JP3715704B2 - 光記録媒体及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、情報の記録、再生及び消去の少なくとも1つが光学的になされる光記録媒体及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年書き換え可能を特徴とする光ディスクが上市され、コンピュータのコード情報や画像などのデータファイルとして応用されつつある。しかしながら、これらの製品は、レーザー光を使用して記録、再生、消去を行なっているため、基板のレーザー光入射面にゴミやキズがあるとデータの読み取りエラーや記録エラー等が発生することがある。例えば光磁気ディスク、特に磁気ヘッドを使用する磁界変調記録方式の光磁気ディスクでは、保護層上のゴミや低湿度の環境下では静電気によって磁気ディスクと保護層が接触して、記録媒体や装置の破損が発生していた。そこで、ゴミの付着防止やキズ防止として、基板のレーザー光入射面と記録層上にそれぞれ帯電防止剤や潤滑剤を添加した保護層を形成することが検討されている。一方、保護層への帯電防止剤や潤滑剤の添加は、記録層に腐食やフクレを発生させることが知られている。そこで、添加剤等を含まない第1保護層と帯電防止剤等を添加した第2保護層の2層構成や第1保護層と第2保護層の接着性向上や基板の反りを補正するための中間層を加えた多層保護層が検討されている(特願平4−125873号)。
【0003】
そしてこのような多層保護層を有する光記録媒体の製造方法としては、例えば光硬化性樹脂層を順次積層する方法や樹脂シートを順次積層する方法が知られている。
【0004】
ところで光硬化性樹脂層の積層膜からなる多層保護層をディスク基板に生産性良く形成する方法としては、先ず第1保護層を形成するための光硬化性樹脂組成物をスピンコート法で塗布、硬化させて第1保護層を形成した後、第2保護層を形成するための光硬化性樹脂組成物をスピンコート法で塗布、硬化させて第2保護層を形成する方法が考えられる。
【0005】
しかしこのような方法で作成した多層保護層表面には、スジ状に未硬化の光硬化性樹脂組成物が流れた痕跡が見られることがあり、これによって保護層の厚さが不均一なディスクが作成されてしまうことがあった。そしてこのような不均一な厚さの保護層を有するディスクは外観が悪いため不良品となって、その結果生産性を下げる要因となる。
【0006】
また光磁気記録媒体、特に磁界変調方式で記録される光磁気記録媒体を上記の方法で作成した場合には上記不均一な厚さの保護層と磁気ヘッドとが衝突して磁気ヘッドが破損したり、光磁気記録媒体が破損して記録データが失われることがあった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであって、スピンコート法を用いて多層保護層を形成した場合にも外観に優れた光記録媒体を提供することを目的とする。
また本発明は、記録エラーを生じ難い光記録媒体を提供することを他の目的とする。
更に本発明は不良品が発生し難い、生産性に優れた多層保護層付光記録媒体の製造方法を提供することを他の目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の光記録媒体の製造方法は、光学的に透明な、円形の開口を有する基板上に記録層と保護層とを有する光記録媒体の製造方法において、該基板上に記録層を形成する工程と、該記録層を被覆するように、その中心が該基板の開口の中心と一致し、該基板の開口よりも大きな円形の開口を有する保護層を形成する工程とから成ること、並びに該保護層は複数の、光硬化性樹脂組成物の硬化物からなる保護層を有する多層保護層であって、nを1以上の整数としたときに、該基板から数えて(n+1)番目の保護層は、その開口の直径が(n)番目の保護層の開口の直径よりも大きくなるように形成すること、並びに該多層保護層の該記録層を被覆する1番目の保護層に用いる未硬化の光硬化性樹脂組成物の該基板との接触角が、該1番目の保護層上に形成される2番目の保護層に用いる未硬化の光硬化性樹脂組成物の該1番目の保護層との接触角よりも小さいという関係を満たすように選ばれた光硬化性樹脂組成物を塗布・硬化させて該第1番目の保護層及び該第2番目の保護層を形成することを特徴とする。
