JP3715686B2 - 処理方法及びそれを用いた処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、光学系の近軸計算を行う為の処理方法及びそれを用いた処理装置に関し、特に、物体面から像面にいたる基準波長の光路(以下「基準軸」ともいう。)が曲面と交わる点において面法線が基準軸と一致しない平面ではない曲面(以下「Off-Axial曲面」ともいう。)を含む光学系の、基準軸のまわりに展開した近軸量を計算することを特徴とする光学系の近軸計算に好適な処理方法及びそれを用いた処理装置に関する。
【0002】
また本発明は、光学系の構成面の表現にかかわる処理方法及びそれを用いた処理装置に関し、特に、物体面から像面にいたる基準波長の光路(基準軸)曲面と交わる点において面法線が基準軸と一致しない平面ではない曲面(Off-Axial曲面)を含む光学系の構成面の表現にかかわる処理方法及びそれを用いた処理装置に関する。
【0003】
また本発明は、物体面から像面にいたる基準波長の光路(基準軸)が曲面と交わる点において面法線が基準軸と一致しない平面ではない曲面(Off-Axial曲面)を含む光学系の形状決定のために好適な処理方法及びそれを用いた処理装置に関する。
【0004】
更に本発明は、物体面から像面にいたる基準波長の光路(基準軸)が曲面と交わる点において面法線が基準軸と一致しない平面ではない曲面(Off-Axial曲面)を含むOff-Axial光学系に関する。
【0005】
【従来の技術】
従来より各面の回転対称軸である光軸のまわりに回転対称の屈折面または反射面を配置してなる共軸光学系が物体面の像を像面に結像する光学系として用いられてきた。共軸光学系の構成面の表現法としてはその光学系の回転対称軸である光軸と各面の交点である面頂点をローカル座標の原点とした面形状の表現式,数式a,あるいは数式bが主として用いられている。
【0006】
尚、数式a,bは本明細書の実施例の説明の最後に一括して表示している。以下、数式として直接表示していない式も同様にして実施例の説明の最後に一括して表示している。
【0007】
そしてその共軸光学系の骨組みを決めるものとして、共軸系の近軸理論があり、共軸光学系の設計の際に焦点距離や倍率を決めるのに用いられている。そしてそうした近軸量を用いて共軸光学系の骨組みが決められ、収差をターゲットとした自動設計法などにより共軸光学系の形状が決定されている。
【0008】
ところが最近、HMD(head mount display)のような表示系においては従来の共軸光学系の範疇には属さない非対称非球面を用いた設計(主として反射面)が自動設計技術の向上に伴いしばしば見うけられるようになってきている。
【0009】
こうした非対称非球面の表現方法としては、共軸系の上記式で表わされる面が大きく偏心していて光学系として使っている部分は光軸から大きく離れた部分であるとする「共軸光学系の偏心による非対称非球面の表現方法」(図42参照)が一般的であり、そうして表現した光学系に無理やり共軸系の近軸理論を適用したりもしていた。
【0010】
そして上述した座標系を用い、光学配置の骨組みや焦点距離や倍率といった合理的な評価量もそろわないままこうした光学系(Off-Axial光学系)を、像面でのスポットの絞られかただけをッターゲットにした自動設計の手法で、あるいは軸外までよく収差のとれた共軸光学系の軸外部分だけを用いるといった手法で設計していた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、こうした光学系(Off-Axial光学系)に対して「共軸光学系の偏心による非対称非球面の表現方法」は、実際の光線があたり使用される部分の表現の原点が使用される部分の中にないことが多く、原点を使用領域に来るように一度座標変換しないデータでは実際の面の加工、測定の際にはひどく不便であった(問題点1)。
【0012】
またこうした光学系(Off-Axial光学系)の各面の形状を変化させて光学系としての性能を最適化する場合、使用する面の部分の中心を結ぶ線の折れ曲がり方も大きく変化して光学系の骨組みの基本配置が固定できないという問題(問題点2)もあった。(図42参照)
そして、こうした光学系(Off-Axial光学系)に対しては共軸系の近軸論・収差論の手法は、光線のあたる部分の近傍に対称軸が存在しないので意味を持たず、かといって一般的なOff-Axial光学系を普遍的に扱える理論はまだ構築されていなかった。そしてこうした光学系(Off-Axial光学系)に対しては光学系の設計の際の目安となる合理的な一般的に焦点距離や倍率を計算することもできなかった(問題点3)。
【0013】
従って、Off-Axial光学系の形状決定は試行錯誤に頼らざるをえず、効率的な形状決定方法が確立しているとは言い難かった(問題点4)。
【0014】
そして得られた光学系も「共軸光学系の偏心による非対称非球面の表現方法」によって表現されているため、対称な面を偏心させただけの非対称非球面で完全な非対称非球面とは言い難く、従って非対称非球面としての設計の自由度も低く十分な性能の光学系と言い難いものも多かった(問題点5)。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は問題点1,問題点2を解決するために、さらに問題点3を解決する理論及び処理方法を構築するために、こうしたOff-Axial光学系に対しても、物体面から像面にいたる基準波長の光路(基準軸)が曲面と交わる点において面法線が基準軸と一致しない平面ではない曲面(Off-Axial曲面)を含む光学系の、Off-Axial曲面の形状を、上記交点を原点としz軸を面法線とした座標系で2次の項から始まる
または
【0016】
【数8】
または
【0017】
【数9】
で表わされる非対称非球面の式をOff-Axial曲面の表現式として用いる。
【0018】
そして光学系の骨組みを決める近軸論がその座標系と折れ曲がった基準軸光線に沿った近軸展開手法を用いれば構築可能であり、そうして構築された理論を用いた計算処理方法ならびに処理装置を問題点3を解決するための手段として用いる。
【0019】
更に近軸トレースの式を使って全系あるいは各ブロックの近軸量を計算し、全系(ブロック)の近軸量がほぼアジムス依存性がないように各構成面の形状を決定するという、形状決定の計算処理方法ならびに処理装置を問題点4を解決するための手段として用いる。
【0020】
そして問題点1から4までを解決するための手段を用いて確立された手法で得られる光学系を採用することで問題点5の解決を図る。なお、問題点5の解決策として、反射面に対しては、解析的に求められる「反射面のパワーが各面でアジムス依存性を持たない条件」を利用して得られる光学系を採用することも有効である。
【0021】
次に具体的に本発明の光学系の近軸量計算方法及びそれを用いた光学系の近軸量計算装置の構成を説明する。
【0022】
請求項1の発明の光学系の近軸量計算方法は、物体面から像面にいたる基準波長の基準光線の基準軸が曲面と交わる点において面法線が基準軸と一致しない平面ではないOff-Axial曲面を含む光学系の、基準軸のまわりの近軸光線を基準軸のまわりに近軸展開する手法で計算式が得られる
(a)
【数5】
ここで、
【数6】
但し、θ :入射側基準軸と面法線とが成す角
θ′:射出側基準軸と面法線とが成す角
ξ :物線ベクトルのアジムス
ξ′:像線ベクトルの理想結像でのアジムス
h :近軸理論での近軸入射高さ
α :近軸理論での換算傾角
e′:近軸理論での換算面間隔
ν :面番号
(b)焦点距離、
(c)2つの主点位置、
(d)倍率β、
(f)バックフォーカス
の近軸量の少なくとも1つを各面毎または全系にわたって計算するようにしたことを特徴としている。
【0023】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記近軸量の少なくとも1つを、複数のアジムスで、各面毎または全系にわたって計算するようにしたことを特徴としている。
【0024】
請求項3の発明の光学系の形状決定方法は、物体面から像面にいたる基準波長の基準軸が曲面と交わる点において面法線が基準軸と一致しない平面ではないOff-Axial曲面を含む光学系の、基準軸のまわりに展開した
