JP2008140222A - 異常検知装置及び方法 - Google Patents

異常検知装置及び方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2008140222A
JP2008140222A JP2006326774A JP2006326774A JP2008140222A JP 2008140222 A JP2008140222 A JP 2008140222A JP 2006326774 A JP2006326774 A JP 2006326774A JP 2006326774 A JP2006326774 A JP 2006326774A JP 2008140222 A JP2008140222 A JP 2008140222A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
abnormality detection
sound
abnormality
monitoring target
value
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2006326774A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4845695B2 (ja
Inventor
Haruhisa Goto
治久 後藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Eneos Corp
Original Assignee
Japan Energy Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Energy Corp filed Critical Japan Energy Corp
Priority to JP2006326774A priority Critical patent/JP4845695B2/ja
Publication of JP2008140222A publication Critical patent/JP2008140222A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4845695B2 publication Critical patent/JP4845695B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Testing And Monitoring For Control Systems (AREA)

Abstract

【課題】異常として検知すべきガスの漏洩音を、そのガスの漏洩音に類似する作業音と高精度で仕訳して検出し、高精度で異常を検知することができる異常検出装置及び方法を提供する。
【解決手段】監視対象設備において音響を検出して音響信号を出力する集音部10と、音響信号の周波数スペクトルを計算し、ニューラルネットワークのモデルを用い、周波数スペクトルに基づき、監視対象設備における状態を、正常から異常までに応じた数値に数値化した判定値を出力する周波数パターン分析部12と、所定の期間に出力された判定値の時系列データに基づき監視対象設備の異常を検出する異常検出部14とを有している。
【選択図】 図1

