JPH11162015A - 情報記録坦体及びその製造方法 - Google Patents

情報記録坦体及びその製造方法

Info

Publication number
JPH11162015A
JPH11162015A JP10209218A JP20921898A JPH11162015A JP H11162015 A JPH11162015 A JP H11162015A JP 10209218 A JP10209218 A JP 10209218A JP 20921898 A JP20921898 A JP 20921898A JP H11162015 A JPH11162015 A JP H11162015A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
information recording
resin
recording carrier
peeling
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP10209218A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3656420B2 (ja
Inventor
Tetsuya Kondo
哲也 近藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Victor Company of Japan Ltd
Original Assignee
Victor Company of Japan Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Victor Company of Japan Ltd filed Critical Victor Company of Japan Ltd
Priority to JP20921898A priority Critical patent/JP3656420B2/ja
Publication of JPH11162015A publication Critical patent/JPH11162015A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3656420B2 publication Critical patent/JP3656420B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)
  • Manufacturing Optical Record Carriers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 基板1との界面おいて記録層2が剥離するこ
とがなく、物理的なコピーを確実に防止できる構造を有
する情報記録坦体及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 微細パターン列1Aを有する基板1上
に、記録層2と、剥離防止層4と、保護層3とを順次積
層してなること光ディスクAA。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ディスク等の情
報記録坦体及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、読み取り可能な情報が記録さ
れ、更に記録された情報を読み出すディスク状情報記録
坦体があり、近年はこのディスク状情報記録坦体の高密
度化が進んでいる。こうしたディスク状情報記録坦体に
は磁気ディスク、光ディスク、静電容量ディスクなど様
々な種類のディスクがあるが、光ディスクの進歩はめざ
ましい。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】さて、前記した高密度
情報記録坦体の普及と最近のパーソナルコンピュータの
高性能化に伴い、重要情報もこれら高密度情報記録坦体
に記録する機会が多くなっている。しかし、セキュリテ
ィの問題は解決されていないと言ってもよい。つまり、
これらの高密度情報記録坦体は1枚に大容量の情報が記
録できるという大きな利点が有る反面、市販の製造設備
でたやすく複製が可能であるという欠点をもつ。特に、
顧客銀行預金情報、電子マネーなどといった財産的な重
要情報が大量に記録されている高密度情報記録坦体の原
盤を盗み出して、これを大量に複製(偽造)して利害関
係者に大量に配布するという犯罪を未然に防止できな
い。この結果、顧客個人のプライバシーの蹂躙、金融取
引の信用不安などが発生し、安定した商取引に支障を来
し、この結果、社会的な信用不安が発生する恐れがあっ
た。
【0004】そこで、こうした重要情報が記録されてい
る高密度情報記録坦体が偽造されない方法が必要とされ
ていた。その解決手段として、従来いわゆる暗号を利用
したコピープロテクトが数々提案されている。いわゆる
電子的なコピーに対するプロテクトである。暗号の高度
化に伴って、この方法は困難になりつつある。代わって
台頭してきたのが物理的なコピー方法である。偽造の方
法は、ディスクを層状に剥離し、その情報面を露出し、
情報を他に転写することによって行われる。そしてそれ
を鋳型として、別のフラットなプラスチック板に信号を
転写することができる。この鋳型は繰り返し使用できる
ので、本物と寸分違わぬ信号パターンを複数作ることが
できるのである。つまり電子的なコピー以外に、情報を
丸ごとコピーする物理的なコピー法があり、これに対し
ては対抗手段がなかった。
【0005】図3は、光ディスクの構造を説明するため
の図である。図3に示すように、光ディスクAは、微細
パターン列1Aを有する信号面である基板1上に、反射
膜である記録層2、保護層3を順次積層して構成され
る。こうした構成の光ディスクAの場合、剥離が行える
のは基板1と記録層2との界面である。一般に保護膜3
は記録層2に対して充分な密着力が得られるように、そ
して保護膜3として必要な強度を持つように硬い膜とな
っている。しかし基板1と記録層2の界面については、
密着力が弱く、粘着テープを用いて丹念に剥がしを行え
ば基板1の表面が露出することになる。基板1上に記録
層2を形成する方法は、蒸着やスパッタリングなどがあ
るが、後者は密着力がすぐれているものの不充分で、粘
着テープを用いて信号面が露出していた。こうした課題
に着目して、本発明は、粘着テープを用いても基板1と
記録層2の界面において記録層2が剥離することがな
く、物理的なコピー(偽造)を確実に防止することがで
きる構造を有する情報記録坦体及びその製造方法を提供
することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記した課題を解決する
ために、本発明は、下記(1)〜(14)の構成になる
情報記録坦体及びその製造方法を提供する。
【0007】(1) 図1に示すように、微細パターン
列1Aを有する基板1上に、記録層2と、剥離防止層4
と、保護層3とを順次積層してなることを特徴とする情
報記録坦体(光ディスク)AA。
【0008】(2) 図1,2に示すように、前記
(1)記載の情報記録坦体(光ディスク)AAであっ
て、前記剥離防止層4は、伸び率100%〜300%の
