JP3472424B2 - ガスタービンおよびガスタービンの運転方法 - Google Patents

ガスタービンおよびガスタービンの運転方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はガスタービンおよび
ガスタービンの運転方法の改良に係わり、特に拡散燃焼
を行う拡散パイロットバーナと予混合燃焼を行う予混合
燃焼バーナとを備え、ガスタービンの定格負荷または部
分負荷運転時には主として予混合燃焼バーナのみで燃焼
が行なわれるように形成されているガスタービンおよび
その運転方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来一般に採用されているガスタービン
の燃焼器においては、環境問題への配慮から、燃焼器内
で生じる窒素酸化物(NOx)の排出量を低減すること
が求められている。NOxの低減化は、燃料と空気を燃
焼前に混合して燃焼させる予混合燃焼を利用し、かつ燃
料と空気の混合比(燃空比)が理論混合比よりも小さい
状態で燃焼させることによって図れる。
【0003】これは、火炎面における局所的な燃空比が
小さくなることで、火炎温度を下げることができるため
である。これに対し、燃料を空気と混合させながら燃焼
させる拡散燃焼は、火炎面での燃空比が理論混合比に近
いので、火炎温度が高くなり、NOxの発生量が大きく
なる。したがって、拡散燃焼を用いない、予混合100
%の燃焼方法が、NOxを低減する上では極めて有効で
ある。
【0004】また、ガスタービンは定格負荷条件で運転
されることが多いので、ある負荷以上の部分負荷から定
格負荷の範囲において、予混合100%で運転するよう
な設計は可能である。しかし、予混合燃焼は、拡散燃焼
に比べると安定な燃空比範囲が狭い。したがって、ガス
タービンの起動、昇速、部分負荷、定格負荷の広い範囲
にわたって安定した燃焼状態を維持することが難しい。
【0005】このため実際のガスタービンでは、拡散バ
ーナと、予混合バーナを組み合わせた燃焼器によって、
低NOxと安定性を両立させている。例えば、特開平3
−207917号公報には、燃焼器の上流側に拡散燃焼
バーナ、下流側に予混合燃焼バーナからなる2段燃焼器
において、燃料供給装置を運転途中で変更することによ
り、上流側(拡散燃焼側)の燃焼室も予混合室として機
能させ、予混合100%燃焼を達成する方法が示されて
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ガスタービンを発電に
用いる場合、負荷遮断試験に耐え得ることが求められて
いる。負荷遮断とは、何らかの原因により緊急に発電機
とガスタービンを切り離すことであり、その際、ガスタ
ービンは直ちに定格回転数無負荷の状態にする必要があ
る。したがって、負荷遮断信号を検知すると同時に、予
混合燃料を遮断し、拡散燃料の流量を定格回転数無負荷
の状態に必要な流量にする必要がある。
【0007】定格負荷時において、低NOx化のため、
予混合100%で長時間運転していると、拡散により、
拡散燃料配管内の燃料が燃焼器内の他のガスと次第に置
き替わる。この状態で負荷遮断指令がくると、拡散燃料
制御弁が開いた後、拡散バーナに燃料が到達するまでに
時間がかかり、予混合火炎が消炎する間に拡散バーナに
着火しない。こうなると、ガスタービンは正常な状態で
は定格回転数を維持できなくなるため、再起動が必要と
なる。
【0008】また、拡散バーナの着火を確実にするため
に、予混合バーナの消炎を遅らせると、その間ガスター
ビンの回転数が上昇してしまい、一定範囲内におさえら
れなくなる。さらに、予混合バーナのみで定格回転数無
負荷の状態にすることが考えられるが、予混合火炎は拡
散火炎に比べると、燃空比や流速などに対して安定範囲
が狭いので、変動が大きいと消炎する恐れがある。
【0009】本発明はこれに鑑みなされたもので、その
目的とするところは、負荷遮断時あるいは急激な負荷低
下が生じても、拡散バーナの着火遅れが発生することの
ないこの種のガスタービンおよびガスタービンの運転方
法を提供するにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、拡散
燃焼バーナと予混合燃焼バーナとを備え、ガスタービン
の所定負荷以上では予混合燃焼だけで運転が行なわれる
ガスタービンの運転方法において、前記予混合燃焼時に
前記拡散燃焼バーナに保炎しない量の燃料を供給しつつ