【数7】
但し、θ :入射側基準軸と面法線とが成す角
θ′:射出側基準軸と面法線とが成す角
ξ :物線ベクトルのアジムス
ξ′:像線ベクトルの理想結像でのアジムス
h :近軸理論での近軸入射高さ
α :近軸理論での換算傾角
e′:近軸理論での換算面間隔
ν :面番号
で定義されるOff-Axial曲面の近軸量を各面ごとに計算し、
hν’=Aνν (数式13)
αν'=Φνhν+Dναν (数式14)
ν +1=hν’−eν’αν' (数式15)
αν +1=αν' (数式16)
で定義される近軸トレースの式を使って全系あるいはブロックの
【数8】
を複数のアジムスについて計算し、全系あるいはブロックの近軸量A,B,Φ,Dがほぼアジムス依存性がないように各構成面の形状を決定することを特徴としている。
【0025】
請求項4の発明は、請求項3の発明において、全系あるいはブロックの近軸量A,B,Φ,Dがアジムス依存性が最も小さくなるように、各構成面の形状を決定する手段として自動設計の手法を用いることを特徴としている。
【0026】
請求項5の発明の光学系の近軸量計算装置は、請求項1又は請求項2の光学系の近軸量計算方法を用いていることを特徴としている。
【0045】
【実施例】
本発明の実施例を説明する前に、本発明者が構築したOff-Axial光学系の近軸理論については、一般には知られていないのでその内容について解説する。
【0046】
《Off-Axial光学系の近軸理論》
1.Off-Axial光学系と構成面の表現方法
1-1.Off-Axial光学系
従来多く用いられている共軸光学系に対し、Off-Axial光学系とその骨組みとなる基準軸を以下の様に定義する。
【0047】
★基準軸の定義
一般的には物体面から像面にいたる基準となる基準波長の光線の光路をその光学系における基準軸と定義する。これだけでは基準となる光線の選び方に曖昧性が残るので、通常は以下の2つの原則のいずれかに則り基準光線を設定する。
【0048】
(1)光学系に部分的にでも対称性を有する軸が存在し、収差のとりまとめが対称性よく行なうことができる場合にはその対称性を有する軸上を通る光線を基準光線とする。
【0049】
(2)光学系に一般的に対称軸が存在しない時、あるいは部分的には対称軸が存在しても、収差のとりまとめが対称性よく行なえない時には、物体面中心(被撮影、被観察範囲の中心)から出る光線のうち、光学系の指定される面の順に光学系を通り、光学系内に定義される絞り中心を通る光線を基準光線として設定する。このようにして定義される基準軸は一般的には折れ曲がっている形状となる。(図43参照)
★Off-Axial光学系の定義
上記のように定義した基準軸が曲面と交わる点において面法線が基準軸と一致しない曲面(Off-Axial曲面)を含む光学系をOff-Axial光学系と定義し、その例を図43に示す。(但し、平面反射面によって基準軸が単純に折れ曲がっている場合も面法線が基準軸と一致しないが、その平面反射面は収差の対称性を損なわないので、Off-Axial光学系の対象から除外する。)この定義は共軸光学系の一部が大きく偏心した光学系も含むが、一般的非対称非球面の系では"偏心"の"心"の意味の対称性を持った点や線が存在しないため"偏心"という言葉はあえて用いず、Off-Axialという言葉を用いることにする。
【0050】
1-2.Off-Axial光学系の構成面に適した面形状
表現方法
Off-Axial光学系を構成する面は一般に対称性を持たない。対称性を持たない面の表現法としては展開の中心に対する2変数べき級数展開が最も一般的である。ここでは展開の中心は面と基準軸との交点とし、その面形状を表現するローカル座標系としては面法線にz軸をあわせたものを用いる。そして形状を表わす式をz=f(x,y)の形に表現する。その際その点での面法線が、面形状の変化に伴っても変化しないように展開は2から始めるようにする。つまり
のように表わす。
【0051】
このように基準軸との交点を中心に面法線を固定して展開する手法を用いて構成面を定義しておけば、従来のOff-Axial光学系の設計法とは異なり、光学配置の骨組み(基準軸の配置)を変えることなく面形状を変化させることができる(図44参照)。また更に、2次の展開係数も固定して3次以降の係数のみを変化させれば各アジムスでの近軸量(後述の数式8から数式11の結果参照)を変えることなく収差補正のみを行なうこともできる。
【0052】
2.折れ曲がった基準軸に沿った近軸展開手法
図45に解析に用いた折れ曲がった基準軸に沿った近軸展開の座標系とそこで用いる諸量を示す。反射は屈折率が負の屈折と一般化できるので展開は屈折系で考えることにする。この図において物体側、像側ともに基準軸に沿ってlocal座標系がとられ、物体面、像面、入射瞳面、射出瞳面を基準軸に垂直に図に示すように定義する。面形状は前項で述べたように面法線に沿ったlocal座標系で表現されている。このとき物線ベクトルb、入射瞳上の高さベクトルrを通る光線を考え、この物線ベクトルb,高さベクトルrが微小量として屈折の法則をべき級数展開することを考える。その手順は
i).光線の方向ベクトルsを図中の距離s,b(物線ベクトルbの絶対値)およびξ(物線ベクトルbのアジムス;但し基準軸の屈折面をξ=0ととる)、距離t,r(高さベクトルrの絶対値)およびξr=ξ+φ(高さベクトルrのアジムス;φは相対アジムス)を用いて表わす。
【0053】
ii).i)で求めた始点ベクトルと方向ベクトルおよび面形状の式を使って屈折面上の交点を求める。
【0054】
iii).ii)の交点における面法線ベクトルnをベクトル解析の手法で求める。
【0055】
iv).iii)の結果と屈折の法則を用い、その交点における屈折後の方向ベクトルs´を求める。
【0056】
v).屈折面上の位置と屈折後の方向ベクトルs´とがわかったので距離s´,t´が与えられれば像線ベクトルb´、射出瞳上の高さベクトルr´が求まる。
この手順による像線ベクトルb´の距離b、rの1次量までの展開結果を数式2,数式3に示す。
但しξ'は像面での像線の理想アジムスでξ'=ξととられる。
この結果において像線ベクトルb´は図46に図示してあるように
b´=βb+Δ+Δ (数式4)
の形に成分に分解して表現してある。但しβb+Δはアジムスξに対する平行成分ベクトル(βは後述の数式11で決められる投影の横倍率)、Δは垂直成分ベクトルを表わす。
【0057】
3.Off-Axial光学系での結像の式と屈折の近軸量の導出
3-1 Off-Axial光学系での結像の式の導出
数式2と数式3の結果を使って近軸関係を求める場合は物高bは0とおいてよい。従ってΔとΔのrの1次の比例係数を調べればよいわけであるが、系の回転非対称性のために近軸光線が基準軸に対してねじれの位置にあることを反映して、これら2つの係数はアジムスξ依存を持ち一般的には同時に2つの係数を0とすることはできない。一般にこうした近軸光線が基準軸に対してねじれの位置にあるアナモルフィックな光学系では、光路をアジムス断面に投影したΔの係数=0により結像共役関係式と近軸量を定義し、Δに対し、Δの係数=0の式から結像共役関係式を求めるとはいっても一般に相対アジムスφ=0の光線(メリディオナル光線に対応)とφ=π/2の光線(サジタル光線に対応)とでは結像位置が異なる(いわゆる非点収差を持つ)ことをこの係数の式は示している。この軸上の非点収差に対し本理論では相対アジムスφ=0の場合の結像面を近軸像面と定義し、φ≠0の場合は軸上非点収差が残るとして理論を構築することにする。そうした像面の定義により投影された結像関係式として
が求まるが、これはs 、s ´をt 、t ´に変えるだけで瞳面の結像式となるので、従来の共軸系の一般拡張となる合理的な定義であることがわかる。
【0058】
3-2 屈折面の近軸量の導出とガウシャンブラケットによる屈折の式の表現
次にこの投影された結像関係式を従来の共軸系での結像の式
(N´A)/s´−(ND)/s−Φ= 0 (数式6)
と比較することを考える。
ここでA 、D は
【0059】
【数17】
で示される屈折のガウシャンブラケットの対角成分、Φはパワーを表わす(但し成分のB=0, AD=1の場合) 。
