JP3713055B2 - 3次元lsi形状シミュレーションシステム - Google Patents

3次元lsi形状シミュレーションシステム Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、CAD(Computer Aided Design)の分野に係り、特に、3次元ソリッドモデリングを用いて集積回路の製造をシミュレートする方法に関する。
【0002】
なお、本明細書の記述は本件出願の優先権の基礎たる米国特許出願07/903,983号の明細書の記載に基づくものであって、当該米国特許出願の番号を参照することによって当該米国特許出願の明細書の記載内容が本明細書の一部分を構成するものとする。
【0003】
【従来の技術】
集積回路製造のコンピュータシミュレーションは、一般に、プロセスシミュレーションと呼ばれている。プロセスシミュレーションは、集積回路を設計、製造する上で価値のある手段である。これは、設計時間の節約、実験と製造コストの減少といった利点をもっている。プロセスシミュレーションは、実際には、製造過程における一連のデポジション(すなわち物質を堆積すること)、エッチング(すなわち物質を除去すること)、リソグラフィ、その他のプロセスステップの半導体ウェハへの効果を決定するという作業をともなっている。大まかにいえば、プロセスシミュレーションは、トポグラフィシミュレーションとバルクプロセスシミュレーションとに大別される。トポグラフィシミュレーションは、デポジション、エッチング、およびリソグラフィのようなプロセスステップとともに用いることができ、主に、半導体ウェハを含む物質の形状変化に関わるものである。バルクプロセスシミュレーションは、拡散、イオン注入および酸化といったようなプロセスとともに使用することができ、主に、半導体素子中でのドーパント不純物の再分配に関するものである。酸化は、実際には、形状にもドーパント不純物の分配にも影響する、中間事項である。
【0004】
プロセスシミュレーションの応用の一つは、ウェハ構造のコンピュータ表現を創り出し、他の分析プログラムで使用できるようにすることである。このような分析プログラムは、これによって、電気特性、温度特性、機械特性などの、素子の特性を計算することができる。
【0005】
半導体素子の設計において、素子を正確に動作させるものは、得られた構造の形状と組成である。半導体ウェハを含む各層を製造過程において見ることができるのは、不都合な形状とか結果を識別する上で有効である。たとえば、ある層のエッチングが深過ぎて次の層を露出してしまうような場合、この不都合は目視によって容易に検出できる。これによって、高価で時間のかかる他のウェハ製造および検査方法を避けることができる。そのうえ、コンピュータシミュレーションは、電子顕微鏡でしか見られないようなものを、見ることができるようにしてくれる。
【0006】
トポグラフィシミュレーションは、異なったプロセス技術の各ステップ中に、さまざまな形状が生じてくるという事実によって、複雑なものとなる。図1(a)〜(c)は、凹凸面界面で作られるさまざまな形状を示している。凸面界面とは、面の外サーフェスが180度より大きいものをいう。凹面界面とは、面の外サーフェスが180度よりも小さいものをいう。図1(a)を参照すると、形状102を有する原物質が、等方性エッチングプロセスステップを経て形状101となる。形状102の頂点103および104は、2つの面の凹面交差に位置している。これらの面は、頂点103および104において90度の角(すなわち鋭角)をなしていることに注意されたい。この凹面界面が等方性エッチングプロセスを経た結果できた界面、すなわち点105および106は、形状101で示すように丸くなっている。しかしながら、形状102の凸面交差点107および108を、形状101のそれらの対応点109および110と比較すると、90度(鋭角)エッジが保たれていることが分かる。
【0007】
図1(b)は、等方性デポジションプロセスステップにおける形状変化を示す。形状122の頂点125および126は、2つの面の凹面交差に位置している。これらの面は、頂点125および126において90度の角(すなわち鋭角)をなしていることに注意されたい。この凹面界面が等方性デポジションプロセスを経た結果できた界面、すなわち点123および124は、形状121で示すように90度(鋭角)エッジを保っている。しかしながら、凸面交差点129および130を、それらの対応点127および128と比較すると、丸いエッジとなることが分かる。
【0008】
図1(c)は、スパッタエッチングの結果作られる形状を示している。スパッタエッチングでは、エッチング速度は、エッチング粒子(etching particle)の軌跡方向に対するサーフェスの向きに依存する。サーフェスの向きが45度から80度の範囲で、エッチング速度が最大となるのが普通である。それはともかく、形状141をもつ物質へのスパッタエッチングによって、新しい形状142をもつ物質が得られる。とくに興味深い点は、面143および144が、面145および146によって示すように、曲げられてやや丸くなるという事実である。これは、面141の各部に当たるエッチング粒子のエッチング速度の角度依存性によるものである。これによって、図に示すような形状142ができる。
【0009】
正確にシミュレートしなければならないウェハの他の条件は、ボイド(void)である。ボイドは、デポジションプロセスステップ中で発生する。この種のボイドが図1(d)に示されている。図1(d)において、メタル線150は、酸化膜デポジションによって次の層から分離されるべきものである。このデポジションは、連続して何層かにわたって行われるが、ここではこれらの層は151,152および153として示されている。層151と152の間に、ボイド154ができる。ウェハ中にボイドが無いことが望ましい。たとえば、製造過程において、ボイドはガス蓄積源になり、それが後ほど開放されてウェハの一部を破壊するおそれがある。
【0010】
2次元プロセスシミュレーションは、技術上周知であり、広く用いられている。この種の従来技術による2次元プロセスシミュレーションツールとしては、SUPREM(スタンフォード大学から入手可能)、およびSAMPLE(カルフォルニア大学のバークレー校から入手可能)がある。しかしながら、2次元プロセスシミュレーションが所望のシミュレーション結果をすべて与えるわけではない。たとえば、回路の小型化が進むにつれて、2次元プロセスシミュレータは、ある種の形状(features)、たとえば、穴の回りの形とか、メタル線の交差点とかの形状を、正確に予測する能力に欠けていることが分かってきた。より正確で完全なシミュレーション結果を得るためには、3次元プロセスシミュレーションが望ましい。
【0011】
3次元プロセスシミュレーションツールは、技術上周知である。このような3次元プロセスシミュレーションツールのひとつは、Oyster system である。Oyster system は、IBM社で内部的に使用されているプロセスシミュレーションツールであり、題名が、"OYSTER :3次元構造としての集積回路の研究", G.M. Koppelman and M.A. Wesley, IBM Journal of Research and development 276, NO.2, 149 - 163 ページ(1983) という記事に詳しく説明されている。Oysterシステムは、ソリッドモデリングのより一般的な概念に基づいている。Oysterシステムにおいては、形状モデルは、ソリッドとして、ウェハの形状を含む物質を表している。形状は、幾何学的な演算(すなわちブール集合演算)を用いることによって、変化させることができる。Oysterシステムは、シミュレーションのための基本演算およびデータ構造を与える、一般的なソリッドモデリングツールを基本として構成される。
【0012】
Oysterシステムは、幾何学的オブジェクトを形造るために、累積並進掃引(Cumulative Translational Sweep: CTS) の理論構成を使用している。CTSは、ブール集合演算と組み合わせて使用され、幾何学的オブジェクトの境界領域上の太らせと細らせとをシミュレートする。Oysterシステムのこの手法(aspect)は、CTS法と呼ばれ、以下の題名の刊行物に詳しく説明されている。"Shaping Geometric Objects by Cumulative Translation Sweeps", R.C. Evans, G. Koppelman, V.T. Rajan, IBM Journal of Research and Development, pgs. 343-360, Volume 31, No. 3, May 1987 、および米国特許 No. 4,785,399, "Shaping Geometric Objects by Cumulative Translational Sweeps"
上述したように、CTS法は、シェーピング多面体(またはシェーピングオブジェクト)を用いて、ソリッドオブジェクトの多面体表現の境界領域上に演算を行う。CTS法で要求されることは、多面体をゾーントープのポリトープファミリーから形成するという点である。一般的に、CTS法は、次のようなステップを用いたサーフェス移動を与える。
【0013】
1.(シェーピング多面体を形成する)並進ベクトル(translation vectors) の集合を定義する。これらのベクトルは、所望のサーフェス移動の特性を示している。
【0014】
2.並進ベクトルに沿って、原オブジェクトをスイープし、原オブジェクトを含む中間ソリッドをつくる。並進ベクトルが一つしかない場合は、これが新しいソリッドになる。
【0015】
3.残りの並進ベクトルに沿って、前の中間ソリッドをスイープする。
【0016】
CTS法は、並進ベクトルに沿ってオブジェクト全体を一度にスイープする。このため、CTS法は、場所毎に変化するエッチング速度やデポジション速度をともなうプロセスステップのシミュレーションを与えるものではない。場所よって変化するプロセスステップの一例は、スパッタデポジションである。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
3次元トポグラフィシミュレーションに対して、ソリッドモデリングアプローチを使用することは、一般的な市販の3次元ソリッドモデリングシステムを利用できることから、望ましいことである。しかしながら、このようなシステムにおけるソリッドのデータ表現は、正確で効果的なトポグラフィシミュレーションに必要な構造を作成しかつ処理するには、理想的なものとはいえないであろう。特に、隣接した物質を表現するためのデータ構造は、一般に、利用できない。
【0018】
(エッチングまたはデポジションのシミュレーションで起きる)サーフェス変形を扱う現在の技術も、また、理想的なものとはいえない。たとえば、ソリッドを表すために、境界表現モデルがよく使用される。このような表現は、そのソリッドの境界が交差する場合、すなわち、表現が自己交差となる場合には、役に立たない。この表現は、プロセスステップ中に再形成される場合にも、役立たなくなることもあろう。このような無効表現によって、正確なシミュレーション結果を作り出せなくなり、ソリッドモデリングシステムによるそれ以上の処理には意味をもたなくなるであろう。
【0019】
3次元トポグラフィシミュレーション用の、他の数種のモデリング技術が技術的に周知である。すなわち、光線追跡モデル、セルモデル、ネットワークモデル、拡散モデルおよびストリングモデルである。光線追跡モデルは、今のところホトリソグラフィプロセシングステップに使用されているだけなので、ここではその詳細は省略する。
【0020】
セルモデルは、3次元デポジションおよびエッチングシミュレーションで使用されている。しかしながら、セルモデルは、曲面を十分に表現できないことが分かっている。ネットワークモデルは、セルモデルの改良であり、サーフェスの各点がサーフェス4面体セルの各エッジ上で定義される。拡散モデルも、やはり、セルモデルの改良であり、サーフェスを定義するのに集中輪郭線(concentration contour) を使用している。しかしながら、ネットワークモデルも、拡散モデルも、セルモデルと同様、プロセスステップ中に生じる曲面を正確に扱うことは、困難であることが分かっている。
【0021】
ストリングモデルもまた、優秀なアプローチであるが、無効自己交差構造を作り出すことが多い。このような自己交差構造を修正する技術も開発されているが、非常に複雑なものである。
【0022】
トポグラフィシミュレーションツールの他の考察事項は、プロセスシミュレーション環境の他の構成部分とのコンパティビリティの問題である。上述したように、トポグラフィシミュレーションは、プロセスシミュレーションの1つの構成部分に過ぎない。よく調和したプロセスシミュレーション環境を造るためには、プロセスシミュレーション環境が、全体として改良されるように、トレードオフがなされなければならない。このような改善は、プロセスシミュレーション環境の構成部分の一つを損なうようなものかもしれない。
【0023】
本発明の目的は、CTS法の限界を対処する、3次元トポグラフィシミュレーションツールを提供することである。さらに、本発明の他の目的は、プロセスシミュレーション環境の他の構成部分とよく調和する、ソリッド表現を作製することである。
【0024】
【課題を解決するための手段】
3次元トポグラフィシミュレータで頂点の移動を正確に計算するシステムが開示されている。その方法は、エッチング/デポジションレートがサーフェス法線ベクトルと垂直方向の間の角度に依存する場合の頂点移動計算に特に良く適合する。対象物は物質ソリッドの集まりとして表されている。その物質ソリッドは、それぞれ、頂点、辺、および面を含むバウンダリモデル表現を有する。本発明のシステムは、製造プロセスステップを行うとき、対象物の変形をシミュレーションし、前記対象物が複数の物質ソリッドとして表され、該シミュレーションにおいて前記対象物のソリッドはそれぞれ辺、サーフェス平面、頂点を含む表現を有し、前記対象物のソリッドの表現をソリッドモデルとして記憶する記憶手段(図2の207)を有し、前記製造プロセスステップに応じて、前記記憶手段に記憶されたソリッドモデルを使用して頂点の移動を計算するシステムにおいて、
a)前記頂点ポイントに近接する前記ソリッドモデルのサーフェス平面および辺を前進させる手段と、(図23の1420)
b)当該前進させたサーフェス面の中から前記頂点ポイントに隣接する前記サーフェス平面を切り取り、当該切り取られた一連のサーフェス平面の形態の2次元解の集合を生成する手段と、(図23の1421)
c)当該生成された2次元解の集合の中の2次元解対を合成して2次元合成解を生成する手段と、(図23の1422)
d)当該生成された2次元合成解の交差点を見付け出す手段と、(図23の1423)
e)当該見つけ出された交差点に基づき前記2次元合成解の無効セクションを切り取る手段と、(図23の1424)
f)全2次元解対に対して手段c)ないし手段e)の処理を繰り返し、切り取られた2次元合成解の集合を生成する手段と、(図23の1425)
g)前記頂点ポイントで前記2次元合成解の各サーフェス平面と交差する任意の垂直面を構成する手段と、(図23の1426)
h)前記頂点ポイントに対して2次元法により頂点軌道を構成する手段と(図23の1427)、
i)前記2次元合成解と前記構成された垂直面との交差するところで頂点軌道を切り取る手段と(図23の1428)
備えたことを特徴とする。
()部は実施形態の対応箇所を示す。
【0025】
【実施例】
VLSI(very large scale integration)が製造されているときのVLSIウェハの形状の変化をシミュレーションする方法が開示されている。特に、本発明は、サーフェス移動掃引方法に関する。サーフェス移動掃引は、ソリッドが変形する間に、内部に交点を有する(self-intersecting) 構造が生成されるのを回避する技法に適用する。本発明に係る好ましい実施例の他の新規な態様が記述され、同時係属の出願で特許請求されている。同時係属の出願としては、"Particle Flux Shadowing For Three-Dimensional Topography Simulation","Solids Surface Grid Generation for Three-Dimensional Topography Simulation","Generalized Solids Modeling For Three-Dimensional Topography Simulation","Surface Sweeping Method For Surface Movement In Three-Dimensional Topogaphy Simulation","A Method for Efficient Calculation of Vertex Movement for Three-Dimensional Topography Simulation","Boolean Trajectory Solid Surface Movement Method"がある。これらの出願はまだ出願番号が付されていないが、本発明の出願人に譲渡されている。好ましい実施例では、半導体装置の製造で用いられるような、等方性および異方性デポジションおよびエッチングプロセスステップを取り扱っている。他の製品、例えば、マイクロマシーンを製造するコンテキストで本発明を用いることは、当業者にとって当然である。任意の製品製造プロセスを、VLSIタイプの製造技法を用いて、本発明に係る好ましい実施例によりシミュレーションすることができる。
【0026】
次に、本発明を充分に理解できるようにするため、ブール演算の効果等のような特定の説明を多数詳細に行う。しかし、このように詳細に説明したものは当業者にとって公知であり、かつ、本発明をこのような特に詳細な説明を用いることなく実施することができることは当業者にとって当然である。他の例では、周知の機能、例えば、一般的なソリッド生成は本発明を不必要に不明瞭にしないために説明しなかった。
【0027】
好適な実施例におけるコンピュータシステムの概要
好適な実施例の方法は、3次元(3次元)グラフィックをサポートするものならば、いかなる市販のコンピュータシステムの上でも実施できるであろう。好ましくは、本発明は、カリフォルニア州マウンテンビューのSilicon Graphics Corporationから市販されているIRISワークステーション、あるいはニューヨーク州アーモンクのIBM Corporation から市販されているRS/6000ワークステーションのようなマイクロコンピュータ上で実施される。もちろん、本発明は、マルチユーザシステム上でも実施することもできる。ただしこの場合は、それらのマシーンの価格、速度および機能上の利点と欠点とをすべて受けることになる。
【0028】
図2を参照して説明すると、好適な実施例によって使用されるコンピュータシステムは、一般に、情報を伝送するバスなどの伝送手段201と、情報を処理するためにバス201と結合されたプロセッサ202と、このプロセッサ202のための情報と命令とを記憶するためにバス201に結合されたランダムアクセスメモリ(RAM)または他の記憶装置203(一般に主記憶と呼ばれる)と、プロセッサ202のための固定情報と命令とを記憶するためにバス201に結合されたリードオンリメモリ(ROM)または他のスタティックな記憶装置204と、情報および命令を記憶するためにバス201と結合された、磁気ディスクおよび磁気ドライブのようなデータ記憶装置207と、プロセッサ202へ情報およびコマンド選択を転送するためにバス201に結合された、英数字や他のキーを含むキーボードなどの、英数字入力装置205と、プロセッサ202へ情報およびコマンド選択を転送したり、カーソルの移動を制御するためにバス201に結合された、マウス、トラックボール、カーソル制御キーなどの、カーソル制御装置206と、表示装置208とを備えている。この表示装置は、プロセスシミュレーションステップの結果である3次元グラフィックイメージを表示できるものがよい。さらに、情報の永久的なコピーを与えるプリンタのようなハードコピー装置209を、このシステムが備えていればさらに好都合である。
【0029】
プロセッサ202は、次のような機能を提供する。すなわち、移動ベクトルおよび頂点移動の計算、平面の前進(advancement) 、ブール集合演算の実行、サーフェススイーピング、三角形化(triangulation) およびグリッド調整、およびパーティクルフラックスシャドーイング計算である。データ記憶装置207は、対象物の表現をソリッドモデルとして記憶する手段を提供する。このような機能およびソリッドモデル表現は、さらに詳しく後述されている。
【0030】
好適な実施例のトポグラフィモデリングの概要
本発明の好適な実施例は、公知のソリッドモデリング機能を拡張して、半導体装置の製造をシミュレートするものである(すなわち、プロセスシミュレーション)。ソリッドモデリングとは、伝統的に、CAD(計算機支援設計)ツールを意味し、ビルディングのような、本質的にほぼ静的な物理構造の、設計や組み立を容易にするものである。ここでは、ソリッドモデリング技法が拡張されて、何らかの外的刺激(たとえば、プロセスステップ)に応答して半導体ウェハ内の物質層に生じる、動的変形に適用される。
【0031】
一般のソリッドモデラは、普通、構造エレメントの集合としてソリッドを定義する。また、一般のソリッドモデラは、1以上の既存ソリッドを組み合わせることによって、新しいソリッドまたは再定義されたソリッドを作製する。ソリッドは、また、それを定義する頂点の移動によっても再定義されるであろう。好適な実施例では、ヘルシンキ工科大学から入手可能なGeometric WorkBench (GWB) が、一般のソリッドモデリングツールとして使用されている。しかしながら、他のソリッドモデリングシステムを使用しても、本発明の精神と範囲から逸脱するものではない。境界表現モデルの特徴(features)を利用するオブジェクトを特徴づけるソリッドモデラシステムならば、どのようなものでも、使用することができる。
【0032】
公知のソリッドモデラシステムを使用して、半導体ウェハの製造をシミュレートすることは容易ではない。なぜならば、これらのシステムは、半導体ウェハを含む複数の物質を十分にシミュレートし、記述することができないからである。好適な実施例は、好ましいソリッドモデラシステムに備えられた標準データ構造を補充することによってこの問題を扱っている。これについては、以下にさらに詳述する。さらに、好適な実施例は、半導体ウェハの形状の変化をシミュレートするために使用されるデータの生成を行う。
【0033】
VLSI構造の表現が、ソリッドの集合として、図3(a)に示されている。VLSI構造を形成する各物質は、前述した境界表現モデルを用いて、ソリッドとして表現されている。図3(a)において、第1のオブジェクトソリッド301は、たとえばシリコン層からなる基底層を表し、第2のオブジェクトソリッド302は、たとえば2酸化シリコン層からなる第2層を示す。最上層のサーフェス物質(オブジェクトソリッド302)の上のエアスペースもまた、ソリッドとして定義される。すなわち、エアソリッド303である。ウェハの形状の変形は、エアソリッドを変化させ、変化したエアソリッドと物質ソリッドとの間にブール演算を実行することによって、作り出される。
【0034】
製造過程において物質に生じた変形を表現するには、エアソリッドに属する頂点について、移動ベクトルを計算する。空間的に変化する処理工程が実行されるのに連れて、エアソリッドの頂点の移動ベクトルが変化するであろう。したがって、エアソリッドは、移動ベクトルによって変形されることになる。頂点についての移動ベクトルの計算法については、後でさらに詳述する。この処理の後、物質オブジェクトソリッドは、前述したブール集合演算を用いて再定義される。
【0035】
図3(b)は、好適な実施例のシステム構造の概要である。フロントエンドユーザインターフェース321は、ユーザがオペレーティングソフトウェアと通信する手段を提供するもので、このソフトウェアに本発明が具体化されている。フロントエンドユーザインターフェース321は、オペレーティングシステムやアプリケーションソフトウェアの役割(features)をユーザに提供するためのものである。
【0036】
ソリッドモデラシステム322は、トポグラフィシミュレーション中に使用される基本機能を備えている。このような機能には、ユーティリティ、データ構造、およびブール集合演算が含まれている。GWBユーティリティおよびブール集合演算は、境界表現モデルを前提としていることに注意されたい。このため、境界表現モデルデータ構造を補充することはできても、その構成(organization)は、変えることができない。境界表現モデルデータ構造およびブール集合演算については、後でさらに詳述する。
【0037】
サーフェス移動モジュール323、三角形化およびグリッド調整モジュール324、フラックスシャドーイングモデル325、およびグラフィックモジュール326は、ユーザインターフェース321とソリッドモデラシステム322との間に置かれている。サーフェス移動モジュール323は、移動ベクトルを計算するためにユーザから与えられる入力を取り込む。移動ベクトルは、各プロセシングステップをシミュレートするオブジェクトソリッドを変形するのに使用される。ソリッドサーフェス移動は、あとでさらに詳述する。三角形化およびグリッド調整モジュール324は、オブジェクトソリッドのフェースの一つを構成する多角形の形を変えるためのものである。後で詳述されるように、好適な実施例におけるオブジェクトソリッドの各フェースは、三角形で構成されている。フラックスシャドーイングモジュール325は、移動ベクトルを計算するのに使用される特定の機能を備えている。グラフィックモジュール326は、プロセスステップのシミュレーションで得られた最終構造を表示するための基本グラフィックルーチンを備えている。
【0038】
図4は、好適な実施例のトポグラフィシミュレータの動作フローを示している。好適な実施例においては、これは繰り返し処理であることに注意されたい。したがって、プロセスのシミュレーションが実行されると、それは、所定の時間間隔で繰り返し実行される(occurring in a time stepped fashion) 。まず、ステップ401で、ウェハのモデル(すなわちソリッド構造)が与えられる。モデルは、2通りの方法のいずれかによって与えられる。すでに構造が作製されている場合には、コンピュータメモリ中に、既存の構造をロードされる。既存の構造が2次元ならば、それはまず、3次元構造への変換を受ける。このような2次元から3次元への変換は、技術上公知である。ソリッドモデル構造がまだ作製されていない場合は、3次元ソリッドモデルを作製する。最初のソリッドモデル構造は、ソリッドモデラシステムによって備えられたユーティリティによって作製される。
【0039】
構造の各フェースは、三角形から構成されなければならないので、三角形化ステップ402が実行される。また、要求される精度(accuracy and precision)を実現するために、三角形は特定の大きさでなければならないため、ステップ403でグリッド調整が実行される。
【0040】
そして、プロセスの種類が同定され、それによって実行すべきブール演算の種類が決定される。プロセスステップがデポジションプロセスステップか否かの決定は、ステップ404で行われる。プロセスステップがデポジションプロセスステップでない場合はエッチングプロセスであり、この場合は、ステップ405において、原エアソリッドが変形され新エアソリッドが作製される。ついで、ステップ406aにおいて、新たに作製されたエアソリッドと、物質ソリッドとの間で、ブール集合差演算が実行される。また、ステップ406bにおいて、現在実行されているプロセスステップが、デポジションとエッチングの同時進行ステップか否かが決定される。デポジションとエッチングの同時進行プロセスステップならば、このプロセスステップのデポジション部がステップ408で実行される。それがデポジションとエッチングの同時進行プロセスステップでなければ、ステップ412で、ウェハの新ソリッド構造が表示される。ついで、ステップ413で、最終タイムステップが実行されたか否かが決定される。それが最終タイムステップならば、このプロセスステップのシミュレーションは終了する。
【0041】
このプロセスステップがデポジションの場合、ステップ407で、原エアソリッドが変形されて、新エアソリッドが作製される。デポジションとエッチングでは、エアソリッド変形が異なり、しかもこの変形は、実行中のプロセスステップに特有のものであることに注意されたい。いずれにしろ、新エアソリッドがひとたび作製されると、ステップ408において、原エアソリッドと新エアソリッドとの間にブール集合差演算が実行され、追加の物質ソリッドが作り出される。ついで、ステップ409で、この追加の物質ソリッドが新物質のデポジションであるか否かが決定される。それが新物質のデポジションでない場合、いいかえれば、既存の最上層の物質がさらに堆積されている場合、ステップ410において、原エアソリッドと原物質ソリッドとの間でブール集合和演算が実行される。これがひとたび完了すると、新ソリッドのタイムステップがステップ412で表示される。また、ステップ413で、最終タイムステップかがテストされる。
【0042】
デポジションが新物質のデポジションの場合、ステップ411において、追加物質ソリッドが新物質ソリッドに変換される。前と同様に、ステップ412で新ソリッドのタイムステップが表示される。また、ステップ413で最終タイムステップか否かのテストが行われる。
【0043】
ブール集合演算
ブール集合演算は、2つの既存のソリッド間の関係に基づいて、新ソリッドを作製したり、既存のソリッドを再定義したりするのに使用される。このようなブール集合演算は、1988年にComputer Science Pressから出版された、Mantyla 著"An Introduction to Solid Modeling" に記載されている。図5(a)〜(c)は、好適な実施例における1対のソリッドに対するブール集合演算の作用を例示する。図5(a)〜(c)は、2次元で示してあるが、同様のブール集合演算が、任意形状の3次元ソリッドに対しても作用するということは、当業者には明らかであろう。このようなブール集合演算は、技術上知られているので、その機能がどのように行われるかは説明する必要はないであろう。むしろ、関心があるのは、それらの効果であろう。しかしながら、この好適な実施例では、次のことに注意されたい。すなわち、原オブジェクトソリッドの定義は、ブール演算の実行後、保存されるか、破棄されるかのいずれかである。好適な実施例では、ある場合は、原オブジェクトは破棄され、物質ソリッドの一つが「変形」される。すなわち、新たに作製されたソリッドとして再定義される。他の場合には、全く新しいソリッド物質が作製される。
【0044】
図5(a)は、和演算を例示している。ソリッド501・Aと、ソリッド502・Bとが和演算で結合され、503・Cで示されるようなソリッドが再定義され作製される。和演算においては、結果ソリッドは、ソリッド501・A、および502・Bによって定義される全エリアから成り立つ。再定義されたソリッド503・Cは、同一の空間を占める単一のソリッドである。
【0045】
図5(b)は、積演算を例示している。ソリッド501・Aとソリッド502・Bとの積がとられると、その結果は、再定義されたソリッド504・Dである。積演算は、ソリッド501・Aと502・Bに共通な点だけからなる、再定義されたソリッドを作り出す。
【0046】
図5(c)は、ブール差演算を例示している。ソリッド501・Aからソリッド502・Bのブール差をとると、再定義されたソリッド505・Eは、ソリッド501・Aのエリアで、ソリッド502・Bと共通でない部分である。
【0047】
図4のところでいったように、好適な実施例のシミュレーションステップは、エアソリッドの組立と、それに引き続いて行われる、ブール集合演算を用いた、エアソリッドと1以上の物質オブジェクトソリッドとの組合せとからなっている。
【0048】
ソリッドの内部表現とデータ構造
好適な実施例の物質とエアソリッドは、多面体として表現される。ソリッドを多面体として表現することは、3次元グラフィックスの技術で既に知られている。多面体表現が使用されるのは、隠面消去やシャドーイングのような機能に対する充分な情報を備えているからである。多面体表現は、普通、2次元多角形の集合から作られる。そこでは、1以上の多角形が多面体のフェースを構成している。
【0049】
好適な実施例のシステム内では、多面体は、境界表現モデルを用いて表現される。好適な実施例で使用される境界表現モデルは、ハーフエッジモデルと呼ばれ、1988年にComputer Science Pressから出版されたMantyla 著 "An Introduction to Solid Modeling" に説明されている(Cプログラム言語による基本データ構造の定義は、163-170 ページに書かれている)。いずれにせよ、図6は、好適な実施例における、ソリッドの、基本データ構造と、基本データ構造の拡張とを例示している。オブジェクトは、構造要素の階層として定義されている。好適な実施例で定義される基本構造要素は、ソリッド構造601,フェース構造602,エッジ構造603,頂点構造604,ループ構造605およびハーフエッジ構造606を含んでいる。ソリッド構造601は、主として、他の構造要素への入口である。これは、ソリッド識別子と複数のポインタとを含んでいる。これらのポインタは、ソリッドを定義する基本的な構造要素のリストを指している。ポインタは、データを参照するために使用される、周知のデータタイプであることに注意されたい。よって、ポインタに関するこれ以上の説明は不必要であろう。
【0050】
各ソリッドに対しては、複数のフェース構造要素が定義されるであろう。フェース構造602は、ダブルリンク (doubly linked list) されたリストとして構成されている。フェース構造602は、ソリッド構造へのポインタ、外側ループ、前フェースおよび次フェース、およびループリストへのポインタを含んでいる。外側ループは、フェース構造の外側境界を定義する。Mantyla の文献で定義されているように、フェース構造は、ポインタ617を含むように補充される。ポインタ617は、隣接ソリッドの隣接フェース構造609を指すものである。隣接フェース構造609は、フェース構造602を指し返すポインタをもっていることに注意されたい。この種の対応フェースは、たとえば、ある物質が他の物質の上にデポジットされるときに生じる。
【0051】
エッジ構造603は、ハーフエッジ構造606および隣接エッジ構造610へのポインタを含んでいる。1エッジは、2つのハーフエッジからなっていることに注意されたい。頂点AとBとの間のエッジを仮定すると、第1のハーフエッジは、AからBへ走るエッジとして定義される。第2のハーフエッジは、BからAへ走るエッジとして定義される。ハーフエッジの種類を区別する必要性は、ループを説明することによって、もっと明確になるであろう。隣接エッジ構造リスト610は、隣接ソリッドにおける隣接エッジのリストであり、その使用法は、隣接フェース構造609に類似している。
【0052】
頂点構造604は、ある座標系における頂点ポイントの座標、およびそれに対応するハーフエッジ(頂点がその端点である)を指すポインタ、次頂点および前頂点を含んでいる。エッジ構造603と同様に、頂点構造604もまた、隣接頂点構造リスト607を指すポインタ616を含むように補充される。隣接頂点構造リスト607は、頂点ポイントおよびそれに対応するソリッド識別子の、リストである。
【0053】
ループ構造605は、ハーフエッジのリストへのポインタ、前ループ、次ループ、およびループを含むフェースを備えている。2種類のループが存在する。内側ループと外側ループである。上述したように、外側ループは、フェースの外側境界を定義する。外側ループとは、外側ループを時計方向に定義するハーフエッジのリストである。内側ループはフェース内の孔を定義する。内側ループとは、内側ループを反時計方向に定義するハーフエッジのリストである。ループ構造の内容から明らかなように、ループは、ダブルリンクされたリストとして維持される。これによって、リスト内における横断(トラバース)が容易となる。
【0054】
ハーフエッジ構造606は、親エッジへのポインタと、開始エッジと、当該ハーフエッジが含まれるループと、前ハーフエッジと、次ハーフエッジとを含んでいる。ハーフエッジ構造もダブルリンクされたリストとして維持される。
【0055】
最後に、物質情報構造608は、ソリッドオブジェクトサーフェス移動を決定するのに使用される情報を含む。ソリッド構造601は、物質情報構造608へのポインタ615を含んでいる。特徴パラメータ情報の必要性と使用については、移動ベクトルの計算に関係させて、さらに詳細に説明する。
【0056】
追加された構造608,609とポインタ615,617の種類とは、ソリッドモデリングの演算に何等の影響も及ぼさない。それは、ポインタは、変形計算が実行された後で再生成できるからである。したがって、周知のソリッドモデリング演算を、変更することなく用いることができる。
【0057】
多物質/多層ソリッド構造の例
図7(a),(b)は、多物質/多層ソリッド構造を例示している。図7(a)は、代表的なウェハで生じるような、すべての物質が連結された構造を示している。図7(a)において、シリコンソリッド701は、基底層である。酸化層702は、第2層であり、この層には、金属層704がシリコン層701と接触するための孔が画定されている。最後に、エア層705は、この構造の最上層である。図7(b)によってさらに明らかになるが、物質層は、1以上のソリッドから構成してもよい。ここで、酸化層702は、複数ソリッドから構成される。図7(b)には、半導体ウェハの構造例が示されている。図7(b)は、好適な実施例のデータ構造で与えられた隣接物質間の関係を示している。第1に、エア層705は、金属層704のフェース707に隣接するフェース706を定義する。さらに、エア層705は、金属層704によって定義される頂点709に隣接する頂点708を定義する。これらの各構造は3次元なので、一つの頂点が2以上の隣接頂点をもつこともある点に注意されたい。
【0058】
また、エア層705と金属層704との隣接フェースおよび隣接頂点は、それぞれ同一であることにも注意されたい。多物質/多層構造の説明を矛盾なく容易行うためには、隣接フェースと隣接頂点とが、それぞれ同一であることが必要である。このことは、エアソリッドが同様の要請に服していることに注意すれば、容易に明らかになる。このように、ブール演算が実行される場合、一様の構造が比較される。
【0059】
新物質ソリッドが加えられると、前から存在しているソリッドに新フェースが追加されなければならない。これは、多物質境界が同一のフェース構造をもつという要請によるものである。さらに、新物質ソリッドが既存ソリッドと重なる場合は、この新物質ソリッドは、既存のソリッドにしたがわなければならない。すなわち、既存のソリッドが優先される。このことが、図8(a)に示されている。ここで、最初の物質ソリッド710、たとえばホトレジストが、既存の基板711に加えられる。デポジションステップの後では、最初の物質ソリッド710は、712で示されるような形をとるであろう。
【0060】
これらの要請を満たすために、ソリッドを加える技法が提供される。この技法は、2つのソリッド間の和演算に引き続いて、ブール集合差演算が行われた場合、境界領域は消去されるソリッドのフェース構造を保持するという事実に基づいている。この技法は次のように記述される。
【0061】
すべてのソリッドSiについてのループ:
1. 新ソリッド′=(Si U 新ソリッド)−Si
2. Si ′=(Si U 新ソリッド)−新ソリッド′
3. 新ソリッド=新ソリッド′
4. Si =Si ′
1および3行は、実際上、既存ソリッドのフェースパターンを新物質ソリッドの上に置くことである。変数「新ソリッド′」は、既存ソリッドのフェースパターンをもつから、2および4行は、そのパターンが既存ソリッド上にあることを確実にする。
【0062】
第2の考察事項は、エアソリッドの構造である。最初のエアソリッドは、対象物よりも大きいエアスペースを、明確に占める寸法を有するものとして定義される。エアソリッドは、まず、すべての既存ソリッドについてブール集合和演算を実行することによって、仮ソリッドを形成することによって、変更される。すべてのソリッドが相互に接触しているわけではないので、ブール集合和演算がすべてのソリッドについて成功するまで、ループを継続しなければならない。その後、最初のエアソリッドと仮ソリッドとの間で、ブール集合差演算を実行することによって、エアソリッドが作製される。
【0063】
三角形化およびグリッド調整
好適な実施例では、ソリッドのサーフェスは、三角形フェースで構成しなければならない。その理由は、以下のサーフェス移動の説明から明らかになるであろう。好適な実施例のソリッドモデラは、多角形フェースから構成されるサーフェスをもつソリッドを作製する。そこで、三角形フェース生成(グリッド生成)方法が提供される。
【0064】
多角形から三角形フェースを作製する方法は、たとえば Delauney のモザイク(tesselation) などで、技術的に公知である。しかしながら、好適な実施例の方法は、技術上公知なものよりもずっと簡単である。図9は、基本方法のフローチャートである。第1に、ステップ801において、ソリッド内に孔を作っている内側ループがすべて削除される。削除は、外側ループおよび内側ループに属する2頂点の間に、新しいエッジを挿入することによって行われる。このような内側ループを最初に削除しておくと、以後の処理が簡単化されることが分かっている。
【0065】
次に、ステップ802において、処理対象の多角形サーフェスの頂点と、多角形をループに沿って探索したときの、問題にしている頂点の次の次の頂点との間に、新エッジが挿入される。続いて、ステップ803において、この新エッジが多角形内部にあるか、あるいは多角形サーフェスによって定義される境界と交差するか、決定される。新エッジが多角形の外部にあるか、あるいは多角形サーフェスによって定義される境界と交差する場合は、この新エッジ候補は、ステップ804で放棄され、ステップ802において、他の新エッジ候補が挿入される。新エッジ候補が多角形サーフェスによって定義される境界内にある場合は、ステップ805において、その新エッジが多角形に加えられる。ステップ802〜806は、本質的に、多角形フェースを三角形フェースに分割する。次に、ステップ807において、すべてのフェースが三角形化されたか否かが決定される。そうでなければ、ステップ801〜806が、次のフェースに対して繰り返される。すべてのフェースが三角形化されたら、ステップ808でグリッド調整が実行される。
【0066】
図10(a)〜(e)は、三角形化方法の例を示す。図10(a)において、多角形フェースは、外側ループ821と内側ループ822とをもっている。上述したように、ループ構造は、ハーフエッジの環 (ring) を指すポインタを含むダブルリンクされた表である。上述したように、内側ループは、外側ループの頂点ポイントと内側ループの頂点ポイントとの間に新エッジを挿入することによって削除される。このような内側ループの削除が図10(b)に例示されている。ここでは、外側ループ821の頂点ポイント823と、内側ループ822の頂点ポイント824との間に新エッジ825が挿入されている。これによって、内側ループによって定義されたハーフエッジが、外側ループのハーフエッジの環の中に含まれる。
【0067】
上述したように、エッジ構造は、2本のハーフエッジからなる。よって、新エッジ825も2本のハーフエッジからなる。ハーフエッジを挿入するのは、(その外側ループがハーフエッジの環からなる)新多角形フェースの作製を、容易にするためである。新多角形がつくられると、ハーフエッジの一つは、新多角形に属し、他の1本が既存の多角形に属する。
【0068】
図10(c)において、多角形の頂点ポイント間、ここでは頂点ポイント827と828間に、新エッジ826が挿入されている。新エッジが残るためには、この新エッジが、多角形の境界(すなわち外側ループ)と交差しないということを確認しなければならない。外側ループが、内側ループのハーフエッジを含むので、新エッジ826は、多角形の境界と交差する。新エッジ826が多角形の境界と交差するので、新エッジ826は放棄される。
【0069】
図10(d)において、頂点ポイント827と824間に、第2の新エッジ829が挿入される。ここでは、新エッジ829は、外側ループのいずれのハーフエッジとも交差しない。さらに、三角形831が定義される。三角形831は、エッジ825,829および830のそれぞれによって定義されるハーフエッジの一方から構成される。三角形831はそれ自身、多角形フェースとなり、三角形化プロセスは、図10(e)に示す多角形832について、さらに続けられる。
【0070】
グリッド調整は、三角形のサイズを制限するために行われる。好適な実施例では、3つの条件がグリッド調整演算を引き起こす。これらの3条件は、以下の通りである。(1)一つのエッジが最大エッジ長を超える。(2)一つのエッジが最小エッジ長よりも短い。または、(3)三角形の高さが、あらかじめ定めた最小値よりも低い。図11(a)〜(f)は、これらの条件に応じて生じるグリッド調整演算を例示する。グリッド調整中には、いろいろな特殊条件や例外が生じることに注意されたい。このような特殊条件や例外は、ここでは説明しない。本発明を必要以上に分かりにくくするのを避けるためである。
【0071】
図11(a),(b)は、エッジが長い場合を示す。基本的に、長いエッジは2つのエッジに分割され、2本の新エッジが挿入される。こうして2つの新三角形が作られる。図11(a)において、エッジ901が長過ぎる。好適な実施例では、エッジ長が標準三角形のサイズの160%を超えたら、それは長過ぎるということになる。この標準三角形サイズは、プロセスシミュレーションへの入力で与えられることに注意されたい。長過ぎの判断に、異なるエッジ長許容値を選ぶことは、本発明の精神と範囲とから逸脱するものではない。図11(b)は、修正動作を示す。まず、新頂点ポイント902と、隣接頂点ポイント905および906を接続して、新エッジ903と904とをつくる。頂点ポイント905と906が選ばれたのは、それらが前に、エッジ901によって定義された三角形を定義するのに使用されたポイントだからである。
【0072】
図11(c),(d)は、短エッジの場合を示している。基本的に、短エッジは、隣接三角形を作るのに使用された2つのエッジとともに削除される。好適な実施例では、エッジ長が標準三角形サイズの少なくとも60%に満たないときには、それは短過ぎる。異なるエッジ長スレショールドを最小値として選択することは、本発明の精神と範囲とから逸脱しない。図11(c)は、頂点ポイント911および912と、エッジ913および914とを示している。図11(d)は、修正動作を示す。まず、短エッジ910が消去される。これによって、(図11(c)に示す)頂点ポイントの一つ、すなわちポイント911が削除され、同時に、2本のエッジ、すなわちエッジ913と914が削除される。頂点912は、前に頂点911を含んでいた複数の三角形の1つの頂点となる。
【0073】
エッジを削除すると、構造の細部が消去されることに、さらに注意されたい。交替エッジが削除されるたびに、原構造の形状を最も良く保つエッジが保存される。
【0074】
図11(e),(f)は、高さの低い三角形の例を示している。図11(e)において、三角形921の高さは、最小値より低い。好適な実施例では、三角形の高さが、標準三角形サイズの少なくとも28%に達しない場合は、高さが低く過ぎるとされる。これと異なる高さのスレショールドを最小値として選択することは、本発明の精神と範囲とを逸脱するものではない。図11(e)には、さらに、頂点ポイント922および923と、エッジ920とが示されている。図11(f)は、修正動作を示している。まず、三角形の一つのエッジが削除される。ここでは、エッジ920が削除されている。好適な実施例では、最長のエッジが削除される。次に、新エッジ924が、他の2つの頂点ポイント間、ここでは、頂点ポイント922と923との間にひかれる。頂点ポイントの間に新たな複数の三角形が作られるが、これらの頂点ポイントは、削除されたエッジに関わる三角形と関連する、頂点ポイントを調べることによって決定される。
【0075】
これらの規則は、次の順序で繰り返し実行される。(1)長いエッジを分割する、(2)短いエッジを削除する、および(3)高さの低い三角形に対して、エッジを削除したり加えたりする。すべてのスレショールド条件が満たされるまで、あるいは、繰り返し回数がある特定の最大値に達するまで、これらは実行される。
【0076】
このプロセスを通して、ソリッド構造に対して、頂点、フェースおよびハーフエッジの各追加構造が作製されるであろう。さらに、隣接頂点および隣接フェースの各構造も作られるであろう。このような構造の作製および既存ソリッド構造への統合 (integration) は、技術上公知である。また、物質界面では、フェース構造が同一でなければならないという要請を満たすために、上述した三角形化およびグリッド調整は、隣接物質構造に伝達されるという点にも注意されたい。
【0077】
サーフェス移動
サーフェス移動とは、物質オブジェクトソリッドの境界を定義しているサーフェスを、プロセスステップに応答して、移動することである。サーフェス移動は、エアソリッド(air solid )と、1以上の物質ソリッドとの間でブール集合演算を実行してシミュレートされる。サーフェス移動を決定する重要なステップは、エアソリッドの各頂点で移動ベクトルを発生することである。個々の変形の直接の対応物 (direct correspondents )は、移動ベクトルの方向と大きさとである。
【0078】
個々の頂点ポイントの、サーフェスに垂直な方向の、デポジション速度およびエッチング速度を決定するためには、3次元統一方程式が使用される。これと関連して、パーティクルフラックスシャドーイング計算も実行される。これが使用されるのは、移動ベクトル計算には、デポジションあるいはエッチング源の可視部分からの寄与のみが、含まれるようにするためである。次に、3次元平面モデルと呼ばれる複数の方法の中の一つを用いて、頂点ポイントについての実際の移動ベクトルを計算する。最後に、サーフェス移動スイーピング法を用いて、サーフェスの変形を起こす。好適な実施例のサーフェス移動スイーピング法は、無効な自己交差構造が生じるのを防止する。
【0079】
ブール集合演算を用いたデポジション
デポジションは、物質が加えられるプロセスステップである。これは、既存の物質ソリッドに加える形態、あるいは、まったく新しい物質ソリッドを与える形態のいずれかをとりうる。デポジションの場合、新物質ソリッドは、次のように定義される。
【0080】
【数1】
新物質ソリッド = 初期エアソリッド − 新エアソリッド
【0081】
【数2】
再定義物質ソリッド = 初期物質ソリッド U 新物質ソリッド
図12(a)〜(d)は、ブール集合演算を使用したデポジションの例を示す。図12(a)は、ウェハの初期状態を示す。最初に定義されたソリッドオブジェクトは、物質1001とエアソリッド1002のみである。図12(b)には、エアソリッド1002の再定義に基づいて、新エアソリッド1003が定義されている。この新エアソリッド1003は、後で詳述するように、ソリッドサーフェス移動技術を用いて定義される。いずれにせよ、図12(c)に示すように、エアソリッド1002と新エアソリッド1003との間で、ブール差をとることによって、新物質1004が定義される。
【0082】
図12(d)は、物質1001と物質1004とが同一物質である場合を示している。このような場合、ブール集合和演算が、物質1001と新物質1004との間で実行され、物質1005が作製される。一方、物質1001と1004とが異なる場合は、物質1004が別個の物質ソリッドとして残る。
【0083】
ブール集合演算を用いたエッチング
エッチングは、物質ソリッドの部分が除去されるプロセスステップである。エッチングの場合、再定義物質は、次のように計算される。
【0084】
【数3】
再定義物質ソリッド = 原物質ソリッド − 新エアソリッド
図13(a)〜(d)は、中間物質に孔を作製する場合のエッチング例を示す。図13(a)は、ウェハの初期状態を示す。物質1のソリッド1051は基底層であり、物質2のソリッド1052は最上層である。また、エアソリッド1053は、最上層1052の上の空気を表す。図13(b)において、新エアソリッド1054が、後で説明するサーフェス移動法を用いて作製される。この新エアソリッド1054は、物質2のソリッド1052を突き抜けて、物質1のソリッド1051の中にまで延びていることに注意されたい。
【0085】
まず、新物質1が定義されなければならない。図13(c)に示すように、原物質1・1051と新エアソリッド1054とのブール差演算がとられる。その結果、新物質1・1055が生じる。次に、物質2・1052への効果を示されなければならない。図13(d)に示すように、物質2・1052とエアソリッド1054とのブール差をとることによって、新物質2・1056が作製される。その結果、孔を定義する新物質2・1056が生じる。
【0086】
ブール集合演算を用いたデポジションとエッチングの同時進行
デポジションとエッチングが同時に行われる場合は、上述した2つの方法が連続して用いられる。演算はどのような順番でもよい。
【0087】
好適な実施例では、各計算は、タイムステップの形で実行される。したがって、個々のプロセス演算は、プロセス演算を実行する低速度撮影の1連の画面(シーケンス)として現れるであろう。
【0088】
3次元統一方程式
3次元統一方程式は、局部的なデポジション、エッチング、あるいはデポジションおよびエッチングの同時進行の速度、すなわち、サーフェス平面上の法線方向(トラジェクトリ)のサーフェス移動速度を計算する。3次元統一方程式は、2次元統一方程式から拡張される。基本概念とパラメータは、双方に共通である。したがって、2次元シミュレーションを用いた、2次元テスト構造(線およびスペース)の実験結果から抽出されたパラメータを使用して、複雑な3次元プロフィールをシミュレートすることができる。それによって、実験サンプルの3次元測定をしなくても、3次元結果を予測することができるであろう。このことは、3次元実験分析が2次元実験分析よりもはるかにむずかしいことから、好ましいことである。2次元測定と2次元でのパラメータ合わせ (parameter fitting)は、比較的容易であり、技術上で公知である。
【0089】
統一方程式は、デポジション反応およびエッチング反応を、等方性成分と複数の異方性成分の線形的な組合せとして扱う。この3次元統一方程式は、基本的に6パラメータをもっている(これは2次元統一方程式の場合と同様である)。3次元統一方程式は次の通りである。
【0090】
【数4】
Figure 0003713055
【0091】
ここで、Vは表面移動の速度、Aは等方性反応パラメータ、Bは垂直反応パラメータ、Cはスパッタリング収率 (yield) の角度依存反応パラメータ、Dは角度分布をもつ入射粒子の反応パラメータ、nは入射粒子の角度分布を与えるパラメータ、Eは反射および再デポジション反応パラメータである。さらに、∫visible は、「空」が見える立体角dΩにわたる積分を意味し、∫invisible は、「空」が見えない立体角dΩにわたる積分を意味する。2つの積分を区別する必要性は、以下のパーティクルフラックスシャドーイングに関して、より明らかになるであろう。
【0092】
3次元統一方程式の各角度変数の定義は、図14に例示されている。図14において、計算点1101は水平面1102上に存在する。方向を明確にするために、水平軸1103,垂直軸1104およびサーフェス法線1105が書き込まれている。角θS 1108は、サーフェス法線1105と垂直軸1104との間の角度として定義される。角ψS 1109は、水平軸と、サーフェス法線の水平面1102への投影である延長線1111との間の半時計方向の角度として定義される。さらに、粒子の入射方向を定義する粒子線1106が示されている。角θ1107は、垂直軸1104と粒子線1106との間の角度として定義される。角ψ1110は、水平線と、粒子線1106の水平面1102への投影との間の角度として定義される。
【0093】
移動ベクトルを計算するのに、他の方程式を使用することは、本発明の精神と範囲とを逸脱するものではない。異なる方程式の利用は、プロセスステップがどのように実行されるかという特異な特徴に依存するため、予期されるもの (anticipated) である。
【0094】
頂点移動の計算
本発明の好適な実施例は、頂点移動を計算するのに3通りの方法をとっている。第1の方法は、効率的方法と呼ばれ、迅速かつ近い近似結果を与えることを主眼としている。第2の方法は、高精度方法と呼ばれ、正確な結果を与えることを主眼としている。これら2方法は、互いに相反するものではなく、両方法を相補う形でいっしょに使用することも予期されることである。第3の方法は、エッチングプロセスステップが実行され、かつ移動中の頂点が、異なるエッチング速度の2ソリッドの界面にある場合を考慮している。
【0095】
この説明で、頂点ポイント (vertex points) とは、2以上のフェース(すなわち平面)に共通な点をさしている。エッジで交差する2フェースの関係は、凸または凹のいずれかとして特徴づけられることにも、注目することが重要である。一般に、2フェース間の角度が180度より大きいときには、その関係は凸であり、2フェース間の角度が180度より小さいときには、その関係は凹である。
【0096】
ここでは、また、頂点ポイントにおける各種の特徴的な形状は、種々のプロセスステップの結果として生じることに注目することも重要である。このような形状が、個々のプロセスステップの結果として生じることは、VLSI製造の当業者には公知の事柄である。いずれにせよ、当業者達は、好適な実施例の頂点移動方法の必要性を立証している。これらの特徴的な形状は、図1(a)〜(c)に例示されている。
【0097】
最後に、サーフェス法線角に依存するエッチング速度に対する頂点ポイント移動計算は、頂点が単独であるという事実、すなわち、この点では、サーフェス法線が定義できないという事実によって、難しくなるということに注意されたい。好適な実施例の方法は、この問題を扱うのに特に適している。以下に説明する計算は、ソリッドの各頂点ポイントに対し、かつ個々のタイムステップに対して行われるということにも注意されたい。実際のシミュレーションでは、これらの計算は、個々の頂点に対して多数回発生することもある。
【0098】
計算の効率的方法
3次元構造に関していえば、頂点は、1,2,3、あるいはそれ以上の平面によって囲まれていることに注目されたい。しかしながら、移動計算を実行するにあたって、効率的方法では、3以下の平面が選択/作製される。選択された3以下の平面は、個々の頂点の実際の構造を近似する。平面の選択/作製は、必要ならば、その頂点における異なる平面同士のなす角度を分析して行う。第1の方法は、エッジ削減法と呼ばれるもので、ほぼ同一平面である複数の平面をまとめるものである。まとめるプロセスは、3平面しか残らない状態まで繰り返される。
【0099】
第2の方法は、平面削減法と呼ばれ、移動後の構造に最小の影響しか与えない平面を同定し、それらの平面を以後の計算から除くものである。平面削減法は、一般に、次のステップをともなう。
【0100】
1.各平面を前進させて、各エッジと各平面との交差点をみつける。
【0101】
2.平面のエッジの交差点の数が最小となるような、平面をみつける。
【0102】
3.平面のエッジの交差点の数が最小となるような平面を省いて、頂点形状を再構築する。
【0103】
これらのステップは、3平面しか残らない状態まで繰り返される。
【0104】
図15(a),(b)および図16は、平面削減法を例示している。図15(a)は、頂点ポイント1201と隣接平面1202〜1205とを示している。2平面の交差がエッジを定義することを思い出していただきたい。よって、エッジ1206は平面1204と1205との交差であり、エッジ1207は平面1202と1203との交差であり、エッジ1208は平面1203と1204との交差であり、エッジ1209は平面1202と1205との交差である。上述したように、第1のステップは、各平面を前進させて、各エッジと各平面との交差点をみつけることである。これが図15(b)に示されている。図15(b)において、平面1202は、移動されて平面1216を作りだし、頂点ポイントは1211へ移る。同様に、平面1203,1204および1205は、移動されて平面1217,1218および1215を作りだす。このとき、対応する頂点ポイントは1213,1214および1210へ移る。
【0105】
まず、各平面が前進され、他の前進された平面とのエッジ交差点 (edge intersection points) が同定される。交差点が少ない平面ほど、最終ソリッド構造の形状変化への影響が少ないということが分かっている。この同定は図15(b)に例示されている。ここで、平面1215〜1218は、それぞれ、作製されたソリッドから拡張されたものとして示されている。この例において、平面1215は、そのエッジ上に2つの交差点(1211および1214)をもっている。また、平面1216および1217は、それぞれ1つの交差点(それぞれ1213と1214)をもっており、平面1218は交差点をもっていない。こうして、平面1218は削除され、平面1215,1216および1217が、この構造の代表平面として選択される。
【0106】
図16において、平面1204が削除されて、頂点形状が再構築される。これによって、新エッジ1219が作られる。このエッジ1219は、平面1203と1205との交差である。
【0107】
図17(a),(b)および図18は、3より少ない平面が選択された、面削減法の一例を示す。図17(a)において、頂点ポイント1230は、隣接平面1231〜1234をもっている。平面1231は、平面1232〜1234の背後にあることに注意されたい。上と同様に、各平面が前進される。この前進の結果が図17(b)に示されている。図17(b)は、前進された平面と、その結果生じた交差点とを示している。前進された平面1235は、図17(a)の平面1231に対応しており、移動された頂点1240と、交差点1241と1242とをもっている。前進された平面1236は、図17(a)の平面1232に対応し、移動された頂点1241をもつが、交差点はもたない。平面1238は、図17(a)の平面1234に対応し、移動された頂点1242をもつが、交差点はもたない。平面1237は、図17(a)の平面1233に対応し、移動された頂点ポイント1239と交差点1241および1242をもつ。平面1236および1238は、交差点をもたないから、前進された最終構造に与える影響は小さい。
【0108】
図18において、平面1232および1234を省略して、頂点形状が再構築されている。ここで、結果として得られた、隣接頂点を含む平面は、1231と1233である。平面1231と1233との間には、エッジ、すなわち交差がないことに注意されたい。このような結果は予期されるもので、計算の結果を乱すものではない。
【0109】
ひとたび、3平面が構築/生成されたら、頂点移動は、頂点ポイントおよび隣接エッジの特徴を同定し、その結果によって行われる。頂点ポイントは、安定か不安定か、サドル点か非サドル点か、が同定される。エッジは凹か凸かが決められる。頂点ポイントが安定とされるのは、その頂点に隣接する前進フェースの交差点が、前進頂点と同じ場合である。いいかえれば、前進頂点が、初期頂点と1対1対応をしている場合である。これは、鋭角隅 (sharp corner) を生じる。不安定な頂点は、前進頂点と1対1対応をもたない。初期頂点は、不安定頂点に関して多くの頂点を作るので、その結果、丸い隅が生じる。頂点ポイントがサドル点と同定されるのは、この頂点ポイントに隣接するエッジが、全部凹となるか、あるいは全部凸となる関係をもたないときである。逆に、頂点ポイントが非サドル点となるのは、この頂点ポイントに隣接するエッジが、すべて凹となるか、すべて凸となるかの関係を有するときである。
【0110】
好適な実施例の方法が図19のフローチャートに示されている。この方法の実行中に、実際には作られないいくつかの点や、それに対応する粒子線について説明することもあろうが、これらは、この方法を説明する上で有益であることに注意されたい。考察する頂点ポイントは、点Aであると仮定する。まず、ステップ1301において、単位ベクトルが計算される。単位ベクトルは、3平面のそれぞれの法線ベクトルの平均として定義される。説明の便宜上、単位ベクトルの反対方向に(単位ベクトルから180度の方向に)、点Rが投影されているものとする。そして、頂点ポイントAから点Rに線ARがつくられる。線ARを作る理由は、観測点から発する平行線をつくる手段を用意するためである。
【0111】
ついで、ステップ1302で、観察点Qが決定される。ほとんどの場合、上述した3次元統一方程式で決められた量だけ、各平面が前進(あるいは移動)されて、観察点が決定される。観察点Qは、3平面の交差点として定義される。3平面は1点で交差するだけであることに注意されたい。頂点ポイントが不安定(unstable:プロセスの進行によって角がとれて丸くなること)で、かつサドル点である場合は、観察点Qは、移動ベクトルの先端として定義される。この移動ベクトルの方向は、不安定な共通でないエッジ(すなわち、単独の凹または凸エッジ)を形成する2つの平面について、第3の平面に沿う2つの同種のエッジのエッジベクトル(すなわち、2つの凹エッジまたは2つの凸エッジ)の平均方向として定義される。これは、好適な実施例では、この移動ベクトルの大きさは、1989年5月に Symposium of VLSI Technology の24頁に発表された、S. Tazawa, et al., "the 2-D DEER calculation for the two planes forming the first unstable edge"という記事に記載された2次元計算から引かれている。第1パス観察方向が、ステップ1303で、決定される。第1パス観察方向は、それぞれのフェース対の関係、すなわち、凸か凹かに依存する。表Aは、さまざまな関係と、それに対応する、第1パスおよび第2パスでの観察方向とを示す。
【0112】
【表1】
Figure 0003713055
ステップ1304において、観測点を始点とし、第1観測方向を方向とする観測ベクトルを定義する。再び、この方法の説明の便宜上、点Pが投影され、線ARに平行な線QPをつくるものと仮定する。頂点ポイントが安定な状況では、点Aの移動先は、線ARに沿った箇所であろう。「線QP」という用語は、観測ベクトルと同意語であり、同一物を指すことに注意されたい。この方法の残りの部分は、頂点ポイントAが、線QPに沿ったどの箇処に移動するかを、正確に決定することに焦点が移る。
【0113】
ステップ1305では、作られた3平面のうちの2平面の間に、第1仮想平面が作られる。頂点が不安定な場合、第1不安定エッジを形成する2平面が選択される。第1仮想平面は、選択された2平面の間に作られ、かつ処理される多くの平面のうちの一つである。次に、ステップ1306において、第1仮想平面が前進される。
【0114】
ステップ1307において、一連の第2仮想平面が作られ、前進される。この一連の第2仮想平面は、作られた第1仮想平面と、先に選択されなかった第3平面との中間に位置するものである。この一連の第2仮想平面は、ステップ1308で前進される。ステップ1309において、一連の第2仮想平面と第1仮想平面とから、線QPの方向の最遠点で線QPと交差する平面が同定される。ステップ1310において、この平面が、第1パスで同定された一連の平面の中に、ストアされる。
【0115】
ステップ1311において、最後の第1仮想平面が作られたか否かが判定される。作られる第1仮想平面の数は、ユーザが決めることができる。第1仮想平面の数が大きいほど、シミュレーションの精度が上がる。最後の第1仮想平面が作られ、かつ一連の第1パス平面が作られると、第1パスが完成する。この方法では、一連の包括的な (comprehensive) 平面の分析は、第1パス観察ベクトルに関して行われることに注意されたい。続いて、第2パスが開始される。
【0116】
第2パスは、ステップ1312において、第2パス観察方向を決定することから始められる。第2パス観察方向は、表Aから決定することができる。頂点ポイントがサドル点の場合のみ、第2パス観察方向が逆転される。いずれにせよ、ステップ1313において、第2パス観察ベクトルと、それに対応する粒子線とが作られる。最後に、ステップ1314において、第1パスの一連の平面からの平面と、第2パス観察ベクトルとの交差点が決定される。第2観測ベクトルに沿った最遠交差点が、頂点ポイントAに対応する移動ポイントとして定義される。
【0117】
好適な実施例の方法は、3平面の中間に位置するすべての平面が、第1観測ベクトルに関して分析されるという、一手法を説明していることに注意されたい。このような中間平面を同定し、かつプリセットする他の方法も、本発明の精神と範囲に含まれるであろう。サドル頂点ポイントが移動される場合にも、2パスを必要とするだけであることにも注意されたい。上述した2パス方法は、あらゆる場合に働く一般的な方法である。2つの場合(頂点ポイントがサドル点の場合と非サドル点の場合)を別々に扱う方法も、当業者には明らかであろう。
【0118】
頂点ポイントが安定で、かつサドル点でない場合の例が図20(a),(b)および図21(a),(b)に示されている。図20(a)において、3平面1352〜1354の頂点ポイント1351が示されている。
【0119】
3平面1352〜1354間の関係は、すべて凸である。デポジションプロセスステップを仮定すると、各3平面1352〜1354は、それぞれ、サーフェス法線1357〜1359をもっている。上述したように、頂点ポイント1351での単位ベクトルが計算される。単位ベクトルは、3平面の法線ベクトルの平均である。単位ベクトル1355が示されている。単位ベクトル1355の反対方向の点R1360が定義され、線AR1356をつくる。
【0120】
図20(b)において、観測点Qが決定される。第1に、平面1352〜1354に対応する平面1372〜1374が作られる。平面1372〜1374は、平面1352〜1354を前進させたものであり、サーフェス移動中に生じるであろう。これはデポジションプロセスであるので、前進は単位ベクトルの方向である。これがエッチングプロセスの場合は、前進は反対方向になる。観測点Q1375は、前進された3平面1372〜1374の交差点として作られ定義される。今度は、観測方向が決定される。表Aにおいて、3つの凸フェースをもつ頂点ポイントに対しては、観測方向は単位ベクトルの反対方向である。ここでは、単位ベクトル1355の反対方向の観測ベクトル1376が作られる。さらに、この第1観測ベクトル1376に沿って点Pが定義され、線QPが作られる。観測点Q・1375と点P・1377によって定義される線分、すなわちQPは、線分AR・1356と平行でなければならないことに注意されたい。
【0121】
図21(a)において、複数の仮想平面1380が前進させられている。前進仮想平面1380は、第1パスで作られた仮想平面に対応する。ここでは、第1仮想平面は平面1352と1353との間に作られる。一連の第2仮想平面は、第1仮想平面と、平面1354との間に作られる。仮想平面1380は、一連の第2仮想平面の作製を代表するものである。前進仮想平面1380が観測ベクトル1376と交差する点が、図21(b)にバー1390として示されている。上述したように、観測ベクトル方向の交差点に沿った最遠交差点が、第1パスの一連の平面中に記憶される平面を同定するのに使用される。ここでは、最遠交差点は1391である。ここで、最遠交差点とは、観測ベクトル1376の始点である観測点Qから各交差点に向うベクトルと、観測ベクトル1376との内積が最大となる交差点であることに注意されたい。
【0122】
すべての第1仮想平面が作製され、かつ一連の第1パス平面が作られたと仮定して、次に、第1パスで同定された一連の仮想平面が比較される。第2パス観察ベクトルは、第1パスにおけるものと同一の方向をもつので、図21(b)と同様の図が作られる。ここで、粒子線に沿った最遠交差点が、頂点ポイントの移動先の点を定義するであろう。
【0123】
高精度計算方法
高精度計算方法は、効率的な方法よりも、より正確な結果を与える。高精度方法は、たとえば、スパッタエッチングステップのように、エッチング/デポジション速度が、サーフェス法線と垂直方向との間の角度に依存するような場合の頂点移動を計算するのに特に適している。しかしながら、高精度方法は、実行する計算が増加する。高精度方法と効率的方法のどちらを使用するかは、一種のトレードオフ、すなわち、シミュレーション精度対速度のトレードオフである。
【0124】
高精度計算方法は、サーフェスが前進した場合、ある種の無効頂点トラジェクトリが生じるという観察に基づいている。このことを理解するために、まず、頂点ポイントは単独であること、すなわち、頂点ポイントではサーフェス法線は定義できないことを思い出されたい。つまり、頂点ポイントにおいては、複数の異なった、(隣接フェースのサーフェス法線から延びている)トラジェクトリが可能である。たとえば、凹隅の頂点から出発しているエッチングトラジェクトリは、この頂点に隣接するサーフェスから出発しているエッチングトラジェクトリによって、追い越されるかも知れない。このように追い越されたエッチングトラジェクトリは無効である。このことが、図22(a)に示されている。ここで、エッチングプロセスステップによって、サーフェス1401は、サーフェス1403に前進され、サーフェス1402は、サーフェス1404に前進される。サーフェス1401と1402は、凸界面を定義していることに注目されたい。複数のトラジェクトリ1406〜1410をもつ頂点ポイント1405も示されている。トラジェクトリ1406,1407および1410は、前進サーフェス1403および1404よりも後ろの移動点を定義している。よって、トラジェクトリ1406,1407および1410は無効であり、トラジェクトリ1408と1409とが有効である。このことは、無効トラジェクトリ点が、エッチングによって削除されてしまうことから、容易に観察される。
【0125】
2次元構造の場合、有効な頂点、エッジおよび平面の各トラジェクトリは、頂点およびエッジが凸か凹かによって分類して、決定することができる。これは、2次元方法と呼ばれる。凸の場合、隣接平面および隣接エッジのトラジェクトリの後方にあるトラジェクトリは無効である。凹の場合、隣接平面および隣接エッジのトラジェクトリの前方にあるトラジェクトリは無効である。無効トラジェクトリはクリップされる。クリップという用語は、無効トラジェクトリまたは無効部分 (sections) の削除を指す。
【0126】
3次元構造の場合、ある種の頂点ポイント、たとえば、サドル点は、凹または凸によって分類できない。一般に、高精度方法は、3次元構造を一連の2次元構造として解く。高精度方法を図23および図24(a)〜(c)を参照して説明する。図23は高精度方法のステップを説明するフローチャートである。図22(b),(c)、図23、図24(a)〜(c)は、個々のステップの機能を示している。図23において、まず、ステップ1420で、サーフェスのエッジとサーフェス平面とが前進される。前進サーフェス平面は、図22(b)に示されている。図22(b)において、サーフェス平面1440〜1442は、前進されて、サーフェス平面1443〜1445となる。サーフェス平面は、以下のようにして前進される。各サーフェス上のあらゆる点は向き (orientation) が同じであるから、すべての点は
【0127】
【外1】
Figure 0003713055
【0128】
次式で与えられる。
【0129】
【数5】
Figure 0003713055
【0130】
ここで、cは、サーフェスに垂直な速度(エッチングのときは負)、Δtは、点移動時のタイムステップである。また、θとφは、
【0131】
【外2】
Figure 0003713055
【0132】
サーフェス平面に対する新点P′Aiは、次式で与えられる。
【0133】
【数6】
Figure 0003713055
【0134】
原サーフェス平面に含まれる全点のトラジェクトリが、前進サーフェス平面を形成する。
【0135】
図24(a)は前進エッジを示している。エッジ1454の端点1450および1451に対応する、トラジェクトリポイント1452および1453が示されている。一般的に、端点1450および1451は、頂点ポイントである。頂点ポイントと同じように、エッジはサーフェス法線をもたない。よって、エッジに沿う全点のトラジェクトリポイントは、端点のトラジェクトリポイントと同様である。以下に説明するように、これによって、無効となるトラジェクトリが、対応する前進サーフェス平面によって、いくつか作られるかも知れない。このような無効トラジェクトリは、上述した2次元ルールを用いて、クリップされる。
【0136】
ここで、前進エッジの計算について説明する。これらのトラジェクトリは、
【0137】
【外3】
Figure 0003713055
【0138】
を含む。
【0139】
【数7】
Figure 0003713055
【0140】
E1およびPE2は、エッジの端点であると仮定する。各端点は、数個の前進点を生じ、各前進点は、それぞれ、サーフェス向きに関する上の表現で0<ti <1という値を有する。前進点は次式で与えられる。
【0141】
【数8】
Figure 0003713055
【0142】
ここで、
【0143】
【外4】
Figure 0003713055
【0144】
ステップ1421において、各サーフェス平面交差部で、前進エッジとそれに対応する前進サーフェス平面をクリップし、一連の2次元クリップサーフェスを作る。2次元クリップサーフェスの数は、エッジの数と等しい。前進サーフェス平面の交差点をクリップする必要性は、図22(c)に示されている。サーフェス1445とサーフェス1447は、前進されて、サーフェス1446と1448とを作る。前進サーフェス1446と1448の結果として、交差エリア1449が作られたことに注意されたい。このような交差は、自己交差構造を作る。この構造の有効な表現を維持するためには、この交差がクリップされなければならない。前進エッジも、また、クリップされなければならない。
【0145】
すべての2次元クリップサーフェスが作られたら、ステップ1422において、一対の2次元解が組み合わされ、2次元解の交差部がみつけられる。このステップにおいて、エッジ間の交差が調べられる。組み合わされた2次元解は、有効および無効セクションをもつサーフェスをつくる。交差部がみつかったら、ステップ1423で無効セクションが同定され、ステップ1424で結果サーフェスからクリップされる。これらのステップ1422〜1424が、全ての2次元解の対に対して繰り返され、ステップ1425で、一連の組み合わされた2次元解が作られる。
【0146】
ステップ1422〜1424は、図24(b)にさらに示されている。ここで、サーフェス1461は、サーフェス1460と交差している。サーフェス1460と1461は、場所1464で交差する。サーフェス1460は、交差1464を超えて延び、セクション1462を作る。同様に、サーフェス1461は、交差1464を超えて延び、セクション1463を作る。セクション1462および1463は無効である。なぜならば、これらのセクションは、前回の前進サーフェスを突き抜けて延びているからである。
【0147】
ここまでは、前進サーフェス平面および前進エッジの前進とクリッピングとを考察してきた。ここで、頂点トラジェクトリを考察する。まず、ステップ1426において、頂点ポイントでソリッドと交差する任意の垂直平面を作る。任意の垂直平面が選ばれるのは、スパッタエッチングのようなプロセスが円筒対称だからである。次に、ステップ1427において、垂直平面内にある頂点トラジェクトリをつくる。頂点トラジェクトリは、上述した2次元法のような技法を用いて作られる。続いて、ステップ1428において、2次元法を用いて、垂直トラジェクトリが交差部でクリップされる。この交差部は、一連の組合せ2次元解における各サーフェスの各サーフェス平面と、作られた垂直平面との交差である。最後に、ステップ1429において、残りの頂点トラジェクトリから一つの頂点トラジェクトリが、頂点移動のために選択される。一般に、サーフェスの平均法線に近いトラジェクトリが適している。
【0148】
ステップ1426〜1428は、図24(c)に示されている。ここで、2次元組合せ解1474が、頂点1470に関して示されている。ソリッドと交差する任意のテスト平面1471が、2次元組合せ解1474のサーフェス平面1473とともに示されている。頂点ポイント1470のトラジェクトリ1472は、上述した2次元法によってクリップされる。
【0149】
異なるエッチング速度をもつ2物質の界面での頂点移動計算
異なるエッチング速度をもつ2物質の界面で、頂点移動が行われる場合は、特別な取扱が必要である。頂点移動計算の一般概要は、図25、図26(a),(b)および図27(a)〜(d)に示されている。図25は、この方法の概要を示すフローチャートである。この方法を説明する前に、まず、移動界面頂点を説明することが必要である。移動界面頂点 (moving interface vertex) は、ふつうの界面頂点 (interface vertex) に対応し、プロセスステップに応答して頂点移動を受ける。界面頂点は、より速いエッチング速度をもつ物質に対応する移動速度と、界面エッジに沿う移動方向とを有するであろう。図25において、まず、ステップ1501で、界面頂点が移動界面頂点に変換される。次に、ステップ1502で、分割界面頂点 (split interface vertices) が挿入される。各分割界面頂点は、この界面における物質の一つと関連づけられる。このような分割界面頂点は、移動界面頂点と同じ座標点である。ステップ1503において、界面頂点と分割界面頂点との頂点移動計算が実行され、それに応じて頂点が移動される。このような頂点移動は、上述した頂点移動計算技法を用いて実行される。頂点移動後、ステップ1504において、界面頂点のごく近傍の分割界面頂点はすべて削除される。これは、このような分割界面頂点は、結果構造に影響しないからである。最後に、ステップ1505において、残りの分割界面頂点は、対応する物質のふつうの頂点に変換され、移動界面頂点は、ふつうの界面頂点に変換される。
【0150】
図26(a),(b)は、多物質界面における、分割界面頂点の挿入と、対応する移動ベクトルの計算とを示している。図26(a)において、物質A・1521は、物質B・1522に隣接している。界面頂点1520は、物質A・1521と物質B・1522の露出された境界点にある。第2の界面頂点1525も示されている。この場合は、界面頂点1525は露出されていない。さらに、物質A・1521に対応する頂点1523と、物質B・1522に対応する頂点1524とが示されている。図26(b)において、物質A・1521に対応する分割界面頂点1527と、物質B・1522に対応する分割界面頂点1528とが挿入されている。さらに、界面頂点1520が移動界面頂点1526に置き換えられている。分割界面頂点1527および1528と、移動界面頂点1526とは、同一の座標値をもっているが、ここでは明確にするために分離して示してある。
【0151】
図27(a),(b)は、分割境界頂点が双方とも、対応する移動ベクトルをもっている場合を示している。図27(a)において、頂点1523および1524は、対応する移動ベクトル1529および1533をもっている。さらに、分割界面頂点1527および1528は、対応する移動ベクトル1530および1532をもっている。最後に、移動界面頂点1526は、対応する移動ベクトル1531をもっている。頂点1525は、対応する移動ベクトルをもっていないことに注意されたい。これは、頂点1525が露出されていないからである。分割界面移動ベクトル1530および1532と、移動界面ベクトル1531の計算を以下に説明する。
【0152】
図27(b)において、頂点が移動される。破線1534は物質A・1521の元の位置であり、破線1535は物質B・1522の元の位置であることに注意されたい。この場合、削除される分割界面頂点はない。後続のステップにおいて、分割界面頂点1527および1528は、それらの物質のふつうの頂点になり、界面頂点1524は、ふつうの界面頂点になるであろう。
【0153】
図27(c),(d)は、ある分割界面頂点あるいは界面頂点について計算された対応する移動ベクトルの長さがゼロの場合を示している。このような例は、垂直エッチングプロセスステップのときに生じることがある。いずれにせよ、図27(c)において、移動ベクトル1536は、分割界面頂点1528に対応している。さらに、移動ベクトル1537は、頂点1524に対応している。図27(d)を参照すると、分割界面頂点1528とふつうの頂点1524が移動している。破線1538は、物質B・1522が最初にあった箇所を示していることに注意されたい。さらに、分割界面頂点1527は、消去されていることにも注意されたい。これは、この分割界面頂点の座標が移動界面頂点1526の座標と同一だからである。ここで、移動界面頂点1526は、ふつう界面頂点となる。
【0154】
図28(a)〜(c)は、分割界面頂点に対する移動ベクトルの計算を示している。分割界面頂点に対する移動ベクトルの計算は、一般に、2ステップからなる。(1)界面頂点でのシャドー効果を計算する。(2)分割界面頂点と各物質に対して隣接するふつうの頂点とを含む、移動ベクトル計算のための仮想構造を作製する。一たび仮想構造が作製されると、移動ベクトルの計算は、単一物質の場合と同様に進められる。図28(a)〜(c)は、図26(b)に示す構造の移動ベクトル計算を示している。図28(a)は、シャドーイング計算のための構造を示す。シャドー計算と、それらがどのように実行されるかが、以下にさらに詳細に説明される。いずれにせよ、界面頂点および分割界面頂点についてのシャドー計算は同じである。図28(b)は、分割界面頂点1527に対する物質A・1521の仮想構造を示す。これは、単に、物質Bを除いた物質Aの構造である。図28(c)は、分割界面頂点1528における物質B・1522に対する仮想構造を示す。この仮想構造も、また、物質Aを除いた物質Bに近い。
【0155】
図29(a)〜(c)は、移動界面頂点の移動ベクトルの計算を示す。界面頂点での移動ベクトルの計算は、次のステップからなる。(1)シャドーイング効果を決定する。(2)各物質の仮想構造を定義する。(3)境界平面上で同一方向に沿って、双方の物質の移動ベクトルを計算する。(4)最大のベクトルを境界頂点の移動ベクトルとして選択する。図29(a)において、物質A・1521は、実サーフェス1541上に頂点ポイント1539をもち、物質B・1522は、実サーフェス1542上に頂点1524をもつ。さらに、移動界面頂点1525が示されている。図29(b)は、物質A・1521に対して作られた仮想構造を示す。ここで、実サーフェス平面1541と垂直平面1540の双方が、仮想構造の作製に利用されている。ここで、実サーフェス平面1541が用いられているのは、これが、移動界面頂点1526の移動ベクトルの計算に影響を与えるからである。これは、サーフェス境界平面の部分は、実サーフェス平面が単なる垂直面の場合よりも、迅速に露出されるからである。いずれにせよ、その結果、移動ベクトル1570が計算される。図29(c)は、物質B・1522に対する仮想構造を示す。この場合、仮想構造は、垂直平面1543のみからなる。その理由は、実サーフェス平面1542は、移動界面頂点1526の移動ベクトル1571の計算に何の影響も及ぼさないからである。この場合、物質A・1521の移動ベクトル1570は、物質B・1522の移動ベクトル1571よりも大きい。したがって、移動ベクトル1570が、移動界面頂点1526の移動ベクトルとして定義される。
【0156】
図30(a)〜(c)は、仮想構造を作るのに、実サーフェス平面を使用しない場合を示している。図30(a)において、物質A・1521は、実サーフェス上1545上に頂点1544をもっている。物質B・1522は、実サーフェス上1546上に頂点1524をもっている。図30(b)は、物質A・1521について作られた仮想構造を示している。ここで、仮想構造を作るのに、垂直平面1547のみが使われている。その理由は、実サーフェス平面1545が、移動界面頂点1526の移動ベクトル1548の計算に影響しないからである。図30(c)は、物質B・1522の仮想構造を示す。ここで、仮想構造を作るのに、垂直平面1549のみが使われている。図29(c)に関して述べたように、実サーフェス平面1546は、界面頂点1526の移動ベクトル1560の計算に何の影響も与えないであろう。この場合、物質A・1521に対応する界面頂点移動ベクトル1548が、物質B・1522に対応する移動界面頂点1526の移動ベクトル1550より大きい。したがって、移動ベクトル1548が、移動界面頂点1526の移動ベクトルとして定義される。
【0157】
図31(a)〜(d)は、界面頂点の移動ベクトルの3次元計算を示す。図31(a)において、物質A・1521は、2つのサーフェス平面をもっている。第1のサーフェス平面は、水平三角形セグメント1551〜1553から構成され、第2のサーフェス平面は、垂直三角形セグメント1554〜1556から構成される。物質B・1522は、水平三角形セグメント1551〜1553および1557〜1559から構成される。また、分割界面頂点1561および1562と、移動界面頂点1560が示されている。さらに、界面エッジベクトル1563および1564が示されている。界面エッジベクトル1563および1564は、物質A・1521および物質B・1522の間の界面のエッジを横断している。
【0158】
図31(b)は、結果移動ベクトルの方向を示す。移動ベクトルの方向は、境界平面上の2つの境界エッジベクトルの2等分線として定義される。ここでの境界平面は、物質A・1521のセグメント1551〜1553と、物質B・1522のセグメント1557〜1559とからなることに注意されたい。ここで、移動ベクトルの方向は、1561によって示されている。これは、セグメント1551〜1553からなる水平境界平面上の、界面エッジベクトル1563および1564を、2等分している。
【0159】
図31(c)は、物質A・1521の仮想構造を示している。ここで、仮想構造は、垂直セグメント1554〜1556からなる実サーフェス平面と、垂直平面1565とから構成されている。移動ベクトルは、1566として計算される。
【0160】
図31(d)は、物質B・1522について作られた仮想構造を示す。ここで、水平セグメント1557〜1559によって定義される実サーフェス平面は、移動ベクトルの計算には何の影響も及ぼさない。よって、それらは除去される。仮想構造は、垂直平面1567からなる。ここで、移動ベクトルは、1568として計算される。この場合、移動ベクトル1568は、移動ベクトル1566より大きいため、界面頂点1560の移動ベクトルとして定義される。
【0161】
粒子フラックスシャドーイング
移動ベクトルを正確に計算するために、立体角開口部を通って入ってくるフラックスを正確に計算しなければならない。入射フラックスは、デポシションあるいはエッチングの行われるウェハ上の物質に投射される。立体角開口部は、近傍形状によってシャドウされない点上の空間部分である。シャドーイングは、コンピュータグラフィックスの分野で普通に使用されている用語である。コンピュータグラフィックスにおいて、シャドーイングとは、あるオブジェクトの個々の点を暗くすることを意味し、それは、このオブジェクトが、ある光源に関して、他のオブジェクトの陰に隠れるためである。ここで、ある点がシャドー内に存在するのは、ソースからの粒子の通路が対象物(たとえば、半導体ウェハ)の形状の他の部分によって遮られるからである。
【0162】
フラックスのソースは、ウェハ上で変動する (vary) であろうから、3次元構造の任意の点に対して、近傍形状は、複雑なマスクを形成する。したがって、立体角開口部を解析的に決定することは、不可能ではないにしても、困難である。好適な実施例の方法は、サーフェス上の空間内に、一つのメッシュを定義する。このメッシュは、対象物上に存在するソースを表す。メッシュ上の各点は、メッシュに垂直な方向の粒子フラックス強度を表す。2種類のメッシュが定義できる。第1は、半球メッシュであり、空間的に変動しなフラックスをもつ入射粒子に使用される。半球メッシュでは、各メッシュ点が、方向と立体角とによって、定義される。
【0163】
このような半球メッシュが、図32(a),(b)に示されている。半球メッシュの各メッシュ点は、角θおよびφによって定義される。これが、図32(a)および(b)の1681および1683に、それぞれ示されている。第2は、サーフェスから有限の距離に置かれた平面メッシュである。平面メッシュは、入来フラックスの強度が空間的に変動する、スパッタデポジションのシミュレーションに使用できるであろう。平面メッシュにおいては、各メッシュ点は、その実座標によって定義される。平面メッシュの一例が図32(c)に示されている。メッシュ1684上のメッシュ点は、符号1685によって示されるように、メッシュを構成する座標点によって定義されている。
【0164】
これら2種類のメッシュに対して、入射フラックスの強度が、各メッシュ点について決められる。さらに、各サーフェス点について、各メッシュ点が見えるか否かがチェックされる。(上述した)3次元統一方程式の可視成分を計算するには、可視点からの寄与のみを含める。
【0165】
図32(d)は、個々のターゲット点に関し、シャドーに入るメッシュ点を決める技法を示す。図32(d)において、ソリッド1686は、複数の三角形からなるサーフェスをもっている。メッシュ1687が示されている。ここでは平面メッシュを使用しているが、半球メッシュでもよい。さらに、ターゲット点1689と三角形1688とが示されている。ターゲット点1689を、三角形フェース1688を通してメッシュ1687に投影すると、一連のメッシュ点1690が同定される結果となる。これら一連内のメッシュ点1690は、ターゲット点1689には見えない。同様の計算がソリッド1686のサーフェス上の各三角形に対して行われる。
【0166】
図32(d)を参照して説明したような技法は、非常に時間がかかる。しかも、メッシュ点がシャドー内にあると同定する、多くの三角形が重複して出てくるであろう。また、たとえば、ターゲット点と同一平面にある三角形のように、シャドーにあるメッシュ点を一つも同定しない三角形も、多く出てくるであろう。もっと効率的な方法が図33に示されている。図33においても、ソリッド1686は、三角形に分割されたサーフェスをもっている。しかしながら、メッシュ点シャドー計算には、ターゲット点に面した三角形のみが使用される。ここで、斜線の引かれた三角形、たとえば、三角形1692は、計算に使用されない。なぜならば、これらの三角形は、ターゲット点1689に面していないからである。逆に、斜線の引かれていない三角形、たとえば、三角形1691は、ターゲット点に面しているため、シャドー内に入るメッシュ点を同定するために使用される。
【0167】
図34および図35(a),(b)は、好適な実施例において、見えるメッシュ点を同定するシャドー計算を示している。ここで説明する方法は、平面メッシュおよび球体メッシュの双方に適用できることに注意されたい。図34において、最初のステップ1601で、すべてのメッシュ点が「オフ」状態に初期化される。ソリッドサーフェスのすべての頂点ポイントがシャドーイング計算を受けるので、メッシュを、スターティング/デフォールト状態に初期化する必要がある。次に、ステップ1602において、ソリッド上のターゲット点について、点シャドー多角形が作られる。この多角形は、考慮中の頂点に隣接する一連のフェースの、外側境界線から形成される。続いて、ステップ1603において、この多角形がソースメッシュ平面上に投影される。ステップ1604において、投影された多角形内に入らないメッシュ点は、「オン」状態にされる。
【0168】
ここまでのステップが図35(a)に示されている。図35(a)において、ターゲット点1640の多角形1641が、ソース平面メッシュ1650の上に投影される。ソース平面メッシュ1650は、複数のメッシュ点をもっている。黒(「オン」)のメッシュ点は、このメッシュ点が、ターゲット点に関してシャドー内にあることを示している。逆に、白(「オフ」)のメッシュ点は、シャドー内にない。たとえば、メッシュ点1642〜1647は、投影多角形内にあり、シャドー内にない。したがって、「オフ」である。他の点、たとえば、メッシュ点1648は、投影多角形内にないので、「オン」である。
【0169】
シャドー内にある他のメッシュ点を決定するために、形状の他の部分の影響が考慮される。これは、エアソリッドの分析によって行われる。第1に、ステップ1605で、エアソリッドから三角形フェースが選択される。これは、エアソリッド構造をアクセスし、フェース構造においてリンクされたフェースを調べることによって実行される。次に、ステップ1606において、選択された三角形フェースが調べられ、それがターゲット点に面しているか否かがみられる。ターゲット点に面している三角形フェースのみが、以後の処理を受ける。これによって、シャドー計算のこの部分のエアソリッド構造の分析が簡単化される。三角形フェースがターゲット点に面していない場合は、ステップ1609において、これが最後の三角形フェースか否かが決定される。三角形フェースがターゲット点に面している場合は、ステップ1607において、その三角形がソースメッシュ上に投影される。投影三角形内に見いだされたメッシュ点は、ステップ1608で「オン」状態にされる。これの効果は、上述した点シャドー多角形投影後に、前回は「オフ」であったいくつかの点を、「オン」とするということである。
【0170】
エアソリッドの三角形フェースの投影が、図35(b)に示されている。ここで、三角形フェース1651は、ターゲット点1640に面している。三角形フェース1651の投影と交差する、ソース平面メッシュ1652の部分は、最初は、すべて「オフ」状態であったと仮定すると、投影三角形フェースは、メッシュ点1654〜1658を「オン」状態に切り替えたこととなる。
【0171】
ステップ1609において、エアソリッド上の最後の三角形フェースかのチェックが行われる。エアソリッド上の最後の三角形フェースでない場合は、ステップ1605で、エアソリッド上の他の三角形フェースが取り出され、処理が続けられる。そうでなく、エアソリッド上の最後の三角形フェースならば、今のターゲット点に対するシャドーイングが完了し、ステップ1610で、次のターゲット点に対する処理が繰り返される。
【0172】
投影多角形に基づいて、メッシュ点を「オフ」状態にする方法を、図36を参照して説明する。このような方法は、図34に示すように、「オフ」メッシュ点を決定するのに使用される。まず、ステップ1660において、投影多角形のエッジを定義する2点が同定される。次に、ステップ1661において、このエッジ頂点と、メッシュの原点を定義する座標点とを用いて三角形を作る。ステップ1662において、作られた三角形内のメッシュ点の状態を反転する。ステップ1663で、最後の隣接2点かのチェックが行われる。最後の2点でないならば、ステップ1660で処理が繰り返される。最後の2点ならば、処理は終了する。メッシュ点を「オフ」状態にするこの方法は、メッシュ点を「オフ」状態とするための技法の一つに過ぎない。他の方法も、本発明の精神と範囲とを逸脱することなく使用できるであろう。
【0173】
投影多角形から、メッシュ点をオフとする方法が、図37(a)〜(f)に示されている。図37(a)において、多角形1670bは、メッシュ1670aの上に投影され、頂点ポイント1671〜1674をもっている。メッシュ1670aの座標軸の原点1675も示されている。図37(b)において、頂点ポイント1671,1672および原点1675によって、三角形1676が作られる。この三角形の境界内のメッシュ点は、「オン」状態から「オフ」状態になっていることに注意されたい。図37(c)において、頂点ポイント1672、1673および原点1675によって、三角形1677が作られる。再び、この三角形1677の境界内のメッシュ点は、「オン」状態から「オフ」状態になっている。
【0174】
図37(d)において、頂点ポイント1673,1674および原点1675によって、三角形1678が作られる。再び、この三角形1678の境界内のメッシュ点は、「オン」状態から「オフ」状態になっている。ここまでで、「オフ」状態のメッシュ点の数が、図37(a)に示された元の投影四辺形の境界を超えたことが、明らかであろう。これは、図37(e)に示すようにして修正される。ここで、頂点ポイント1671,1674および原点1675によって、三角形1679が作られる。ここで、この三角形1679の境界内の、以前「オフ」状態であったメッシュ点は、「オン」状態にされる。この結果得られた「オフ」状態の一連のメッシュ点が、図37(f)に示されている。
【0175】
サーフェス移動スイーピング法
好適な実施例のサーフェススイーピング法は、エアソリッドを生成するのに用いられている。ここでいうサーフェススイーピングとは、ソリッドサーフェスを構成する各フェースを移動して、エアソリッドの変形を生じさせることを意味する。しかしながら、頂点を扱って変形を生じさせることを、物質ソリッドそのものに直接行うようにした、別の実施例も実施できるであろう。このような他の実施例も、本発明の精神と範囲とに含まれるであろう。また、サーフェススイーピングは、ソリッドモデリングシステムで見いだされる、スイーピングの概念とは異なることに注意されたい。スイーピングがソリッドの作製を意味するのに対して、サーフェススイーピングはソリッドの変形を意味する。
【0176】
境界表現モデルで表現されたソリッドは、それが変形プロセスを受けて自己交差になったなら、無効である。無効表現は、ソリッドモデラによって適切に解釈することができない。ソリッド表現が自己交差となるのは、結果構造のフェースが隣り合うフェース以外のフェースと交差する場合である。これは、変形プロセスにおいて、頂点ポイントが近接して並んだ場合に、起こるのが普通である。このような自己交差構造の作られた例が、図38(a),(b)に示されている。図38(a),(b)は、2次元表現であるが、3次元にも同じ原理が当てはまる。図38(a)は、エッチングプロセスを受けるオブジェクト1701を示している。オブジェクト1701は、頂点ポイント1703〜1714によって定義されている。エッチングンフプロセスの間に、オブジェクト1701の首1702が取り除かれるであろう。上述したように、各頂点ポイントについて、移動ベクトルが計算される。その結果構造が図38(b)に示されている。移動された頂点ポイントが移動前の頂点ポイントと同じ方法で接続されるならば、結果は、点1723〜1734によって定義された、無効の自己交差構造となる。なぜならば、点1724と1725とを接続して定義されたフェースは、点1729と1730および1731と1732を、それぞれ接続して定義されたフェースと交差しているからである。同様に、点1730と1731とを接続して定義されたフェースは、点1725と1726および1723と1724を、それぞれ接続して定義されたフェースと交差している。
【0177】
好適な実施例のサーフェス移動スイーピングでは、自己交差構造が作られるのを避けている。それは、全サーフェスの移動を各セグメントの移動に分解することによって行われる。このような方法が、図38(a)に示した最初の構造を用いて、2次元の場合について、図39(a),(b)を参照して説明される。以下にさらに詳述するように、好適な実施例では、これらのセグメントは三角形である(これは、3次元構造に対応させるためである)。しかしながら、これから説明する例は、上記の例の上に立ち、説明されるセグメントは、2次元の線分である。いずれにせよ、図39(a)において、エッチングステップが始められて、第1の平行四辺形1801が実際上除去される。これは、原頂点ポイント1703と1704を新頂点ポイント1723と1724に移動し、原頂点ポイントおよび前進頂点ポイントで定義されるソリッドと、原ソリッド1701(図示してない)との間でブール集合差演算を行ってなされる。図39(b)において、第2の平行四辺形1802が実際上除去される。これは、原頂点ポイント1704と1705を新頂点ポイント1724と1725とに移動し、上述したようにブール集合差演算を実行して行われる。この時点で、原ソリッド1701は、2つの別々のソリッド、すなわち、ソリッド1803とソリッド1804とに分割される。こうして、自己交差構造は生じない。
【0178】
上述したように、好適な実施例のサーフェススイーピング法では、ソリッドサーフェスは三角形グリッドで表されているものと仮定している。サーフェスソリッドは、上述した三角形化およびグリッド調整ステップで、三角形サーフェスフェースに分解される。サーフェス移動は、1度に一つの三角形を移動させるという動作を、オブジェクトソリッドのサーフェス全体に渡って繰り返して、サーフェス移動が行われる。エアソリッドの場合、三角形の移動は、次のステップを含んでいる。三角形の頂点移動を計算すること、三角形の原頂点および移動後の頂点を用いて仮ソリッドを作ること、および、実行中のプロセスステップに対応するブール集合演算を、作製された仮ソリッドと原オブジェクトソリッドとの間で実行すること。一度になされる頂点移動の最大ベクトル長は、三角形の最小長の半分よりも短くなければならない。タイムステップはいくつあってもよいから、頂点移動には、実際上制限がない。
【0179】
図40(a),(b)は、サーフェス上のスイープされた三角形(以後、単に、スイープ三角形という)を示している。図40(a)において、ソリッドサーフェス1901は、三角形1912を含む複数の三角形に分割されている。三角形1912は、頂点ポイント1902,1903および1904によって定義されている。図40(b)は、三角形1912に対応するスイープされたソリッド(以後、単に、スイープソリッドという)1911を示す。頂点ポイント1907,1906および1905は、頂点ポイント1902,1903および1904にそれぞれ対応する前進頂点ポイントである。対角線1908,1909および1910は、スイープソリッド1911の各四辺形サーフェスを、三角形化するのに使用されている。三角形化は、2組の対角点の一方を接続してできることに注意されたい。スイープ隣接ソリッドに対して矛盾がない限り、どちらの組を選択しても問題ではないことに注意されたい。三角形化は、有効な境界表現モデルが定義できるように行われなければならないことに、注意されたい。なぜならば、四辺形の点は、一般に同一平面上にないからである。
【0180】
デポジションプロセスに対するサーフェス移動法は、一般に、次のように表すことができる。
【0181】
【数9】
O=原ソリッド
T=仮ソリッド
S(i,j,k) =点Pi ,Pj ,Pk から形成されたスイープソリッド
とし、T=Oを実行し、
(Pi ,Pj ,Pk )によって記述されるサーフェス上の全三角形について
【0182】
【数10】
T=T U S(i,j,k )
を実行する。
【0183】
ループ終了時点では、Tは、移動後のサーフェスを備えたソリッドである。
【0184】
エアソリッドの変形をともなう、他の記述では、デポジションは次のように定義される。
【0185】
【数11】
OA=原エアソリッド
TA=仮エアソリッド
S(i,j,k) =点Pi ,Pj ,Pk から形成されたスイープソリッド
とし、TA=OAを実行し、
(Pi ,Pj ,Pk )によって記述されるサーフェス上の全三角形について
【0186】
【数12】
TA=TA − S(i,j,k )
追加物質ソリッド=OA−TA
新物質ソリッド=旧物質ソリッド U 追加物質ソリッド
を実行する。
【0187】
ただし、加えられるものが新物質の場合は、追加物質ソリッドが新物質ソリッドになる。
【0188】
エッチングの場合も、実行されるブール集合演算が異なるだけで、あとは全く同じである。エッチングの場合、物質ソリッドに関する演算は、次のように表すことができる。
【0189】
【数13】
O=原ソリッド
T=仮ソリッド
S(i,j,k) =点Pi ,Pj ,Pk から形成されたスイープソリッド
とし、T=Oを実行し、
(Pi ,Pj ,Pk )によって記述されるサーフェス上の全三角形について
【0190】
【数14】
T=T−S(i,j,k )
を実行する。
【0191】
ループ終了時点では、Tは、移動後のサーフェスを備えたソリッドである。一方、エアソリッドに関しては、エッチングアルゴリズムは、次のように定義される。
【0192】
【数15】
OA=原エアソリッド
TA=仮エアソリッド
S(i,j,k) =点Pi ,Pj ,Pk から形成されたスイープソリッド
とし、TA=OAを実行し、
(Pi ,Pj ,Pk )によって記述されるサーフェス上の全三角形について
【0193】
【数16】
TA=TA U S(i,j,k )
OA=TA
新物質ソリッド=旧物質ソリッド − TA
を実行する。
【0194】
デポジションとエッチングの同時進行
ある種の物理的プロセスでは、サーフェスの一部がエッチングされ、他の一部がデポジションされるという場合がある。好適な実施例においては、このようなデポジションとエッチングの同時進行のシミュレーションでは、まず、デポジションソリッドとエッチングソリッドとが、サーフェスの各フェースについて、作製されることが必要である。デポジションソリッドとエッチングソリッドとの作製では、まず、サーフェスの各フェースについて、仮デポジションソリッドと仮エッチングソリッドとを作製することが必要である。その後、処理中のフェースの仮ソリッドと、隣接フェースの仮ソリッドとの間で、ブール演算が行われる。フェースが隣接しているとは、エッジまたは頂点が隣接しているときである。
【0195】
すべてのデポジションソリッドおよびエッチングソリッドが、あらゆるフェースについて作られたら、各デポジションソリッドと原ソリッドとの間でブール集合和演算が行われ、デポジションの効果が形成される。エッチングの効果は、デポジションの効果を形成するために生成したソリッドと、各エッチングソリッドとの間に、ブール集合差演算を行うことによって、シミュレートされる。
【0196】
デポジションとエッチングの同時進行の場合の記述は、図41と以下の定義とによってなされる。
【0197】
O=原ソリッド
D(i,j,k) =三角形 (i,j,k) に関するデポジションスイープソリッド
TD(i,j,k) =三角形 (i,j,k) に関する仮デポジションスイープソリッド
TDn(i,j,k)=三角形 (i,j,k) の最近傍nに関する仮デポジションスイープソリッド
E(i,j,k) =三角形 (i,j,k) に関するエッチングスイープソリッド
TE(i,j,k) =三角形 (i,j,k) に関する仮エッチングスイープソリッド
TEn(i,j,k)=三角形 (i,j,k) の最近傍nに関する仮エッチングスイープソリッド
図41は、デポジションとエッチングの同時進行のシミュレートプロセスを、さらに詳細に記述するフローチャートである。まず、ステップ2001において、ソリッドサーフェス上の各フェースに対して、仮デポジションソリッドと仮エッチングソリッドとが作製される。仮デポジションソリッドと仮エッチングソリッドとの作製を以下に説明する。
【0198】
ステップ2002において、好適な実施例の方法では、デポジションソリッドを作製することが必要である。フェースに関するデポジションソリッドの作製には、そのフェースに関する仮デポジションソリッドと各隣接フェースに関する仮エッチングソリッドとの間での、ブール集合差演算の実行が含まれる。上述した表記を用い、次のようなループを使用して、デポジションソリッドが作られる。
【0199】
【数17】
D(i,j,k) =TD(i,j,k) −O
を実行し、
最近傍のすべての三角形について、
【0200】
【数18】
D(i,j,k) =D(i,j,k) −TEn(i,j,k)
を実行する。
【0201】
ループ終了時には、D(i,j,k) がデポジションソリッドとなる。
【0202】
次に、ステップ2003において、サーフェスソリッド上の各フェースについて、エッチングソリッドが作製される。フェースに関するエッチングソリッドの作製には、そのフェースに関する仮エッチングソリッドと各隣接フェースに関する仮デポジッションソリッドとの間での、ブール集合差演算の実行が含まれる。再び、上述した表記を用い、エッチングソリッド作製のループは、次のように定義される。
【0203】
【数19】
E(i,j,k) =TE(i,j,k) ∩ O
を実行し、
最近傍のすべての三角形について、
【0204】
【数20】
E(i,j,k) =E(i,j,k) −TDn(i,j,k)
を実行する。
【0205】
ループ終了時には、E(i,j,k) がエッチングソリッドとなる。
【0206】
ステップ2002と2003とは、ソリッド上のすべてのフェースについて繰り返される。ステップ2004において、最後のフェースについて、デポジションソリッドおよびエッチングソリッドが作製されたか否かがチェックされる。最後のフェースについて、デポジションソリッドおよびエッチングソリッドが作製されていなければ、次のフェースについて、ステップ2002と2003が繰り返される。
【0207】
各フェースについて、デポジションソリッドおよびエッチングソリッドの作製が完了したら、原ソリッドとデポジションソリッドの一つとから始めて、ブール集合和演算が実行される。続いて、ブール集合和演算は、前回の演算結果と他のデポジションソリッドの一つとの間で、実行される。これは、各デポジションソリッドとの演算が、ステップ2005で、完了するまで続けられる。
【0208】
最後に、ステップ2006において、ステップ2005から得られたソリッドと、各エッチングソリッドとの間で、ブール集合差演算が実行される。ステップ2005〜2006は、上述した表記を用いて、次のループで記述されるであろう。
【0209】
【数21】
N=O
を実行し、
サーフェス上のあらゆる三角形 (i,j,k) について、
【0210】
【数22】
N=NUD(i,j,k)
N=N−E(i,j,k)
を実行する。
【0211】
非多様体構造 (non-manifold structure) が作られるのを避けるために、三角形の処理順序が重要であることに、さらに注意されたい。ある種のソリッドモデラは、非多様体構造については、ブール集合演算を計算できないことが知られている。好適な実施例では、最初の三角形以降の各三角形は、先に移動された三角形と、少なくとも1エッジを共通にしなければならず、先に移動された三角形と1点で接してはならない。
【0212】
この方法の実施においては、各フェースを、スイープソリッド/ブール集合演算処理で取り扱う必要があるということに、注意されたい。処理時間を節約するために、このように扱うのは、自己交差フェースのみでよい。このようなフェースの決定は、「ポイント・イン・ソリッド」アルゴリズムによって容易に行われる。
【0213】
各フェースについての、仮デポジションソリッドおよび仮エッチングソリッドの作製と、結果デポジションソリッドおよび結果エッチングソリッドの作製とを、さらに詳細に説明する。上述したように、仮デポジションソリッドおよび仮エッチングソリッドは、各フェースについて作製しなければならない。三角形がデポジションまたはエッチングのみを受ける場合は、仮デポジションソリッドまたは仮エッチングソリッドの作製は、単に、頂点ポイントを前進させて、一つの仮デポジションソリッドまたは仮エッチングソリッドを作製するという問題に帰着する。三角形がデポジションおよびエッチングの双方を受ける場合は、仮デポジションソリッドおよび仮エッチングソリッドの双方が作製される。デポジションとエッチングとが同時に起きる三角形では、3頂点のうちの2頂点は、他の1頂点と異なるプロセスを受けることは、明かである。仮デポジションソリッドおよび仮エッチングソリッドの作製が、原頂点ポイントと前進頂点ポイントとによって定義された三角形によって、矛盾なく記述できるということが、分かっている。原頂点ポイントをP1,P2およびP3で定義し、対応する前進頂点ポイントをAP1,AP2およびAP3で定義する。2点(P1およびP2)がデポジションを受け、他の1点(P3)がエッチングを受ける場合、仮デポジションソリッドは、次の三角形によって作製される。
【0214】
P1,AP1,AP2
P1,AP2,P2
P1,AP1,AP3
P2,AP2,AP3
AP1,AP2,AP3
P1,P2,AP3
仮エッチングソリッドは、次の三角形によって作製される。
【0215】
P3,AP3,AP1
P3,AP3,AP2
AP1,AP2,AP3
P3,AP1,AP2
2点(P1およびP2)がエッチングを受け、他の1点(P3)がデポジションを受ける場合、仮デポジションソリッドは、上述した2点デポジションで説明した、仮エッチングソリッドと同じ構造となる。同様に、仮エッチングソリッドは、上述した2点デポジションで説明した、仮デポジションソリッドと同じ構造となる。
【0216】
図42(a),(b)は、オブジェクトソリッド上の各フェースについての、デポジションソリッドおよびエッチングソリッドの、2次元での作製を示す。図42(a)において、オブジェクトソリッド2101はフェース2102を有し、このフェースは、隣接フェース2105および2106をもっている。この図42(a)には、フェース2102についての、仮デポジションソリッド2104および仮エッチングソリッド2103も示されている。図42(b)には、フェース2105についての、仮デポジションソリッド2108が示されている。また、フェース2106についての、仮エッチングソリッド2107も示されている。図42(a)および(b)に示す仮デポジションソリッドおよび仮エッチングソリッドの作製は、上述したようにして行われた。
【0217】
図43(a)は、フェース2102についてのデポジションソリッドの作製を示す。上述したように、第1ステップとして、原ソリッド2101と、フェース2102についての仮デポジションソリッド2104との間で、ブール差演算がとられる。図43(a),(b)および図44(a),(b)において、原ソリッドサーフェスの外形を示す破線は、仮デポジションソリッドおよび仮エッチングソリッドの位置の、準拠枠を与えるために描かれている。いずれにせよ、この第1ブール差演算の結果は、中間デポジションソリッド2201として示されている。次に、図43(b)において、生成された中間デポジションソリッド2201と、隣接フェースの仮エッチングソリッドとの間で、ブール差演算の第2ステップが実行される。ここで、唯一の隣接エッチングソリッドが、仮エッチングソリッド2107として、フェース2106上に見いだされる。この結果、フェース2102に関するデポジションソリッド2202が作製される。ブール集合差演算によって、中間デポジションソリッド2201の一部が除かれることに注意されたい。これは、隣接フェースへのエッチングの効果を示している。
【0218】
図44(a),(b)は、フェース2102についてのエッチングソリッドの作製を示している。図44(a)において、仮エッチングソリッド2103と原ソリッド2101との間でブール集合積演算が実行される。この結果、中間エッチングソリッド2301が作製される。次に、図44(b)において、この中間エッチングソリッド2301と、フェース2105の仮デポジションソリッド2108との間で、ブール集合差演算がとられる。この結果、エッチングソリッド2302が、フェース2102に関して作製されていく。ここで、ブール集合差演算によって、中間エッチングソリッド2301の一部が除かれることに注意されたい。これは、隣接フェースへのエッチングの効果を示している。
【0219】
製造プロセスステップ中のウェハ上の物質層の変形をシミュレートする方法が開示された。一般化されたソリッドモデリング法を用いて、等方性および異方性デポジションおよびエッチングプロセスステップの双方がシミュレートされるであろう。
【0220】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、CTS法の限界を解消することができる。また、プロセスシミュレーション環境の他の構成部分とよく調和する、ソリッド表現を作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(c)はデポジション、エッチング、スパッタエッチングプロセスステップによって生じた特徴形状を示した図であり、(d)はデポジションプロセスステップの間に生じたボイドを示した図である。
【図2】本発明の好適な実施例が実施されるコンピュータシステムを示した図である。
【図3】(a)は本発明の好適な実施例で使用される物質ソリッドおよびオブジェクトの集合としてのVLSIを示した図であり、(b)は本発明の好適な実施例の基本システム構造を示した図である。
【図4】本発明の好適な実施例の動作フローチャートである。
【図5】(a)〜(c)は本発明の好適な実施例で用いられるブール集合演算を示した図である。
【図6】本発明の好適な実施例で使用される物質ソリッドを表すためのハーフエッジデータ構造を示した図である。
【図7】本発明の好適な実施例で使用される隣接頂点とフェースとを示した図であり、(a)は本発明の好適な実施例内でシミュレートされる多層/多物質ウェハ構造とエアソリッドとを示した図であり、(b)は(a)のウェハ構造とエアソリッドとの分解図である。
【図8】(a),(b)は本発明の好適な実施例で作られる付加ソリッドの出来上り形状を示した図である。
【図9】本発明の好適な実施例で使用されるオブジェクトソリッドの多角形フェースの三角形化のステップの概要を示すフローチャートである。
【図10】(a)〜(e)は本発明の好適な実施例で使用される多角形(ここでは四角形の孔をもつ四角形)の三角形化を示した図である。
【図11】(a)〜(f)は本発明の好適な実施例で使用される、図9の三角形化処理でなされるグリッド調整を示した図である。
【図12】(a)〜(d)は本発明の好適な実施例で使用されるデポジションプロセスステップを示した図であり、このデポジションプロセスステップは、ブール集合演算を用いて、既存の物質に加えたり、新しい物質ソリッドを加えたりする。
【図13】(a)〜(d)は本発明の好適な実施例で使用される,ブール集合演算を用いたエッチングプロセスステップを示した図である。
【図14】本発明の好適な実施例で使用される、デポジション速度またはエッチング速度を決定するための3次元統一方程式(unified equation)の変数のコンテクストを示した図である。
【図15】(a),(b)は頂点移動のための効率的な方法を用いる場合に、処理される平面の数を減らすための平面削減法を示した図であり、これは本発明の好適な実施例で使用される。
【図16】頂点移動のための効率的な方法を用いる場合に、処理される平面の数を減らすための平面削減法を示した図であり、これは本発明の好適な実施例で使用される。
【図17】(a),(b)は本発明の好適な実施例で実施される平面削減法を示した図であり、削減の結果、3平面より少なくなる場合である。
【図18】本発明の好適な実施例で実施される平面削減法を示した図であり、削減の結果、3平面より少なくなる場合である。
【図19】本発明の好適な実施例で使用される、頂点移動の位置を決める効率的な方法を示すフローチャートである。
【図20】(a),(b)は本発明の好適な実施例で使用される、頂点移動の位置を決める効率的な方法を示した図である。
【図21】(a),(b)本発明の好適な実施例で使用される、頂点移動の位置を決める効率的な方法を示した図である。
【図22】(a)は1頂点における隣接平面の移動と、その結果得られた交差構造とを示した図であり、(b),(c)は本発明の好適な実施例で使用される、頂点移動の位置を決める高精度な方法を示した図である。
【図23】本発明の好適な実施例で使用される、頂点移動の位置を決める高精度な方法を示すフローチャートである。
【図24】(a)〜(c)は本発明の好適な実施例で使用される、頂点移動の位置を決める高精度な方法を示した図である。
【図25】本発明の好適な実施例で使用される、異なるエッチング速度で、2物質の界面で行われる頂点移動の方法を示すフローチャートである。
【図26】(a),(b)は本発明の好適な実施例で使用される、異なるエッチング速度で、2物質の界面で行われる頂点移動を2次元で示した例を示す図である。
【図27】(a)〜(d)は本発明の好適な実施例で使用される、異なるエッチング速度で、2物質の界面で行われる頂点移動を2次元で示した例を示す図である。
【図28】(a)〜(c)は本発明の好適な実施例で実行される、分割界面頂点の移動ベクトルの演算を2次元で示した図である。
【図29】(a)〜(c)は本発明の好適な実施例で実行される、界面頂点の移動ベクトルの演算を例示する2次元の例を示した図である。
【図30】(a)〜(c)は本発明の好適な実施例で実行される、界面頂点の移動ベクトルの演算を例示する2次元の例を示した図である。
【図31】(a)〜(d)は本発明の好適な実施例で実行される、界面頂点の移動ベクトルの演算を3次元で示した図である。
【図32】(a),(b)は本発明の好適な実施例で実行される、パーティクルフラックスシャドウイング演算で用いられる半球メッシュを示した図であり、(c)は本発明の好適な実施例で実行される、パーティクルフラックスシャドウイング演算で用いられる平面メッシュを示した図であり、(d)は本発明の好適な実施例で実行される、シャドウ内のメッシュ点を決定するための基本的な方法を示した図である。
【図33】本発明の好適な実施例で実行される、シャドウ内のメッシュ点を決定するための効率的な方法を示した図である。
【図34】本発明の好適な実施例で実行される、パーティクルフラックスシャドウイングのステップを説明するためのフローチャートである。
【図35】(a),(b)は図32(a)を参照して説明したパーティクルフラックスシャドウイングの方法を示した図である。
【図36】本発明の好適な実施例で実行される、シャドウメッシュ点をターンオフするステップを説明するフローチャートである。
【図37】(a)〜(f)は図36を参照して説明したシャドウメッシュ点をターンオフする方法を示した図である。
【図38】(a),(b)はソリッド構造を示した図で、頂点移動によって無効自己交差構造となる場合である。
【図39】(a),(b)は本発明の好適な実施例で実行される、自己交差構造を作らないサーフェススイーピング法を示した図である。
【図40】(a),(b)は原座標点および前進(advanced)座標点と、ソリッドサーフェス上で移動された三角形に対応する結果ソリッドとを示した図であり、これは本発明の好適な実施例で使用される。
【図41】デポジションおよびエッチングが同時に行われた場合の、サーフェススイーピングのステップを説明するフローチャートであり、本発明の好適な実施例で実行されるものを示す。
【図42】(a),(b)は本発明の好適な実施例で使用されるオブジェクトソリッドを、そのフェースおよびこれらのフェースに対応する仮デポジションおよびエッチングソリッドとともに示した図である。
【図43】(a),(b)は図42(a)に例示したオブジェクトソリッドにおける、フェースに対応するデポジションソリッドの作製を示した図であり、本発明の好適な実施例で使用されるものを示す。
【図44】(a),(b)は図42(a)に例示したオブジェクトソリッドにおける、フェースに対応するエッチングソリッドの作製を示した図であり、本発明の好適な実施例で使用されるものを示す。
【符号の説明】
101 形状
102 形状
103 頂点
104 頂点
105 点
106 点
107 凸面交差点
108 凸面交差点
109 対応点
110 対応点
121 形状
122 形状
123 点
124 点
125 頂点
126 頂点
127 対応点
128 対応点
129 凸面交差点
130 凸面交差点
141 形状
142 形状
143 面
144 面
145 面
146 面
150 メタル線
151 層
152 層
153 層
154 ボイド
201 バス
202 プロセッサ
203 RAM
204 ROM
205 キーボード
206 カーソル制御
207 データ記憶装置
208 表示装置
209 ハードコピー装置
301 オブジェクトソリッド
302 オブジェクトソリッド
303 エアソリッド
321 フロントエンドユーザインターフェース
322 ソリッドモデラシステム
323 サーフェス移動
324 三角形化およびグリッド調整
325 フラックスシャドーイングモデル
326 グラフィックス
501 ソリッド
502 ソリッド
503 ブール和
504 ブール積
505 ブール差
601 ソリッド構造
602 フェース構造
603 エッジ構造
604 頂点構造
605 ループ構造
606 ハーフエッジ構造
607 隣接頂点構造リスト
608 物質情報構造
609 隣接フェース構造
610 隣接エッジ構造リスト
615〜617 ポインタ
701 シリコンソリッド
702 酸化層
704 金属層
705 エア層
706 フェース
707 フェース
708 頂点
709 頂点
710 最初の物質ソリッド
711 既存の基板
712 物質ソリッド
821 外側ループ
822 内側ループ
823 頂点ポイント
824 頂点ポイント
825 新エッジ
826 新エッジ
827 頂点ポイント
828 頂点ポイント
829 第2の新エッジ
830 エッジ
831 三角形
832 多角形
901 エッジ
902 頂点ポイント
903 新エッジ
904 新エッジ
905 隣接頂点ポイント
906 隣接頂点ポイント
910 短エッジ
911 頂点ポイント
912 頂点ポイント
913 エッジ
914 エッジ
920 エッジ
921 三角形
922 頂点ポイント
923 頂点ポイント
924 新エッジ
1001 物質
1002 エアソリッド
1003 新エアソリッド
1004 新物質
1005 物質
1051 物質1のソリッド
1052 物質2のソリッド(最上層)
1053 エアソリッド
1054 新エアソリッド
1055 新物質1
1056 新物質2
1101 計算点
1102 水平面
1103 水平軸
1104 垂直軸
1105 サーフェス法線
1106 粒子線(の入射方向)
1107 角θ
1108 角θS
1109 角ψS
1110 角ψ
1111 延長線
1201 頂点ポイント
1202〜1205 隣接平面
1206〜1209 エッジ
1210 頂点ポイント
1211 エッジ
1213 頂点ポイント
1214 交差点
1215〜1218 平面
1219 新エッジ
1230 頂点ポイント
1231〜1234 隣接平面
1235〜1238 平面
1239 頂点ポイント
1240 頂点
1241,1242 交差点
1351 頂点ポイント
1352〜1354 平面
1355 単位ベクトル
1356 線AR
1357〜1359 サーフェス法線
1360 点R
1372〜1374 平面
1375 観測点Q
1376 第1観測ベクトル
1377 点
1380 仮想平面
1390 バー
1391 最遠の交差点
1401〜1404 サーフェス
1405 頂点ポイント
1406〜1410 トラジェクトリ
1440〜1445 サーフェス平面
1446 前進サーフェス
1447 サーフェス
1448 前進サーフェス
1449 交差エリア
1450,1451 端点
1452,1453 トラジェクトリポイント
1454 エッジ
1460,1461 サーフェス
1462 無効セクション
1463 無効セクション
1464 交差
1470 頂点
1471 テスト平面
1472 頂点ポイント1470のトラジェクトリ
1473 サーフェス平面
1474 2次元組合せ解
1520 界面頂点
1521 物質A
1522 物質B
1523,1524 頂点
1525 界面頂点
1526 移動界面頂点
1527,1528 分割界面頂点
1529 対応移動ベクトル
1530 分割界面移動ベクトル
1531 移動界面ベクトル
1532 分割界面移動ベクトル
1533 対応移動ベクトル
1534,1535 破線
1536,1537 移動ベクトル
1538 破線
1539 頂点ポイント
1540 垂直平面
1541,1542 実サーフェス平面
1543 垂直平面
1544 頂点
1545,1546 実サーフェス平面
1547 垂直平面
1548 移動ベクトル
1549 垂直平面
1550 移動ベクトル
1551〜1553 水平三角形セグメント
1554〜1556 垂直三角形セグメント
1557〜1559 水平三角形セグメント
1560 移動界面頂点
1561 分割界面頂点
1562 点
1563,1564 界面エッジベクトル
1565 垂直平面
1566 移動ベクトル
1567 垂直平面
1568 移動ベクトル
1570,1571 移動ベクトル
1640 ターゲット点
1641 多角形
1642〜1647 メッシュ点
1648 メッシュ点
1650 ソース平面メッシュ点
1651 三角形フェース
1652 ソース平面メッシュ
1654〜1658 メッシュ点
1680 半球メッシュ
1681 角φ
1682 平面メッシュ
1683 角θ
1684 メッシュ
1685 メッシュ点
1686 ソリッド
1687 メッシュ
1688 ソリッド
1689 ターゲット点
1690 一連のメッシュ点
1691,1692 三角形
1670a メッシュ
1670b 多角形
1671〜1674 頂点ポイント
1675 原点
1676〜1679 三角形
1701 オブジェクト
1702 首
1703〜1714 頂点ポイント
1723〜1734 頂点ポイント
1801 第1の平行四辺形
1802 第2の平行四辺形
1803,1804 ソリッド
1901 ソリッドサーフェス
1902〜1907 頂点ポイント
1908〜1910 対角線
1911 スイープソリッド
2101 オブジェクトソリッド
2102 フェース
2103 仮エッチングソリッド
2104 仮デポジッションソリッド
2105,2106 隣接フェース
2107 仮エッチングソリッド
2108 仮デポジッションソリッド
2201 中間デポジションソリッド
2202 デポジションソリッド
2301 中間エッチングソリッド
2302 エッチングソリッド

Claims (1)

  1. 製造プロセスステップを行うとき、対象物の変形をシミュレーションし、前記対象物が複数の物質ソリッドとして表され、該シミュレーションにおいて前記対象物のソリッドはそれぞれ辺、サーフェス平面、頂点を含む表現を有し、前記対象物のソリッドの表現をソリッドモデルとして記憶する記憶手段を有し、前記製造プロセスステップに応じて、前記記憶手段に記憶されたソリッドモデルを使用して頂点の移動を計算するシステムにおいて、
    a)前記頂点ポイントに近接する前記ソリッドモデルのサーフェス平面および辺を前進させる手段と、
    b)当該前進させたサーフェス面の中から前記頂点ポイントに隣接する前記サーフェス平面を切り取り、当該切り取られた一連のサーフェス平面の形態の2次元解の集合を生成する手段と、
    c)当該生成された2次元解の集合の中の2次元解対を合成して2次元合成解を生成する手段と、
    d)当該生成された2次元合成解の交差点を見付け出す手段と、
    e)当該見つけ出された交差点に基づき前記2次元合成解の無効セクションを切り取る手段と、
    f)全2次元解対に対して手段c)ないし手段e)の処理を繰り返し、切り取られた2次元合成解の集合を生成する手段と、
    g)前記頂点ポイントで前記2次元合成解の各サーフェス平面と交差する任意の垂直面を構成する手段と、
    h)前記頂点ポイントに対して2次元法により頂点軌道を構成する手段と、
    i)前記2次元合成解と前記構成された垂直面との交差するところで頂点軌道を切り取る手段
    備えたことを特徴とするシステム
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