JP3716866B2 - デジタル画像信号の伝送装置及び受信装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は、低ビットレートでの伝送が可能な、デジタル画像信号の伝送装置及びその受信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
動画像のデジタル画像データは、非常に多量の情報を含んでおり、これをそのまま伝送しようとすると、伝送ビットレートが非常に高くなってしまう。このため、磁気テープや光磁気ディスクなどを用いてデジタル画像データを記録再生するように、伝送ビットレートが制限された低いレートの伝送媒体を用いて伝送するようにする場合には、従来は、一般的に、画像が時空間の情報であることを利用してデータ圧縮するようにしている。
【0003】
例えば、デジタル画像データのフレーム間の差を取り、その差をDCT(ディスクリート・コサイン・トランスフォーム(離散コサイン変換))を用いてデータ圧縮するなど、デジタル画像データを圧縮して伝送するようにすることが、従来から行なわれている。さらには、テレビ会議などでは、画像が動きが少ないものであることに鑑み、フルフレームを伝送するのではなく、片フィールドのデータのみを伝送するようにするなど、情報量を間引いて伝送することなども行なわれている。
【0004】
片フィールドではなく、さらに伝送するフィールド数を少なくして時間情報を犠牲にし、空間情報は確保することにより、画像は綺麗であるが、動きがギクシャクするような場合もある。
【0005】
しかし、このように動きがギクシャクしたのでは、動画の良さが損なわれるので、1フレームあたりの画像データを、できるだけデータ圧縮してフルフレームを伝送し、空間解像度を犠牲にするが、動画としてフルモーションで再生できるようにする方法も考えられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来のデジタル画像信号の伝送方法は、画像データを、時間方向、あるいは空間方向にデータ圧縮して伝送レートを下げるように工夫している。
【0007】
しかしながら、データ圧縮のみにより伝送ビットレートを下げるようにした場合、例えば、時間方向に圧縮した場合には、動画像の動きが、ギクシャクとしたものとなり不自然な画像となってしまう。また、空間方向に圧縮したときは、空間解像度がそれだけ劣化するため、再生画像が劣化してしまう。
【0008】
すなわち、従来の方法は、データ圧縮のみによりビットレートを下げるようにしているため、時間方向あるいは空間方向のデータの一方を犠牲、あるいは両方を犠牲にしており、再生画像として満足のゆくものを得ることは、なかなかできなかった。
【0009】
この発明は、以上の点に鑑み、できるだけ美しい再生画が得られると同時に、動きがスムーズにできるように工夫した、デジタル画像信号の伝送装置、及びその受信装置を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、この発明によるデジタル画像信号の電装装置は、
背景と、上記背景上において動く少なくとも1個の動き物体からなる画像のデジタル画像信号を伝送する装置であって、
上記背景の静止画情報からなる背景プレーン情報を予め記憶する背景プレーンメモリと、
上記動き物体の静止画情報からなる動物体プレーン情報を予め記憶する動物体プレーンメモリと、
上記背景プレーンメモリの上記背景プレーン情報と、上記デジタル画像信号の現在フレームの情報とから動き画素を抽出し、当該抽出した動き画素から、上記動き物体の、上記現在フレームについての動物体プレーン情報を分離する動物体プレーン分離手段と、
上記動物体プレーン分離手段で分離された上記動き物体の上記現在フレームについての動物体プレーン情報の、上記動物体プレーンメモリに記憶されている動物体プレーン情報に対する変化情報である動物体プレーン変化情報を検出する変化情報検出手段と、
上記背景プレーンメモリに記憶されている上記背景プレーン情報及び上記動物体プレーンメモリに記憶されている上記動物体プレーン情報を伝送すると共に、上記変化情報検出手段で検出された上記動物体プレーン変化情報をフレーム毎に伝送する伝送手段と
を備えてなることを特徴とする。
【0011】
【作用】
上記の構成のこの発明によれば、例えば、特定の画像内容からなる1つのシーンについて考えたとき、そのシーンの画像は、固定の静止画と考えられる背景画と、それぞれ動きが異なる1〜複数個の動き物体からなるものとして考えることができる。
【0012】
すなわち、この発明においては、動画の1フレームの二次元画像を、背景及び複数個の動き物体のそれぞれの静止画からなる二次元プレーンの重なりと捕らえる。そして、動き物体については、その動き物体の動き方向、移動距離、物体の形状変化などの変化情報を抽出する。そして、動画データとして、上記の背景画プレーン及び動き物体プレーンを伝送すると共に、動き物体プレーンについての変化情報を伝送する。
【0013】
受信側では、背景プレーンの背景画の上に、動き物体プレーンの動き物体を、その変化情報に応じて重ねることにより、動画を再生するようにする。
【0014】
この場合、それぞれの背景プレーン及び動き物体の動きプレーンは1枚の静止画であって、この静止画の情報は、1つのシーンの一番最初に、それぞれ伝送すれば足りる。数秒以上からなる1シーンについて、それぞれ1枚の静止画を伝送すればよいから、これは、低い伝送レートであっても、大量のデータ量を伝送することができる。したがって、高画質となる。そして、変化情報は、高々、数ビットでよいので、1シーンの内の静止画情報を伝送した残りの時間であっても、余裕を持ってリアルタイムで伝送することも可能である。
【0015】
【実施例】
以下、この発明によるデジタル画像信号の伝送装置及びその受信装置のいくつかの実施例を、光磁気ディスクに対してデジタル画像信号を記録再生する装置の場合を例にとって、図を参照しながら説明する。
【0016】
図1は、第1の実施例の装置のディスク駆動系及びブロック図を示し、この例の装置は、ビデオカメラ部1と、記録信号系2と、全体の制御を行うためのシステムコントローラ3と、ディスク駆動系10とからなり、ビデオカメラ部1の撮像出力信号が、記録信号系2を介して記録されるようにされている。
【0017】
ディスク駆動系10において、11は光磁気ディスクである。この光磁気ディスク11は、カートリッジ11A内に収納されて構成されている。また、ディスク11には、予め、トラッキング制御用のプリグルーブが形成されていると共に、この例の場合には、このプリグルーブにトラッキング用のウォブリング信号に重畳して絶対アドレスデータが記録されている。この絶対アドレスデータは、この記録時の記録トラック位置制御、また、後述する再生時の再生走査トラック位置制御のために用いられる。
【0018】
ディスク11は、スピンドルモータ12により回転される。スピンドルモータ12の回転は、サーボ制御回路15により制御され、ディスク11が、例えば線速度一定の状態で回転するように制御される。
【0019】
ディスク11にはシャッターが設けられており、ディスク11がディスク装着トレイ上に載置され、装置に装填されると、シャッターが開かれる。そして、ディスク11のシャッター開口部の上部には記録用の磁気ヘッド13が対向して配置され、ディスク11のシャッター開口部の下部には光ピックアップ14が対向して配置される。
【0020】
光ピックアップ14は発光部と受光部とを有し、送りモータ16により、ディスク11の径方向に移動制御される。また、サーボ制御回路15により、光ピックアップ14のフォーカス及びトラッキング制御がなされる。
【0021】
システムコントローラ3は、マイクロコンピュータを搭載して構成されており、全体の動作を管理している。このシステムコントローラ3には、キー群4からキー入力信号が与えられる。キー群4には、撮像録画スタンバイキー、撮像録画スタートキー、再生キー、停止キーなどが含まれる。
【0022】
そして、カメラ部1からの撮像信号は、A/Dコンバータ21に供給されて、例えば1画素サンプルが8ビットで表されるデジタル画像信号に変換されて、信号処理回路22に供給される。この信号処理回路22では、カメラ部1により撮像されたシーンの画像を、動きのない固定の背景の静止画からなる背景プレーンと、この背景上で動くそれぞれの動き物体を示す静止画からなる複数個の動物体プレーンとに分離する。
【0023】
撮像画像が例えば図2に示すような2次元画像30の場合、図に示すように、動きのない建造物などからなる固定の静止画が背景プレーン31として抽出される。そして、動き物体としては、図2の例では、飛行機と、猿と、自動車とが認識されて、それぞれ動物体プレーン32、33、34として分離される。
【0024】
信号処理回路22では、分離した背景プレーンを、背景プレーンメモリ23BGに書き込む。また、分離したn個の動物体プレーンは、それぞれ動物体プレーンメモリ23A1〜23An(nは自然数)に書き込む。以上の背景プレーン及び動物体プレーンの分離のための具体実施例については後述する。
【0025】
以上のようにして、背景プレーン及び複数個の動物体プレーンに分離されて、プレーンメモリ23BG及び23A1〜23Anに書き込まれた各静止画の画像情報は、この例では、実際にビデオカメラによって撮像録画を開始する前の、準備段階で予めディスク11に記録される。すなわち、通常、撮像録画を始める際には、それに先立ってスタンバイモードとされて、ビデオカメラ部1が動作状態とされ、ビューファインダで撮像する構図を決める。この例では、この時間を利用して、背景プレーン及び動物体プレーンを分離生成し、記録及び伝送する。
【0026】
すなわち、図3に示すように、この例では、1シーンの記録を、準備期間と、実際の撮像録画期間とで行う。そして、準備期間において、上述のプレーン分離処理と、分離したプレーン情報の記録処理を行う。
【0027】
この場合、各プレーン情報を、例えば図4に示すように480ライン×720画素で構成し、また、1画素のデータを、輝度信号Y(8ビット)及び色情報U、V(8ビット)とで構成すると、各プレーンの静止画情報は、それぞれ約5.6Mビットの情報量を有する。このまま圧縮せずに、ディスク11に記録することもできるが、ディスクへのデータの記録レートが、例えば1.2Mbpsであるとすると、1プレーン当たり約5秒で記録ができ、4枚のプレーンでは20秒掛かってしまう。
【0028】
このため、この例では、各プレーンメモリ23BG及び23A1〜23Anに書き込まれた画像情報は、圧縮回路24に供給されて、各プレーン情報が適当に圧縮されて、記録処理回路25に供給される。この記録処理回路25では、データをセクタ構造にするなど、ディスク11の記録フォーマットに適合するデータ処理が行われる。この記録処理回路25の出力データは、順次、ヘッド駆動回路27を介して記録用磁気ヘッド13に供給され、磁界変調オーバーライト方式でディスク11に光磁気記録される。
【0029】
圧縮回路24での、データ圧縮率が1/10であれば、上記の4枚のプレーン情報は、2秒の準備時間で記録できる。1.2Mbpsで同じ情報量の動画データのフルフレームを伝送する場合には、データ圧縮率は1/100以上になるので、これと比べると、プレーン情報の画質の劣化は非常に少ない。