樹脂B,C,D,Eからなり、前記保護層3は、伸び率
5%以下の樹脂α,βからなることを特徴とする情報記
録坦体。
【0009】(3) 図1に示すように、前記(1)又
は(2)記載の情報記録坦体(光ディスク)AAであっ
て、前記記録層2は、光反射膜、光磁気膜、相変化膜、
色素膜を少なくとも1つ含む単層又は積層構造体でなる
ことを特徴とする情報記録坦体。
【0010】(4) 前記(3)記載の情報記録坦体
(光ディスク)AAであって、前記光反射膜は、アルミ
ニウム、金、銀、シリコン、チタン、タンタル、クロ
ム、又は、アルミニウム、金、銀、シリコン、チタン、
タンタル、クロムを含む合金のいずれかでなることを特
徴とする情報記録坦体。
【0011】(5) 前記(3)又は(4)記載の情報
記録坦体(光ディスク)AAであって、前記光磁気膜
は、TbFeCo、GdFeCo、NdFeCo、コバ
ルト、白金を少なくとも1つ含んでなることを特徴とす
る情報記録坦体。
【0012】(6) 前記(3)ないし(5)のいずれ
かに記載の情報記録坦体(光ディスク)AAであって、
前記相変化膜は、GeSbTe、AgInSbTeを少
なくとも1つ含んでなることを特徴とする情報記録坦
体。
【0013】(7) 前記(3)ないし(6)のいずれ
かに記載の情報記録坦体(光ディスク)AAであって、
前記色素膜は、シアニン色素、アゾ色素を少なくとも1
つ含んでなることを特徴とする情報記録坦体。
【0014】(8) 前記(1)ないし(7)のいずれ
かに記載の情報記録坦体(光ディスク)AAであって、
前記剥離防止層4は、放射線(紫外線)硬化樹脂、熱硬
化樹脂、電子線硬化樹脂を少なくとも1つ含んで硬化さ
せたものであることを特徴とする情報記録坦体。
【0015】(9) 微細パターン列1Aを有する基板
1上に記録層2と剥離防止層4と保護層3とを順次積層
した情報記録坦体(光ディスク)AAを製造する情報記
録坦体の製造方法であって、前記記録層2上に、剥離防
止層4となる樹脂B,C,D,Eを塗布する工程と、次
に、前記記録層2上に塗付した樹脂を硬化して前記剥離
防止層4を形成する工程と、次に、前記剥離防止層4上
に、保護層3となる樹脂α,βを塗布する工程と、次
に、前記剥離防止層4上に塗付した樹脂α,βを硬化し
て前記保護層3を形成する工程とを有することを特徴と
する情報記録坦体の製造方法。
【0016】(10) 前記記録層2上に剥離防止層4
となる樹脂B,C,D,Eを塗布する工程は、スピンコ
ート法、バーコート法、ロールコート法、スプレー法、
浸漬法、印刷のいずれかの方法を用いて行われることを
特徴とする前記(9)記載の情報記録坦体の製造方法。
【0017】(11) 前記記録層2上に塗付した樹脂
B,C,D,Eを硬化して前記剥離防止層4を形成する
工程は、放射線照射、電子線照射、ベーキングのいずれ
かの方法、またはこれらの方法を複合して行われること
を特徴とする前記(9)記載の情報記録坦体の製造方
法。
【0018】(12) 前記ベーキングは、50度〜1
50度のヒーター加熱、または赤外線加熱であることを
特徴とする前記(11)記載の情報記録坦体の製造方
法。
【0019】(13) 請求項1ないし請求項8のいず
れかに記載の情報記録坦体(光ディスク)AAであっ
て、保護層3面に形成したテストピースを剥離する剥離
試験方法において、剥離が認められないことを特徴とす
る情報記録坦体。
【0020】(14) 請求項1ないし請求項8のいず
れかに記載の情報記録坦体であって、剥離防止層4と保
護層3を合わせた層5の光線透過率が70%以上である
ことを特徴とする情報記録坦体。
【0021】
【発明の実施の態様】以下、本発明の情報記録坦体及び
その製造方法について、図面に沿って説明する。図1は
本発明の情報記録坦体の構造を説明するための図、図2
は実施例1〜実施例8、比較例1〜比較例11における
剥離試験結果を説明するための図である。前述したもの
と同一構成部分には同一符号を付し、その説明を省略す
る。下記に、(1)情報記録坦体(実施例1〜実施例
8)、(2)情報記録坦体製造方法、(3)情報記録坦
体(実施例9〜実施例19)の順に説明する。
【0022】(1)情報記録坦体 本発明になる情報記録坦体は、前述した図3に示した光
ディスクAを構成する記録層2と保護層3との間に、後
述する剥離防止層4を間隙なく介挿した構造に等しいも
のである。即ち、本発明になる情報記録坦体である光デ
ィスクAAは、図1に示すように、微細パターン列1A
を有する信号面である基板1上に、反射膜である記録層
2、剥離防止層4、保護層3を順次積層して構成され
る。
【0023】記録層2と保護層3との間に剥離防止層4
を介在させる理由は、伸び率が互いに異なる樹脂を用い
た剥離防止層4と保護層3とを積層することにより、基
板1と記録層2との界面における剥離を不可とすること
にある。即ち、剥離防止層4は伸び率100%〜300
%の柔軟性樹脂を用い、また、保護層3は伸び率5%以
下の非柔軟性樹脂を用いる。こうすることで、保護層3
側からの剥離による剪断力が下層(剥離防止層4)で分
散、吸収されるので、この結果、基板1と記録層2との
界面における剥離は不可となるのである。
【0024】しかし、伸び率5%より上の柔軟性樹脂を
保護層3として用いると、その表面が極めて柔らかくな
り外部からの傷に対して極めて弱くなるため、伸び率5
%以下の硬い保護層3を形成するのである。剥離試験後
の顕微鏡観察では、上層(保護層3)が壊れているのが
確認できるが、その破片は下層(剥離防止層4)に強固
に接着しており、下層の剥離は認められない。従って、
剥離防止層4と記録層2とは常時安定した密着接着状態
であるから、基板1と記録層2との界面における剥離は
不可となり、基板1を利用した光ディスクAAの偽造を
未然にしかも確実に防止することができる。
【0025】[実施例1〜実施例8と比較例1〜比較例
11との対比]次に、本発明の情報記録担体の実施例1
〜実施例8について、比較例1〜比較例7の対比で説明
する。
【0026】[実施例1〜実施例8]前記した光ディス
クAAはCD−ROMと同様な構造とする。この光ディ
スクAAを構成する基板1は1.2mm厚のポリカーボ
ネートからなる。この基板1の表面には微細パターン列
1Aが螺旋状または同心円状に刻設されており、微細パ
ターン(線幅0.6μm)が情報として刻まれている。
この基板1上には記録層2がスパッタ法でアルミニウム
70nm厚で形成されている。この記録層2上には剥離
防止層4が5μm〜10μm厚で形成されている。そし
て、この剥離防止層4上には保護層3が5μm〜10μ
m厚で形成されている。
【0027】これら剥離防止層4と保護層3とは、いず
れも下記する「樹脂A」〜「樹脂E」、「樹脂α」、
「樹脂β」を用いてなるものであり、また、これら樹脂
はいずれも紫外線硬化タイプに調整されている。剥離防
止層4は記録層3上に樹脂B,C,D,Eを塗布する工
程(スピンコート)と、塗付した樹脂B,C,D,Eを
硬化させる工程(紫外線照射)とにより形成される。ま
た、保護層3は硬化した剥離防止層4上に樹脂α,βを
塗布する工程(スピンコート)と、塗付した樹脂α,β
を硬化させる工程(紫外線照射)とにより形成される。
紫外線照射は、高圧水銀灯の紫外線を2000mJ照射
で行った。
