JP3713361B2 - 角型非水電解液電池およびその製造方法 - Google Patents
角型非水電解液電池およびその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3713361B2 JP3713361B2 JP14954397A JP14954397A JP3713361B2 JP 3713361 B2 JP3713361 B2 JP 3713361B2 JP 14954397 A JP14954397 A JP 14954397A JP 14954397 A JP14954397 A JP 14954397A JP 3713361 B2 JP3713361 B2 JP 3713361B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- power generation
- battery
- generation element
- aqueous electrolyte
- opening
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/10—Energy storage using batteries
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P70/00—Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
- Y02P70/50—Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product
Landscapes
- Secondary Cells (AREA)
- Connection Of Batteries Or Terminals (AREA)
- Gas Exhaust Devices For Batteries (AREA)
- Primary Cells (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、安全性にすぐれた角型非水電解液電池およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、非水電解液電池として、リチウムやナトリウムなどの軽金属を負極活物質とする負極、金属の酸化物,硫化物もしくはハロゲン化物を正極活物質とする正極、および非水電解液を発電要素(電池発電要素)として備えた電池が、高電圧,高エネルギー密度および長期信頼性の高い電池として注目されている。たとえば、二酸化マンガン( MnO2 ),フッ化炭素(CF2 )n ,塩化チオニル(SOCl2 )などを正極活物質として成るリチウムイオン電池が、電卓,時計の電源やメモリのバックアップ電池として多用されている。
【0003】
すなわち、リチウムイオン電池などの非水電解液電池は、銀電池やアルカリ電池に比べて自己放電が小さいため、長期間の使用に耐えることから、前記電卓,時計などの電源に使用されている。そして、この非水電解液電池については、駆動される電子機器類の発達,発展に対応して、長期間に亘る安定した放電特性が要求されている。ここで、安定した放電特性を確保するためには、電池自身の信頼性および安全性が重要視される。
【0004】
一方、携帯用電話機や携帯型撮像機など各種の機器システムに組込み、作動電源として使用されている二次電池においても、携帯用電話機や携帯型撮像機などの小形化,軽量化に伴って、電源としてエネルギー密度の高いリチウムイオン電池などが要求されている。なお、この種の非水電解液電池では、Li,Coを主成分とするような複合金属酸化物を正極活物質に、また、コークスや有機焼成体などの単素質材料を負極活物質にに用い、さらに、炭酸プロピレン,炭酸エチレン,1,2-ジメトキシエタン,γ -ブチロラクトン,テトラヒドロフランなどの有機溶剤中に、 LiCl04 ,LiBF4 , LiAsF6 などのリチウム塩を溶解させて成る有機電解液(非水電解液)が用いられている。
【0005】
ところで、電池の出力特性は、セパレータを介して対向する正極および負極の対向面積に比例するので、大電流を取り出すためには、正極および負極をセパレータを介して複数層積み重ねたり(積層型)、あるいはロール状に捲装(巻回)して、対向面積を広く設定している。すなわち、電池の高容量、高エネルギー密度化に当たっては、できるだけ多くの電極を内蔵・具備した構成を採ることが必要である。特に、各電極部材を重ね、これを円筒型に捲装した発電要素材を潰し、両端面に各電極部材が露出する偏平状にした場合は、体積的にも有効な利用が(コンパクト化など)図られるので、電池の高容量化、高エネルギー密度化で期待されている。
【0006】
また、発電要素が偏平型の場合、外装缶に対して挿入・装着する際、挿入先端側の損傷などを回避し、安全性や信頼性の改善を図るために、偏平型の発電要素先端面に無垢な絶縁体層を貼着して、外装缶に対する挿入・装着を行い易くすることが試みられている(特開平 5-74424号公報)。
【0007】
さらに、上記有機電解液電池については、長期間に亘って安定した密閉性,気密性が要求されており、この封口構造の高い密閉度化は、片や、電池の内部短絡や外部短絡、もしくは過放電時などに対する安全性の上で問題を提起する。すなわち、電池内における発電要素は、過充電状態のとき、何らかの原因で短絡状態になって大電流が流れたとき、あるいは加熱などの異常時、発電要素(電極体)中の非水電解液が分解され、ガスを発生して電池内圧の上昇を招来し、電池の発火や破裂が起こる恐れがある。この電池の発火・破裂防止対策として、電池封口部に安全弁機構を設置し、電池内のガスを放出することにより、短絡や過放電時の電池内圧上昇による電池の爆発・損傷を回避することが知られている(実開平 2-50957号公報など)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記短絡や過放電時の電流を遮断し、電池内圧の上昇を防止する一方、電池内の上昇圧ガスを放出して爆発・損傷を回避する対策を採った場合でも、なお次のような問題がある。すなわち、前記安全弁機構は、過充電時や短絡時の電流遮断などの機能を有するとはいえ、これらの機能を十分に発現するには、電池内に発生したガスが容易に安全弁機構側へ抜けることが前提となる。換言すると、発電要素部で発生したガスは発電要素部中に貯留せずに、容易に(速やかに)安全弁機構側へ移動して電池外に放出されなければ、電池の爆発・損傷が回避されない。しかし、外装缶底面に接する発電要素端面に無垢な絶縁体層が介在していると、発電要素内で発生したガス抜けに支障が及んで、前記安全弁機構が十分に機能しない恐れがあり、信頼性が損なわれという問題がある。
【0009】
本発明は、このような事情に対処してなされたもので、コンパクト化など図る一方、過充電時などで起こる電池内ガス圧の開放などが容易に行われる安全性の高い有機電解液電池およびその製造方法の提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、負極構成部材、セパレータ部材、正極構成部材、および非水系電解液から成り、かつ各構成部材の端面が両端側に露出する積層もしくは偏平型の発電要素と、前記発電要素を内蔵し、かつ一方の端子となる一端開口型の角型外装缶と、前記角型外装缶の開口を封口し、かつ他方の端子を絶縁的に導出した封口体と、前記封口体に一体に形成具備され内部圧を開放する安全弁部とを備えた非水電解液電池において、前記角型外装缶に対接する発電要素の端面部を覆うように、厚さ方向に貫通した総開孔面積率が20〜80%となる複数の開孔を有する絶縁粘着シートを設け、かつその開孔絶縁粘着シートの幅W、長さLは、偏平型発電要素の高さA、幅B、厚さCとしたとき、0.5≦W/B≦1.5で、かつC×1.2≦L≦C+2Aであることを特徴とする角型非水電解液電池である。
【0012】
請求項2の発明は、負極構成部材、セパレータ部材、正極構成部材、および非水系電解液から成り、かつ各構成部材の端面が両端側に露出する積層もしくは偏平型の発電要素の一端面に厚さ方向に貫通した総開孔面積率が20〜80%となる複数の開孔を有し、その開孔絶縁粘着シートの幅W、長さLは、偏平型発電要素の高さA、幅B、厚さCとしたとき、0.5≦W/B≦1.5で、かつC×1.2≦L≦C+2Aである絶縁粘着シートを貼着する工程と、一方の端子となる一端開口の角型外装缶の底壁面に、前記貼着した絶縁粘着シートを対接させて発電要素を収容・装着する工程と、前記収容・装着した発電要素と封口体に絶縁して導出他方の端子とを電気的に接続し、かつ外装缶の開口をガス圧開放安全弁付きの封口体で気密に封止する工程とを有することを特徴とする角型非水電解液電池の製造方法である。
【0013】
本発明において、発電要素を内蔵し、かつ一方の端子(正極端子もしくは負極端子)となる外装缶は、たとえばステンレス鋼製、鉄製もしくはアルミニウム性である。また、封口蓋体は、たとえばアルミニウム製、ニッケル製、鉄製などの通気孔付き金属薄板(たとえば厚さ 0.1〜 1.0mm程度)、絶縁して導出された他方の端子(負極端子もしくは正極端子)、および圧力弁体などで構成されて居る。そして、他方の端子には、発電要素に接続するリード線(リード片)の他端が接続されており、また、圧力弁体と金属薄板とは一部で対接・接合しており、一定の圧力上昇でその接合部(易破断領域)が容易に破断・分離するように成っている。つまり、電池内のガス圧が一定値に上昇したとき、圧力弁体が破断・分離して、電池内のガスを外に放出できるようになっている。
【0014】
本発明において、正極活物質としては、リチウムを脱ドープし、かつドープできる活物質、たとえばリチウムやコバルトを含む複合酸化物( LiCoO2 、 LiNiO2 、LiMn2 O 4 )などが挙げられる。また、負極活物質としては、たとえばグラファイト、ニードルコークス、メソフェーズ小球体カーボン、メソフェーズピッチ系カーボン繊維、有機高分子の焼成体が挙げられる。そして、これらの活物質を、集電体箔、たとえば厚さ 5〜50μm の銅、ニッケル、アルミニウム、ステンレス鋼などの金属箔の少なくとも一方の面に塗着して、正極部材、負極部材は薄板状もしくはテープ状に構成されている。
【0015】
さらに、負極部材および正極部材間を絶縁離隔するセパレータ部材としては、たとえばポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂の不織布や多孔膜などが用いられる。
【0016】
そして、電池要素は、セパレータ部材を介して交互に両電極部材を多層的に積層した構造、あるいはセパレータ部材および両電極部材を重ね、これを捲装した後、潰して偏平型した構造が採られ、全体としてはコンパクト化されながら、電極部材の対向面積が大きく設定される。
【0017】
本発明において、電池要素の一端面に貼着ないし配置される、厚さ方向に貫通した開孔を有する絶縁シート(或いは絶縁体層)は、例えば、粘着性を有するか、もしくは粘着性を付与されたポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、芳香族ポリアミド樹脂などを素材とした絶縁性フィルム、絶縁紙などを素材としたものであり、一般的に、厚さ40〜150μm程度、開孔の径1〜5mm程度でよい。そして、開孔を有する絶縁性シート(或いは絶縁体層)の形状、換言すると、平面的な形状即ち、該シートの幅W、長さLは、偏平型発電要素の高さA、幅B、厚さCとしたとき、製品製造上の問題が生じないため、即ち、絶縁性シート(或いは絶縁体層)の形状と偏平型発電要素の形状の関係をうまく調整できるためには、
0.5≦W/B≦1.5で、かつC×1.2≦L≦C+2A
であることが必要である。
【0018】
すなわち、介在・配置する開孔を有する絶縁体層の形状を、対接する偏平型発電要素の面形状などとの関係で、上記、式に示す関係を採るように設定しないと、所要の効果が得られないからである。ここで、電池要素の高さ A, 幅 B,厚さ Cは、この種、角型電池の発電要素が、一般的に、電極構成材を円筒型に捲回した後、側壁面を押圧・偏平化するので、断面長径部を幅 B,断面短径部を厚さ Cとしている。
【0019】
なお、絶縁体層の開孔面積率が20〜80%であることが望ましい。
【0020】
一方、本発明において用いる非水電解液としては、たとえばエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、γ- ブチロラクトン、スルホラン、アセトニトリル、1,2-ジメトキシメタン、1,3-ジメトキシプロパン、ジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、炭酸ジメチル、炭酸ジエチルおよびエチルメチルカーボネートの群れから選ばれた少なくとも1種から成る有機溶剤(非水溶媒)に、過塩素酸リチウム( LiClO4 )、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6 )、ホウフッ化リチウム(LiBF4 )、六フッ化ヒ素リチウム( LiAsF6 )、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiCF3 SO3 )などのリチウム塩(電解質)を 0.5〜 1.5 mol/l 程度溶解させた非水電解液が一般的に挙げられる。
【0021】
請求項1〜3の発明では、正常時においてはすぐれた気密性により液漏れなどが防止され、また、電池内圧が上昇したときには、発電要素内に発生したガスが貯留することなく、封口体側に移動して安全弁機構を作動させて、電池内圧を開放する。すなわち、過充電時などにおける電池内圧の上昇に容易、かつ的確に対応して電池内のガス圧を開放し、電池の爆発・破損など回避ないし防止するので、信頼性および安全性が改善された非水電解液電池として機能する。特に、外装缶と電池要素の端面との間に介在させた絶縁体層の開孔により、電池要素に対して電解液が全体的に回り易くなるので、電池のサイクル特性も向上する。
【0022】
また、本発明では、繁雑な操作など要せずに、上記信頼性および安全性の改善された非水電解液電池を歩留まりよく、かつ容易に提供できる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下図1を参照して実施例を説明する。
【0024】
図1は、第1の実施例に係る角型非水電解液電池の要部構成を拡大して示す断面図である。図1において、1は一方の電極端子を兼ねる有底矩形外装缶、2は前記有底矩形外装缶1内に装填・内蔵された発電要素、3は他方の電極端子(たとえば正極)として機能する電極端子(電極ピン)である。また、4は前記電極端子3を突出的に絶縁導出する一方、前記外装缶1の開口部をレーザー溶接・封止で気密に封止する封口体で、5は前記電極端子3および発電要素の対応する電極側を接続するリード線である。
【0025】
ここで、封口体4は、他方の電極端子3をガラス封止層6で絶縁しながら気密に導出するとともに、前記他方の電極端子3とは離隔した位置に、非水電解液二次電池内で圧力が上昇したとき、その内部圧を開放するための安全弁部7が設けられている。すなわち、封口体4には、圧力開放孔8が別に形設されており、ステンレス鋼製の矩形状薄板7の溶接で、圧力開放孔8の内側が塞がれている。なお、矩形状薄板7は、断面V字型の切り込み溝を有し、この切り込み溝の形設で薄膜化している部分が内部圧で破断し、安全弁として機能する構成と成っている。 さらに、9はその厚さ方向に貫通した開孔9aを有する絶縁体層、たとえば接着性シート、10は電極要素2の移動を防止する絶縁性押さ板である。
【0026】
上記構成において、発電要素2は、次のような条件で製造された正極構成部材、負極構成部材を使用して構成されている。
【0027】
正極構成部材
炭酸リチウムおよび炭酸コバルトをLi/Co(mol 比)= 1になるように混合し、空気中で 900℃, 5時間焼成して正極活物質( LiCoO2 )を合成した後、自動乳鉢で粉砕して LiCoO2 の粉末を得た。
【0028】
前記 LiCoO2 粉末95重量部および炭酸リチウム 5重量部とを混合し、調製した混合物91重量部、導電材としてのグラファイト 6重量部、および結着材としてのポリフッ化ビニリデン樹脂 6重量部を混合して正極合剤を作成した。この正極合剤をN-メチル -2-ピロリドンに分散させてスラリー状とし、この正極合剤スラリーを正極集電体である帯状のアルミニウム箔の両面に塗布した後、乾燥させてからローラプレス機で圧縮成型して、活物質量が272g/ m2 の正極構成部材を得た。
【0029】
負極構成部材
出発物質に石油ピッチを用い、これに酸素を含む官能基を10〜20%導入(酸素架橋)した後、不活性ガス中1000℃で焼成して、ガラス状炭素に近い性質の難黒鉛炭素質材料を得た。この難黒鉛炭素質材料90重量部、および結着材としてのポリフッ化ビニリデン樹脂10重量部を混合して負極合剤を作成した。
【0030】
前記負極合剤をN-メチル -2-ピロリドンに分散させてスラリー状とし、この負極合剤スラリーを負極集電体である帯状の銅箔の両面に塗布した後、乾燥させてからローラプレス機で圧縮成型して、活物質量が112g/ m2 の負極構成部材を得た。
【0031】
次に、上記正極構成部材、負極構成部材、および厚さ25μm の微孔性ポリプロピレンフィルムをセパレータ部材とし、負極構成部材が最外周になるように積層(重ね合わせ)してから、渦巻き状に捲装して円筒状の電極部を作成した。その後、円筒状の電極部を 100 kgf/cm2 の圧力で圧縮して、高さ Aが42mm,幅 Bが32.5mm,厚さ Cが 7.0mmの偏平状電極部を作成した。
【0032】
また、前記偏平状電極部を主体とする発電要素を内蔵・装着する外装缶、この外装缶の開口部を封止する封口体を用意する一方、偏平状電極部に対応する非水系電解液として、エチレンカーボネートを主溶剤とした有機電解液を用意した。
【0033】
実施例1
上記偏平状電極部の一端面に、厚さ75μm ,開孔率30%の絶縁粘着シールを貼着し、この絶縁粘着シール貼着面が外装缶の底壁面に対接するように、偏平状電極部を挿入・装着配置した。その後、所要量の有機電解液を注入し、電気的な接続を採りながら、外装缶の開口部に封口体を位置決め配置し、溶接によって気密に封止し、非水電解液二次電池を製作した。
【0034】
なお、この二次電池の構成において、絶縁シール(開孔絶縁体シート或いは絶縁体層)の幅W、長さLは、偏平型発電要素の高さA、幅B、厚さCとしたとき、W/B=1.3でかつL=C×1.2+2A×0.2であり、粘着絶縁体シートの形状は、偏平型発電要素の端面よりも幅方向、長さ方向とも大きいものである。
【0035】
実施例2
上記偏平状電極部の一端面に、厚さ50μm ,開孔率50%の絶縁粘着シールを貼着し、この絶縁粘着シール貼着面が外装缶の底壁面に対接するように、偏平状電極部を挿入・装着配置した。その後、所要量の有機電解液を注入し、電気的な接続を採りながら、外装缶の開口部に封口体を位置決め配置し、溶接によって気密に封止し、非水電解液二次電池を製作した。
【0036】
なお、この二次電池の構成において、絶縁シール(開孔絶縁体シート或いは絶縁体層)の幅W、長さLは、偏平型発電要素の高さA、幅B、厚さCとしたとき、W/B=1.0でかつL=C×1.2+2A×0.5であり、粘着絶縁体シートの形状は、偏平型発電要素の端面幅と同じだが、高さAの1/2方までが覆うものである。
【0037】
実施例3
上記偏平状電極部の一端面に、厚さ50μm ,開孔率70%の絶縁粘着シールを貼着し、この絶縁粘着シール貼着面が外装缶の底壁面に対接するように、偏平状電極部を挿入・装着配置した。その後、所要量の有機電解液を注入し、電気的な接続を採りながら、外装缶の開口部に封口体を位置決め配置し、溶接によって気密に封止し、非水電解液二次電池を製作した。
【0038】
なお、この二次電池の構成において、絶縁粘着シール(開孔絶縁体層)の幅 W,長さ Lは、偏平型発電要素の高さ A, 幅 B,厚さ Cとしたとき、
W/B= 0.7で,かつ L= C+2Aであり、絶縁粘着シールの形状は、偏平型発電要素の端面幅と同じで、高さも同じである。
【0039】
比較例1〜3
上記実施例1の構成において、次の点を除いた他は、同様の条件でそれぞれ二次電池を作製した。
【0040】
(a)絶縁粘着シールを貼着しない(比較例1)。
【0041】
(b)開孔率 0%の絶縁粘着シールを貼着した(比較例2)。
【0042】
(c)開孔率10%の絶縁粘着シールを貼着した(比較例3)。
【0043】
比較例4
上記実施例2の構成において、開孔率90%の絶縁粘着シールを貼着した他は、同様の条件で二次電池を作製した。
【0044】
比較例5
上記偏平状電極部の一端面に、厚さ50μm ,開孔率50%の絶縁粘着シールを貼着し、この絶縁粘着シール貼着面が外装缶の底壁面に対接するように、偏平状電極部を挿入・装着配置した。その後、所要量の有機電解液を注入し、電気的な接続を採りながら、外装缶の開口部に封口体を位置決め配置し、溶接によって気密に封止し、非水電解液二次電池を製作した。
【0045】
なお、この二次電池の構成において、絶縁シール(開孔絶縁体シート或いは絶縁体層)の幅W、長さLは、偏平型発電要素の高さA、幅B、厚さCとしたとき、W/B=0.5で、かつL=C×0.5であり、粘着絶縁体シートの形状は、偏平型発電要素の端面幅および長さ方向ともに小さくなっている。
【0046】
上記実施例1〜3、比較例1〜5の二次電池(いずれも規格電池容量 900 mAh、電池電圧 3.6 V)各 100個について、所定の定電圧・定電流充電方式で過充電試験を行って、試験電池の破裂・発火の発生数の割合から、過充電時における安全弁機構の機能を評価した。
【0047】
また、同じく実施例1〜3、比較例1〜5の二次電池について、定電圧・定電流充電と定電圧・定電流放電を 500回繰り返し、初期容量に対する容量値(%)からサイクル寿命を評価した結果を、上記安全弁機構の機能評価の結果と併せて表1に示す。
【0048】
上記表1から分かるように、外装缶の底壁面において、内蔵・配置された偏平型の発電要素端面側に、その発電要素端面に対応して適正な形状・大きさで、また、適度の開孔率を有する絶縁体層を密着的に介挿させた構成を採った場合は、安全性や電池特性の大幅な改善・向上が認められる。すなわち、外装缶に発電要素を挿入・装着する時点での電池要素の損傷などが回避されるだけでなく、過充電時などに電池内で生じるガス抜き性も良好で、破裂・発火などを容易に回避できるし、さらには、すぐれたサイクル特性も呈する。
【0049】
上記では、円筒型非水電解液電池の例示について説明したが、発明の主旨を逸脱しない範囲でいろいろの変形を採ることができる。たとえば発電要素を捲回型の代りに平板状に積層した構成としてもよいし、また、正極や負極の活物質、正極や負極の構成、セパレータ、二次電池の形状など前記例示の以外の組み合わせ・形態などを採ることができる。
【0050】
【発明の効果】
上記説明したように、本発明によれば、正常時、すぐれた気密性により液漏れなどが防止され、高い信頼性を保持する一方、過充電などによって電池内圧が上昇したときには、発電要素部内のガス抜きも容易に行われる。したがって、過充電時などでの電池内ガス圧の上昇に起因する電池の爆発・破損なども回避され、また、電流回路も遮断されるので電流に起因する事故など確実にの防止できる。つまり、信頼性および安全性のすぐれた非水電解液電池を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係る非水電解液電池の要部構成を示す断面図。
【符号の説明】
1……一方の電極端子を兼ねる外装缶
2……発電要素
3……他方の電極端子
4……封口体
5……リード線
6……ガラス封止層
7……圧力弁体
8……圧力開放孔
9……開孔絶縁体層
9a……開孔絶縁体層の開孔部
10……絶縁板
Claims (2)
- 負極構成部材、セパレータ部材、正極構成部材、および非水系電解液から成り、かつ各構成部材の端面が両端側に露出する積層もしくは偏平型の発電要素と、
前記発電要素を内蔵し、かつ一方の端子となる一端開口型の角型外装缶と、
前記角型外装缶の開口を封口し、かつ他方の端子を絶縁的に導出した封口体と、
前記封口体に一体に形成具備され内部圧を開放する安全弁部とを備えた非水電解液電池において、
前記角型外装缶に対接する発電要素の端面部を覆うように、厚さ方向に貫通した総開孔面積率が20〜80%となる複数の開孔を有する絶縁粘着シートを設け、かつその開孔絶縁粘着シートの幅W、長さLは、偏平型発電要素の高さA、幅B、厚さCとしたとき、
0.5≦W/B≦1.5で、かつC×1.2≦L≦C+2A
であることを特徴とする角型非水電解液電池。 - 負極構成部材、セパレータ部材、正極構成部材、および非水系電解液から成り、かつ各構成部材の端面が両端側に露出する積層もしくは偏平型の発電要素の一端面に厚さ方向に貫通した総開孔面積率が20〜80%となる複数の開孔を有し、その開孔絶縁粘着シートの幅W、長さLは、偏平型発電要素の高さA、幅B、厚さCとしたとき、
0.5≦W/B≦1.5で、かつC×1.2≦L≦C+2A
である絶縁粘着シートを貼着する工程と、
一方の端子となる一端開口の角型外装缶の底壁面に、前記貼着した絶縁粘着シートを対接させて発電要素を収容・装着する工程と、
前記収容・装着した発電要素と封口体に絶縁して導出他方の端子とを電気的に接続し、かつ外装缶の開口をガス圧開放安全弁付きの封口体で気密に封止する工程と
を有することを特徴とする角型非水電解液電池の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14954397A JP3713361B2 (ja) | 1997-06-06 | 1997-06-06 | 角型非水電解液電池およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14954397A JP3713361B2 (ja) | 1997-06-06 | 1997-06-06 | 角型非水電解液電池およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10340712A JPH10340712A (ja) | 1998-12-22 |
JP3713361B2 true JP3713361B2 (ja) | 2005-11-09 |
Family
ID=15477454
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14954397A Expired - Fee Related JP3713361B2 (ja) | 1997-06-06 | 1997-06-06 | 角型非水電解液電池およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3713361B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20010027275A (ko) * | 1999-09-13 | 2001-04-06 | 김순택 | 밀폐전지 |
JP6553078B2 (ja) * | 2014-10-31 | 2019-07-31 | 三洋電機株式会社 | 電池 |
JP2016110787A (ja) * | 2014-12-04 | 2016-06-20 | 日立オートモティブシステムズ株式会社 | 角形二次電池 |
US10916751B2 (en) | 2017-02-28 | 2021-02-09 | Kabushiki Kaisha Toyota Jidoshokki | Power storage apparatus |
-
1997
