JP3179871B2 - ガスタービン燃焼器およびその運転方法 - Google Patents

ガスタービン燃焼器およびその運転方法

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JP3179871B2 JP17310192A JP17310192A JP3179871B2 JP 3179871 B2 JP3179871 B2 JP 3179871B2 JP 17310192 A JP17310192 A JP 17310192A JP 17310192 A JP17310192 A JP 17310192A JP 3179871 B2 JP3179871 B2 JP 3179871B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は燃料を空気と予混合して
燃焼させるガスタービン用の燃焼器に係り、特に低NO
x 化を図ったガスタービン燃焼器およびその運転方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】燃料と空気の当量比が1.0に近い燃焼
域では、燃焼温度が局所的に高温になり、多量のNOx
が発生するので、NOx の発生を抑制する手段として当
量比を下げた予混合稀薄燃焼方式が採られているが、こ
の燃焼方式のみでは燃焼が不安定になるので、拡散燃焼
方式と組み合せた2段燃焼方式が採用されている。
【0003】2段燃焼方式を適用した従来のガスタービ
ン燃焼器としては、例えば、特開平2−309123号
公報等に開示したものがある。
【0004】このガスタービン燃焼器1は図9に示すよ
うに構成され、図示しないガスタービンと圧縮機2との
間に配置される。圧縮機2で圧縮された吐出空気をガス
タービン燃焼器1の燃焼器ライナ3内の燃焼室4に案内
し、この燃焼室4で燃料と混合させて燃焼し、その燃焼
ガスをトランジションピース5を介してガスタービンに
案内し、このガスタービンを駆動させて仕事をするよう
になっている。
【0005】ガスタービン燃焼器1はガスタービンケー
シング6にスリーブケーシング7を介して取り付けら
れ、このスリーブケーシング7のフランジ部にヘッドプ
レート8が装着される。ヘッドプレート8とスリーブケ
ーシング7の間に圧縮機2からの吐出空気を案内するフ
ロースリーブ9が設けられる。
【0006】ヘッドプレート8には、拡散燃焼方式のパ
イロットバーナ10が取り付けられる一方、このパイロ
ットバーナ10の外周部に予混合稀薄燃焼方式のメイン
バーナ11が設けられる。
【0007】パイロットバーナ10は先端に圧縮機2か
らの吐出空気を撹拌するスワラ12が設けられ、このス
ワラ12が燃焼器ライナ3の頭部リング13に差し込ま
れる。パイロットバーナ10への燃料Aは外側のフラン
ジ14に接続されるパイロット燃料供給配管(図示せ
ず)により供給される。
【0008】一方、メインバーナ11は予混合稀薄燃焼
式バーナで、パイロットバーナ10の外周側に周方向に
等ピッチに設けられた燃料噴射ノズル15とこの燃料噴
射ノズル15の燃料噴射側に対向して配置される予混合
管16とから構成される。
【0009】予混合管16は燃焼器ライナ3とフロース
リーブ9の間に配置され、3つに分かれた予混合燃料の
噴出口16aが燃焼器ライナ3に差し込まれている。予
混合管16の入口部には、ヘッドプレート8の外側に接
続する燃料供給管18から燃料噴射ノズル15を通して
燃料が供給され、パイロットバーナ10とは別系統の燃
料Bが供給される。
【0010】他方、圧縮機2で圧縮された吐出空気Cは
燃焼器ライナ3とフロースリーブ9の間を通って流れ、
一部は冷却空気C1 として燃焼器ライナ3を冷却し、残
りの一部は燃焼用空気C2 としてパイロットバーナ10
のスワラ12から吹き出され、パイロットバーナ10か
ら噴射された燃料Aと撹拌され、燃焼室4内で燃焼す
る。
【0011】さらに、残りの吐出空気は予混合用空気C
3 として予混合管16の入口部から流入する。流入した
予混合用空気C3 は燃料噴射ノズル15から噴射された
燃料Bと予混合されて予混合稀薄燃料となり噴出口16
aから燃焼室4に噴出されて燃焼する。このメインバー
ナ11の予混合稀薄燃焼は上流側のパイロットバーナ1
0の燃焼による保炎機能に助けられて燃焼を維持してい
る。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】パイロットバーナ10
に拡散燃焼を、メインバーナ11には予混合稀薄燃焼を
組み合せた2段燃焼方式を従来のガスタービン燃焼器に
採用したものがあり、この2段燃焼方式は通常の拡散燃
焼方式に比べて、大幅な低NOx が図られる優れた燃焼
方式であるが、環境保全の面から、より一層NOx の低
減化が望まれている。
【0013】NOx は燃料の燃焼過程において空気中の
窒素と酸素が反応して発生するが、その発生は局所の燃
焼温度とその温度場での滞留時間に大きく依存してい
る。したがって、NOx を低減するには、まず局所の燃
焼温度をできる限り低くすること、そしてその温度場で
の滞留時間を短かくすることが有効な手段である。
【0014】滞留時間を短かくするには、ガスタービン
燃焼器1を小さくして燃焼ガスの流速を上げることが効
果的であるが、同時に燃焼負荷率は高くなり、燃焼器ラ
イナ3のメタル温度も高くなるので、ガスタービン燃焼
器1の冷却空気流量を増加させなければならない。その
ために、燃焼用空気が減少したり、あるいは、燃焼用空
気の減少ができない場合には、ガスタービン燃焼器1の
メタル温度が計画値よりも高くなり、ガスタービン燃焼
器1の損傷や寿命の低下をもたらすことになる。
【0015】一方、燃焼温度を下げるとNOx の発生は
指数関数的に減少し、例えば、燃料が天然ガスの場合、
燃料組成のばらつきによっても多少異なるが、燃焼温度
が1700℃前後を境に、この温度よりも高くなるとN
Ox は急激に増加し出し、この温度よりも低くなるとN
Ox は殆ど発生しなくなる。当然、滞留時間にも影響を
受けることが考えられるが、通常のガスタービンに使用
されるガスタービン燃焼器1では、この温度域で滞留時
間は殆ど影響するものではない。
【0016】予混合稀薄燃焼は燃焼前に燃料と空気を予
め混合しておき、予混合の当量比を1.0以下で燃焼さ
せる燃焼方式であるが、当量比を燃焼温度が1700℃
を超えないような値に選定することにより、NOx の発
生を極めて低いレベルに抑えることができる。
【0017】前述の拡散燃焼/予混合稀薄燃焼の2段燃
焼方式においても、定格負荷状態では、予混合稀薄燃焼
での燃焼温度が1700℃を超えないように予混合の当
量比が選定されているので、この燃焼でのNOx の発生
は殆どなく、この2段燃焼方式でのNOx の発生は殆ど
が拡散燃焼に依存していることになる。
【0018】したがって、NOx の低減を図るには、拡
散燃焼と予混合稀薄燃焼に供される燃料流量の割合をN
Ox が発生する拡散燃焼側にはできるだけ少なく、NO
x の発生が殆どない予混合稀薄燃焼側には多くするこ
と、そして拡散燃焼から予混合稀薄燃焼への燃料の切換
をできるだけ低負荷側で行なうことが重要である。
【0019】まず拡散燃焼と予混合稀薄燃焼に供される
燃料流量の割合について述べる。予混合稀薄燃焼の火炎
温度が低いために、予混合稀薄燃焼単独では失火したり
あるいは失火しないまでも不安定燃焼を起こして、燃焼
振動が生じたり、COが多量に発生したりするおそれが
ある。そのために、予混合稀薄燃焼が安定した燃焼状態
を維持できるように、拡散燃焼によって高温の燃焼領域
を形成して予混合稀薄燃焼に対する保炎機能の役目を担
わせる必要がある。このため、拡散燃焼への燃料流量の
割合を過度に低くすることはできない。
