JP3077317B2 - 賦型シート及び賦型シートを用いた化粧板の製造方法 - Google Patents

賦型シート及び賦型シートを用いた化粧板の製造方法

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    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
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    • B29C59/02Surface shaping of articles, e.g. embossing; Apparatus therefor by mechanical means, e.g. pressing
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  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Shaping Of Tube Ends By Bending Or Straightening (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、家具、デスク、テーブ
ル、建築内装材に幅広く使用される表面に凹凸模様を有
する熱硬化性樹脂化粧板の製造方法とその製造方法に用
いる賦型シートに関する。
【0002】
【従来の技術と問題点】従来から、熱硬化性樹脂化粧板
の表面に凹凸模様を有するものとしては、エンボス金型
や樹脂凹凸板により凹凸模様を形成したものと、賦型シ
ートにより凹凸模様を形成したものがある(特公平2−
38398号公報参照)。しかし、エッチング、サンド
ブラスト、彫刻等の処理により表面に微細な凹凸模様を
形成した、エンボス金型を使用した場合は、熱硬化性樹
脂化粧板製造時に、多段プレス機の段数分の枚数の高価
な型板及び予備の型板が必要となり、費用の負担が増え
る。また、柄替え時に型板を取り替える必要もでてくる
ため、製造コストも大幅に増加し製品が高価なものとな
る。また、樹脂凹凸板の場合は、熱硬化性樹脂化粧板と
が樹脂の硬化後、剥離しにくくなるために型板との間
に、アルミニウム箔、ポリプロピレンフィルム等を挟む
必要があり、微細な凹凸模様をシャープに形成すること
は非常に難かしい。
【0003】賦型シートを用いた場合においても既存技
術では、微細な凹凸模様を形成することは難しく、例え
ば、熱可塑性樹脂フィルムに微細な凹凸模様を形成した
賦型シートを用いて、熱硬化性樹脂化粧板を製造しよう
としても、耐熱性、耐圧性が化粧板製造時の熱圧より劣
っているため、凹凸模様を保持することができず、表面
の凹凸がなくなってしまう。また、基材シート上に耐熱
性樹脂層を設け、該耐熱性樹脂層に微細な凹凸模様を設
けた賦型シートを用いて、化粧板に微細な凹凸模様を加
熱加圧により成形したあと、賦型シートを剥離する際、
剥離が重くなり、賦型シート上の樹脂が剥がれて化粧板
の方に付着したりする問題が起こり易い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の問題点を解決し、化粧板製造時の熱圧に耐える特性
を持ち、かつ、化粧板製造時の剥離の軽い賦型シートと
該賦型シートを用いて、表面に万線の小片をランダムに
組合せ光の反射方向により立体感を現出する、微細な凹
凸模様を形成した熱硬化性樹脂化粧板を提供することを
目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために考えられたもので、基材シート上に耐熱性
を有する樹脂層を設け、該耐熱性を有する樹脂層の表面
には深さ1μm〜60μmの微細な凹凸模様を設けた賦
型シートにおいて、前記耐熱性を有する樹脂層には0.
5%〜5%の離型剤を添加したことを特徴とする熱硬化
性樹脂化粧板の製造用の賦型シートである。
【0006】さらに、賦型シートの凹凸模様面を、熱硬
化性樹脂を含浸した樹脂含浸紙に接するように重ね、加
熱加圧成形し、該樹脂含浸紙の樹脂が硬化したあと、賦
型シートを剥離することからなる熱硬化性樹脂化粧板の
製造方法において、該賦型シートとして上記の賦型シー
トを使用すると共に、前記樹脂含浸紙の最上層の樹脂中
には、0.5%〜5%の離型剤を添加したことを特徴と
