JP3716586B2 - ガスタービン燃焼器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数個の予混合燃焼器を有するガスタービン燃焼器に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年のガスタービンは、燃焼器で発生するNOx量を低減するため、拡散燃焼に対する予混合燃焼の比率を増大する傾向にある。予混合燃焼は拡散燃焼に比べて発生NOx量を低減できる反面、安定燃焼範囲が狭く、また、ガスタービン全運用負荷帯における安定運用を実現するためには、予混合燃焼時の燃料/空気比率を所定範囲内で運用できる燃焼器の開発が重要な課題となっている。
【0003】
一般に、ガスタービンの運用は、起動から予混合燃焼が安定に燃焼できる状態となる5〜35%負荷程度の低負荷時では拡散燃焼単独運用であり、低負荷から定格負荷までの間に予混合燃焼割合を徐々に増加する運用である。従って、低負荷における発生NOx量を低減するためには、予混合燃焼部分を分割し、安定燃焼条件を低負荷時において成立できるようにする構造が考えられる。この構造では、各予混合燃焼部分への供給燃料流量制御装置の開発が必須となる。
【0004】
特開平6−257748 号公報には、分割した各燃焼室に対して少なくとも1つの燃料制御トリム弁と直列に設けられたオリフィスと、並列に設けられた燃料オリフィスによって燃料を調整することが記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来、予混合燃焼部分を複数個に分割することによって、分割しない場合に比べて燃料切り替え回数が多くなり、定格運転状態になるまでの所要時間が長くなり、プラント出力の変動が大きくなる、という問題があった。また、燃料切り替えの際に発生する未燃分が多くなる、という問題があった。更に、予混合部分への燃料投入時には、既に燃焼している予混合部分への供給燃料量が供給燃料の圧力変動により変動し、そのため不安定燃焼の逆火・失火あるいは燃焼振動等の発生の可動性が大きくなる、という問題があった。
【0006】
特開平6−257748 号公報においても、燃料切り替え時の供給燃料の圧力変動を抑えることは困難である。
【0007】
本発明の課題は、予混合燃焼部分の燃料切り替え時におけるプラント出力の変動を抑制し、発生未燃分を低減し、かつ、不安定燃焼の発生を回避することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明のガスタービン燃焼器は、複数個の予混合燃焼部分と1個の拡散燃焼部分とを備え、負荷の上昇及び下降に応じて順次予混合燃焼させる予混合燃焼部分を増減する燃焼器であって、各燃焼部分への燃料配管と、各々の前記燃料配管に設定した燃料流量調整弁と、拡散燃焼部分へ燃料を供給する燃料配管と予混合燃焼部分の各々への前記燃料配管に燃料を供給する予混合統括配管とに各々設置して、連絡している燃料配管の圧力を調整する圧力調整弁と、前記各々流量調整弁の開度を負荷に応じて制御する燃料比率設定器と、前記予混合燃焼する予混合燃焼部分の数が増減する際に、前記予混合統括配管に設置した圧力調整弁の開度を予め定められた制御内容に基づいて制御する圧力比率設定器とを備え、拡散燃焼部分による拡散燃焼状態から、予混合燃焼部分の予混合燃焼を加えるべく、一の予混合燃焼部分への燃料供給する流量調整弁の開度が閉止から所定開度になるまでの間、前記圧力比率設定器は、燃料流量に応じて発生する前記燃料配管内の圧力変動を抑制するように、前記圧力調整弁を予め定めた開度に保持するよう制御することを特徴とする。
【0009】
