JP2002352270A - モデルの適応的サンプル距離フィールドを訂正する方法 - Google Patents

モデルの適応的サンプル距離フィールドを訂正する方法

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JP2002352270A
JP2002352270A JP2002070752A JP2002070752A JP2002352270A JP 2002352270 A JP2002352270 A JP 2002352270A JP 2002070752 A JP2002070752 A JP 2002070752A JP 2002070752 A JP2002070752 A JP 2002070752A JP 2002352270 A JP2002352270 A JP 2002352270A
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cells
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N Perry Ronald
ロナルド・エヌ・ペリー
Sarah F Frisken
サラ・エフ・フリスケン
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 デジタルキャラクタ設計及びアニメーション
に使用されるパワフルな形状表現を提供する。 【解決手段】 入力データ102は、ユーザによりユー
ザインタフェース101を用いて指定される、ユーザは
BDTジエネレータ103に対するパラメータ132
と、エディタ104に対するパラメータ141とレンダ
ラ104に対するパラメータ151とコンバータ106
に対するパラメータ161とを設定する。ユーザはシス
テム100によって処理される3Dモデル又はレンジデ
ータとADF10に対する編集と三角形115への変換
について選択する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、概して、オブジェ
クトの形状をモデル化するコンピュータベースの方法の
分野に関し、特に、変更を反映するように適応的にサン
プリングされたフィールドを訂正することに関する。
【0002】
【従来の技術】現実的なデジタル化モデルの設計は、特
に、モデルが人間(現実または想像の)、動物および漫
画のキャラクタ等のキャラクタを表す場合、アニメーシ
ョン業界にとっての主な課題である。アニメーションア
ーティストは、概して、2つの制作方法を単独でまたは
組合せて採用する。1つの方法では、粘土のような伝統
的な媒体から模型を彫像し、その後それをデジタル化す
る。他の方法では、MAYA、SoftImage、3
DStudioMax、FormZおよびHoudin
i等のいくつかの商用またはカスタムコンピュータ化モ
デリングシステムのうちの1つを使用してモデルを作成
する。
【0003】粘土は、表現力に富むため大抵のアニメー
ションアーティストが選択する媒体であり、粘土を用い
る作業は直観的に行うことができる。理想的なモデリン
グ媒体として粘土に改良を加えることは困難である。粘
土ベースのデジタルモデルを設計するための標準的な手
法には、粘土模型を彫像することと、模型をデジタル化
または走査することによりデジタルモデルを生成するこ
とと、が含まれる。オブジェクトを走査し走査データか
らサーフェスモデルを生成するシステムは大量にある。
【0004】しかしながら、粘土で彫像しその後その粘
土模型をデジタル化することには、デジタルアニメーシ
ョンに対しいくつかの制限がある。スキャナおよびデジ
タイザは解像度に固有の限界を有し、遮蔽されたまたは
届き難いサーフェスをデジタル化することができず、雑
音を受け易いため、デジタル化プロセスにおいて多くの
細部が喪失される可能性があることに留意することが重
要である。このため、粘土の利点のいくつかは、走査プ
ロセスにおいて失われる。さらに、粘土モデルを長期保
存することは困難である。しかしながら、走査モデル
は、粘土模型の幾何学的構造に対し優れた一次近似をも
たらすことができ、その後それらはコンピュータベース
モデリングシステムにより拡張されることが可能であ