【0030】
そして、この例においては、ビデオカメラ部1で、実際の撮像録画開始キーを操作した後の撮像録画期間では、各動物体プレーンに登録されている動き物体の動き方向及び動き量及び回転や形状変化などの動き変化情報を生成すると共に、生成した動き変化情報をリアルタイムでディスク11に記録する処理を行う。
【0031】
動き変化情報検出回路300は、このため、撮像録画モードにおいては、分離した背景プレーン及びn個の動物体プレーンの情報を用いて、入力デジタル画像信号から、それぞれの動物体プレーンの動き物体の動き変化情報を求める。そして、この動き変化情報を圧縮符号化回路26に供給し、適当な圧縮率で圧縮符号化を行い、記録処理回路25を介してヘッド駆動回路27に供給する。この場合、記録される動き変化情報は、後述もするように、僅かなビット数となり、1.2Mbpsの低伝送レートであっても、リアルタイムで十二分に伝送できる。この動き変化情報の検出方法の具体的な実施例は後述する。
【0032】
光磁気ディスク11では、次のようにしてデータの記録が行われる。すなわち、ヘッド駆動回路27を介して記録用磁気ヘッド13に供給されることにより、記録データで変調された磁界がディスク11の所定位置において印加される。また、光ピックアップ14からのレーザービームがディスク11の同一位置に照射される。この記録時は、記録トラックには、再生時より大きな一定のパワーのレーザ光が照射されている。この光照射と、磁気ヘッド13による変調磁界とにより、ディスク11には熱磁気記録によってデータが記録される。磁気ヘッド13と光ピックアップ14とは、共に同期してディスク11の半径方向に沿って移動できるように構成されている。
【0033】
また、記録時においては、光ピックアップ14の出力がRFアンプ28を介してアドレスデコーダ29に供給されて、ディスク11のトラックに沿って設けられたプリグルーブにウォブル記録されている絶対アドレスデータが抽出され、デコードされる。そして、その検出された絶対アドレスデータが、記録処理回路25に供給され、記録データ中に挿入されて、ディスク11に記録される。また、絶対アドレスデータは、システムコントローラ3に供給され、記録位置の認識及び位置制御に用いられる。
【0034】
そして、各シーンの背景プレーン情報、動物体プレーン情報及び動き変化情報がそれぞれどのトラック、さらには、どのセクタに記録されているかの情報が、ディスクの最内周に設けられるTOC(Table Of Contents)領域と呼ばれるディスク管理エリアに記録される。
【0035】
なお、この記録時、RFアンプ28からの信号がサーボ制御回路15に供給され、ディスク11のプリグルーブからの信号からスピンドルモータ12の線速度一定サーボのための制御信号が形成され、スピンドルモータ12が速度制御される。
【0036】
図5は、第1の実施例における信号処理回路22の一実施例のブロック図である。
すなわち、入力端子41を通じたA/Dコンバータ21からの1画素が8ビットで表される画像データは、フレームメモリ42に供給されるとともに、減算回路44及び減算回路45に供給される。また、入力画像データは、データセレクタ61を介して動物体プレーン分離回路62に供給される。
【0037】
フレームメモリ42は、1画素8ビットのデータを1フレーム分記憶し、減算回路44において、入力画素データから前のフレームの同一サンプリング位置に対応する画素データが減算される。この減算回路44の差出力は、絶対値化回路46に供給されて、各画素毎に絶対値とされ、比較回路47に供給される。
【0038】
比較回路47には、端子48を通じて、しきい値θ1が供給され、絶対値化回路46からの差出力の絶対値がしきい値θ1未満のときには「1」となり、しきい値θ1以上のときには「0」となる判定出力が得られる。この判定出力は、重み係数制御回路49に供給される。
【0039】
図5において、23BGは、背景プレーンメモリであって、後述するように、初期状態を経過すると、この背景プレーンメモリ23BGに背景プレーン画像(静止画)が格納される。
【0040】
また、50は、1フレーム分の重み係数が格納される重み係数メモリである。この重み係数メモリ50には、例えば、3ビットの重み係数が記憶される。
【0041】
フレームメモリ42、背景プレーンメモリ23BG及び重み係数メモリ50は、入力端子43を介してシステムコントローラ3から供給されるアドレス制御信号により、共通にアドレス制御され、同一のアドレスが指定されるようにされている。
【0042】
減算回路45では、入力画素データから背景プレーンメモリ23BGに記憶された画像データが減算され、この減算回路45の差出力が絶対値化回路51に供給され、差出力の絶対値が各画素毎に求められる。この絶対値化回路51からの差の絶対値は、比較回路52に供給され、端子53を通じたしきい値θ2と比較され、入力画素データと背景画素データの差出力の絶対値が、しきい値θ2未満のときに「1」となり、しきい値θ2以上のときに「0」となる判定出力が、この比較回路52から得られる。この比較回路52よりの判定出力は、重み係数制御回路49に供給される。
【0043】
減算回路45からの入力画素データと背景画素データとの差出力は、また、乗算回路54に供給され、重み係数制御回路49から発生する重み係数αが乗じられる。この乗算回路54の乗算出力は、加算回路55に供給されて、背景プレーンメモリ23BGに記憶された背景画素データと加算され、その加算出力が背景プレーンメモリ23BGに書き込まれる。
【0044】
重み係数制御回路49からの重み係数が、重み係数メモリ50に書き込まれる。この重み係数メモリ50から読み出された重み係数は、重み係数制御回路49に供給される。
【0045】
重み係数制御回路49は、比較器47及び52の判定出力から画素データが動き画素かどうかの判定を行なっている。
【0046】
以上の構成において、背景プレーンメモリ23BG、減算回路45、乗算回路54及び加算回路55は、背景プレーンメモリ23BGを1フレーム遅延素子として用いたデジタルフィルタを構成している。すなわち、重み係数をαとし、kフレーム目の入力画素データをZkとし、背景プレーンメモリ23BGから読み出された背景画像データをX(k−1)とするとkフレーム目の背景画素データ(推定値)Xkは、次式で示されるものとなる。
【0047】
この例においては、背景が変化しない1シーンの間では、αを例えば、1/16に固定している。入力画像中に含まれるホワイト雑音は、上の式で表わされる演算を複数フレームにわたって繰り返すことにより除去され、背景プレーンメモリ23BGに蓄えられている背景画像のS/Nが改善される。
【0048】
また、シーンが変わるときなどのように、背景が切り替わるときには、つまり、撮像シーンが、別の撮像シーンに変わった場合には、応答時間を短くするとともに有色雑音の影響を受けないように、重み係数αを1/16から1フレームごとに2倍にしてゆく。つまり、1/16→1/8→1/4→1/2→1と指数関数的に増加する重み係数αを用い、徐々に背景画像の更新を行なうようにしている。したがって、重み係数αは、5種類あり、それぞれが3ビットにより表現されている。重み係数αを2のべき乗にしているのは、乗算回路54をシフトレジスタあるいはセレクタによって実現するためである。
【0049】
この例においては、初期状態を経過すると、背景プレーンメモリ23BGに背景静止画データが格納される。減算回路45及び絶対値化回路51により、現画素と背景画素の差の絶対値が検出される。この差の絶対値と、しきい値θ2が比較回路52により比較され、差の絶対値が、しきい値θ2未満のときに、現画素が背景画像のものであると判定されて、次のような処理が行なわれる。
【0050】
すなわち、このときは、重み係数αが2-4(=1/16)に固定される。そして、乗算回路54において、減算回路45の出力に、この重み係数αが乗じられ、背景プレーンメモリ23BGの出力と加算回路55において加算される。そして、その加算出力が背景プレーンメモリ23BGの同一アドレスに書き込まれ、背景プレーンメモリの更新が行なわれる。このときの重み係数は、重み係数メモリ50に書き込まれる。
【0051】
現画素と背景画素の差の絶対値が、しきい値θ2以上であると比較回路52において判定されたときには、減算回路44及び絶対値化回路46により検出された現画素と、前フレームの対応する画素との差の絶対値が、しきい値θ1未満か、または、しきい値θ1以上かが比較回路47の出力として調べられる。この比較回路47の出力が、しきい値θ1未満のときには、次のような処理が行なわれる。
【0052】
すなわち、しきい値θ1未満である場合には、シーンチェンジなどにより、背景が切り替わったときのもので、最初に重み係数メモリ50に記憶されている重み係数α(=1/16)が読み出され、乗算器54によって、この重み係数αが減算回路45の出力信号に対して乗じられる。したがって、このフレームでなされる背景画素の更新は、
Xk=15/16・X(k−1)+1/16・Zk
で示される上述と同様のものである。
【0053】
背景画素の更新がなされると、重み係数制御回路49において、αが2倍にされるとともに、この2倍にされた新たな重み係数が1より大きいかどうかが判定され、1より小さければ、この2倍された重み係数αが、重み係数メモリ50に格納される。1/16の重み係数からスタートすると、(1/8→1/4→1/2→1)と1フレームごとに重み係数αが変化する。
【0054】
背景が切り替わって、上述のように重み係数αが変化し、α=1となる5フレーム後まで、上述と同様の背景画素の更新の処理には移行しない。したがって、有色雑音が誤って新たな背景画素として検出されて、重み係数を変更させる処理を受ける場合でも、正しい背景画素が保存されることになる。この重み係数αの変化の仕方は、背景画素の更新時の応答性を良くするとともに、有色雑音を除去できるように設定される。
【0055】
比較回路47において、現画素と前フレーム画素との差の絶対値が、しきい値θ1以上であると判定されたときには、これは、現画素が動き画素であると判定されるもので、この場合には、背景プレーンメモリ23BGの更新は行なわれない。この動き画素については、以下に述べるようにして、動きプレーンの分離の処理が行なわれる。
【0056】
重み係数制御回路49においては、比較回路52において、現画素と背景画素との絶対値が、しきい値θ2以上であると検出され、かつ、比較回路47の出力から、現画素と前フレーム画素との差の絶対値が、しきい値θ1以上である場合に、動き画素として検出されるものである。
【0057】
重み係数制御回路49からの動き画素の検出信号は、データセレクタ61に供給され、このデータセレクタ61に入力されている入力端子41からの入力デジタル画素データがゲート制御される。このデータセレクタ61は、現画素が動き画素のときに、入力端子41からの画像データを出力するように切り換えられる。したがって、入力画素(現画素)が動き画素でないときには、データセレクタ61の出力は「0」となり、入力画素が動き画素のときには、その画素データ(これは「0」ではないデータである。以下、「0」でないことをノンゼロという)が、このデータセレクタ61から出力される。