運転するようにし所期の目的を達成するようにしたもの
である。すなわち、拡散燃焼バーナの燃料供給系に、予
混合燃焼時に前記拡散パイロットバーナに保炎しない量
の燃料を供給する燃料供給手段を設けるようにしたもの
である。
【0011】またこの場合、前記燃料供給手段を、前記
拡散バーナの燃料流量を調整する機構にバイパスして設
けられたバイパス路で形成するようにしたものである。
また前記バイパス路に、燃料流量を調整するオリフィス
または弁を設けるようにしたものである。
【0012】すなわちこのように形成されたガスタービ
ンであると、予混合100%燃焼時でも、バイパス系統
からの燃料が、拡散燃料配管内を流れ、燃焼器中の空
気、燃焼ガス等で置換されることはない。バイパス燃料
流量は、拡散火炎が維持できない程度に少量なので、N
Oxを多量に発生することがない。燃焼器内に流れ込ん
だ少量のバイパス燃料は、周囲の予混合燃焼ガスと混合
する過程で、高温雰囲気により酸化されるので、未燃の
燃料やCOの排出はない。したがって、負荷遮断時に拡
散バーナの着火遅れが生ずることはなく。また、予混合
100%燃焼により低NOx化が図られ、燃焼振動も抑
制することができるのである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下図示した実施例に基づいて本
発明を詳細に説明する。図1にはそのガスタービン(発
電用ガスタービン)の燃焼器の部分が拡大されて示され
ている。発電用ガスタービンは、圧縮機1、燃焼器2、
タービン3を備え、タービンの出力により発電機4を回
転させ電力を得る。
【0014】燃焼器2は、ガスタービンケーシング5、
燃焼器外筒6および燃焼器カバー7内に格納されてい
る。燃焼器2上流端中央には拡散燃焼を行う拡散パイロ
ットバーナ8があり、そしてその外周には予混合燃焼を
行う環状の予混合バーナ9が設けられている。
【0015】予混合バーナ9は、複数の予混合バーナ用
燃料ノズル10、および保炎器11を備えている。予混
合バーナ下流には、未燃の空気と既燃の燃焼ガスを隔て
る燃焼器ライナ12がある。また、燃焼器ライナの外側
には、空気流路を形成し、流れを制御するための外壁
(以下フロースリーブと称す)14が設けられている。
【0016】圧縮機1からの高圧空気100は、フロー
スリーブ14と燃焼器ライナ12の間の概して環状の空
間を通り、燃焼器ライナ12の対流冷却に使用された
後、拡散パイロットバーナ用空気101および予混合バ
ーナ用空気102に分かれて燃焼器内へ供給され、それ
ぞれ燃焼用空気として用いられる。既燃の燃焼ガス10
3は燃焼器ライナ12内側を通り、尾筒15を経てター
ビン3に供給される。
【0017】燃料系統は、主燃料系統200と、そこか
ら分岐する拡散パイロットバーナ用燃料系統201、予
混合バーナ用燃料系統202より成っている。拡散パイ
ロットバーナ用燃料系統201には、圧力調整弁20
4、流量調整弁205が設けられている。
【0018】圧力調整弁204は燃料遮断弁を兼ねてい
る。予混合バーナ用燃料系統202には、圧力調整弁2
06、流量調整弁207が設けられている。圧力調整弁
206は燃料遮断弁を兼ねている。拡散パイロットバー
ナ用燃料系統201には、燃料供給手段、すなわち流量
調整弁をバイパスするように、配管203が設けられて
いる。このバイパス配管203には、燃料の流量を調整
するオリフィス板208が設けられている。
【0019】さて、このようなガスタービン燃焼器にお
いては、前にも述べたように環境問題への配慮から、燃
焼器内で生じる窒素酸化物(NOx)の排出量を低減す
ることが求められている。NOxの低減は、燃料と空気
を燃焼前に混合して燃焼させる予混合燃焼を利用し、か
つ燃料と空気の混合比(燃空比)が理論混合比よりも小
さい状態で燃焼させることによって図れる。これは、火
炎面における局所的な燃空比が小さくなることで、火炎
温度を下げることができるためである。
【0020】これに対し、燃料を空気と混合させながら
燃焼させる拡散燃焼は、火炎面での燃空比が混合比に近
いので、火炎温度が高くなり、NOxの発生量が大きく
なる。したがって、拡散燃焼を用いない、予混合100
%の燃焼方法が、NOxを低減する上では極めて有効で
ある。また、ガスタービンは定格負荷条件で運転される
ことが多いので、ある負荷以上の部分負荷から定格負荷
の範囲において、予混合100%で運転するような設計
は可能である。
【0021】しかし、予混合燃焼は、拡散燃焼に比べる
と安定な燃空比範囲が狭い。したがって、ガスタービン
の起動、昇速、部分負荷、定格負荷の広い範囲にわたっ
て安定した燃焼状態を維持することが難しい。そのた
め、実際のガスタービンでは、本実施例に示したよう
に、拡散バーナと、予混合バーナを組み合わせた燃焼器
によって、低NOxと安定性を両立させている。
【0022】ここで、本実施例に示したガスタービンの
起動、昇速、部分負荷から定格にいたるまでの燃料制御
およびそのときの燃焼モードについて図2、および図4
(a)〜(d)に基づいて説明する。
【0023】まず運転方法は、起動から定格回転数まで
と、ガスタービン負荷の小さいときは、拡散燃焼のみで
運転する(図4(a))。その後予混合燃料を投入し
て、予混合バーナに着火し、その分拡散燃料を減らすこ
とで、負荷一定のまま拡散−予混合燃焼モードとする
(図4(b))。負荷が大きくなったら、負荷の上昇と
ともに拡散燃料流量を減らし、予混合燃料を増やしてい
く。そして、ある負荷以上で予混合100%燃焼とする
(図4(c))。
【0024】ところで従来においては、前述したように
定格負荷時において、低NOx化のため、予混合100
%で長時間運転していると、拡散により、拡散燃料配管
内の燃料が燃焼器内の他のガスと次第に置き替わり、負
荷遮断時に拡散燃料制御弁が開いても、拡散バーナに着
火しない恐れがあったわけであるが、本実施例において
は、予混合100%燃焼のときに、拡散燃料の流量調整
弁は全閉であるが、圧力調整弁は開いているので、バイ
パス配管を通って燃料が流れる(図4(c))ことにな
る。
【0025】このようにバイパス燃料が拡散燃料配管内
を流れることにより、拡散バーナの燃料噴口から、燃焼
器内の空気や燃焼ガスが拡散燃料配管内に拡散すること
を防止できる。またこの場合、バイパス配管に設けたオ
リフィスにより、バイパス燃料の流量は、拡散バーナ先
端で拡散火炎が維持できないほど少量に設定してある。
この流量は、具体的には、拡散燃焼用空気の流量にもよ
るが、全燃料流量の1%以下が望ましい。このとき、拡
散火炎は形成されないので、NOxの発生は抑制され
る。また予混合100%のとき、ガスタービン負荷は高
いため、燃焼器内は予混合燃焼ガスによる高温雰囲気と
なっている。
【0026】したがって、燃焼器内に流れ込んだバイパ
ス燃料は、燃焼器ライナを通過するうちに、周囲の高温
燃焼ガスと混合し、酸化されるため、未燃の燃料やCO
等の排出も抑制される(図4(c))。このような少量
の燃料制御を、本来の拡散燃料流量調整弁で行なおうと
すると、小流量から大流量までの流量制御が可能な弁、
制御系とする必要があり、実際には難しい。この点、本
発明による方法では、比較的簡単な配管の増設で済む。
【0027】次に、負荷遮断時の燃料流量制御の様子を
示した図3に基づき説明すると、負荷遮断信号を検知す
ると同時に、拡散燃料系統の流量調整弁が、予め設定し
た開度まで開き、拡散燃料が直ちに流れ始める。予混合
燃料系統の流量調整弁は、一定時間τ経過後、遮断弁、
流量調整弁とも全閉にする。予混合燃料は、ある遅れを
もって次第に減少し、予混合火炎は消炎する。
【0028】この拡散弁開と予混合弁閉の時間差τは0
であっても良く、予混合燃料が減少し予混合火炎が消え
る前に、拡散火炎に着火することができる。その後、拡
散燃料系統の通常の制御に移り、ガスタービンが定格回
転数無負荷の状態になるように、燃料流量、圧力が自動
調整される(図4(d))。予混合燃焼器が複数あるな
どして、予混合燃料系統が複数ある時は一部遮断して、
一部残しても良い。この場合は、拡散燃料と、残した予
混合燃料の合計が、定格回転数無負荷の状態に適切な燃
料流量になることが必要であるが、拡散火炎の着火信頼
性はさらに良くなる。
【0029】別の方法としては、予混合火炎の一部の消
炎を遅らせ、その間に拡散火炎を着けた後、予混合火炎
を消す。しかし、回転数制御のためには、この予混合消
炎遅れ時間(τ)はなるべく短い方が良く、本発明によ
る拡散系統のパージは有効である。また、拡散バーナと
予混合バーナは軸方向に近い方が着火性がよい。しか
し、実施例のように、予混合比率の大きい燃焼器では、
昇速、低負荷時に拡散バーナが予混合空気を利用せざる
を得ない。したがって必然的に、拡散バーナと予混合バ
ーナは軸方向に近い設計となり、拡散火炎は着火し易い
構造となる。
【0030】本発明によるバイパス配管系統の流量調整
の実施例を図5から図8に示し、以下に説明する。図5
(a)は図1と同じで、拡散燃料系統の流量調整弁をバ
イパスし、オリフィスを設けたものである。予混合10
0%モードの時は、拡散燃料系の圧力調整弁204は、
一定開度とするので、燃料供給圧(一次圧)と燃焼器内
圧の差圧と、オリフィス面積によって、流量を設定す
る。この場合に流量を変えるときは、オリフィス板を交
換することになる。
【0031】また、この交換を避けるためには、図5
(b)の様に手動弁209を取り付けて、流量を調節し
てもよい。これにより試運転時のバイパス系統の開度調
整が容易になる。さらに、遠隔操作可能な弁210を取
り付け、操作性を良くしたり、自動制御しても良い。
【0032】図6(a)から図6(c)は、拡散燃料系
統の圧力調整弁をバイパスし、オリフィス208、手動
弁209、コントロール弁210を設けたものである。
この場合は、予混合100%モードの時に、拡散燃料系
の流量調整弁205の開度は一定とする。
【0033】図7(a)から図7(c)は、拡散燃料系
統の圧力調整弁204、流量調整弁205ともバイパス
し、オリフィス208、手動弁209、コントロール弁
210を設けたものである。オリフィス、手動弁、コン
トロール弁の上流には、減圧弁または圧力調整弁211
を設け、燃料二次圧(圧力調整弁下流の圧力)を制御す
ることにより、より高精度なバイパス流量制御が可能と
なる。図7(c)の場合は、圧力調整弁と流量調整弁を
兼ねた一つのコントロール弁にしても良い。
【0034】図8(a)から図8(c)は、バイパス配
管203を、予混合燃料圧力調整弁206下流から、拡
散燃料流量調整弁205下流まで設けたものである。予
混合100%モードの時は、予混合燃料系統の二次圧と
燃焼器内圧の差圧を利用して、バイパス燃料を流す。こ
の場合、バイパス系統が、拡散、予混合燃料制御系と独
立にできるので、制御系が簡単になる。
【0035】以上説明したような方法によって、予混合
100%モードにおいて、拡散火炎が保炎せず、かつ拡
散燃料系統内の流れが停滞しない流量となように、バイ
パス燃料流量の制御を行うことが可能となる。そのた
め、予混合100%燃焼時でも、バイパス系統からの燃
料が拡散燃料配管内を流れ、配管内の燃料が燃焼器中の
空気、燃焼ガス等で置換されることを防止できる。
【0036】このときのバイパス燃料流量は、拡散火炎
が維持できない程度に少量なので、NOxを多量に発生
することがない。燃焼器内に流れ込んだ少量のバイパス
燃料は、周囲の予混合燃焼ガスと混合する過程で、高温
雰囲気により酸化されるので、未燃の燃料やCOの排出
はない。こうして、予混合100%燃焼を行うことが可
能となり、NOxの発生を抑制することができる。
【0037】また、予混合100%にすることで、燃焼
振動の発生を抑制することもできる。燃焼振動は、燃焼
器内の不安定による圧力変動が、燃料または空気の供給
系に伝わり、燃空比の変動に変換され、燃焼場での発熱
量変動、圧力変動となって、フィードバックループを形
成し、自励発振する現象である。予混合燃焼は、拡散燃
焼に比べて燃焼器内で局所的に急激な発熱反応を生じる
ため、反応と空気や燃料の流動が共振して燃焼振動を生
じやすい。特に、燃焼振動数が燃焼器の固有振動数と一
致した場合には、燃焼器が共振現象を起こし瞬時に破損
する恐れがある。
【0038】この場合には、燃焼器構成部材が飛散し、
後流のガスタービン部品に多大の損傷を与える恐れがあ
り、燃焼器だけではなく、ガスタービンプラント全体の
寿命に極めて大きな影響を与える。ガスタービンの高負
荷時において、低NOx化のために、拡散バーナの燃空
比を小さくしていくと、拡散燃焼が不安定となり、予混
合燃焼をも発振さるため、燃焼振動が発生し易い条件に
なる。しかし、予混合100%の場合は、拡散火炎の不
安定性が発振の要因となることはないため、燃焼振動は
発生しにくい。このように、拡散燃焼を無くし、予混合
100%で運転することは、NOx低減、燃焼振動抑制
の両面から望ましい。
【0039】以上説明してきたようにこのように形成さ
れたガスタービンであると、予混合100%モードにお
いて、拡散火炎が保炎せず、かつ拡散燃料系統内の流れ
が停滞しない流量となように、バイパス燃料流量の制御
を行うことが可能となる。そのため、予混合100%燃
焼時でも、バイパス系統からの燃料が拡散燃料配管内を
流れ、配管内の燃料が燃焼器中の空気、燃焼ガス等で置
換されることを防止できる。負荷遮断時などに、拡散バ
ーナの着火遅れを防止できる。バイパス燃料流量は、拡
散火炎が維持できない程度に少量なので、NOxを多量
に発生することがない。燃焼器内に流れ込んだ少量のバ
イパス燃料は、周囲の予混合燃焼ガスと混合する過程
で、高温雰囲気により酸化されるので、未燃の燃料やC
Oの排出はない。また、予混合100%燃焼を行うこと
が可能となるので、NOxの発生を抑制することができ
る。また、燃焼振動が抑制できる。
【0040】
【発明の効果】以上説明してきたように本発明によれ
ば、負荷遮断時あるいは急激な負荷低下が生じても、拡
散バーナの着火遅れが発生することのないこの種のガス
タービンを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガスタービンの燃料系統の一実施例を
示す系統図である。
【図2】本発明のガスタービン燃焼器の燃料流量制御の
一例を示す図である。
【図3】負荷遮断時の燃料流量を示す図である。
【図4】本発明のガスタービンの燃焼モードの一例を示
す縦断側面図である。
【図5】本発明ガスタービンの燃料供給系の一例を示す
系統図である。
【図6】本発明ガスタービンの燃料供給系の他の例を示
す系統図である。
【図7】本発明ガスタービンの燃料供給系の他の例を示
す系統図である。
【図8】本発明ガスタービンの燃料供給系の他の例を示
す系統図である。
【符号の説明】
2…燃焼器、8…拡散パイロットバーナ、9…予混合燃
焼バーナ、201…拡散パイロットバーナ燃料系統、2
02…予混合バーナ燃料系統、203…バイパス配管系
統、208…バイパス配管オリフィス、209…バイパ
ス配管手動弁、210…バイパス配管コントロール弁、
211…バイパス配管圧力調整弁または減圧弁。
フロントページの続き (72)発明者 井上 洋 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株式会社日立製作所 電力・電機開発本 部内 (56)参考文献 特開 平8−28874(JP,A) 特開 平5−149149(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02C 9/00 - 9/58 F23R 3/18 - 3/38

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 拡散燃焼バーナと予混合燃焼バーナとを
    備え、前記拡散燃焼バーナに圧力調整弁及び流量調整弁
    を介して燃料を供給する燃料系統を設け、ガスタービン
    の所定負荷以上では予混合燃焼だけで運転が行なわれる
    ガスタービンの運転方法において、前記圧力調整弁及び流量調整弁の少なくとも一方をバイ
    パスするバイパス配管を設け、予 混合燃焼時に前記拡
    散燃焼バーナに保炎しない量の燃料を前記バイパス配管
    に設けられたオリフィス又は弁により供給しつつ運転す
    るようにしたことを特徴とするガスタービンの運転方
    法。
  2. 【請求項2】 拡散燃焼バーナと予混合燃焼バーナとを
    備え、前記拡散燃焼バーナに圧力調整弁及び流量調整弁
    を介して燃料を供給する燃料系統を設けたガスタービン
    の運転方法において、前記圧力調整弁及び流量調整弁の少なくとも一方をバイ
    パスするバイパス配管を設け、 ガスタービンの定格負荷
    または部分負荷運転時に、前記予混合燃焼バーナのみで
    燃焼を行うとともに、前記拡散燃焼バーナの拡散燃料系
    統には、拡散火炎が保炎せず、かつ前記拡散燃料系統内
    の流れが停滞しない量の燃料を、前記バイパス配管に設
    けられたオリフィス又は弁により供給するようにしたこ
    とを特徴とするガスタービンの運転方法。
  3. 【請求項3】 拡散燃焼バーナと予混合燃焼バーナとを
    備え、前記拡散燃焼バーナに圧力調整弁及び流量調整弁
    を介して燃料を供給する燃料系統を設け、ガスタービン
    の所定負荷以上では予混合燃焼だけで運転が行われるガ
    スタービンにおいて、前記圧力調整弁及び流量調整弁の少なくとも一方をバイ
    パスするバイパス配管を設け、このバイパス配管に、
    混合燃焼時に、前記拡散燃焼バーナに保炎しない量の燃
    料を供給するオリフィス又は弁を設けたことを特徴とす
    るガスタービン。
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