JP2767403B2 - ガスタービン用低NOxバーナ - Google Patents

ガスタービン用低NOxバーナ

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JP2767403B2
JP2767403B2 JP7334259A JP33425995A JP2767403B2 JP 2767403 B2 JP2767403 B2 JP 2767403B2 JP 7334259 A JP7334259 A JP 7334259A JP 33425995 A JP33425995 A JP 33425995A JP 2767403 B2 JP2767403 B2 JP 2767403B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガスタービン燃焼
器や工業用の各種の燃焼装置等の連続燃焼装置に使用で
きる気体燃料燃焼用バーナ、特に着火が確実で、広い燃
料流量にわたり未燃焼成分とNOx(窒素酸化物)の発
生を共に低減させることができる気体燃料燃焼用低NO
xバーナに関する。
【0002】
【従来の技術】燃焼によって大気中に排出されるNOx
は、光化学スモッグ、酸性雨の原因となっており、多く
の国では排出が規制されている。産業用ガスタービンや
航空機用ガスタービンも排気規制の対象になっており、
そのNOx排出基準は今後さらに強化される傾向にあ
る。また、21世紀初頭での実用化を目指して開発が進
められている次世代の超音速輸送機は、成層圏を飛行す
ることから排気中のNOxによるオゾン層の破壊が懸念
され、NOxの排出を従来の数分の1に低減できる燃焼
器の開発が不可欠とされている。
【0003】窒素分を含有していない燃料の場合、NO
xは空気中の窒素から生成されるが、その生成速度は燃
焼温度に対して指数関数的に増大するので、NOxの排
出低減には燃焼温度の抑制が最も効果的であることが判
っている。そのため、燃焼領域に水あるいは水蒸気を直
接噴射したり、燃焼用空気に蒸気を混合する、いわゆる
水・蒸気噴射は、水の蒸発熱あるいは蒸気の顕熱により
燃焼温度を抑制するので、NOx排出低減技術として有
効であることが知られている。この方法は、水処理が必
要なため設備費及び運転コストが増加すること、及び水
の場合は出力は増加するものの熱効率が低下するという
問題があるが、小型・中型定置用ガスタービンでは実績
がある。一方、発電用大型ガスタービンでは、前記方法
による熱効率の低下を嫌い、排気脱硝設備による後処理
と燃焼領域の希薄化(燃料空気比を小さくすること)が
併用されてきたが、排気脱硝設備の追加による初期設備
費の増大とその運転コスト増が問題であった。
【0004】そのような状況で、後処理を殆ど必要とせ
ず、また熱効率を低下させないでより一層のNOx低減
が可能な低NOx燃焼技術が強く求められてきた。それ
に対応する技術として、燃焼器に流入する空気による燃
焼温度の抑制法が提案された。ガスタービンでは、ター
ビン翼の耐熱性からタービン入口ガス温度が制約されて
おり、現在、定置用では1400℃を超えず、航空機用
でも1600℃を超えないようにしている。そのため、
燃焼器には燃料の完全燃焼に必要な空気量の2.5〜4
倍程度の空気が供給されている。
【0005】従来、このような燃焼器として図7に示す
ようなものが知られている。該燃焼器は、燃焼の安定の
ために空気の一部は燃焼領域60の下流において燃焼室
61内に流入し、燃焼ガスと混合してタービンに入る。
従来の旋回保炎バーナにおいても、この過剰な空気の一
部を燃焼領域に導入するだけでもNOxの発生は抑制さ
れるが、同時に起きる未燃焼成分の排出増加のために、
実際には十分な低NOx化は実現されない。燃焼領域へ
の空気量を増加させても燃料ノズル62の近傍にはやは
り燃料過多な領域が以前として残り、そこで発生した未