【0028】ところで、図2に示す剥離試験の方法は、
保護層3表面にカッターナイフで、1mm刻みの傷を碁
盤の目状につけ、100個のマスをつくる(テストピー
スをつくる)。この結果、剥離防止層4、記録層2、基
板1の表層に傷が入ることになる。ここまでの作業は、
JIS−K5400に記載された方法と同じである。J
ISではこの作業で剥がれたマス目の数を数えてランク
分けするが、本発明の情報記録坦体(光ディスクAA)
の剥離試験方法では、このマスにスコッチ・ポリイミド
テープ5413(接着力700g/25mm)を貼り付
けて剥離する。そしてこの試験を同一箇所で10回行
い、1つでも剥離が認められれば「NG」とした。この
試験方法は、カッターナイフによる保護層3の切断に加
え、テープによる保護層3の引き剥がしが加わり、さら
に、その試験を同一箇所で繰り返すことによって微小な
保護層3の剥がれも拡大して剥離するので、JISK−
5400よりも、ずっと厳しい剥離試験方法である。
【0029】前記した剥離防止層4と保護層3は、「樹
脂A」〜「樹脂E」、「樹脂α」、「樹脂β」を、図2
に示すように、組み合わせてなるものである。図2中、
「NG」は基板1と記録層2間に剥離状態が生じたと
き、「OK」は基板1と記録層2間に剥離状態が全く生
じないときをそれぞれ指す。
【0030】即ち、図2に示すように、「実施例1」〜
「実施例4」は剥離防止層4として「樹脂B,C,D,
E」を、保護層3として全て「樹脂α」を用いてなる。
また、「実施例5」〜「実施例8」は剥離防止層4とし
て「樹脂B,C,D,E」を、保護層3として「樹脂
β」を用いてなる。そして、「実施例1」〜「実施例
8」の剥離試験結果は、全て「OK」である。
【0031】「樹脂A」…伸び率50%(モノマー、M
−5500(東亜合成(株)社製)に光開始剤ダロキュ
ア1173(メルクジャパン(株)社製)を3%添加し
たもの) 「樹脂B」…伸び率100%(紫外線硬化型組成物、U
V−3630(東亜合成(株)社製)) 「樹脂C」…伸び率150%(モノマー、CL−50
(日本化薬(株)社製)に光開始剤ダロキュア1173
(メルクジャパン(株)社製)を3%添加したもの) 「樹脂D」…伸び率200%(モノマー、U−340A
(新中村化学工業(株)社製)に光開始剤ダロキュア1
173(メルクジャパン(株)社製)を3%添加したも
の) 「樹脂E」…伸び率300%(モノマー、M−5700
(東亜合成(株)社製)に光開始剤ダロキュア1173
(メルクジャパン(株)社製)を3%添加したもの) 「樹脂α」…伸び率0〜5%.値が小さいために測定誤
差がこの位生じる。(紫外線硬化型組成物、SD−17
00(大日本インキ化学工業(株)社製)) 「樹脂β」…伸び率0〜5%.値が小さいために測定誤
差がこの位生じる。 (紫外線硬化型組成物、XR−11(住友化学工業
(株)社製)) なお、伸び率の測定方法はJISK−6301に記載さ
れた試験方法によるものである。
【0032】[比較例1〜比較例7][比較例1〜比較
例7]は、前述した[実施例1〜実施例8]の剥離防止
層4と保護層3とに用いる樹脂が相違する。これ以外の
ディスクの構成は[実施例1〜実施例8]と同様であ
る。図2に示すように、「比較例1」〜「比較例7」は
剥離防止層4として「樹脂α,β,A,β,β,β,
β,」を、保護層3として「樹脂β,α,α,B,C,
D,E」を用いてなる。そして、「比較例1」〜「比較
例7」の剥離試験結果は、全て「NG」である。
【0033】[比較例8〜比較例11][比較例8〜比
較例11]は、図3に示した光ディスクAの構成におけ
る保護層3の厚さ及び樹脂を適宜選択したものである。
光ディスクAの基板1は1.2mm厚のポリカーボネー
ト、記録層2は70nm厚のアルミニウムで形成されて
いる。図2に示すように、保護層3として、「比較例
8」は8μm厚の「樹脂α」を用い、「比較例9」は8
μm厚の「樹脂β」を用い、「比較例10」は16μm
厚の「樹脂α」を用い、「比較例11」は16μm厚の
「樹脂β」を用いてなる。そして、「比較例8」〜「比
較例11」の剥離試験結果は、全て「NG」である。
【0034】この結果、[実施例1〜実施例8]の剥離
試験結果は全て「OK」であるのに対して、「比較例
1」〜「比較例11」の剥離試験結果は全て「NG」で
ある。よって、上記した剥離防止層4、保護層3を[実
施例1〜実施例8]にあるような樹脂を用いることによ
り、剥離防止層4と記録層2とは常時安定した密着接着
状態がえられ、基板1と記録層2との界面における剥離
は完全に不可となり、基板1を利用した光ディスクAA
の偽造を未然にしかも確実に防止することができる。
【0035】以上のように、伸び率100%〜300%
の樹脂からなる剥離防止層4と、伸び率5%以下の樹脂
からなる保護層3を積層したものについてのみ剥離が認
められず、剥離防止効果が認められる。なお、上述した
剥離防止層4は最大伸び率300%の樹脂を用いたもの
しか示していないが、これ以上の伸び率(300%〜1
000%)の樹脂を用いたものでも良いことは勿論であ
る。樹脂は主剤であるモノマー及び硬化させるための重
合開始剤からなる。例えば「樹脂E」においては、モノ
マーがM−5700、重合開始剤がダイキュア1173
である。なお、「樹脂B」,「樹脂α」,「樹脂β」は
開始剤を含んだ組成物である。本発明の最大の特徴であ
る伸び率はモノマーの種類によって主に決定される。し
かし、塗布性を考え粘度調整の目的で各種エチレン性不
飽和樹脂を添加しても良い。しかしあくまでも本発明の
範囲を逸脱しない量で添加すべきである。
【0036】また必要に応じて各種ポリマーをバインダ
ーとして添加してもよい。しかしあくまでも本発明の範
囲を逸脱しない量で添加すべきである。なお後述する実
施例13のように、信号面サイドより読みとるタイプの
光ディスクの場合は剥離防止層4と保護層3の透過率に
留意しなければならない。すなわち読み取りや書き込み
に使用する光は、ピックアップレンズを出射した後、こ
の2つの層5を通過して記録層2に照射され、ここで反
射され、再度2つの層5を通過してピックアップレンズ
に戻る。これら2つの層は記録再生に使用するレーザー
波長で、充分透過することが必要であり、少なくとも7
0%以上必要である。この透過率を下回ると再生信号の
出力が半減(0.7X0.7=0.49)して安定した
再生が不可能になる。記録層2の材質によっては記録層
2自身の反射率が低い場合もあるから、望ましくは90
%以上の透過率が必要である。
【0037】この透過率の測定には石英ガラスにこれら
2層を同一膜厚で順に積層した試験片を用いることがで
きる。石英ガラス単独の試験片も併せて用意し、赤外光
から紫外光まで波長を選択できる透過型分光器でこれら
2つの試験片の透過光量を測定して、それらの比から透
過率を定義することができる。勿論選択する波長は記録
または再生レーザーの波長であって、例えば830,7
80,690,650,635,532,430,41
0,370nmの波長やその近辺を用いる。
【0038】また、各種エチレン性不飽和樹脂の例とし
ては、単官能アクリレート(メタクリレート)、2官能
アクリレート(メタクリレート)、3官能アクリレート
(メタクリレート)、4官能アクリレート(メタクリレ
ート)、6官能アクリレート(メタクリレート)などを