Description

本発明は、監視対象において発生する音響を検出することにより監視対象の異常を検知する異常検知装置及び方法に関する。
可燃性ガスが取り扱われ又は利用される設備においては、可燃性ガスの漏洩を異常として高精度で検知する必要がある。このような設備としては、水素ステーションや水素供給プラント等の水素取り扱い設備、天然ガス取り扱い設備、石油系ガス取り扱い設備、液体燃料取り扱い設備、或いはこれらのガスを利用する設備がある。
従来、監視対象の異常を検出する際には、監視対象に検出手段を設け、予め監視対象が正常状態にあるときの検出手段からの出力に基づき所定の閾値を設定し、監視時における検出手段による測定値と、設定した閾値とを比較することにより異常が検知されていた。
また、特許文献1には、計測値が徐々に変化する場合や急激に変化する場合においても異常を正確に判定するために、1種類の計測値を種々の角度からチェックし、その結果を主成分分析を用いて総合的に判定する異常値検出装置が提案されている。
特開平10−260722号公報
しかしながら、監視対象設備における音響を検出することにより、ガス漏洩を異常として検知する場合においては、ガス漏洩がなく正常であるのに異常であると誤判定されることがある。すなわち、監視対象設備においては、異常として検知すべきガス漏洩音のほかに、そのガス漏洩音に類似するエア洗浄等の作業音が存在する。このような作業音は、誤って異常と判定した誤報の原因となる。したがって、高精度の異常検知を実現するためには、異常として検知すべきガス漏洩音と、その他の作業音とを仕訳する必要がある。
本発明の目的は、異常として検知すべきガスの漏洩音を、そのガスの漏洩音に類似する作業音と高精度で仕訳して検出し、高精度で異常を検知することができる異常検出装置及び方法を提供することにある。
上記目的は、監視対象において音響を検出して音響信号を出力する集音部と、前記音響信号の周波数スペクトルを計算し、ニューラルネットワークのモデルを用い、前記周波数スペクトルに基づき、前記監視対象における状態を、正常から異常までに応じた数値に数値化した判定値を出力する周波数パターン分析部と、所定の期間に出力された前記判定値の時系列データに基づき前記監視対象の異常を検出する異常検出部とを有することを特徴とする異常検知装置により達成される。
また、上記の異常検知装置において、前記異常検出部は、前記所定の期間に出力された前記判定値の時系列データについて、前記判定値の平均値及び標準偏差を算出し、算出された前記平均値と第1の閾値とを比較し、算出された前記標準偏差と第2の閾値とを比較することにより、前記監視対象の前記異常を検出するようにしてもよい。
また、上記の異常検知装置において、前記異常検出部は、前記平均値が前記第1の閾値以上であり、且つ前記標準偏差が前記第2の閾値以下の場合に、前記監視対象の状態が異常であると判定するようにしてもよい。
また、上記の異常検知装置において、前記異常検出部は、前記所定の期間として5〜30秒間に出力された前記判定値の前記時系列データについて前記平均値及び前記標準偏差を算出するようにしてもよい。
また、上記の異常検知装置において、前記監視対象は、水素ガスが取り扱われる水素ステーションであり、前記異常検出部は、前記水素ガスの漏洩を前記異常として検出するようにしてもよい。
また、上記目的は、監視対象において音響を検出して音響信号を生成し、前記音響信号の周波数スペクトルを計算し、ニューラルネットワークのモデルを用い、前記周波数スペクトルに基づき、前記監視対象における状態を、正常から異常までに応じた数値に数値化した判定値を生成し、所定の期間に生成された前記判定値の時系列データに基づき前記監視対象の異常を検出することを特徴とする異常検知方法により達成される。
本発明によれば、監視対象において音響を検出して音響信号を生成し、前記音響信号の周波数スペクトルを計算し、ニューラルネットワークのモデルを用い、前記周波数スペクトルに基づき、前記監視対象における状態を、正常から異常までに応じた数値に数値化した判定値を生成し、所定の期間に生成された前記判定値の時系列データに基づき前記監視対象の異常を検出するので、異常として検知すべきガスの漏洩音を、そのガスの漏洩音に類似する作業音と高精度で仕訳して検出し、高精度で異常を検知することができる。
[一実施形態]
本発明の一実施形態による異常検知装置及び方法について図1乃至図7を用いて説明する。図1は本実施形態による異常検知装置の構成を示す概略図、図2は本実施形態による異常検知装置における異常検知装置におけるニューラルネットワーク判定部により出力される判定値の時系列データの典型例を示す表、図3は本実施形態による異常検知装置におけるトレンド処理部により判定値の時系列データについてトレンド処理を行った結果を示すグラフ、図4は本実施形態による異常検知装置における異常検出部の処理を示すフローチャート、図5は本実施形態による異常検知方法において水素ガス漏洩音について得られた判定値の時系列データを示すグラフ、図6は本実施形態による異常検知方法においてエア洗浄作業音について得られた判定値の時系列データを示すグラフ、図7は本実施形態による異常検知方法におけるトレンド処理の結果を示すグラフである。
本実施形態による異常検知装置は、水素製造プラントや水素ステーション等の水素を取り扱う監視対象設備において、水素ガスの漏洩を異常として検知するものである。
本実施形態による異常検知装置は、図1に示すように、集音部10と、周波数パターン分析部12と、異常検出部14とを有している。
