JP3716105B2 - 加湿器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般家庭において使用される暖房器具の使用に伴う室内の乾燥を防止する電熱式等よりなる加湿器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の一般的な加湿器は、例えば、図4に示すように本体ケース1と水タンク2と水を加熱し、蒸発させる蒸発皿3と加熱され蒸発するスチームを外部に放出するためのガイド4とこれらを被せるふた5からなり、本体ケース1内部には蒸発皿3の側面に加熱用のヒーター5と部品冷却用のファン6とモーター7と湿度を検知する湿度センサー8とこれらの動作をコントロールする制御装置9とから構成されている。
【0003】
本体ケース1外部表面には加湿運転モードを設定する操作部10があり、設定された加湿運転モードに合わせて制御装置9が動作をコントロールする。
【0004】
加湿運転モードには、連続して時間当り加湿量が一定に加湿する連続加湿運転モード、設定湿度に合わせて加湿運転を行い湿度調節する自動加湿運転モードがあり、操作部10には、連続加湿運転モード設定キーと自動加湿運転モード設定キーとがあるものが知られている。(例えば、特開平9ー178228号公報参照)
また、特開平5ー52392号公報にもあるように、時間当りの加湿量を部屋の大きさや湿度状態に合わせて可変できるものが知られている。
【0005】
時間当りの加湿量は、蒸発皿3とヒーター5の消費電力により決まるが、電力の制御や間欠運転の通電制御による時間当りの加湿量の制御が可能である。
【0006】
このように、加湿量を連続加湿運転モードより少なく設定した弱加湿運転モードを設け、操作部10に設定キーを設け、連続加湿モード時より、低い湿度状態にしたり、水タンク2の満タン時の加湿時間を長時間化させたり、また、少し小さい部屋に適した状態にする。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来の構成による加湿器は、弱加湿運転モードは通常連続加湿運転モード時の加湿量より少なくするため、間欠運転をしたり、電力を制御するため、急激な室内環境の条件変化により、例えば、室温が低下した場合は湿度が高くなり、露結する場合があった。
【0008】
このような事をなくすためには、自動加湿運転をするか、湿度が高くなった時に湿度センサーで検知し、運転を停止させる方法があるが、例えば、夜間の使用などで室温が低い時など湿度センサーにより湿度が高いと判断されるためほとんど加湿しないことがあり、タンク内の水量がほとんど減らないことから、製品が正常に運転していないものと勘違いされるといった問題があった。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、水タンクと、ヒーターにより水を蒸発させる蒸発皿と、ヒーターの動作を制御する制御装置と、湿度を検知する湿度センサーと、加湿運転モードを設定する操作部とから構成され、設定湿度に対してヒーターの通電を制御する加湿器において、一定の時間当りの加湿量で連続的に運転する連続加湿運転モードと前記連続加湿運転モードより加湿量の少ない弱加湿運転モードとを前記制御装置に設け、前記弱加湿運転モードを前記ヒーターの通電を一定周期の通電サイクルで間欠制御を行い、前記通電サイクルの交互に異なる湿度設定値を設けて、通電制御を行うものとした。
【0010】
また、前記操作部に連続加湿運転モードと弱加湿運転モードとを選択する設定キーを設け、その設定キーの選択を行い、加湿運転の開始から数分間強制的にヒーターに通電して加湿を行うものとした。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明は前記の如く構成したことにより、例えば、連続加湿モードの加湿量400〜450ml/時で、日本の冬の外気温の標準である約5℃、53%を室内で20℃に暖房したときに快適湿度とされている60〜40%の上限である60%に可能な部屋の条件は、木造和室で約7畳、プレハブ洋室で約12畳となる。
【0012】
このとき、弱加湿運転モードを連続加湿運転モードの加湿量より少ない加湿量の約200ml/時で加湿すると同様の部屋の大きさで使用すると約40%程度の湿度にできる。
【0013】
このモードを木造和室で約4.5畳程度の部屋で使用すると60%程度にすることができるが、使用する部屋が小さいため室温の急激な低下など環境条件の変化で湿度が上昇し、露結などの心配がある。
【0014】
しかし、湿度センサーで湿度変化を検知し、ある湿度、例えば60%以上になった時に弱加湿運転モードの間欠運転の通電サイクルを停止し、加湿し過ぎを抑える。
【0015】
また、通電サイクルの交互に60%以上の湿度80%程度で通電サイクルを停止するように設定しているため、湿度が非常に高くならない限り、通電サイクルが交互に加湿するので室温低下で湿度が高くなり、加湿停止したままになることがない。
【0016】
このように、間欠加湿運転の通電サイクルの交互に制御湿度を異なる値とすることで、狭い部屋で使われ、環境の急激な変化で湿度が上昇し露結することがなくなる。
【0017】
また、運転開始後、必ず加湿運転を行うので、製品の運転が確認できる。
【0018】
【実施例】
以下、本発明の一実施例を示す図面に従って説明する。
【0019】
図において、1は本体ケースであり、合成樹脂製の成形品で内部は、蒸発皿3とヒーター5とファン6とモーター7と湿度センサー8と温度過昇防止装置20と制御装置9と操作部10とで構成されている。
【0020】
本体ケース1には水タンク2と、蒸発皿3の上部にガイド4が設けられ、上部にふた15が設けられ、蒸気の吹出口24が設けられている。
【0021】
水タンク2はその下部に水を入れる口があり、キャップ16が設けられている。
【0022】
キャップ16の中央部には弁17が設けられ、本体ケース1の凸部18に押されて弁17が開閉し、水タンク2内の水が流出し、蒸発皿3に溜るようになっている。
【0023】
蒸発皿3の外部には、加湿用のヒーター5が密着して設けられている。
【0024】
ヒーター5の付近には温度過昇防止装置20が設けられている。
【0025】
モーター7に取付けられたファン6は、ヒーター5部の冷却や外部に吹き出す蒸気の冷却のため本体ケース1の貫通穴21を経由し、ガイド4内に風を送る。
【0026】
この風は、本体ケース1と外部の間に設けられた開口部22を通して外気を取り入れており、そこには塵埃を内部に入らないようにフィルター23が設けられている。
【0027】
また、開口部22の付近に外気の湿度を検知する湿度センサー8が設けられており、制御装置9に接続されている。
【0028】
制御装置9には湿度センサー8の情報等を処理するマイコンとヒーター5やファン6の動作を制御する制御器などにより構成される。
【0029】
制御装置9は操作部10に接続されており、操作部10は加湿運転モードの設定、及び運転状態の表示ができる。
【0030】
加湿運転モードには、ヒーター5が連続して通電されている連続加湿運転モード、湿度センサー8の情報によってヒーター5の通電を制御する自動加湿運転モード、ヒーター5の通電を事前に設定した制御をし、時間当りの加湿量を制御する加湿量可変運転等の運転モードとして加湿量を抑えて制御する弱加湿運転モードがあり、操作部10には、連続加湿運転モード設定キー11と自動加湿運転モード設定キー12および弱加湿運転モード設定キー13があり、それぞれの設定キーで設定選択ができる。
【0031】
次に、前記構成における作用を説明する。
【0032】
連続運転の時間当りの加湿量はヒーター5の消費電力により決定されるものであるが、適用する部屋の大きさに合わせて加湿量の設定をする。
【0033】
通常使用される部屋の大きさを6〜8畳とすると、時間当りの加湿量は400〜450ml/時になる。
【0034】
適用する部屋の大きさに対する必要加湿量は冬の東京の平均外気条件である4.7℃気温、60%湿度の状態で室内を20℃に上げ、快適湿度とされる60〜40%に対して60%に保てる加湿量から算出される。
【0035】
弱加湿運転モードは加湿量を少なくするため、ヒーター5の通電を制御し、間欠運転を行う。時間当りの加湿量に応じてヒーター5の通電率を設定しておく。
【0036】
通常連続加湿運転モードの適用部屋の大きさより小さい部屋の大きさに合わせた加湿量、もしくは、水タンク2の容量に対して長時間の加湿が可能な加湿量に通電率を設定する。
【0037】
図3のように弱加湿運転モードは、例えば前記連続加湿運転モードの加湿量が400〜450ml/時の場合、4.5畳ぐらいの大きさの部屋で使用できるようにすると加湿量は約200ml/時になり、加湿量に合わせた通電ON時間aと通電停止のOFF時間bを設定し、ON時間aとOFF時間bによる通電サイクル時間Cで間欠運転を行う。
【0038】
OFF時間bが長くならないように、通電サイクルを設定する。
【0039】
また、湿度が高くなり過ぎないように、湿度により間欠運転の通電サイクルを停止するように、制御湿度D1と制御湿度D2を設定してあり、通電サイクルの交互に制御湿度D1、D2で制御する。制御湿度D1は、制御湿度D2より低い湿度で設定し、場合によっては制御湿度D2は100%とする場合もある。
【0040】
また、運転開始後、時間tの間は強制的に運転する連続運転加湿モード、弱加湿運転モードが設けてある。
【0041】
水タンク2から流出した水は蒸発皿3内に蓄えられ、ヒーター5の通電で加熱され、沸騰し、蒸気になりガイド4内を通過して、吹出口24より吹き出される。
【0042】
この時、本体ケース1の貫通穴21を経由し、ガイド4内に吹き込まれた風により蒸気は冷却され、また、吹出口24外部に勢い良く吹き出す。
【0043】
操作部10の加湿運転モード設定キー11、12で連続加湿モード、自動加湿運転モードを選択できる。連続加湿運転モード時はヒーター5に連続して通電され、ヒーター5の消費電力により決まる時間当りの加湿量で加湿運転を行う。
【0044】
この時の加湿量により快適湿度として約60%に保てる適用部屋の大きさが決まる。
【0045】
弱加湿運転モードは、ヒーター5のON・OFFにより間欠運転を行い加湿量のコントロールをする。
【0046】
間欠運転のパターン等をあらかじめ制御装置9のマイコンに記憶させ加湿量制御を行う。4.5畳ぐらいの狭い部屋で使用中に暖房を停止し、室温が下がると湿度が上昇し易くなるが、湿度が制御湿度D1になると通電サイクルを停止し、加湿し過ぎを抑える。
【0047】
しかし、次の通電サイクルは湿度の高い制御湿度D2で制御するので、かなり高い湿度でないと停止せずに、加湿運転する。
【0048】
これにより、弱加湿運転モードを狭い部屋で使用された時に、部屋の加湿し過ぎを抑えるとともに、逆に停止状態が長く続くことでの製品の故障と勘違いされて間違えられることがない。
【0049】
【発明の効果】
以上、前述したように本発明によれば、時間当りの加湿量を制御する弱加湿運転モードの通電サイクルを設定し、その通電サイクルの交互に異なる制御湿度を設定し、湿度が高くならないように停止するサイクルと、加湿するサイクルを交互に制御運転を行い、加湿し過ぎることなく、加湿運転停止が長く続くことによる製品の故障と勘違いされて間違えられるといった問題がなくなった。
【0050】
また、加湿運転開始直後も必ず加湿運転をおこない製品が運転することが確認できる等有益な加湿器を提供できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す加湿器の断面図である。
【図2】本発明の一実施例を示す加湿器の正面図である。
【図3】本発明の一実施例を示す加湿器の通電サイクルのパターン図である。
【図4】従来の一実施例を示す加湿器の断面図である。
【符号の説明】
1 本体ケース
2 水タンク
3 蒸発皿
4 ガイド
5 ヒーター
8 湿度センサー
9 制御装置
10 操作部
13 弱加湿運転モード設定キー
Claims (2)
- 水タンク(2)と、ヒーター(5)により水を蒸発させる蒸発皿(3)と、ヒーター(5)の動作を制御する制御装置(9)と、湿度を検知する湿度センサー(8)と、加湿運転モードを設定する操作部(10)とから構成され、設定湿度に対してヒーター(5)の通電を制御する加湿器において、一定の時間当りの加湿量で連続的に運転する連続加湿運転モードと前記連続加湿運転モードより加湿量の少ない弱加湿運転モードとを前記制御装置(9)に設け、前記弱加湿運転モードを前記ヒーター(5)の通電を一定周期の通電サイクルで間欠制御を行い、前記通電サイクルの交互に異なる湿度設定値を設けて、通電制御を行うことを特徴とする加湿器。
- 前記操作部(10)に連続加湿運転モードと弱加湿運転モードとを選択する設定キー(11)・(13)を設け、その設定キー(11)・(13)の選択を行い、加湿運転の開始から数分間強制的にヒーター(5)に通電して加湿を行うことを特徴とする請求項1記載の加湿器。
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