【0020】次に拡散燃焼から予混合稀薄燃焼への燃料
の切換について述べる。
【0021】切換をできるだけ低負荷側で行なえば、切
換点を最大値とするような部分負荷におけるNOx の発
生を低減できることは言うまでもないが、余りにも低負
荷側で燃料の切換を行なうと、まず拡散燃焼への燃料供
給量が少ないので、拡散燃焼によって形成される高温の
燃焼領域が狭くなり、予混合稀薄燃焼の保炎の役目を充
分に発揮することができなくなる。
【0022】図10に示すように、予混合稀薄燃焼にお
いては、予混合燃料の当量比は低くなり過ぎてしまい、
上記の高温の燃焼領域が狭いことと相俟って、予混合稀
薄燃焼は前述と同様、失火したりあるいは失火しないま
でも不安定燃焼を起こして、燃焼振動が生じたり、CO
が多量に発生したりする。したがって、予混合稀薄燃焼
が安定した燃焼状態を維持するためには、拡散燃焼へ最
小限の燃料流量の供給が必要であり、また燃料の切換を
余り低負荷側で行なうことはできなくなる。
【0023】予混合稀薄燃焼方式は低NOx 化の手段と
して優れた燃焼方式であるが、予混合管内での逆火の可
能性を持っており、このような逆火現象が発生すると大
きな事故を招き、ガスタービンの運転の信頼性を著しく
低下させることになる。逆火は、燃料組成、温度、当量
比の条件の基で、予混合燃料の流速が火炎伝播速度より
も低くなることによって発生する。このため、予混合管
内の流速は火炎伝播速度よりも速くなるようにすること
が肝要であり、さらに、予混合管16内で局所的に火炎
伝播速度よりも低い領域が生じないような滑かな形状が
求められる。
【0024】以上述べたように、NOx は殆どが拡散燃
焼によって発生するが、拡散燃焼に供される燃料流量の
割合が多いので、部分負荷を含めてNOx の発生量はま
だ高いレベルにあり、タービン燃焼器1の低NOx 化に
おいては、必ずしもまだ充分ではない。
【0025】また、パイロットバーナ10からメインバ
ーナ11に燃料を切り換えるときに、メインバーナ11
の当量比が低く、このときに、COが発生したり、不安
定な燃焼が生じたりする場合があり、低CO化や安定燃
焼による運転信頼性の面からは、必ずしも充分ではなか
った。また、予混合管16内の平均流速は火炎伝播速度
よりも速くとられていても、局所的に速度の遅い領域が
生じて、逆火に対する裕度が必ずしも充分ではない。
【0026】本発明は上述した事情を考慮してなされた
もので、ガスタービンの定格負荷および部分負荷を含め
た全負荷帯において、NOx の発生やCOの発生を極め
て低いレベルに抑え、全運転領域で安定した燃焼状態を
維持し、長期間安定した運転ができる信頼性の高いガス
タービン燃焼器およびその運転方法を提供することを目
的とする。
【0027】本発明の他の目的は、予混合稀薄燃焼の逆
火に対して予混合管に裕度を持たせ、燃料制御も容易で
長期間安定した運転ができ、低NOx 、低COの信頼性
の高いガスタービン燃焼器およびその運転方法を提供す
るにある。
【0028】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明に係るガスタービン燃焼器は、請求項1に記
載したように、燃焼器収納ケーシング内に燃焼器ライナ
を収納し、この燃焼器ライナはコーン状ヘッド部内に燃
焼室を、この燃焼室下流側に燃焼ガスの混合域をそれぞ
れ形成し、上記燃焼器ライナのヘッド部に中央側にパイ
ロットバーナを、外周側にメインバーナをそれぞれ設
け、上記パイロットバーナは拡散燃焼バーナとこの拡散
燃焼バーナの外周部に配置された複数の予混合稀薄燃焼
バーナとから構成し、前記メインバーナは予混合稀薄燃
焼バーナを複数ずつ内周側および外周側に備えて2系統
構成としたものである。
【0029】また、本発明に係るガスタービン燃焼器
は、上記課題を解決するために、請求項2に記載したよ
うに、前記メインバーナおよびパイロットバーナの予混
合稀薄燃焼バーナは、燃料噴射ノズルとこの燃料噴射ノ
ズルの燃料噴射側に対向して設置される予混合管とを有
し、上記パイロットバーナの予混合管は入口部から管途
中まで直管状をなし、噴出口に近付くに従って断面積が
滑かに減少し、かつ噴出口が配置された円周上の接線方
向に所要の傾斜角度を持たせて湾曲させたものであり、
また、請求項3に記載したように、メインバーナはパイ
ロットバーナの外周部に配置される2系統の予混合稀薄
燃焼バーナであり、上記メインバーナは内周側および外
周側で2系統の予混合稀薄燃焼バーナ毎に複数の燃料噴
射ノズルとこれらの燃料噴射ノズルの燃料噴射側に対向
して設置される予混合管とが燃焼器ライナの周りにそれ
ぞれ配置され、2系統の予混合稀薄燃焼バーナの予混合
管の各噴出口は燃焼器ライナのコーン状ヘッド部にそれ
ぞれ接続され、外周側の予混合管の噴出口は内周側の予
混合管の噴出口より下流側に位置されたものであり、さ
らに、請求項4に記載したように、メインバーナの予混
合管は入口部から管途中まで直管状をなし、噴出口に近
付くに従って断面積が滑かに減少し、かつ燃焼器ライナ
のコーン状ヘッド部に接続される噴出口の軸線が燃焼器
ライナのライナ面にほぼ垂直をなすように形成されたも
のである。
【0030】さらに、上記課題を解決するために、本発
明に係るガスタービン燃焼器は、請求項5に記載したよ
うに、タービン燃料供給系統に燃料圧力制御弁と燃料流
量制御弁を順次設置し、この燃料流量制御弁の下流側か
らタービン燃料供給系統をパイロット燃料供給系統とメ
イン燃料供給系統に分岐させ、分岐された一方パイロッ
ト燃料供給系統はパイロット燃料分配弁の下流側から拡
散燃焼用燃料供給系統と予混合稀薄燃焼用燃料供給系統
に分岐され、途中にそれぞれ備えられた燃料マニホール
ド管を介してパイロットバーナの各燃料管に接続され、
上記予混合稀薄燃焼用燃料供給系統にはオン−オフ弁と
流量調整オリフィスが設置される一方、他方のメイン燃
料供給系統はメイン燃料分配弁の下流側から複数の予混
合稀薄燃料供給系統に分岐され、途中にそれぞれ備えら
れた燃料マニホールド管を介してメインバーナの各燃料
管に接続され、外周側に配置の燃料噴射ノズルに供給さ
れる予混合稀薄燃料供給系統にはオン−オフ弁と流量調
整オリフィスが設けられたものである。
【0031】また、上記課題を解決するために、本発明
に係るガスタービン燃焼器の運転方法は、請求項6に記
載したように、ガスタービンの着火から回転上昇過程に
おいては、パイロットバーナの拡散燃焼バーナのみを作
動させ、その後、ガスタービンが無負荷定格回転数に到
達する前に、パイロット燃料供給系統の一部を切り換え
て、パイロットバーナを拡散燃焼バーナと予混合稀薄燃
焼バーナの双方を作動させて拡散燃焼バーナに供給され
る燃料流量を減少させ、ガスタービンが無負荷から所要
の低負荷までの負荷帯はパイロットバーナの双方のバー
ナを燃焼させる燃焼状態を継続し、ガスタービンが所要
の低負荷でメインバーナの内周側に配置されている燃料
噴射ノズルを作動させる際、パイロットバーナに供給さ
れる燃料の一部を燃料流量の総和を変えないで切り換え
てメインバーナの内周側を作動させ、パイロットバーナ
とメインバーナの双方で、ガスタービンの所要の低負荷
から中間負荷までの負荷帯を運転し、さらに、ガスター
ビンが所要の中間負荷でパイロットバーナへの燃料供給
量をほぼ一定に保ってメインバーナの外周側に配置され
ている燃料噴射ノズルを作動させ、メインバーナに供給
される燃料の総量を変えないで内周側および外周側配置
の燃料噴射ノズルを共に作動させ、ガスタービンが所要
の中間負荷から定格負荷までの負荷帯はパイロットバー
ナとメインバーナの全ての燃料供給系統を作動させて運
転する方法である。
【0032】さらに、本発明に係るガスタービン燃焼器
の運転方法は、上記課題を解決するために、請求項7に