【0058】
62は、動物体プレーン分離回路で、1フレーム分の画素データを記憶可能な差分メモリ(フレームメモリ)62Mを備え、データセレクタ61の出力がこのメモリ62Mに入力される。このメモリ62Mは、入力端子43からのアドレス制御信号により、前述のフレームメモリ42、背景プレーンメモリ23BG及び重み係数メモリ50と同じアドレス制御を受ける。
【0059】
したがって、差分メモリ62Mには、背景画が現画像から除去されて、ノンゼロのデータからなる動き画素の集合からなる複数個の動き物体の画像のみからなる差分画像が蓄えられることになる。そして、図6に示すように、動き物体のノンゼロ画素データ以外の画素のデータとしては、「0」データが、メモリ62Mに書き込まれている。
【0060】
こうして差分メモリ62Mには、1枚の2次元画像中の複数個の動き物体の画素のデータが、「0」でないレベルを有するノンゼロ画素データとして書き込まれ、動き物体の画素以外の背景画の静止画部分の画素データはオール「0」のデータとして記憶されるものである。したがって、複数個の動き物体が互いに重なり合っていないとすれば、差分メモリ62Mの画素データを順次走査して、近接画素同志で、「0」でないノンゼロ画素データを関連付けてマージ(統合)することにより、各動き物体のそれぞれのみからなる動物体プレーンを分離することが可能になる。
【0061】
63は、マイコンであって、動物体プレーン分離回路62の差分メモリ62Mをラスタースキャンの方向に順次検索し、以下のようにして各動き物体ごとにプレーン分離し、分離した動物体プレーンの情報を対応するアドレスにおいて、各動物体プレーンメモリ23A1〜23Anに書き込むようにするものである。なお、動物体プレーンメモリ23A1〜23Anのそれぞれのすべてのアドレスには、予め、「0」が書き込まれており、各動き物体の画素のみが、差分メモリ62Mと同じアドレスにおいて、いづれかの動物体プレーンメモリに書き込まれるものである。
【0062】
図8及び図9は、マイコン63の動物体プレーンの分離のための処理のフローチャートである。すなわち、この場合の動き物体の分離の処理は、まず、ステップ101において、ラスタースキャンにしたがって画素データを検索する。そして、ステップ102で、スキャンした画素データがノンゼロの画素データであったならば、ステップ103に進んで、その周囲の画素データがノンゼロかどうかをチェックする。この例の場合には、図7に示すように、注目画素xの周辺の上下左右の8画素a〜hのデータをチェックする。
【0063】
そして、次のステップ104において、8画素a〜hのいづれのデータもノンゼロでなかったとき、すなわち、全てゼロであったときには、注目画素xは、孤立点と見做してステップ104からステップ101に戻って、次の画素データを検索する。すなわち、動き物体は、1つのみの画素で形成されるとは考えられないので、この場合はノイズによるものと見做す。
【0064】
ステップ104において、8画素a〜hの内の1つでもノンゼロの画素があったときには、ステップ104からステップ105に進み、注目画素xの左の画素dと、上(1ライン前)の画素bとがノンゼロの画素であるか否かをチェックして、次のステップ106に進む。ここで、左の画素dと上の画素bとをチェックするのは、ラスタースキャンの順番にしたがって既にチェック済みの画素との比較を行うためである。
【0065】
次のステップ106では、左及び上の画素d及びbが、両方共にノンゼロでないか否か判別され、共にノンゼロでない、つまり動き画素でないときには、ステップ107に進んで、動物体プレーンメモリのメモリ番号(以下、単にメモリ番号という)として新番号を設定する。すなわち、フレームメモリ群23A1〜23Anのいずれに記憶するかを表す番号を設定する。そして、ステップ108に進んで、そのメモリ番号を当該画素のアドレスに対応してマイコン63内のメモリに記憶しておく。
【0066】
その後、ステップ109に進んで、差分メモリ62Mの全画素についての処理が終了したか否か判別し、全画素についての処理を終了したときには、この処理ルーチンを終了する。また、全画素については終了していないときには、ステップ101に戻って、次の動き画素の検索を始める。
【0067】
また、ステップ106において、左及び上の画素d及びbのうち少なくともいずれかはノンゼロの画素であると判別されたときには、ステップ106からステップ110に進み、両方共にノンゼロであるか否か判別される。そして、両方共ノンゼロであると判別されたときには、ステップ110からステップ111に進み、両画素d、bについてマイコン63のメモリに記憶されているメモリ番号をチェックする。そして、次のステップ112に進んで、両画素d、bのメモリ番号が一致しているか否か判別する。
【0068】
ステップ112における判別の結果、両画素d、bのメモリ番号が一致しているときには、ステップ112からステップ108に進んで、その一致しているメモリ番号を当該注目画素xのアドレスに対応してマイコン63のメモリに記憶する。
【0069】
また、ステップ112における判別の結果、両画素d、bのメモリ番号が一致していないと判別されたときには、ステップ112からステップ113に進んで、左の画素dのメモリ番号を選択して、そのメモリ番号を当該注目画素xのアドレスに対応させて記憶すると共に、左の画素dのメモリ番号と上の画素bのメモリ番号とは、関連があり、メモリ番号は異なっても1つの動き物体の画素であることを示す情報をマイコン63のメモリに記憶する。
【0070】
これは、動き物体が、ある水平走査ラインのデータでは飛んだ位置の画素であるが、後のラインの画素のサーチの結果、同一の動き物体の画素として繋がっていることが判明する場合を示している。
【0071】
ステップ110における判別の結果、両方共にはノンゼロではないときには、このステップ110からステップ115に進み、左の画素dがノンゼロであるか否か判別する。その判別の結果、左の画素dがノンゼロであるときには、ステップ116に進んで、その画素dのメモリ番号をチェックし、その後、ステップ108に進んで、その注目画素xのアドレスに対応して、画素dと同じメモリ番号をマイコン63のメモリに記憶する。
【0072】
ステップ115の判別の結果、左の画素dがノンゼロでない、つまり上の画素bがノンゼロであると判別されたときには、ステップ117に進んで、上の画素bのメモリ番号をチェックし、その後、ステップ108に進んで、その注目画素xのアドレスに対応して、画素bと同じメモリ番号をマイコン63のメモリに記憶する。
【0073】
前述したように、ステップ108の次には、ステップ109に進んで、差分メモリ62Mのすべての画素についてのサーチを終了したか否か判別して、終了していなければ、ステップ101に戻って以上の処理ルーチンを繰り返し、全画素のサーチが終了したら、この処理ルーチンを終了する。
【0074】
ここで、上記処理ルーチンについて、図10及び図11を参照してさらに説明する。
【0075】
図10は、差分メモリ63Mに記憶された1画面分の画像データを示し、その中央部すなわちゼロ以外の数字が記載されている部分は、動物体プレーン分離回路62によって動物体として検出された部分である。
【0076】
マイコン63は、ラスタースキャンの順番にしたがって上記差分メモリ62Mに記憶された画像データに対して上記処理ルーチンを行っていく。ここで、図11中に示す数字のうち、「0」は、静止画プレーンに記憶される画像データ、「1」及び「2」はフレームメモリ群23A1〜23Anのいずれかのフレームメモリに記憶される画素データを表す。
【0077】
まず、ラスター走査の順番にしたがって走査を行うと、図10において▲3▼で表された画素データに対してはステップ102においてノンゼロ画素であるとの検出が行われる。そして、この画素データは、周辺画素の中にノンゼロ画素があり、その左及び上の画素データ、すなわち、図7の画素b及び画素dに対応する画素データがともにゼロであるため、ステップ107において新たなメモリ番号を設定する。この場合、上記▲3▼の画素データは最初に検出されたノンゼロデータであるため、メモリ番号“1”が設定される。そして、このメモリ番号“1”がマイコンに内蔵されたメモリ63Mの対応画素位置に、図11に示すように記憶される。
【0078】
そして、次の画素データは値が「3」すなわちノンゼロであり、その左の画素データも値が「3」すなわちノンゼロ、その上の画素データは値が「0」であるので、ステップ116を経由してステップ108に進み、メモリ番号“1”が、メモリ63Mの対応画素位置に記憶される。同様にして、上記処理ルーチンを行っていくと、図10において▲4▼で表された画素データに対する処理ルーチンにおいては、この▲4▼の画素の周囲にはノンゼロデータがあり、その左及び上の画素データがともにゼロデータであるので、ステップ107を経由してステップ108に進み、メモリ番号“2”がメモリ63Mの対応画素位置に記憶される。
【0079】
次に、図10において△で囲まれた値「3」の画素データに対する処理ルーチンにおいては、この画素は、周囲にノンゼロ画素があり、その左がゼロデータ、その上がノンゼロのデータであるため、ステップ117を経由してステップ108に進み、メモリ番号“1”がメモリ63Mの対応画素位置に記憶される。すなわち、注目画素の左及び上の画素データがノンゼロのデータであるか否かを検出することにより、ラスタースキャンの順番にしたがってサーチしていった際に、同じ動き物体のデータを統合することができる。
【0080】
さらに、図10において□で囲まれた値「3」の画素データに対する処理ルーチンにおいては、この画素は、周囲にノンゼロデータがあり、その左及び上の画素データがともにノンゼロデータで、さらに、左及び上の画素データのメモリ番号が異なるので、ステップ114において、左の画素データと同じメモリ番号すなわちメモリ番号“1”が、メモリ63Mの対応画素位置に記憶されるとともに、上の画素すなわちメモリ番号“2”である画素と関連があることを示す情報が記録される。
【0081】
すなわち、ノンゼロである注目画素データの上の画素データと右の画素データが、ともにノンゼロである場合には、それら3つの画素データは同じ動き物体である可能性が大きい。しかし、ラスタースキャンの順番にしたがって上記処理ルーチンを行うと、同じ動き物体の画素データであるにも拘らず、上述のように異なるメモリ番号が与えられてしまう。
【0082】
そこで、この実施例では、注目画素データの周囲にノンゼロの画素データがあり、その左及び上の画素データがともにノンゼロのデータで、さらに左の画素データと上の画素データのメモリ番号が異なる場合には、両メモリ番号は関連するものであることを示すデータを記憶する。これによって、両メモリ番号は、異なるものとしてメモリ63Mに記憶されるが、フレームメモリ群23A1〜23Anに画素データを記憶する際には、同じフレームメモリに記憶されるようにしている。
【0083】
以上の差分メモリ62Mに対する画素サーチにより、マイコン63の内蔵メモリ63Mには、1つ1つの動き物体について、各動き物体に含まれる画素のアドレスに対して、メモリ番号が、他のメモリ番号との関連を表す情報と共に記憶される。マイコン63は、同じ動き物体と認識された画素のメモリ番号を、1つの動物体プレーンメモリのメモリ番号Noと対応付ける。これにより、それぞれの動き物体は、別々の動物体プレーンとして、次のようにして分離することができる。