【0011】
また本発明の光記録媒体の製造方法は、光学的に透明な、円形の開口を有する基板上に記録層と保護層とを有する光記録媒体の製造方法において、該基板上に記録層を形成する工程と、該記録層を被覆するように、その中心が該基板の開口の中心と一致し、該基板の開口よりも大きな円形の開口を有する保護層を形成する工程とから成ること、並びに該保護層は複数の、光硬化性樹脂組成物の硬化物からなる保護層を有する多層保護層であって、nを1以上の整数としたときに、該基板から数えて(n+1)番目の保護層は、その開口の直径が(n)番目の保護層の開口の直径よりも大きくなるように形成すること、並びに前記(n+1)番目の保護層に用いる未硬化の光硬化性樹脂組成物の(n)番目の保護層との接触角が、(n+2)番目の保護層に用いる未硬化の光硬化性樹脂組成物の該(n+1)番目の保護層との接触角よりも小さいという関係を満たすように選ばれた光硬化性樹脂組成物を塗布・硬化させて該(n+1)番目及び(n+2)番目の保護層を形成することを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
次の本発明の光記録媒体において基板および保護層の開口が円形であり、保護層が2層である場合の実施態様について図面を用いて説明する。
【0013】
図1において1は光記録媒体、2は中心孔3を有する基板、4は記録層で、第1保護層5及び第2保護層6からなる多層保護層で保護されている。
【0014】
そして第1保護層及び第2保護層は基板2上に同心の円環状に形成されてなり、大円の直径は基板2の直径と同じとし、且つ第2の保護層の小円の内径は第1の保護層の小円の内径よりも大きくなるように形成されている。
【0015】
基板としては基板を通して情報の記録、再生及び消去の少なくとも1つを行う光ビームをこの光記録媒体に入射させる場合には光ビームの波長に対して透明であることが必須であり、具体的にはビスフェノールA系ポリカーボネート、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリオレフィン樹脂等を含む基板が挙げられる。
【0016】
記録層としては有機色素、例えばポリメチン系色素やシアニン系色素を含有する記録層や希土類金属及び遷移金属を含有する光磁気記録層など光記録に一般的に用いられる記録層を用いることができる。
【0017】
そしてこの光記録媒体は図2(a)に示したように記録層4を形成した基板2上の中心孔近傍に円環状に光硬化性樹脂組成物8を滴下し、次いでこの基板を回転させて光硬化性樹脂組成物を塗り広げて記録層4を樹脂組成物で被覆せしめ、その後光硬化性樹脂組成物に対して光照射して硬化させて開口7を有する第1保護層5を形成する。ここで第1保護層5の開口7の直径(円環の小円の直径)は基板2の中心孔3の直径よりも大きくなるようにする。
【0018】
スピンコート法による塗布技術においては塗布工程終了前に回転数を上げることが一般的に行なわれている。したがって、例えば中心孔3の側壁31に樹脂材料が落ち込んでいた場合、第1保護層用樹脂組成物のスピン塗布工程の終盤、即ち第1保護層の平滑な表面が形成された時点で回転数を上げたときに中心孔3の側壁31に落ち込んでいた樹脂材料が遠心力で第1保護層表面上に復帰して第1保護層表面を通って放射方向に振り飛ばされることになる。その結果第1保護層表面にはこの樹脂の痕跡が残り第1保護層表面の外観を劣化させるばかりでなくヘッドクラッシュの原因となる第1保護層の平滑性を低下させてしまう。
【0019】
第1保護層形成用光硬化性樹脂組成物を基板2の中心孔近傍に塗布したとき、及びそれに引き続いて行なわれるスピンコートの工程を通じてこの樹脂組成物が基板2の中心孔3の側壁31に落ち込むことのないようにするには、第1保護層用光硬化性樹脂組成物の基板との接触角、塗布位置等を制御することが有効である。例えば基板上の中心孔近傍にこの樹脂組成物を供給している間にこの樹脂組成物が十分に展延してしまわないように上記の物性を適宜設定することが好ましい。
【0020】
次にこの第1保護層上の第2保護層は第1保護層と同様に第2保護層用光硬化性樹脂組成物9を第1保護層上に滴下し、基板を回転させてこの樹脂組成物を第1保護層上に塗り広げた後光照射して硬化せしめて第2保護層を形成する。
【0021】
そして第2保護層の内径は第1保護層の内径よりも大きくなるようにする。つまり第2保護層形成用光硬化性樹脂組成物を第1保護層5上に塗布する工程、及びそれに引き続いて行なわれるスピンコートの工程を通じてこの樹脂組成物が第1保護層5の側壁、更には基板2の中心孔3の側壁31に落ち込むことの無いようにすることが外観に優れ、記録エラーの少ない光記録媒体を得る上で好ましい。その理由は前記したのと同様である。
【0022】
そして第2保護層形成用光硬化性樹脂組成物を第1保護層5上に塗布する工程、及びそれに引き続いて行なわれるスピンコートの工程を通じて該樹脂組成物が第1保護層5の側壁、更には基板2の中心孔3の側壁31に落ち込むことの無いようにするためには第2保護層形成用樹脂組成物の基板との接触角、塗布位置等を制御することが有効である。例えば樹脂組成物を基板上の中心孔近傍に供給している間にこの樹脂組成物が十分に展延してしまわないように上記の物性を適宜設定することが好ましい。
【0023】
なお本実施態様においては2層の保護層からなる多層保護層を有する光記録媒体について説明したが、本発明にかかる技術は3層もしくはそれ以上の保護層からなる多層保護層を有する光記録媒体に対しても有用であり、具体的には多層保護層の記録層に近い側の保護層から数えて(n+1)番目(但しnは1以上の整数)の保護層の内径が(n)番目の保護層の内径より大きくなるようにすることでスピンコート法を用いて多層保護層を有する光記録媒体を製造できる。
【0024】
以上説明したように、多層保護層を形成する際に(n+1)番目の保護層の開口を(n)番目の保護層の開口よりも大きく形成することにより、スジ状の膜厚ムラの発生を防止することができる。
又、2番目の保護層用硬化性樹脂組成物の1番目の保護層との接触角が1番目の保護層用硬化性樹脂組成物の基板との接触角より大であるように樹脂組成物を選ぶことにより、硬化性樹脂組成物の塗布位置及び膜厚制御が容易になり、生産性が向上する。
更に、前記(n+2)番目の保護層用硬化性樹脂組成物の(n+1)番目の保護層(nは1以上の整数)との接触角が、(n+1)番目の保護層用硬化性樹脂組成物の(n)番目の保護層との接触角よりも大であるように樹脂組成物を選ぶことにより、硬化性樹脂組成物の塗布位置及び膜厚制御が容易になり、生産性が向上する。
【0025】
次に上記した本発明にかかる実施態様において多層保護層を構成する光硬化性樹脂組成物としては記録層に対して悪影響を及ぼさずまた上記の特性を満たすことができれば特に限定されず、例えばアクリレート系紫外線硬化性樹脂等を用いることができる。具体的には例えば、プレポリマー成分(A),反応性希釈剤としてのモノマー成分(B),光重合開始剤成分(C)の組成よりなり、成分(A),(B),(C)の使用割合は、(A)成分:(B)成分=5〜95:95〜5(重量比)で、(C)成分は全量の0.1〜10重量%の濃度で組み入れた組成物が用いられる。
【0026】
(A)成分としては、ポリオールポリアクリレート(多価アルコールまたはポリエーテルポリアクリレート)で、特に3官能以上のポリオールポリアクリレート(ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートなど)、あるいは変性ポリオールポリアクリレート(ポリオールをエポキシドやラクトンで変性した変性ポリオールのポリアクリレートまたは多価フェノールであるビスフェノールAやビスフェノールSにエポキシドを付加させた変性ジオールのジアクリレート)、あるいはポリエステルアクリレート(多価アルコール、多塩基酸またはその無水物およびアクリル酸のコンデンゼイション テロメリゼイション[condensation telomerization]により製造される)、あるいはウレタンアクリレート(ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオールなどのポリオールとポリイソシアネートとヒドロキシ基をもつアクリレートとを反応させたもの)、あるいはエポキシアクリレート(エポキシ化合物にアクリル酸または末端カルボキシル基を有するアクリレートを付加させて得られるオリゴマー)、ビスフェノールAジグリシジルエーテル型、ノボラックポリグリシジルエーテル型などが挙げられる。