集音部10は、監視対象設備において発生する音響を検出して音響信号を出力するマイクロフォン部16と、マイクロフォン部16から出力される音響信号を増幅するアナログアンプ部18と、アナログアンプ部18により増幅された音響信号をアナログ信号からデジタル信号に変換するA/D変換部20とを有している。
周波数パターン分析部12は、A/D変換部20によりデジタル信号に変換された音響信号の周波数スペクトルを計算するフーリエ変換部22と、フーリエ変換部22により計算された周波数スペクトルに基づいて、ニューラルネットワークによる判定モデルにより音響に応じた判定値を出力するニューラルネットワーク判定部24とを有している。
異常検出部14は、ニューラルネットワーク判定部24から出力される判定値のトレンドを求めるトレンド処理部26と、トレンド処理部26の結果に基づき水素ガス漏洩音と作業音とを識別する識別部28とを有している。
まず、集音部10の各構成要素について説明する。
マイクロフォン部16は、監視対象設備内に設置され、監視対象設備において発生する音響を検出して音響信号を出力する。マイクロフォン部16は、例えば20Hz〜20kHzに感度を有する無指向性のものである。マイクロフォン部16は、本質安全防爆構造となっている。
アナログアンプ部18は、マイクロフォン部16から出力される音響信号を所定のゲインで増幅する。アナログアンプ部18は、マイクロフォン部16が感度を有する例えば20Hz〜20kHzの音響信号を増幅する。
A/D変換部20は、アナログアンプ部18により増幅された音響信号を、アナログ信号からデジタル信号へと所定のサンプリング周波数で変換する。A/D変換部20によるA/D変換の分解能は、例えば8〜16bitであり、サンプリング周波数は、例えば、44.1kHz、48.0kHz、及び51.2kHzのなかから選択する。
次に、周波数パターン分析部12の各構成要素について説明する。
フーリエ変換部22は、A/D変換部20によりデジタル信号に変換された音響信号に対して高速フーリエ変換を行い、音響信号の周波数スペクトルを計算する。フーリエ変換部22による高速フーリエ変換のデータポイント数は、例えば、512、1024、2048、4096、8192、16384、32768、及び65536のなかから選択する。また、窓関数としては、例えば、ハミング、ハニング、及び窓関数なしの場合から選択する。
ニューラルネットワーク判定部24は、ニューラルネットワークモデルを使用して、フーリエ変換部22により計算された周波数スペクトルに基づき、監視対象設備において検出された音響に応じた判定値を出力する。
ニューラルネットワークの学習では、正常音データの出力を0、異常音データの出力を1として学習させる。ニューラルネットワークとしては、階層型のニューラルネットワークを使用し、バックプロパゲーションにより学習を実施する。ニューラルネットワークにおける応答関数としては、例えば、シグモイド関数、ラジアルベース関数から選択する。
こうして学習が行われたニューラルネットワークモデルを使用して、ニューラルネットワーク判定部24は、監視対象設備において検出された音響に応じて0〜1の判定値を出力する。具体的には、水素ガス漏洩音が検出された場合には、判定値1を出力する。また、正常音が検出された場合には、判定値0を出力する。また、検出された音響が、水素ガス漏洩音に類似するほど1により近い判定値を出力し、正常音に類似するほど0により近い判定値を出力する。監視対象設備の監視を行っている間、ニューラルネットワーク判定部24は、このような判定値を所定の周期で出力する。
水素ガス漏洩音が検出される場合、判定値1がほぼ連続的に出力され、風などにより水素ガス漏洩音が変化した場合に1に近い判定値が出力されると考えられる。なお、水素ガス漏洩音には、風などの外的要因がないかぎり大きな変動がないため、このように判定値が1よりも小さくなる頻度は低いと考えられる。
一方、エアで車体等を洗浄する作業時に発生するエア洗浄作業音は、水素ガス漏洩音に類似している。このため、エア洗浄作業音が検出される場合には、1又は1に近い判定値が出力されると考えられる。しかし、エア洗浄作業音は、水素ガス漏洩音とは異なり、作業員による作業に伴って発生するものであり、時間的に不規則に発生するものである。したがって、エア洗浄作業音の検出による判定値1又は1に近い値は、連続的には出力されず、正常音が検出された場合の0又は0に近い判定値が高い頻度で出力されると考えられる。
図2は、ニューラルネットワーク判定部24により出力される判定値の時系列データの典型例を示す表である。図中、No.1〜No.3は水素ガス漏洩音を検出した場合の判定値の時系列データを示し、No.3〜No.6はエア洗浄作業音を検出した場合の判定値の時系列データを示している。No.3〜No.6におけるエア洗浄作業音は、エアガンにより車体にエアを吹き付けて洗浄する作業の際に発生する作業音である。
水素ガス漏洩音を検出した場合、No.1〜No.3のいずれについても、ニューラルネットワーク判定部24からほぼ連続的に判定値1が出力され、時折1に近い判定値0.7又は0.8が1回又は2回出力されている。このため、この期間の判定値の平均値は、0.95〜0.98と大きく、標準偏差は0.06〜0.11と非常に小さくなっている。