挙げることができる。具体的には単官能アクリレートと
して、2ーエチルヘキシルアクリレート、2ーヒドロキ
シエチルアクリレート、Nービニルピロリドン、t−ブ
チルアクリレート、イソボルニルアクリレート、2官能
アクリレートとして、エチレングリコールジアクリレー
ト、ポリエチレングリコールジアクリレート、1、4ー
ブタンジオールジアクリレート、1、5ーペンタンジオ
ールジアクリレート、1、6ーヘキサンジオールジアク
リレート、1、10ーデカンジオールジアクリレート、
3官能アクリレートとして、トリメチロールプロパント
リアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレー
ト、グリセロールトリアクリレート、4官能アクリレー
トとして、テトロメチロールメタンテトラアクリレー
ト、6官能アクリレートとして、ジペンタエリスリトー
ルヘキサアクリレートなどを挙げることができる。また
これらの官能基(アクリロイル基)をメタクリロイル基
に置き換えたものでも可能である。
【0039】また、重合開始剤は、実施例では紫外線硬
化に対応した光開始剤とした。但し、ここで使用した重
合開始剤はダロキュア1173(2ーヒドロキシー2ー
メチルー1ーフェニルプロパンー1ーオン)に限定され
るものではない。ベンジル、ベンゾイン、ベンゾフェノ
ン、4−メトキシベンゾフェノン、ベンジルジメチルケ
タール、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプ
ロピルエーテル、ミルラーズケトン、アントラキノン、
2−メチルアントラキノン、アセトフェノン、αα−ジ
クロルー4ーフェノキシアセトフェノン、p−tert
−ブチルトリクロロアセトフェノン、メチルオルソベン
ゾイルベンゾエート、2ークロロチオキサントン、2,
4−ジエチルチオキサントンでも使用可能である。これ
らの重合開始剤は紫外線硬化用として混合できるばかり
ではなく、γ線、電子線、マイクロ波硬化用としても混
合して用いることができる。またこれらには必要に応じ
て重合促進剤として、アミン化合物を添加してもよい。
【0040】なお、この重合開始剤を熱硬化用とするな
らば、先述の重合開始剤ではなく、一般的な重合用開始
剤(例えばアゾビスイソブチロニトリルなど)を混合し
て用いる。
【0041】ところで、特開平5ー81702号公報に
は、保護膜を2層にし、上層である高い表面硬度を有す
る表面層と、下層である密着性を有する内面層の構成が
説明されている。この特許の構成は断面構造上、本発明
に類似しているが、磁界変調式光磁気ディスクのCSS
動作を良好にするため特に表面硬度を高くした表面層
(鉛筆硬度HB以上)に特徴があり、実施例では鉛筆硬
度でHと2Hの硬度が例示されている。そして内面層に
ついては、単に金属に対する密着性の優れた樹脂として
しか記載がなく、その物性や材料についてはなんら限定
がない。実施例として挙げられているSD−101やS
D−301は、光ディスクで一般的に用いられる保護膜
であり、その伸び率は0〜5%の範囲であり、測定でき
ないほど小さい。表面層、内面層とも伸び率についての
言及がなく、両層の物性上のバランスと偽造防止につな
がる剥離性との関係についても示されていない。また実
施例で行われている密着力試験はJIS−K5400で
あって、本発明で行っている試験方法に比べてずっと緩
やかな条件のものである。以上述べたように本発明と従
来技術とは根本的に目的、物性的構成、効果が異なるも
のである。
【0042】(2)情報記録坦体製造方法 次に、上述した本発明になる情報記録坦体を製造する製
造方法について説明する。以下の説明においては、本発
明の要部である、記録層2上に剥離防止層4を形成する
工程と、剥離防止層4上に保護層3を形成する工程とに
絞って、詳述する。これ以外のディスク製造工程(基板
1、記録層2形成工程)は周知のものであるので、その
説明は省略する。
【0043】さて、本発明になる情報記録坦体製造方法
は、反射層である記録層2上に柔軟層である剥離防止層
4を塗布する工程と、この剥離防止層4を硬化させる工
程と、剥離防止層4上に保護層3を塗布する工程と、こ
の保護層3を硬化させる工程の順であることが望まし
い。剥離防止層4を硬化させる工程を省いたときには密
着性が著しく低下することが実験で確かめられている。
【0044】剥離防止層4及び保護層3を塗布する工程
は、スピンコート法、バーコート法、ロールコート法、
スプレー法、浸漬法、印刷が望ましい。以下、剥離防止
層4に適応した場合の各工法の特徴を整理する。スピン
コート法は、回転数や回転時間を調整することで膜厚を
容易に設定できるという利点がある。ただし剥離防止層
4は粘度が高いために回転数を大きく設定することが必
要になってきて、量産にはあまり向かない反面、従来の
光ディスクラインの設備を共用できるという利点があ
る。バーコーター法は、バーの目の粗さと掃引速度で膜
厚を決めることができ、装置が簡単で、速度も速い利点
がある反面、目の痕跡が残りやすい欠点も合わせ持って
いる。ロールコータ法は、ロール間のギャップと回転速
度で膜厚が決まり、高粘度でもスピードの速いライン構
築が可能であり、更に表面粗さの最も小さい綺麗な層を
形成することができる。スプレー法は、設備コストが最
も安くできるが、表面粗さが大きくなる欠点や、作業環
境が汚れやすいという欠点もある。浸漬法は、溶液に漬
けて引き上げるだけで、これも設備コストが安くできる
が、裏面にもついてしまうという欠点を持っている。印
刷の場合(例えばスクリーン印刷)は高粘度でありなが
ら高速で、しかも表面だけ、しかも綺麗に塗布できると
いう利点がある。また設備コストも比較的安くできる。
以上の長所短所を考慮して、利用者が塗布方法を選択す
ればよい。
【0045】剥離防止層4、保護層3を硬化させる工程
は、先例では紫外線としたがこれに限定されない。可視
光やマイクロ波、γ線を含む放射線でも良く、また、電
子線照射であっても良く、共に硬化が高速で行える。ま
た剥離防止層4、保護層3を硬化させる工程は、オーブ
ンなどでの加熱法でも良い。この場合は熱重合用の開始
剤添加が必要になるが、50度〜150度程度の加熱で
硬化を行うことができる。硬化時間は紫外線、電子線、
マイクロ波照射に比べると10倍〜100倍かかるが、
設備コストの安い製造方法である。なお加熱温度は高け
れば高いほど硬化が短時間で済む。効果のはっきり認め
られる温度は50度以上である。また温度が高すぎると
基板に反りが発生してしまい、信号読み取り性能に影響
が発生する。ポリカーボネートの場合、融点が140度
であるので、極めて短時間の加熱硬化であっても最大1
50度の温度であることが必要である。反りを考慮に入
れると50度〜80度の温度範囲で硬化させるのが最も
好ましい。硬化させる方法としては、一般的なヒーター
加熱が使用できるが、赤外線加熱が直接的、スポット的
に加熱できるという点で効果的である。
【0046】以上、本発明について実施例1〜実施例8
を示したが、これらは発明の基本骨格を示すための説明
であり、本発明はこれに限定されるものではない。例え
ば保護層3の上に、印刷膜を施してもよい。また、記録
層2、剥離防止層4、保護層3を、塗布する範囲を徐々
に変えて、剥離防止層4が記録層2を、保護層3が剥離
防止層4を包み込むように形成しても良い。また基板1
の読み取り面側に、傷防止層や帯電防止層、あるいは、
反り矯正層、透湿防止層を設けてもよい。
【0047】上記実施例1〜実施例8ではCD−ROM
に代表させ、再生専用光ディスクを元にして説明した
が、いわゆる光磁気ディスク(例:MDデータなど)や
相変化ディスク(例:PDなど)のような記録再生型光
ディスクであっても良いし、追記型ディスク(CD−R
など)であってもよい。その場合には記録層2は、それ
ら記録機能を有する機能膜に置き換えることができる。
また順次書き込みデーターを消去してゆくことで情報を
変更してゆくディスクであってもよい。また貼り合わせ
構造を持つディスク(DVD−ROM、DVD−RA
M、DVD−Rなど)であってもよい。また、本発明を
既存のコピープロテクト法と組み合わせて、高度なセキ
ュリティーシステムとしてもよい。
【0048】(3)情報記録坦体 次に、このような多種類のディスクに適用可能な本発明
の情報記録坦体について、具体的に説明する。即ち、こ
こで説明する本発明の情報記録坦体は、図1に示した光
ディスクAAと同一の構成を備えており、微細パターン
列1Aを有する信号面である基板1上に、反射膜である
記録層2、剥離防止層4、保護層3を順次積層して構成
される。
【0049】この構成に加えて、特に、この記録層2
を、光反射膜、光磁気膜、相変化膜、色素膜を少なくと
も1つ含む単層又は積層構造体で構成したものである。
また、これら光反射膜、光磁気膜、相変化膜、色素膜を
使用する媒体(ディスク)としては、次のような再生専
用媒体、光磁気媒体、相変化媒体、追記型色素媒体、追
記型相変化媒体が上げられる。
【0050】[再生専用媒体]前記した光反射膜を使用
する再生専用媒体としては、アルミニウム、金、銀、
銅、ニッケル、クロム、シリコン、チタン、タンタルや
これらを主成分とする合金、そしてSiN、SiC、S
iO、SiON、SiAlONなどを用いることができ
る。
【0051】[光磁気媒体]また、前記した光磁気膜を
使用する光磁気媒体としては、TbFeCo、GdFe
Co、DyFeCo、TbCo、TbFeなどの遷移金
属と希土類の合金、コバルトと白金の交互積層膜を用い
ることができる。遷移金属はHo、Er、Yb、Luに
置換しても良く、また、Bi、Snなどを添加しても良
い。
【0052】[相変化媒体]さらに、前記した相変化膜
を使用する相変化媒体としては、GeSbTe、GeT
e、GeTeS、GeSnTe、GeSnTeAu、G
eSeS、GeSeAs、SbTe、SbSeTe、S
eTe、SeAs、InTe、InSe、InSb、I
nSbSe、InSbTe、AgInSbTe、CuA
lTeSbなどのカルコゲン系合金を用いることができ
る。
【0053】[追記型色素媒体]さらにまた、前記した
色素膜を使用する追記型色素媒体としては、シアニン色
素、フタロシアニン色素、ナフタロシアニン色素、アゾ
色素、ナフトキノン色素などを用いることができる。
【0054】[追記型相変化媒体]さらにまた、前記し
た相変化膜を使用する追記型相変化媒体としては、テル
ル、ビスマス、TeO、TeCなどの低融点金属や合金
を用いることができる。なお、これら光磁気媒体、相変
化媒体、追記型色素媒体、追記型相変化媒体に、再生出
力向上の目的で、光学干渉膜(SiN、SiO、Zn
S、ZnSSiO、AlO、MgF、InO、ZrOな
ど)や光反射膜(アルミ、金など)を併用して積層して
もよい。また、高密度記録再生を行うために、公知の超
解像マスク膜やコントラスト増強膜を併用して積層して
も良い。
【0055】次に、前記した光磁気媒体、相変化媒体、
追記型色素媒体、追記型相変化媒体を記録層2として用
いた各種のディスク実施例を示す。 [実施例9]光磁気ディスクで説明する。基板1はアク
リル、1.2mm厚である。その表面には微細パターン
(グルーブ線幅1.0μm、トラックピッチ1.6μ
m)1Aが情報として刻まれている。その信号面上に記
録層2として光磁気膜TbFeCoが90nm、更に光
学干渉膜SiOが80nm、共にスパッタ法で形成され
ている。剥離防止層4の成膜を樹脂Bにてスプレー法で
行い、膜厚を20μmとした。硬化方法は実施例1と同
じである。続いて保護膜3の材料、成膜方法、硬化方法
を実施例1と同じ内容で行って、ディスクを完成させ
た。先と同じ剥離試験を行ったところ、OKであった。
【0056】[実施例10]相変化ディスクで説明す
る。基板1材料はポリカーボネートとポリスチレンのブ
レンド品、1.2mm厚である。その表面には微細パタ
ーン(クルーブ線幅0.4μm、トラックピッチ1.6
μm)1Aが情報として刻まれている。その信号面上に
記録層2として、相変化膜AgInSbTe100nm
がスパッタ法で形成されている。剥離防止層4の成膜方
法をバーコート(膜厚15μm)とした他は実施例3と
同じ内容で剥離防止層4、保護層3を形成した。先と同
じ剥離試験を行ったところ、OKであった。
【0057】[実施例11]追記型ディスク、CD−R
で説明する。基板1はポリカーボネート、1.2mm厚
である。その表面には微細パターン(グルーブ線幅0.
6μm、トラックピッチ1.6μm)1Aが情報として
刻まれている。その信号面上に記録層2として、スピン
コート法で追記型色素膜アゾ系色素150nm及び光反
射膜として蒸着法で銀が60nm形成されている。剥離
防止層4の材料はモノマーCL−50に熱硬化剤アゾビ
スイソブチロニトリルを5%添加したものとし、ロール
コートで9μm塗布した。硬化は70℃のオーブンの中
をコンベア搬送しながら30分で硬化させた。そして保
護膜は樹脂βをスピンコートで7μmに塗布し、実施例
1と同じ紫外線ランプで硬化させた。先と同じ剥離試験
を行ったところ、OKであった。
【0058】[実施例12]追記型ディスク、CD−R
で説明する。基板1はポリカーボネート、1.2mm厚
である。その表面には微細パターン(グルーブ線幅0.
6μm、トラックピッチ1.6μm)1Aが情報として
刻まれている。その信号面上に記録層2として、スピン
コート法で追記型色素膜シアニン系色素120nm及び
光反射膜がスパッタ法で金が70nm形成されている。
剥離防止層4の材料は樹脂Bとし、スピンコートで12
μm塗布した。それをマイクロ波照射5分で硬化させ
た。そして保護膜3は樹脂βをスピンコートで7μmに
塗布し、実施例1と同じ紫外線ランプで硬化させた。先
と同じ剥離試験を行ったところ、OKであった。
【0059】[実施例13]再生専用型ディスクであっ
て、信号面サイドより読み取る超高密度ディスクで説明
する。基板1はポリカーボネート、1.2mm厚であ
る。その表面には微細パターン(線幅0.15μm、1
0種類の長さのピット、トラックピッチ0.4μm)1
Aが情報として刻まれている。その信号面上に記録層2
としてスパッタ法で光反射膜AlTiが60nm形成さ
れている。剥離防止層4の材料は樹脂Cをそのまま用
い、スクリーン印刷で30μm塗布した。硬化は実施例
1と同じ紫外線ランプで硬化させた。この塗布と硬化を
重ねて合計3回行い、更に保護膜3として樹脂βをスピ
ンコートで10μmに塗布し、実施例1と同じ紫外線ラ
ンプで硬化させた。先と同じ剥離試験を行ったところ、
OKであった。なお、この時、同じ剥離防止層4、保護
膜3を積層した石英ガラスを用意し、波長532nmの
光ビームの透過率を測定したところ、82%であった。
【0060】[実施例14]短波長対応光磁気ディスク
で説明する。基板1はガラス、1.2mm厚である。そ
の表面には微細パターン(グルーブ線幅0.4μm、ト
ラックピッチ0.9μm)1Aが情報としてエッチング
で刻まれている。その信号面上に記録層2として、光磁
気媒体コバルト(0.5nm)白金(0.5nm)が交
互に20層ずつスパッタ法で積層形成されている。剥離
防止層4を樹脂Dにてスプレー法で行い、膜厚を20μ
mとした。硬化は電子線を30秒間連続照射して行っ
た。続いて保護膜3の材料、成膜方法、硬化方法を実施
例1と同じ内容で行ってディスクを完成させた。先と同
じ剥離試験を行ったところ、OKであった。
【0061】[実施例15]短波長対応光磁気ディスク
で説明する。基板1材質はアモルファスポリオレフィン
の一種である商品名ゼオネックス280、1.2mm厚
である。その表面には微細パターン(グルーブ線幅0.
4μm、トラックピッチ0.9μm)1Aが情報として
刻まれている。その信号面上に記録層2として、光学干
渉膜SiN80nm、光磁気膜NdFeCo90nm、
SiN80nm、光反射膜AlTa80nmがスパッタ
法で形成されている。剥離防止層4、及び保護膜3は実
施例2と同じ内容で行ってディスクを完成させた。先と
同じ剥離試験を行ったところ、OKであった。
【0062】[実施例16]高密度光磁気ディスクAS
MOで説明する。基板1はポリカーボネート、0.6m
m厚(ただしセンタークランプ部は1.2mm)であ
る。その表面には微細パターン(グルーブ線幅0.3μ
m、トラックピッチ0.6μm)1Aが情報として刻ま
れている。その信号面上に記録層2が光学干渉膜SiN
80nm、光磁気膜GdFeCo40nm、光磁気媒体
TeFeCo60nm、光学干渉膜SiN60nm、光
反射膜AlTi70nmがスパッタ法で形成されてい
る。剥離防止層4は樹脂Dにモノマー1.6ヘキサンジ
オールジアクリレートを10%添加して粘度を下げたも
のをスピンコートで7μm塗布した。硬化方法は実施例
1と同じである。また保護膜3の材料、成膜方法、硬化
方法は実施例1と同じ内容で形成した。更に基板の読み
取り面側に反り矯正及び透湿防止用にSiOをスパッタ
法で形成した。先と同じ剥離試験を行ったところ、OK
であった。
【0063】[実施例17]貼り合わせ型相変化ディス
クDVD−RAMで説明する。基板1はポリカーボネー
ト、0.6mm厚である。その表面には微細パターン
(グルーブ線幅0.7μm、トラックピッチ1.48μ
m)1Aが情報として刻まれている。この基板1を2枚
用意し、それぞれの信号面上に記録層2がスパッタ法
で、光学干渉膜ZnSSiO90nm、相変化膜GeS
bTe20nm、光学干渉膜ZnSSiO20nm、光
反射膜AlCr150nmを形成した。剥離防止層4、
保護膜3は各々実施例8と同じ内容で形成した。更に2
つの半ディスクを貼り合わせるに当り、片側の保護膜3
面上にスクリーン印刷でSK−7000(ソニーケミカ
ル製)を30μm印刷し、紫外線を500mJ照射し
た。そして他方のディスクを重ね合わせ、プレスした。
この貼り合わせディスクを縦置きで24時間エージング
し、ディスクを完成させた。カッターナイフを用いて2
つの半ディスクに分解したものについて、先と同じ剥離
試験を行ったところ、OKであった。
【0064】[実施例18]貼り合わせ型ディスクDV
Dの再生専用2層タイプで説明する。基板1はポリカー
ボネート、0.6mm厚である。その表面には微細パタ
ーン(線幅0.3μm、10種類の長さのピット、トラ
ックピッチ0.74μm)1Aが情報として刻まれてい
る。この基板1を2枚用意した。1枚には信号面上に記
録層2がスパッタ法で、光反射膜金14nmを形成し、
もう1枚には同様に光反射膜としてスパッタ法でアルミ
ニウムを主成分とする合金、A6061を60nm形成
した。そしてそれぞれの記録層2上にスピン法で樹脂E
を15μm形成し、実施例1と同じ方法で硬化させた。
片側の半ディスクをスピナーで低速回転させながら、保
護膜兼接着剤として樹脂αを塗布し、回転中に他の半デ
ィスクを気泡が入らないように重ね合わせ、続いて15
00rpmで回転させ余剰の樹脂を振り切った。そして
これに金を形成した基板側より紫外線を1000mJ照
射して接着してディスクを完成させた。金とA6061
の間の樹脂の厚みは合計45μmとなった。この貼り合
わせディスクをカッターナイフを用いて2つの半ディス
クに分解したものについて、先と同じ剥離試験を行った
ところ、OKであった。
【0065】[実施例19]貼り合わせ型ディスクDV
Dの再生専用2層タイプで説明する。基板1はポリカー
ボネート、0.6mm厚である。その表面には微細パタ
ーン(線幅0.3μm、10種類の長さのピット、トラ
ックピッチ0.74μm)1Aが情報として刻まれてい
る。この基板1を2枚用意した。1枚には信号面上に記
録層2が光反射膜SiN40nmをスパッタ法で形成
し、もう1枚には同様に光反射膜としてスパッタ法でク
ロムを100nm形成した。そしてそれぞれの記録層2
上にスピン法で樹脂Eを20μm形成し、実施例1と同
じ方法で硬化させた。片側の半ディスクをスピナーで低
速回転させながら、保護膜3兼接着剤として樹脂βを塗
布し、回転中に他の半ディスクを気泡が入らないように
重ね合わせ、続いて2000rpmで回転させ余剰の樹
脂を振り切った。そしてこれにSiNを形成した基板側
より紫外線を1000mJ照射して接着してディスクを
完成させた。SiNとクロム間のの樹脂の厚みは合計4
5μmとなった。この貼り合わせディスクをカッターナ
イフを用いて2つの半ディスクに分解したものについ
て、先と同じ剥離試験を行ったところ、OKであった。
【0066】
【発明の効果】上述した構成を有する本発明の情報記録
坦体は、特に伸び率100%〜300%の樹脂からなる
剥離防止層と、伸び率5%以下の樹脂からなる保護層と
を記録層上に積層したので、例えば、粘着テープを用い
ても基板と記録層の界面おいて記録層が剥離することが
なく、この結果、基板の物理的な偽造コピー法を確実に
防止することができ、また、こうした構成の情報記録坦
体の製造方法を提供することができる。さらに、記録層
を、光反射膜、光磁気膜、相変化膜、色素膜を少なくと
も1つ含む単層又は積層構造体で構成したことにより、
こうした記録層を有する多種類のディスクのいずれにつ
いても、基板の物理的な偽造コピー法を確実に防止する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の情報記録坦体の構造を説明するための
図である。
【図2】実施例1〜実施例8、比較例1〜比較例11に
おける剥離試験結果を説明するための図である。
【図3】光ディスクの構造を説明するための図である。
【符号の説明】
1 基板 1A 微細パターン列 2 記録層 3 保護層 4 剥離防止層 5 層 A,AA 光ディスク B,C,D,E,α,β 樹脂
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G11B 11/10 522 G11B 11/10 522

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】微細パターン列を有する基板上に、記録層
    と、剥離防止層と、保護層とを順次積層してなることを
    特徴とする情報記録坦体。
  2. 【請求項2】請求項1記載の情報記録坦体であって、 前記剥離防止層は、伸び率100%〜300%の樹脂か
    らなり、 前記保護層は、伸び率5%以下の樹脂からなることを特
    徴とする情報記録坦体。
  3. 【請求項3】請求項1又は2記載の情報記録坦体であっ
    て、 前記記録層は、光反射膜、光磁気膜、相変化膜、色素膜
    を少なくとも1つ含む単層又は積層構造体でなることを
    特徴とする情報記録坦体。
  4. 【請求項4】請求項3記載の情報記録坦体であって、 前記光反射膜は、アルミニウム、金、銀、シリコン、チ
    タン、タンタル、クロム、又は、アルミニウム、金、
    銀、シリコン、チタン、タンタル、クロムを含む合金の
    いずれかでなることを特徴とする情報記録坦体。
  5. 【請求項5】請求項3又は4記載の情報記録坦体であっ
    て、 前記光磁気膜は、TbFeCo、GdFeCo、NdF
    eCo、コバルト、白金を少なくとも1つ含んでなるこ
    とを特徴とする情報記録坦体。
  6. 【請求項6】請求項3ないし請求項5のいずれかに記載
    の情報記録坦体であって、 前記相変化膜は、GeSbTe、AgInSbTeを少
    なくとも1つ含んでなることを特徴とする情報記録坦
    体。
  7. 【請求項7】請求項3ないし請求項6のいずれかに記載
    の情報記録坦体であって、 前記色素膜は、シアニン色素、アゾ色素を少なくとも1
    つ含んでなることを特徴とする情報記録坦体。
  8. 【請求項8】請求項1ないし請求項7のいずれかに記載
    の情報記録坦体であって、 前記剥離防止層は、放射線硬化樹脂、熱硬化樹脂、電子
    線硬化樹脂を少なくとも1つ含んで硬化させたものであ
    ることを特徴とする情報記録坦体。
  9. 【請求項9】微細パターン列を有する基板上に記録層と
    剥離防止層と保護層とを順次積層した情報記録坦体を製
    造する情報記録坦体の製造方法であって、 前記記録層上に、剥離防止層となる樹脂を塗布する工程
    と、 次に、前記記録層上に塗付した樹脂を硬化して前記剥離
    防止層を形成する工程と、 次に、前記剥離防止層上に、保護層となる樹脂を塗布す
    る工程と、 次に、前記剥離防止層上に塗付した樹脂を硬化して前記
    保護層を形成する工程とを有することを特徴とする情報
    記録坦体の製造方法。
  10. 【請求項10】前記記録層上に剥離防止層となる樹脂を
    塗布する工程は、スピンコート法、バーコート法、ロー
    ルコート法、スプレー法、浸漬法、印刷のいずれかの方
    法を用いて行われることを特徴とする請求項9記載の情
    報記録坦体の製造方法。
  11. 【請求項11】前記記録層上に塗付した樹脂を硬化して
    前記剥離防止層を形成する工程は、放射線照射、電子線
    照射、ベーキングのいずれかの方法、またはこれらの方
    法を複合して行われることを特徴とする請求項9記載の
    情報記録坦体の製造方法。
  12. 【請求項12】前記ベーキングは、50度〜150度の
    ヒーター加熱、または赤外線加熱であることを特徴とす
    る請求項11記載の情報記録坦体の製造方法。
  13. 【請求項13】請求項1ないし請求項8のいずれかに記
    載の情報記録坦体であって、保護層面に形成したテスト
    ピースを剥離する剥離試験方法において、剥離が認めら
    れないことを特徴とする情報記録坦体。
  14. 【請求項14】請求項1ないし請求項8のいずれかに記
    載の情報記録坦体であって、剥離防止層と保護層を合わ
    せた層の光線透過率が70%以上であることを特徴とす
    る情報記録坦体。
JP20921898A 1997-07-29 1998-07-24 情報記録坦体及びその製造方法 Expired - Fee Related JP3656420B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20921898A JP3656420B2 (ja) 1997-07-29 1998-07-24 情報記録坦体及びその製造方法