記載したように、ガスタービンが無負荷定格回転数に到
達する前に、パイロットバーナの予混合稀薄燃焼バーナ
を作動させたとき、予混合管内の当量比はCOの発生が
急激に増加する最小当量比よりも大きく、次に、ガスタ
ービンが所要の低負荷でパイロットバーナに供給される
燃料の一部をメインバーナの内周側に配置されている燃
料噴射ノズルに燃料流量の総和を変えないで切り換えて
作動させるとき、メインバーナへの切換直前において、
パイロットバーナの予混合管内の当量比はNOxの発生
が急激に増加する当量比よりも小さく、メインバーナへ
の切換直後においては、パイロットバーナの予混合管内
の当量比およびメインバーナの内周側に配置されている
予混合管内の当量比はCOの発生が急激に増加する当量
比よりも大きく、さらに、ガスタービンが所要の中間負
荷でメインバーナの外周側に配置されている燃料噴射ノ
ズルを作動させるとき、メインバーナの外周側への切換
直前において、メインバーナの内周側に配置されている
予混合管内の当量比はNOxの発生が急激に増加する当
量比よりも小さく、切換直前においては、メインバーナ
の内周側および外周側に配置されている予混合管内の当
量比は双方ともCOの発生が急激に増加する当量比より
も大きく、そしてガスタービンが定格負荷の状態におい
て、メインバーナの内周側および外周側に配置されてい
る予混合管内の当量比はNOxの発生が急激に増加する
当量比よりも小さく、かつ、パイロットバーナはガスタ
ービンが所要の低負荷運転時から定格負荷運転時までの
負荷帯ではほぼ一定の燃料流量を保持するように燃料制
御する運転方法である。
【0033】
【作用】本発明のガスタービン燃焼器は、燃焼器ライナ
のヘッド部にパイロットバーナとメインバーナをそれぞ
れ設ける一方、パイロットバーナは拡散燃焼バーナとこ
の拡散燃焼バーナの外周部に配置された複数の予混合稀
薄燃焼バーナとを備え、パイロットバーナが拡散燃焼と
予混合稀薄燃焼の2つのバーナを有するので、このパイ
ロットバーナとメインバーナでガスタービン燃焼器内で
の燃焼状態を調節することにより、ガスタービンの定格
負荷および部分負荷を含めた全負荷帯において、NOx
の発生やCOの発生を極めて低いレベルに維持し、全運
転領域で安定した燃焼状態を維持し、長期間安定した運
転を確保でき、信頼性が高い。
【0034】また、パイロットバーナに予混合稀薄燃焼
バーナを備える一方、メインバーナは予混合稀薄燃焼バ
ーナであり、各予混合稀薄燃焼バーナの燃料噴射ノズル
の燃料噴射側に対向して配置される予混合管は請求項2
から請求項4に示すように構成したので、予混合管内を
流れる予混合稀薄燃料の流速を、常時火災伝播速度以上
に安定的に保つことができ、逆火現象を防止し、予混合
稀薄燃焼の逆火に対して予混合管に裕度を持たせること
ができ、燃料制御も容易で長期間安定した運転を確保で
きる。
【0035】また、このガスタービン燃焼器の運転方法
によると、ガスタービンの着火から回転上昇過程におい
てはパイロットバーナの内、拡散燃焼バーナのみを作動
させるが、この拡散燃焼は保炎機能に優れ、安定した燃
焼状態を維持しながら、ガスタービンの回転上昇を行な
う。ガスタービンが無負荷定格回転数に到達する前に、
パイロット燃料系統の一部を切り換えてパイロッバーナ
は拡散燃焼バーナと予混合稀薄燃焼バーナの2系統を作
動させる。
【0036】パイロット燃料供給系統の一部を切り換え
た直後では、拡散燃焼バーナに供給される燃料流量は減
少するが、拡散燃焼バーナが安定して燃焼するための最
小燃料流量を確保しておき、ガスタービンが無負荷定格
回転数に到達した時点でもこの状態が維持されている。
したがって、従来のパイロットバーナが拡散燃焼のみの
燃焼であるのに比べて、このパイロットバーナでは、拡
散燃焼バーナに供給される燃料流量が大幅に減少し、N
Ox は燃料流量にほぼ比例して減少することから、無負
荷運転状態において、既に、低NOx 化が図られてい
る。パイロットバーナの予混合稀薄燃焼バーナは拡散燃
焼バーナの外周に設けられているので、拡散燃焼の火炎
が予混合稀薄燃焼に対して保炎機能を持っており、さら
に、予混合内の当量比はCOの発生が急激に増加する当
量比よりも大きいので、COの発生は少なく、安定した
燃焼状態が得られる。
【0037】パイロットバーナへの燃料流量が増加する
と拡散燃焼バーナと予混合稀薄燃焼バーナには比例的に
燃料が増加して、ガスタービンは負荷運転状態となる。
ガスタービンが所要のある低負荷において、メイン燃料
供給系統を作動させ、パイロットバーナに供給されてい
る燃料の一部をメインバーナの内周側に配置されている
燃料噴射ノズルに燃料流量の総和を変えないで切り換
え、メインバーナを作動させる。
【0038】まず、メインバーナへの切換直後におい
て、パイロットバーナの拡散燃焼バーナに供給されてい
る燃料流量が、従来の拡散燃焼のみのパイロットバーナ
に比べて大幅に少ないので、拡散燃焼バーナからのNO
x の発生は大幅に低減される。また、予混合管内の当量
比はNOx の発生が急激に増加する当量比よりも小さい
ので、パイロットバーナ全体としては、NOx は大幅に
低減され、部分負荷運転時におけるパイロットバーナと
メインバーナの燃料切換直前のNOx 発生のピークを極
めて低いレベルに抑えることができる。
【0039】次に、切換直後においては、パイロッバー
ナの拡散燃焼バーナに供給される燃料流量は減少するの
でNOx はさらに減少する。パイロットバーナの予混合
管内の当量比およびメインバーナの内周側に配置されて
いる予混合管内の当量比はCOの発生が急激に増加する当
量比よりも大きくとられており、しかも、パイロットバ
ーナは無負荷運転時とほぼ同じ燃焼状態を維持してお
り、メインバーナの燃焼に対して充分な保炎機能を保持
しているので、メインバーナは安定した燃焼を確保する
ことができる。
【0040】さらに負荷上昇した領域では、パイロット
バーナへの燃料供給量はほぼ一定値になるように制御さ
れるので、パイロットバーナの燃焼状態はほとんど変化
せずに、定格負荷までこの状態を維持している。ある中
間負荷において、メインバーナの燃料供給系統にあるオ
ン−オフ弁の弁開度を閉から開にして、メインバーナの
内周側に配置されている燃料噴射ノズルに供給される燃
料の一部を総量を変えないで外周側に配置されている燃
料噴射ノズルに切り換えてメインバーナの2系統を作動
させる。
【0041】切換直前において、メインバーナの内周側
に配置されている予混合管内の当量比はNOx の発生が
急激に増加する当量比よりも小さいので、メインバーナ
でのNOx の発生はほとんどなく、パイロットバーナで
の僅かなNOx の発生があるのみである。
【0042】切換直後においては、メインバーナの内周
側および外周側に配置されている予混合管内の当量比は
双方ともCOの発生が急激に増加する当量比よりも大き
いので、COの発生はほとんど見られず、また、パイロ
ットバーナの保炎機能により、メインバーナは安定した
燃焼状態を保持できる。
【0043】さらに、負荷が上昇して定格負荷の運転状
態においては、メインバーナの予混合管内の当量比はN
Ox の発生が急激に増加する当量比よりも小さいので、
上記と同様に、メインバーナでのNOx の発生はほとん
どなく、パイロットバーナでの僅かなNOx の発生があ
るのみで、燃焼器全体としてNOx の発生は極めて低い
レベルに抑えることができる。
【0044】
【実施例】以下、本発明に係るガスタービン燃焼器の一
実施例について添付図面を参照して説明する。
【0045】図1は本発明のガスタービン燃焼器の組立
断面を、図2は図1に示すガスタービン燃焼器の縦断面
をそれぞれ示す。図3は図1に示すガスタービン燃焼器
のIII −III 線に沿う断面図である。
【0046】ガスタービン燃焼器20はガスタービン2
1と圧縮機22の間に位置され、燃焼器収納ケーシング
を兼ねるガスタービンケーシング23内に周方向に沿っ
て数個あるいは十数個配置されている。ガスタービン燃
焼器20はガスタービンケーシング23にヘッドプレー
ト24を介して取り付けられる。
【0047】ガスタービン燃焼器20はガスタービンケ
ーシング23内に収容される燃焼器ライナ25を有す
る。燃焼器ライナ25は内部のコーン状ヘッド部に燃焼
室26を画成する一方、この燃焼室26の下流側に燃焼
ガスの混合域27が形成され、燃焼ガスはトランジショ
ンピース28を介してガスタービン21の入口側に供給
されてガスタービン21を駆動するようになっている。
【0048】一方、燃焼器ライナ25はガスタービンケ
ーシング23のヘッドプレート24側内周フランジに取
り付けられたフロースリーブ30で覆われており、この
フロースリーブ30と燃焼器ライナ25との間に空気流
路31が形成され、この空気流路31に圧縮機22から
の吐出空気Cが案内されるようになっている。空気流路
31の途中にはガイドベーン32が設置され、このガイ
ドベーン32で吐出空気Cを案内している。
【0049】また、ヘッドプレート24には中央側にパ
イロットバーナ33が、周辺側にメインバーナ34が設
置される。パイロットバーナ33は燃焼器ライナ25の
頂部リング35に差し込まれ、拡散燃焼バーナ36とこ
の拡散燃焼バーナ36の周りに配置される複数の予混合
稀薄燃焼バーナ37とを有し、これらの拡散燃焼バーナ
36および予混合稀薄燃焼バーナ37はヘッダディスク
38であるパイロットバーナフランジに取り付けられ
る。
【0050】ヘッダディスク38はヘッドプレート24
の中央開口部を覆うように固定され、その内側中央部に
拡散燃焼バーナ36が、周辺に複数の予混合稀薄燃焼バ
ーナ37がそれぞれ設置される。ヘッダディスク38の
外側には取付フランジ付きの2本の燃料供給管39,4
0が接続され、このうち中央の燃料供給管39は拡散燃
焼用燃料供給管でヘッダディスク38内の中央流路を介
して拡散燃焼バーナ36に連通される。拡散燃焼バーナ
36の拡散燃料バーナ管41はスリーブ状の拡散燃焼用
空気管42内を通される。拡散燃焼用空気管42には圧
縮機22からの吐出空気Cがフロースリーブ30を通っ
て案内される一方、その先端に吐出空気を撹拌する拡散
燃焼用スワラー43が取り付けられる。
【0051】また、他方の燃料供給管40は予混合稀薄
燃焼用燃料供給管でヘッダディスク38内に形成される
トーラス状の燃料ヘッダ44に連通され、この燃料ヘッ
ダ44に予混合稀薄燃焼バーナ37の燃料噴射ノズル4
5がそれぞれ連通される。予混合稀薄燃焼バーナ37は
燃料噴射ノズル45とその燃料噴射側に対向して配置さ
れる予混合管46とから構成される。
【0052】予混合稀薄燃焼バーナ37の予混合管46
は、入口部から管途中まで直管状をなし、噴出口46a
に向って断面積が滑かに減少している。各予混合管46
の噴出口46aは周方向に配列され、各噴出口46aを
配列した円周上の接線方向に所要の傾斜角度を持たせて
湾曲している。
【0053】なお、符号47はパイロットバーナ33を
補強する補強プレートである。
【0054】また、パイロットバーナ33の外側に位置
されるメインバーナ34は内周側と外周側で2系統の予
混合稀薄燃焼バーナ50,51をそれぞれ備えており、
各系統の予混合稀薄燃焼バーナ50,51はそれぞれ周
方向に沿って複数個ずつ等ピッチに設けられる。
【0055】このうち、内周側の予混合稀薄燃焼バーナ
50は、ヘッドプレート24に取り付けられる燃料噴射
ノズル53とこのノズルの燃料噴射側に対向して配置さ
れる予混合管54とを有する。各燃料噴射ノズル53は
ヘッドプレート24内に形成されたトーラス状の内側燃
料ヘッダ55に連通され、この内側燃料ヘッダ55には
ヘッドプレート24の外側から接続フランジ付の内側燃
料供給管56が連通している。
【0056】また、予混合管54は入口部から管途中ま
で直管状をなし、噴出口54aに近付くに従って湾曲し
て断面積が滑かに減少している。予混合管54の噴出口
54aは燃焼器ライナ25のコーン状ヘッド部25aに
接続され、その際、予混合管54の噴出口54aの軸線
が燃焼器ライナ25のライナ面にほぼ垂直となるように
形成される。
【0057】一方、外周側の予混合稀薄燃焼バーナ51
もヘッドプレート24に取り付けられる燃料噴射ノズル
57とこのノズル57の燃料噴射側に対向して設置され
る予混合管58とを有する。各燃料噴射ノズル57はヘ
ッドプレート24内に形成されるトーラス状の外側燃料
ヘッダ59に連通される。この燃料ヘッダ59にはヘッ
ドプレート24の外側から接続フランジ付の外側燃料供
給配管60が接続され、連通している。
【0058】また、外周側の予混合稀薄燃焼バーナ51
の予混合管58は入口部から管途中まで直管状をなし、
噴出口58aに近付くに従って湾曲して断面積が滑かに
減少し、燃焼器ライナ25のコーン状ヘッド部25aに
接続される。各予混合管58の噴出口58aは内周側予
混合管54の噴出口54aより下流側に位置され、ま
た、噴出口58aの軸線は燃焼器ライナ25のライナ面
にほぼ垂直をなすように形成される。
【0059】なお、各予混合管46,54,58は予混
合管支持リング62に適宜ブラケットを介して支持され
る。符号63は燃焼器ライナ支持金具である。
【0060】上記燃焼器ライナ25はコーン状ヘッド部
25a内が燃焼室26として形成される一方、この燃焼
室26の下流側に燃焼ガスの混合域27が続いており、
この混合域27内に圧縮機22からの吐出空気の一部が
冷却空気C1 として吹き込まれるようになっている。
【0061】また、ガスタービン燃焼器20に燃料を供
給するタービン燃料供給系統65は図4に示すように構
成される。図示しない燃料供給装置から燃料が供給され
るタービン燃料供給系統65は燃料圧力制御弁66と燃
料流量制御弁67とを有し、燃料流量制御弁67の下流
側でパイロット燃料供給系統68とメイン燃料供給系統
69に分岐される。
【0062】分岐された一方のパイロット燃料供給系統
68はパイロット燃料分配弁70の下流側から拡散燃焼
用燃料供給系統71と予混合稀薄燃焼用燃料供給系統7
2とに分岐されてパイロットバーナ33の拡散燃焼用燃
料供給管39および予混合稀薄燃焼用燃料供給管40に
接続される。予混合稀薄燃焼用燃料供給系統72にはオ
ン−オフ弁73と流量調整オリフィス74が設置され
る。
【0063】また、他方のメイン燃料供給系統69はメ
イン燃料分配弁75の下流側から内側予混合稀薄燃料供
給系統76と外側予混合稀薄燃料供給系統77とに分岐
され、メインバーナ34の内側燃料供給管56および外
側燃料供給管60にそれぞれ接続される。外側予混合稀
薄燃料供給系統77にはオン−オフ弁78と流量調整オ
リフィス79がそれぞれ設けられる。
【0064】ところで、ガスタービン燃焼器20はガス
タービンのほぼ円周上に数個あるいは十数個配置される
が、このうち、ある2つのガスタービン燃焼器20,2
0にはそれぞれ1つ計2つの着火器80(第3図参照)
が取り付けられる。着火器80を取り付けたガスタービ
ン燃焼器20とは別の2つのガスタービン燃焼器にはそ
れぞれに1つ計2つの火炎検出器81が取り付けられ、
また、全てのガスタービン燃焼器20間に火炎伝播管8
2が設けられている。
【0065】ガスタービンの起動時において、上記着火
器80が作動して着火器80が設けられているガスター
ビン燃焼器20の着火が行なわれる。隣接するガスター
ビン燃焼器には燃焼ガスの一部が火炎伝播管82を通っ
て流入して着火され、以後順次着火されていき全ガスタ
ービン燃焼器20の着火が行なわれる。ガスタービン燃