或いは、本発明のガスタービン燃焼器は、複数個の予混合燃焼部分と1個の拡散燃焼部分とを備え、負荷の上昇及び下降に応じて順次予混合燃焼させる予混合燃焼部分を増減する燃焼器であって、各燃焼部分への燃料配管と、各々の前記燃料配管に設定した燃焼流量調整弁と、拡散及び予混合燃焼部分の各々の前記燃料配管に燃料を供給する燃料統括配管に設置して前記各燃料配管内の圧力を調整する圧力調整弁と、前記各々流量調整弁の開度を負荷に応じて制御する燃料比率設定器と、前記予混合燃焼する予混合燃焼部分の数が増減する際に、前記各々の圧力調整弁の開度を予め定められた制御内容に基づいて制御する圧力比率設定器とを備え、拡散燃焼と所定数の予混合燃焼部分による予混合燃焼状態から、予混合燃焼する予混合燃焼部分の数を増加或いは減少させるべく、当該増加或いは減少する予混合燃焼部分に燃料を供給する流量調整弁の開度を閉止と所定開度との間で変動させる間、前記圧力比率設定器は、燃料流量に応じて発生する前記燃料配管内の圧力変動を抑制するように、前記圧力調整弁の開度を予め定めた比率で変化させるよう制御することを特徴とする。
【0010】
或いは、本発明のガスタービン燃焼器は、複数個の予混合燃焼部分と1個の拡散燃焼部分とを備え、負荷の上昇及び下降に応じて順次予混合燃焼させる予混合燃焼部分を増減する燃焼器であって、各燃焼部分への燃料配管と、各々の前記燃料配管に設定した燃焼流量調整弁と、拡散及び予混合燃焼部分の各々の前記燃料配管に燃料を供給する燃料統括配管に設置して前記各燃料配管内の圧力を調整する圧力調整弁と、前記各々流量調整弁の開度を負荷に応じて制御する燃料比率設定器と、前記予混合燃焼する予混合燃焼部分の数が増減する際に、前記各々の圧力調整弁の開度を予め定められた制御内容に基づいて制御する圧力比率設定器とを備え、拡散燃焼と所定数の予混合燃焼部分による予混合燃焼状態から、予混合燃焼する予混合燃焼部分の数を増加或いは減少させるべく、当該増加或いは減少する予混合燃焼部分に燃料を供給する流量調整弁の開度を閉止と所定開度との間で変動させる間、予混合燃焼部分の燃料と空気比率を保持し、前記圧力比率設定器は、燃料流量に応じて発生する前記燃料配管内の圧力変動を抑制するように、前記圧力調整弁の開度を予め定めた比率で変化させるよう制御することを特徴とする。
【0014】
本発明によれば、既に所定の燃料/空気比率で燃焼している予混合燃焼部分の流量調整弁の開度を一定に保持し、新たに投入或いは停止する予混合燃焼部分の流量調整弁の開度を閉止または開放する場合、燃料流量に対応して発生する燃料配管内の圧力変動を吸収するように予混合圧力調整弁の開度を任意の比率で変化させるので、予混合燃焼部分の燃料切り替え時の供給圧力変動を短時間で抑えることができ、これにより、定格運転状態(或いは、運転停止状態)までの所要時間を短縮し、プラント出力の変動を小さくすることができる。
【0015】
また、燃焼中の予混合燃焼部分の燃料/空気比率を保持することにより、燃料切り替え時の予混合燃焼部分の不安定燃焼を回避し、未燃分発生量を低減することができる。
【0016】
また、燃料切り替え操作に当って、混合燃焼部分と拡散燃焼部分への燃料配管を一括して1個の圧力調整弁を設けることにより、予混合燃焼部分の圧力変動と、拡散燃焼部分の圧力変動の相殺効果が生じ、配管内の流量変動を短時間で抑えることができ、圧力調整弁と各燃料流量調整弁の間の総流量変動が小さく、燃料の安定供給が可能となる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を用いて説明する。
【0018】
図1は、本発明の一実施形態によるガスタービン燃料流量制御装置を示す。図1において、1はガスタービン燃焼器を示す。図は1個の拡散燃焼部と2個の予混合燃焼部とからなるガスタービン燃焼器を示す。14は燃料比率設定器であり、燃料流量調整弁4−a,4−b及び10の開度を制御して燃料流量をコントロールする指令を出す。15は圧力調整比率設定器を示し、圧力調整弁12や6の開度を制御して各配管内の圧力をコントロールする指令を出す。16は圧力計を表す。ガスタービン燃焼器1には予混合ノズル2−a及び2−bと拡散ノズル8が設置され、拡散ノズル8に配管9,11,13を連結し、配管9と11間に燃料流量調整弁10,配管11と13間に圧力調整弁12を設ける。予混合ノズル2−a及び2−bにそれぞれ配管3−a,3−b,5,7を連結し、配管3−aと5間に流量調整弁4−a,配管3−bと5間に流量調整弁4−b,配管5と7間に、例えば配管3−a,3−bに燃料を供給する予混合統括配管である配管7に、圧力調整弁6を設ける。