【0084】
すなわち、マイコン63は、差分メモリ62Mから、動き画素データを順次読み出す。この差分メモリ62Mの読み出し出力は、動物体プレーンメモリ23A1〜23Anのそれぞれに入力される。また、マイコン63は、読み出した画素について上述のようにして設定し、記憶したメモリ番号Noの動物体プレーンメモリにのみ、書き込み画素アドレス(読み出し画素アドレスと同じでよい)を供給して、その動き画素を、そのメモリ番号Noの動物体プレーンメモリに書き込んでゆく。
【0085】
こうして、動物体プレーンメモリ23A1〜23Anのそれぞれには、1つ1つの動き物体が、分離されて、別々に記憶されるものである。
【0086】
以上説明した動物体プレーンの分離方法では、差分メモリ62Mを、テレビジョン走査と同様の順に水平、垂直に画素をサーチして、同じ動き物体に含まれる画素をマージするようにしたが、1つの動き画素を検出したとき、その周囲の画素を順次サーチしてノンゼロの画素を追跡し、マージしてゆくと共に、そのマージした画素データを、1つの動物体プレーンメモリに同時に順次書き込んでゆくようにして、1つの動き物体についての動物体プレーンメモリを完成するようにしてもよい。
【0087】
なお、ある時点で、2つの動き物体が重なり合っているとしても、所定の時間経過した後は、その動き物体は分離して観察することができるので、動物体プレーンメモリを、適宜、書き換えることにより、上記の方法により、それぞれの動き物体のみからなる動物体プレーン情報を、それぞれの動物体プレーンメモリが蓄積することができる。
【0088】
次に、各動き物体の動き変化情報を検出する動き変化情報の検出回路の構成例について、図12を参照しながら説明する。
【0089】
動き変化情報は、現画像情報から背景プレーンメモリ23BG、動物体プレーンメモリ23A1〜23Anのデータを用いて生成される。図12の回路は、前述した準備期間の経過後、撮像録画開始キーの操作をしたときから働く。つまり、この例では動き変化情報は、リアルタイム記録される。
【0090】
撮像データは、前述した信号処理回路22の動物体プレーン分離回路62で各動き物体毎のプレーン情報に分離される。そして、それぞれの各動き物体の1フレームの情報がフレームメモリ71A1〜71Anに書き込まれる。すなわち、図5に示した動物体プレーン分離回路62は、図2に示す各フレームメモリ71A1〜71Anにも接続されており、マイコン63からの書き込み画素アドレスに基づいて、動き画素をフレームメモリ71A1〜71Anのいずれかに書き込んでいく。
【0091】
このフレームメモリ71A1〜71Anは、2フレームバッファの構成とされ、動き物体の情報の書き込みが一方のフレームメモリに対して行われているとき、他方のフレームメモリからの動物体プレーンの情報データが読み出されて、そのデータが動き変化情報の生成のために使用される。
【0092】
すなわち、フレームメモリ71A1〜71Anからの各動き物体の画像情報は、動き変化検出回路72A1〜72Anに供給される。そして、動物体プレーンメモリ23A1〜23Anに準備期間において記憶されている動物体プレーン情報が、この動き変化検出回路72A1〜72Anに供給される。
【0093】
動き変化検出回路72A1〜72Anでは、各動物体プレーンメモリ23A1〜23Anに記憶されている動き物体と、フレームメモリ71A1〜71Anからの各動き物体画像とのパターンマッチングにより、その動き物体についての動きベクトル、つまり動きの方向と、動き量とが求められる。この場合、動き物体は予め動物体プレーンとしてメモリに蓄えられているので、その形状が変化しないとすれば、特定の代表点、あるいは代表ブロックに着目して、その代表点あるいは代表ブロックについてパターンマッチングを行うことにより、動き物体全体についての動きベクトルを抽出することができ、比較的短時間でマッチング処理を行うことが可能である。
【0094】
動き物体が向きを変えたり、形状を変えたりしたとき、パターンマッチングで誤差が大きくなる。そこで、この例では、動きベクトルと共に、その誤差分を動き変化情報として伝送するようにする。
【0095】
こうして、動き変化検出回路72A1〜72Anで得られた各動物体プレーンメモリの動き物体についての、動きベクトルと、マッチング誤差の情報は圧縮符号化回路26に供給されて、データ圧縮される。前述したように、この圧縮後のデータ量は、画像情報に比べて非常に少なく、リアルタイムでディスクに容易に記録することが可能である。
【0096】
各動物体プレーンメモリの動き物体の動き後の位置は、検出された動きベクトルを用いて容易にメモリ上のアドレスとして検出することができる。このため、動き物体同志の重なりが生じた状態を、複数個の動き物体の画素のアドレスが同一になることにより認識することができる。このように、複数個の動き物体に重なりが生じた場合には、現画像で、その部分の画素として、いずれの動き物体の画素が現れているかにより、動き物体間の奥行きを検出する。そして、その奥行き情報を、動き情報と共に、伝送するようにする。なお、奥行き情報は、背景画と、動き物体についても求めるようにする。
【0097】
動き物体についての動き変化情報としては、次の例のような予測動きベクトルと、物体変形情報を伝送するようにしてもよい。
すなわち、図13の例においては、フレームメモリ71A1〜71Anからの入力画像情報から抽出された各動き物体のフレーム情報は、差分演算回路73A1〜73Anに供給される。
【0098】
また、動物体プレーンメモリ23A1〜23Anの動物体プレーン情報が、予測回路74A1〜74Anに供給され、予測動きベクトル発生回路75A1〜75Anからの予測動きベクトルに基づいて、予測される現時点での移動後の各動き物体のフレーム画像データがこれより得られる。そして、この予測された各動き物体のフレーム画像データが、差分演算回路73A1〜73Anに供給されて、フレームメモリ71A1〜71Anからの入力画像情報から抽出された各動き物体のフレーム情報との差分が演算される。
【0099】
差分演算回路73A1〜73Anでは、動き物体の画像についての差分を、出力データとして圧縮符号化回路26に出力する。また、差分演算回路73A1〜73Anは、上記動き物体の画像についての差分から動きベクトルの差分を求め、出力データとして圧縮符号化回路26に供給すると共に、予測動きベクトル発生回路75A1〜75Anに供給し、次のフレームに対する各動き物体についての予測動きベクトルを生成する。
【0100】
以上の例では、入力画像から背景画及び動き物体の静止画を分離するようにしたが、背景画及び動き物体を予め分離した状態で、カメラで撮影することが可能な場合には、予め、これをそれぞれ個別に撮像して、背景プレーンメモリ23BG及び動物体プレーンメモリ23A1〜23Anに書き込んでおくと共に、ディスク11に記録しておくことができる。
【0101】
このように、動き物体を撮影して動物体プレーンを予め作成する場合に、動き物体を中心に、その全方向から撮影して、その展開図を得るように撮像しておくことにより、動き物体が回転する動きをするような場合にも、その動きに応じた再生画像を得るようにすることができる。すなわち、動き物体が、例えば図14に示すように軸Zを中心に回転するような物体の場合、図15に示すように、その側面の展開図を予め動物体プレーンとして用意しておき、動き変化情報に回転情報を加えて伝送することにより、任意の回転をした状態の動き物体の再生画像を得ることができる。
【0102】
なお、以上の実施例では、実際の撮像録画の前に準備期間を設定し、その準備期間に背景プレーン、動物体プレーンの分離及びディスクへの記録を行うようにしたが、動き変化情報の情報量は非常に少ないので、準備期間を設けることなく、静止画プレーン情報の記録から動き変化情報の記録までを、リアルタイムで実行することも可能である。例えば、1シーンが10秒であるとすると、前述の例では、静止画プレーン及び動物体プレーンの記録は、2秒で可能であるので、その2秒間については、動き変化情報をバッファメモリに蓄積しておくことにより、準備期間を設けることなく、リアルタイムの撮像録画が可能になる。
【0103】
図16は、ディスク再生装置の一実施例のブロック図である。この例において、図1の例のディスク記録装置と共通部分には同一符号を付してその説明は省略する。なお、この実施例では、図1のディスク記録装置と図16のディスク再生装置とを別々に図示したが、この発明は、これに限られることなく、記録及び再生が可能なディスク記録再生装置に適用してもよい。
【0104】
ディスク11が装置に装填されると、装置は、先ず、ディスクのTOCエリアを取り込み、システムコントローラ3で、各シーンの背景プレーン及び動物体プレーンの記録位置と、その動き変化情報の記録位置を認識する。
【0105】
そして、システムコントローラ3は、このTOCエリア情報から、先ず、再生しようとするシーンの背景プレーン及び複数個の動物体プレーンの情報の再生を行う。ディスク11から取り出されたこれらの画像情報は、RFアンプ28から再生処理回路81に供給され、セクタ構造などの所定の記録フォーマットのデータのデコード処理が行われ、そのデコードデータがデータ伸長及びプレーン分離回路82に供給される。そして、この回路82において、低圧縮率で圧縮されている各プレーン情報が伸長処理されると共に、それぞれのプレーン情報毎に分離され、背景プレーン情報は、背景プレーンメモリ83BGに、動物体プレーン情報は、動物体プレーンメモリ83A1〜83Anに、それぞれ書き込まれる。これにより、動画再生開始準備完了となる。
【0106】
次に、当該シーンの動き変化情報、奥行き情報、回転情報等がディスクからTOCエリア情報を参照して、リアルタイムで抽出され、RFアンプ28、再生処理回路81を介してデータ伸長復号化回路84に供給される。そして、動き変化情報等が、データ伸長及び復号化され、信号処理回路85に供給される。
【0107】
また、信号処理回路85には、背景プレーンメモリ83BG及び動物体プレーンメモリ83A1〜83Anからの各静止画情報も供給される。そして、この信号処理回路85においては、背景プレーンメモリ83BGからの背景画に、動物体プレーンメモリ83A1〜83Anからの各動き物体の画像を、伸長復号化回路84からの、それぞれの動き物体についての動き変化情報及び奥行き情報を用いて合成する。
【0108】
この信号処理回路85からの動画像データは、D/Aコンバータ86により元のアナログ信号に戻され、出力端子87から導出される。
【0109】
動き物体が、前述したような回転を伴うものである場合には、動物体プレーン情報として、前述の展開図のような画像内容が対応する動物体プレーンメモリに記憶されており、回転情報が伸長復号化回路84から得られるので、その回転情報に応じて、画面に表示されるべき部分が、その動物体プレーンメモリから読み出される。
【0110】
シーン毎に背景プレーン、動物体プレーンの情報を、先ず、ディスクから読み出し、その後、動き変化情報を順次ディスクから読み出すことで、各シーンの動画の再生を行うことができる。この場合において、各シーンの動き変化情報の情報量は非常に少ないので、1シーンの動き変化情報を、動画のリアルタイムに合わせてディスクから取り出すのではなく、バッファメモリを設けて、各プレーン情報に続いて動き変化情報を取り出してバッファメモリに蓄積し、そのバッファメモリから順次動き変化情報を動画に合わせて読み出す処理を行うようにすることもできる。
【0111】
次に、この発明の他の実施例(以下、第2の実施例という)を図17〜図21を参照して説明する。この第2の実施例の場合、ハードウエアとしては、上述の第1の実施例とまったく同様のディスク記録装置及びディスク再生装置が使用できる。ただし、この第2の実施例の場合には、固定背景部は、撮影の際に考えられる最大画枠で、背景プレーン23BGに登録して、静止画として記録する。
【0112】
動き部分は、上述した第1の実施例と同様に、各々の動き物体にそれぞれ分離し、後述する動物体プレーンメモリ23A1〜23Anのそれぞれに登録して、その動き物体の静止画を記録すると共に、各動物体プレーンの動き物体の変化情報を記録する。
【0113】
第2の実施例の場合、動物体プレーンメモリ23A1〜23Anは、この1画面分の静止画情報を書き込むことができる容量のメモリで構成可能であるが、背景プレーンメモリ23BGは、図17に示すように、1画面分の画素情報以上の、この例では複数画面分の画素情報を記憶可能な大容量メモリの構成とされる。すなわち、この第2の実施例の背景プレーンメモリ23BGは、垂直方向に(480×a)ライン、水平方向に(720×b)画素の画素サンプルデータを書き込むことができる容量を備える。この例では、a=3、b=3とされている。
【0114】
したがって、例えば、図17の中央位置の背景画を中心としたとき、この中央の背景画の周囲にカメラをパンニング、チルトなどカメラアングルを変更したときに画枠内に入ってくる背景をこの背景プレーンメモリ23BGに書き込んでおくことができる。また、上記中央位置の背景画のところで、カメラをズーミングしたときには、そのズーム範囲の背景画のすべてが背景プレーンメモリ23BGに書き込まれていることになる。その1画面分の画枠より広い範囲の背景画情報の書き込み方法の一例を次に述べる。
【0115】
この第2の実施例では、先ず、キー群4の所定のキーを操作することにより、カメラ部1により最大画枠の背景プレーンの撮影を行い、それを背景プレーンメモリ23BGに登録するモードにする。以下、このモードの動作について説明する。
【0116】
この第2の実施例のカメラ部1は、図示しないがズームレンズを備えており、先ず、このズームを最も広角側にして広い背景を撮影する。この例では、これを最大画枠とする。
【0117】
カメラ部1からの撮像信号は、A/Dコンバータ21に供給されて、例えば1画素サンプルが8ビットのデジタル画像信号に変換されて、信号処理回路22に供給される。この信号処理回路22では、カメラ部1により撮像されたシーンの画像を、動きのない固定の背景の静止画と、この背景上で動くそれぞれの動き物体とに分離し、分離した背景画情報をバッファメモリに登録する。このバッファメモリには、例えば図18に示すように、最大画枠の背景を1画面として撮影された静止画情報が得られる。
【0118】
次に、ズームレンズを最も望遠側にして、最大画枠内の一部を撮影する。信号処理回路22では、前述と同様にして、撮像画像から動物体の成分を分離した固定背景部分(以下、これを一部背景画と呼ぶ)のみを分離する。そして、この分離した一部背景画と、バッファメモリに蓄積した最大画枠との比較を行い、当該一部背景画が、最大画枠の背景画のどの部分であるかを判別する。この場合、一部背景画の画枠の大きさが、最大画枠の1/9である(つまり、最広角側の画枠に対して、最望遠側の画枠は1/9)とすると、一部背景画は、縦方向及び横方向に1/3ずつに画素を間引いて、バッファメモリの最大画枠の背景画と比較し、パターンマッチングを行う。
【0119】
今、例えばパターンマッチングにより撮影された一部背景部分が、図18で、斜線を付して示す最大画枠の左上隅の画像であると認識されると、図17において、斜線を付して示す背景プレーンメモリ23BGの対応する一部画面アドレスに、当該一部背景画部分が書き込まれる。この場合、書き込まれるのは、間引かれた画像情報ではなく、元の画像情報である。
【0120】
そして、信号処理回路22では、背景プレーンメモリ23BGに書き込むべき、図18の最大画枠の静止画のうちから、書き込みを終了した一部背景画位置を記憶しておく。
【0121】
次に、ズームレンズを最も望遠側にした状態を保って、最大画枠内の他の一部背景画の撮影を行ってゆく。信号処理回路22は、上述と同様にして、その一部背景画が最大画枠のどの部分かをチェックし、未だ、背景プレーンメモリ23BGに書き込んでいない背景部分を、背景プレーンメモリ23BGの対応するアドレス位置に、書き込む。
【0122】
以上の処理を、最大画枠の背景画のすべてが、背景プレーンメモリ23BGに書き込まれるまで行う。最大画枠の書き込みが終了すると、装置は、例えばそのことを警報音などで知らせる。
【0123】
以上の背景プレーンメモリ23BGへの最大画枠の固定背景画の登録の際に、それぞれ最望遠側での撮影時に動き物体として認識されて分離された、例えば前記飛行機、猿、自動車などの動き物体の静止画は、それぞれ動物体プレーンメモリ23A1〜23An(nは自然数)に書き込まれる。
【0124】
以上のようにして、背景プレーン及び複数個の動物体プレーンに分離されて、プレーンメモリ23BG及び23A1〜23Anに書き込まれた各静止画の画像情報は、前述したように、実際にビデオカメラによって撮像録画を開始する前の、図3に示した準備期間で予めディスク11に記録される。
【0125】
この第2の実施例においては、背景プレーンについては、撮影録画の際に分離された背景画の画枠の、背景プレーンメモリ23BG上の位置を、実際の撮像録画の開始時の背景画の画枠の背景プレーンメモリ23BG上の位置を基準にした画枠位置を示す変化情報(以下これを画枠位置情報と称する)として、前記動き変化情報に含める。そして、以上のようにして生成した動き変化情報及び画枠位置情報をリアルタイムでディスク11に記録する処理を行う。
【0126】
信号処理回路22は、このため、撮像録画モードにおいては、そのときに分離した背景プレーン及びn個の動物体プレーンの情報を用いて、入力デジタル画像信号から、それぞれの動物体プレーンの動き物体の動き変化情報及び背景画の画枠位置情報を求める。そして、この動き変化情報及び画枠位置情報を圧縮符号化回路26に供給し、適当な圧縮率で圧縮符号化を行い、記録処理回路25を介してヘッド駆動回路27に供給する。
【0127】
この場合、記録される動き変化情報及び画枠位置情報は、後述もするように、僅かなビット数となり、1.2Mbpsの低伝送レートであっても、リアルタイムで十二分に伝送できる。
【0128】
次に、信号処理回路22での背景プレーン上での背景画の画枠位置情報及び各動き物体の動き変化情報の生成回路の構成例について、図19を参照しながら説明する。
【0129】
画枠位置情報及び動き変化情報は、現画像情報から、背景プレーンメモリ23BG、動物体プレーンメモリ23A1〜23Anのデータを用いて生成される。図19の回路は、前述した準備期間の経過後、撮像録画開始キーの操作をしたときから働く。つまり、この第2の実施例では画枠位置情報及び動き変化情報は、リアルタイム記録される。
【0130】
すなわち、A/Dコンバータ21からの撮像データは、前述した信号処理回路22のプレーン分離回路で1画面分の背景プレーン情報及び各動き物体毎のプレーン情報に分離される。そして、背景画及びそれぞれの各動き物体の1フレームの情報がフレームメモリ71BG及び71A1〜71Anに書き込まれる。このフレームメモリ71BG、71A1〜71Anは、2フレームバッファの構成とされ、背景画及び動き物体の情報の書き込みが一方のフレームメモリに対して行われているとき、他方のフレームメモリからの背景プレーン及び動物体プレーンの情報データが読み出されて、そのデータが画枠位置情報及び動き変化情報の生成のために使用される。
【0131】
すなわち、フレームメモリ71BGからの背景画の情報は、画枠位置変化検出回路72BGに供給されると共に、フレームメモリ71A1〜71Anからの各動き物体の画像情報は、動き変化検出回路72A1〜72Anに供給される。そして、背景プレーンメモリ23BGからの最大画枠の背景情報が画枠位置変化検出回路72BGに供給されると共に、動物体プレーンメモリ23A1〜23Anに準備期間において記憶されている動物体プレーン情報が、動き変化検出回路72A1〜72Anに供給される。
【0132】
画枠位置変化検出回路72BGでは、最大画枠の背景画と、フレームメモリ71BGの背景画とが比較され、フレームメモリ71BGの背景画の最大画枠の背景画上での画枠位置が検出され、初期位置からの変化が検出され、その変化情報が画枠位置情報として出力され、圧縮符号化回路26に供給される。
【0133】
動き変化検出回路72A1〜72Anでは、各動物体プレーンメモリ23A1〜23Anに記憶されている動き物体と、フレームメモリ71A1〜71Anからの各動き物体画像とのパターンマッチングにより、その動き物体についての動きベクトル、つまり動きの方向と、動き量とが求められる。
【0134】
すなわち、フレームメモリ71BGからの背景画の情報は、画枠位置変化検出回路72BGに供給されると共に、フレームメモリ71A1〜71Anからの各動き物体の画像情報は、動き変化検出回路72A1〜72Anに供給される。そして、背景プレーンメモリ23BGからの最大画枠の背景情報が画枠位置変化検出回路72BGに供給されると共に、動物体プレーンメモリ23A1〜23Anに準備期間において記憶されている動物体プレーン情報が、動き変化検出回路72A1〜72Anに供給される。
【0135】
画枠位置変化検出回路72BGでは、最大画枠の背景画と、フレームメモリ71BGの背景画とが比較され、フレームメモリ71BGの背景画の最大画枠の背景画上での画枠位置が検出され、初期位置からの変化が検出され、その変化情報が画枠位置情報として出力され、圧縮符号化回路26に供給される。
【0136】
動き変化検出回路72A1〜72Anでは、各動物体プレーンメモリ23A1〜23Anに記憶されている動き物体と、フレームメモリ71A1〜71Anからの各動き物体画像とのパターンマッチングにより、その動き物体についての動きベクトル、つまり動きの方向と、動き量とが求められる。
【0137】
動き物体が向きを変えたり、形状を変えたりしたとき、パターンマッチングで誤差が大きくなる。そこで、この例では、動きベクトルと共に、その誤差分を動き変化情報として伝送するようにする。
【0138】
こうして、動き変化検出回路72A1〜72Anで得られた各動物体プレーンメモリの動き物体についての、動きベクトルと、マッチング誤差の情報は圧縮符号化回路26に供給される。
【0139】
圧縮符号化回路26では、その入力データをデータ圧縮する。前述したように、この圧縮後のデータ量は、画像情報に比べて非常に少なく、リアルタイムでディスクに容易に記録することが可能である。
【0140】