焼器での着火状態は火炎伝播管81で火炎を検知してガ
スタービンの着火完了を確認する。
【0066】次に、ガスタービン燃焼器の作用を説明す
る。
【0067】圧縮機22はガスタービン21と一体的に
駆動され、この圧縮機22の駆動により圧縮された吐出
空気Cは、燃焼器ライナ25とフロースリーブ30の間
を通って燃焼器頂部に向って流れ、一部は冷却空気C1
として燃焼器ライナ25を冷却して燃焼ガス中に混入
し、残りはパイロットバーナ33およびメインバーナ3
4の燃焼用空気として供給される。
【0068】一方、タービン燃料は図示しない外部燃料
供給装置からガスタービン燃焼器20に供給されて、燃
焼室26内で燃焼し、その高温高圧の燃焼ガスDはガス
タービン燃焼器20からトランジションピース28を通
ってガスタービン21に導かれ、ガスタービン21を駆
動して膨脹し、仕事をする。
【0069】外部燃料供給装置からのタービン燃料は、
具体的にはパイロットバーナ33およびメインバーナ3
4を介して燃焼器ライナ25の燃焼室26に供給され
る。このうち、パイロットバーナ33は拡散燃焼バーナ
36と予混合稀薄燃焼バーナ37を有し、拡散燃焼用バ
ーナ36に拡散燃焼用燃料供給管39を介して拡散燃焼
用燃料が供給される。
【0070】拡散燃焼バーナ36の拡散燃焼バーナ管4
1先端には拡散燃焼用スワラ43が設けられており、ス
ワラ43の内輪には燃料噴射口41aを備えている。こ
の燃料噴射口43aから燃料が噴出し、噴出した燃料は
拡散燃焼バーナ管41とその外側にある拡散燃焼用空気
管42とで形成される空気通路部Pに送り込まれた燃焼
用空気により拡散燃焼用スワラ43から混合拡散して吹
き出され、燃焼室26内で燃焼する。拡散燃焼は拡散燃
焼用スワラ43の撹拌効果によって、燃焼域中心部に保
炎域Rを形成しているので、それ自身で安定した燃焼を
維持する機能を有している。
【0071】また、予混合稀薄燃焼バーナ37は拡散燃
焼バーナ36の周りに設けられ、ヘッダディスク38の
内側に取り付けられる複数の予混合稀薄燃焼用燃料噴射
ノズル45を備え、この燃料噴射ノズル45に予混合稀
薄燃焼用燃料供給管40から燃料ヘッダ44を経て予混
合稀薄燃焼バーナ用燃料が供給される。
【0072】供給された予混合稀薄燃焼バーナ用燃料は
燃料噴射ノズル45のノズル口から予混合管46内に噴
出される。噴出された燃料は、予混合管46内で予混合
用空気と混合して予混合管46の噴出口46aから噴出
される。
【0073】噴出された予混合燃料は拡散燃料火炎域S
の火炎を包むようなスワール流を形成しており、中心部
の拡散燃焼火炎はこの予混合稀薄燃焼に対して保炎機能
を果している。このため、パイロットバーナ33の予混
合稀薄燃焼バーナ37は安定した燃焼を維持することが
できる。
【0074】ところで、予混合稀薄燃焼バーナ37の予
混合管46は燃料と空気が充分に混合するための長さが
必要なために、予混合稀薄燃焼バーナ37の内側にある
拡散燃焼バーナ管41は長くなる。この拡散燃焼バーナ
管41の剛性を下げないために数個の補強プレート47
がヘッダディスク38に固定され、拡散燃焼バーナ管4
1と、拡散燃焼用空気管42を接合している。
【0075】一方、メインバーナ34においては、複数
の予混合管54が内周側に、他の予混合管58が外周側
に、それぞれ円周上等ピッチで周方向に配置されてお
り、燃焼器ライナ25の周りに位置している。内周側の
予混合管54の噴出口54aは燃焼室26の上流側に、
外周側の予混合管58の噴出口58aがその直ぐ下流側
に位置するように燃焼器ライナ25に差し込まれてい
る。
【0076】予混合管54,58は付属する支持金物8
4によって燃焼器ライナ25の頂部(ヘッド部)に取り
付けられた予混合管支持リング62のそれぞれ2つのブ
ラケット85にピンで結合されている。
【0077】ヘッドプレート24には、パイロットバー
ナ33の燃料噴射ノズル45と同様、メインバーナ34
にも内周側および外周側に数個の予混合稀薄燃焼用燃料
噴射ノズル53,57が取り付けられており、これら燃
料噴射ノズル先端部が各々対応する予混合管54,58
の入口部に差し込まれている。
【0078】ヘッドプレート24の内部には、トーラス
状の内側燃料ヘッダ55と外側の燃料ヘッダ59が二重
に設けられていて、各ヘッダ55,59が燃料噴射ノズ
ル53,57に通じている。内側および外側の燃料ヘッ
ダ55,59はヘッドプレート24の外側の内側および
外側燃料供給管56,60と接続している。これらの内
側および外側の燃料供給管56,60を通してメインバ
ーナ34の予混合稀薄燃焼バーナ用燃料が供給される。
供給された燃料は燃料噴射ノズル53,57から予混合
管54,58内に噴出され、噴出された燃料は予混合管
54,58内で予混合用空気と混合してそれぞれの噴出
口54a,58aから燃焼室26に噴出される。
【0079】内側の予混合管54から噴出される予混合
燃料はパイロットバーナ33の燃焼火炎域に向けられて
おり、噴出流同士が中心部で衝突して減速し、高温燃焼
雰囲気と相俟って、この領域でメインバーナ34の予混
合稀薄燃焼に対する保炎域を形成することができ、予混
合稀薄燃焼は安定した燃焼を維持することができる。
【0080】外側の予混合管58の予混合稀薄燃焼も上
記と同様の燃焼形態をとっており、予混合管58から噴
出される予混合燃料は上流側の保炎域を形成する高温燃
焼領域に噴出されるので、この燃焼も安定した燃焼を維
持することができる。
【0081】図5にパイロットバーナ33およびメイン
バーナ34の予混合管46,54,58内の流速分布を
示す。予混合燃料は噴出口に近付くに従って断面積が減
少して流速が速くなり、予混合管46,54,58の全
域で管内流速は火炎伝播速度よりも速く、しかも円管形
状なので局所的な減速域がなく、逆火に対する充分な裕
度を備えている。
【0082】メインバーナ34の燃焼域下流側には、パ
イロットバーナ33とメインバーナ34の燃焼ガスおよ
び燃焼器ライナ25の冷却空気C1 が混合する燃焼ガス
混合域27があり、ここで均質化が図られた燃焼ガスD
は下流側に設けられたトランジションピース28を通っ
てガスタービン21に導かれる。
【0083】また、ガスタービン燃焼器20は、燃焼器
頂部の円周上に、数個の燃焼器ライナ支持金具63を備
え、フロースリーブ30から張り出した支持棒63aが
燃焼器ライナ支持金具63に嵌め込まれる。また、燃焼
器ライナ25は燃焼ガス混合域27の端部がその下流側
にあるトランジションピース28に差し込まれて、燃焼
器ライナ25の位置が決められている。フロースリーブ
30は燃焼器ライナ25と同軸上に配置され、ガスター
ビンケーシング23に取り付けられている。フロースリ
ーブ30の内面円周上に設けられたガイドベーン32に
より、吐出空気がその上部側の燃焼器ライナ25の外面
に沿って流れ、燃焼器ライナ25を冷却している。
【0084】また、ガスタービン燃焼器20にタービン
燃料を供給する燃料供給系統は図4に示すように構成さ
れている。この燃料供給系統65において、上流側か
ら、燃料圧力制御弁66、燃料流量制御弁67が設けら
れ、燃料流量制御弁67の下流で燃料供給系統65はパ
イロットバーナ33へ供給するパイロット燃料供給系統
68とメインバーナ34へ供給するメイン燃料供給系統
69に分岐される。
【0085】パイロット燃料供給系統68にはパイロッ
ト燃料分配弁70が、メイン燃料供給系統69にはメイ
ン燃料分配弁75が取り付けられている。
【0086】パイロット燃料供給系統68はパイロット
燃料分配弁70の下流側で、再び拡散燃料供給系統71
と予混合稀薄燃料供給系統72の2つの系統71,72
に分岐されており、一方の拡散燃料供給系統71は燃料
マニホールド管86を介して各ガスタービン燃焼器20
の拡散燃焼バーナ36の燃料供給管39に接続して拡散
燃焼用燃料が供給される。他方の予混合稀薄燃料供給系
統72にも燃料マニホールド管86は設けられており、
同様の機能を有している。予混合稀薄燃料供給系統72
には、オン−オフ弁73と流量調整オリフィス74が設
けられており、予混合稀薄燃焼バーナ37の燃料供給管
40に接続し、予混合稀薄燃料を供給する。流量調整オ
リフィス74で予め拡散燃焼バーナ36と予混合稀薄燃
焼バーナ37への燃料配分を設定しておく。
【0087】また、メイン燃料供給系統69もメイン燃
料分配弁75の下流側で、2つの予混合稀薄燃料供給系
統76,77に分岐される。一方は内側の燃料供給管5
6に接続して予混合稀薄燃料が供給される。もう一方の
予混合稀薄燃料供給系統77には、パイロット燃料供給
系統68と同様に、オン−オフ弁78と流量調整オリフ
ィス79が設けられており、予混合稀薄燃料供給管60
に接続して、予混合稀薄燃料を供給する。この予混合稀
薄燃料供給系統76,77でも同様に、燃料噴射ノズル
53,57への燃料配分が設定される。
【0088】ところで、このガスタービン燃焼器20に
おいては、パイロットバーナ33に拡散燃焼バーナ35
と予混合稀薄燃焼バーナ37の2つのバーナを備え、ま
たメインバーナ34に2系統の予混合稀薄燃焼バーナ5
0,51を設けたので、これらのパイロットバーナ33
とメインバーナ34によって、低NOx 化と低CO化を
実現化する作用を有する。
【0089】図6(A)および(B)はガスタービンの
運転において、ガスタービン負荷に対する当量比、燃料
流量の運転計画を示すものであり、図7はガスタービン
負荷とNOx とCOの発生の関係を示すものである。
【0090】ガスタービン21はその着火から回転上昇
過程においてはパイロットバーナ33の内、拡散燃焼バ
ーナ36のみを作動させるが、この拡散燃焼は保炎機能
に優れ、安定した燃焼状態を維持しながら、ガスタービ
ン1の回転上昇を行なう。
【0091】ガスタービン21が無負荷定格回転数に到
達する前に、パイロットバーナ33の燃料供給系統72
にあるオン−オフ弁73の弁開度を閉から開にして拡散
燃焼バーナ36に供給されている燃料の一部を燃料流量
の総和を変えることなく予混合稀薄燃焼バーナ37に切
り換えて、パイロットバーナ33を拡散燃焼バーナ36
と予混合稀薄燃焼バーナ37の2系統71,72を作動
させる。
【0092】燃料の切換直後では、拡散燃焼バーナ36
に供給される燃料流量は減少するが、拡散燃焼バーナ3
6が安定して燃焼するための最小流量を確保しておき、
ガスタービン21が無負荷定格回転数に到達した時点で
もこの状態が維持される。したがって、従来のパイロッ
トバーナが拡散燃焼のみの燃焼であるのに比べて、この
パイロットバーナ33では、拡散燃焼バーナ36に供給
される燃料流量が大幅に減少し、NOx は図8に示すよ
うに、燃料流量にほぼ比例して減少することから、無負
荷運転状態において、既に、低NOx 化が図られてい
る。
【0093】予混合稀薄燃焼バーナ37は拡散燃焼バー
ナ36の外周に設けられているので、拡散燃焼の火炎が
予混合稀薄燃焼に対して保炎機能を持っており、さら
に、予混合稀薄燃料の当量比はCOの発生が急激に増加
する当量比よりも大きいので、COの発生は少なく、安
定した燃焼状態が得られる。
【0094】パイロットバーナ33への燃料流量を増加
させると拡散燃焼バーナ36と予混合稀薄燃焼バーナ3
7に供給される燃料が比例的に増加して、負荷運転状態
となる。ガスタービン21が所要の低負荷において、パ
イロットバーナ33に供給されている燃料の一部をメイ
ンバーナ34の内周側に配置されている燃料噴射ノズル
53に燃料流量の総和を変えないで切り換え、メインバ
ーナ34を作動させる。
【0095】また、メインバーナ34への切換直前にお
いて、パイロットバーナ33の拡散燃焼バーナ36に供
給されている燃料流量が、従来の拡散燃焼のみのパイロ
ットバーナに比べて大幅に少ないので、拡散燃焼バーナ
36からのNOx の発生は大幅に低減される。また、パ
イロットバーナ33の予混合管46内の当量比はNOxの
発生が急激に増加する当量比よりも小さいのて、パイロ
ットバーナ33全体としては、NOx は大幅に低減さ
れ、部分負荷運転時におけるパイロットバーナ33とメ
インバーナ34の燃料切換直前のNOx 発生のピークを
極めて低いレベルに抑えることができる。
【0096】次に、メインバーナ34への切換直後にお
いては、パイロットバーナ33の拡散燃焼バーナ36に
供給される燃料流量は減少するのでNOxはさらに減少
する。このときの拡散燃焼バーナ36は安定した燃焼す
るための最小燃料流量を確保している。パイロットバー
ナ33の予混合管46内の当量比やメインバーナ34の
内周側に配置されている予混合管54内の当量比はCO
の発生が急激に増加する当量比よりも大きくとられてお
り、しかも、パイロットバーナ33は無負荷運転時とほ
ぼ同じ燃焼状態を維持しており、メインバーナ34の燃
焼に対して充分な保炎機能を保持しているので、メイン
バーナ34は安定した燃焼を確保することができる。
【0097】さらにガスタービン21のタービン負荷が
上昇した領域では、パイロットバーナ33への燃料供給
量はほぼ一定値になるように制御されるので、パイロッ
トバーナ33の燃焼状態はほとんど変化せずに、定格負
荷運転までこの状態を維持している。所要のある中間負
荷において、メインバーナ34の燃料供給系統77にあ
るオン−オフ弁78の弁開度を閉から開にして、メイン
バーナ34の内周側に配置されている燃料噴射ノズル5
3に供給される燃料の一部を総量を変えないで外周側に
配置されている燃料噴射ノズル57に切り換えてメイン
バーナ34の2系統76,77を作動させる。
【0098】メインバーナ34の外周側への切換直前に
おいて、メインバーナ34の内周側に配置されている予
混合管54内の当量比はNOx の発生が急激に増加する
当量比よりも小さいので、メインバーナ34でのNOx
の発生はほとんどなく、パイロットバーナ33での僅か
なNOx の発生があるのみである。
【0099】切換直前においては、メインバーナ34の
内周側および外周側に配置されている予混合管54,5
8の当量比は双方ともCOの発生が急激に増加する当量
比よりも大きいので、COの発生はほとんど見られず、
また、パイロットバーナ33の保炎機能により、メイン
バーナ34は安定した燃焼状態を保持できる。
【0100】さらに、ガスタービン21のタービン負荷
が上昇して定格負荷の状態においては、メインバーナ3
4の双方の予混合管54,58の当量比はNOx の発生
が急激に増加する当量比よりも小さいので、上記と同様
に、メインバーナ34でのNOx の発生があるのみで、
ガスタービン燃焼器20全体としてNOx の発生は極め
て低いレベルに抑えることができる。
【0101】このように、このガスタービン燃焼器20
においては、パイロットバーナ33はガスタービン21
が無負荷定格回転数に到達する前に、拡散燃焼用燃料の
大部分が予混合稀薄燃焼用燃料に切り換わり、この燃料
流量の配分は負荷運転においても変わらない。パイロッ
トバーナ33の内、拡散燃焼バーナ36に供給される燃
料流量は従来の拡散燃焼だけのパイロットバーナに供給
される燃料流量に比べて大幅に減少させることができ
る。したがって、NOx は予混合稀薄燃焼ではほとんど
発生せず、そのほとんどが拡散燃焼で発生し、さらに、
NOx が拡散燃焼バーナ36に供給される燃料流量にほ
ぼ比例して発生することを考えると、従来の拡散燃焼だ
けのパイロットバーナの燃焼運転に比べて、このパイロ
ットバーナ33での燃焼によるNOx の発生を全負荷運
転域に亘って極めて低いレベルに抑え込むことができ
る。
【0102】従来の拡散燃焼だけのパイロットバーナの
ターン・ダウン比に比べて、このパイロットバーナ33
では拡散燃焼バーナ36のターン・ダウン比は、負荷運
転域で燃料流量が少ないので、小さくすることができ
る。そのため、拡散燃焼バーナ36の燃料噴射差圧を充
分高くとることができるので、ガスタービン21の起動
から部分負荷を含め、広い運転範囲で安定した燃焼状態
が得られ、さらに、COの発生を低減することができ
る。
【0103】燃料の切換時、例えば、ガスタービン21
が無負荷定格回転数に到達する前に、パイロットバーナ
33の拡散燃焼から予混合稀薄燃焼への切換、ある低負
荷でのパイロットバーナ33の燃焼状態からメインバー
ナ34の燃焼への切換、メインバーナ34での予混合稀
薄燃焼の1系統から2系統への切換で(ガスタービン2
1を停止させる場合では切換は逆になる)、これらの切
換時を含めて、ガスタービン21の全負荷領域におい
て、このガスタービン燃焼器20ではパイロットバーナ
33とメインバーナ34の予混合稀薄燃焼の当量比はN
Ox が急激に発生する空燃比よりも小さく、かつ、CO
が急激に発生する当量比よりも大きい範囲に入るように
燃料流量が制御されているので、予混合稀薄燃焼による
NOx およびCOの発生はいずれも極めて少ない。
【0104】したがって、ガスタービン21の無負荷か
ら定格負荷の全負荷範囲において、このガスタービン燃
焼器は低NOx 、低COを実現することができる。そし
て、パイロットバーナ33の予混合稀薄燃焼は拡散燃焼
火炎を包むように燃焼するので、予混合稀薄燃焼に対す
る保炎機能は良好で、パイロットバーナ33の予混合稀
薄燃焼は安定した燃焼状態が得られる。メインバーナ3
4の予混合稀薄燃焼に対しても同様に保炎機能は良好
で、メインバーナ34は安定した燃焼状態を維持するこ
とができる。
【0105】パイロットバーナ33とメインバーナ34
の燃料供給系統は各々2系統ずつあり、合計4系統にな
り、従来に比べて、オン−オフ弁がパイロット燃料供給
系統68とメイン燃料供給系統69に各々1つ、合計2
つ追加されているが、これらの複雑な燃料制御弁ではな
く、回転数、負荷あるいは燃料流量の信号で開閉するだ
けの単純な作動を行なう弁であり、燃料供給系統が増加
したにも拘らず、燃料制御系は複雑にはならず、従来と
同じレベルを維持できる。したがって、ガスタービン2
1の運転信頼性を何ら損うことなく制御することができ
る。
【0106】
【発明の効果】以上に述べたように本発明に係るガスタ
ービン燃焼器においては、燃焼器ライナのヘッド部にパ
イロットバーナとメインバーナをそれぞれ設ける一方、
パイロットバーナは拡散燃焼バーナとこのバーナの外周
部に配置された複数の予混合稀薄燃焼バーナとを備え、
パイロットバーナが拡散燃焼と予混合稀薄燃焼の2種類
のバーナを有する上にメインバーナが内周側および外周
側の2系統の予混合稀薄燃焼バーナを複数ずつ有するの
で、このパイロットバーナとメインバーナでガスタービ
ン燃焼器内での燃焼状態を調節することにより、ガスタ
ービンの立上げ運転や定格負荷および部分負荷を含めた
全負荷帯において、NOxの発生やCOの発生を極めて
低いレベルに維持し、全運転領域で安定した燃焼状態を
維持し、長期間安定した運転を確保でき、信頼性が高
い。
【0107】また、パイロットバーナに予混合稀薄燃焼
バーナを備える一方、メインバーナは内周側および外周
側2系統の予混合稀薄燃焼バーナであり、各予混合稀薄
燃焼バーナの燃料噴射ノズルの燃料噴射側に対向して配
置される予混合管は請求項2から請求項4に示すように
構成し、下流の噴出口側を絞って流量を高速化したの
で、予混合管内を流れる予混合稀薄燃料の流速を常時火
災伝播速度以上に安定的に保つことができ、逆火現象を
防止し、予混合稀薄燃焼の逆火に対して予混合管に裕度
を持たせることができ、燃料制御も容易で長期間安定し
た運転を確保できる。
【0108】また、このガスタービン燃焼器の運転方法
によると、ガスタービンの着火から回転上昇過程やガス
タービンが無負荷定格回転数に到達する過程、ガスター
ビンが無負荷から所要のある低負荷に至る負荷帯の過
程、ガスタービンが所要のある低負荷から中間負荷まで
の負荷帯の過程、さらに所要の中間負荷から定格負荷ま
での負荷帯の過程に応じてパイロットバーナの拡散燃焼
バーナや予混合稀薄燃焼バーナならびにメインバーナの
内周側および外周側の予混合稀薄燃焼バーナを運転計画
に従って適宜調節制御したので、ガスタービンの立上げ
運転やガスタービンの定格負荷や部分負荷を含めた全て
の負荷帯でNOxやCOの発生を極めて低いレベルに抑
えることができ、低NOx化や低CO化が図れる。この
低NOx化や低CO化を図っても、全運転領域で安定し
た燃焼状態を維持し、長期間安定した運転を保証するこ
とができる。
【0109】さらに、ガスタービン燃焼器はパイロット
バーナの拡散燃焼バーナに供給される燃料供給量をガス
タービンの立上げ時から定格運転に至るまで少なくする
ことができ、上記ガスタービン燃焼器のパイロットバー
ナやメインバーナに用いられる予混合稀薄燃焼バーナの
予混合管内に案内される予混合稀薄燃料の当量比は、ガ
スタービンの起動から定格運転状態に至るまで、その運
転状態に応じて調節制御でされるので、パイロットバー
ナは拡散燃焼バーナでパイロットバーナやメインバーナ
の各予混合稀薄燃焼バーナの燃焼に対して充分な保炎機
能を有し、メインバーナは安定した燃焼を確保でき、低
NOx化や低CO化を図ることができ、さらに、ガスタ
ービンの負荷が上昇して定格負荷の状態においては、メ
インバーナの双方の予混合管内の当量比はNOxの発生
が急激に増加する当量比よりも小さいので、メインバー
ナでのNOxの発生はほとんどなく、パイロットバーナ
での僅かなNOxの発生があるのみで、ガスタービン燃
焼器全体としてNOxの発生は極めて低いレベルに抑え
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るガスタービン燃焼器の一実施例を
示す組立断面図。
【図2】図1に示すガスタービン燃焼器の縦断面図。
【図3】図1に示すガスタービン燃焼器のIII −III 線
に沿う断面図。
【図4】本発明に係るガスタービン燃焼器への燃料供給
系統を示す系統構成図。
【図5】本発明のガスタービン燃焼器に用いられる予混
合管内の管内流速と火炎伝播速度との関係を示す図。
【図6】(A)はガスタービンの運転におけるタービン
負荷と当量比(空燃比)の関係、(B)はタービン負荷
と燃料流量の関係を示す図。
【図7】本発明のガスタービン燃焼器のガスタービン負
荷に対するNOx 量とCO量を、従来のガスタービン燃
焼器のNOx 量、CO量と比較して示す図。
【図8】ガスタービン燃焼器のNOx とCOの発生と当
量比の関係を示す図。
【図9】従来のガスタービン燃焼器を示す縦断面図。
【図10】(A)および(B)は従来のガスタービン燃
焼器において、ガスタービンの運転における当量比と燃
料流量の計画をそれぞれ示す図。
【符号の説明】
20 ガスタービン燃焼器 21 ガスタービン 22 圧縮機 24 ヘッドプレート 25 燃焼器ライナ 26 燃焼室 27 燃焼ガス混合域 30 フロースリーブ 31 空気流路 33 パイロットバーナ 34 メインバーナ 36 拡散燃焼バーナ 37 予混合稀薄燃焼バーナ 38 ヘッダディスク 39 拡散燃焼用燃料供給管 40 予混合稀薄燃焼用燃料供給管 41 拡散燃料バーナ管 42 拡散燃焼用空気管 43 拡散燃焼用スワラ 44 燃料ヘッダ 45,53,57 燃料噴射ノズル 46,54,58 予混合管 50,51 予混合稀薄燃焼バーナ 55 内側燃料ヘッダ 56 内側燃料供給管 59 外側燃料ヘッダ 60 外側燃料供給配管 65 タービン燃料供給系統 66 燃料圧力制御弁 67 燃料流量制御弁 68 パイロット燃料供給系統 69 メイン燃料供給系統 70 パイロット燃料分配弁 71 拡散燃焼用燃料供給系統 72 予混合稀薄燃焼用燃料供給系統 73,78 オン−オフ弁 74,79 流量調整オリフィス 75 メイン燃料分配弁 76 内側予混合稀薄燃料供給系統 77 外側予混合稀薄燃料供給系統 80 着火器 81 火炎検出器 82 火炎伝播管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F23R 3/28 - 3/34 F02C 9/28

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃焼器収納ケーシング内に燃焼器ライナ
    を収納し、この燃焼器ライナはコーン状ヘッド部内に燃
    焼室を、この燃焼室下流側に燃焼ガスの混合域をそれぞ
    れ形成し、上記燃焼器ライナのヘッド部に中央側にパイ
    ロットバーナを、外周側にメインバーナをそれぞれ設
    け、上記パイロットバーナは拡散燃焼バーナとこの拡散
    燃焼バーナの外周部に配置された複数の予混合稀薄燃焼
    バーナとから構成し、前記メインバーナは予混合稀薄燃
    焼バーナを複数ずつ内周側および外周側に備えて2系統
    構成としたことを特徴とするガスタービン燃焼器。
  2. 【請求項2】 前記メインバーナおよびパイロットバー
    ナの予混合稀薄燃焼バーナは、燃料噴射ノズルとこの燃
    料噴射ノズルの燃料噴射側に対向して設置される予混合
    管とを有し、上記パイロットバーナの予混合管は入口部
    から管途中まで直管状をなし、噴出口に近付くに従って
    断面積が滑かに減少し、かつ噴出口が配置された円周上
    の接線方向に所要の傾斜角度を持たせて湾曲させた請求
    項1記載のガスタービン燃焼器。
  3. 【請求項3】 メインバーナはパイロットバーナの外周
    部に配置される2系統の予混合稀薄燃焼バーナであり、
    上記メインバーナは内周側および外周側で2系統の予混
    合稀薄燃焼バーナ毎に複数の燃料噴射ノズルとこれらの
    燃料噴射ノズルの燃料噴射側に対向して設置される予混
    合管とが燃焼器ライナの周りにそれぞれ配置され、2系
    統の予混合稀薄燃焼バーナの予混合管の各噴出口は燃焼
    器ライナのコーン状ヘッド部にそれぞれ接続され、外周
    側の予混合管の噴出口は内周側の予混合管の噴出口より
    下流側に位置された請求項1記載のガスタービン燃焼
    器。
  4. 【請求項4】 メインバーナの予混合管は入口部から管
    途中まで直管状をなし、噴出口に近付くに従って断面積
    が滑かに減少し、かつ燃焼器ライナのコーン状ヘッド部
    に接続される噴出口の軸線が燃焼器ライナのライナ面に
    ほぼ垂直をなすように形成された請求項3記載のガスタ
    ービン燃焼器。
  5. 【請求項5】 タービン燃料供給系統に燃料圧力制御弁
    と燃料流量制御弁を順次設置し、この燃料流量制御弁の
    下流側からタービン燃料供給系統をパイロット燃料供給
    系統とメイン燃料供給系統に分岐させ、分岐された一方
    パイロット燃料供給系統はパイロット燃料分配弁の下流
    側から拡散燃焼用燃料供給系統と予混合稀薄燃焼用燃料
    供給系統に分岐され、途中にそれぞれ備えられた燃料マ
    ニホールド管を介してパイロットバーナの各燃料管に接
    続され、上記予混合稀薄燃焼用燃料供給系統にはオン−
    オフ弁と流量調整オリフィスが設置される一方、他方の
    メイン燃料供給系統はメイン燃料分配弁の下流側から複
    数の予混合稀薄燃料供給系統に分岐され、途中にそれぞ
    れ備えられた燃料マニホールド管を介してメインバーナ
    の各燃料管に接続され、外周側に配置の燃料噴射ノズル
    に供給される予混合稀薄燃料供給系統にはオン−オフ弁
    と流量調整オリフィスが設けられたことを特徴とするガ
    スタービン燃焼器。
  6. 【請求項6】 ガスタービンの着火から回転上昇過程に
    おいては、パイロットバーナの拡散燃焼バーナのみを作
    動させ、その後、ガスタービンが無負荷定格回転数に到
    達する前に、パイロット燃料供給系統の一部を切り換え
    て、パイロットバーナを拡散燃焼バーナと予混合稀薄燃
    焼バーナの双方を作動させて拡散燃焼バーナに供給され
    る燃料流量を減少させ、ガスタービンが無負荷から所要
    の低負荷までの負荷帯はパイロットバーナの双方のバー
    ナを燃焼させる燃焼状態を継続し、ガスタービンが所要
    の低負荷でメインバーナの内周側に配置されている燃料
    噴射ノズルを作動させる際、パイロットバーナに供給さ
    れる燃料の一部を燃料流量の総和を変えないで切り換え
    てメインバーナの内周側を作動させ、パイロットバーナ
    とメインバーナの双方で、ガスタービンの所要の低負荷
    から中間負荷までの負荷帯を運転し、さらに、ガスター
    ビンが所要の中間負荷でパイロットバーナへの燃料供給
    量をほぼ一定に保ってメインバーナの外周側に配置され
    ている燃料噴射ノズルを作動させ、メインバーナに供給
    される燃料の総量を変えないで内周側および外周側配置
    の燃料噴射ノズルを共に作動させ、ガスタービンが所要
    の中間負荷から定格負荷までの負荷帯はパイロットバー
    ナとメインバーナの全ての燃料供給系統を作動させて運
    転することを特徴とするガスタービン燃焼器の運転方
    法。
  7. 【請求項7】 ガスタービンが無負荷定格回転数に到達
    する前に、パイロットバーナの予混合稀薄燃焼バーナを
    作動させたとき、予混合管内の当量比はCOの発生が急
    激に増加する最小当量比よりも大きく、次に、ガスター
    ビンが所要の低負荷でパイロットバーナに供給される燃
    料の一部をメインバーナの内周側に配置されている燃料
    噴射ノズルに燃料流量の総和を変えないで切り換えて作
    動させるとき、メインバーナへの切換直前において、パ
    イロットバーナの予混合管内の当量比はNOxの発生が
    急激に増加する当量比よりも小さく、メインバーナへの
    切換直後においては、パイロットバーナの予混合管内の
    当量比およびメインバーナの内周側に配置されている予
    混合管内の当量比はCOの発生が急激に増加する当量比
    よりも大きく、さらに、ガスタービンが所要の中間負荷
    でメインバーナの外周側に配置されている燃料噴射ノズ
    ルを作動させるとき、メインバーナの外周側への切換直
    前において、メインバーナの内周側に配置されている予
    混合管内の当量比はNOxの発生が急激に増加する当量
    比よりも小さく、切換直前においては、メインバーナの
    内周側および外周側に配置されている予混合管内の当量
    比は双方ともCOの発生が急激に増加する当量比よりも
    大きく、そしてガスタービンが定格負荷の状態におい
    て、メインバーナの内周側および外周側に配置されてい
    る予混合管内の当量比はNOxの発生が急激に増加する
    当量比よりも小さく、かつ、パイロットバーナはガスタ
    ービンが所要の低負荷運転時から定格負荷運転時までの
    負荷帯ではほぼ一定の燃料流量を保持するように燃料制
    御することを特徴とするガスタービン燃焼器の運転方
    法。
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