一方、エア洗浄作業音を検出した場合、No.3〜No.6のいずれについても、エアガンが車体から遠くエア吹き付け音が大きくなることがない場合には、判定値0.3が出力され、エアガンが車体に近づき吹き付け音が大きくなった場合に判定値1が出力されている。作業員による作業は時間的に不規則であるために、判定値1が出力される場合は、2〜5回となっており、判定値1は連続的には出力されていない。
このように、周波数パターン分析部12において、監視対象設備における状態を正常から異常までに応じた数値に数値化した判定値の時系列データが生成される。
次に、異常検出部14の各構成要素について説明する。
トレンド処理部26は、周波数パターン分析部12において生成された判定値の時系列データに対してトレンド処理を行う。具体的には、トレンド処理部26は、判定値の時系列データについて、判定値の平均値及び標準偏差を算出する。
図3は、図2の表に示す判定値の時系列データNo.1〜No.6のそれぞれについて判定値の平均値及び標準偏差を算出し、これらを横軸に平均値、縦軸に標準偏差をとりプロットしたグラフである。なお、図2の表には、時系列データNo.1〜No.6のそれぞれについて、算出された平均値及び標準偏差を示している。
図3に示すグラフから明らかなように、水素ガス漏洩音とエア洗浄作業音とは、平均値の閾値aと標準偏差の閾値bとによって仕切られた互いに異なる領域にプロットされている。このように、水素ガス漏洩音とエア洗浄作業音とは、平均値の閾値a及び標準偏差の閾値bにより互いに区別することが可能になる。
識別部28は、トレンド処理部26によるトレンド処理の結果に基づき、監視対象設備の状態を、正常状態である「正常」、水素ガスが漏洩している「ガス漏洩」、水素ガスの漏洩の可能性がある「注意」、エア洗浄作業が行われている「エア洗浄作業」のいずれかであると判定する。以下、異常検出部14におけるトレンド処理部26及び識別部28の処理について図4を用いて説明する。
まず、所定の期間において周波数パターン分析部12において生成された判定値xの時系列データ(ステップS10)について、トレンド処理部28は、判定値xの平均値Ave(x)、及び判定値xの標準偏差σを算出する(ステップS12、S14)。平均値Ave(x)及び標準偏差σを算出すべき判定値xの時系列データの期間は例えば5〜30秒間、データ数は1秒おきの場合5〜30個とする。
次いで、識別部28は、平均値Ave(x)が、閾値a以上か否かを判定する(ステップS16)。
ステップS16において平均値Ave(x)が閾値a以上であると判定した場合、識別部28は、続いて、標準偏差σが閾値b以下であるか否かを判定する(ステップS18)。
ステップS18において標準偏差σが閾値b以下であると判定した場合、識別部28は、監視対象設備の状態を「ガス漏洩」と判定する(ステップS20)。
ステップS18において標準偏差σが閾値b以下でない、すなわち標準偏差σが閾値bよりも大きいと判定した場合には、識別部28は、監視対象設備の状態を「注意」と判定する(ステップS22)。
一方、ステップS16において平均値Ave(x)が閾値a以上でない、平均値Ave(x)が閾値aよりも小さいと判定した場合、識別部26は、続いて、標準偏差σが閾値bよりも小さいか否かを判定する(ステップS24)。
ステップS24において標準偏差σが閾値bよりも小さいと判定した場合、識別部28は、監視対象設備の状態を「正常」と判定する(ステップ26)。
ステップS24において標準偏差σが閾値bよりも小さくない、すなわち標準偏差σが閾値b以上であると判定した場合には、識別部28は、監視対象設備の状態を「エア洗浄作業」と判定する(ステップS28)。
こうして、異常検出部14によって、監視対象設備の状態が、「ガス漏洩」、「注意」、「正常」、「エア洗浄作業」のいずれかであると判定される。なお、監視対象設備においてエア洗浄作業が行われていることを検知することが特に必要ない場合には、「エア洗浄作業」との判定に代えて、「注意」と判定するようにしてもよい(ステップS28)。こうして、異常検知部14により、監視対象設備における水素ガスの漏洩が異常として検知される。
異常検知部14による判定結果は、表示装置や警報装置(図示せず)等により報知される。
次に、本実施形態による異常検知装置を用いた異常検知方法の実例について説明する。
マイクロフォン部16としては、本質安全防爆構造の1/2インチエレクトロレットコンデンサマイクロホンを安全保持器とともに用いた。測定音の周波数範囲は、可聴域である20Hz〜20kHzとした。
測定された音響信号のデータは、アナログアンプ部18により所定のゲインで増幅した後、A/D変換部20において、分解能16ビット、サンプリング周波数51.2kHzのA/D変換によりアナログデータからデジタルデータに変換した。
デジタルデータに変換された音響信号は、フーリエ変換部22により、周波数20Hz〜20kHzについて、窓関数としてハニングを用い、データポイント数8192で高速フーリエ変換を行った。こうして、測定音について周波数スペクトルを計算した。
ニューラルネットワーク判定部24で使用したニューラルネットワークモデルの学習には、正常音及び異常音のデータとしてそれぞれ以下に述べるデータを用いた。
まず、正常音のデータとしては、車両通過音を40データ使用した。
異常音のデータとしては、ガスの漏洩音を使用した。ガスの漏洩音は、水素ステーションで使用される配管を想定し、3/8インチの配管にΦ1の穴を穿孔し、この穴からガスを漏洩させることにより生じさせた。異常音のデータは、0.9MPaの水素ガス漏洩音の周波数スペクトル、0.9MPaのヘリウムガス漏洩音の周波数スペクトル、2.5MPaのヘリウムガス漏洩音の周波数スペクトルから、正常音として収集した周波数スペクトルを人工的に音の合成を行うことにより作成した。異常音のデータは、120データ作成した。
ニューラルネットワークモデルの応答関数には、ラジアルベース関数を使用した。ニューラルネットワークモデルの学習は、正常を0、異常を1として行った。
上記の異常検知装置を用いて、水素ガス漏洩音及びエア洗浄作業音について判定を行った。なお、エア洗浄作業音については、ガソリンスタンドにおけるものについて判定を行った。
図5は、水素ガス漏洩音について得られた判定値の時系列データを示すグラフである。グラフから明らかなように、水素ガス漏洩音について得られた判定値の時系列データにおいては、ほぼ連続的に1に近い判定値が出力されている。
一方、図6は、エア洗浄作業音について得られた判定値の時系列データを示すグラフである。エア洗浄作業音は、作業員が作業することにより発生する音である。このため、エア洗浄作業音は、ガス漏洩音に類似するものの、作業に伴って時間的に大きく変化する。このようなエア洗浄作業音を、非線形で応答する関数であるニューラルネットワークモデルにより判定すると、その変化は更に強調されたものとなった。すなわち、図6に示すグラフから明らかなように、エア洗浄作業音について得られた判定値の時系列データにおいては、時間によって判定値が大きく変化している。
図7は、水素ガス漏洩音について得られた判定値の時系列データ、及びエア洗浄作業音について得られた判定値の時系列データについてトレンド処理を行った結果を示すグラフである。トレンド処理では、水素ガス漏洩音についての判定値の時系列データ、及びエア洗浄作業音についての判定値の時系列データについて、それぞれ所定の期間における判定値の平均値及び標準偏差を求め、横軸に平均値、縦軸に標準偏差をとりプロットした。平均値及び標準偏差は、それぞれ過去10秒間における10点の判定値データから求めた。平均値及び標準偏差を求めた期間は、トレンドとともに変化させ、それぞれの期間について平均値及び標準偏差を求めた。
図7に示すグラフから分かるように、水素ガス漏洩音とエア洗浄作業音とは、平均値の閾値a及び標準偏差の閾値bにより仕切られた互いに大きく異なる領域にプロットされた。すなわち、グラフの横軸である平均値をx、縦軸である標準偏差をyとして、水素ガス漏洩音は、x≧a且つy≦bを満たす領域にプロットされた。また、エア洗浄作業音は、x<a且つy>bを満たす領域にプロットされた。なお、グラフ中には示していないが、正常音は、x<a且つy<bを満たす領域にプロットされる。
このように、ニューラルネットワークモデルによる判定値の時系列データについて、平均値及び標準偏差を用いたトレンド処理を行うことにより、水素ガス漏洩音は、これに類似するエア洗浄作業音と明確に仕訳されて検知されることが確認された。
以上の通り、本実施形態によれば、監視対象において音響を検出して音響信号を生成し、音響信号の周波数スペクトルを計算し、ニューラルネットワークのモデルを用い、周波数スペクトルに基づき、監視対象における状態を正常から異常まで数値化した判定値を生成し、所定の期間に生成された判定値の時系列データについて平均値及び標準偏差を算出し、算出された平均値と平均値の閾値とを比較し、算出された標準偏差と標準偏差の閾値とを比較することにより、監視対象の異常を検知するので、異常として検知すべきガスの漏洩音を、そのガスの漏洩音に類似する作業音と高精度で仕訳して検出することができる。
[変形実施形態]
本発明は上記実施形態に限らず種々の変形が可能である。
例えば、上記実施形態では、水素製造プラントや水素ステーション等の水素を取り扱う監視対象設備における水素ガスの漏洩音を異常として検知する場合に本発明を適用したが、本発明の適用範囲はこれに限定されるものではない。本発明は、例えば、天然ガス、石油系ガス等を取り扱う設備におけるガスの漏洩音を異常として検知する場合に広く適用することができる。
また、上記実施形態では、監視対象設備におけるガスの漏洩音を異常として検知する場合について説明したが、本発明は、種々の監視対象の異常を音響に基づき検知する場合に広く適用することができる。
本発明の一実施形態による異常検知装置の構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態による異常検知装置におけるニューラルネットワーク判定部により出力される判定値の時系列データの典型例を示す表である。 本発明の一実施形態による異常検知装置におけるトレンド処理部により判定値の時系列データについてトレンド処理を行った結果を示すグラフである。 本発明の一実施形態による異常検知装置における異常検出部の処理を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態による異常検知方法において水素ガス漏洩音について得られた判定値の時系列データを示すグラフである。 本発明の一実施形態による異常検知方法においてエア洗浄作業音について得られた判定値の時系列データを示すグラフである。 本発明の一実施形態による異常検知方法におけるトレンド処理の結果を示すグラフである。
符号の説明
10…集音部
12…周波数パターン分析部
14…異常検出部
16…マイクロフォン部
18…アナログアンプ部
20…A/D変換部
22…フーリエ変換部
24…ニューラルネットワーク判定部
26…トレンド処理部
28…識別部

Claims (6)

  1. 監視対象において音響を検出して音響信号を出力する集音部と、
    前記音響信号の周波数スペクトルを計算し、ニューラルネットワークのモデルを用い、前記周波数スペクトルに基づき、前記監視対象における状態を、正常から異常までに応じた数値に数値化した判定値を出力する周波数パターン分析部と、
    所定の期間に出力された前記判定値の時系列データに基づき前記監視対象の異常を検出する異常検出部と
    を有することを特徴とする異常検知装置。
  2. 請求項1記載の異常検知装置において、
    前記異常検出部は、前記所定の期間に出力された前記判定値の時系列データについて、前記判定値の平均値及び標準偏差を算出し、算出された前記平均値と第1の閾値とを比較し、算出された前記標準偏差と第2の閾値とを比較することにより、前記監視対象の前記異常を検出する
    ことを特徴とする異常検知装置。
  3. 請求項2記載の異常検知装置において、
    前記異常検出部は、前記平均値が前記第1の閾値以上であり、且つ前記標準偏差が前記第2の閾値以下の場合に、前記監視対象の状態が異常であると判定する
    ことを特徴とする異常検知装置。
  4. 請求項2又は3記載の異常検知装置において、
    前記異常検出部は、前記所定の期間として5〜30秒間に出力された前記判定値の前記時系列データについて前記平均値及び前記標準偏差を算出する
    ことを特徴とする異常検知装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の異常検知装置において、
    前記監視対象は、水素ガスが取り扱われる水素ステーションであり、
    前記異常検出部は、前記水素ガスの漏洩を前記異常として検出する
    ことを特徴とする異常検知装置。
  6. 監視対象において音響を検出して音響信号を生成し、
    前記音響信号の周波数スペクトルを計算し、ニューラルネットワークのモデルを用い、前記周波数スペクトルに基づき、前記監視対象における状態を、正常から異常までに応じた数値に数値化した判定値を生成し、
    所定の期間に生成された前記判定値の時系列データに基づき前記監視対象の異常を検出する
    ことを特徴とする異常検知方法。
JP2006326774A 2006-12-04 2006-12-04 異常検知装置及び方法 Active JP4845695B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006326774A JP4845695B2 (ja) 2006-12-04 2006-12-04 異常検知装置及び方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006326774A JP4845695B2 (ja) 2006-12-04 2006-12-04 異常検知装置及び方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008140222A true JP2008140222A (ja) 2008-06-19
JP4845695B2 JP4845695B2 (ja) 2011-12-28

