JP3715414B2 - 生分解性吸水性樹脂 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、生分解性吸水性樹脂およびその製造方法に関するものである。さらに詳しくは、吸水能力に優れ、かつ、生分解性を有する吸水性樹脂およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、吸水性樹脂は、紙オムツ等の用途のみならず、体液吸収体等の医療分野、建築分野、鮮度保持剤等の食料分野、緑化等の農業・園芸分野等の多くの分野において用いられている。この吸水性樹脂は、各分野に応じた様々な種類の吸水性樹脂が知られている。
この様々な吸水性樹脂のうち、アクリル酸系の吸水性樹脂は、ある程度の吸水能力を有し、かつ、安価であるため、幅広く用いられている。しかし、生分解性を殆ど有していないため、土中の細菌等により分解されないので、環境汚染等の環境問題を引き起こすことが知られている。また、アクリル酸系の吸水性樹脂は塩溶液に対する給水率やエタノールに対する吸収率が著しく低く実用上満足のいくものではなかった。
この問題を解決するために、生分解性を有する吸水性樹脂として、デンプン系吸水性樹脂、ヒアルロン酸系吸水性樹脂等が知られている。これらの吸水性樹脂として、特に生分解性に有する吸水性樹脂として、ポリ−γ−グルタミン酸系架橋体等が知られている(例えば、特開平6−322358、特開平7−300563等)。しかしながら、ポリ−γ−グルタミン酸等のゲル化率は90%までであった。また、塩溶液に対する給水率やエタノールに対する吸収率の向上が望まれていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この発明の目的は、より高いゲル化率を有するポリ−γ−グルタミン酸架橋体からなる生分解生吸水性樹脂を提供することである。また、水または塩溶液に対して吸水性能を有し、かつ、エタノールに対しても高い吸収性能を有するポリ−γ−グルタミン酸架橋体からなる生分解生吸水性樹脂を提供することである。さらに、より高いゲル化率を有するポリ−γ−グルタミン酸架橋体からなる生分解性吸水性樹脂の製造方法を提供することである。
【0004】
【課題を解決しようとする手段】
本発明者は、生分解性を有するポリ−γ−グルタミン酸架橋体からなる吸水性樹脂を開発するために種々研究を重ねた結果、より高いゲル化率を有するポリ−γ−グルタミン酸架橋体からなる吸水性樹脂を得ることに成功し、この架橋体が生分解性を失うことことなく吸水性を有することを見いだし、この知見に基づき本発明を完成するに至った。また、ポリ−γ−グルタミン酸の濃度と照射する放射線の線量率が特定の範囲にある場合にゲル化率91〜100%のポリ−γ−グルタミン酸架橋体からなる吸水性樹脂を得ることができることを見いだし、この知見に基づき本発明を完成するに至った。
【0005】
すなわち、本発明は、以下の生分解性吸水性樹脂を提供するものである。
(1)ゲル化率91〜100%、吸水率700〜3300倍のポリ−γ−グルタミン酸架橋体からなる生分解性吸水性樹脂。
(2)ゲル化率94〜100%、吸水率700〜3300倍のポリ−γ−グルタミン酸架橋体からなる上記(1)に記載の生分解性吸水性樹脂。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明のポリ−γ−グルタミン酸架橋体からなる吸水性樹脂は、ポリ−γ−グルタミン酸をその濃度が2〜15重量%、好ましくは2〜8重量%、さらに好ましくは4〜7重量%になるように水等の溶媒に溶解し、次いでこの溶液に放射線を照射したのち、生成した架橋体を分離生成等をすることにより得ることができる。2重量%以下であれば、吸水率が低く、15重量%以上であれば、ゲル化率が低くなり、収率の点から好ましくない。
【0007】
本発明に用いるポリ−γ−グルタミン酸については、特に制限はなく、種々の製造方法によるものが用いられる。例えば、微生物、例えば枯草菌による培養法、遺伝子組換微生物による培養法、納豆より調整する方法、または化学合成法等が様々考えられる。
微生物による培養法によりポリ−γ−グルタミン酸を製造する場合には、ポリ−γ−グルタミン酸を菌体外に生成する菌株であればいずれも使用可能であるが、特にバチラス属菌種が望ましい。具体的な例としては、バチラス・ズブチルス、バチラス・アントラシス、バチラス・ナットウなどが用いられる。特に、バチラス・ズブチリスのような微生物により産生される数百万以上の分子量を有するものが好ましい。(特開平1−174397)なお、重合反応に影響がない場合には、ポリ−γ−グルタミン酸のカルボキシル基等にアルキル基等を修飾した誘導体を用いることができる。
【0008】
本発明で使用する微生物の培養法においては、菌株や培地等はポリ−γ−グルタミン酸が生産されるものならどのようなものでもよい。例えば、培地としては、炭素源、窒素源、無機物その他の栄養物を適当に含有する培地ならば、合成培地、天然培地いずれでも用いることができる。
添加アミノ酸としては、L−グルタミン酸、アスパラギン酸、アラニン、ロイシン、フェニルアラニン、ヒスチジンなどまたはこれらの塩を用いることができ、好ましくはL−グルタミン酸であり、2〜12%、好ましくは3〜10%である。
【0009】
炭素源としては、グルコ−ス、シュクロ−ス、クエン酸またはキシロースなどを用いることができるが、好ましくはクエン酸またはグルコースである。
窒素源としては、ペプトンまたは酵母エキスなどの有機栄養源、硫酸アンモニウム等の無機栄養源などを用いることができる。 培養は、振とう培養または攪拌培養などの好気的条件下で行い、培養温度は25〜45℃、好ましくは30〜40℃である。培養時のpHは5〜9、好ましくは6〜8であり、培養時のpH調整は水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどにより行う。
【0010】
培養時間は通常48〜72時間でポリ−γ−グルタミン酸は、菌体外に蓄積される。
培養終了後の培養液中のポリ−γ−グルタミン酸は、従来から行われている方法により回収することができる。すなわち、遠心分離、濾過助剤または微細孔を有するフィルター濾過により菌体を除去し、限外濾過することによりポリ−γ−グルタミン酸を回収することができる。また、3〜4倍量のエタノールなどを添加してポリ−γ−グルタミン酸を沈殿させる。沈殿物を水に溶解させ不溶物を除去し、透析または限外濾過などにより低分子量物を除き、エタノ−ルなどにより再沈殿を繰り返してポリ−γ−グルタミン酸を回収することができる。
【0011】
本発明において、ポリ−γ−グルタミン酸を重合させる方法としては、遊離基重合による。この際、遊離基反応形式は様々で、また、反応の開始剤は過酸化物、アゾ化合物等が考えられる。本発明の場合には特に限定されないが、放射線による遊離基重合が好ましい。
放射線による場合には、ポリ−γ−グルタミン酸を溶解させるのは、ポリ−γ−グルタミン酸を溶解させることができれば特に限定されず、例えば、水、メチルアルコール水溶液、エチルアルコール水溶液等であるが、特に水が好ましい。
【0012】
ポリ−γ−グルタミン酸を溶解した溶液は、放射線透過性容器、例えばガラス製バイアル瓶等が用いられる。放射線については、特に制限なく、例えば、α線、β線、γ線、電子線、中性子線、X線等があるが、好ましくはγ線である。
γ線は、特に制限はないが、例えば、コバルト60を線源とする照射装置などにより発生させたものが用いられる。この場合、線量率1.0〜20kGy/時間が好ましい。さらに好ましくは、線量率1.0〜1.4kGy/時間である。照射時間は、特に制限されないが、照射線量30kGy以上となるようにすることが好ましい。
【0013】
この後、水を除去することにより固形物である吸水性樹脂を得ることができる。この吸水性樹脂は、無色透明であり、吸水性に優れ、生分解性も有している。以上の方法により得られる吸水性樹脂は、所定形状に造粒されていてもよく、また、不定形破砕状、球状等であってもよい。この吸水性樹脂は、衛生分野のみならず、多種多様な分野において利用可能である。例えば、微生物培養液に本発明吸水性樹脂を添加し、培養液をゲル化し、その後の微生物添加等の適当な処理により、効率的な堆肥化を図ることができる。また、本発明の吸水性樹脂は食用可能であり、成形加工することにより食用可能な各種容器を製造可能で、ゴミ問題などの環境問題を解決できる。さらに、本発明の吸水性樹脂の接着性を利用し、吸湿剤の不要な接着剤として利用することもできる。
【0014】
なお、本発明で用いるゲル化率とは、ポリ−γ−グルタミン酸架橋体からなる吸水性樹脂の乾燥重量を用いたポリ−γ−グルタミン酸の量で割った数値、すなわち、仕込みポリ−γ−グルタミン酸量に対するポリ−γ−グルタミン酸架橋体からなる吸水性樹脂の乾燥重量の百分率を意味する。
【0015】
【実施例】
以下に、実施例等によって、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら制限されるものではない。
実施例1および比較例1、2
明治γ−PGA(明治製菓(株)製ポリ−γ−グルタミン酸)を4重量%濃度になるように水に溶解させ、窒素によりバブリングした後、蓋付き10mlサンプル瓶にそれぞれ2ml入れ、蓋を閉めた。このサンプル瓶に、線源としてコバルト60を用いるγ線照射装置により、γ線を線量率1.2kGy/時間で室温にて、照射線量20kGy、50kGy、110kGyとなるように照射した。得られた処理物を蓋付き10mlサンプル瓶から取り出し、一週間4℃の水に浸漬し、未架橋のポリ−γ−グルタミン酸を除去した。水を吸収して膨潤したポリ−γ−グルタミン酸ハイドロゲルを80メッシュの金網で濾過後、凍結乾燥し、ポリ−γ−グルタミン酸架橋体として得た。この架橋体の吸水性樹脂について、ゲル化率と吸水率を測定し、その結果を表1に示した。ゲル化率は、仕込みポリ−γ−グルタミン酸量に対するポリ−γ−グルタミン酸架橋体からなる吸水性樹脂の乾燥重量の百分率で求めた。吸水率は、ポリ−γ−グルタミン酸架橋体からなる吸水性樹脂を大過剰の蒸留水に浸漬して十分膨潤させた後、80メッシュの金網で水切りした後の重量(湿重量)を測定し吸水重量(湿重量から乾燥重量を引いた量)を乾燥重量により割った数値により求めた。
【0016】
【表1】
【0017】
実施例2〜5
明治γ−PGA(明治製菓(株)製)を2、5、7、8重量%濃度になるように水に溶解させ、窒素によりバブリングした後、蓋付き10mlサンプル瓶に2ml入れ、蓋を閉めた。このサンプル瓶に、線源としてコバルト60を用いるγ線照射装置により、γ線を線量率1.2kGy/時間で室温にて、照射線量20kGyとなるように照射した。得られた処理物を蓋付き10mlサンプル瓶から取り出し、一週間4℃の水に浸漬し、未架橋のポリ−γ−グルタミン酸を除去した。水を吸収して膨潤したポリ−γ−グルタミン酸ハイドロゲルを80メッシュの金網で濾過後、凍結乾燥し、ポリ−γ−グルタミン酸架橋体として得た。この架橋体の吸水性樹脂について、ゲル化率と吸水率を測定し、その結果を表2に示した。ゲル化率は及び吸水率は実施例1と同様にして測定した。
【0018】
【表2】
【0019】
実施例6〜11
使用菌株としてバチルス・ズブチリスIFO3335株を用い、表3の培地を3ml試験管に入れ37℃で1晩振とう培養を行い前培養液とした。次に500ml容坂口フラスコに表2の培地を100ml入れ、前培養液1mlを加え37℃で振とう培養を行い、72時間後培養液を回収した。回収した培養液に水を4倍量添加し、pHを2.5に調整した。この培養液を4℃で12,000r.p.m、30分間遠心分離し、遠心分離後の培養液上清を限外濾過し、濃縮したポリ−γ−グルタミン酸溶液を凍結乾燥した。この操作により1.5g/100ml培養液のポリ−γ−グルタミン酸を得ることができた。
【0020】
上記の製造方法を数回行うことにより得られたポリ−γ−グルタミン酸を2、5、7、8、10、15重量%濃度になるように水に溶解させ、窒素によりバブリングした後、蓋付き10mlサンプル瓶に2ml入れ、蓋を閉めた。このサンプル瓶に、線源としてコバルト60を用いるγ線を線量率10kGy/時間で室温にて、照射線量30kGyとなるように照射した。得られた処理物を蓋付き10mlサンプル瓶から取り出し、一週間4℃の水に浸漬し、未架橋のポリ−γ−グルタミン酸を除去した。水を吸収して膨潤したポリ−γ−グルタミン酸ハイドロゲルを80メッシュの金網で濾過後、凍結乾燥し、ポリ−γ−グルタミン酸架橋体として得た。この架橋体の吸水性樹脂について、ゲル化率と吸水率を測定し、その結果を表4に示した。ゲル化率は及び吸水率は実施例1と同様にして測定した。
【0021】
【表3】
【0022】
【表4】
【0023】
実施例12
実施例10により得られた架橋体の吸水性樹脂について、各塩溶液に対する吸収率を測定し、その結果を表5に示した。吸収率は、ポリ−γ−グルタミン酸架橋体からなる吸水性樹脂を大過剰の各塩溶液に浸漬して十分膨潤させたのち、80メッシュの金網で水切りした後重量(湿重量)を測定し、吸収重量(湿重量から乾燥重量を引いた量)を乾燥重量により割ることにより求めた。
【0024】
【表5】
【0025】
実施例13
実施例10により得られた架橋体の吸水性樹脂について、各種アルコール水溶液に対する吸収率を測定し、その結果を表6に示した。吸収率は、ポリ−γ−グルタミン酸架橋体からなる吸水性樹脂を大過剰の各種アルコール水溶液に浸漬して十分膨潤させたのち、80メッシュの金網で水切りした後重量(湿重量)を測定し、吸収重量(湿重量から乾燥重量を引いた量)を乾燥重量により割ることにより求めた。
【0026】
なお、実施例により得られた架橋体の吸水性樹脂は2−プロパノール、3−メチル−1−ブタノール、1−ブタノールの20%水溶液および40%水溶液でも膨潤し、吸収能を有することを確認した。
【0027】
【表6】
【0028】
実施例14
実施例10により得られた架橋体の吸水性樹脂について、各種溶液に対する吸収能力について検討し、その結果を表7に示した。吸収能力については、各種溶液20mlを入れた溶液に0.05gの吸水性樹脂を添加し、各種溶液の状態を検討した。
【0029】
【表7】
【0030】
参考例1〜4
明治γ−PGA(明治製菓(株)製ポリ−γ−グルタミン酸)を5、9、15、20、25重量%濃度になるように水に溶解させ、窒素によりバブリングした後、蓋付き10mlサンプル瓶にそれぞれ2ml入れ、蓋を閉めた。このサンプル瓶に、線源としてコバルト60を用いるγ線照射装置により、γ線を線量率1.2kGy/時間で室温にて、照射線量20kGyとなるように照射した。得られた処理物を蓋付き10mlサンプル瓶から取り出し、一週間4℃の水に浸漬し、未架橋のポリ−γ−グルタミン酸を除去した。水を吸収して膨潤したポリ−γ−グルタミン酸ハイドロゲルを80メッシュの金網で濾過後、凍結乾燥し、ポリ−γ−グルタミン酸架橋体として得た。この架橋体の吸水性樹脂について、ゲル化率と吸水率を測定し、その結果を表8に示した。ゲル化率は及び吸水率は実施例1と同様にして測定した。
【0031】
【表8】
【0032】
参考例5
明治γ−PGA(明治製菓(株)製ポリ−γ−グルタミン酸)を10重量%濃度になるように水に溶解させ、窒素によりバブリングした後、蓋付き10mlサンプル瓶にそれぞれ2ml入れ、蓋を閉めた。このサンプル瓶に、線源としてコバルト60を用いるγ線照射装置により、γ線を線量率1.2kGy/時間で室温にて、照射線量20kGyとなるように照射した。得られた処理物を蓋付き10mlサンプル瓶から取り出し、一週間4℃の水に浸漬し、未架橋のポリ−γ−グルタミン酸を除去した。水を吸収して膨潤したポリ−γ−グルタミン酸ハイドロゲルを80メッシュの金網で濾過後、凍結乾燥し、ポリ−γ−グルタミン酸架橋体として得た。この架橋体の吸水性樹脂について、実施例1と同様にしてゲル化率と吸水率を測定したところ、ゲル化率は86%で、吸水率は5000であった。
【0033】
また、この架橋体の吸水性樹脂について、実施例12と同様にして各塩溶液に対する吸吸率を測定し、その結果を表9に示した。
【0034】
【表9】
【0035】
参考例6〜9
使用菌株としてバチルスズブチリスIFO3335株を用い、表2の培地を3ml試験管に入れ37℃で1晩振とう培養を行い前培養液とした。次に500ml容坂口フラスコに表2の培地を100ml入れ、前培養液1mlを加え37℃で振とう培養を行い、72時間後培養液を回収した。回収した培養液は4℃で12,000r.p.m、30分間遠心分離を行い、遠心分離後の培養液上清に3倍量のエチルアルコールを加えて生じる沈殿物を遠心分離にて回収し、凍結乾燥することにより1.5g/100ml培養液のポリ−γ−グルタミン酸を得ることができた。
【0036】
上記の製造方法を数回行うことにより得られたポリ−γ−グルタミン酸を9、15、20、25重量%濃度になるように水に溶解させ、窒素によりバブリングした後、蓋付き10mlサンプル瓶に2ml入れ、蓋を閉めた。このサンプル瓶に、線源としてコバルト60を用いるγ線を線量率1.2kGy/時間で室温にて、照射線量20kGyとなるように照射した。得られた処理物を蓋付き10mlサンプル瓶から取り出し、一週間4℃の水に浸漬し、未架橋のポリ−γ−グルタミン酸を除去した。水を吸収して膨潤したポリ−γ−グルタミン酸ハイドロゲルを80メッシュの金網で濾過後、凍結乾燥し、ポリ−γ−グルタミン酸架橋体として得た。この架橋体の吸水性樹脂について、実施例1と同様にしてゲル化率と吸水率を測定し、その結果を表10に示した。
【0037】
【表10】
【0038】
【発明の効果】
本発明のポリ−γ−グルタミン酸架橋体の吸水性樹脂は、より高いゲル化率を達成することができ、(製造上有利に製造できるだけでなく)優れた吸水性能を有し、生分解性も有する。上記の吸水性樹脂は、紙オムツ等の衛生分野としての利用のみでなく、医療分野、建築分野、食品分野、農業・園芸分野等への幅広い分野へ応用可能である。また、生分解性に優れていることから、廃棄処分が安全・簡便であるという効果も有している。また、本発明の製造方法によれば、ゲル化率のより高く、優れた吸水性能を有する吸水性能を製造することができる。
Claims (2)
- ゲル化率91〜100%、吸水率700〜3300倍のポリ−γ−グルタミン酸架橋体からなる生分解性吸水性樹脂。
- ゲル化率94〜100%、吸水率700〜3300倍のポリ−γ−グルタミン酸架橋体からなる請求項1に記載の生分解性吸水性樹脂。
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