なお、カメラがズーミングされたときは、そのズーム比情報を変化情報に含めると共に、撮像信号との比較のために、背景プレーン及び動物体プレーンの情報は、そのズーム比に応じてローパスフィルタ(データ間引き)を通されるものである。また、撮影された背景が、背景プレーンメモリ23BGからはみだすような場合には、背景プレーンとの差分が、画枠情報と共に記録される。
【0141】
なお、背景画の画枠位置情報の代わりに、初期背景画の位置が定まったならば、その位置からカメラを、チルトやパンニングしたりして移動させたとき、その移動方向及び距離を検知するセンサ手段を設け、このセンサ手段で検知した移動方向及び距離の情報を、記録するようにしてもよい。
【0142】
また、動き物体についての動き変化情報としては、図13に示す例のような予測動きベクトルと、物体変形情報を伝送するようにしてもよい。
【0143】
次に、この発明のさらに他の実施例(以下、第3の実施例という)について説明する。
【0144】
この第3の実施例の場合、背景プレーンの静止画情報は、そのまま記録するのではなく、予め用意した自然物、建築物、構造物、生物、その他、画像を構成すると想定される画像要素の典型的な画像情報により、当該背景プレーンの近似静止画を作成し、画像情報を記録する代わりに近似静止画を構成する画像要素の識別情報及びその画面位置の情報を記録するようにする。
【0145】
そして、この近似静止画と、正しい背景静止画との差分を背景の変化情報に含ませて記録する。背景の変化情報には、ビデオカメラ部1でパン、チルト、ズームなどにより撮影画枠を変える操作をしたときに変化する背景画情報も含まれる。
【0146】
動き部分は、各々の動き物体にそれぞれ分離し、後述する動物体プレーンメモリ23A1〜23Anのそれぞれに登録して、その動き物体の静止画の情報を記録すると共に、各動物体プレーンの動き物体についての変化情報を記録する。この場合も、動物体プレーンの静止画情報は、背景画と同様にして近似静止画で置き換え、その識別情報を記録する。
【0147】
そして、この動き部分についても、近似静止画と、各動き物体の静止画との差分と、動き物体の移動方向、移動量、さらには、動きに応じた画像の変化とを動き部分に関する変化情報として記録する。
【0148】
上記の第3の実施例においては、第1の実施例の図1のディスク記録装置において、信号処理回路22には、背景プレーンメモリ23BG、動物体プレーンメモリ23A1〜23Anのほかに、近似背景プレーンメモリ、近似動物体プレーンメモリが設けられるとともに、画像を構成すると想定される画像要素の典型的な画像情報を記憶する画像要素メモリが設けられる。
【0149】
この第3の実施例における信号処理回路22の具体例を図20を参照して説明する。図20において、64BGは近似背景プレーンメモリ、64A1〜64Anは近似動物体プレーンメモリ、65は画像要素メモリである。
【0150】
画像要素メモリ65には、例えば図21に示すように、自然物、建築物、構造物、生物、その他、画像を構成すると想定される画像要素の典型的な画像情報が多数記憶されている。この画像要素メモリ65に記憶されている画像要素の画像には、予め、用意されている標準装備のものと、ユーザが撮影して取り込んで記憶したものとが含まれる。
【0151】
しかし、いずれの画像要素も、画像要素メモリ65のアドレスに対応して付与された識別情報で、読み出すことができる。例えば、図21の例では、各画像要素に番号が付与され、その番号で識別及び読み出し可能である。
【0152】
この第3の実施例では、信号処理回路22では、この準備期間において、入力画像信号から背景プレーン及び動物体プレーンの静止画の分離を行い、それを、背景プレーンメモリ23BG、動物体プレーンメモリ23A1〜23Anに書き込む。さらに、このメモリ23BG、23A1〜23Anの静止画から、画像要素メモリ65の画像要素を用いた近似静止画の生成を行う。
【0153】
信号処理回路22は、分離した背景プレーンは、背景プレーンメモリ23BGに書き込む。また、分離したn個の動物体プレーンは、それぞれ動物体プレーンメモリ23A1〜An(nは自然数)に書き込む。以上の背景プレーン及び動物体プレーンの分離のための具体実施例については図5に示した例と同様の動作であるので、その説明は省略する。
【0154】
そして、図5の例と同様にして、背景プレーン及び動物体プレーンの静止画が、入力画像信号から分離されて、メモリ23BG、23A1〜23Anに記憶されると、信号処理回路22では、これらの静止画を画像要素メモリ65の画像要素で置き換える処理を行い、置き換えにより近似静止画をそれぞれ生成する。
【0155】
すなわち、信号処理回路22は、先ず、背景プレーンメモリ23BGの背景静止画について近似静止画の作成を行う。その方法は、種々存在するが、例えば、画像要素メモリ65から、1つの画像要素が読み出され、その画像要素と、メモリ23BGの静止画の各部と比較サーチを行い、比較誤差がスレッショールド値より小さいとき、その静止画像部分を当該画像要素で置き換える。また、このとき、置き換えられた静止画像部分の画面上の位置も記憶しておく。
【0156】
画像要素メモリ65の各画像要素は、その画像要素の典型画像の拡大画像を、比較的、高精細度の状態で記憶されている。そして、この画像要素メモリ65から読み出すときに、その大きさが置き換えられる背景画像の対応部分の大きさに応じたものとなるように指定できるようにされている。つまり、記憶画像より大きい状態で読み出すときは、データを補間しながら読み出しを行い、記憶画像より小さい状態で読み出すときは、データを間引いて、大きさの調整を行う。
【0157】
この場合、画像要素メモリ65から読み出して、背景プレーンと置き換える画像要素は、例えばカメラ部1の図示しないビューファインダーに画像要素メモリ65のすべての画像要素をスクロール表示させ、この例の場合には、番号で選択指定するようにするとよい。もちろん、すべての画像要素について上述のようなサーチを自動で行うことも可能である。
こうして生成された近似背景静止画は、近似背景プレーンメモリ64BGに書き込まれる。
【0158】
また、各動物体プレーンメモリ23A1〜23Anの動き物体の静止画についても上述と同様にして、画像要素メモリ65の画像要素を使用して近似動物体静止画が生成され、その近似静止画情報が、近似動物体プレーンメモリ64A1〜64Anに書き込まれる。
【0159】
以上のようにして、近似静止画の生成が行われ、近似プレーンメモリ64BG、64A1〜64Anに、その近似静止画が書き込まれると、圧縮回路24は、近似静止画の画像情報を記録情報とする代わりに、その近似静止画を構成する画像要素の識別情報、例えばこの例では識別番号と、その画像要素が占める画面上の位置を示す情報とを記録情報とする処理を行う。なお、近似動物体静止画の場合には、当該動物体の静止画の画像情報のみを伝送すれば、画面上の位置情報は、変化情報に含めて記録することができるので、この準備期間での記録情報には含める必要はない。
【0160】
この圧縮回路24からの静止画に関する記録情報は、記録処理回路25に供給される。この記録処理回路25の出力データは、順次、ヘッド駆動回路27を介して記録用磁気ヘッド13に供給され、ディスク11に光磁気記録される。
【0161】
この第3の実施例においては、ビデオカメラ部1で、実際の撮像録画開始キーを操作した後の撮像録画期間でも、先ず、上述の準備期間と同様にして、信号処理回路22では、撮像信号から背景画及び各動き物体の静止画を分離する。そして、その分離した静止画と、近似背景プレーンメモリ64BG及び各近似動物体プレーンメモリ64A1〜64Anに登録されている近似背景静止画及び近似動物体静止画情報とを比較し、前述したような変化情報の生成を行う。
【0162】
次に、この発明の、さらに他の実施例(以下、第4の実施例という)について説明する。
この例においては、図22に示すように、1シーンの記録を、静止画のプレーン情報の分離期間Raと、変化情報の生成及び記録並びにプレーン情報の更新期間Rbと、プレーン情報の記録期間Rcとに分けて行う。
【0163】
分離期間Raでは、プレーン情報の記録は行わず、後述するように、プレーン情報の分離と、その分離したプレーン情報のプレーンメモリ23BG、23A1〜23Anへの書き込みを行う。
【0164】
期間Rbでは、プレーンメモリ23BG、23A1〜23Anのプレーン情報と入力画像信号とから変化情報を後述するように生成し、その変化情報の記録を行う。これと同時に、その変化情報を用いて各メモリ23BG、23A1〜23Anのプレーン情報の更新を行い、メモリのプレーン情報を更新したものに書き直す。
【0165】
期間Rcは、1シーンの画像信号の終了後の期間である。つまり、期間Rbで入力画像信号に合わせてほぼリアルタイムで変化情報が記録されるものである。そして、期間Rcで、変化情報の記録終了後に、プレーンメモリに記憶されている更新後の各プレーン情報を記録する。この期間Rcは、入力信号のリアルタイム記録の後の期間であるので、その記録は十分に時間をかけて行うことができる。このため、プレーン情報は、圧縮せずに、あるいは低圧縮率で記録することができる。
【0166】
この場合、1画面分のプレーン情報は、例えば図23に示すように、480ライン×720画素で構成する。この例の場合、動物体プレーンメモリ23A1〜23Anは、この1画面分の静止画情報を書き込むことができる容量のメモリで構成可能である。
【0167】
しかし、背景プレーンメモリ23BGは、カメラのパン、チルト、ズームを考慮して、図23に示すように、1画面分の画素情報以上の、この例では複数画面分の画素情報を記憶可能な大容量メモリの構成とされる。すなわち、例えば背景プレーンメモリ23BGは、図23に示すように、垂直方向に(480×a)ライン、水平方向に(720×b)画素の画素サンプルデータを書き込むことができる容量を備える。a及びbは、1以上の数値である。
【0168】
背景プレーンメモリ23BGが上述のような大容量を有しているので、背景画は、例えば、図23の中央位置の画枠BGsの背景画BGsを中心としたとき、この中央の背景画の周囲にカメラをパンニング、チルトなどカメラ撮影画枠位置を変更したときに画枠内に入ってくる背景をこの背景プレーンメモリ23BGに書き込むことができる。つまり、この背景プレーンメモリ23BGの全エリアに書き込まれた背景画は、1画面として表示される画枠に対して、垂直方向にはa倍、水平方向にはb倍の範囲の広い範囲のものとなる。
【0169】
このため、この背景プレーンメモリ23BGの全範囲に背景画が書き込まれているときに、その中央位置の1画面分の画枠の背景画のところで、カメラをズーミングして、広角側にしたときでも、上記a、bの値に応じた広角範囲内であれば、そのズーム範囲の背景画のすべてが背景プレーンメモリ23BGに書き込まれている。
【0170】
期間Raでは、後述するように、背景プレーンメモリ23BGのほぼ中央のアドレスの画枠BGsの位置に、分離されて得られた1画面分の背景画の情報が、図23に示すように、書き込まれ(以下、これを初期背景プレーンという)、また、動物体プレーンメモリ23A1〜23Anのそれぞれには、分離されて得られたそれぞれの動き物体の1画面分の静止画が書き込まれる。
【0171】
この期間Raのプレーン分離及び記憶動作については、上述の実施例と同様であるので説明は省略する。
【0172】
ここで、以上のようにして分離された初期的なプレーン情報は、以下のような問題点がある。
【0173】
まず、背景プレーンBGについて考えると、例えば、図24Aに示すように、ある時点で動き物体Mにより隠されている背景部分は、その動き物体がその位置を完全に移動したときに現れる。しかし、期間Raでは、上記の隠されている部分が現れるような動き物体の完全移動期間としては短いので、動き物体の一部が初期背景プレーンには含まれている。この問題は、動き物体Mの動き変化に応じた背景の変化を求め、背景プレーンを更新することで解決できる。そこで、次の期間Rbにおいて、背景プレーンメモリBGの内容を更新したものに書き換えるようにする。
【0174】
また、動物体プレーンについて考えると、動き物体Mは、前述のように動き画素の集合として分離される。このため、動きが遅い場合には、微小時間では動きが現れない部分が生じる場合がある。すなわち、例えば図24Bに示すように、動き物体Mが自動車で、これがゆっくり動いて期間Raの期間に実線位置から破線位置まで動いたとした場合、そのサイドドアsdの斜線を付して示す部分は動き部分としては捕らえられず、これは背景として捕らえられてしまう。しかし、この問題も、動き物体の変化に応じて動物体プレーンを書き換えてゆくことにより解決できる。そこで、次の期間Rbにおいて、動物体プレーンの内容を更新するようにする。
【0175】
この期間Rbにおいても、先ず、上述の期間Raと同様にして、信号処理回路22では、撮像信号から背景画及び各動き物体の静止画を分離する。そして、その分離した静止画と、背景プレーンメモリ23BG及び各動物体プレーンメモリ23A1〜23Anに登録されている初期背景プレーン及び動物体プレーン情報とを比較し、変化情報の生成を行う。
【0176】
背景静止画については、図23に示したように、初期背景プレーンの静止画の画枠BGsの背景プレーンメモリ23BG上の位置を基準して、これからの変化方向及び変化量(パン、チルトの方向及び量、さらにはズーム比など)の情報Vsと背景静止画変化分の画像情報ΔPsとを、背景プレーンに対する変化情報として生成する。また、各動き物体については、それぞれの動き物体の動き方向及び動き量Vm及び回転や形状変化などの動き変化による動物体プレーンとの差分の画像情報ΔPmを生成する。
【0177】
そして、以上のようにして生成した変化情報をリアルタイムでディスク11に記録する処理を行う。これにより、ディスク11には、図25Aのタイムチャートに示すように、背景画についての変化情報ΔPs及びVsと、各動き物体についての変化情報ΔPm1〜ΔPmnおよびVm1〜Vmnが、記録されるものである。
【0178】
この記録に伴って、信号処理回路22では、背景静止画の変化分の画像情報、すなわち、画枠BGs内での変化分を求め、この画枠BGs内の静止画情報の更新補正を行うと共に、パン、チルトなどにより背景として画枠BGsよりも増加したエリア分を含む画像情報を背景プレーンメモリ23BGに書き込む処理も行う。例えば、パン、チルトなどにより画枠位置が変化して、撮影した部分の背景静止画が図23の一点鎖線で示す静止画BGpになると、図23で斜線を付して示す画像情報がメモリ23BGに書き加えられる。
【0179】
また、同様にして、動物体プレーンについての変化分により、各動物体プレーンメモリ23A1〜23Anの内容を書き換える。
【0180】
こうして、背景プレーンメモリ23BG及び各動物体プレーンメモリ23A1〜23Anの静止画情報が書き換えられ、背景プレーンメモリ23BGの記憶内容の背景プレーンの情報は、初期背景プレーンよりも適切なものとなると共に、1画面分よりも広い範囲まで広がりを有する背景画の情報となる。
【0181】
そして、次の変化情報については、書き換えられたプレーン情報に基づいて生成が行われる。しかし、背景についての変化情報を生成する基本となるのは初期背景プレーンの画枠位置BGsの1画面分の情報とされている。
【0182】
以上の変化情報の生成及び背景プレーンメモリ23BG及び各動物体プレーンメモリ23A1〜23Anの静止画情報の書き換えが、その1シーンの終了まで行われる。
【0183】
以上のようにして、1シーンの変化情報の記録が終了した後、期間Rbにおいて、逐次更新された背景プレーンメモリ23BG、動物体プレーンメモリ23A1〜23Anの静止画情報の記録を期間Rcに行う。
【0184】
そして、背景プレーンメモリ23BGには、前述したように、パン、チルト、ズームにより、そのシーンで使用される背景画のすべてが記憶されている。しかし、ディスク11には、背景プレーンの変化情報としては、初期背景プレーンの静止画BGsに対する変化静止画情報(増加情報)が記録されている。
【0185】
ここで、背景プレーンの変化情報を求める基準を初期背景プレーンの代わりに、記録終了後の背景プレーンメモリ23BGの内容を背景プレーン情報とすると、その背景プレーン情報中の画枠位置を示す情報を各画像フレームの背景情報として記録することにより、各フレームの背景静止画を再生側で容易に形成することが可能である。そのようにした場合には、背景プレーンの画像変化情報は記録する必要はなく、その分、記録データ量を削減することができる。しかも、再生画像の劣化もない。
【0186】
この例においては、以上の点に鑑み、ディスク11に記録した情報を再生して、再記録を行う。
【0187】
すなわち、図25Bに示すように、この再記録を行う場合には、期間Rcの後に、再記録期間を設ける。この場合、この再記録期間の前の期間Rcにおいて、背景プレーン情報としては、記録終了後の背景プレーンメモリ23BGの情報、つまり良好な固定背景画として分離され、かつ、この例では拡大された画枠の静止画情報BGLが記録され、また、1シーンの終了後のn個の動き物体について適切なものとされた動物体プレーンメモリ23A1〜23Anの静止画情報が記録されている。
【0188】
再記録期間には、記録された信号(変化情報)を再生して、後述の再生装置により画像再生を行う。そして、その再生信号と、メモリ23BG、23A1〜23Anの情報とから新たな変化情報を生成し、その変化情報を記録する。この記録の際には、背景プレーンに対する変化画像情報ΔPsの記録は行わず、初期背景プレーンの画枠位置BGsに対する変化位置を検出、生成し、この情報のみを記録する。
【0189】
すなわち、先ず、記録した拡大背景プレーンBGL上における初期背景プレーンの画枠位置BGsの情報STを記録する。これは、背景プレーンメモリ23BG上の拡大背景プレーンの静止画の例えば左上隅のアドレス情報でよい。次に、再生した各フレームの背景画の画枠位置変化方向及び変化量の情報Vsから求めた変化後の画枠位置情報FLsを、当該フレームの背景画の情報として記録する。この画枠位置情報FLsも、背景プレーンメモリ23BG上の拡大背景プレーン上の静止画における、当該画枠の左上隅のアドレス情報でよい。
【0190】
もっとも、再生側で、情報Vsから、当該フレームの背景画の画枠位置情報を求めるように構成した場合には、変化方向及び変化量の情報Vsをそのまま再記録するようにしてもよい。
【0191】
以上のようにして、再記録を行うことで、背景画について、各フレーム(あるいはフィールド)の画像変化分の情報Psを記録する必要がなくなり、記録情報量の削減ができる。しかも、再記録であっても、例えばVTRでの複製の記録と異なり、画像の画質の劣化はまったくない。
【0192】
動物体プレーンについての変化情報も、同様に、更新されたプレーン情報に基づいて更新して再記録することにより、さらに、記録データ量を削減することができる。
【0193】
また、動き物体については、静止画プレーン情報として、拡大画枠の情報ではなく、画像内容が異なる複数枚の静止画情報を記録して、動き情報を少なくすることもできる。
【0194】
すなわち、例えば自動車が転回する動画を想定した場合、自動車のフロントビュー、サイドビュー、リアビューの静止画像を自動車プレーンとしてそれぞれ用意し、それぞれにプレーン番号を付与しておく。そして、撮像されて入力された現画像中の自動車に関する変化情報を求めるに当たって、自動車プレーンとの差分(変化分)が少ないプレーン番号と、その変化分を記録することで、変化情報としての記録データ量を減らすことができる。
【0195】
再生時の背景画についての画枠位置は、図16に示したキー群4の画枠位置変更キーを操作することにより、記録された画枠位置情報に対して上下左右方向に変更することができる。すなわち、画枠位置変更キーが操作されると、再生された画枠位置情報で定められる画枠位置に対して、変更キーにより指定された方向に画枠位置が変更され、その変更された画枠位置の背景画が、背景プレーン83BGから読み出される。つまり、画枠位置変更キーにより再生時の背景画の画枠位置を背景プレーンの範囲内で、任意の位置に変更することができる。
【0196】
また、再生ズームキーが設けられ、これが操作されたときには、ズーム比に応じて拡大、縮小された画枠の背景画が、メモリ83BGから読み出される。この際、データは、720画素×480ラインの1画面のデータに適合するように、ズーム比に応じて補間あるいは間引き処理される。こうして、撮像時の画枠位置に関係なく、再生側で、ユーザは、所望の絵づくりを楽しむこともできる。
【0197】
この信号処理回路85からの動画像データは、D/Aコンバータ86により元のアナログ信号に戻され、出力端子87から導出され、この出力端子に接続される画像モニター装置にその再生画像が映出される。
【0198】
以上のようにして、シーン毎に背景プレーン、動物体プレーンの情報を、先ず、ディスクから読み出し、その後、変化情報を順次ディスクから読み出すことで、各シーンの動画の再生を行うことができる。この場合において、各シーンの変化情報の情報量は非常に少ないので、1シーンの変化情報を、動画のリアルタイムに合わせてディスクから取り出すのではなく、バッファメモリを設けて、各プレーン情報に続いて動き変化情報を取り出してバッファメモリに蓄積し、そのバッファメモリから順次動き変化情報を動画に合わせて読み出す処理を行うようにすることもできる。
【0199】
そして、そのようにした場合には、動画再現処理と、ディスクからの再生信号の抽出とを分離することができるので、前のシーンの再生中に、次のシーンのプレーン情報をディスクから抽出して、別のプレーンメモリに蓄えるようにすることができる。このようにすれば、とぎれることなく複数のシーンを連続して再生することが可能である。
【0200】
以上のようにして、この発明によれば、入力画像を背景画及び動物体プレーンに分け、これを高画質で記録すると共に、背景画の変化や動物体プレーンについての動き変化を共に記録して再生時に合成するようにするので、記録伝送レートが低い記録媒体の場合でも、高画質、かつ、動きのスムースな動画の記録ができる。
【0201】
例えば、従来、いわゆるMPEGと呼ばれる画像データの圧縮方法が知られているが、この方法は、一番最初に1枚のフレーム(静止画)の画像情報を送り、その後は、その最初の画像フレームとの差を取り、その残差をデータ圧縮して記録する方法である。このMPEGで最初の1フレームの画像データのビット数は、データ圧縮された段階で、例えば400Kビットとされている。この400Kビットの画像は、比較的画質の良い画像となっている。
【0202】
この400Kビットの画像は、1フレームの情報であるので、これをbpsで表わすと、1秒は、30フレームからなるので、12Mbps相当となる。したがって、かなり高画質の画像が得られている。MPEGでは、その後の情報として、残差の情報しか記録しないため、再生画像は劣化したものとなってしまうが、最初の1フレームの画像自体は、程度のよい画質となっているのである。
【0203】
これに対し、上述したこの発明の構成によれば、背景プレーンと動物体プレーンの複数枚の画像プレーンの情報は、MPEGと同等の12Mbps相当の画像データとして記録するとともに、僅かなビット数で記録された動き変化情報に基づいて、この画質の良い動物体のプレーンを移動させて、背景プレーンと合成することにより動画が再現されるものであるので、画質がよく、しかも動きベクトルの情報はリアルタイムの情報であるので、動きもギクシャクすることなく、良好なものとなる。
【0204】
なお、背景プレーンと分離される動き情報は、以上の例のように、複数個の動き物体の静止画からなる動物体プレーンに分けて記録するのではなく、これら複数個の動き物体を含む動き情報をデータ圧縮して背景プレーンとは分離して記録する装置にも、この発明は適用できる。
【0205】
また、以上の例は、画像データの伝送媒体として、光磁気ディスクを使用したが、テープやその他の記録媒体、さらにはケーブル、電波を用いた伝送路を介しての画像データの伝送に、この発明は適用可能であることは言うまでもない。
【0206】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、低伝送レートの伝送媒体であっても、画像を背景プレーン及び動物体プレーンに分け、これら複数枚の画像プレーンの情報を、圧縮せずにあるいは高画質を保つことができる低圧縮率で低速で伝送するとともに、動き変化情報を僅かなビット数で高速に伝送し、再生側では、動き変化情報に基づいて、画質の良い動物体のプレーンを移動させて、背景プレーンと合成することにより動画が再現されるものであるので、画質がよく、しかも、動きもギクシャクすることなく、良好なものとなる再生画像を得ることができる。
【0207】
動物体プレーン情報についての変化情報を圧縮して伝送した場合には、さらに、伝送データ量の削減を計ることができる。
【0208】
また、背景プレーン情報として、デジタル画像信号の1画面分の画枠よりも広い範囲の背景画を伝送するようにしたことにより、動き変化が1画面分の画枠を越える場合にも、その動き物体の動きに合わせて背景画を、背景プレーン情報から切り取るようにすることができる。したがって、1画面分よりも広い範囲を動く動物体を、その動物体の画像が欠けることなく、背景画に対して合成して再生することができる。
【0209】
また、背景プレーン情報についての変化情報をも伝送する場合においても、背景プレーン情報のメモリ手段を1画面分の画枠よりも広い範囲の背景画を記憶できるようにしておき、この背景プレーンメモリに、順次更新した背景画を記憶しておくことにより、この背景プレーンメモリの背景画と現在画像データとの差分として検出される背景画の変化情報はわずかとなるので、伝送データ量は少なくなる。
【0210】
また、背景プレーン情報として1画面分の画枠よりも広い範囲の背景画を伝送する場合に、動物体プレーン変化情報に、背景プレーン上における位置を示すデータを付加して伝送するようにしたので、動物体プレーンを背景プレーン上に適切に合成することが容易にできる。
【0211】
また、背景プレーン及び動物体プレーンの情報は、あらかじめ用意した典型的な画像要素の中から選択した情報を用いて、近似背景プレーン情報及び近似動物体プレーン情報を形成し、伝送情報としては、選択した画像要素の識別情報及びその画面位置を示す位置情報を伝送するだけで、受信側に備えられる画像要素メモリを用いて背景プレーン及び動物体プレーンを再構成することができるので、背景プレーン及び動物体プレーンの情報をそのまま伝送する場合に比べてさらに少ない情報量で伝送を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によるデジタル画像信号の伝送装置の一実施例としてのディスク記録装置のブロック図である。
【図2】この発明の要部の説明のための図である。
【図3】図1の例の信号記録タイミングを説明するための図である。
【図4】図1の例の説明のための図である。
【図5】この発明によるデジタル画像信号の第1の実施例の信号処理回路22の一実施例のブロック図である。
【図6】図5の信号処理回路22の動作の説明のための図である。
【図7】図5の信号処理回路22の動作の説明のための図である。
【図8】図5の信号処理回路22の動作のフローチャートの一部を示す図である。
【図9】図5の信号処理回路22の動作のフローチャートの続きを示す図である。
【図10】図5の信号処理回路22の動作の説明のための図である。
【図11】図5の信号処理回路22の動作の説明のための図である。
【図12】図1の実施例の動き変化情報検出回路300の一実施例を示すブロック図である。
【図13】動き変化情報検出回路300の他の実施例を示すブロック図である。
【図14】この発明によるデジタル画像信号の伝送装置の他の実施例を説明するための図である。
【図15】この発明によるデジタル画像信号の伝送装置の他の実施例を説明するための図である。
【図16】この発明によるデジタル画像信号の受信装置の一実施例のブロック図である。
【図17】この発明による一実施例における背景プレーンメモリ23BGの一例を説明するための図である。
【図18】背景画の一例を示す図である。
【図19】動き変化情報検出回路300の他の実施例を示すブロック図である。
【図20】この発明の他の実施例の信号処理回路22の例のブロックである。
【図21】この発明による近似背景画情報及び近似動物体静止画情報を説明するための図である。
【図22】この発明の他の実施例の信号記録のタイミングを説明するための図である。
【図23】この発明の他の実施例の背景プレーンメモリ23BGの例を説明するための図である。
【図24】背景及び動き物体の静止画の変化を説明するための図である。
【図25】この発明の他の実施例の信号記録のタイミングを説明するための図である。
【符号の説明】
22 信号処理回路
23BG 背景プレーンメモリ
23A1〜23An 動物体プレーンメモリ
24 圧縮回路
26 圧縮符号化回路
31 背景プレーン
32〜34 動物体プレーンメモリ
62 動物体プレーン分離回路
62M 差分メモリ
63 マイコン
64BG 近似背景プレーンメモリ
64A1〜64An 近似動物体プレーンメモリ
65 画像要素メモリ
300 動き変化情報検出回路
Claims (8)
- 背景と、上記背景上において動く少なくとも1個の動き物体からなる画像のデジタル画像信号を伝送する装置であって、
上記背景の静止画情報からなる背景プレーン情報を予め記憶する背景プレーンメモリと、
上記動き物体の静止画情報からなる動物体プレーン情報を予め記憶する動物体プレーンメモリと、
上記背景プレーンメモリの上記背景プレーン情報と、上記デジタル画像信号の現在フレームの情報とから動き画素を抽出し、当該抽出した動き画素から、上記動き物体の、上記現在フレームについての動物体プレーン情報を分離する動物体プレーン分離手段と、
上記動物体プレーン分離手段で分離された上記動き物体の上記現在フレームについての動物体プレーン情報の、上記動物体プレーンメモリに記憶されている動物体プレーン情報に対する変化情報である動物体プレーン変化情報を検出する変化情報検出手段と、
上記背景プレーンメモリに記憶されている上記背景プレーン情報及び上記動物体プレーンメモリに記憶されている上記動物体プレーン情報を伝送すると共に、上記変化情報検出手段で検出された上記動物体プレーン変化情報をフレーム毎に伝送する伝送手段と
を備えてなるデジタル画像信号の伝送装置。 - 上記変化情報検出手段と、上記伝送手段との間に変化情報圧縮手段を設け、上記変化情報検出手段の出力を、この変化情報圧縮手段により圧縮して伝送手段に供給するようにしたことを特徴とする請求項1に記載のデジタル画像信号の伝送装置。
- 請求項2に記載のデジタル画像信号の伝送装置において、
上記背景プレーンメモリに記憶されている上記背景プレーン情報及び上記動物体プレーンメモリに記憶されている上記動物体プレーン情報を圧縮して上記伝送手段に供給するようにするプレーン情報圧縮手段を設け、このプレーン情報圧縮手段での圧縮率を、上記変化情報圧縮手段での圧縮率に比べて低い圧縮率としたことを特徴とするデジタル画像信号の伝送装置。 - 請求項1に記載のデジタル画像信号の伝送装置において、
上記背景プレーンメモリは、上記デジタル画像信号の1画面分の画枠よりも広い範囲の背景画からなる背景プレーン情報を記憶するようにしたことを特徴とするデジタル画像信号の伝送装置。 - 請求項1に記載のデジタル画像信号の伝送装置において、
上記背景プレーンメモリは、上記デジタル画像信号の1画面分の画枠よりも広い範囲の背景画からなる背景プレーン情報を記憶するものであり、
前記デジタル画像信号の先頭時点における前記背景プレーンにおける前記デジタル画像信号による画像の画枠の位置を基準にした画枠位置の変化情報を、フレーム毎に検出する手段を備え、
上記画枠位置の変化情報をも伝送することを特徴とするデジタル画像信号の伝送装置。 - 請求項1に記載のデジタル画像信号の伝送装置において、
複数個の典型的な画像の情報が記憶されている典型画像記憶手段と、
上記背景プレーンメモリに記憶された背景プレーン情報または上記動物体プレーンメモリに記憶された動物体プレーン情報に対して、上記典型画像記憶手段の典型的な画像の情報のうちの、最も似ている典型画像情報を選択し、選択した典型画像情報に対応する識別情報及び当該典型画像情報の画面位置を示す位置情報を得る手段と、
を備えると共に、
上記変化情報検出手段に代えて、上記デジタル画像信号の現在フレームの上記動物体プレーン情報の、上記典型画像情報に対する変化情報を検出する手段を設け、
上記伝送手段に代えて、上記識別データと、上記位置情報と、上記典型画像情報に対する変化情報とを伝送する手段を設ける
ことを特徴とするデジタル画像信号の伝送装置。 - 上記背景プレーン及び動物体プレーン相互の前後関係を表す奥行き情報が伝送されてなる請求項1に記載のデジタル画像信号の伝送装置。
- 請求項1に記載のデジタル画像信号の伝送装置により伝送されてくるデジタル画像信号の受信装置であって、
上記背景プレーン情報及び上記動物体プレーン情報の静止画情報をそれぞれを記憶するメモリ手段と、
上記メモリ手段の背景プレーン情報に対して、上記動物体プレーン情報を、その変化情報に基づいて合成して、出力デジタル画像信号を得る合成手段と
を備えるデジタル画像信号の受信装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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