Family

ID=39601589

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006326774A Active JP4845695B2 (ja) 2006-12-04 2006-12-04 異常検知装置及び方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4845695B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010066244A (ja) * 2008-09-13 2010-03-25 Chugoku Electric Power Co Inc:The 設備異常診断方法およびシステム
JP2014182092A (ja) * 2013-03-21 2014-09-29 Jx Nippon Oil & Energy Corp 異常検知方法及び異常検知装置
JP2019027897A (ja) * 2017-07-28 2019-02-21 キヤノン株式会社 複数のエア機器を監視する漏洩監視システム
CN112067323A (zh) * 2019-06-11 2020-12-11 株式会社日立制作所 自动检查系统

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102416474B1 (ko) * 2020-11-11 2022-07-05 한국생산기술연구원 기계학습 기반 고장 진단 장치 및 방법

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02136713A (ja) * 1988-11-17 1990-05-25 Toshiba Corp プラント設備診断システム
JPH07200044A (ja) * 1993-12-28 1995-08-04 Hitachi Ltd プラント制御装置
JPH07319533A (ja) * 1994-05-20 1995-12-08 Hitachi Ltd プラント制御装置
JP2000207019A (ja) * 1999-01-18 2000-07-28 Toshiba Corp プラント監視装置
JP2003029818A (ja) * 2001-07-10 2003-01-31 Toshiba Corp 故障診断システム及び故障診断プログラム
JP2006072555A (ja) * 2004-08-31 2006-03-16 Secom Co Ltd 生体情報画像補正装置
JP2006252928A (ja) * 2005-03-10 2006-09-21 Toyota Motor Corp 燃料電池システム