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21809697 1997-07-29
JP9-218096 1997-07-29
JP9-281384 1997-09-29
JP28138497 1997-09-29
JP20921898A JP3656420B2 (ja) 1997-07-29 1998-07-24 情報記録坦体及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11162015A true JPH11162015A (ja) 1999-06-18
JP3656420B2 JP3656420B2 (ja) 2005-06-08

Family

ID=27328970

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20921898A Expired - Fee Related JP3656420B2 (ja) 1997-07-29 1998-07-24 情報記録坦体及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3656420B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004061836A1 (ja) * 2002-12-27 2004-07-22 Tdk Corporation 光情報媒体の製造方法
US7396562B2 (en) 2001-06-06 2008-07-08 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Optical information-recording medium manufacturing method and manufacturing apparatus

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7396562B2 (en) 2001-06-06 2008-07-08 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Optical information-recording medium manufacturing method and manufacturing apparatus
WO2004061836A1 (ja) * 2002-12-27 2004-07-22 Tdk Corporation 光情報媒体の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3656420B2 (ja) 2005-06-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100306352B1 (ko) 정보기록캐리어및그제조방법
US5447767A (en) Optical recording medium, production thereof, substrate for optical recording medium, and production thereof
WO1988003310A1 (en) Draw type optical recording medium
JP4642539B2 (ja) 光記録媒体
US20040002018A1 (en) Manufacturing method of optical disc and optical disc thereby
TWI246683B (en) High-density readable only optical disk
EP1739667B1 (en) Optical recording medium
JPH06187662A (ja) 光記録媒体
JPH02132656A (ja) 光情報記録媒体及びそれを用いた光情報記録方法
JP3656420B2 (ja) 情報記録坦体及びその製造方法
TW200306555A (en) Optically information-recording medium
WO2007058309A2 (ja) 光記録媒体の製造方法及び製造装置
JP4649395B2 (ja) 光記録媒体の製造方法及び製造装置
JP4238518B2 (ja) 光記録媒体及びその製造方法
JP2004288264A (ja) 光記録媒体、光記録媒体の製造方法
JP2003331473A (ja) 光記録媒体
JPH02139733A (ja) 光情報記録媒体およびその光情報記録方法
JPH02132657A (ja) 光情報記録媒体とそれを用いた光情報記録方法
JP2940176B2 (ja) 光学記録媒体およびその記録再生方法
JPH06187664A (ja) 光記録媒体
JP2004288242A (ja) 光記録媒体の製造方法及び光記録媒体用積層体の製造方法
JPH04364240A (ja) 光記録媒体
JP2007109353A (ja) 光情報記録媒体
JPH09115194A (ja) 光ディスクの張り合わせ方法
JP2001006222A (ja) 光記録媒体

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20041116

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050117

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050215

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050228

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090318

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090318

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100318

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110318

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120318

Year of fee payment: 7

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120318

Year of fee payment: 7

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120318

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130318

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140318

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees