JP3714707B2 - 賦形シートの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、化粧板の製造に用いる賦型シートの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の賦型シートの製造方法としては、特公昭57−45143号公報、特開昭59−133011号公報、特公昭63−30148号公報、特公昭63−26702号公報あるいは特公平5−72854号公報等に記載されたものが知られる。例えば、特公昭57−45143号公報には、柔軟性フィルムの表裏面にそれぞれポリビニルアルコールフィルムを重ね合わせた複合フィルムを、表面に凹凸が形成された原稿の表面に加熱押圧して賦型シートを得る製造方法が記載される。そして、この賦型シートは、通常、枠に張設して用いられる。
【0003】
また、特公平5−72854号公報には、原稿の表面にポリビニルアルコール樹脂を塗布し、このポリビニルアルコール樹脂が乾燥した後にポリビニルアルコール樹脂上にプライマを塗って紗等の芯材を重ね、さらに、この上にシリコーン樹脂を塗布、硬化させて賦型シートを得る製造方法が記載されている。この賦型シートも上述した賦型シートと同様に枠に張設して用いられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の賦型シートの製造方法にあっては、原稿を型取りした後に枠に張設するため、賦型シートの四方から均一な力で引っ張って枠に張設することが難しく、ダクと称せられる天然原稿にはない不自然なうねりが発生し、天然原稿に忠実な化粧板を製造することが困難であるという問題があった。
この発明は、上記問題に鑑みてなされたもので、天然原稿と同等の賦型シートであり、ダク等を生じることなく製造することができる賦型シートの製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この発明にかかる賦型シートの製造方法は、ポリビニルアルコールフィルムとエチレン酢酸ビニル共重合体フィルムとを積層した複合フィルムを、枠に張設された紗の両面側にそれぞれ該エチレン酢酸ビニル共重合体フィルムが紗と対面するように合わせて配置し、一方の複合フィルムのポリビニルアルコールフィルム側に複製型を重ねて熱プレスし、賦形用の凹凸模様を形成するとともに、前記紗と対面して配置したエチレン酢酸ビニル共重合体フィルムを熱溶融し、紗の網目中に進入させて紗を固着するようにしたことを特徴としており、枠に張設された紗が埋入固着されたエチレン酢酸ビニル共重合体フィルム層の両面にそれぞれポリビニルアルコールフィルム層を備え、一方のポリビニルアルコールフィルム層側に賦形用の凹凸模様を有する賦型シートである。
【0006】
そして、この発明にかかる賦型シートの製造方法は、酢酸ビニルの含有量が5〜10%のエチレン酢酸ビニル共重合体を使用する態様(請求項2)に、また、熱プレスに際し、複製型を重ねた複合フィルムとは反対側の複合フィルムに、弾性体からなり表面が平滑な板状クッションを重ねて熱プレスする態様(請求項3)に構成することができる。
【0007】
上記複製型としては天然原稿等を基に複製された中間型等のみならず天然原稿等も用いることができる。ポリビニルアルコールフィルムは厚みが15μm〜30μm程度のもの、エチレン酢酸ビニル共重合体フィルムは酢酸ビニル含有量が5%〜10%で厚みが100μm〜500μm程度のものが用いられる。また、紗としては、メッシュが250以下のシルクスクリーン用ステンシル等、例えば、ポリエステル繊維で作られたものが用いられる。なお、紗を枠に張設する機械が開発されている。そして、加熱・加圧に際しては、温度が110°C〜140°C、時間が15分〜40分、圧力が12kg/cm2 〜30kg/cm2 の条件が採用される。
【0008】
【作用】
この発明によれば、紗の両面にそれぞれエチレン酢酸ビニル共重合体フィルムが一体化し、一方のポリビニルアルコールフィルム側に原稿の凹凸模様が転写される。このため、後に枠に張設する必要がなく、ダク等の発生が防止できる。そして、熱プレスに際しても、エチレン酢酸ビニル共重合体フィルムはポリ塩化ビニルフィルム等に比較して加熱溶融時の流動性が高いため、原稿の微細な凹凸も転写でき、原稿に忠実な賦型シートが得られる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施例を図面を参照して説明する。
図1はこの発明の一実施例にかかる製造方法に用いる装置を模式的に示す断面図である。
【0010】
この実施例にあっては、先ず、矩形状の枠1に紗2を張設してシート本体3を構成し、また、エチレン酢酸ビニル共重合体フィルム4とポリビニルアルコールフィルム5とを積層して複合フィルム6U,6Lを構成する。シート本体3は枠1がアルミニウム等から構成され、紗2としてポリエステル系繊維で100メッシュ程度のものが用いられる。また、複合フィルム6はエチレン酢酸ビニル共重合体フィルム4が7%程度の酢酸ビニルの含有量で260μm程度の厚みを有するもの、ポリビニルアルコールフィルム5が25μm程度の厚みを有するものが用いられる。
【0011】
次に、図1に示すように、熱プレス機の下熱盤7と上熱盤8との間に、複製型9、複合フィルム6L、シート本体3および複合フィルム6Uを順次重ねて配置する。ここで、下熱盤7上にはパーチクルボードの表裏にメラミン樹脂板を積層した底上板10とフェルトゴムのクッション板11とを重ねて設け、このクッション板11上に複製型9を載置し、複製型9側の複合フィルム6Lをポリビニルアルコールフィルム5が複製型9と、エチレン酢酸ビニル共重合体フィルム4が紗2と対面するように配置する。また、上熱盤8と上側の複合フィルム6Uとの間には紙等のクッションシート12、アルミ合金等の当て板13および弾性体からなる表面が平滑なクッション板14を重ねて介装し、複合フィルム6Uをエチレン酢酸ビニル共重合体フィルム4が紗2と対面するように配置する。
なお、上記クッション板14を形成する弾性体としては、ゴム硬度30〜60度で、厚さ3〜6mmのシリコーンゴムが適している。
【0012】
そして、下熱盤7と上熱盤8とにより複製型9、複合フィルム6L、シート本体3の紗2および複合フィルム6Uを加熱しつつ加圧し、複合フィルム6Lのポリビニルアルコールフィルム5側に複製型9の凹凸模様を転写するとともに各複合フィルム6L,6Uのエチレン酢酸ビニル共重合体フィルム4を紗2と固着する。加圧・加熱の条件としては、例えば、温度が135°C、加圧加熱時間が30分、圧力が20kg/cm2 程度が採用される。そして、冷却後に、複製型9と複合フィルム6Lのポリビニルアルコールフィルム5とを剥離することで、賦型シートが得られる。
【0013】
上述したように、この実施例にあっては、熱圧加工するのみで賦型シートが製造でき、熱圧加工後に枠等への張設を行う必要がないため、生産性が優れコストも低くでき、また、タグの発生も防止できる。また、エチレン酢酸ビニル共重合体フィルム4はポリ塩化ビニル等と比較して溶融時の流動性が高いため、複製型9の細かい凹凸も転写することができ、より複製型9に忠実な賦型シートが得られる。
【0014】
なお、エチレン酢酸ビニル共重合体の酢酸ビニル含有量は、5〜10%が好ましく、5%以下であると融点が上がり加熱溶融時の流動性が劣るので凹凸の再現性が悪く、10%以上であると製造された賦型シートの耐熱性が悪くなり、例えば、不飽和ポリエステル樹脂のように硬化時に発熱する樹脂の賦型に使用した場合に耐久性が劣る。
また、熱プレスに際し、複製型を重ねた複合フィルムとは反対側の複合フィルムに、例えば、シリコーンゴム等の弾性体からなり表面が平滑な板状クッションを重ねて熱プレスすることによって、熱盤からの圧力を均一化し、表面が平滑な賦型シートが得られる。
【0015】
そして、製造された賦型シートはポリビニルアルコールフィルム5が酸素の遮断性に優れるため、この賦型シートを用いて化粧板を生産する際にも、廉価な汎用ポリエステル樹脂を用いることができ、また、高い耐久性が得られ多数の化粧板を製造することができる。
【0016】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明にかかる賦型シートの製造方法によれば、熱圧加工するのみで賦型シートを製造でき、熱圧加工後に枠等への張設を行う必要がないため、生産性が優れコストも低くでき、タグの発生も防止でき、また、エチレン酢酸ビニル共重合体フィルム4がポリ塩化ビニル等と比較して溶融時の流動性が高いため、複製型の細かい凹凸も賦型シートに再現することができると同時に、紗の網目中に容易に進入することによってエチレン酢酸ビニル共重合体と紗が強固に固着し、頑丈な型を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例にかかる賦型シートの製造方法を説明する模式断面図である。
【符号の説明】
1 枠
2 紗
3 シート本体
4 エチレン酢酸ビニル共重合体フィルム
5 ポリビニルアルコールフィルム
6U 複合フィルム
6L 複合フィルム
7 下熱盤
8 上熱盤
9 複製型
Claims (3)
- ポリビニルアルコールフィルムとエチレン酢酸ビニル共重合体フィルムとを積層した複合フィルムを、枠に張設された紗の両面側にそれぞれ該エチレン酢酸ビニル共重合体フィルムが紗と対面するように合わせて配置し、一方の複合フィルムのポリビニルアルコールフィルム側に複製型を重ねて熱プレスし、賦形用の凹凸模様を形成するとともに、前記紗と対面して配置したエチレン酢酸ビニル共重合体フィルムを熱溶融し、紗の網目中に進入させて紗を固着することを特徴とする賦型シートの製造方法。
- 酢酸ビニルの含有量が5〜10%のエチレン酢酸ビニル共重合体を使用することを特徴とする請求項1記載の賦型シートの製造方法。
- 熱プレスに際し、前記複製型を重ねた複合フィルムとは反対側の複合フィルムに、弾性体からなり表面が平滑な板状クッションを重ねることを特徴とする請求項1記載の賦型シートの製造方法。
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JP22117095A JP3714707B2 (ja) | 1995-08-08 | 1995-08-08 | 賦形シートの製造方法 |
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