JP3713199B2 - 半導体レーザ用高周波重畳回路 - Google Patents

半導体レーザ用高周波重畳回路 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体レーザにおける戻り光によるノイズを低減するために、半導体レーザへの供給電流に高周波電流を重畳する半導体レーザ用高周波重畳回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、光ビデオディスク、光PCM(パルス符号変調)オーディオディスク、MO(光磁気)ディスク、MD(ミニディスク)、DVD(デジタルヴァーサタイルディスク)等の光ディスクを情報の記録媒体として用い、この光ディスクに記録された情報を再生したり、あるいは光ディスクに情報を記録する光ディスク装置が広く普及している。この光ディスク装置では、一般に、半導体レーザを内蔵した光ピックアップを備えており、半導体レーザから出射された光を光ディスクにおける情報の再生や記録に使用している。
【0003】
ところで、光ピックアップを用いた光ディスク装置では、光ディスクにレーザ光を照射して光ディスクから情報を再生するときに、光ディスクの面で反射されて半導体レーザに戻る、いわゆる戻り光があると、半導体レーザの出力が変動する、いわゆる戻り光ノイズが発生し、この戻り光ノイズによって再生情報が劣化するという問題点があった。
【0004】
そこで、光ピックアップには、上記戻り光ノイズを低減するために、半導体レーザへの供給電流に高周波電流を重畳し、半導体レーザを高い周波数でオン、オフさせるための高周波重畳回路を備えたものもある。
【0005】
ここで、図7を参照して、従来の高周波重畳回路の構成の一例について説明する。この高周波重畳回路110が用いられる半導体レーザLDのアノードは、インダクタL13を介して電源端子101に接続されている。半導体レーザLDのカソードは、グランド端子103と回路のグランドに接続されている。電源端子101には、半導体レーザ駆動用の制御電源より自動出力制御(APC)よって安定化された直流電流が供給されるようになっている。
【0006】
高周波重畳回路110は、コルピッツ発振回路を構成するためのトランジスタQ11を備えている。トランジスタQ11のコレクタは電源端子102に接続されている。電源端子102には、直流電源より直流電源電圧VCCが供給されるようになっている。高周波重畳回路110は、更に、一端が電源端子102に接続された抵抗R11と、一端が抵抗R11の他端に接続され、他端がグランド端子103に接続された抵抗R12とを備えている。トランジスタQ11のベースは、抵抗R11,R12の接続点に接続されている。
【0007】
高周波重畳回路110は、更に、一端がトランジスタQ11のベースに接続されたコンデンサC11と、一端がコンデンサC11の他端に接続され、他端がグランド端子103に接続されたインダクタ(コイル)L11と、一端がトランジスタQ11のベースに接続され、他端がトランジスタQ11のエミッタに接続されたコンデンサC12と、一端がトランジスタQ11のエミッタに接続され、他端がグランド端子103に接続されたコンデンサC13とを備えている。
【0008】
高周波重畳回路110は、更に、一端がトランジスタQ11のエミッタに接続された抵抗R13と、一端が抵抗R13の他端に接続され、他端がグランド端子103に接続されたインダクタL12と、一端がトランジスタQ11のエミッタに接続されたコンデンサC14と、一端がコンデンサC14の他端に接続され、他端がグランド端子103に接続されたコンデンサC15と、一端がトランジスタQ11のコレクタに接続され、他端が回路のグランドに接続されたコンデンサC16とを備えている。
【0009】
半導体レーザLDのアノードはコンデンサC15の一端に接続され、半導体レーザLDのカソードはコンデンサC15の他端とグランド端子103と回路のグランドに接続されている。
【0010】
図7に示した高周波重畳回路110は、トランジスタQ11、インダクタL11,L12、コンデンサC11〜C16および抵抗R11〜R13の12点の部品によって構成されている。
【0011】
図7に示した半導体レ−ザLDおよび高周波重畳回路110を含む回路において、半導体レ−ザLDには、インダクタL13を介して、半導体レーザ駆動用の制御電源より安定化された直流電流が供給される。高周波重畳回路110は、半導体レ−ザLDに供給される直流電流に高周波電流を重畳する。ここで、インダクタL13は、高周波重畳回路110によって重畳された高周波電流成分が、半導体レーザ駆動用の制御電源の供給路に漏洩することを阻止するために挿入されているものである。
【0012】
高周波重畳回路110において、抵抗R11,R12は、トランジスタQ11のベースに適切なベースバイアス電流を流すための分圧回路である。トランジスタQ11を含む発振回路の発振周波数は、主にインダクタL11、コンデンサC11,C12,C13にて決定され、通常、250〜600MHzの周波数範囲とされる。コンデンサC16は、直流電源の正側に接続されたトランジスタQ11のコレクタを交流的に接地するものである。トランジスタQ11を含む発振回路の高周波発振出力は、トランジスタQ11のエミッタ側の抵抗R13とインダクタL12の直列回路の両端に得られる。
【0013】
コンデンサC14,C15は、半導体レーザLDとのインピーダンス整合を目的とした、静電容量による分圧回路である。すなわち、コンデンサC14,C15で分圧された高周波発振出力が半導体レーザLDに加えられるようになっている。また、抵抗R13とインダクタL12は、高周波発振出力のインピーダンスを保持するためのものである。
【0014】
図7に示した回路と同様の高周波重畳回路は、特開平7−93758号公報における図10にも示されている。この公報に示された高周波重畳回路は、図7に示した高周波重畳回路110に、電源端子102とグランド端子103との間に設けられたコンデンサを加えた構成になっている。従って、この高周波重畳回路は13点の部品によって構成されている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
近年、光ディスク装置の小型化、低価格化の要請が強くなっている。これにより、光ピックアップならびにその構成部品の小型化、低価格化の要求も高まっている。光ピックアップの構成部品の一つである高周波重畳回路の小型化、低価格化を進めるためには、高周波重畳回路の機能や特性を維持しながら、高周波重畳回路の構成部品の点数を削減する必要がある。
【0016】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、機能や特性を損なうことなく、小型化および低コスト化を可能にした半導体レーザ用高周波重畳回路を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明の半導体レーザ用高周波重畳回路は、半導体レーザへの供給電流に高周波電流を重畳する回路であって、
高周波電流を発生させるための発振回路部分と、半導体レーザとのインピーダンス整合のためのインピーダンス整合回路部分とを含み、
発振回路部分の一部の構成部品は、インピーダンス整合回路部分の少なくとも一部の構成部品を兼ねているものである。
【0018】
本発明の半導体レーザ用高周波重畳回路では、発振回路部分の一部の構成部品が、インピーダンス整合回路部分の少なくとも一部の構成部品を兼ねているので、高周波重畳回路の構成部品の点数が削減される。
【0019】
本発明の半導体レーザ用高周波重畳回路において、発振回路部分は、増幅素子、インダクタおよびコンデンサを含むコルピッツ発振回路を構成し、発振回路部分に含まれるコンデンサがインピーダンス整合回路部分の少なくとも一部の構成部品を兼ねていてもよい。
【0020】
また、本発明の半導体レーザ用高周波重畳回路において、発振回路部分は、増幅素子と、直流電力入力端より直流電力が供給されて増幅素子に対して直流バイアスを与えるバイアス回路とを含み、バイアス回路は複数の抵抗を含み、そのうちの一部の抵抗は、発振回路部分の発振出力の出力端と直流電力入力端との間に配置されて、発振周波数成分が直流電力の供給路に漏洩することを阻止する機能を併せ持つようにしてもよい。この場合、バイアス回路は自己バイアス回路を構成するものであってもよい。
【0021】
また、本発明の半導体レーザ用高周波重畳回路において、半導体レーザは光ピックアップに用いられるものであってもよい。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
まず、図1を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る半導体レーザ用高周波重畳回路(以下、単に高周波重畳回路と記す。)の構成について説明する。本実施の形態に係る高周波重畳回路10は、光ピックアップに用いられる半導体レーザLDへの供給電流に高周波電流を重畳する回路である。半導体レーザLDのアノードは、インダクタL2を介して電源端子1に接続されている。半導体レーザLDのカソードは、グランド端子3と回路のグランドに接続されている。電源端子1には、半導体レーザ駆動用の制御電源より自動出力制御(APC)よって安定化された直流電流が供給されるようになっている。インダクタL2は、高周波重畳回路10によって重畳された高周波電流成分が、半導体レーザ駆動用の制御電源の供給路に漏洩することを阻止するために挿入されている。
【0023】
高周波重畳回路10は、コルピッツ発振回路を構成するためのトランジスタQ1を備えている。高周波重畳回路10は、更に、一端が電源端子2に接続され、他端がトランジスタQ1のコレクタに接続された抵抗R1と、一端が抵抗R1の他端に接続され、他端がトランジスタQ1のベースに接続された抵抗R2とを備えている。電源端子2には、直流電源より直流電源電圧VCCが供給されるようになっている。また、トランジスタQ1のエミッタはグランド端子3に接続されている。
【0024】
高周波重畳回路10は、更に、一端が抵抗R1の他端に接続されたインダクタL1と、一端がインダクタL1の他端に接続され、他端がトランジスタQ1のベースに接続されたコンデンサC1と、一端がトランジスタQ1のベースに接続され、他端がグランド端子3に接続されたコンデンサC2とを備えている。
【0025】
高周波重畳回路10は、更に、一端がトランジスタQ1のコレクタに接続され、他端が半導体レーザLDのアノードに接続されたコンデンサC3と、一端がコンデンサC3の他端に接続され、他端がグランド端子3に接続されたコンデンサC4とを備えている。
【0026】
高周波重畳回路10は、高周波電流を発生させるための発振回路部分11と、半導体レーザLDとのインピーダンス整合のためのインピーダンス整合回路部分12とを含んでいる。発振回路部分11は、その構成部品として、上記の高周波重畳回路10の全構成部品を含んでいる。インピーダンス整合回路部分12は、その構成部品としてコンデンサC3,C4を含んでいる。このコンデンサC3,C4は、発振回路部分11の構成部品でもある。このように本実施の形態では、発振回路部分11の一部の構成部品は、インピーダンス整合回路部分12の少なくとも一部の構成部品を兼ねている。
【0027】
発振回路部分11において、トランジスタのQ1のエミッタは、インダクタ、コンデンサまたは抵抗等の受動回路素子を介さずに直接接地されている。発振回路部分11は、インダクタL1、コンデンサC1,C2、およびインピーダンス整合機能も有するコンデンサC3,C4によるLC共振現象を用い、通常250〜600MHzの発振周波数の信号を生成する。このような回路構成は、コルピッツ型発振回路としてよく知られている。
【0028】
ここで、図2を参照して、コルピッツ発振回路の動作について説明する。図2は、コルピッツ発振回路の基本構成を示す回路図である。図2に示したコルピッツ発振回路は、トランジスタQ1と、一端がトランジスタQ1のコレクタに接続され、他端がトランジスタQ1のベースに接続されたインダクタ15と、一端がトランジスタQ1のベースに接続され、他端がトランジスタQ1のエミッタに接続されたコンデンサ16と、一端がトランジスタQ1のコレクタに接続され、他端がトランジスタQ1のエミッタに接続されたコンデンサ17とを有している。
【0029】
インダクタ15のインダクタンスをLa、コンデンサ16のキャパシタンスをCa、コンデンサ17のキャパシタンスをCbとすると、コルピッツ発振回路の発振周波数fは、以下の式(1)のように、インダクタンスLaと、キャパシタンスCa、Cbの合成容量Cとの直列共振の共振周波数となる。
【0030】
f=1/2π√(LaC) …(1)
【0031】
トランジスタQ1は発振回路における増幅素子の役割をする。トランジスタQ1を動作させるために、直流バイアスを印加すると共に、トランジスタQ1のいずれかの端子を発振周波数において高周波的に接地しなければならない。また、トランジスタQ1のいずれかの端子から、高周波発振出力を取り出すことができる。
【0032】
図1における発振回路部分11の動作も、基本的には上記の説明の通りである。発振回路部分11では、トランジスタQ1のエミッタを接地し、トランジスタQ1のコレクタより、高周波電流を発生させるための高周波発振出力を取り出している。
【0033】
また、発振回路部分11では、抵抗R1,R2がトランジスタQ1のバイアス回路を構成している。このバイアス回路は、自己バイアス回路としてよく知られている。
【0034】
ここで、図3を参照して、バイアス回路の動作について説明する。図3は、バイアス回路の動作を説明するための回路図である。このバイアス回路は、一端が直流電源20の正極に接続され、他端がトランジスタQ1のコレクタに接続された抵抗R1と、一端が抵抗R1の他端に接続され、他端がトランジスタQ1のベースに接続された抵抗R2とを有している。トランジスタQ1のエミッタは直流電源20の負極に接続されると共に接地されている。
【0035】
図3に示した回路において、抵抗R1の抵抗値をR1、抵抗R2の抵抗値をR2、直流電源20の発生電圧をVCC、抵抗R1の端子間電圧をVr1、トランジスタQ1のコレクタ・エミッタ間電圧をVCE、トランジスタQ1のベース・エミッタ間電圧をVBE、トランジスタQ1のコレクタ電流をIC、トランジスタQ1のベース電流をIB、抵抗R2に流れる電流をIr2、抵抗R1に流れる電流をIC+Ir2とする。
【0036】
トランジスタQ1は、温度上昇に伴い内部抵抗が減少する負性抵抗素子と見ることができる。従って、トランジスタQ1には、温度が上昇するとコレクタ電流ICが増加する性質がある。以下、温度変動等によりトランジスタQ1の特性が変動し、コレクタ電流ICが変動した場合について考える。
【0037】
まず、トランジスタQ1の温度上昇によりコレクタ電流ICが増加した場合について考える。抵抗R1の端子間電圧Vr1は次の式(2)で表される。
【0038】
r1=R1×(IC+Ir2) …(2)
【0039】
従って、コレクタ電流ICが増加すると、抵抗R1の端子間電圧Vr1が大きくなる。
【0040】
一方、トランジスタQ1のコレクタ・エミッタ間電圧VCEは、次の式(3)で表される。
【0041】
CE=VCC−Vr1 …(3)
【0042】
従って、抵抗R1の端子間電圧Vr1が大きくなると、コレクタ・エミッタ間電圧VCEは小さくなる。
【0043】
ベース電流IBは、次の式(4)のように、電圧VCEと抵抗値R2により決定される。
【0044】
B=Ir2=VCE/R2 …(4)
【0045】
従って、ベース電流IBは、電圧VCEの減少に伴って減少する。コレクタ電流ICは、直流電流増幅率hfeとベース電流IBを用いて次の式(5)で表される。
【0046】
C=hfe×IB …(5)
【0047】
従って、ベース電流IBが減少すると、コレクタ電流ICも減少する。端子間電圧Vr1は前記の式(2)で表されるので、コレクタ電流ICが減少すると、端子間電圧Vr1も低下する。この結果、コレクタ・エミッタ間電圧VCEは上昇し、前記の式(4)に従って、コレクタ・エミッタ間電圧VCEは、元の値に戻る方向、すなわち増加する方向に制御される。このように、図3に示したバイアス回路では、温度上昇によるコレクタ電流ICの増加作用に対して負帰還が加わり、コレクタ電流ICは一定に制御されることになる。
【0048】
次に、トランジスタQ1の温度低下によりコレクタ電流ICが減少した場合について考える。抵抗R1の端子間電圧Vr1は前記の式(2)で表されるので、コレクタ電流ICが減少すると、抵抗R1の端子間電圧Vr1が小さくなる。
【0049】
トランジスタQ1のコレクタ・エミッタ間電圧VCEは、前記の式(3)で表されるので、抵抗R1の端子間電圧Vr1が小さくなると、コレクタ・エミッタ間電圧VCEは大きくなる。
【0050】
ベース電流IBは、前記の式(4)で表されるので、電圧VCEの増加に伴って増加する。コレクタ電流ICは、前記の式(5)で表されるので、ベース電流IBが増加に伴って増加する。端子間電圧Vr1は前記の式(2)で表されるので、コレクタ電流ICが増加すると、端子間電圧Vr1も増加する。この結果、コレクタ・エミッタ間電圧VCEは低下し、前記の式(4)に従って、コレクタ・エミッタ間電圧VCEは、元の値に戻る方向、すなわち減少する方向に制御される。このように、図3に示したバイアス回路では、温度低下によるコレクタ電流ICの減少作用に対して負帰還が加わり、コレクタ電流ICは一定に制御されることになる。
【0051】
以上説明したように、本実施の形態に係る高周波重畳回路10は、発振回路部分11とインピーダンス整合回路部分12とを含んでいる。発振回路部分11は、コルピッツ発振回路を構成している。コルピッツ発振回路は、増幅素子の主電極の一方が直接接地される回路方式をとる発振回路の代表的なものである。この回路方式によれば、増幅素子の他には、LC共振用の回路部品を備えればよいので、本実施の形態に係る高周波重畳回路10では、図7に示した従来の高周波重畳回路110においてトランジスタQ11の一方の電極(エミッタ)とグランドとの間に設けられていたインダクタL12やコンデンサC13や抵抗R13が不要になる。
【0052】
また、高周波重畳回路10では、発振回路部分11の一部の構成部品であるコンデンサC3,C4が、インピーダンス整合回路部分12の構成部品を兼ねている。
【0053】
また、高周波重畳回路10では、図7に示した従来の高周波重畳回路110においてトランジスタQ11のもう一方の電極(コレクタ)を高周波的に接地するために設けられていたコンデンサC16の機能をインピーダンス整合回路部分のコンデンサC3,C4に持たせることにより、このコンデンサC16が不要になる。
【0054】
これらのことから、高周波重畳回路10では、図7に示した従来の高周波重畳回路110に比べて、少なくとも4個の部品を削減することができる。
【0055】
また、本実施の形態では、発振回路部分11は、増幅素子であるトランジスタQ1と、直流電力入力端である電源端子2より直流電力が供給されてトランジスタQ1に対して直流バイアスを与えるバイアス回路とを含んでいる。バイアス回路は抵抗R1,R2を含んでいる。
【0056】
ところで、発振回路部分11では、トランジスタQ1のコレクタより高周波発振出力が取り出される。すなわち、トランジスタQ1のコレクタが発振出力の出力端となる。この出力端は、直流電力入力端である電源端子2に導かれている。そのため、発振回路部分11の発振周波数成分が直流電力の供給路に漏洩することを防止する必要がある。
【0057】
本実施の形態では、バイアス回路を構成する抵抗R1は、発振回路部分11の出力端と電源端子2との間に配置されて、発振回路部分11の発振周波数成分が高周波重畳回路10への直流電力の供給路に漏洩することを阻止する機能を併せ持っている。従って、本実施の形態では、部品点数を増やすことなく、発振回路部分11の発振周波数成分が直流電力の供給路に漏洩することを防止できる。
【0058】
以上のことから、本実施の形態によれば、従来の高周波重畳回路に比べて部品点数が少なく、しかも、直流電力の供給路に発振周波数成分が漏洩することを阻止する機能を備えた高周波重畳回路10を実現することができる。そのため、本実施の形態に係る高周波重畳回路10によれば、機能や特性を損なうことなく、小型化および低コスト化が可能になる。
【0059】
ところで、本実施の形態に係る高周波重畳回路10は、一定の機能を有するように複数の素子や部品を組み合わせて構成されるモジュールとしてもよい。以下、高周波重畳回路10のモジュールを高周波重畳モジュール10Mと呼ぶ。
【0060】
図4は、高周波重畳モジュール10Mを組み込んだ光ピックアップの一例を示す斜視図である。図4に示した光ピックアップは、例えばノートブック型パーソナルコンピュータに適したものである。この光ピックアップは、光学ベース31と、この光学ベース31に取り付けられた可動部32、アクチュエータ33および高周波重畳モジュール10Mを備えている。アクチュエータ33は、図示しない光ディスクのトラック横断方向に可動部32を移動するようになっている。可動部32には、光ディスクの面に対向する対物レンズ34と、この対物レンズ34を光軸方向およびトラック横断方向に移動させる図示しないアクチュエータが設けられている。高周波重畳モジュール10Mは、例えばフレキシブル基板35により外部回路に接続されている。
【0061】
図示しないが、光ピックアップは、半導体レーザLDと、この半導体レーザLDから出射された光を対物レンズ34に導き、この対物レンズ34より光ディスクに照射させると共に、光ディスクで反射されて対物レンズ34に入射した光を図示しない光検出器に導く光学系とを備えている。半導体レーザLDと光学系は、全て可動部32内に設けられていてもよいし、光学系の一部が可動部32内に設けられ、半導体レーザLDと光学系の他の部分が可動部32外に設けられていてもよい。
【0062】
[第2の実施の形態]
次に、図5を参照して、本発明の第2の実施の形態に係る高周波重畳回路について説明する。本実施の形態に係る高周波重畳回路40は、第1の実施の形態に係る高周波重畳回路10に対して、インピーダンス整合回路部分の構成が異なるものである。高周波重畳回路40は、発振回路部分41とインピーダンス整合回路部分42とを含んでいる。インピーダンス整合回路部分42は、第1の実施の形態におけるインピーダンス整合回路部分12に対して、一端がトランジスタQ1のコレクタに接続され、他端がグランド端子3に接続されたコンデンサC5を加えた構成になっている。発振回路部分41も同様に、第1の実施の形態における発振回路部分11に対して上記コンデンサC5を加えた構成になっている。このように、本実施の形態では、インピーダンス整合回路部分42は、その構成部品としてコンデンサC3,C4,C5を含んでいる。このコンデンサC3,C4,C5は、発振回路部分41の構成部品でもある。
【0063】
本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第1の実施の形態と同様である。
【0064】
[第3の実施の形態]
次に、図6を参照して、本発明の第3の実施の形態に係る高周波重畳回路について説明する。本実施の形態に係る高周波重畳回路50は、発振回路部分51と、インピーダンス整合回路部分52と、発振回路部分51と端子2,3との間に設けられたフィルタ回路部分53と、半導体レーザLDと電源端子1との間に設けられたフィルタ回路部分54とを含んでいる。発振回路部分51とインピーダンス整合回路部分52の構成は、それぞれ第1の実施の形態における発振回路部分11とインピーダンス整合回路部分12の構成と同様である。
【0065】
フィルタ回路部分53は、一端が抵抗R1の一端に接続され、他端が電源端子2に接続されたインダクタL4と、一端が抵抗R1の一端に接続され、他端がグランド端子3に接続されたコンデンサC6と、一端がインダクタL4の他端に接続され、他端がグランド端子3に接続されたコンデンサC7とを有している。
【0066】
フィルタ回路部分54は、一端が半導体レーザLDのアノードに接続されたインダクタL2と、一端がインダクタL2の他端に接続され、他端が回路のグランドに接続されたコンデンサC8と、一端がインダクタL2の他端に接続され、他端が電源端子1に接続されたインダクタL3とを有している。
【0067】
フィルタ回路部分53は、発振回路部分51の発振周波数成分が高周波重畳回路50への直流電力の供給路に漏洩することを阻止するためのものである。フィルタ回路部分54は、発振回路部分51の発振周波数成分が、半導体レーザLDの駆動用の直流電流の供給路に漏洩することを阻止するためのものである。なお、フィルタ回路部分53,54の構成は図6に示したものに限らない。
【0068】
高周波重畳回路を光ピックアップに実装する場合、発振周波数成分の漏洩経路は、高周波重畳回路への直流電力の供給路と、半導体レーザLDの駆動用の直流電流の供給路である。第1の実施の形態では、これらの直流電力の供給路への発振周波数成分の漏洩を、それぞれ抵抗R1とインダクタL2によって阻止している。本実施の形態では、フィルタ回路部分53によって、高周波重畳回路50に対する直流電力の供給路へ発振周波数成分が漏洩することを阻止する機能を向上させている。また、フィルタ回路部分54によって、半導体レーザLDの駆動用の直流電流の供給路へ発振周波数成分が漏洩することを阻止する機能を向上させている。
【0069】
本実施の形態に係る高周波重畳回路50は、第1の実施の形態で示した高周波重畳モジュール10Mと同様にモジュール化してもよい。また、インピーダンス整合回路部分52の代わりに、第2の実施の形態におけるインピーダンス整合回路部分42を設けてもよい。
【0070】
本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第1の実施の形態と同様である。
【0071】
なお、本発明は上記各実施の形態に限定されず、種々の変更が可能である。例えば、実施の形態では、発振回路部分の一部の構成部品がインピーダンス整合回路部分の全ての構成部品を兼ねるようにしたが、発振回路部分の一部の構成部品がインピーダンス整合回路部分の一部の構成部品を兼ねるようにしてもよい。
【0072】
また、本発明は、光ピックアップに限らず、レーザ光を使用する測定装置等、半導体レーザを含み、この半導体レーザにおける戻り光によるノイズを低減する必要のある装置全般に適用することができる。
【0073】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1ないしのいずれかに記載の半導体レーザ用高周波重畳回路によれば、発振回路部分は、増幅素子、インダクタおよびコンデンサを含むコルピッツ発振回路を構成し、発振回路部分に含まれるコンデンサがインピーダンス整合回路部分の少なくとも一部の構成部品を兼ねるようにしたので、機能や特性を損なうことなく、半導体レーザ用高周波重畳回路の小型化および低コスト化が可能になるという効果を奏する。
【0074】
また、請求項記載の半導体レーザ用高周波重畳回路によれば、発振回路部分は、更に、直流電力入力端より直流電力が供給されて増幅素子に対して直流バイアスを与えるバイアス回路含み、バイアス回路は複数の抵抗を含み、そのうちの一部の抵抗は、発振回路部分の発振出力の出力端と直流電力入力端との間に配置されて、発振周波数成分が直流電力の供給路に漏洩することを阻止する機能を併せ持つようにしたので、部品点数を増やすことなく、発振周波数成分が直流電力の供給路に漏洩することを防止できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る高周波重畳回路の構成を示す回路図である。
【図2】コルピッツ発振回路の基本構成を示す回路図である。
【図3】バイアス回路の動作を説明するための回路図である。
【図4】高周波重畳モジュールを組み込んだ光ピックアップの一例を示す斜視図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る高周波重畳回路の構成を示す回路図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態に係る高周波重畳回路の構成を示す回路図である。
【図7】従来の高周波重畳回路の構成の一例を示す回路図である。
【符号の説明】
1…電源端子、2…電源端子、3…グランド端子、10…高周波重畳回路、11…発振回路部分、12…インピーダンス整合回路部分、LD…半導体レーザ、Q1…トランジスタ、R1,R2…抵抗、L1,L2…インダクタ、C1〜C4…コンデンサ。

Claims (4)

  1. 半導体レーザへの供給電流に高周波電流を重畳する半導体レーザ用高周波重畳回路であって、
    高周波電流を発生させるための発振回路部分と、半導体レーザとのインピーダンス整合のためのインピーダンス整合回路部分とを含み、
    前記発振回路部分は、増幅素子、インダクタおよびコンデンサを含むコルピッツ発振回路を構成し、発振回路部分に含まれるコンデンサが前記インピーダンス整合回路部分の少なくとも一部の構成部品を兼ねていることを特徴とする半導体レーザ用高周波重畳回路。
  2. 前記発振回路部分は、更に、直流電力入力端より直流電力が供給されて前記増幅素子に対して直流バイアスを与えるバイアス回路含み、
    前記バイアス回路は複数の抵抗を含み、そのうちの一部の抵抗は、前記発振回路部分の発振出力の出力端と前記直流電力入力端との間に配置されて、発振周波数成分が直流電力の供給路に漏洩することを阻止する機能を併せ持つことを特徴とする請求項記載の半導体レーザ用高周波重畳回路。
  3. 前記バイアス回路は自己バイアス回路を構成することを特徴とする請求項記載の半導体レーザ用高周波重畳回路。
  4. 前記半導体レーザは光ピックアップに用いられるものであることを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の半導体レーザ用高周波重畳回路。
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