燃焼成分は、導入された空気によって酸化される前に冷
されて、ほぼそのまま排出されてしまう。
【0006】一方、従来から知られている希薄予混合燃
焼では、図8に示すように、燃焼室から分離された混合
気形成ダクト65の上流部において燃料66が燃焼用空
気に噴射され、その下流で混合が行われるようになって
いる。混合気は、燃焼室67内に流入し燃焼する。保炎
には混合気形成ダクトの出口の急拡大部68の循環流、
出口部においた保炎器69の下流にできる循環流が利用
される。混合気が十分均質になるように混合気形成ダク
トの長さをとるなどすれば、燃焼領域の燃焼温度は一様
に抑制され、混合気が過度に希薄でない限り、未燃焼成
分の排出増加はなく、NOxの排出を減らすことができ
る。なお、図8において、64は燃焼用空気、70は火
炎、71は混合用スワーラを示す。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前記希薄予混合燃焼で
は、燃焼室内に部分的に燃料濃度の高い領域が定常的に
形成されると、燃焼温度が高いためにNOxの生成が促
進され、低減効果は小さくなるから、燃料と空気とをで
きるだけよく混合することが必要である。また、混合気
中に燃料濃度の高い混合気塊が分散されている場合であ
っても、それらが燃えると温度の高い燃焼ガス塊が必然
的に形成され、周囲ガスとの混合によって一様になるま
ではNOxの生成は均質な場合よりも増えてしまう可能
性がある。逆に燃料濃度が過度に薄い部分では、局所的
に燃焼温度が低いために反応が緩慢となって、完全に燃
焼することなく燃焼室から排出されてしまう問題があ
る。
【0008】さらに、希薄予混合燃焼の適用を妨げる最
も重要な因子は、混合気形成ダクト内の混合気の自発点
火や燃焼室内から混合気形成ダクトへの火炎の逆火であ
る。これらが起き、混合気形成ダクト内に火炎が保持さ
れてしまうとNOxが増加するだけに止まらず、混合気
形成ダクトの燃焼、さらにはエンジンの決定的な損傷に
つながる。最新の大型航空用ガスタービンでは、圧力が
4MPa、空気温度が1000Kに達しようとしてお
り、このような温度圧力の高い空気流に燃料を噴射する
と、燃料と空気の混合が十分行われない短時間のうちに
火が着いてしまう問題がある。
【0009】このような予混合気形成上の問題を回避す
るために、本発明者は、燃料と空気(さらには既燃焼ガ
ス)の混合を燃焼室内で急速に行わせる方法での低NO
x燃焼方法の可能性を見出した(特開平7−10342
6号)。その実施例のひとつを図9に示す。このバーナ
75は、2個の環状旋回器を同軸に備え、内側の第1空
気旋回器71からの空気は、出口に向けて断面が縮小し
た後拡大する円形断面の通路73を通って燃焼室に噴出
し、外側の第2空気旋回器72からの空気は直接燃焼室
に噴出し、燃料は内側の通路の中心軸上に置かれた燃料
ノズル74から噴出される。このバーナでは、循環領域
は中心軸上の通路の出口付近から下流に延び、その最上
流部に火炎が安定化される。
【0010】このバーナの燃料・空気系通路では、燃料
と空気の混合は不完全で、噴出速度が早いために燃焼室
から火の進入は起きないし、且つそこでの滞留時間は十
分短いので自発点火も起きない。また、火炎は渦の崩壊
する出口付近の空間に保持されるので通路部が直接加熱
されることがない等の利点がある。
【0011】前記バーナのNOxの排出量は、図10の
イ曲線(前記バーナの場合)及びロ曲線(均質予混合燃
焼の場合)で示すように、同一当量比で比較すると均質
予混合燃焼の場合より多いが、均質予混合燃焼よりも希
薄な条件でも燃焼が可能で、そこでも燃焼効率は非常に
高いという特徴を持つ。要求燃焼ガス温度がそれほど高
くない場合には、均質予混合燃焼の当量比(図中b点)
よりも希薄な作動点(c点)を選ぶことによって均質予
混合燃焼とほぼ同じレベルのNOx排出が達成できる。
