JP3713964B2 - バッグインボックス用バッグ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、二軸延伸ポリアミドフィルムに酸化珪素、酸化アルミニウム等の金属酸化物を含む無機化合物蒸着層を設けた蒸着フィルムからなるバリア性フィルムを用いたバッグインボックスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、アルミニウム箔に代わるバリア材として、酸化珪素、酸化アルミニウム等の無機化合物の蒸着層をプラスチックフィルムに設けた透明蒸着フィルムが多用されるようになっている。
【0003】
この蒸着フィルムの蒸着基材であるプラスチックフィルムとして、ポリエチレンテレフタレートフィルム( 以下PETフィルム)が一般的に用いられている。
このPETフィルムを使用した蒸着フィルムは、蒸着層が安定して積層できる長所がある。しかし、ポリアミドフィルム(以下Nyフィルム)と比較して、柔軟性、突き刺し強度、強靱性が劣るため、真空包装する分野、大量の液体を充填するためのバッグの分野ではなかなか実用化されなかった。
一方、Nyフィルムは、前記長所がある反面、吸湿性を有するため、無機化合物の蒸着層を形成し、バリア性フィルムとした場合、経時的に吸湿するため蒸着層の密着強度が低下してしまい、実用に至らなかった。
【0004】
ここで、蒸着層とプラスチックフィルムの密着強度を向上させる手段として、プラスチックフィルムの蒸着面を、コロナ放電処理、プラズマ処理を行うことが挙げられる。
このように、それぞれ層間の密着強度を高めるため、コロナ放電処理、プラズマ処理等の表面処理の手段を講じても、水分の影響、および内容物の影響で、蒸着層の密着強度が低下し、層間で剥離したり、折曲げた時に、蒸着層が浮いてしまっていた。
また、一般的な接着剤、例えば2液硬化型ウレタン系接着剤からなるアンカーコート層を設けた構成としても、同様に水分の影響、および内容物の影響で、蒸着層の密着強度が低下し、層間で剥離したり、折曲げた時に、蒸着層が浮いてしまっていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、二軸延伸Nyフィルムを蒸着基材とし、無機化合物蒸着層を設けた蒸着フィルムをバリア性フィルムとした積層材料を用いバッグにおいて、前記蒸着層の密着強度の低下の小さいバリア性フィルムを用いた積層材料からなるバッグインボックス用バッグを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、二軸延伸ポリアミドフィルムの片側に、少なくとも、ヒドロキシ価が5〜200(KOHmg/g)の範囲のアクリルポリオール、イソシアネート化合物、および一般式R’SI(OR)3 (R’:アルキル基、ビニル基、グリシオキシプロピル基の一種、R:アルキル基)で表せる3官能オルガノシランあるいはオルガノシランの加水分解物を含む組成物からなり、かつ、3官能オルガノシランあるいはオルガノシランの加水分解物とアクリルポリオールの配合比は、重量比で2/1〜50/1の範囲である組成物からなる、アンカーコート層を介して、無機化合物蒸着層を設けたバリア性フィルムの両側に接着剤層を介してヒートシール性フィルムを設けた積層フィルムと、ヒートシール性フィルムとの二重構成のフィルムの周囲にヒートシール部を形成したことを特徴とする、バッグインボックス用バッグである。
請求項2に記載の発明は、前記3官能オルガノシランを構成するR’が、エポキシ基を含むことを特徴とする、バッグインボックス用バッグである。
請求項3に記載の発明は、前記アンカーコート層を構成する組成物が、錫化合物からなる反応触媒を含むことを特徴とする、バッグインボックス用バッグである。
請求項4に記載の発明は、前記アンカーコート層を構成する組成物が、一般式M(OR)n (M:金属元素、R:CH3 、C2 5 等のアルキル基、n:金属元素の酸化数)で表せる金属アルコキシド、あるいは金属アルコキシドの加水分解物を含むことを特徴とする、バッグインボックス用バッグである。
【0007】
請求項5に記載の発明は、前記蒸着層面に水溶性高分子と金属アルコキシドまたはその加水分解物を含む被覆層を設けたことを特徴とする、バッグインボックス用バッグである。
請求項6に記載の発明は、前記蒸着層面に水溶性高分子と塩化錫を含む被覆層を設けたことを特徴とする、バッグインボックス用バッグである。
【0008】
請求項7に記載の発明は、ヒートシール性フィルムが、ポリエチレンからなるバッグインボックス用バッグである。
請求項8に記載の発明は、前記ポリエチレンフィルムが、メタロセン触媒により重合したポリエチレンからなるバッグインボックス用バッグである。
【0009】
【作用】
本発明のバリア性フィルムの蒸着基材を二軸延伸ポリアミドフィルムとしても、アンカーコート層として、少なくとも、ヒドロキシル価が5〜200(KOHmg/g)の範囲のアクリルポリオール、イソシアネート化合物、および一般式R’SI(OR)3 (R’:アルキル基、ビニル基、グリシオキシプロピル基の一種、R:アルキル基)で表せる3官能オルガノシランあるいはオルガノシランの加水分解物を含む組成物からなり、かつ、3官能オルガノシランあるいはオルガノシランの加水分解物とアクリルポリオールの配合比は、重量比で2/1〜50/1の範囲である組成物、または前記組成物に一般式M(OR)n (M:金属元素、R:CH3 、C2 5 等のアルキル基、n:金属元素の酸化数)で表せる金属アルコキシド、あるいは金属アルコキシドの加水分解物を含む組成物を用いたので、無機化合物蒸着層の経時的な低下が小さく実用可能となった。
これにより、無機化合物蒸着層を設けた二軸延伸ポリアミドフィルムに接着剤を介したヒートシール性樹脂層との密着強度が十分に維持した積層材料とすることができ、大量の液体を充填するバッグインボックス用バッグに使用可能となった。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の一例を示すもので、バッグに用いる二重構成の状態を説明する断面図である。
【0011】
図1において、1はバリア性フィルムであり、2はNyフィルム、3は無機化合物蒸着層、4は被覆層、5は接着剤、6、16はヒートシール性フィルム、9はアンカーコート層、10は積層材料である。
Nyフィルム2は、二軸方向に延伸されたフィルムで、通常包装材料として使用されている、6−Ny、6,6−Nyが使用できる。
【0012】
このNyフィルム2には、例えば帯電防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤、着色剤など公知の添加剤を加えることができ、必要に応じて適宜添加される。
【0013】
アンカーコート層9に用いる具体的なものとして、少なくともアクリルポリオール、イソシアネート化合物、および一般式R’SI(OR)3 (R’:アルキル基、ビニル基、グリシオキシプロピル基の一種、R:アルキル基)で表せる3官能オルガノシランあるいはオルガノシランの加水分解物を含む組成物、または前記組成物に一般式M(OR)n (M:金属元素、R:CH3 、C2 5 等のアルキル基、n:金属元素の酸化数)で表せる金属アルコキシド、あるいは金属アルコキシドの加水分解物を含む組成物を用いる。
【0014】
ここで、アクリルポリオールは、アクリル酸誘導体モノマーを重合して得られる重合体、またはアクリル酸誘導体モノマーおよびその他のモノマーとを共重合して得られる重合体のうち、末端にヒドロキシル基を有するもので、硬化剤のイソシアネート化合物のイソシアネート基と反応するものである。具体的には、エチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレート等のアクリル酸誘導体モノマーを単独で重合させた重合体、あるいはスチレン等のその他のモノマーと共重合させたアクリルポリオールが好ましい。
そして、イソシアネート化合物との反応性から、ヒドロキシル価が5〜200(KOHmg/g)の範囲の重合体が好ましい。
【0015】
前記3官能オルガノシランと、具体的にはエチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、グリシドオキシプロピルトリメトキシシランが挙げられる。中でもエポキシ基が含まれるグリシドオキシトリメトキシシラン、エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシランが好ましい。
【0016】
また、3官能オルガノシランとアクリルポリオールの配合比は、重量比で1/1〜100/1の範囲、特に2/1〜50/1の範囲が好ましい。そして、使用する溶媒または希釈溶媒として特に限定されるものでなく、具体的には、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、メチルエチルケトン等のケトン類、トルエン、キシレン等の芳香属炭化水素の単独、または混合して用いられる。
特に、イソプロピルアルコール等と極性溶媒である酢酸エチルを混合した溶媒が好ましい。
【0017】
前記3官能オルガノシランとアクリルポリオールの配合時の反応を促進させるため反応触媒を添加することが有効である。
この反応触媒として、塩化錫(SnCl2 、SnCl4 )、オキシ塩化錫(SnOHCl、Sn(OH)2 Cl2 )、錫アルコキシド等の錫化合物を用いることができる。触媒の添加は、配合時に直接添加してもよく、またメタノール等の溶媒に溶かして添加してもよい。添加量は、3官能オルガノシランに対してモル比で1/10〜1/10000の範囲、好ましくは1/100〜1/2000の範囲が好ましい。
【0018】
アクリルポリオールと反応するイソシアネート化合物は、反応によりウレタン結合を形成するためのものであり、具体的には、芳香族のトリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、脂肪族のキシレンジイソシアネート(XDI)、ヘキサレンジイソシアネート(HMDI)等のモノマー類、重合体、あるいは誘導体を用いる。
このアクリルポリオールとイソシアネート化合物の配合比は特に制限されるものではないが、イソシアネート化合物が少ないと硬化不良となる場合があり、一方イソシアネート化合物が多いとプロッキング等が発生し、加工上の問題が生じる。そこで、この配合比は、イソシアネート化合物のNCO基、にアクリルポリオール由来のOH基の50倍以下の範囲、好ましくは等量とする。
【0019】
さらに、金属アルコシキド、またはその加水分解物は、テトラエトキシシラン〔Si(OC2 5 4 〕、トリプロポキシアルミニウム〔Al(OC3 7 3 〕が具体的に挙げられ、安定性が優れている。
この金属アルコシキド、またはその加水分解物と前記3官能オルガノシランとの配合比は、1:10〜1:1の範囲が安定した状態で得られる。
【0020】
無機化合物蒸着層3は、珪素、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、錫などの酸化物、窒化物、弗化物の単体、あるいはそれらの複合物からなり、真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマ気相成長法(CVD法)などの真空プロセスにより形成される。
無機化合物蒸着層3の膜厚は、100Å〜2000Åの範囲で、好ましくは200Å〜800Åの範囲である。
また、蒸着層の組成は、低温での加熱殺菌では特に限定されないが、レトルト等の高温での殺菌には、酸化アルミニウムの単体、または酸化アルミニウムを主成分とした組成が好ましい。
【0021】
被覆層4は、水溶性高分子と、(a)1種以上の金属アルコキシド及びその加水分解物、または(b)塩化錫の少なくとも一方を含む水溶液、あるいは水/アルコール混合溶液を主剤とするコーティング剤からなる。水溶性高分子と塩化錫を水系(水あるいは水/アルコール混合)溶媒で溶解させた溶液、あるいはこれに金属アルコキシドを直接、あるいは予め加水分解させるなどの処理を行ったものを混合した溶液を無機化合物蒸着層3にコーティング、加熱乾燥し、形成したものである。
コーティング剤に含まれる各成分について以下に詳述する。
【0022】
本発明でコーティング剤に用いられる水溶性高分子はポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、デンプン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウムなどが挙げられる。特にポリビニルアルコール(PVA)を本発明のガスバリア性積層体のコーティング剤に用いた場合にガスバリア性が最も優れる。ここでいうPVAは、一般にポリ酢酸ビニルをけん化して得られるもので、酢酸基が数十%残存している、いわゆる部分けん化PVAから、酢酸基が数%しか残存していない完全けん化PVAまでを含み、特に限定されるものではない。
【0023】
また、塩化錫は塩化第一錫(SnCl2 )、塩化第二錫(SnCl4 )、あるいはそれらの混合物であってもよく、無水物でも水和物でも用いることができる。
【0024】
さらに金属アルコキシドは、テトラエトキシシラン〔Si(OC2 5 4 〕、トリイソプロポキシアルミニウム〔Al(O−2’−C3 7 3 〕などの一般式、
M(OR)n
(M:Si、Ti、Ai、Zr等の金属、R:CH3 、C2 5 等のアルキル基)で表せるものである。中でも、テトラエトキシシラン、トリイソプロポキシアルミニウムが加水分解後、水系の溶媒中において比較的安定であるので好ましい。
【0025】
上述した各成分を単独またはいくつかを組み合わせてコーティング剤に加えることができ、さらにコーティング剤のバリア性を損なわない範囲で、イソシアネート化合物、シランカップリング剤、あるいは分散剤、安定化剤、粘度調整剤、着色剤など公知の添加剤を加えることができる。
【0026】
例えばコーティング剤に加えられるイソシアネート化合物は、その分子中に2個以上のイソシアネート基(NCO基)を有するものであり、例えばトリレンジイソシアネート(TDI)、トリフェニルメタントリイソシアネート(TTI)、テトラメチルキシレンジイソシアネート(TMXDI)などのモノマー類と、これらの重合体、誘導体などがある。
【0027】
コーティング剤の塗布方法には、通常用いられる、ディッピング法、ロールコーティング法、スクリーン印刷法、スプレー法など従来公知の手段が用いられる。皮膜の厚さはコーティング剤の種類によって異なるが、乾燥後の厚さが約0.01〜100μmの範囲であればよいが、50μm以上では、膜にクラックが生じやすくなるため、0.01〜50μmとすることが望ましい。
【0028】
以上の構成からなるバリア性フィルムは、本発明に用いる積層材料において1層設けられるが、さらに高いバリア性が必要な場合には、バリア材料を2層以上設けた構成にすることができる。
【0029】
そして、ヒートシール性樹脂層6は、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン共重合体、飽和ポリエステル等、ヒートシール性を有する樹脂であれば目的に応じて使用することができ、特に、低温でヒートシール可能なポリエチレンが適当であり、また、内容物への樹脂臭の少ないものとしてメタロセン触媒を用い合成されたポリエチレンが好ましい。
【0030】
このヒートシール性フィルム6は、フィルム化した材料を接着剤5を介してバリア性フィルムの両側にラミネートして設ける。このヒートシール性フィルム6の厚みは、30〜60μmの範囲が好ましい。
また、溶融した樹脂を直接押出しコーティングによりラミネートすることも可能である。
ここで使用する接着剤としては、耐熱性を有する2液、または1液硬化型のウレタン系接着剤が好ましい。
【0031】
また、ヒートシール性フィルム16は、前記ヒートシール性フィルム6と同種のフィルムを単体で使用するもので、厚みが内容量により異なるが、50〜120μmの範囲とするのが好ましい。
【0032】
【実施例】
<実施例1>
厚さ15μmのNyフィルムの厚さ役0.1μmの下記組成からなるアンカーコート層を設け、その上面に酸化アルミニウムを抵抗加熱方式による真空蒸着法により、膜厚200Åの蒸着層を形成し、さらに下記組成からなる塗液をバーコーターにより塗布し、乾燥機で120℃、1分間乾燥させ、厚さ約0.5μmの被覆層を形成し、バリア性フィルムとした。
そして、バリア性フィルムの両側にウレタン系2液硬化型接着剤(A−515武田薬品工業株式会社製)をグラビア法により、4g/m2 コートし、ドライラミネート法により、厚さ40μmの無延伸ポリエチレンフィルムをラミネートし、所定の積層材料を得た。
一方、前記積層フィルムの内側に、ポリエチレンフィルム(厚さ60μm)の単体フィルムを重ねた二重フィルムを2組用意し、前記積層フィルムを外面側とし、周囲にヒートシール部を形成し、バッグインボックス用バッグを得た。
【0033】
アンカーコート層の成分
希釈溶媒中で、2−(エポキシシクロヘキシル)エチルトリメチルシラン(以下EETMS)にアクリルポリオールを2.5倍量(重量比)を混合し、さらに塩化錫/メタノール溶液(0.003mol/gに調整)をEETMSに対して1/135molとなるように添加し、次いでトリレンジイソシネートを前記アクリルポリオールのOH基に対して、NCO基が等量となるように混合した。
被覆層の成分
テトラエトキシシラン10.4gに塩酸(0.1N)を89.6gを加え、30分間攪拌市、加水分解した固形分3wt%(SiO2 換算)の溶液と、ポリビニルアルコール溶液を混合した。
【0034】
前記バッグを40℃、90%RHの雰囲気中に保存し、バッグに使用した積層材料を層間の密着強度を経時的に測定した。
その結果を表1に示す。
【0035】
<実施例2>
実施例1の接着層を溶融低密度ポリエチレン(15μm)を介して、線状低密度ポリエチレンフィム(厚さ40μm)を積層して、積層材料を得た。前記以外は実施例1と同様の材料を用い、バッグインボックス用バックとした。
そして、実施例1と同様に保存し、使用した積層材料の層間の密着強度を測定した。その結果を表1に示す。
【0036】
<実施例3>
実施例1の接着層をノンソル系接着剤(東洋モートン製 ADN369)を介して、線状低密度ポリエチレンフィム(厚さ40μm)を積層して、積層材料を得た。この積層材料を用い、前記以外は実施例1と同様の材料を用い、バッグインボックス用バッグを得た。
そして、実施例1と同様に保存し、使用した積層材料の層間の密着強度を測定した。その結果を表1に示す。
【0037】
<比較例1>
実施例1のアンカーコート層を設けない以外は、実施例1と同様にして積層材料を製造し、この積層材料を用いバッグインボックス用バッグを得た。
そして、実施例1と同様に保存し、使用した積層材料の層間の密着強度を測定した。その結果を表1に示す。
【0038】
【表1】
Figure 0003713964
【0039】
表1から明らかなように、実施例1〜実施例3の構成は、高温高湿度下に保存しても、Nyフィルムと酸化アルミニウム蒸着層間の密着強度の低下が小さく、実用的に問題のない積層材料が得られた。
比較例1は、直後でも100g/15mm以下で実用できない強度なので、以後の保存テストは行わなかった。
【0040】
【発明の効果】
本発明は、以上の構成からなるので、無機化合物の蒸着層の密着強度の低下が小さく、実用的な強度を保つことができ、大量の液体を収納するバッグインボックス用のバッグとして実用可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のバッグの一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1…バリア性フィルム
2…Nyフィルム
3…蒸着層
4…被覆層
5…接着剤
6、16…ヒートシール性フィルム
9…アンカーコート層
10…積層材料

Claims (8)

  1. 二軸延伸ポリアミドフィルムの片側に、少なくとも、ヒドロキシル価が5〜200(KOHmg/g)の範囲のアクリルポリオール、イソシアネート化合物、および一般式R’SI(OR)3 (R’:アルキル基、ビニル基、グリシオキシプロピル基の一種、R:アルキル基)で表せる3官能オルガノシランあるいはオルガノシランの加水分解物を含む組成物からなり、かつ、3官能オルガノシランあるいはオルガノシランの加水分解物とアクリルポリオールの配合比は、重量比で2/1〜50/1の範囲である組成物からなる、アンカーコート層を介して、無機化合物蒸着層を設けたバリア性フィルムの両側に接着剤層を介してヒートシール性フィルムを設けた積層フィルムと、ヒートシール性フィルムとの二重構成のフィルムの周囲にヒートシール部を形成したことを特徴とする、バッグインボックス用バッグ。
  2. 前記3官能オルガノシランを構成するR’が、エポキシ基を含むことを特徴とする、請求項1記載のバッグインボックス用バッグ。
  3. 前記アンカーコート層を構成する組成物が、錫化合物からなる反応触媒を含むことを特徴とする、請求項1または請求項2のいずれかに記載のバッグインボックス用バッグ。
  4. 前記アンカーコート層を構成する組成物が、一般式M(OR)n (M:金属元素、R:CH3 、C2 5 等のアルキル基、n:金属元素の酸化数)で表せる金属アルコキシド、あるいは金属アルコキシドの加水分解物を含むことを特徴とする、請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のバッグインボックス用バッグ。
  5. 前記蒸着層面に水溶性高分子と金属アルコキシドまたはその加水分解物を含む被覆層を設けたことを特徴とする、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のバッグインボックス用バッグ。
  6. 前記蒸着層面に水溶性高分子と塩化錫を含む被覆層を設けたことを特徴とする、請求項5記載のバッグインボックス用バッグ。
  7. ヒートシール性フィルムが、ポリエチレンからなる請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載のバッグインボックス用バッグ。
  8. 前記ポリエチレンフィルムが、メタロセン触媒により重合したポリエチレンからなる請求項7に記載のバッグインボックス用バッグ。
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