と図18のデータベース171とデータベース211)において、低周波特徴量と高周波特徴量の変化量(例えば、それらの特徴量の積分値や微分値)と特徴量の種類を対応付けることにより、その変化量に基づいて特徴量の種類を判定するようにしてもよい。
【0131】
図6に戻り、以上のようにして、ステップS7で、低周波処理と高周波処理が完了した後、ステップS8において、認識部18は、認識処理を実行する。
【0132】
次に、図19のフローチャートを参照して、認識処理について説明する。ステップS111において、認識部18は、センサ11により検知された音の特徴量(特徴量act0乃至5)を、記憶部17から読み出す。ステップS112において、認識部18は、記憶部17から読み出された特徴量がact0であるか否かを判定する。
【0133】
ステップS112において特徴量がact0であると判定された場合、ステップS117において認識部18は、図14のデータベース171を参照して、検知された音は「風の音」であるので、異常音ではないと認識し、異常音認識フラグFを0に設定する。
【0134】
ステップS112において特徴量がact0ではないと判定された場合、ステップS113において認識部18は、特徴量がact1であるか否かを判定する。ステップS113において特徴量がact1であると判定された場合、ステップS118において認識部18は、図14および図18のデータベース171およびデータベース211を参照して、検知された音は「ドアの開閉音」であるので、異常音であると認識し、異常音認識フラグFを1に設定する。
【0135】
ステップS113において特徴量がact1ではないと判定された場合、ステップS114において認識部18は、特徴量がact2であるか否かを判定する。ステップS114において特徴量がact2であると判定された場合、この音は「衝撃音」であるので、ステップS118に進み、異常音認識フラグFを1に設定する。
【0136】
ステップS114において特徴量がact2ではないと判定された場合、ステップS115において認識部18は、特徴量がact3またはact5であるか否かを判定する。ステップS115において特徴量がact3またはact5であると判定された場合、この音は「ガラス破壊音」であるので、ステップS118に進み、認識部18は、異常音認識フラグFを1に設定する。
【0137】
ステップS115において特徴量がact3またはact5ではないと判定された場合、ステップS116において認識部18は、特徴量がact4であるか否かを判定する。ステップS116において特徴量がact4であると判定された場合、この音は「エンジン始動音」であるので、ステップS118に進み、認識部18は、異常音認識フラグFを1に設定する。
【0138】
ステップS116において特徴量がact4でないと判定された場合、認識部18は、その判定結果をエラーとして認識する。
【0139】
図6に戻り、ステップ9において、認識部18は、ステップS8の認識処理でセンサ11により検知された音が異常音であると認識されたか否か、すなわち、異常音認識Fが1と設定されたか否かを判定する。ステップS9において、ステップS8の認識処理で異常音認識フラグFが1と設定されたと判定された場合、認識部18は、警報音発生制御信号を生成し、警報音発生部19に警報音発生制御信号を供給するとともに、異常音回数計数制御信号を生成し、計数部20に供給する。
【0140】
ステップS10において、警報音発生部19は、認識部18より警報音発生制御信号が供給されると、警報音の発生を開始する。ステップS11において、警報音発生部19は、警報音の発生開始から所定の時間経過したとき、あるいはユーザが停止の操作をしたとき警報音を停止する。ステップS12において、計数部20は、認識部18から計数開始制御信号が供給されたとき、異常音の発生回数を表す変数Aを1だけインクリメントするとともに、変数Aを記憶部17に供給し、記憶させる。また、計数部20は、異常音回数制御信号を生成し、発光素子制御部21に供給する。発光素子制御部21は、異常音の発生回数が増加したので、発光素子22をより速い周期で点滅させる。
【0141】
ステップS9において、ステップS8の認識処理で異常音認識フラグFが1に設定されていないと判定された場合(異常音認識フラグFが0である場合)、ステップS10乃至S12の処理はスキップされる。
【0142】
ステップS13において、U/I制御部23は、ユーザから監視処理の終了の指示がなされたか否かを判定する。ステップS13において監視処理の終了の指示がなされなかったと判定された場合、処理はステップS3に戻り、同様の処理が繰り返される。ステップS13において監視処理の終了の指示がなされたと判定された場合、監視処理は終了する。
【0143】
なお、本明細書において、フローチャートのステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0144】
また、本発明は、センサを備えた各種の監視装置、例えば、車両用および家屋用監視装置などに適用することができる。さらに、無線部を設けることにより、監視装置1において異常を検知するごとに、ユーザに異常の種類、検知時刻等を知らせるも可能である。
【0145】
本発明の実施の形態においては、低周波低域と高周波帯域の2つに分類したが、勿論、低周波低域、中周波帯域、および高周波帯域の3つの帯域に分類することもでき、これにより、より正確な異常音認識処理を行うことができる。
【0146】
また、本発明の実施の形態においては、センサ11により音を検知するようにしているが、本発明は、振動、加速度、圧力、回転などの音以外の入力信号を検知する場合にも適用することが可能である。
【0147】
さらに、以上においては監視装置について説明したが、本発明は、監視装置の他、分析装置、観測装置、計測装置その他の情報処理装置により、異常に限らず、各種の状態を検知する場合に適用することができる。
【0148】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、外部の入力信号を検知することができる。また、異常を精度よく検知することができる。これにより、誤報の発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した監視装置1の構成例を示すブロック図である。
【図2】高周波成分のピーク値のエンベロープを説明する図である。
【図3】図1の低周波合成成分生成部の構成を示すブロック図である。
【図4】図1の低周波特徴量抽出部の構成を示すブロック図である。
【図5】図1の高周波特徴量抽出部の構成を示すブロック図である。
【図6】監視装置における監視処理を説明するフローチャートである。
【図7】図6のステップS7の特徴量抽出処理を説明するフローチャートである。
【図8】図7のステップS31の低周波合成成分生成処理を説明するフローチャートである。
【図9】 N倍増幅低周波成分の飽和について説明する図である。
【図10】 N倍増幅低周波成分およびM倍増幅低周波成分の波形の例を示す図である。
【図11】 N倍増幅低周波成分の波形とM倍増幅低周波成分の波形間における出力レベルの関係を説明する図である。
【図12】図7のステップS32の低周波特徴量抽出処理を説明するフローチャートである。
【図13】基底周波数成分の波形の一部の例を示す図である。
【図14】記憶部に記憶されたデータベースの例を示す図である。
【図15】監視装置によって検知することが可能な環境音および異常音の種類およびその周波数帯域の例を示す図である。
【図16】図6のステップS7の他の特徴量抽出処理を説明するフローチャートである。
【図17】図16のステップS91における判定方法を説明する図である。
【図18】記憶部に記憶された他のデータベースの例を示す図である。
【図19】図7のステップS8の認識処理を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
1 監視装置
11 センサ
12 アナログ信号処理部
13乃至15 A/Dコンバータ
16 特徴量抽出処理
17 記憶部
18 認識部
19 警報発生部
20 計数部
21 発光素子制御部
22 発光素子
23 U/I制御部
41 アンプ
42 LPF
43 アンプ
44 アンプ
45 HPF
46 アンプ
47 ピークディテクタ
61 低周波合成成分生成部
62 低周波特徴量抽出部
63 高周波特徴量抽出部
111 飽和判定部
112 計算部
131 DCT変換部
132 分類部
133 特徴量演算部
134 低周波成分特徴量判定部
151 高周波成分特徴量判定部

Claims (6)

  1. 外部から入力される音を検知し、検知信号を生成する検知信号生成手段と、
    前記検知信号生成手段により生成された前記検知信号を、少なくとも2つの異なる周波数帯域の周波数成分に分離する分離手段と、
    前記分離手段により分離された前記周波数帯域の周波数成分のうち、少なくとも1つの周波数帯域の周波数成分から、予め設定された前記周波数成分の種類ごとに、前記周波数成分の特徴を表す特徴量を抽出する特徴量抽出手段と、
    前記特徴量抽出手段により抽出された前記特徴量に基づいて、前記音が表す状態を判定する状態判定手段と、
    前記状態判定手段により判定された状態を通知する通知手段と
    を備え
    前記分離手段は、
    前記検知信号から所定の低周波成分を抽出する低周波成分抽出手段と、
    前記検知信号から所定の高周波成分を抽出する高周波成分抽出手段と、
    前記低周波成分を少なくとも2つの異なる増幅率で増幅する増幅手段と
    を備え、
    前記特徴量抽出手段は、
    前記低周波成分抽出手段により抽出された低周波成分から、予め設定された前記周波数成分の種類ごとに、前記低周波成分の特徴を表す特徴量を低周波成分特徴量として抽出する低周波成分特徴量抽出手段と、
    前記高周波成分抽出手段により抽出された高周波成分から、前記高周波成分の特徴を表す特徴量を高周波成分特徴量として抽出する高周波成分特徴量抽出手段と、
    より低い増幅率で増幅された低増幅率低周波成分と、より高い増幅率で増幅された高増幅率低周波成分に基づいて、低周波合成成分を生成する低周波合成成分生成手段
    を備え、
    前記低周波成分特徴量抽出手段は、前記低周波合成成分生成手段により生成された前記低周波合成成分から、前記低周波成分特徴量を抽出し、
    前記低周波合成成分生成手段は、
    前記高増幅率低周波成分が飽和しているか否かを判定する飽和判定手段と、
    前記飽和判定手段により飽和していると判定された場合、前記低増幅率の倍率をM、前記高増幅率の倍率をN、前記低増幅率低周波成分の出力レベルをm、および前記高増幅率低周波成分の出力レベルをnとしたときの n=(N/M) × m の式に基づいて、前記低周波合成成分を計算する計算手段と
    を備え、
    前記飽和判定手段により飽和していると判定された場合、前記計算手段の計算により前記低周波合成成分を生成し、前記飽和判定手段により飽和していないと判定された場合、前記高増幅率低周波成分を低周波合成成分とし、
    前記状態判定手段は、前記低周波成分特徴量抽出手段により抽出された前記低周波成分特徴量と前記高周波成分特徴量抽出手段により抽出された前記高周波成分特徴量の少なくとも一方に基づいて、前記状態を判定する
    ことを特徴とする情報処理装置。
  2. 前記低周波成分特徴量抽出手段は、
    前記低周波成分を所定の周波数成分に変換する周波数成分変換手段と、
    前記周波数成分変換手段により変換された前記周波数成分に基づいて、予め設定された前記周波数成分の種類ごとに前記低周波成分特徴量を演算する低周波成分特徴量演算手段と
    前記低周波成分特徴量演算手段により演算された前記低周波成分特徴量が所定の範囲であるか否かに基づいて、前記低周波成分特徴量の種類を判定する第1の種類判定手段と
    を備え、
    前記高周波成分特徴量抽出手段は、
    前記高周波成分の出力レベルが所定の基準値より大きいか否かに基づいて、前記高周波成分特徴量の種類を判定する第2の種類判定手段
    を備える
    ことを特徴とする請求項に記載の情報処理装置。
  3. 前記分離手段は、前記高周波成分抽出手段により抽出された高周波成分のピーク値のエンベロープを検出するピーク値検出手段をさらに備え、
    前記第2の種類判定手段は、前記ピーク値検出手段により検出された前記ピーク値のエンベロープが所定の基準値より大きいか否かに基づいて、前記高周波成分特徴量の種類を判定する
    ことを特徴とする請求項に記載の情報処理装置。
  4. 前記状態の種類に対応した前記低周波成分特徴量および前記高周波成分特徴量の種類を記憶する記憶手段をさらに備え、
    前記第1の種類判定手段は、前記記憶手段により記憶された低周波成分特徴量の種類に基づいて判定し、
    前記第2の種類判定手段は、前記記憶手段により記憶された高周波成分特徴量の種類に基づいて判定し、
    前記状態判定手段は、前記第1の種類判定手段により判定された前記低周波成分特徴量の種類と前記第2の種類判定手段により判定された前記高周波成分特徴量の種類の少なくとも一方に基づいて、前記状態を判定する
    ことを特徴とする請求項2と3のいずれかに記載の情報処理装置。
  5. 所定の周期で発光する発光手段と、
    前記状態判定手段により判定された状態の回数を計数する計数手段と
    をさらに備え、
    前記発光手段は、前記計数手段により計数された前記回数に応じて前記周期を短縮する ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
  6. 情報処理装置の情報処理方法において、
    外部から入力される音を検知し、検知信号を生成する検知信号生成ステップと、
    前記検知信号生成ステップの処理により生成された前記検知信号を、少なくとも2つの異なる周波数帯域の周波数成分に分離する分離ステップと、
    前記分離ステップの処理により分離された前記周波数帯域の周波数成分のうち、少なくとも1つの周波数帯域の周波数成分から、予め設定された前記周波数成分の種類ごとに、前記周波数成分の特徴を表す特徴量を抽出する特徴量抽出ステップと、
    前記特徴量抽出ステップの処理により抽出された前記特徴量に基づいて、前記音が表す状態を判定する状態判定ステップと、
    前記状態判定ステップの処理により判定された状態を通知する通知ステップと
    を含み、
    前記分離ステップの処理は、
    前記検知信号から所定の低周波成分を抽出する低周波成分抽出ステップと、
    前記検知信号から所定の高周波成分を抽出する高周波成分抽出ステップと、
    前記低周波成分を少なくとも2つの異なる増幅率で増幅する増幅ステップと
    を含み、
    前記特徴量抽出ステップの処理は、
    前記低周波成分抽出ステップの処理により抽出された低周波成分から、予め設定された前記周波数成分の種類ごとに、前記低周波成分の特徴を表す特徴量を低周波成分特徴量として抽出する低周波成分特徴量抽出ステップと、
    前記高周波成分抽出ステップの処理により抽出された高周波成分から、前記高周波成分の特徴を表す特徴量を高周波成分特徴量として抽出する高周波成分特徴量抽出ステップと、
    より低い増幅率で増幅された低増幅率低周波成分と、より高い増幅率で増幅された高 増幅率低周波成分に基づいて、低周波合成成分を生成する低周波合成成分生成ステップ
    を含み、
    前記低周波成分特徴量抽出ステップの処理は、前記低周波合成成分生成ステップの処理により生成された前記低周波合成成分から、前記低周波成分特徴量を抽出し、
    前記低周波合成成分生成ステップの処理は、
    前記高増幅率低周波成分が飽和しているか否かを判定する飽和判定ステップと、
    前記飽和判定ステップの処理により飽和していると判定された場合、前記低増幅率の倍率をM、前記高増幅率の倍率をN、前記低増幅率低周波成分の出力レベルをm、および前記高増幅率低周波成分の出力レベルをnとしたときの n=(N/M) × m の式に基づいて、前記低周波合成成分を計算する計算ステップと
    を含み、
    前記飽和判定ステップの処理により飽和していると判定された場合、前記計算ステップにおける計算により前記低周波合成成分を生成し、前記飽和判定ステップの処理により飽和していないと判定された場合、前記高増幅率低周波成分を低周波合成成分とし、
    前記状態判定ステップの処理は、前記低周波成分特徴量抽出ステップの処理により抽出された前記低周波成分特徴量と前記高周波成分特徴量抽出ステップの処理により抽出された前記高周波成分特徴量の少なくとも一方に基づいて、前記状態を判定する
    ことを特徴とする情報処理方法。
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