ところが、要求される燃焼器出口の温度がさらに高くな
ってくると、もはやそのような希薄な当量比を選択する
ことはできず、均質予混合燃焼バーナと同一当量比で作
動させざるを得ないので、該バーナのNOxの排出(a
点)は均質予混合燃焼のNOxの排出(b点)を上回っ
てしまう問題点がある。
【0012】本発明は、上記問題点に鑑み先の発明を基
本とし、特にNOxの排出抑制の点で均質予混合燃焼に
劣る高温ガス作動条件下において、一層のNOx低減を
実現するために創案されたものであって、予混合希薄燃
焼方式の自発点火や逆火といった潜在的問題点を解決
し、同一燃焼温度において理論的に最もNOxの生成の
少ない均質予混合燃焼とほぼ同一のNOx排出レベルを
達成できるガスタービン燃焼器等の連続燃焼装置用の低
NOxバーナを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明のガスタービン用
低NOxバーナは、燃焼用空気にガス燃料を噴射し燃焼
させるバーナにおいて、第1空気旋回器、該第1空気旋
回器につながり断面が出口に向けて縮小、又はその後拡
大する第1空気通路、該第1空気通路内を流れる空気流
中に燃料を噴射する第1燃料ノズル、前記第1空気通路
の外周部に該第1空気通路の出口部と同軸に取り付けら
れた環状の第2空気旋回器、該第2空気旋回器の羽根に
よって仕切られた環状通路内の複数の通路からなる第2
空気通路、及び該第2空気通路を流れる空気流に燃料を
噴射する第2燃料ノズルを設けたことを特徴とする技術
手段を採用することによって、前記課題を解決すること
ができた。
【0014】前記第2空気通路に燃料を供給する第2燃
料ノズルは、種々の形態を採用することができ、最も代
表的には、第2空気旋回器の環状通路を形成する内リン
グ或いは外リング内の壁面に周方向に複数の燃料噴射孔
を配置して構成し、該燃料噴射孔から第2空気通路に燃
料を噴射するようにすることができる。また、他の形態
として、前記第2空気旋回器の羽根で仕切られた環状通
路内の複数の通路に、環状の燃料マニホールドから分岐
した先端部に燃料噴射孔が形成された燃料噴射管を、1
本づつ配置するように構成することもできる。これらの
第2燃料ノズルにおける燃料噴射孔は、前記第2旋回器
の羽根の上流端よりも下流に位置するようにするのが望
ましい。
【0015】さらに、前記第2燃料ノズルは、前記第2
空気旋回器の環状通路を形成する内リング或いは外リン
グ内の軸方向に離れた位置に周方向に沿って2列のマニ
ホールドを有し、内リング或いは外リングの壁面周方向
にそれぞれの前記マニホールドに連通する2列の燃料噴
射孔を形成することによって、燃料流量の大小に応じて
1列あるいは2列の燃料噴射孔から燃料を噴射すること
ができ、混合の促進がより図られるので望ましい。さら
にまた、前記第2空気旋回器の羽根で仕切られた環状通
路内の複数の通路に、それぞれ独立の燃料配管に接続さ
れ先端部に燃料噴射孔が形成された燃料噴射管を、1本
づつ配置するように構成することによって、燃料流量の
大小に応じて燃料を噴射する周方向の燃料噴射孔を選択
することができる。
【0016】そして、前記第1燃料ノズルと第2燃料ノ
ズルへの燃料の分配が、着火時と燃料流量の少ない時に
は第1燃料ノズルにだけ分配され、負荷の上昇に対して
第2燃料ノズルへの分配割合を増やし、最大燃料流量で
は燃料の全量或いは殆どを第2燃料ノズルに分配するよ
うな燃料分配機構を、前記両ノズルへの燃料供給管分岐
部に備え、燃料流量に合わせて燃料分配を自動的に調整
できるようにすることが望ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面に
基づき詳細に説明する。図1は、本発明を筒形ガスター
ビン燃焼器1に適用した例を示し、(a)はその側部断
面図、(b)はそのバーナの拡大断面を斜視図で示して
いる。本発明によるバーナ10は、燃焼室2を形成する
ライナ3のドーム4に取り付けられ、第1空気旋回器1
5、その外周部に第2空気旋回器16を有し、燃焼用空
気14が捩じれた羽根が等ピッチで配置されてなる第1
空気旋回器15及び第2空気旋回器16を通って旋回作
用を与えられて燃焼室2に流入するように構成されてい
る。前記第1空気旋回器15からの空気は、断面が絞ら
れた後拡大する内リング21で形成される第1空気通路
17を経て燃焼室2に噴出するようになっている。な
お、図中5は、燃焼器ケーシングである。
【0018】一方本実施形態のバーナにおける燃料18
の供給経路は、燃料供給管11から分岐された第1燃料
ノズル19及び第2燃料ノズル23によって構成され、
前記第1空気通路17と第2空気通路25内に噴射され
るようになっている。即ち、燃料18の一部は、先端部
に燃料噴射孔が形成されバーナ中心軸上に配置された第
1燃料ノズル19によって第1空気通路17の空気に噴
射され、残りは、第2空気旋回器16の外リング22の
壁面にあけられた第2燃料ノズル23の燃料噴射孔24
から第2空気旋回器の羽根20、内リング21、外リン
グ22によって形成される第2空気通路25を流れる空
気流に噴射される。これらの燃料噴射孔24は、外リン
グ内に形成された燃料マニホールド26でつながってい
て、そこに燃料供給管から分岐した1本又は複数本の燃
料配管27によって燃料が供給される。即ち、本実施形
態における第2燃料ノズルは、燃料配管27、燃料マニ
ホールド26、燃料噴射孔24から構成されている。
【0019】上記構成のバーナにおいて、バーナの中心
に配置された第1燃料ノズルから燃料を噴射した場合
は、着火が確実で、NOxの排出も従来の燃焼バーナに
比べて少なく、しかも燃料流量が非常に少ない作動条件
においても未燃焼成分の発生が著しく少ない。一方、外
側の第2空気通路にだけ燃料を噴射した場合には、NO
xの発生はさらに少ないが、燃料流量が少ない場合には
未燃焼成分の排出は、中心の第1燃料ノズルから噴射し
た場合に比べてやや増える。そこで、これらの長所を最
大限に活かし、且つ欠点を補うために、燃料流量の少な
い場合や空気温度が低いために未燃焼成分が発生し易い
条件では第1空気通路に燃料を噴射し、燃料流量が多い
場合や空気温度が高い場合には、第2空気通路への燃料
噴射の割合を自動的に増やすことができる次のような燃
料分配器を設けた。
【0020】即ち、本実施形態のバーナにおいては、前
記燃料供給管11から第2燃料ノズル23の分岐部に、
図2に示すような燃料分配器30が設けられている。該
燃料分配器30は、第2燃料ノズル23の燃料配管27
が分岐している部分の燃料供給管11内部に、中央部に
貫通孔31が形成されたピストン32が配置され、且つ
該ピストンが下流側に前記貫通孔に嵌合して該貫通孔を
通過する燃料流量を制御するニードル33を設け、前記
ピストンをスプリング35により一定のバネ圧で上流側
に付勢して構成されている。なお、前記貫通孔の下流側
は図2に示すようにテーパー状に形成され、前記ニード
ル33の弁座となり、前記ニードルとでニードル弁を構
成している。
【0021】本実施形態のバーナは、以上のように構成
され、燃料着火時等供給燃料が少ないときには、燃料の
供給圧が低いので燃料分配器30のピストン32は、図
2に示す位置にあり、第2燃料ノズルの燃料配管27の
入口部は閉塞され、ピストン32の中央にあけられた貫
通孔31を通して第1燃料ノズルだけに燃料が供給され
る。流量が増え供給圧が増加するとバネ35で支えられ
ているピストン32が押され、第2燃料ノズルヘの流路
が開き始める。さらに、燃料流量を増やすために供給圧
力を増加すると第1及び第2燃料ノズルへの燃料は増え
るが、やがてピストン32の中央の貫通孔31がニード
ル33に接近することによって、第1燃料ノズルヘの流
量は減小し、最後には閉じられて、第2燃料ノズルにだ
け燃料の供給が行われる。このようにして、燃料の流量
に応じて第1及び第2燃料ノズルへの燃料分配量が自動
的に制御される。
【0022】以上のように構成された本実施形態のバー
ナの作用効果を確認するために、NOxの排出量を均質
予混合気の燃焼の場合と比較する実験を温度950K、
1100Kの場合について行った。その実験結果を図3
のグラフに示す。図3では、横軸に当量比(燃空比を化
学両論に基づいた燃空比で割った値)をとって、この発
明の実施形態のバーナによるNOxの排出を、比較例の
均質予混合気の燃焼による場合のNOxと比較してい
る。該グラフから、第2燃料ノズルだけから燃料を噴射
した場合、NOxレベルは最も低いとされる均質予混合
燃焼とほぼ等しいことが判る。なお、均質予混合の場合
には、バーナそのものを保炎器として代用し、均質予混
合気を燃焼させた。この場合、混合気温度1100Kで
は当量比が約0.53(X印で表している)で混合部へ
の逆火が起きた。これに対し、本実施形態のバーナで
は、さらに高い当量比でも逆火が発生することなく燃焼
させることができた。
【0023】以上のように、この実施形態のバーナで
は、予混合を行っていないにもかかわらず、第1及び第
2の空気旋回器で生じる旋回流れの相互作用による激し
い乱れのために、燃焼領域での空気と燃料の混合が激し
く、均質予混合気の燃焼によるのとほぼ同じNOx排出
レベルを実現できた。着火は、第1燃料ノズルにだけ燃
料を供給することで極めて容易に行われ、燃料流量の少
ないときには、第1燃料ノズルへの燃料分配割合を大き
くすることによって未燃焼成分の排出を低く抑制でき
た。また、圧力及び温度が高くても、自発点火や燃焼室
からの逆火は起こらなかった。その結果、本発明のバー
ナは、燃料流量の広い範囲にわたってNOxと未燃焼成
分の排出を同時に低いレベルに抑制できることが確認さ
れた。
【0024】以上本発明に係るバーナの具体的実施形態
を説明したが、本発明は上記実施形態に限らず、その技
術的思想の範囲で種々の設計変更が可能である。例え
ば、第2空気旋回器16の出口は、この実施形態のよう
に、第1空気通路17の出口と軸方向にほぼ同一位置に
あることを基本とするが、第1空気通路17の出口か
ら、第2空気旋回器16の第2空気通路25の高さある
いは幅の小さい方の寸法程度は引っ込んでいても自発点
火や逆火による焼損は起きない。また、この実施形態で
は、第2燃料ノズルの燃料マニホールド及び燃料噴射孔
は、外リング22に設けてあるが、内リングに設けるこ
とも可能である。また、前記燃料噴射孔は、第2旋回器
の羽根で仕切られた各空気通路に対応して設けることが
望ましいが、必ずしも各通路毎に設けなくても良い。さ
らに、特に第2ノズルの形態は、前記実施形態と異なる
種々の形態が採用できるので、第2ノズル形態の異なる
バーナを以下の実施例に示す。
【0025】
【実施例】以下の実施例において、前記実施形態と同様
な部材については、同様な符号を付して示してその説明
は省略し、前記実施形態と相違する部分についてのみ説
明する。図4は本発明に係るバーナの1実施例を示し、
本実施例のバーナ35では、前記実施形態における第2
空気旋回器16の外リング22の壁面に設けた燃料噴射
孔24の代わりに、第2空気旋回器16のそれぞれの通
路に燃料噴射管36を1本づつ配置し、該燃料噴射管3
6を外リング38から独立した環状マニホールド37に
一体に接続して、該環状マニホールド37を介して各燃
料噴射管36に燃料を供給するようにした。本実施形態
では、以上のように環状マニホールドを外リングから独
立して形成したので、環状マニホールドをバーナの軸方
向に沿って適宜の変位機構により変位させることが可能
であり、第2空気通路への燃料噴射位置を燃料流量の大
小に応じて調整することができる利点がある。
【0026】また、図5は本発明に係るバーナの他の実
施例を示し、本実施例のバーナ40は、第2空気旋回器
16の外リング41内に2列の燃料マニホールド42を
設け、所要の燃料流量の大小に応じて1列あるいは2列
の燃料噴射孔43から燃料を供給するようにしたもの、
あるいは、第2空気旋回器16に形成される複数の通路
のそれぞれに2個の燃料噴射孔から燃料を噴射し、混合
の促進を図ったものである。該実施例の場合、例えば前
記2個のマニホールド42とも燃料配管44を介して、
前記実施形態のように、第1燃料ノズルに燃料供給する
燃料供給管から分岐させ、分岐部に燃料分配器を設置す
ると、圧力に応じて分配された燃料が2列の燃料噴射孔
43から同時に第2空気通路に噴射することができ、よ
り混合の促進を図ることが可能である。また、2個のマ
ニホールド42を燃料配管44を介して別々の燃料供給
管に接続することによって、2列の燃料噴射孔から噴射
する燃料の量を制御することができ、例えば燃料の流量
に応じて、一方の列の燃料噴射孔から燃料を噴射させた
り、両方の列から同時に噴射させたり、あるいは両方の
列の噴射孔からの噴射量を変えることが可能である。
【0027】図6は、本発明に係るバーナのさらに他の
実施例を示し、本実施例のバーナ50は、所要の燃料流
量の大小に応じて燃料の噴射点を増やすために、第2空
気旋回器16の環状通路に形成される複数の通路へ燃料
噴射管51を配置し、各燃料噴射管51にはそれぞれ独
立の燃料配管52が接続されるようにしたものである。
従って、該実施例の場合は、円環状の第2空気通路の周
方向での燃料噴射位置及び量を制御することが可能であ
る。
【0028】
【発明の効果】上記説明から明らかなように、本発明に
よれば、燃焼室の外で予混合を行っていないにもかかわ
らず、第1及び第2の空気旋回器による激しい乱れのた
めに、燃焼領域での空気と燃料の混合が激しく、理論的
に最もNOxの生成の少ない均質予混合燃焼とほぼ同一
のNOx排出レベルを達成でき、しかも予混合希薄燃焼
方式の場合のような自発点火や逆火といった潜在的問題
点もなく、燃料流量の広い範囲にわたってNOxと未燃
焼成分の排出を同時に低いレベルに抑制できるガスター
ビン用低NOxバーナを得ることができた。
【0029】請求項3の構成によれば、環状マニホール
ドを外リングから独立して形成したので、環状マニホー
ルドをバーナの軸方向に沿って適宜の変位機構により変
位させることが可能であり、第2空気通路への燃料噴射
位置を燃料流量の大小に応じて調整することができる。
また、請求項5及び6の構成によれば、所要の燃料流量
の大小に応じて1列あるいは2列の燃料噴射孔から燃料
を供給でき、第2空気通路での空気と燃料との混合をよ
り促進することができる。
【0030】さらに、請求項7の構成によれば、燃料流
量の少ない場合や空気温度が低いために未燃焼成分が発
生し易い条件では第1空気通路に燃料を噴射し、燃料流
量が多い場合や空気温度が高い場合には、第2空気通路
への燃料噴射の割合を自動的に増やすことができ、燃料
流量に合わせて燃料分配を自動的に調整でき、常に最適
条件で燃焼させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の実施形態に係る低NOxバー
ナを取り付けたガスタービン燃焼器の断面図、(b)は
その要部拡大断面斜視図である。
【図2】その燃料分配器の断面図である。
【図3】図1に示す実施形態のバーナによるNOxの排
出と均質予混合燃焼によるNOxの排出の比較を示すグ
ラフである。
【図4】本発明の実施例に係る低NOxバーナの要部斜
視図である。
【図5】本発明の他の実施例に係る低NOxバーナの要
部斜視図である。
【図6】本発明のさらに他の実施例に係る低NOxバー
ナの要部斜視図である。
【図7】従来の燃焼器の断面概略図である。
【図8】(a)は従来の予混合希薄燃焼器の概念図であ
り、(b)は従来の他の予混合希薄燃焼器の概念図であ
る。
【図9】従来の非予混合方式の低NOxバーナの側部断
面図である。
【図10】図9に示すバーナのNOx排出と均質予混合
燃焼によるNOx排出の比較を示すグラフである。
【符号の説明】
1 ガスタービン燃焼器 2 燃焼室 10、35、40 バーナ 11 燃料
供給管 14 燃焼用空気 15 第1空気旋回器 16 第2空気旋回器 17 第1空気通路 18 燃料 19 第1燃料ノズル 20 羽根 21 内リング 22、38、41 外リング 23 第2
燃料ノズル 24 燃料噴射孔 25 第2空気通路 26、37、42 燃料マニホールド 27、44 燃料噴射管 30 燃料分配器 31 貫通孔 32 ピストン 33 ニードル
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F23C 11/00 F23R 3/28

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃焼用空気にガス燃料を噴射し燃焼させ
    るバーナにおいて、第1空気旋回器、該第1空気旋回器
    につながり断面が出口に向けて縮小又はその後拡大する
    第1空気通路、該第1空気通路内を流れる空気流中に燃
    料を噴射する第1燃料ノズル、前記第1空気通路の外周
    部に該第1空気通路の出口部と同軸に取り付けられた環
    状の第2空気旋回器、該第2空気旋回器の羽根によって
    仕切られた環状通路内の複数の通路からなる第2空気通
    路、及び該第2空気通路を流れる空気流に燃料を噴射す
    る第2燃料ノズルを設けたことを特徴とするガスタービ
    ン用低NOxバーナ。
  2. 【請求項2】 前記第2燃料ノズルが、前記第2空気旋
    回器の環状通路を形成する内リング或いは外リングの壁
    面に周方向に配列された複数の燃料噴射孔を備えている
    請求項1記載の低NOxバーナ。
  3. 【請求項3】 前記第2燃料ノズルが、前記第2空気旋
    回器の羽根で仕切られた環状通路内の複数の通路に1本
    づつ配置され先端部に燃料噴射孔が形成された燃料噴射
    管を備えている請求項1記載の低NOxバーナ。
  4. 【請求項4】 前記第2燃料ノズルの燃料噴射孔は、前
    記第2旋回器の羽根の上流端よりも下流に位置している
    請求項2又は3記載の低NOxバーナ。
  5. 【請求項5】 前記第2燃料ノズルが、前記第2空気旋
    回器の環状通路を形成する内リング或いは外リング内に
    設けられた2列のマニホールド、該それぞれのマニホー
    ルドに連通して内リング或いは外リングの壁面周方向に
    形成された2列の燃料噴射孔を備え、燃料流量に応じて
    1列あるいは2列の燃料噴射孔から燃料を噴射するよう
    にした請求項1記載の低NOxバーナ。
  6. 【請求項6】 前記燃料噴射管がそれぞれ独立の燃料配
    管に接続され、燃料流量の大小に応じて燃料を噴射する
    燃料噴射孔を選択できるようにした請求項3記載の低N
    Oxバーナ。
  7. 【請求項7】 前記第1燃料ノズルと第2燃料ノズルへ
    の燃料の分配が、着火時と燃料流量の少ない時には第1
    燃料ノズルにだけ分配され、負荷の上昇に対して第2燃
    料ノズルへの分配割合を増やし、最大燃料流量では燃料
    の全量或いは殆どを第2燃料ノズルに分配するような燃
    料分配機構を、前記両ノズルへの燃料供給管分岐部に備
    え、燃料流量に合わせて燃料分配を自動的に調整できる
    ようにした請求項1〜5何れか記載の低NOxバーナ。
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