- 1997-06-06 JP JP14954397A patent/JP3713361B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH10340712A (ja) | 1998-12-22 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP1119060B1 (en) | Nonaqueous electrolyte solution secondary battery | |
JP4563264B2 (ja) | リチウム二次電池 | |
EP1735858B1 (en) | Battery safety device and battery having the same | |
JP4236308B2 (ja) | リチウムイオン電池 | |
JPH04328278A (ja) | 非水電解質二次電池 | |
JPH11185714A (ja) | 非水電解液二次電池 | |
JP3677845B2 (ja) | 密封型非水電解質角型二次電池 | |
US5731098A (en) | Secondary cell with terminal cap of safety structure | |
JPH10233198A (ja) | 非水電解液電池 | |
JPH11176478A (ja) | 有機電解液二次電池 | |
JPH11204094A (ja) | 非水電解質電池 | |
JP3713361B2 (ja) | 角型非水電解液電池およびその製造方法 | |
JP2002042865A (ja) | 薄型非水系電解液二次電池 | |
JP2002151020A (ja) | 電気化学デバイス | |
KR101520148B1 (ko) | 과충전 방지 수단을 포함하는 이차전지 | |
JPH10233199A (ja) | 非水電解液電池 | |
JP2000357536A (ja) | 非水電解質電池 | |
JP4248044B2 (ja) | 非水電解液二次電池 | |
JPH11219692A (ja) | 非水電解質二次電池 | |
JP3272937B2 (ja) | 非水電解液二次電池 | |
JP2005209395A (ja) | 非水電解液二次電池 | |
JPH09245759A (ja) | 非水電解液二次電池 | |
JP4115006B2 (ja) | リチウムイオン電池 | |
JPH1145701A (ja) | 密閉型非水電解液電池 | |
JPH10340717A (ja) | 非水電解液二次電池 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040817 |
|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711 Effective date: 20041001 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20041018 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20050816 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20050822 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090826 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090826 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100826 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100826 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110826 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110826 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120826 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120826 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130826 Year of fee payment: 8 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |