JP3715844B2 - 積層剥離型容器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、種々の液体等を収納し、キャップを本体にねじ止めすることにより内部を密閉する容器に関するものであり、特に、本容器は、本体が外層部と内層部からなり、両者の間に空気を導入して剥離可能とした、積層剥離構造のものである。
【0002】
【従来の技術】
積層剥離型容器は、合成樹脂製の外層部の内側に、合成樹脂製の内層部が剥離可能に積層されており、通常は容器の略円筒状のネック部にポンプを装着した状態で容器内部を密閉して用いられる。このポンプにより容器から内容物(例えばシャンプー等)を注出させると、内容物の減少に伴って内層部が外層部から剥離して収縮する。この内層部の収縮をスムーズに行わせるために、外層部には空気導入孔を設けている。
【0003】
図5〜図7は、かかる積層剥離型容器の従来の例を示すものであり、図5はその外観を、図6は縦断面を、また図7は図6の一部を拡大したものをそれぞれ示す。
【0004】
図示の容器100 は、胴部101 と、底部102 と、肩部103 と、肩部103 の中央から上方に起立して延びる円筒状のネック部104 とを具え、ネック部104 の外面には、図示しないポンプを装着するためのねじ山105 が設けられている。容器100 は、ネック部104 から胴部101 を経て底部102 に至るまで、その全体が、外層部106 と内層部107 とを積層して構成されている。外層部106 と内層部107 とは、その一部(接着層、図示せず)で互いに接合されているが、この接着層以外の部位では、互いに当接しているだけで剥離可能となっている。
【0005】
ネック部104 の外面には、ねじ山105 の他に、空気導入孔108 が設けられている。この空気導入孔108 は外層部106 のみを貫通し、内層部107 は貫通していない。この空気導入孔108 を通して外層部106 と内層部107 との間に空気を導入することにより、両者が剥離するようになる。図5は、容器100 において外層部106 と内層部107 とが一部剥離した状態を示すものである。内層部107 内部の内容物が減少するに伴い、図示のように内層部107 が外層部106 から剥離して収縮し、両者の間に空間109 が生じる。この空間109 内に空気導入孔108 から空気が流入し、内層部107 の収縮が確実かつスムーズになる。
【0006】
しかしながら、上述した従来の積層剥離型容器においては、図6に示すようにネック部104 のねじ山105 の形状に従って外層部106 と内層部107 とが密着している場合、両者が剥離し難くなり、内層部107 の収縮がスムーズに行われない場合がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の問題を解決し、内容物の減少に伴う内層部の収縮を確実かつスムーズに行うことができる、積層剥離型容器を提案するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
すなわち本発明は、略円筒状に突出したネック部を有する容器本体と、前記ネック部を閉鎖するキャップとを具え、前記ネック部外側面に設けたねじ山と、前記キャップ内側面に設けたねじ山とを係合させて前記本体内部を密閉する容器であって、前記容器本体が外層部と内層部とを具え、前記外筒部に設けた空気導入孔から空気を導入することにより、前記外層部と前記内層部との間に空気を導入して両者を剥離可能とし、前記空気導入孔を前記ネック部に設けると共に、前記ねじ山に前記空気導入孔近傍で切り欠き部を設けたことを特徴とするものである。
【0007】
本発明による積層剥離型容器は、ネック部に設けた空気導入孔近傍で、このネック部にキャップを装着するためのねじ山を切り欠いたものとしている。そのため、この箇所では外層部と内層部とが平滑な曲面で接することとなり、両者の剥離がスムーズに行われることとなる。したがって、内層部の収縮が確実かつスムーズに行うことが可能となる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について説明する。
【0009】
図1〜図4は、本発明による積層剥離型容器の一実施形態を示すものである。図示の容器10は、胴部11と、底部12と、肩部13と、肩部13の中央から上方に起立して延びる円筒状のネック部14とを具え、ネック部14の外面には、図示しないポンプを装着するためのねじ山15が設けられている。容器10は、ネック部14から胴部11を経て底部12に至るまで、その全体が、外層部16と内層部17とを積層して構成されている。外層部16と内層部17とは、その一部(接着層、図示せず)で互いに接合されているが、この接着層以外の部位では、互いに当接しているだけで剥離可能となっている。
【0010】
ネック部14の外面には、ねじ山15の他に、空気導入孔18が設けられている。この空気導入孔18は外層部16のみを貫通し、内層部17は貫通していない。この空気導入孔18を通して外層部16と内層部17との間に空気を導入することにより、両者が剥離するようになる。図2は、容器10において外層部16と内層部17とが一部剥離した状態を示すものである。内層部17内部の内容物が減少するに伴い、図示のように内層部17が外層部16から剥離して収縮し、両者の間に空間19が生じる。この空間19内に空気導入孔18から空気が流入し、内層部17の収縮が促進される。
【0011】
図1〜図4より明らかなように、本容器10のネック部14に設けたねじ山15は、空気導入孔18の真上部分およびこれと対向する部分において切り欠いた形状をなしている。すなわち、この部分においては、外層部16と内層部17とは平滑な曲面で接する状態となっており、そのため両者の剥離が確実となり、内層部の収縮が確実かつスムーズに行われるようになる。なお、ねじ山15は、前述したように一部に切り欠きを設けられた形状となっているが、その長さは全体としてはわずかなものであり、ネック部14に図示しないキャップを装着、あるいは取り外すのに支障が生じることはない。
【0012】
以上説明したように、本発明による積層剥離型容器は、外層部と内層部の剥離がスムーズに行われるように構成したことから、シャンプー等の容器として利用でき、特にポンプ付き容器として好適なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による積層剥離型容器の一実施形態の外観を示す図である。
【図2】 図1の容器の上面および断面を示す図である。
【図3】 図1の容器において内層部の一部が剥離した状態を示す図である。
【図4】 図1の容器を、空気導入部の形成位置から見た図である。
【図5】 従来の積層剥離型容器の一例を示す斜視図である。
【図6】 図5の容器の断面図である。
【図7】 図5の容器のネック部を拡大して示す断面図である。
【符号の説明】
10,100 積層剥離型容器
11,101 胴部
12,102 底部
13,103 肩部
14,104 ネック部
15,105 ねじ山
16,106 外層部
17,107 内層部
18,108 空気導入孔
19,109 外層部と内層部との間の空間

Claims (1)

  1. 略円筒状に突出したネック部を有する容器本体と、
    前記ネック部を閉鎖するキャップとを具え、
    前記ネック部外側面に設けたねじ山と、前記キャップ内側面に設けたねじ山とを係合させて前記本体内部を密閉する容器であって、
    前記容器本体が外層部と内層部とを具え、
    前記外筒部に設けた空気導入孔から空気を導入することにより、前記外層部と前記内層部との間に空気を導入して両者を剥離可能とし、
    前記空気導入孔を前記ネック部に設けると共に、前記ねじ山に前記空気導入孔近傍で切り欠き部を設けたことを特徴とする積層剥離型容器。
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