【0019】
拡散燃焼部への燃料は、配管13を通って圧力調整弁12によって供給圧力を所定圧力に調整された後、配管11を通り、燃料流量調整弁10によって所定流量に調整され、配管9によって拡散ノズル8に導入され、ガスタービン燃焼器1にて燃焼する。この際、圧力調整弁12の開度は、圧力調整比率設定器15からの信号によって調整され、燃料流量調整弁10の開度は、燃料比率設定器14からの信号によって調整される。
【0020】
一方、予混合燃焼部への燃料は、配管7を通って圧力調整弁6によって供給圧力を所定圧力に調整される。調整後の燃料圧力は、配管5に設けられた圧力計
16によって測定され、測定値は制御用信号として圧力調整比率設定器15に入力される。配管5によって分岐された燃料は、流量調整弁4−a及び4−bによって所定流量に調整され、配管3−a及び3−bによって予混合ノズル2−a及び2−bに導入され、ガスタービン燃焼器1にて燃焼する。この際、圧力調整弁6の開度は、圧力調整比率設定器15からの信号によって調整され、流量調整弁4−a及び4−bの開度は、燃料比率設定器14からの信号によって調整される。
【0021】
燃料比率設定器14及び圧力調整比率設定器15へはプラントの負荷信号が入力され、運転状態に応じた開度信号が圧力調整弁6及び燃料流量調整弁4−a,4−b及び10に出力される。
【0022】
以下、燃料比率設定器14及び圧力調整比率設定器15を図2,図3,図4,図5を用いて詳細に説明する。
【0023】
図2は、燃料比率設定器14の詳細を示す。プラントの負荷信号は、燃料信号変換器17によって燃料流量信号に変換された後、予混合燃料比率演算器18に入力される。この演算器18では、負荷に対する燃料の予混合と拡散との分配比率が予め設定されており、各予混合及び拡散燃焼部分への燃料流量信号を出力する。この演算器18の出力の一方は、弁開度信号発生器19に入力され、燃料流量信号に相当する弁開度指令値を燃料流量調整弁10の開度指令信号として出力される。また、この演算器18の他方の出力は、予混合燃焼器用燃料流量分配管20に入力される。この分配器20では、負荷に対する各予混合燃焼部分への分配比率が予め設定されており、各予混合燃焼部分の燃料弁開度信号発生器21−a及び21−bに入力され、燃料流量信号に相当する弁開度指令値が燃料調整弁4−a及び4−bの開度指令信号として出力される。
【0024】
図3は、図2中の予混合燃料比率演算器18及び予混合燃焼器用燃料流量分配器20の負荷に対する設定値の概要を模式的に示す。上図は負荷に対する拡散と予混合の燃料比率の設定値を、下図は負荷に対する図1中の流量調整弁4−a及び4−bの開度設定値をそれぞれ表す。負荷0から負荷aの間は拡散燃焼単独とし、燃料流量調整弁10により燃料を投入して燃焼させ、負荷aから負荷bの間は燃料流量調整弁10と予混合燃焼弁4−a弁により燃料を投入して燃焼させる。この際、4−a弁の開度を一定とするため、負荷上昇時には拡散燃料のみを増加するように設定する。負荷bになった時点で、4−b弁を設定値まで開放し、全予混合燃焼部分を燃焼させる。負荷bから定格負荷の間は、予混合比率を徐々に増加させるように設定する。
【0025】
場合によっては、所定の負荷になったら燃料流量調整弁10を閉じて予混合燃焼のみの運転とすることにより、ガスタービン燃焼器の更なる低NOx化を図ることができる。
【0026】
図4は、圧力調整比率設定器15の詳細を示す。プラントの負荷信号は、供給圧力設定器22及び燃料切り替え判定器23に入力される。この設定器22は、負荷信号に対する燃料の供給圧力の設定値を出力する。出力値は減算器25によって図1の圧力計16からの測定値との差分をPIコントローラ26に出力する。コントローラ26は、減算器25の出力を0とするように図1中の圧力調整弁6及び12の弁開度変化分の値を出力する。一方、切り替え判定器23では、予混合燃焼部の燃料を投入或いは停止するか否か、また、どの予混合燃焼部について操作するかを負荷信号に対する設定値によって判定する。