特に、硬化性に優れ、表面硬度の高い3官能以上のポリオールポリアクリレートが好ましい。
【0027】
(B)成分としては、多価アルコールのアクリル酸エステルが用いられ、特に多官能性アクリル系モノマーとしては、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ブチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ヘキサンジオールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート等のジアクリレート類、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート等のトリアクリレート類が挙げられる。(B)成分はこれらの一種または二種以上の混合系でもよい。
【0028】
(C)成分としては、公知のどのような光重合開始剤でも使用できるが、配合後の貯蔵安定性のよいものが好ましい。例えば、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインブチルエーテルなどのベンゾインアルキルエーテル系、2,2’−ジエトキシアセトフェノン、4’−フェノキシ−2,2’−ジクロロアセトフェノンなどのアセトフェノン系、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、4’−イソプロピル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノンなどのプロピオフェノン系、ベンジルメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン及び2−エチルアントラキノン、2−クロルアントラキノンなどのアントラキノン系、2,4−ジメチルチオキサントン、ミヒラーケトンなどのチオキサントン系などが挙げられる。これらの一種または二種以上を任意の割合で混合して用いることができる。
【0029】
【実施例】
以下の実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
【0030】
実施例1
直径86mmで同心の内径15mmの開口を有するディスク状ポリカーボネイト基板2上に、ディスクと同心の円環状の光磁気記録層4をスパッタ法により形成した。記録層4は無機保護層/磁性層/無機保護層/反射層より成り、円環の大きさは小円の半径(d1)20mm、大円の半径(d2)42.5mmであった(図2(a)および(c)参照)。
【0031】
次に、表面張力が23℃で約29mN/mのエポキシアクリレート系紫外線硬化型樹脂(商品名:MH−7210;三菱レイヨン(株)社製)を上記基板上の、中心孔と同心の半径16.5mmの円周上に円環状に供給し(図2(a))、スピンコート法により約6μmの厚さに、基板の中心孔と同心の半径16mmの円及び半径43mmの円で囲まれたドーナツ形状の領域に前記記録層4を覆うように塗布した。次いで、紫外線を照射して第1保護層5を形成した。更に、第1保護層上に表面張力が23℃で約37mN/mのエポキシアクリレート系紫外線硬化型樹脂(商品名:EX−841;大日本インキ(株)社製)を第1保護層上の、この層の中心孔と同心の半径16.5mmの位置に円環状に供給し(図2(b))、スピンコート法により厚さ約4μmの第2保護層を形成して図2(c)に示すような多層保護層付光磁気ディスクを作成した。
【0032】
このように硬化形成された第1保護層の開口の半径r1 が約16mmに対して、第2保護層の開口の半径r2 は16.2mmであった。また、第1保護層材料の基板との接触角は約30度、第2保護層材料の第1層保護層との接触角は約60度であった。本例では、表面張力の異なる材料を使用することによって、接触角を変えている。すなわち、第1保護層材料として、第2保護層材料よりも表面張力の小さい材料を使用することにより、第1保護層材料の基板との接触角を、第2保護層材料の第1層保護層との接触角よりも小さくしている。このことにより、上地材料の接触角が大きくなるため、塗布位置及び膜厚の制御が容易になり生産性が向上した。
【0033】
実施例2
第1保護層の材料として表面張力が23℃で約37mN/mのエポキシアクリレート系紫外線硬化型樹脂(商品名:EX−841;大日本インキ(株)社製)を約40℃の加温状態で使用し、第2保護層の材料として第1保護層に用いたエポキシアクリレート系紫外線硬化型樹脂を約15℃の冷却状態で使用したこと以外は、実施例1と同様にして光磁気ディスクを製造した。
【0034】
このように硬化形成された第1保護層の開口の半径r1 が約16mmに対して、第2保護層の開口の半径r2 は16.3mmであった。また、第1保護層材料の基板との接触角は約30度、第2保護層材料の第1層保護層との接触角は約63度であった。この実施例では、材料を塗布する時の温度を変更することによって、接触角を変えている。すなわち、第1保護層材料の塗布温度を高くし、第2保護層材料の塗布温度を低くすることにより、第1保護層材料の基板との接触角を、第2保護層材料の第1保護層との接触角よりも小さくしている。このように各材料の接触角を温度制御により変更できるため、表面張力や粘度等で制限されることなくさまざまな材料を使用できる。
【0035】
実施例3
実施例1において第2保護層材料の塗布位置を第1保護層上の、この層の中心孔と同心の半径17.5mmの位置に円環状に供給した以外は実施例1と同様にして光磁気ディスクを作成した。得られた第2保護層の開口の半径(r2 )は17.2mmであった。
【0036】
実施例4
実施例2において第2保護層材料の塗布位置を第1保護層上の、この層の中心孔と同心の半径17.5mmの円周上の位置に円環状に供給した以外は実施例2と同様にして光磁気ディスクを作成した。得られた第2保護層の開口の半径(r2 )は17.3mmであった。
【0037】
実施例5
実施例1と同様にしてポリカーボネート基板上に記録層を形成した。次に表面張力が23℃で約40mN/mのウレタンアクリレート系紫外線硬化型樹脂(商品名:SD−301;大日本インキ(株)社製)をこの基板上の、中心孔と同心の半径16.5mmの円周上に円環状に供給し、スピンコート法により基板の中心孔と同心の半径43mmの円と基板の中心孔と同心の半径16mmの円とで囲まれるドーナツ状の領域に塗布し、記録層を被覆する厚さ6μmの樹脂層を形成し、次いでこの樹脂層に紫外線を照射して硬化せしめて第1保護層を形成した。次に23℃における表面張力が約26mN/mの、帯電防止剤を含有したエポキシアクリレート系紫外線硬化型樹脂(商品名:MH−7210;三菱レイヨン(株)社製)を第1保護層上の、基板の中心孔と同心の半径19.5mmの円周上に円環状に供給し、スピンコート法で約4μmの厚さに塗布し、紫外線を照射して第2保護層を形成し光磁気ディスクを得た。
【0038】
このように形成された第1保護層の開口の半径r1 は約16mm、第2保護層の開口の半径r2 は約17.5mmであった。第1保護層材料樹脂の基板との接触角は約60度、第2保護層材料樹脂の第1層保護層との接触角はより小で約30度であったが、樹脂塗布の際の円環小円の径を変えてあったため、この実施例で得られた光磁気ディスクにおいては、第2保護層表面に目視で確認できる不均一な厚さを有するスジが生ずることなく、光磁気ディスクの歩留りが向上した。
【0039】
比較例1
実施例5において第2保護層用光硬化性樹脂組成物を第1保護層上の、基板の中心孔と同心の半径16.5mmの円周上に円環状に供給した以外は実施例5と同様にして光磁気ディスクを作成した。
【0040】
得られた第2保護層表面には第2保護層の開口部から放射状に伸びるストライプが目視で認められ、その部分の第2保護層の膜厚は所定の4μmよりも厚く形成されており、光磁気ディスク、特に磁界変調記録方式の光磁気ディスクとして不適であった。
【0041】
実施例6
100枚の光磁気ディスクを実施例1と同様の方法で作成し、第2保護層の表面に目視で観察できるストリークのない光磁気ディスクの割合を算出した。その結果を表−1に示す。
【0042】
【表1】
Figure 0003715704
実施例7〜10
100枚の光磁気ディスクをそれぞれ実施例2〜5と同様の方法で作成し、実施例6におけると同じ方法で評価してその結果を表1に示した。
【0043】
比較例2
100枚の光磁気ディスクを比較例1と同様の方法で作成し、実施例6におけると同じ方法で評価してその結果を表1に示した。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、多層構成の円環状の保護層を形成する際にn+1番目の保護層の小円をn番目の保護層の小円よりも大に形成することにより、スジ状の膜厚ムラの発生を防止することができる。更に、前記n+1番目の保護層を形成する硬化性樹脂のn番目の保護層(nが0の場合は基板)との接触角を、n+2番目の保護層の硬化性樹脂のn+1番目の保護層との接触角よりも小さくすることにより、樹脂の塗布位置及び膜厚制御が容易になるため、生産性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光記録媒体の一例を示す模式的断面図である。
【図2】本発明の光記録媒体の製造方法の一例を説明する模式的断面図である。
【符号の説明】
1 光記録媒体
2 基板
3 中心孔
4 記録層
5 第1保護層
6 第2保護層
7 開口
8 光硬化性樹脂組成物
9 光硬化性樹脂組成物
31 側壁

Claims (2)

  1. 光学的に透明な、円形の開口を有する基板上に記録層と保護層とを有する光記録媒体の製造方法において、該基板上に記録層を形成する工程と、該記録層を被覆するように、その中心が該基板の開口の中心と一致し、該基板の開口よりも大きな円形の開口を有する保護層を形成する工程とから成ること、並びに該保護層は複数の、光硬化性樹脂組成物の硬化物からなる保護層を有する多層保護層であって、nを1以上の整数としたときに、該基板から数えて(n+1)番目の保護層は、その開口の直径が(n)番目の保護層の開口の直径よりも大きくなるように形成すること、並びに該多層保護層の該記録層を被覆する1番目の保護層に用いる未硬化の光硬化性樹脂組成物の該基板との接触角が、該1番目の保護層上に形成される2番目の保護層に用いる未硬化の光硬化性樹脂組成物の該1番目の保護層との接触角よりも小さいという関係を満たすように選ばれた光硬化性樹脂組成物を塗布・硬化させて該第1番目の保護層及び該第2番目の保護層を形成することを特徴とする光記録媒体の製造方法。
  2. 光学的に透明な、円形の開口を有する基板上に記録層と保護層とを有する光記録媒体の製造方法において、該基板上に記録層を形成する工程と、該記録層を被覆するように、その中心が該基板の開口の中心と一致し、該基板の開口よりも大きな円形の開口を有する保護層を形成する工程とから成ること、並びに該保護層は複数の、光硬化性樹脂組成物の硬化物からなる保護層を有する多層保護層であって、nを1以上の整数としたときに、該基板から数えて(n+1)番目の保護層は、その開口の直径が(n)番目の保護層の開口の直径よりも大きくなるように形成すること、並びに前記(n+1)番目の保護層に用いる未硬化の光硬化性樹脂組成物の(n)番目の保護層との接触角が、(n+2)番目の保護層に用いる未硬化の光硬化性樹脂組成物の該(n+1)番目の保護層との接触角よりも小さいという関係を満たすように選ばれた光硬化性樹脂組成物を塗布・硬化させて該(n+1)番目及び(n+2)番目の保護層を形成することを特徴とする光記録媒体の製造方法。
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