する、賦型シートを用いた熱硬化性樹脂化粧板の製造方
法である。
【0007】図に基づき詳細に説明する。図1(a)
は、エンボスフィルムの断面図である。このエンボスフ
ィルム(1)は、図1(b)に示す積層シート(2)の
表面に凹凸模様を精度良く型押しするもので、表面に微
細な凹凸模様(1b)を形成させた熱可塑性フィルム
(1a)である。熱可塑性フィルム(1a)は、表面が
平滑で凹凸形成の可能なものであることが必要である。
例えば、ポリ塩化ビニルフィルム、アクリル樹脂フィル
ム等が使用することができる。
【0008】このエンボスフィルムは、公知の方法によ
り形成できる。すなわち、従来技術で述べたエンボス金
型を熱可塑性フィルムに重ね、熱圧することにより微細
な凹凸模様を形成することが出来る。この微細な凹凸模
様は、万線模様の小片をランダムに組合せ光の反射方向
により立体感を現出する視覚的な凹凸模様を形成し、深
さ1μm〜60μmの微細な凹凸模様(図4参照)とす
ることによりエンボス効果が優れたものとなる。
【0009】図1(b)は、積層シートの断面図であ
る。積層シート(2)は賦型シートの基になるもので、
基材シート(2a)と、耐熱性を有する樹脂層としての
熱可塑性樹脂層(2b)とからなる。基材シート(2
a)は、熱可塑性樹脂層(2b)の支持体となって、熱
可塑性樹脂(2b)が破れたり、伸縮したりすることを
防ぐものである。基材シート(2a)としては、熱可塑
性樹脂層(2b)形成時の熱、あるいは、エンボスフィ
ルム(1)と重ねて凹凸模様を形成する際、あるいは、
化粧板を製造する際の熱圧によって破れたり、融着した
り、伸縮したりしないことが要求される。この様な基材
シートとしては、紙、ポリエステルフィルム、アルミ箔
等の金属箔、あるいは、その積層シート等が使用でき
る。
【0010】熱可塑性樹脂層(2b)は、その表面を軟
化状態にしてエンボスフィルム(1)の表面の凹凸模様
を再現するものであり、エンボスフィルム(1)と重ね
るさいに軟化して、微細な凹凸模様が精度良く反転再現
できること、化粧板製造時に凹凸形状を保持することが
必要である。すなわち、化粧板成型時の熱圧条件を超え
る耐熱性、耐圧性があれば凹凸形状の保持には問題な
く、また、耐熱性が、化粧板製造時の最高温度より低く
ても形状が保持できる場合もある。例えば、高圧メラミ
ン樹脂化粧板製造時のように、常温で加圧して徐々に加
熱する方法においては、合成樹脂の耐熱限界(凹凸形状
保持のための)前に、メラミン樹脂が硬化すれば、表面
形状が保持されたメラミン樹脂化粧板が得られる。例え
ば、この熱可塑性樹脂として、ポリメチルペンテン樹
脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、等が使用
できる。
【0011】この熱可塑性樹脂(2b)の樹脂中には、
離型剤(2c)が含有されているが、熱可塑性樹脂が、
ペレット状の時や、溶融状態のときに添加混合しておく
とよい。また、離型剤としては、シリコーン樹脂やふっ
素樹脂、及び、ふっ素樹脂ディスパージョン等の離型性
の良い樹脂を使用することができる。添加量は、0.5
%〜5%が望ましい。
【0012】この熱可塑性樹脂層(2b)は、任意の方
法にて形成できるが、溶融状態の合成樹脂を押し出しダ
イから押し出して、基材シート(2a)上に積層する方
法(押し出しラミネーション法)が好ましい。引き続い
てエンボスフィルム(1)を重ねることにより、熱可塑
性樹脂層(2b)の形成と、その表面に微細な凹凸模様
を形成する工程が、一連の工程で可能になる。熱可塑性
樹脂層(2b)は、その材質に応じて150℃〜330
℃の温度でダイから押し出される。厚みは、凹凸の深さ
に応じて5μm〜50μmの厚みを設定するとよい。
【0013】図1(c)は、エンボスフィルム(1)と
積層シート(2)を重ね合わせて加圧した状態の説明図
である。賦型シート(3)は、前記の熱可塑性樹脂層
(2b)を加熱軟化した状態で、エンボスフィルム
(1)を重ね、加圧して、凹凸模様(1b)を熱可塑性
樹脂層(2b)上に転写して得られるものである。前述
したように、溶融した熱可塑性樹脂を基材シート(2
a)上に押し出しラミネーションする工程に続いて、エ
ンボスフィルム(1)を熱可塑性樹脂(2b)に重ねて
加圧する方法が好適であり、均一に軟化した熱可塑性樹