【0060】
ただちにわかる通りこれら2つの式は全く同じ形式をしているので、比較によりこの結像式に対応するOff-Axial屈折面の近軸量を決定することができる。つまり近軸光線を投影して考えれば共軸系の場合と同様に各アジムス毎に近軸量の計算ができることになる。その結果のA 、D 、Φを数式8から数式10に示す。
また屈折面での投影の横倍率は
β=α/α´=Ns´D/(N's) (数式11)
と与えられることも示すことができる。
【0061】
ここで数式8から数式11に示された近軸量は従来の共軸系の近軸量の一般拡張になっていることは注目に値する。これはこれらの式に共軸、回転対称の条件のθ=θ´=0、C11=0、C20=C02=1/(2r)(rは曲率半径)を代入すれば共軸系の場合の式が得られることで容易に確かめることができる。
【0062】
4.近軸トレース
4-1 転送のガウシャンブラケット
以上のようにOff-Axial系の各面においてガウシャンブラケットを用いた手法で屈折の近軸量を定義できたが、複数の面から構成される系においては面と面との間の転送項を定義しておく必要がある。Off-Axial系の場合も簡単な幾何学的考察により、基準軸上に沿って長さd′を定義すれば従来と同様に換算面間隔
e′=d′/N'を用いて
【0063】
【数18】
の形でガウシャンブラケットを使った表現ができることがわかる。従ってOff-Axial面が複数ある系においても従来と同様にアジムス毎に近軸トレースが可能である。つまりOff-Axial光学系全体の骨組みも共軸系の場合と同様に近軸的に解析できるわけである。
【0064】
4-2 近軸トレースの手法
3-2 で求まった屈折の式
hν'=Aνhν (数式13)
αν'=Φνhν+Dναν (数式14)
と、4-1 で求まった転送の式
hν +1=hν'-eν' αν' (数式15)
αν +1= αν' (数式16)
を使えば共軸系の場合と同様の近軸トレースが可能である。共軸系と違うのは屈折の式のAνとDνが一般に1ではないこととAν、Dν、Φνがアジムス依存があることである。従って各アジムスごとの近軸量を計算すれば近軸量のアジムス依存性を調べることが可能である。
【0065】
以下にある与えられたるアジムスξに対する近軸トレース計算のフローを示す。
【0066】
i).s1などの与えられた光学系のデータに対し近軸追跡の初期値h1、α11=N1h1/s1)を設定する。
【0067】
ii).屈折面での近軸量Aν、Φν、Dνを求める。
【0068】
iii).屈折の式を使ってhν'、αν'を求める。
また必要があればsν、sν' や屈折面での横倍率βν
sν=Nνhν/ αν (数式17)
sν'=Nν'hν'/αν' (数式18)
βν= αν/ αν' (数式19)
を使って求める。
【0069】
iv).面番号νが最終面のものでなければ転送の式を用いてhν +1 、αν +1を求める。
【0070】
v).面番号νが最終面の番号k になるまでii) からiv) までを繰り返す。
【0071】
vi).以上の計算で求められた面番号νが最終面の番号k でのhk' 、αk'が常に
hk'=Ah1+B α1 (数式20)
αk'= Φh1+Dα1 (数式21)
を満たすように全系のガウシャンブラケットの成分A 、B 、Φ、D を求める。
【0072】
vii). 求まった全系のA 、B 、Φ、D を用いて焦点距離f 、主点位置H 、H'およびバックフォーカスsk' を共軸系と同様の式
f=1/ Φ (数式22)
Δ1=(1-D)/Φ H=N1 Δ1 (数式23)
Δk'=(A-1)/ Φ H'=Nk' Δk' (数式24)
sk'=Nk'(f+Δk') (数式25)
により求める。
【0073】
(図47参照: Fは物体側焦点、H は物体側主点、F'は像側焦点、H'は像側主点を表わす)
viii).全系の横倍率βを
β= α1k' (数式26)
により求める。
【0074】
5.簡単な面での分析・確認
ここで簡単な面について求まった近軸理論の適用を考える。
【0075】
★Off-Axial反射面
HMD などで多用されるOff-Axial反射面においてはθ=-θ´であるのでガウシャンブラケットのA 、D が1 と共軸系と同じになる。この場合反射面のパワーは曲率のほかに入射角θおよびアジムスξに依存するアナモルフィックなものとなる。ここで更に曲率に比例する面形状の係数C20 、C11 、C02
C11=0、C02=C20 cos2θ (数式27)
を満たす様に選ばれれば反射面のパワーがアジムスξに依存しないようにすることができる。
【0076】
つまり、Off-Axial反射面においてはy,z 方向の面形状の係数がC11=0、 C02=C20cos2θを満たすように選ぶことで近軸的には共軸回転対称系と同様な扱いができるようになる。
【0077】
特に図48に示すような基準軸が2 焦点を通るOff-Axial反射2 次曲面では一般にこの関係が満たされている。このことはこの図の系の面頂点における曲率を求めてやれば、あるいは後述する基準軸が2 焦点を通るOff-Axial射2 次曲面の一般式(数式28) をべき級数に展開して(数式1)の形にして係数を比較することにより、
C02=(1/a+1/b)cosθ/4, C20=(1/a+1/b)/(4cosθ), C11= 0
が得られ容易に確かめることができる。またこの図の場合においてはa,b を2 つの焦点と面頂点との距離とすれば反射面のパワーは直観的に1/a+1/b と理解されるが、このことも同時に(数式10) を使った計算にて確かめることができる。
【0078】
★Off-Axial屈折面
Off-Axial屈折面は反射面のように簡単にはならない。これはガウシャンブラケットの対角要素A 、D が1 ではない(A=1/D≠1 なる逆数関係) ためである。しかしながらこのことも屈折面を平面にして考えれば理解可能である。屈折面が平面の場合屈折面のプリズム効果により系はアジムス依存性を持った角倍率を持つが、これは一般にガウシャンブラケットのD として表わされる。このことを念頭において考えれば一般のOff-Axial屈折面のガウシャンブラケットの各成分はOff-Axialな屈折によるプリズム効果と曲面によって生じたパワー変化との複合された項であると理解することができる。
【0079】
6.設計への応用
以上述べてきたようにして構築されるOff-Axial系の近軸理論と近軸トレースの手法はOff-Axial系の設計の際に応用することができる。一般に倍率がアジムスに依存しない等方的結像の場合、全系ではすべての近軸量がアジムス依存がないと考えられるので、設計は例えば次のような手順で行なえばよい。
【0080】
i).光学系を光路の干渉などを考慮しつつ、折れ曲がった基準軸に沿って配置する。
【0081】
ii).次にガウシャンブラケットの手法を用いてアジムス毎に近軸トレースを行ない、全系の近軸量・像面位置がアジムス依存を持たないように各面の曲率を決めてやる。
【0082】
このような近軸量のアジムス依存性に着目した設計手法は今までになかった考え方であり、Off-Axial系の設計に大きな指針を与えるものである。
【0083】
以上がOff-Axial光学系に対する近軸理論およびそれを用いた光学系の骨組みの設計方法についての解説である。
【0084】
以上の理論の中で説明してきたような表現で表現された面表現方法を用いれば、こうした光学系(Off-Axial光学系)に対する解析理論(Off-Axial近軸理論) を構築することができる。またOff-Axial光学系の各面の形状を変化させて光学系としての性能を最適化する場合、使用する面の部分の中心を結ぶ線の折れ曲がり方や近軸量(光学系の骨組み) を固定したままで面形状を最適化することができるようになる。
【0085】
またこの面形状表現方法を用いて構築された理論は従来の共軸系の近軸理論を完全に包含する形としてまとめあげることができるので、その理論を用いた計算処理方法ならびに処理装置を採用すれば、Off-Axial光学系においても光学系の設計の際に一般的に焦点距離や倍率を計算することができるようになる。
【0086】
さらにこの構築されたOff-Axial近軸理論により可能となったOff-Axial光学系の近軸トレースの手法を使って全系あるいはズームレンズのブロックといった複数面から成るブロックの近軸量がほぼアジムス依存性がないように各構成面の形状を決定するという計算処理方法ならびに処理装置を採用すれば、Off-Axial光学系においても光学系の形状決定という設計作業が効率的に行なえるという作用を持つ。
【0087】
さらにこの構築されたOff-Axial近軸理論により反射面に対して導き出される条件式、(数式27)をそのOff-Axial光学系を構成するOff-Axial曲面の反射面が満たすべき面の形状の制限式として採用すれば、Off-Axial光学系においても光学系の近軸量が各面でアジムス依存性を持たず、近軸理論上は共軸系の回転対称面と全く同様に扱うことができるという作用を持つ。
【0088】
次に本発明の具体的な各実施例について説明する。図1 は本発明の一実施例に係る処理装置のブロック図である。図において、11は装置全体の制御を司るCPU 、13はCPU11 において実行されるプログラム等が格納されるROM と、この実行の際のワーキングエリアとして用いられるRAM を含むメインメモリ、14はキャラクタ情報、制御情報等を入力するためのキーボード、15はポインティングデバイスとしてのマウス、16はキーボード14およびマウス15と本装置との間で信号接続を行なうためのキーインターフェイスである。
【0089】
17はローカルエリアネットワーク(LAN)18 と本装置を接続するLAN インターフェイス、19はROM 、SRAM、RS232C方式インターフェイス等を有した入出力装置(以下「I/O」 という) である。I/O 19 には各種外部機器を接続可能である。20、21は外部記憶装置としてのハードディスク装置およびフロッピーディスク装置、22はハードディスク装置20およびフロッピーディスク装置21と本装置との間で信号接続を行なうためのディスクインターフェイスである。23はインクジェットプリンタ、レーザービームプリンタ等によって構成されるプリンタ、24はプリンタ23と本装置との間で信号接続を行なうためのプリンタインターフェイスである。25は表示装置であり、26は表示装置25と本装置との間で信号接続を行なうための表示インターフェイスである。12は、上記各機器間を信号接続するためのデータバス、コントロールバス、アドレスバスからなるシステムバスである。
【0090】
本実施例においては、CPU11 が、あらかじめメインメモリ13のROM 部に格納された処理手順を読み出し実行するものである。そして各処理により得られる値は、それぞれメインメモリ13のRAM 部に格納されるものである。
【0091】
図2 は、本発明の近軸量計算に対する実施例の処理動作の一例を示すフローチャートである。そのフローは上記4-2 の項で詳しく説明した近軸トレース方法に則ったものである。そしてアジムス依存性の計算は1 つのアジムスに対する計算が終わったあと、別のアジムスについて計算するというフローである。
【0092】
図3 に本発明の近軸量計算に対する実施例の他の処理動作の一例を示す。図2 のフローが1 つのアジムスごとに近軸追跡するフローであるのに対し図3 のフローはいくつかのアジムスでの近軸追跡を並列的に行なっている。
【0093】
図4 に本発明の近軸量計算に対する実施例のさらに別の処理動作の一例を示す。このフローではガウシャンブラケットの手法に則り、屈折の式、転送の式を行列を用いて表わし、行列の計算を行なうことによって全系の近軸量A 、B 、Φ、D あらわすガウシャンブラケットのマトリックスを求めている。アジムスごとの計算は図3 の時と同様の並列的処理であるが、図2 のような個別処理を繰り返す手法をとってもよい。
【0094】
図5 にOff-Axial光学系のOff-Axial面の形状の計算をしその結果を表示装置に表示あるいはプリンターに出力する計算処理方法ならびに処理装置(装置としては図1 と同じ図になるので省略する) に対する実施例の処理動作のフローチャートの一例を示す。
【0095】
ここではOff-Axial光学系のOff-Axial面の面形状が基準軸とその面の交点を原点とし、その点での面法線をひとつの座標軸(z軸) とした座標系で表現されていることが重要なので、もしそのような表示になっていなければ上記理論の項で説明した原則に則り基準軸を設定して、面形状を基準軸とその面の交点を原点とし、その点での面法線をひとつの座標軸(z軸) とした座標系に変換してから面形状の具体的形状を計算する。
【0096】
こうした座標系で記述することにより、Off-Axial光学系の近軸量が計算できるようになるという効果のほかに、こうした座標系に則って面形状を具体的に計算することは、光線が通り実際に使われる部分の面形状を理解しやすくなるとともに面の加工データを作成する上でも面形状を測定する際でも便利である。
【0097】
図6 にはOff-Axial光学系の近軸トレースの手法を使って全系あるいはズームレンズのブロックといった複数面から成るブロックの近軸量がほぼアジムス依存性がないように各構成面の形状を決定するという計算処理方法ならびに処理装置としては図1 と同じ図になるので省略する) に対する実施例の処理動作のフローチャートの一例を示す。
【0098】
ここで変化させてよい変数とは、基準軸の配置が固定の場合は主として面形状を表わす係数であり、基準軸の配置を変化させてもよい場合は更に面間隔、基準軸と面法線のなす角度、硝材などもとることができる。ターゲットの近軸量としては全系のパワーΦ(あるいはその逆数の焦点距離) 、全系の横倍率、主点位置、バックフォーカスなどをとることができる。この図に示されたフローを達成するのには、DLS 法や直交化法といった最適化の手法を用いた自動設計を用いれば効率がよい。
【0099】
次に以上説明してきた処理動作のフローに従って処理され出力された結果の実施例を示す。出力は図1 における25の表示装置になされてもよいし、23のプリンターよりプリントアウトされてもよい。
【0100】
まず本発明の実施例1について説明する。
【0101】
図7 に断面図が示されている実施例1 のOff-Axial光学系の仕様、各面の配置、特性、面形状のデータを表1 に示す(尚、表1は実施例の最後に一括表示している。他の表についても同様である。)。
【0102】
ここで表1 に示されたデータの座標系を図8 を使って説明する。この図においてOff-Axial光学系を物体側から像面に進む1つの光線(図8 中の一点鎖線で示すもので基準軸光線と呼ぶ)に沿って順番にi番目の面を第i面とする。そして光学系はOff-Axial光学系であるため光学系を構成する各面は共通の光軸を持っていない。
【0103】
そこで、図中においては先ず第1面の光線有効径の中心を原点とする絶対座標系を設定する。そして第1面の光線有効径の中心点を原点とすると共に、原点と最終結像面の中心とを通る光線(基準軸光線)の経路を光学系の基準軸と定義している。さらに、本実施例中の基準軸は方向(向き)を持っている。その方向は基準軸光線が結像に際して進行する方向である。基準軸は、光学系の外から見た場合には光軸と同様な取り扱いができる。
【0104】
そして、次に 各実施例の光学系を構成するチルト面は基本的にすべてが同一面内でチルトしている。そこで、絶対座標系の各軸を以下のように定める。
【0105】
Z軸:原点を通り第2面に向かう基準軸
Y軸:原点を通りチルト面内(図8 の紙面内)でZ 軸に対して反時計回りに90゜をなす直線
X軸:原点を通りZ、Y 各軸に垂直な直線(図8 の紙面に垂直な直線)
又、光学系を構成する第i面の面形状を表すには、絶対座標系にてその面の形状を表記するより、基準軸と第i面が交差する点を原点とするローカル座標系を設定して、ローカル座標系でその面の面形状を表した方が形状を認識する上で理解し易い為、本発明の構成データを表示する実施例では第i面の面形状をローカル座標系で表わす。
【0106】
また、第i面のYZ面内でのチルト角は絶対座標系のZ 軸に対して反時計回り方向を正とした角度θi (単位°)で表す。よって、本発明の実施例では各面のローカル座標の原点は図8 中のYZ平面上にある。またXZおよびXY面内での面の偏心はない。さらに、第i面のローカル座標(x,y,z) のy,z 軸は絶対座標系(X,Y,Z) に対してYZ面内で角度θi 傾いており、具体的には以下のように設定する。
【0107】
z 軸:ローカル座標の原点を通り、絶対座標系のZ 方向に対しYZ面内において反時計方向に角度θi をなす直線
y 軸:ローカル座標の原点を通り、z 方向に対しYZ面内において反時計方向に90゜をなす直線
x 軸:ローカル座標の原点を通り、YZ面に対し垂直な直線
また、Diは第i面と第(i+1) 面のローカル座標の原点間の間隔を表すスカラー量、Ndi 、νdiは 第i面と第(i+1)面間の媒質の屈折率とアッベ数である。
【0108】
なお実施例中には通常一般に球面(この実施例1 にはたまたま含んでいない) び回転非対称の非球面を有している。その内の球面部分は球面形状としてその曲率半径riを記してあらわす。数値実施例においては、曲率半径riの符号は、曲率中心がローカル座標のz軸プラス方向にある場合をプラスとし、z軸マイナス方向にある場合をマイナスとする。
【0109】
また、実施例中の光学系は少なくとも回転非対称な非球面を一面以上有し、その形状は数式1 とは基本的には同じだが、二項係数がついてない点で多少異なった以下の式により表わされている:
z =C02y2+C20x2+C03y3+C21x2y+C04y4+C22x2y2+C40x4 (数式30)
(但し近軸量を計算するのに必要なC02 とC20 は数式1 と全く同じである)
上記曲面式はx に関して偶数次の項のみであるため、上記曲面式により規定される曲面はyz面を対称面とする面対称な形状である。さらに以下の条件が満たされる場合はxz面に対して対称な形状を表す。
【0110】
C03 =C21 =0
さらに
C02 =C20 C04=C40 =C22/2
が満たされる場合は回転対称な形状を表す。以上の条件を満たさない場合は非回転対称な形状である。
【0111】
なおこうした座標系の設定方法は以下の実施例においても同様であるので以下の実施例においては説明を省略する。
【0112】
この実施例1 のOff-Axial光学系は反射面のみで構成された単焦点の結像系である。(像面の位置に表示素子を置き、絞り位置を瞳位置と考えれば表示光学系とも考えることができる。) ここでこの光学系を構成している非球面の面形状を表わす式は面のベースがどのような面かわかりやすいように図48の、3 つのパラメーターa 、b 、t(図48のθに相当する角度 ;ここでt が基準軸の反射角に等しい時基準軸は2 焦点を通る) で表わしたOff-Axial2次曲面をベースにし、多項式項を加えた(数式28) で表現してある。
【0113】
この表現は一般的な2 次曲面が表わせて便利な表現である。そしてその形状の式を使って計算した第2 面から第6 面までの面形状の数値出力例を表2 に示す。そしてその数値計算結果をもとに面形状を直観的にわかりやすようにグラフィカルに表現すると例えば第2 面の場合は図9 のようになる。
【0114】
こうした基準軸との交点を原点としz 軸を面法線と一致させた数式28の表現、またはより一般的表現の数式1 による表現は、従来の「共軸光学系の偏心による非対称非球面の表現方法」とは異なり、実際光線がのあたり使用される部分の表現の原点が使用される部分の中にあるために実際の面の加工、測定の際に座標変換する必要がない。なお加工上のメリットがある面形状の表現方法としては一般回転2 次曲面の(数式28) の表現のほかに、この実施例中にはないが、(数式29) に示されるアナモルフィック光学系に対するトーリック面をベースとした式もトーリック面の加工が一般に全く対称性のない面の加工に比べて易しいことから有用である。
【0115】
次にこのOff-Axial光学系のパワーΦおよび横倍率の近軸量の各面での値、および全系での値を上記近軸計算のフローに則って計算した結果を表3 に示す。なお、ここでの各面での近軸量の計算の際に使う面形状の式の展開係数は、Off-Axial2次曲面をベースにした数式28をさらにべき級数展開して平面ベースの数式1 の形に変換したものである。
【0116】
更に各面のパワー及び全系のパワーのアジムス依存性を計算しそのアジムス依存性をグラフとして表現したものを図10に、全系の焦点距離、主点位置、バックフォーカスのアジムス依存性を計算しそのアジムス依存性をグラフとして表現したものを図11に示す(なお図11では残存アジムス依存性がわかりやすいようにスケールを拡大して描いてある。) 。
【0117】
図10においては各面のパワーのアジムス依存性が小さい面が多いが、このことは表3 においてC02 とC20cos2 θの比が1 に近い値を持つ面(ほぼ(数式27)の反射面がアジムス依存性を持たない条件をみたす面) 多いことに対応している。このように近軸量がアジムス依存性を持つOff-Axial学系の場合、アジムス依存の計算結果を表またはグラフとして表示しておくことはその光学系の近軸的特徴を理解する上で有効である。
【0118】
なおこの実施例は、高次の収差とのバランスとの関連で近軸量がまだ多少のアジムス依存性を残しているものの、全系の焦点距離(パワー) や横倍率ができるだけアジムス依存性を持たないように各面の曲率を自動設計の手法により最適化をかけて求めた設計の一例であり、全系のパワーや横倍率のアジムス依存性が小さいのに対応して、図12のスポットダイグラム(最大像高の1/4 の範囲; 微細構造がわかるように拡大されている。スポットの大きさは0.1mm 以下にはなっている) 、図13のディストーションの図からもわかるように基準軸近傍で非点収差やディストーションの少ない光学系となっている。
【0119】
次に本発明の実施例2について説明する。
【0120】
図14に断面図が示されている実施例2 のOff-Axial光学系の仕様、各面の配置、特性、面形状のデータを表4 に示す。
【0121】
このOff-Axial光学系は反射面と共軸の屈折面で構成された単焦点の結像系である。(この系も像面の位置に表示素子を置き、絞り位置を瞳位置と考えれば表示光学系とも考えることができる。) ここでもこの光学系を構成している非球面の面形状を表わす式としては(数式28) を使って表現してある。
【0122】
次にこのOff-Axial光学系のパワーΦおよび横倍率の近軸量の各面での値、および全系での値を上記計算のフローに則って計算した結果を表5 に示す。なお、ここでの各面での近軸量の計算の際に使う面形状の式の係数は、Off-Axial2次曲面をベースにした(数式28) をさらにべき級数展開して平面ベースの(数式1)の形に変換したものである。
【0123】
更に上記計算値のうち、各面および全系でのパワーΦのアジムス依存性をグラフとして表現したものを図15に、全系の焦点距離、主点位置、バックフォーカスのアジムス依存性をグラフとして表現したものを図16に示す。(なお図16では残存アジムス依存性がわかりやすいようにスケールを拡大して描いてある。)
図15においては各面のパワーのアジムス依存性が小さい面が多いが、このことは表5 においてC02 とC20cos2 θの比が1 に近い値を持つ面(ほぼ(数式27)の反射面がアジムス依存性を持たない条件をみたす面) が多いことに対応している。
【0124】
この実施例ではこれらの図からもわかるように全系としては近軸量のアジムス依存性は押さえられている。こうした設計は、全系の焦点距離(パワー) や横倍率ができるだけアジムス依存性を持たないように各面の曲率を自動設計の手法により最適化をかけて求めた設計の一例であり、全系のパワーや横倍率のアジムス依存性が小さいのに対応して、図17のスポットダイグラム(最大像高の1/4 の範囲; 微細構造がわかるように拡大されている。スポットの大きさは0.1mm 以下にはなっている) 、図18のディストーションの図からもわかるように基準軸近傍で非点収差やディストーションの少ない光学系となっている。
【0125】
次に本発明の実施例3について説明する。
【0126】
図19に断面図が示されている実施例3 のOff-Axial光学系の仕様、各面の配置、特性、面形状のデータを表6 に示す。
【0127】
このOff-Axial光学系はOff-Axial反射面とOff-Axial屈折面の両方を用いて構成された単焦点の結像系である。(この系も像面の位置に表示素子を置き、絞り位置を瞳位置と考えれば表示光学系とも考えることができる。) ここでもこの光学系を構成している非球面の面形状を表わす式としては(数式28) を使って表現してある。ここで第5 面から第12面の屈折面はすべて球面ではあるが、その曲率中心は表6 の面頂点の位置、面法線の方向角データからわかるように必ずしも同一直線上にないので、基準軸を絞り中心と像面中心を通る基準波長の光線の光路とした時、これらの面はOff-Axial屈折面となっている。
【0128】
次にこのOff-Axial光学系の各面および全系でのパワーΦ、横倍率、そして全系の焦点距離、主点位置、バックフォーカスのアジムス依存性を上記計算のフローに則って計算した結果を表7 に示す。なお、ここでの各面での近軸量の計算の際に使う面形状の式の係数は、Off-Axial2次曲面をベースにした数式28をさらにべき級数展開して平面ベースの数式1 の形に変換したものである。
【0129】
更に上記計算値のうち、各面および全系でのパワーΦのアジムス依存性をグラフとして表現したものを図20に、全系の焦点距離、主点位置、バックフォーカスのアジムス依存性をグラフとして表現したものを図21に示す。(なお図21では残存アジムス依存性がわかりやすいようにスケールを拡大して描いてある。)
図20においては各面のパワーのアジムス依存性がある面、小さい面ともに含むが、小さい面については、表7 においてC02 とC20cos2 θの比が1 に近い値を持つ面(ほぼ(数式27)の反射面がアジムス依存性を持たない条件をみたす面) に対応している。
【0130】
この実施例ではこれらの図からもわかるように全系としては近軸量のアジムス依存性は押さえられている。こうした設計は、全系の焦点距離(パワー) や横倍率ができるだけアジムス依存性を持たないように各面の曲率を自動設計の手法により最適化をかけて求めた設計の一例であり、全系のパワーや横倍率のアジムス依存性が小さいのに対応して、図22のスポットダイグラム(最大像高の1/4 の範囲; 微細構造がわかるように拡大されている。スポットの大きさは0.1mm 以下にはなっている) 、図23のディストーションの図からもわかるように基準軸近傍で非点収差やディストーションの少ない光学系となっている。
【0131】
次に本発明の実施例4について説明する。
【0132】
図24に断面図が示されている実施例4 のOff-Axial光学系の仕様、各面の配置、特性、面形状のデータを表8 に示す。このOff-Axial光学系はOff-Axial反射面と共軸の屈折面(平面) を用いて構成されたズームの可能な結像系であり、絞り面の第1 面を第1 ブロック、第2 面から第6 面を第2 ブロック、第7 面から第11面を第3 ブロック、第12面から第16面を第4 ブロックとしたとき、第2 ブロックと第3 ブロックの間隔、第3 ブロックと第4 ブロックの間隔を可変としてズームを行なっている。ここではこの光学系を構成している非球面の面形状を表わす式としては(数式30) の平面ベースの式を使って表現してある。
【0133】
次にこのOff-Axial光学系のパワーΦおよび2 つの主点位置の各ブロックごとのアジムス依存性の計算値、および全系での焦点距離、主点位置、バックフォーカスのアジムス依存性の計算値を広角端、中間位置、望遠端の3 つのステートに対して上記計算のフローに則って計算した結果を表9 に示す。そしてそれらの結果のグラフを図25および図26に示す。(なお図26では残存アジムス依存性がわかりやすいようにスケールを拡大して描いてある。)
なお、この例では各面のパワーのアジムス依存性のグラフはブロックごとのアジムス依存性のグラフを表示したため省略したが、表8 の値を用いて計算すれば他の実施例同様に描くことができる。その際C02 とC20cos2 θの比が1 に近い値を持つ面(ほぼ(数式27)の反射面がアジムス依存性を持たない条件をみたす面) を含むことは表9 の数値計算を参照することによって確かめることができる。
【0134】
また図14でわかるように、この実施例は各ブロックのパワーもほぼアジムス依存性がないような設計になっている。このためブロック間隔を変化させても全系のパワーがすべてのステートでアジムス依存性がほとんどないようにできる。
【0135】
なお図25ではわからない位だがスケールが拡大された図26ではわかる程度の残存のアジムス依存性は高次の収差とのバランスとの関連で残っていると思われるが、この光学系も、各ブロックや全系の焦点距離(パワー) や横倍率ができるだけアジムス依存性を持たないように各面の曲率を自動設計の手法により最適化をかけて求めた設計による一例であり、全系のパワーや横倍率のアジムス依存性が小さいのに対応して、図27のスポットダイグラム(最大像高の1/4 の範囲; 微細構造がわかるように拡大されている。スポットの大きさは0.1mm 以下にはなっている) 、図28のディストーション(最大像高の1/4 の範囲) の図からもわかるように各ステートともに基準軸近傍で非点収差やディストーションの少ない光学系となっている。
【0136】
次に本発明の実施例5について説明する。
【0137】
図29に断面図が示されている実施例5 のOff-Axial光学系の仕様、各面の配置、特性、面形状のデータを表10に示す。
【0138】
このOff-Axial光学系は反射面だけで構成された単焦点の結像系である。(この系も像面の位置に表示素子を置き、絞り位置を瞳位置と考えれば表示光学系とも考えることができる。) ここでもこの光学系を構成している非球面の面形状を表わす式としては(数式28) を使って表現してある。ただしここでの各面は(数式28) の多項式部分が存在するので厳密なOff-Axial2次曲面ではないが、多項式部分に2 次の項がないので曲率的にはそれと同等となっておりしかもべースになっているOff-Axial2次曲面の2 焦点は基準軸上にあるので、(数式27) の条件を満たしている。従って近軸的にはこれらの反射面は完全にアジムス依存性がなく、あたかも共軸系のように取り扱うことが可能である。
【0139】
次にこのOff-Axial光学系のパワーΦおよび横倍率の近軸量の各面での値、および全系での値を上記計算のフローに則って計算した結果を表11に示す。予想通りどちらの量も全くアジムス依存性がない。なお、ここでの各面での近軸量の計算の際に使う面形状の式の係数は、Off-Axial2次曲面をベースにした(数式28) をさらにべき級数展開して平面ベースの(数式1)の形に変換したものである。
【0140】
更に図30に各面のパワー及び全系のパワーのアジムス依存性をグラフとして表現したものを示す。この図からわかるように、この系は各面、全系ともに全くアジムス依存性を持っていない。なおこの光学系は更に高次の収差が小さくなるように各面の高次の係数を自動設計の手法により最適化をかけて求めた設計であり、全系のパワーや横倍率のアジムス依存性がないのに対応して、図31のスポットダイグラム(最大像高の1/4 の範囲; 微細構造がわかるように拡大されている。スポットの大きさは0.1mm 以下にはなっている) 、図32のディストーションの図からもわかるように基準軸近傍で非点収差やディストーションの少ない光学系となっている。
【0141】
次に本発明の実施例6について説明する。
【0142】
図33に断面図が示されている実施例6 のOff-Axial光学系の仕様、各面の配置、特性、面形状のデータを表12に示す。
【0143】
このOff-Axial光学系はOff-Axial反射面と共軸の屈折面で構成された単焦点の結像系である。この光学系は実施例1 から3 や5 の光学系とは異なり、物体距離が有限の有限結像系出ある。ここでもこの光学系を構成している非球面の面形状を表わす式としては(数式28) を使って表現してある。ただしここでの各反射面は(数式28) の多項式部分がないので厳密なOff-Axial2次曲面となっておりしかもその2 焦点は基準軸上にあるので、(数式27) の条件を満たしている。従って近軸的にはこれらの反射面は厳密にアジムス依存性がなく、あたかも共軸系のように取り扱うことが可能である。
【0144】
次にこのOff-Axial光学系の各面および全系でのパワーΦ、横倍率、そして全系の焦点距離、主点位置、バックフォーカスのアジムス依存性を上記計算のフローに則って計算した結果を表13に示す。予想通りどの近軸量も全くアジムス依存性がない。なお、ここでの各面での近軸量の計算の際に使う面形状の式の係数は、Off-Axial2次曲面をベースにした(数式28) をさらにべき級数展開して平面ベースの(数式1)の形に変換したものである。
【0145】
更に図34に各面のパワー及び全系のパワーのアジムス依存性をグラフとして表現したものを示す。この図からわかるように、この系は各面、全系ともに全くアジムス依存性を持っていない。なおこの光学系は高次の収差が小さくなるように各面の曲率を自動設計の手法により最適化をかけて求めた設計の一例であり、全系のパワーや横倍率のアジムス依存性がないのに対応して、図35のスポットダイグラム(最大像高の1/4 の範囲; 微細構造がわかるように拡大されている。スポットの大きさは0.1mm 以下にはなっている) 、図36のディストーションの図からもわかるように基準軸近傍で非点収差やディストーションの少ない光学系となっている。
【0146】
次に本発明の実施例7について説明する。
【0147】
図37に断面図が示されている実施例7 のOff-Axial光学系の仕様、各面の配置、特性、面形状のデータを表14に示す。
【0148】
このOff-Axial光学系はOff-Axial反射面のみで構成された単焦点の結像系である。(この系も像面の位置に表示素子を置き、絞り位置を瞳位置と考えれば表示光学系とも考えることができる。) ここでもこの光学系を構成している非球面の面形状を表わす式としては(数式28) を使って表現してある。
【0149】
次にこのOff-Axial光学系の各面および全系でのパワーΦ、横倍率、そして全系の焦点距離、主点位置、バックフォーカスのアジムス依存性を上記計算のフローに則って計算した結果を表15に示す。なお、ここでの各面での近軸量の計算の際に使う面形状の式の係数は、Off-Axial2次曲面をベースにした数式28をさらにべき級数展開して平面ベースの数式1 の形に変換したものである。
【0150】
更に上記計算値のうち、各面および全系でのパワーΦのアジムス依存性をグラフとして表現したものを図38に、全系の焦点距離、主点位置、バックフォーカスのアジムス依存性をグラフとして表現したものを図22に示す。(なお図39では残存アジムス依存性がわかりやすいようにスケールを拡大して描いてある。)
図38においては各面のパワーのアジムス依存性がある面、小さい面ともに含むが、小さい面については、表7 においてC02 とC20cos2 θの比が1 に近い値を持つ面(ほぼ(数式27)の反射面がアジムス依存性を持たない条件をみたす面) に対応している。
【0151】
この実施例では実施例5 や6 とは異なって、各面の近軸量にはアジムス依存性を持っているものがあるものの、全系としては近軸量のアジムス依存性は押さえられている。こうした設計は、全系の焦点距離(パワー) や横倍率ができるだけアジムス依存性を持たないように各面の曲率を自動設計の手法により最適化をかけて求めた設計の一例であり、全系のパワーや横倍率のアジムス依存性が小さいのに対応して、図40のスポットダイグラム(最大像高の1/4 の範囲; 微細構造がわかるように拡大されている。スポットの大きさは0.1mm 以下にはなっている) 、図41のディストーションの図からもわかるように基準軸近傍で非点収差やディストーションの少ない光学系となっている。
【0152】
【外1】
【0153】
【外2】
【0154】
【外3】
【0155】
【外4】
【0156】
【外5】
【0157】
【外6】
【0158】
【外7】
【0159】
【外8】
【0160】
【外9】
【0161】
【外10】
【0162】
【外11】
【0163】
【外12】
【0164】
【外13】
【0165】
【外14】
【0166】
【外15】
【0167】
【外16】
【0168】
【外17】
【0169】
【外18】
【0170】
【外19】
【0171】
【外20】
【0172】
【外21】
【0173】
【外22】
【0174】
【発明の効果】
以上説明してきたように本発明の面表現方法を用いれば実際光線がのあたり使用される部分の表現の原点が使用される部分の中にあるために実際の面の加工、測定の際に座標変換する必要がなく、図面作成工程等簡略化できるという効果がある。
【0175】
その時、面表現のベース式がOff-Axial2次曲面やトーリック面であれば理解しやすい上に加工上も易しくなるという効果がある。またこうした光学系(Off-Axial光学系) の各面の形状を変化させて光学系としての性能を最適化する場合、使用する面の部分の中心を結ぶ線の折れ曲がり方を固定したままで面形状を最適化することができるという効果がある。
【0176】
また本発明の面表現方法を用いれば従来の「共軸光学系の偏心による非対称非球面の表現方法」による表現方法に比べて、設計自由度が大きいのでより収差補正が行なえた光学系を得られる可能性が大きくなるという効果がある。またこの面形状表現方法を用いて構築されたOff-Axial光学系に対する近軸理論は従来の共軸系の近軸理論を完全に包含する形としてまとめあげることができるので、その理論を用いた計算処理方法ならびに処理装置を採用すれば、物体面から像面にいたる基準波長の光路(基準軸) が曲面と交わる点において面法線が基準軸と一致しない平面ではない曲面(Off-Axial曲面) を含む光学系(Off-Axial光学系) においても光学系の設計の際に一般的に焦点距離や倍率などの近軸量を計算することができ、光学系の骨組みを理解しやすくなるという効果がある。
【0177】
さらにこうした計算手法を光学系全系からズームレンズを構成する各ブロックにも適用することによってOff-Axial光学系を使った単焦点レンズやズームレンズを設計できるという効果がある。
【0178】
さらにこの構築されたOff-Axial近軸理論により可能となったOff-Axial光学系の近軸トレースの手法を使って全系あるいはズームレンズのブロックといった複数面から成るブロックの近軸量がほぼアジムス依存性がないように各構成面の形状を決定するという計算処理方法ならびに処理装置を採用すれば、Off-Axial光学系においても光学系の形状決定という設計作業が効率的に行なえるという効果がある。
【0179】
そしてそうした設計によって得られる光学系は全系あるいはズームレンズのブロックといった複数面から成るブロックのパワー、倍率といった近軸量がほぼアジムス依存性がないようになっているので、基準軸近傍で非点収差やディストーションが小さい光学系が得られるという効果がある。
【0180】
さらにこの構築されたOff-Axial近軸理論により反射面に対して導き出される条件式、(数式27) をそのOff-Axial光学系を構成するOff-Axial曲面の反射面が満たすべき面の形状の制限式として採用すれば、Off-Axial光学系においても光学系の近軸量が各面でアジムス依存性を持たず、近軸理論上は共軸系の回転対称面と全く同様に扱うことができるという効果がある。
【0181】
そして(数式27)をほぼ満たすような面を光学系の中に使うことで全系の近軸量のアジムス依存性を小さくおさえることができるので、全系あるいはズームレンズのブロックといった複数面から成るブロックのパワー、倍率といった近軸量がほぼアジムス依存性がないようによりしやすくなり、基準軸近傍で非点収差やディストーションがより出にくい光学系が得られるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る処理装置のブロック図
【図2】本発明の一実施例に係る近軸計算の処理動作を示すフローチャートの一例
【図3】本発明の一実施例に係る近軸計算の処理動作を示すフローチャートの別の例
【図4】本発明の一実施例に係る近軸計算の処理動作を示すフローチャートの更に別の例
【図5】本発明の一実施例に係るOff-Axial面の面形状計算の処理動作を示すフローチャートの一例
【図6】本発明の一実施例に係るOff-Axial光学系のアジムス依存性を押さえるように光学系を決定する計算の処理動作を示すフローチャートの一例
【図7】本発明の手法を使って近軸計算を行なった第1 実施例の光学系の断面図
【図8】本発明の一実施例に係る光学系の出力の際に用いられている座標系を説明する図
【図9】本発明の手法を使って近軸計算を行なった第1 実施例の第2 面の面形状を示す図
【図10】本発明の手法を使って近軸計算を行なった第1 実施例の各面および全系でのパワーのアジムス依存性を示す図
【図11】本発明の手法を使って近軸計算を行なった第1 実施例の全系での焦点距離、主点位置、バックフォーカスのアジムス依存性を示す図
【図12】本発明の手法を使って近軸計算を行なった第1 実施例の光学系の基準軸近傍のスポットダイアグラムを示す図
【図13】本発明の手法を使って近軸計算を行なった第1 実施例の光学系の基準軸近傍のディストーションを示す図
【図14】本発明の手法を使って近軸計算を行なった第2 実施例の光学系の断面図
【図15】本発明の手法を使って近軸計算を行なった第2 実施例の各面および全系でのパワーのアジムス依存性を示す図
【図16】本発明の手法を使って近軸計算を行なった第2 実施例の全系での焦点距離、主点位置、バックフォーカスのアジムス依存性を示す図
【図17】本発明の手法を使って近軸計算を行なった第2 実施例の光学系の基準軸近傍のスポットダイアグラムを示す図
【図18】本発明の手法を使って近軸計算を行なった第2 実施例の光学系の基準軸近傍のディストーションを示す図
【図19】本発明の手法を使って近軸計算を行なった第3 実施例の光学系の断面図
【図20】本発明の手法を使って近軸計算を行なった第3 実施例の各面および全系でのパワーのアジムス依存性を示す図
【図21】本発明の手法を使って近軸計算を行なった第3 実施例の全系での焦点距離、主点位置、バックフォーカスのアジムス依存性を示す図
【図22】本発明の手法を使って近軸計算を行なった第3 実施例の光学系の基準軸近傍のスポットダイアグラムを示す図
【図23】本発明の手法を使って近軸計算を行なった第3 実施例の光学系の基準軸近傍のディストーションを示す図
【図24】本発明の手法を使って近軸計算を行なった第4 実施例の光学系の断面図
【図25】本発明の手法を使って近軸計算を行なった第4 実施例の各ブロックおよび全系でのパワーのアジムス依存性を示す図
【図26】本発明の手法を使って近軸計算を行なった第4 実施例の3 つのステートでの、全系の焦点距離、主点位置、バックフォーカスのアジムス依存性を示す図
【図27】本発明の手法を使って近軸計算を行なった第4 実施例の3 つのステートでの、光学系の基準軸近傍のスポットダイアグラムを示す図
【図28】本発明の手法を使って近軸計算を行なった第4 実施例の3 つのステートでの、光学系の基準軸近傍のディストーションを示す図
【図29】本発明の手法を使って近軸計算を行なった第5 実施例の光学系の断面図
【図30】本発明の手法を使って近軸計算を行なった第5 実施例の各面および全系でのパワーのアジムス依存性を示す図
【図31】本発明の手法を使って近軸計算を行なった第5 実施例の光学系の基準軸近傍のスポットダイアグラムを示す図
【図32】本発明の手法を使って近軸計算を行なった第5 実施例の光学系の基準軸近傍のディストーションを示す図
【図33】本発明の手法を使って近軸計算を行なった第6 実施例の光学系の断面図
【図34】本発明の手法を使って近軸計算を行なった第6 実施例の各面および全系でのパワーのアジムス依存性を示す図
【図35】本発明の手法を使って近軸計算を行なった第6 実施例の光学系の基準軸近傍のスポットダイアグラムを示す図
【図36】本発明の手法を使って近軸計算を行なった第6 実施例の光学系の基準軸近傍のディストーションを示す図
【図37】本発明の手法を使って近軸計算を行なった第7 実施例の光学系の断面図
【図38】本発明の手法を使って近軸計算を行なった第7 実施例の各面および全系でのパワーのアジムス依存性を示す図
【図39】本発明の手法を使って近軸計算を行なった第7 実施例の全系での焦点距離、主点位置、バックフォーカスのアジムス依存性を示す図
【図40】本発明の手法を使って近軸計算を行なった第7 実施例の光学系の基準軸近傍のスポットダイアグラムを示す図
【図41】本発明の手法を使って近軸計算を行なった第7 実施例の光学系の基準軸近傍のディストーションを示す図
【図42】従来の「共軸光学系の偏心による非対称非球面の表現方法」を示す図
【図43】 Off-Axial光学系の一例を示す図
【図44】本発明で用いているOff−Axial光学系の基準軸と面との交点を原点にした表現方法を示す図
【図45】折れ曲がった基準軸に沿った近軸展開の座標系とそこで用いられる諸量を示す図
【図46】像点ベクトルの成分分解を示す図
【図47】 Off-Axial光学系の主点と焦点と焦点距離
【図48】基準軸が2 焦点を通るOff-Axial反射2 次曲面の例を示す図
【符号の説明】
11 CPU
12 システムバス
13 メインメモリ
14 キーボード
15 マウス
16 キーインターフェイス
17 LAN インターフェイス
18 LAN
19 I / O インターフェイス
20 ハードディスク装置
21 フロッピーディスク装置
22 ディスクインターフェイス
23 プリンタ
24 プリンタインターフェイス
25 表示装置
26 表示インターフェイス

Claims (5)

  1. 物体面から像面にいたる基準波長の基準光線の基準軸が曲面と交わる点において面法線が基準軸と一致しない平面ではないOff-Axial曲面を含む光学系の、基準軸のまわりの近軸光線を基準軸のまわりに近軸展開する手法で計算式が得られる
    (a)
    ここで、
    但し、θ :入射側基準軸と面法線とが成す角
    θ′:射出側基準軸と面法線とが成す角
    ξ :物線ベクトルのアジムス
    ξ′:像線ベクトルの理想結像でのアジムス
    h :近軸理論での近軸入射高さ
    α :近軸理論での換算傾角
    e′:近軸理論での換算面間隔
    ν :面番号
    (b)焦点距離、
    (c)2つの主点位置、
    (d)倍率β、
    (f)バックフォーカス
    の近軸量の少なくとも1つを各面毎または全系にわたって計算するようにしたことを特徴とする光学系の近軸量計算方法。
  2. 前記近軸量の少なくとも1つを、複数のアジムスで、各面毎または全系にわたって計算するようにしたことを特徴とする請求項1の光学系の近軸量計算方法。
  3. 物体面から像面にいたる基準波長の基準軸が曲面と交わる点において面法線が基準軸と一致しない平面ではないOff-Axial曲面を含む光学系の、基準軸のまわりに展開した
    但し、θ :入射側基準軸と面法線とが成す角
    θ′:射出側基準軸と面法線とが成す角
    ξ :物線ベクトルのアジムス
    ξ′:像線ベクトルの理想結像でのアジムス
    h :近軸理論での近軸入射高さ
    α :近軸理論での換算傾角
    e′:近軸理論での換算面間隔
    ν :面番号
    で定義されるOff-Axial曲面の近軸量を各面ごとに計算し、
    hν’=Aνν (数式13)
    αν'=Φνhν+Dναν (数式14)
    ν +1=hν’−eν’αν' (数式15)
    αν +1=αν' (数式16)
    で定義される近軸トレースの式を使って全系あるいはブロックの
    を複数のアジムスについて計算し、全系あるいはブロックの近軸量A,B,Φ,Dがほぼアジムス依存性がないように各構成面の形状を決定することを特徴とする光学系の形状決定方法。
  4. 請求項において、全系あるいはブロックの近軸量A,B,Φ,Dがアジムス依存性が最も小さくなるように、各構成面の形状を決定する手段として自動設計の手法を用いることを特徴とする光学系の形状決定方法。
  5. 請求項1又は請求項2の光学系の近軸量計算方法を用いていることを特徴とする光学系の近軸量計算装置。
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