JP3714640B2 - 計器装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば車両,船舶等の移動体に搭載される計器装置に関し、特に計測量を表示する計器表示部の発光表示像を、暗色系の半透過パネルを通して使用者に視認させる計器装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種計器装置の従来技術として、例えば特開平6−221879号公報や特開平5−118883号公報に記載のものが知られている。すなわち、これら計器装置は、指針と、表示板に形成した文字,数字,目盛等の指標部とからなる計器表示部を専用の光源で照明し、この光源の照明により得られる計器表示部の発光表示像を、前方に配置された暗色系の半透過パネルを通して表示することにより、使用者からは暗色の背景中に計器表示部の発光表示像が浮上するように視認されるものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような計器装置は、半透過パネルによる暗色系の背景と発光する計器表示部との高コントラスト表示を特徴とするものであるが、半透過パネル中で計器表示部のみが際立つこのような表示手法は、計器としての表示意匠が単調でその見え方自体も平面的にならざるを得ないという問題があり、したがって既存の高コントラスト表示のみに囚われない新規な表示意匠を表現し得る計器装置が望まれている。
【0004】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その主な目的は、半透過パネルを通して計器表示部の発光表示像を表示する既存の表示手法を活かしながら、奥行き感もしくは立体感を有する新たな表示意匠を提案し得る計器装置を提供せんとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
また本発明は前記目的を達成するため、計測量を表示する計器表示部の発光表示像を暗色系の半透過パネルを通して視認させる計器装置において、前記計器表示部の背後に光源を配置し、前記計器表示部と前記半透過パネルとの間に、前記計器表示部の周囲を取り巻いて前記半透過パネル側に延び前記光源からの照明光供給を受けて枠状に光輝する導光体を設け、この導光体の一端側は前記計器表示部を越えて前記光源と対向する位置まで延長され、この延長部分から入光する前記光源の照明光で光輝する前記導光体の発光表示像を前記半透過パネル上で前記計器表示部の発光表示像を囲む表示像として視認させることを特徴とする。
【0006】
また前記構成において、前記導光体の前記光源と対向する部分に受光部を形成したものである。また前記導光体の内周及び外周側が遮光部材にて覆われてなるものであるまた前記計器表示部の発光表示像の発光色と前記導光体の発光表示像の発光色とを異ならせたものであるまた前記導光体の発光表示像にて警報表示を行うものであるまた前記導光体の発光表示像を点滅表示させるものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態を実施例の符号を付して説明すると、指針7と指標部10の意匠を発光表示する計器表示部11とこれの前方に配される半透過パネル25との間であって、計器表示部11を取り巻く位置に、導光体照明用光源18からの照明光を受けて発光する枠体からなる導光体17を配置し、この導光体17の発光表示像Bと計器表示部11の発光表示像Aとを半透過パネル25を通して使用者に表示することにより、半透過パネル25上に計器表示部11の発光表示像Aとこれの周囲を囲むように枠状に光輝する導光体17の発光表示像Bとからなる各々が独立した単眼風の表示意匠が視認される。導光体17は計器表示部11の周囲を囲んで前方に延びる枠体状を呈するので、その発光表示像Bは半透過パネル25上において計器表示部11の発光表示像Aよりも近い表示像として認識され、一方、計器表示部11の発光表示像Aは導光体17の発光表示像Bよりも相対的に奥まった表示像として認識されるため、計器表示部11の表示意匠に対して奥行き間を与えることができ、また表示意匠を全体としては、各発光表示像A,Bが遠近差を有して視認されるので表示意匠が立体的となる。
【0008】
また前記構成において、導光体17の内周及び外周側に遮光部材20を設ければ、導光体17の周囲への光の拡散(漏光)が抑制されて導光体17の発光表示像Bが鮮明となり、また計器表示部11の発光表示像Aの発光色と導光体17の発光表示像Bの発光色とを異ならせれば、表示意匠に色彩感が生まれ、また導光体17の発光表示像Bを警報表示に利用すれば、使用者の注意を喚起させやすく、また導光体17の発光表示像Bを点滅表示させるようにすれば、より一層使用者の注意を喚起させやすくなる。
【0009】
【実施例】
以下、添付図面に基づいて本発明の実施例を説明する。
【0010】
図1から図6は、本発明の実施例を示すもので、図1は本実施例による計器装置の外観を示す斜視図、図2は半透過パネルを取り除いた図1の正面図、図3は図1の断面図、図4は図3の要部拡大図、図5は図3の要部分解斜視図、図6は、本実施例により形成される表示意匠の表示形態を示す正面図である。
【0011】
図1から図3において、本実施例による計器装置は、複数種の計器をユニット化したコンビネーションメータからなり、計器ケース1内の所定部位に主計器としてのエンジン回転数計及び速度計からなる計器2,3と補助計器としての水温計及び燃料計からなる計器4,5とをそれぞれ収納配置している。
【0012】
これら計器2〜5は、例えば交差コイル型可動磁石式計器からなる計器本体6に、指針7と計器文字板8とを付設してなり、指針7は、指示部分がアクリル,ポリカーボネート等の透光性樹脂材料から形成され、一方、計器文字板8はいわゆる透過照明式文字板であって、遮光性の地部9内に、指針7の回転動作にて各計器本体6の計測量を表示するための数字,文字,目盛等を形取った透光性の指標部10を有し(図3参照)、この指標部10と指針7とで計測量をアナログ表示する計器表示部11を構成する。
【0013】
この計器表示部11には、指針7を背後から照明する発光ダイオード(LED)12と指標部10を背後から照明する冷陰極管(CCT)13とで構成される計器表示部照明用光源14が配置されており、この計器表示部照明用光源14の点灯により後述する計器表示部11の発光表示像を形成する。なお本実施例では指針7の発光色を赤色系、指標部10の発光色を白色系に設定しており、これら計器表示部11の発光色は、計器表示部照明用光源14自体の点灯色もしくは指針7,指標部10自体の色を変更することにより任意の発光色が得られる。
【0014】
このように構成された計器2〜5の前方には、計器表示部11を除いて計器ケース1の開口部分を覆う遮光性の見返し板15が配置され、この見返し板15には、計器表示部11周縁より前方に伸びる円筒状部16が計器2〜5の数に対応して形成され、この円筒状部16を含む見返し板15の表面には、成形もしくは塗装により艶消し処理が施されている。
【0015】
見返し板15の円筒状部16の内側には、計器表示部11の周囲を取り巻いて且つ円筒状部16の内周に沿うように前方に延びるリング(円筒)状の導光体17が、円筒状部16と同様に計器2〜5の個数ぶん配置されており、この導光体17の一端側は、図3,図4中、クランク状に屈曲し、その先端が計器ケース1内に配置された例えば白熱バルブからなる導光体照明用光源(光源)18と対向する位置まで延びている。
【0016】
計器文字板8上に突出する導光体17の内側には、導光体17の内周に沿うように前方に延びる遮光板19が、導光体17の個数ぶん配置されており、この遮光板19と見返し板15の円筒状部16とで導光体17の内周(内側)及び外周(外側)を挟むように覆う遮光部材20を構成している。
【0017】
また導光体17は、図4にて詳しく示すように、導光体照明用光源18と対向する端部に受光部21と、この受光部21から入光する導光体照明用光源18からの照明光をほぼ鉛直方向に反射する第1,第2の反射部22,23と、これら反射部22,23を通じ導かれた照明光を前方に照射する照射部24とを備えており、導光体照明用光源18の点灯により照射部24から照明光を照射し、リング状の発光表示像(後述)を形成するようになっている。このとき照射部24を後述する半透過パネルの内面に近接するような形状とすれば、照射部24の端面形状をより鮮明に表示することができるが、こうした発光表示像のコントラストは、意匠目的に合わせて半透過パネル25内面との離間距離を設定することで自由に設定することができる。また本実施例では、導光体17による発光表示像の発光色を指標部10の発光色と同系の白色系としているが、導光体17自体あるいは導光体照明用光源18自体に着色を施すか、あるいは導光体照明用光源18から半透過パネルに至る光路上に専用の着色部材を介装すれば、任意の発光色が得られる。さらに導光体17の受光部21もしくは照射部24に照明光を拡散させるためのシボ加工や乱反射面加工を施せば、導光体17による発光表示像の発光ムラを抑制することができる。
【0018】
このように導光体17及び遮光部材20に囲まれてなる計器表示部11の前方には、例えば黒色等暗色系のスモーク材からなる半透過パネル25が配置され、この半透過パネル25は、計器カバー状に形成されている。なおこの場合、半透過パネル25の透過率は、例えば10〜30%に設定され、計器表示部照明用光源14及び導光体照明用光源18の無点灯時に内部が全く見えないか、もしくはほとんど見えないようになっている。
【0019】
つぎに図4,図5に基づいて導光体17及び遮光部材20の組み付けについて説明すると、まず計器ケース1内に配置された計器2(3,4,5)の計器文字板8の周縁に導光体17を載置し、導光体17の受光部21を計器ケース1内に配置すると共にこの部分を導光体照明用光源18と対向させる。ついで計器ケース1の開口側に見返し板15を装着することにより導光体17の外周が円筒状部16にて覆われ、見返し板15と計器ケース1(計器文字板8)との間で導光体17が挟持される。ついで遮光板19を導光体17の内周に挿入配置することにより導光体17の内周が遮光板19にて覆われ、導光体17の照射部24が前方に露出する。
【0020】
つぎに本実施例の動作を説明すると、計器照明用光源14及び導光体照明用光源18の無点灯時は、半透過パネル25により計器装置内部を視認することはできないが、図示しない電源スイッチをオンすると、計器照明用光源14及び導光体照明用光源18が同時に点灯し、図6に示すように、発光する指針7と指標部10とからなる計器表示部10の発光表示像Aと、この発光表示像Aの周囲に位置してその輪郭を形取る導光体17の発光表示像Bとからなる各々が独立した単眼風の表示意匠が半透過パネル25上に出現する。このように本実施例では電源スイッチのオンにより計器照明用光源14と導光体照明用光源18とが同時点灯するが、計器照明用光源14と導光体照明用光源18とを所定の時間差を持たせて点灯させることにより、各発光表示像A,Bが所定の順序で表示されるようにしてもよく、また計器照明用光源14のうち、指針7照明用の発光ダイオード12と指標部10照明用の冷陰極管13との点灯タイミングに時間差を持たせてもよく、例えば各発光要素の点灯順を、導光体照明用光源18、冷陰極管13、発光ダイオード12の順に設定したり、冷陰極管13、発光ダイオード12、導光体用照明用光源18の順に設定することもでき、これら点灯順序は適宜設定することができる。
【0021】
以上のように、本実施例では、指針7と計器文字板8の指標部10とで構成される計器表示部11に、これの発光表示像Aを形成させる計器表示照明用光源14を付設し、計器文字板8上に計器表示部11の周囲を囲んで前方に延び導光体照明用光源18の照明光を受けてリング状に発光する導光体17を配置し、計器表示部11及び導光体17の前方に暗色系の半透過パネル25を配置し、計器表示部11及び導光体17の各発光表示像A,Bを半透過パネル25を通じて表示することにより、半透過パネル25上に計器表示部11の発光表示像Aとこれの周囲を囲むようにリング状に光輝する導光体17の発光表示像Bとからなる新規な単眼風の表示意匠を視認させることができ、特に、このような単眼風の表示形態は、本実施例のごとく複数計器2〜5をユニット化したコンビネーションメータにあっては有用で、各計器2〜5それぞれに対応する単眼表示により各計器2〜5の識別性を高めることができる。
【0022】
また導光体17は計器表示部11の周囲を囲んで前方に延びるリング状を呈するので、その発光表示像Bは半透過パネル25上において計器表示部11の発光表示像Aよりも近い位置に存在する表示像として認識され、一方、計器表示部11の発光表示像Aは導光体17の発光表示像Bよりも相対的に奥まった表示像として認識されるため、計器表示部17の表示意匠に対しては、計器表示部17の表示意匠に奥行き感を与えることができ、また表示意匠の全体に対しては、各発光表示像A,Bが相対的に遠近差を有して視認されるので表示意匠を立体的なものとすることができる。
【0023】
また本実施例では、導光体の内周及び外周側に見返し板15の円筒状部16と遮光板19とからなる遮光部材20を設けたことにより、導光体17の周囲からの照明光の拡散(漏洩)を抑制することができるので、導光体17の発光表示像Bを鮮明なものとすることができる。
【0024】
また前記実施例では、導光体17の発光表示像Bを円環リング状としたが、発光表示像Bの形状は、このような形状のみに限らず、発光表示像Aの周囲を囲むように形成されていれば、例えば多角リング形もしはC字形、コ字形等であってもよい。
【0025】
また前記実施例では、導光体照明用光源18として白熱バルブを用い、これを計器ケース1内に収納配設したが、導光体照明用光源18は白熱バルブのみに限らず他の光源を用いることもできる。
【0026】
また他の実施例として図示はしないが、計器表示部11の発光表示像Aの発光色と導光体17の発光表示像Bの発光色とを異ならせれば、表示意匠に色彩感を持たせることができ、また同じく他の実施例として図示はしないが、通常時は発光表示像Bを表示させずにエンジン警報,オイル警報,シートベルト警報,水温警報,バッテリー警報,残燃料警報,制限速度警報等、各種警報状態を使用者に警報を行うときにのみ、発光表示像Bを表示するようにしたり、通常時は発光表示像Bを表示しておき、警報時に発光表示像Bを表示しないようにしてもよく、このように発光表示像Bを警報表示に利用すれば、使用者の注意を喚起させることができる。この際、例えば水温警報や残燃料警報、速度警報を関連する各計器2,3,4に対応する発光表示像Bを通じて行えば、使用者にとってわかりやすく便利な警報表示となるが、このような警報表示を行う場合は、集中ウォーニング表示装置、文字情報によるウォーニング表示装置等、別途に専用のウォーニング装置を設け、発光表示部Bによる警報表示は補助的なものとすることが望ましい。また発光表示像Bを警報表示に利用する場合、発光表示像Bを点滅表示させるようにすれば、使用者の注意をより喚起させ、効果的な警報表示が可能となる。
【0027】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、計測量を表示する計器表示部の発光表示像を暗色系の半透過パネルを通して視認させる計器装置において、前記計器表示部の背後に光源を配置し、前記計器表示部と前記半透過パネルとの間に、前記計器表示部の周囲を取り巻いて前記半透過パネル側に延び前記光源からの照明光供給を受けて枠状に光輝する導光体を設け、この導光体の一端側は前記計器表示部を越えて前記光源と対向する位置まで延長され、この延長部分から入光する前記光源の照明光で光輝する前記導光体の発光表示像を前記半透過パネル上で前記計器表示部の発光表示像を囲む表示像として視認させることにより、既存の高コントラスト表示を活かしながら、これに単眼風のデザインを付加した新規で、奥行き感もしくは立体感のある表示意匠を視認させ得る計器装置を提供できる。
【0028】
また前記導光体の内周及び外周側が遮光部材にて覆われてなることにより、導光体の発光表示像を鮮明な表示像とすることができる。
【0029】
また前記計器表示部の発光表示像の発光色と前記導光体の発光表示像の発光色とを異ならせたことにより、表示意匠に色彩感を持たせることができる。
【0030】
また前記導光体の発光表示像にて警報表示を行うことにより、効果的な警報表示を行うことができる。
【0031】
また前記導光体の発光表示像を点滅表示させることにより、より一層効果的な警報表示を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による指示計器の外観を示す斜視図。
【図2】半透過パネルを除いた図1の正面図。
【図3】図1の断面図。
【図4】図3の要部拡大図。
【図5】図3の要部分解斜視図。
【図6】本実施例の表示意匠を示す正面図。
【符号の説明】
1 計器ケース
2〜5 計器
7 指針
8 表示板
9 地部
10 指標部
11 計器表示部
12 発光ダイオード
13 冷陰極管
14 表示部照明用光源
15 見返し板
16 円筒状部
17 導光体
18 導光体照明用光源
19 遮光板
20 遮光部材
21 受光部
22 第1の反射部
23 第2の反射部
24 照射部
25 半透過パネル

Claims (6)

  1. 計測量を表示する計器表示部の発光表示像を暗色系の半透過パネルを通して視認させる計器装置において、前記計器表示部の背後に光源を配置し、前記計器表示部と前記半透過パネルとの間に、前記計器表示部の周囲を取り巻いて前記半透過パネル側に延び前記光源からの照明光供給を受けて枠状に光輝する導光体を設け、この導光体の一端側は前記計器表示部を越えて前記光源と対向する位置まで延長され、この延長部分から入光する前記光源の照明光で光輝する前記導光体の発光表示像を前記半透過パネル上で前記計器表示部の発光表示像を囲む表示像として視認させることを特徴とする計器装置。
  2. 前記導光体の前記光源と対向する部分に受光部を形成したことを特徴とする請求項1記載の計器装置。
  3. 前記導光体の内周及び外周側が遮光部材にて覆われてなることを特徴とする請求項1または請求項2記載の計器装置。
  4. 前記計器表示部の発光表示像の発光色と前記導光体の発光表示色像の発光色とを異ならせたことを特徴とする請求項1から請求項3のうち何れか一つに記載の計器装置。
  5. 前記導光体の発光表示像にて警報表示を行うことを特徴とする請求項1から請求項4のうち何れか一つに記載の計器装置。
  6. 前記導光体の発光表示像を点滅表示させることを特徴とする請求項5記載の計器装置。
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