脂(2b)を利用することが出来る。エンボスフィルム
(1)は、溶融した熱可塑性樹脂が冷却され50℃〜1
50℃の温度になったときに重ねればよく、加圧は2本
のニップロールと冷却ロールの間で行われる。熱可塑性
樹脂層(2b)が充分に冷却して固化した後、熱可塑性
樹脂フィルム(エンボスフィルム)(1a)を剥離除去
して賦型シート(3)が得られる(図1(d)参照)。
【0014】次に、賦型シート(3)は熱硬化性樹脂化
粧板、例えばメラミン樹脂化粧板、ジアリルフタレート
樹脂化粧板等の加熱加圧を必要とする化粧板を製造する
のに際して、その表面に重ねることにより、熱硬化性樹
脂化粧板の表面に微細な凹凸模様が転写される。図2
は、高圧メラミン樹脂化粧板を製造するプレスにおける
積層構成を示す説明図である。すなわち、図2におい
て、上下熱板(10,10)、耐熱クッションシート
(9,9)、鏡面板(8,8)の間に下記のものを下か
ら順に積層する。(7)はバッカー紙であり坪量55〜
160g/m2 のチタン紙にメラミン樹脂を40〜10
0%含浸させ乾燥した含浸紙であり、化粧板の反り防止
の役割を果たす。(6)はメラミン樹脂化粧板の基材と
なるコアー紙であり、坪量140〜180g/m2 の紙
にフェノール樹脂を30〜100%含浸させて乾燥した
ものである。コアー紙(6)は、メラミン樹脂化粧板の
厚みを決定するものであり、数枚重ねて使用するとよ
い。樹脂含浸チタン紙(5)は、チタン紙に、場合によ
り絵柄を印刷し、メラミン樹脂を40〜100%含浸さ
せ乾燥したものである。尚、前記のチタン紙に、メラミ
ン樹脂を含浸するときに、該メラミン樹脂中に離型剤と
してシリコーン樹脂やふっ素樹脂、又は、ふっ素樹脂デ
ィスパージョンのいずれかを添加し混合しておいたもの
である。但し後述するオーバーレイ紙(4)を使用する
場合は、離型剤の添加混合をする必要はない。又、オー
バーレイ紙(4)は、坪量25〜45g/m2 のレーヨ
ンパルプや不織布に、メラミン樹脂を40%〜300%
含浸させ乾燥した透明樹脂含浸紙である。このメラミン
樹脂のなかに、剥離剤として、シリコーン樹脂、ふっ素
樹脂、又は、ふっ素樹脂ディスパージョンのいずれかを
添加混合するものである。なお、このオーバーレイ紙
は、使用しなくても化粧板構成上の問題は少ない。この
状態に積層したあと(図3参照)、加熱加圧し、最高温
度140℃〜150℃、圧力60kgf/cm2 〜10
0kgf/cm2 、時間15分〜30分加熱加圧成形し
たあと、加圧したまま14分〜60分間冷却することに
より、上記オーバーレイ紙(4)からバッカー紙(7)
間の樹脂を硬化させて、賦型シート(3)を剥がすと一
体化したメラミン樹脂化粧板を得ることができる。この
時、賦型シート(3)は、メラミン樹脂化粧板から容易
に剥離することができる。
【0015】
【作用】本発明は、賦型シート及び樹脂含浸紙の最上層
樹脂中に離型剤を添加混合することにより、成形後の賦
型シートを何ら問題なく容易に剥離することができる。
また、賦型シートを構成する熱可塑性樹脂層が剥がれて
化粧板に付着することなく、賦型シート上の微細な凹凸
模様が、そのまま化粧板上に再現することができる。
【0016】
【実施例】
<実施例1> エンボスフィルム エンボスフィルムは、厚さ70μmのポリ塩化ビニルフ
ィルム表面に、万線模様を小片にしランダムに組合せ光
の反射方向を利用し立体感を現出する、微細な凹凸模様
を形成したエンボス金板を用いて、熱圧により、最大深
度12μmの平行な万線模様を1単位として、各単位の
万線方向が異なるようにするため小片にし、ランダムに
組合わせて微細な凹凸の縞模様を形成したものである。 賦型シート 賦型シートは、坪量52.3g/m2 の上質紙に押出し
温度290℃で、離型剤としてシリコン樹脂3%を添加
混合したポリプロピレン樹脂を、厚さ20μmに押出し
ラミネートすると同時に、前記エンボスフィルムを圧着
し、ニップロールと冷却ロール間で加圧するとともに冷
却する。十分に冷却した後、エンボスフィルムであるポ
リ塩化ビニルフィルムのみを剥離除去して、離型剤とし
てシリコン樹脂を3%含有した賦型シートを得た。
【0017】高圧メラミン樹脂化粧板 図3は、一実施例による高圧メラミン樹脂化粧板の積層
構造を示す説明図である。メラミン化粧板は、下部熱盤
上に順次、耐熱クッションシート、鏡面板、バッカー
紙、4枚のコアー紙、坪量80g/m2 のチタン紙にス
トライプ柄を印刷し、メラミン樹脂を含浸した含浸紙
(離型剤としてシリコン樹脂を3%添加した)とを重
ね、更に前記の賦型シート、鏡面板、耐熱クッションシ
ートを積層し、上部及び下部熱盤により加熱加圧した。
加熱は最高温度145℃、圧力80kg/cm2 で30
分間行ない、次いで加圧したままで冷水にて、40分間
冷却しメラミン樹脂化粧板を取り出した。次いで賦型シ
ートを剥離したところ、問題なく剥がれ、前記賦型シー
ト(3)の微細な凹凸模様を反転した縞模様をもち、更
に、下層に印刷したストライプ柄をもつ極めて意匠効果
の高いメラミン樹脂化粧板が得られた。なお、微細な凹
凸模様は本実施例のものに限定するものではなく、例え
ば幾何学的模様、ヘアーライン、梨地、等のいずれかを
選ぶことができる。
【0018】<比較例1>剥離性を比較するため、シリ
コン樹脂とふっ素樹脂の2種類の離型剤を用いて、それ
ぞれの添加量を変化させ剥離性の比較をするとともに、
メラミン化粧板の表面状態(凹凸模様)の再現性を比較
した。
【0019】
【表1】
【0020】比較結果は、離型剤の添加量が多くなると
剥離性はよいが、微細な凹凸模様の再現性が悪くなる。
【0021】
【発明の効果】本発明は以上の構成になっているので表
面に微細な(深さ1μm〜60μm)凹凸模様を有する
賦型シートが得られ、その賦型シートを用いることによ
り、光の反射方向により立体感が現出し、視覚的効果の
優れた微細な凹凸模様を有する化粧板を得ることができ
る。また、賦型シートの熱可塑性樹脂中とチタン紙を基
材としたメラミン樹脂含浸紙の樹脂中又はオーバーレイ
紙の樹脂中に離型剤を添加しているため、化粧板を加熱
加圧成形した後、容易に賦型シートを剥離することがで
きる。これにより賦型シートは傷つきにくくなり5回以
上繰り返し使用することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)プラスチックフィルム上に微細な凹凸模
様を設けたエンボスフィルムの断面図である。(b)積
層シートの層構成を示す断面図である。(c)積層シー
トの熱可塑性樹脂層にエンボスフィルムを重ね加熱加圧
した状態を示す説明図である。(d)エンボスフィルム
を剥離してできあがった賦型シートの構成を示す断面図
である。
【図2】一実施例による高圧メラミン樹脂化粧板を製造
する加熱加圧プレスにおける積層構成を示す説明図であ
る。
【図3】一実施例による高圧メラミン樹脂化粧板基材の
積層構造を示す説明図である。
【図4】一実施例による高圧メラミン樹脂化粧板表面の
微細な凹凸模様を示す拡大平面図である。
【符号の説明】
1 …エンボスフィルム 1(a)…熱可塑性樹脂フィルム 1(b)…凹凸模様 2 …積層シート 2(a)…基材シート 2(b)…耐熱性を有する樹脂層 2(c)…樹脂中の離型剤 3 …賦型シート 4 …オーバーレイ紙 5 …チタン紙(含浸紙) 6 …フェノールコア紙 7 …バッカー紙 8 …鏡面板 9 …耐熱クッションシート 10 …熱盤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00 B44C 1/24

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材シート上に耐熱性を有する樹脂層を設
    け、該耐熱性を有する樹脂層の表面には深さ1μm〜6
    0μmの微細な凹凸模様を設けた賦型シートにおいて、
    前記耐熱性を有する樹脂層には0.5%〜5%の離型剤
    を添加したことを特徴とする熱硬化性樹脂化粧板の製造
    用の賦型シート。
  2. 【請求項2】賦型シートの凹凸模様面を、熱硬化性樹脂
    を含浸した樹脂含浸紙に接するように重ね、加熱加圧成
    形し、該樹脂含浸紙の樹脂が硬化したあと、賦型シート
    剥離することからなる熱硬化性樹脂化粧板の製造方法
    において、前記賦型シートとして、請求項1に記載の賦
    型シートを使用すると共に、前記樹脂含浸紙の最上層樹
    脂中には、0.5%〜5%の離型剤を添加したことを特
    徴とする賦型シートを用いた熱硬化性樹脂化粧板の製造
    方法。
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