【0027】
例えば、予め負荷に応じて定めてある切替負荷(燃料を供給して燃焼させる系統を増は減の切替負荷)になったかを負荷信号と比較して判定する。
【0028】
弁開度変化率設定器24には、図3に示したように拡散単独運転から予混合燃焼部の一部を投入する場合と、全予混合燃焼部に燃料を投入する場合の各々について最適な設定値を準備しておく。切り替え判定器23が切り替え信号を出力していない場合は、設定器22からの信号を圧力計16からの信号が入力される減算器25で減算してPIコントローラ26に入力され、コントローラ26の出力をスイッチ27によって図1中の圧力調整弁6及び12に出力し、この判定器
23が切り替え信号を出力している場合は、変化率設定器24からの出力をスイッチ27によって圧力調整弁6及び12に出力する。
【0029】
図5は、圧力調整比率設定器15の設定値を示す。切り替え判定器23によって予混合燃焼部の一部に燃料を投入する場合は、出力された切り替え信号により、予混合燃料流量調整弁4−a,燃料流量調整弁10及び予混合圧力調整弁6を左図のように設定する。
【0030】
すなわち、予混合燃料流量調整弁4−aが開き始めたとき、切り替え判定器
23の切り替え信号によりスイッチ27を変化率設定器24に切り替え、予混合燃料流量調整弁4−aの開度が一定になるまでの間、変化率設定器24から出力される設定値を一定値に強制的に保持するように、予混合圧力調整弁6に出力する。これにより、この間、予混合燃料部分に連絡する圧力調整弁開度が一定に保持される。そして、予混合燃料流量調整弁4−aの開度が所望の開度となり、一定になった時点においてスイッチ27を戻し、コントローラ26の出力による供給圧力制御を開始する。なお、予混合圧力調整弁6の脈動は、コントローラ26による供給圧力制御によって発生する。
【0031】
また、燃料切り替え判定器23によって、全予混合燃焼部分に燃料を投入する場合(予混合燃焼している予混合燃焼部分が既にある状況下において、予混合燃焼部分の数を増加させる場合)は、出力された切り替え信号により、予混合燃料流量調整弁4−a,4−b,燃料流量調整弁10及び予混合圧力調整弁6を右図のように設定する。
【0032】
すなわち、すでに予混合燃焼している予混合燃料流量調整弁4−aの開度を一定に保持し、予混合燃料流量調整弁4−bが開き始めたとき、切り替え判定器
23の切り替え信号によりスイッチ27を変化率設定器24に切り替え、予混合燃料流量調整弁4−bの開度が閉止から所望の開度になるまでの間、或いはさらにほぼ一定の開度になる迄の間、変化率設定器24から出力される予め定めておいた設定値を変化率設定し、予混合圧力調整弁6に出力する。よって、この間、圧力調整弁は予め定めた所定の変化率で開動作する。ここで、変化率設定器24の変化率設定は、予混合燃料流量調整弁4−bから流出する燃料流量によって変化する配管5内の変動圧力を吸収する比率に定める。所定の比率は、例えば、燃料流量の急増に伴う燃料配管内の圧力低下を見越して圧力調整弁を開する。これにより圧力変動を抑制する。
【0033】
具体的一例としては、拡散ノズル8と予混合ノズル2−aとにより燃料を燃焼させるために必要な圧力調整弁開度の目標値から、前記8及び2−aノズルにさらに予混合ノズル2−bで燃料を燃焼させるために必要な圧力調整弁開度の目標値へ、流量調整弁の開度の変動の間に一定の変化率で移行するように制御することができる。
【0034】
そして、予混合燃料流量調整弁4−bの開度が所望の開度となり、或いは一定になった時点においてスイッチ27を戻し、コントローラ26の出力による供給圧力制御を開始する。なお、予混合圧力調整弁6の脈動は、コントローラ26による供給圧力制御によって発生する。
【0035】
なお、予混合燃料流量調整弁4−bの開度が一定の状態から閉止する場合についても同様である。この場合、燃料流量調整弁開度が閉止動作の間に圧力調整弁開度が所定の変化率で減少するように制御する。
【0036】
このように、本実施形態では、既に所定の燃料/空気比率で燃焼している予混合燃焼部分の流量調整弁4−aの開度を一定に保持し、新たに投入或いは停止する予混合燃焼部分の流量調整弁4−bの開度を閉止から開放する場合(或いは、開放から閉止する場合)、燃料流量に対応して発生する燃料配管5内の圧力変動を抑制する或いは吸収するように予混合圧力調整弁6の開度を予め定めた比率で変化させるので、予混合燃焼部分の燃料切り替え時の管内の燃料の供給圧力変動を短時間で抑えることができ、これにより、定格運転状態(或いは、運転停止状態)までの所要時間を短縮し、プラント出力の変動を小さくすることができる。また、燃料中の予混合燃焼部分の燃料/空気比率を保持することにより、燃料切り替え時の予混合燃焼部分の不安定燃焼を回避し、未燃分発生量を低減することができる。
【0037】
図6は、本発明の他の実施形態を示す。図1の実施形態との相違点は図1中の圧力調整弁6及び12を1個の弁(圧力調整弁12として表現)とした点にある。予混合ノズル2−aや2−bへ燃料を供給する配管3−aや3−bと、拡散ノズル8へ燃料供給する配管9とに燃料を分岐供給する統括配管である配管13に圧力調整弁12を設け、下流側で、予混合燃焼部に燃料を供給し前記配管3−a及び3−bに連絡する配管7と拡散燃焼部分に燃料を供給し前記配管9に連絡する配管11に分岐する。
【0038】
通常時に圧力調整弁は、例えば、管内が所望の圧力になるように管内の圧力の検出器からの信号をフィードバックさせて制御する。
【0039】
負荷が低い時は、先ず燃料流量調整弁10を開して、拡散ノズル8による拡散燃焼を行う。例えば、パイロットバーナとして用いる。そして、負荷上昇に伴い、弁4−aを開して予混合ノズルに燃料を供給すると共に、負荷上昇に伴い順次他の予混合ノズルへ燃料を供給する弁を開する。
【0040】
場合によっては、所定の負荷になったら燃料流量調整弁10を閉止して拡散ノズル8への燃料を停止し、予混合燃焼のみの運転にする。これにより、更なる低NOxのガスタービン燃焼器とすることができる。
【0041】
拡散燃焼から4−a弁を開して予混合燃焼を加える場合は、図7の左側に示した弁動作を行う。燃料流量調整弁10や弁4−aの動作は前記図5と同様である。圧力調整弁12は、通常の制御とは異なり、燃料流量調整弁10や4−aが変動している間所定の予め定めた変化率で開動作するよう制御する。予混合燃焼の数を増加させる場合は図7の右側に示した弁動作を行う。これは前記図5とほぼ同様である。これにより、燃料している燃焼部分の数を変化させる際の燃料の圧力変動を早く収束させることができる。これによって、予混合燃焼の安定燃焼ができる。
【0042】
また、この場合、例えば、前記予め定める変化率は、4−a弁切換時(拡散燃焼から拡散燃焼と予混合燃焼へ移行)の変化率を4−b弁切換時(既に燃焼している予混合燃焼数を増加させるように移行)の変化率を大きくすることができる。例えば、ほぼ倍の変化率とすることができる。
【0043】
次に、複数の予混合ノズルにより燃焼させている状態から、一の予混合ノズルでの燃焼を停止させる場合の運転について図8を用いて以下説明する。
【0044】
予混合燃料系と拡散燃料系が2個の圧力調整弁で分割されている図1の場合では、流量調整弁4−bを閉止し、燃料流量調整弁4−aの開度を一定に保持すると共に燃料流量調整弁10を開ける。その際、圧力調整弁12と燃料流量調整弁10との間の圧力が一旦降下した後に回復することにより、拡散流量の変動特性は、図7の圧力調整弁2個の場合に示したように徐々に設定流量へと増加する。しかし、この切り替え時には流量調整弁4−bの閉止により配管5内に流動変動が発生し、予混合圧力は圧力調整弁6のように変動する。この予混合圧力変動は、図示のように長びき、安定するまでに長い時間を要することになり、流量変動の安定化が遅くなる。
【0045】
一方、予混合燃料系と拡散燃料系が1個の圧力調整弁で結ばれている図6の場合では、流量調整弁4−bを閉止し、燃料流量調整弁4−aの開度を一定に保持すると共に燃料流量調整弁10を開ける。その際、流量調整弁4−bの閉止により配管5,7内に流動変動が発生し、配管5,7内の予混合圧力が上昇するが、燃料流量調整弁10の開により配管11内に流動変動が発生し、配管11内の圧力が下降する。このため、配管5,7内の予混合圧力と配管11内の圧力が互いにその変動を打ち消し合い、予混合圧力は圧力調整弁12のように変動する。この予混合圧力変動は、図示のように短時間で安定することになり、流量変動を速やかに安定化させる。
【0046】
よって、各燃焼ノズルへ供給する燃料の圧力を、各燃料ノズルに燃料を供給する統括配管である13に備えた圧力調整弁12で調整することにより、切り替え時の圧力変動を短時間に抑制でき、安定燃焼が図れる。この切り替えの間、前記のような所定の変化率で圧力調整弁を閉動作させることにより、さらに早く切り替え時の圧力変動を収束させることができる。
【0047】
なお、配管5,7内の予混合圧力と配管11内の圧力の打ち消し合いを円滑にするには、圧力調整弁12と燃料流量調整弁10との間の配管内の容量を図1の場合よりも大きく、さらに拡散燃焼部分への燃料流量調整弁10の開度を大きくすることが有効である。
【0048】
このように、本実施形態では、燃料切り替え操作に当って、混合燃焼部分と拡散燃焼部分への燃料配管を一括して1個の圧力調整弁12を設けることにより、予混合燃焼部分の圧力変動と、拡散燃焼部分の圧力変動の相殺効果が生じ、配管内の流量変動を短時間で抑えることができ、圧力調整弁12と各燃料流量調整弁4−a,4−b及び10の間の総流量変動が小さく、燃料の安定供給が可能となる。
【0049】
次に負荷遮断時の運転を図9を用いて説明する。
【0050】
拡散燃焼と予混合燃焼を行う運転から、負荷遮断信号に基づき予混合ノズルへの燃料供給を停止し、拡散燃焼のみの運転に移行する場合を示す。図9では、図1のように予混合ノズル側と拡散ノズル側とに各々圧力調整弁を備えた構成の場合と図6のように予混合ノズルと拡散ノズルとに燃料を供給する統括配管で圧力を調整する構成の場合とを各々示した。
【0051】
図9の上側欄に示すように、図6の構成のように圧力調整弁の下流側から拡散ノズルと予混合ノズルとに分岐している方が負荷遮断による予混合燃焼停止に伴う拡散燃料の流量への影響が大きくなる傾向にある。
【0052】
図1の構成の場合は、負荷遮断信号により予混合ノズルの弁4−a及び4−bを閉止しすると共に拡散ノズルの燃料流量調整弁10を開け、拡散ノズル側の圧力調整弁12を所定の変化率で増加させるよう制御する。
【0053】
図6の構成の場合は、負荷遮断信号により予混合ノズルの弁4−a及び4−bを停止すると共に拡散ノズルの燃料流量調整弁10を開け、圧力調整弁12を所定の変化率で減少させるよう制御する。
【0054】
これにより、負荷遮断時のように、急激に拡散燃焼及び予混合燃焼の運転から拡散燃焼運転に移行する場合であっても、燃料供給配管内の燃料の圧力変動を短時間に抑制することができる。
【0055】
【発明の効果】
本発明により、予混合燃焼部分の燃料切り替え時におけるプラント出力の変動を抑制し、発生未燃分を低減し、不安定燃焼の発生を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態によるガスタービン燃焼器の概要図である。
【図2】本発明の燃料比率設定器の詳細図である。
【図3】本発明の予混合燃料比率演算器及び予混合燃焼器用燃料流量分配器の設定値を示す模式図である。
【図4】本発明の圧力調整比率設定器の詳細図である。
【図5】圧力調整比率設定器の設定値等を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態によるガスタービン燃焼器の概要図である。
【図7】圧力調整比率設定器の設定値等を示す図である。
【図8】燃料切り替え時の燃料特性を示す図である。
【図9】負荷遮断時の弁設定を示す図である。
【符号の説明】
1…ガスタービン燃焼器、2…予混合ノズル、3…配管、4,10…燃料流量調整弁、6,12…圧力調整弁、8…拡散ノズル、14…燃料比率設定器、15…圧力調整比率設定器、16…圧力計。
Claims (3)
- 複数個の予混合燃焼部分と1個の拡散燃焼部分とを備え、負荷の上昇及び下降に応じて順次予混合燃焼させる予混合燃焼部分を増減する燃焼器であって、
各燃焼部分への燃料配管と、
各々の前記燃料配管に設定した燃料流量調整弁と、
拡散燃焼部分へ燃料を供給する燃料配管と予混合燃焼部分の各々への前記燃料配管に燃料を供給する予混合統括配管とに各々設置して、連絡している燃料配管の圧力を調整する圧力調整弁と、
前記各々流量調整弁の開度を負荷に応じて制御する燃料比率設定器と、
前記予混合燃焼する予混合燃焼部分の数が増減する際に、前記予混合統括配管に設置した圧力調整弁の開度を予め定められた制御内容に基づいて制御する圧力比率設定器とを備え、
拡散燃焼部分による拡散燃焼状態から、予混合燃焼部分の予混合燃焼を加えるべく、一の予混合燃焼部分への燃料供給する流量調整弁の開度が閉止から所定開度になるまでの間、前記圧力比率設定器は、燃料流量に応じて発生する前記燃料配管内の圧力変動を抑制するように、前記圧力調整弁を予め定めた開度に保持するよう制御することを特徴とするガスタービン燃焼器。 - 複数個の予混合燃焼部分と1個の拡散燃焼部分とを備え、負荷の上昇及び下降に応じて順次予混合燃焼させる予混合燃焼部分を増減する燃焼器であって、
各燃焼部分への燃料配管と、
各々の前記燃料配管に設定した燃焼流量調整弁と、
拡散及び予混合燃焼部分の各々の前記燃料配管に燃料を供給する燃料統括配管に設置して前記各燃料配管内の圧力を調整する圧力調整弁と、
前記各々流量調整弁の開度を負荷に応じて制御する燃料比率設定器と、
前記予混合燃焼する予混合燃焼部分の数が増減する際に、前記各々の圧力調整弁の開度を予め定められた制御内容に基づいて制御する圧力比率設定器とを備え、
拡散燃焼と所定数の予混合燃焼部分による予混合燃焼状態から、予混合燃焼する予混合燃焼部分の数を増加或いは減少させるべく、当該増加或いは減少する予混合燃焼部分に燃料を供給する流量調整弁の開度を閉止と所定開度との間で変動させる間、前記圧力比率設定器は、燃料流量に応じて発生する前記燃料配管内の圧力変動を抑制するように、前記圧力調整弁の開度を予め定めた比率で変化させるよう制御することを特徴とするガスタービン燃焼器。 - 複数個の予混合燃焼部分と1個の拡散燃焼部分とを備え、負荷の上昇及び下降に応じて順次予混合燃焼させる予混合燃焼部分を増減する燃焼器であって、
各燃焼部分への燃料配管と、
各々の前記燃料配管に設定した燃焼流量調整弁と、
拡散及び予混合燃焼部分の各々の前記燃料配管に燃料を供給する燃料統括配管に設置して前記各燃料配管内の圧力を調整する圧力調整弁と、
前記各々流量調整弁の開度を負荷に応じて制御する燃料比率設定器と、
前記予混合燃焼する予混合燃焼部分の数が増減する際に、前記各々の圧力調整弁の開度を予め定められた制御内容に基づいて制御する圧力比率設定器とを備え、
拡散燃焼と所定数の予混合燃焼部分による予混合燃焼状態から、予混合燃焼する予混合燃焼部分の数を増加或いは減少させるべく、当該増加或いは減少する予混合燃焼部分に燃料を供給する流量調整弁の開度を閉止と所定開度との間で変動させる間、予混合燃焼部分の燃料と空気比率を保持し、前記圧力比率設定器は、燃料流量に応じて発生する前記燃料配管内の圧力変動を抑制するように、前記圧力調整弁の開度を予め定めた比率で変化させるよう制御することを特徴とするガスタービン燃焼器。
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