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02136713A (ja) * 1988-11-17 1990-05-25 Toshiba Corp プラント設備診断システム
JPH07200044A (ja) * 1993-12-28 1995-08-04 Hitachi Ltd プラント制御装置
JPH07319533A (ja) * 1994-05-20 1995-12-08 Hitachi Ltd プラント制御装置
JP2000207019A (ja) * 1999-01-18 2000-07-28 Toshiba Corp プラント監視装置
JP2003029818A (ja) * 2001-07-10 2003-01-31 Toshiba Corp 故障診断システム及び故障診断プログラム
JP2006072555A (ja) * 2004-08-31 2006-03-16 Secom Co Ltd 生体情報画像補正装置
JP2006252928A (ja) * 2005-03-10 2006-09-21 Toyota Motor Corp 燃料電池システム

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010066244A (ja) * 2008-09-13 2010-03-25 Chugoku Electric Power Co Inc:The 設備異常診断方法およびシステム
JP2014182092A (ja) * 2013-03-21 2014-09-29 Jx Nippon Oil & Energy Corp 異常検知方法及び異常検知装置
JP2019027897A (ja) * 2017-07-28 2019-02-21 キヤノン株式会社 複数のエア機器を監視する漏洩監視システム
JP7043197B2 (ja) 2017-07-28 2022-03-29 キヤノン株式会社 情報処理システム、生産システム、物品の製造方法、制御方法、プログラム、記録媒体、情報処理装置
CN112067323A (zh) * 2019-06-11 2020-12-11 株式会社日立制作所 自动检查系统
JP2020201743A (ja) * 2019-06-11 2020-12-17 株式会社日立製作所 自動点検システム
US11422527B2 (en) 2019-06-11 2022-08-23 Hitachi, Ltd. Automatic inspection system
JP7133512B2 (ja) 2019-06-11 2022-09-08 株式会社日立製作所 自動点検システム

Also Published As

Publication number Publication date
JP4845695B2 (ja) 2011-12-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8955383B2 (en) Ultrasonic gas leak detector with false alarm discrimination
RU2488815C2 (ru) Способ и устройство для классификации генерирующих звук процессов
US9091613B2 (en) Multi-spectral ultrasonic gas leak detector
US10704982B2 (en) Sensor recording analysis apparatus and method
JP4845695B2 (ja) 異常検知装置及び方法
JPH09166483A (ja) 機器監視方法及びその装置
CA2098943A1 (en) System and method for dectecting cutting tool failure
Liguori et al. Outlier detection for the evaluation of the measurement uncertainty of environmental acoustic noise
US20130250729A1 (en) Method and system for monitoring fire based on detection of sound field variation
CN113138011A (zh) 一种新型振动噪声测试方法
KR20090010430A (ko) 기계 장치의 고장 진단 장치
US20150308920A1 (en) Adaptive baseline damage detection system and method
CN111788387A (zh) 用于监视风力涡轮机的方法和装置
US20050102116A1 (en) High-resolution intelligent rotor machine diagnostic system and method
Liguori et al. Towards the evaluation of the measurement uncertainty of environmental acoustic noise
KR19990082532A (ko) 이상 검출 방법 및 이상 검출 시스템
JPH09229762A (ja) 機器異常監視方法および装置
JPH0484754A (ja) 材料の健全性評価法
JP3693644B2 (ja) 設備の運転状態音響監視方法および設備の運転状態音響監視装置
EP2795926B1 (en) Remote communication and control of acoustic detectors
JP2006201012A (ja) 環境振動監視方法と装置
JP2004340706A (ja) 機器の診断装置
JP5900296B2 (ja) 振動解析装置、振動解析方法、及び振動解析プログラム
CN115406912A (zh) 一种放射源检测方法、系统及存储介质
CN211477587U (zh) 在线安全预警装置和故障诊断系统

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090811

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20100819

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101109

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20101111

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101227

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110329

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110527

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111011

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111011

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141021

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4845695

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250