る。このため、いかなるモデリングシステムも入力とし
て走査データを受入れることが重要である。
【0005】大抵の従来技術によるコンピュータ化モデ
リングシステムは、一般に、モデルの形状を表現するた
めに、ポリゴン、非一様有理Bスプライン(non-unifor
m rational B-spline(NURBS))または他の平面
サーフェスの細分割(サブディビジョン、subdivisio
n)を使用する。しかしながら、3つの表現すべてに限
界がある。
【0006】ポリゴンモデルには、特にサーフェスが非
常に湾曲しているか、テクスチャ加工されているかまた
は鮮鋭なエッジを含む場合、詳細なサーフェスを表現す
るために多数の頂点が必要である。これにより、ポリゴ
ンを用いたモデル生成および編集が厄介で時間のかかる
ものとなる。NURBSは位相的に制限があるため、複
雑な形状を形成するためには繋ぎ合せられなければなら
ない。これは、非常に多くの技術的なおよびインタフェ
ースの課題をもたらす。DeRose他による「Subdivision s
urfaces in character animation」, Proc.SIGGRAPH’9
8, pp.85〜94, 1998を参照のこと。平面サーフェスの細
分割はNURBSのような同じ位相的制限を受けない
が、形状変化の制御と編集中の細部の追加が困難であ
る。他の問題として、これらモデリング技術はすべて、
サーフェス表現のみである。すなわち、モデルは中空の
シェルに過ぎず、内側部分に関しては何も分からない。
【0007】さらに悪いことには、サーフェス表現のス
カルプティング(suculpting)は、モデルを「隙間の無
い(watertight)」ものでなくする可能性がある。例え
ば、解像度の異なるNURBSを接合する場合の継ぎ目
が、分離して厄介な裂け目および穴を形成する可能性が
ある。これは、隙間の無い完成品を製作する前にスカル
プティングされたモデルを注意深く調べて編集しなけれ
ばならないことを意味する。隙間の無いモデルは、ステ
レオリソグラフィを含む高速プロトタイピングテクノロ
ジ等のいくつかのアプリケーションに対して重要であ
る。
【0008】すべてのコンピュータ化モデリングシステ
ムは、通常、制御頂点を操作することによって編集を行
う。これには、細部が必要とされる場所にモデルが十分
な制御頂点を有することを確実にするために、先見性お
よび注意深い計画と共にかなりの熟練および忍耐が必要
である。これらの理由のために、コンピュータ化モデリ
ングシステムは、粘土の直観的で表現力に富む性質には
及ばない。
【0009】操作をより直観的にするために、大抵のモ
デリングシステムは、ユーザが、コンピュータ実現(デ
ジタル)スカルプティング(sculpting)ツールを使用
して制御頂点群と対話することができるようにする。例
えば、MAYA Artisanでは、NURBSモデ
ルは、制御頂点群を操作するブラシツールを介して変更
される。サーフェスをプッシュし、プルし、平滑化し、
消去する操作は周知であり、ブラシツールは、その中心
の周りの影響が低減する範囲において制御頂点に作用す
ることができ、その結果、スカルプティングされた形状
が滑らかになる。スカルプティングされたサーフェスの
細部の量は、スカルプティングツールの領域における制
御頂点の数によって決まる。より精密な制御には、NU
RBSサーフェスのさらなる細分割が必要であり、その
結果システムの反応が悪くなりモデルが大きくなる。し
ばしば、メッシュ細分割がユーザによって制御され事前
設定される。それは、ツール選択かまたはスカルプティ
ングされたサーフェスの細部に適応しない。このため、
所望の領域において他の領域のサーフェスを過度に細分
割することなく細部を表現するために、かなりの先見性
と計画とが必要である。
【0010】SoftImageは、Wyvill他により「A
nimating soft objects」、the Visual Computer、2(4):23
5〜242、1986において述べられているような「メタボー
ル」テクノロジに類似した、「メタクレイ(Meta-Cla
y)」と呼ばれるスカルプティングインタフェースを提供
する。メタクレイは、有機的なスカルプティングされた
オブジェクトをモデル化するための密度ベースの表現で
ある。この表現は、ブロブ形状を作成し、エッジ、コー
ナまたは細部を表現しない。
【0011】パラメトリックモデルのスカルプティング
は、Fowlerによる「Geometric manipulation of tensor
product surfaces」、Proc. of the 1992 Symposium on
Interactive 3D Graphics, pp.101〜108, 1992と、Kho
dakovsky他による「Fine Level Feature Editing for S
ubdivision Surfaces」、ACM Solid Modeling Symposiu
m, 1999と、Terzopoulos他による「Dynamic NURBS with
geometric constraints for interacive sculptin
g」、ACM Transactions On Graphics, 13(2), pp.103〜
136, 1994と、に述べられている。しかしながら、これ
らの各々には、上述した限界のいくつかがあり、いずれ
も、アニメーション業界に対して要求される品質である
スカルプティングされた結果に達成しない。
【0012】ポリゴン、NURBSおよび他のサーフェ
ス細分割表現の問題に対処するために、ボリュメトリッ
ク(volumetric)データ構造を使用することができる。こ
れらデータ構造は、パラメトリックに、あるいは例えば
レーザまたは他の測距技術かまたはモデル化されるオブ
ジェクトを取込むスキャナを使用するサンプリング技術
により、生成することができる。ボリュメトリックデー
タは、モデルの外部部分と内部部分との両方を表現する
ことができる。そして、ボリュメトリックデータは、デ
ジタルスカルプティングツールを提供することによって
スカルプティングされる。それらスカルプティングツー
ルは、それらがボリューム(volume)と対話する場所の近
くのサンプル値を変更する。これらの理由のため、サン
プルボリュームは、デジタルクレイに対しデータ構造と
してより見込みがある。
【0013】FreeFormは、ボリュメトリックモ
デルをスカルプティングする商用システムである。Fr
eeFormは、フォースフィードバックを使用するこ
とによりスカルプティング時にユーザに触覚を提供す
る、3自由度触覚型入力装置を含む。モデルは、定期的
にサンプリングされる強度値として表現される。これ
は、達成することができる細部の量を大幅に制限し、過
度な容量のメモリを必要とする。例えば、最低限のシス
テムでも512MBのランダムアクセスメモリ(RA
M)が必要である。強度値は、スカルプティングされた
モデルにおけるエイリアシングアーティファクトを低減
するためにローパスフィルタリングされることが可能で
あり、その結果、ボリュメトリックスカルプティングシ
ステムにおいて一般的な平滑化されたエッジと曲線的な
コーナとがもたらされる。
【0014】標準ハードウェアレンダリングエンジンを
利用するために、Lorensen他により「Marching Cubes:A
High Resolution 3D Surface Construction Algorith
m」、Proc.SIGGRAPH’87, pp.163〜169、1987において述
べられているような方法を使用して、ボリュメトリック
モデルをポリゴンモデルに変換することができる。しか
しながら、ボリュームサイズが大きいため、マーチング
キューブは、過度な数の三角形を作成し、グラフィクス
レンダリングパイプラインにおいて対話性を制限するメ
モリオーバロードおよびボトルネックをもたらす。
【0015】aVILA他による「A haptic interaction me
thod of volume visualization」、Proc.IEEE Visualiz
ation ’96, pp.197〜204, 1996と、Baerentzenによる
「Octree-based volume sculpting Proc. Late Breakin
g Hot Topics」、IEEE Visualization ’98, pp.9〜12,
1998と、Galyean他による「Sculpting:An Interactive
Volumetric Modeling Technique」、Proc. SIGGRAPH’
91, pp.267〜274, 1991と、Wang他による「Volume scul
pting」、1995 Symposium on Interactive 3D Graphic
s, ACM SIGGRAPH, pp.151〜156, 1995と、を含む、ボリ
ュームベースのスカルプティングシステムを説明する多
数の刊行物がある。
【0016】しかしながら、これらシステムには各々、
大容量メモリ要求、ボリュームサイズによって決定され
る固定解像度およびソフトエッジ等、上述した制限のう
ちのいくつかを欠点として持つ。その結果、かかるシス
テムは、ハイエンドデジタルアニメーション業界にはほ
とんど役に立たない。
【0017】Industrial Light and Magic(ILM)お
よびPixar他、最新技術のデジタルスタジオは、アニメ
ーション化されたキャラクタ等、アニメートデジタルモ
デルを設計するために使用することができるスカルプテ
ィングシステムに対し、3つの基本的な要求を有する。
アニメ制作者およびアーティストは、デジタルクレイ、
すなわち本物の粘土の特性(すなわち、平滑な表面と非
常に精密な細部とを共に表現する能力において表現力に
富み、スカルプティングを行うために直観的であり、操
作が容易であり、ユーザ入力に応答性がよい)と、アン
ドゥし、スクリプトし、複製し、デジタルアニメーショ
ンシステムに統合し、永久的に格納する能力を含むデジ
タル媒体の利点と、を有する媒体を望む。スカルプティ
ング方法は、標準コンピュータハードウェアにおいて対
話速度で実行することができるべきであり、システム
は、現行のアニメーション製作パイプラインに適合しな
ければならない。すなわち、システムは、クレイ模型か
ら標準3D表現または3D走査データを読出し、それら
パイプラインに互換性のあるモデルを出力することがで
きなければならない。
【0018】従来技術によるデータ構造およびモデリン
グシステムの制限とアニメーション業界のニーズとは、
Frisken他により「Adaptively Sampled Distance Field
s: AGeneral Representation of Shape for Computer G
raphics」、Proc. SIGGRAPH2000, pp.249〜254, 2000に
おいて述べられているように、適応的にサンプリングさ
れた距離フィールド(adaptively sampled distance fi
eld(ADF))(以下、適応的サンプル距離フィール
ド(ADF)とする)の導入によって部分的に対処され
た。
【0019】そこでは、ADFが紹介され、ADFを生
成し、レンダリングし、スカルプティングする基本的な
方法が説明され、ADFを使用することができる多数の
アプリケーションが列挙されている。利点として、AD
Fは、オブジェクトの細部を表現するために要求される
だけのデータのみを格納する。
【0020】伝統的に、距離フィールドは、距離として
表現されスカラ値としてメモリに格納されることが可能
である。距離は、オブジェクトのサーフェスへの最短距
離を指定する。距離に符号が付される場合、その符号を
用いて、オブジェクトの内部と外部とを識別することが
できる。0の距離値はサーフェスを表す。
【0021】オブジェクトの形状を適応的にサンプリン
グし、そのサンプリングされた距離値を効率的に処理す
るために空間的階層に格納することにより、適応的サン
プル距離フィールド(ADF)を生成することができ
る。
【0022】そして、サンプル値から、ADFにおける
任意の点の距離を再構成し、それらを、レンダリングま
たはスカルプティング等のコンピュータ化された処理の
ために使用することができる。適応的サンプリングを使
用することにより、細部の領域における高サンプリング
レートと、距離フィールドが平滑に変化する場所での低
サンプリングレートと、が可能になる。このため、AD
Fは、過度なメモリ要求無しに高精度を可能にする。
【0023】Frisken他は、ADFの基本的なスカルプ
ティング手順を論じ、ADFを生成しレンダリングする
方法を概説している。しかしながら、多くの態様におい
て、従来技術によるADF操作方法は、アニメーション
業界が要求するような製作システムには不適当である。
【0024】特に、ボトムアップ生成方法には、非常に
多くのメモリと非常に多くの距離計算とが必要であり、
トップダウン方法には、八分木(octree)における近傍セ
ルの時間のかかる探索と、距離値の不要な反復再計算
と、が必要である。両方法とも、セルおよび距離値の空
間的および時間的メモリ一貫性が乏しい。これらメモリ
および処理制限は、生成することができるADFレベル
の最大数に対し実際的な制限を加える。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】ADFをレンダリング
するために、従来技術によるレイキャスティング法は、
デスクトップPentium(登録商標)クラスシステ
ム上のわずかなローカルアップデートに対しては十分に
高速である。しかしながら、レイキャスティングは、既
知のように、ハンドヘルド機器の組込みプロセッサ等、
ローエンドシステムでのローカルアップデートには非常
に低速であり、パン撮り、回転およびズーム等のカメラ
またはビュー変さらに対してはひどく不十分である。さ
らに、従来技術によるADF操作方法は、(1)デジタ
ルスカルプティングに対して使い勝手のよいユーザイン
タフェースに対応しておらず、(2)ADFをポリゴン
等の標準グラフィカル表現に変換する効率的な方法を提
供しておらず、(3)オブジェクトのサーフェスにおけ
る距離値以外の距離値を訂正するいかなる方法も提供し
ておらず、(4)ハードウェア加速をサポートしておら
ず、(5)編集中は別々のステップのみをサポートす
る。
【0026】しかしながら、ADFはまだ、十分に改良
することができる場合、デジタルスタジオのニーズを満
たす上質のスカルプティングシステムと使用するための
適当なデータ構造であり得る。ADFは、エンタテイメ
ント業界に対し多数の利点を有する。例えば、ADF
は、ボリュームおよびサーフェスを単一表現に統合し、
それにより製作システムが要求する独立した表現の数を
潜在的に低減する。さらに、ADFは、モデルの個々の
部品を別々にモデル化し、後に合せて接合することがで
きるように、単純な構成的立体幾何(constructive sol
id geometry(CSG))演算によって結合することが
できる。この特徴は、新たなモデルおよびキャラクタを
迅速かつ容易に設計するためにモデル部品のライブラリ
とフィーチャとを保持することにより、モデル設計中の
製作コストを低減することができる。
【0027】
【課題を解決するための手段】本発明は、適応的サンプ
ル距離フィールド(ADF)を使用することにより、ユ
ーザが、デジタル化されたモデルのサーフェスに対して
スカルプティングツールを方向付けて配置している間に
より優れた制御を行うことができるようにする、革新的
なボリュメトリックスカルプティングシステムを提供す
る。距離値は、スカルプティングツールを制約するため
に使用され、制御頂点は、モデルの編集中に三角形に対
する領域ベースの変換に対して使用される。さらに、ス
カルプティングされたモデルは、常に、厄介な裂け目お
よび穴が無く、「隙間のない(watertight)」ものにな
る。
【0028】また、本発明は、メモリ要求を低減し、よ
り適切なメモリ一貫性を提供し、計算コストを低減す
る、高度のモデル生成および編集方法も提供する。ま
た、複数回のスカルプティング操作後に距離フィールド
全体を訂正する方法も提供する。
【0029】また、本発明は、三角形およびサーフェス
点の高速生成を含む、標準PCにおけるハードウェア加
速を利用するいくつかの新しいフェンダリング手法も提
供する。システムからモデルを入力および出力する方法
は、走査されたレンジ画像からADFを生成する改良さ
れた方法と、種々の詳細度レベル(level of detail
(LOD))においてADFから位相的に一貫した三角
形モデルを生成する新しくかつ非常に高速な方法と、を
含む。
【0030】本発明は、本明細書で述べるように、アニ
メーションアーティストに対し、スカルプティングのた
めの対話式システムを提供する。本システムは、デジタ
ルクレイの形態で理想的なモデリング媒体を提供する。
本発明のシステムおよび方法は、最小メモリコストで非
常に高解像度の形状を表し、標準コンピュータハードウ
ェアと動作し、現行のアニメーション製作パイプライン
との容易な統合を可能にすることができる。
【0031】スカルプティングシステムは、ハイエンド
製作スタジオの要求を満たすように設計されるが、本シ
ステムはまた、ゲームおよび仮想現実環境のためのキャ
ラクタ設計等、エンタテイメント業界の他の分野におけ
るアプリケーションも有する。また、本システムは、特
にモデルをパラメトリックに生成することができない工
業モデリングに対しても使用することができる。これら
アプリケーションの要求に応じて、低ポリゴン数で可変
詳細度レベルモデルを出力する能力により、ADFベー
スモデルを現行のポリゴンエンジンに容易に統合するこ
とができる。さらに、本発明のモデリング方法は、ロー
エンドコンピューティング装置によって使用することが
できる。
【0032】方法は、モデルの適応的にサンプリングさ
れた距離フィールド(以下、適応的サンプル距離フィー
ルドとする)を訂正する。適応的サンプル距離フィール
ドは、複数のセルを含む。各セルは、セルの頂点におけ
る距離値を格納する。セルは、内部セル、サーフェスセ
ルおよび外部セルを含み、隣接するセルは、共通エッジ
を有する。選択されたセルは、未処理としてマークさ
れ、サーフェスセルは、処理済みセルとしてマークされ
る。各未処理セルの特定の頂点が、最小絶対値距離値を
有する場合、最小頂点としてマークされる。未処理セル
は、最小頂点の昇順に、各未処理セルの各共通エッジに
対し、隣接する処理済みセルの距離値を共通エッジに付
加することと、エッジの付加された距離値と頂点の距離
値とに従って、未処理セルの頂点の距離値を調整するこ
とと、未処理セルを処理済みとしてマークすることと、
により、さらに処理される。
【0033】
【発明の実施の形態】システム構造および構成要素図1
は、本発明によるコンピュータ化されたモデリングシス
テム100を示す。本モデリングシステムは、基礎とし
て、エンタテイメント業界により使用されるためにアニ
メーション化することができるデジタル化モデルを表現
するために、適応的にサンプリングされる距離フィール
ド(adaptively sampled distancefield(ADF))1
0を使用する。ADFの基本データ構造は、引用をもっ
て開示内容がすべて本明細書内に援用されたものとす
る、1999年8月6日付でFrisken他によって出願さ
れた、米国特許出願第09/370,091号「Detail
-Directed Distance Fields」において述べられてい
る。ADF10は、デジタル化モデルを表現するために
使用される。それらはまた、モデルに対して作用するコ
ンピュータ実現ツールを表現するためにも使用すること
ができる。なお、それらツールは、マテリアルを追加す
ることも削除することも可能であることに留意すべきで
ある。
【0034】モデリングシステム100の基本コンポー
ネントは、制限付き距離ツリー(bounded distance tre
e(BDT))ジェネレータ103と、エディタ104
と、レンダラ105と、コンバータ106と、点ジェネ
レータ107と、アプリケーションおよびユーザ要求1
09に応答するディスパッチャ108と、に対し入力デ
ータ102を提供するユーザインタフェース101を含
む。また、システム100は、後により詳細に説明する
アイドルプロセッサ110も含む。本システムの出力デ
ータ114は、OpenGLおよびRenderMan他の業界
標準レンダリングエンジンに供給されることが可能であ
る。出力データ114は、点、三角形および画像を含む
ことができる。
【0035】データ構造 入力データ102は、BDTジェネレータ103に対す
る3次元(3D)モデルまたはレンジデータ131およ
び生成パラメータ132と、エディタ104に対する編
集パラメータ141と、エディタ104に対するツール
パス142と、レンダラ105に対するレンダパラメー
タ151と、コンバータ106に対する変換パラメータ
161と、を含む。BDTジェネレータ103は、キャ
ッシュ133に格納される制限付き距離ツリー800に
対して作用する。また、レンダラ105は、適応的レイ
キャスティングによって生成される画像タイル152を
表現する中間データ構造に作用する。エディタ104お
よびアイドルプロセッサ110は、ツールパス142の
中間段階を表現するスクリプト112に作用する。レン
ダラ105、コンバータ106および点ジェネレータ1
07は、レンダリングエンジン111によって処理され
る画像、点および三角形114に作用し、コンバータ1
06は、ADF10から三角形115を生成する。
【0036】システムコンポーネントおよびデータ対話 入力データ102は、ユーザによりユーザインタフェー
ス101を用いて指定される。ユーザは、BDTジェネ
レータ103に対するパラメータ132と、エディタ1
04に対するパラメータ141と、レンダラ104に対
するパラメータ151と、コンバータ106に対するパ
ラメータ161と、を設定する。また、ユーザは、シス
テム100によって処理される3Dモデルまたはレンジ
データと、ADF10に対する編集と、ADFが三角形
115にいかにしておよびいつ変換されるかと、を選択
する。
【0037】BDTジェネレータ103とエディタ10
4とは、ツールパスとモデルジオメトリ(幾何学的構
造)とを含む局所的再生データ135を交換することに
よって対話する。アイドルプロセッサは、編集を精緻化
する136ためにエディタと、およびレンダリング画像
を精緻化する137ためにレンダラと、対話する。レン
ダラは、コンバータと対話することにより、ADF10
を三角形114に変換する。
【0038】システム動作 システム100の動作中、ユーザは、球およびボックス
等の標準オブジェクト形状に対するCSG演算を使用し
て初期モデルを生成することにより開始するか、または
標準3DモデルまたはレンジデータをADFに変換する
ことにより開始することができる。そして、ユーザは、
エディタおよび選択可能スカルプティングツールを使用
してモデルをスカルプティングすることにより続行す
る。
【0039】上述したように、スカルプティングツール
はまた、ADFか、あるいは形状が単純、例えば球状で
ある場合、ツールの形状を画定する単純な距離関数によ
っても、表現することができる。スカルプティング中、
レンダラは、ユーザ動作およびシステム能力によってい
くつかのレンダリング方法を自動的に切換えながら、画
像タイル152を更新する。
【0040】アイドル時間中、アイドルプロセッサ11
0は、適応的レイキャスティングに対する画像タイルの
レンダリング解像度を増大させること、スクリプトされ
たツールパス112から解像度および編集の範囲を増大
させることと、スカルプティングされているサーフェス
上に無いADFの点に対し距離値を訂正することと、を
含む多数の動作を実行する。
【0041】対話式スカルプティング システム100は、当業者には周知である、ファイル操
作、動作アンドゥ、選択、形状平滑化、ナビゲーション
およびライティング(lighting)制御に対する対話式ソフ
トウェアを含む。本明細書では、説明は、ADF10の
特性を活かすボリュメトリックデータと対話する本シス
テムの一意の方法に焦点を当てる。
【0042】サーフェス追従(surface following) 図2に示すように、システム100は、適応的サンプル
距離フィールド10のいずれかの点202からモデル2
00のサーフェス204の最近傍点203までの距離値
と方向201とを確定することができる。システム10
0は、この情報を使用して、入力手段、例えばマウスま
たは距離関数によって操作される可能性のある、スカル
プティングツール210のパス205および向きを案内
する。システムは、ツールを、オブジェクトのサーフェ
スに追従させる。それはまた、任意に、モデルのサーフ
ェス204に対して垂直であるツール210の主軸21
1方向付けることも可能である。オブジェクトはADF
によって表され、ツールはADFまたは距離関数によっ
て表されるため、サーフェスとツールとの間の距離と、
サーフェスの向き、すなわちオブジェクトの距離フィー
ルドの勾配の方向と、ツールの主軸と、を確定すること
が可能である。
【0043】サーフェス追従は、オブジェクトの距離フ
ィールドの勾配の方向にツールを反復的に移動させるこ
とによって達成される。移動した距離は、ツールとサー
フェスとの間か、または後述するような制約付きスカル
プティングのためのある「オフセット」サーフェス22
0からの距離に比例する量である。オフセットサーフェ
スは、オブジェクトのサーフェスの外部とも内部ともす
ることができる。同時に、ツールの主軸211を、サー
フェス上の最近傍点のサーフェス垂線に位置合せするこ
とができる。サーフェス追従は、マウス等の2D入力装
置を用いて3D形状を編集する場合に特に有用である。
サーフェス上にツールを正確に配置することは困難であ
る可能性がある。サーフェス追従により、ビュー方向に
対して斜めであるサーフェスをスカルプティングする場
合のより直観的制御が可能になる。
【0044】ベジエ(Bezier)ツールパス スカルプティングは、ツールのパスに沿った別個の編集
のセットにより達成することができる。しかしながら、
図3aないし図3cに示すように、この手法は、非効率
であってエラーをもたらす可能性があり、低速なツール
移動の場合の冗長オーバラップ編集(図3a)と高速な
ツール移動の場合の断続編集(図3b)とをもたらす。
ツールの形状が軸的に非対称である場合、ツールがツー
ルのパスに対して斜めである時(図3c)編集は断続的
で位置がずれる可能性がある。
【0045】これら問題に対処するために、システム
は、ツールが3Dベジエ曲線に沿って移動するに従っ
て、ツールのジオメトリ(幾何学的構造)に対応する掃
引されたボリューム(スウェプトボリューム、swept vo
lume)により直接ADF10を編集する。本システム
は、ベジエクリッピングプロセスを使用して曲線からの
距離を計算し、その後ツールのジオメトリを使用して掃
引されたボリュームを生成する。Nishita他による「Ray
tracing trimmed rational surface patches」、Proc.
SIGGRAPH’90, pp.337〜345, 1990を参照のこと。
【0046】球状ツールの場合、掃引されたボリューム
の距離は、距離をツールパスの中心線に対してずらすこ
とにより計算される。矩形または他の形状を有するツー
ルの場合、距離計算はより複雑であるが、点ベースの評
価よりはまだ効率的であり得る。この手法により、2レ
ベルの制御が可能である。第1に、ベジエパスを、ユー
ザの入力ストロークから自動的に導出した後にカービン
グ(carve 刻む)することが可能である。第2に、ベジ
エ曲線を、モデルのサーフェス上に明示的に描き、曲線
をサーフェス上にカービングする前に制御点を用いて編
集することが可能である。
【0047】ツールパスのスクリプティング 利点として、システム100は、後の処理のために編集
中にスクリプト112に編集パスを記録する。スクリプ
トされたパスは、3つの重要な特徴を提供する。第1
に、対話速度を達成するために、編集解像度とADFに
対するツールの影響の範囲とを制限することができる。
これが起こる場合、スクリプトされた編集パスは、より
高い解像度での編集の遅延評価のため、およびアイドル
時間処理中にADFに向けてツールの影響の範囲をさら
に増大するために、使用される。第2に、スクリプトさ
れたパスは、編集セッションの履歴を提供し、モデルが
異なるメモリおよび処理パワーを有するシステムにおい
て再生されることを可能にする。第3に、スクリプトさ
れたパスは、ADFの格納された中間バージョンと結合
され、システムが過度に記憶域を使用することなくマル
チプルアンドゥを処理することを可能にする。好ましい
実施形態では、スクリプトは、ツールのパスのパラメー
タを定義するキャラクタストリングまたはバイナリデー
タの形態である。
【0048】ダイナミックツール システム100は、ツールの形状およびその機能(追加
・削除)が、移動した時間/距離により、またはサーフ
ェス上のその位置に従って、またはツールパスにおける
記述に従って、変化することを可能にする。記述は、時
間、距離、勾配、サーフェス複雑性およびセルジオメト
リ等の多数のパラメータに基づいて形状と機能とを共に
変更する手順とすることができる。
【0049】距離ベースの制約 図4に示すように、ADF10がモデルのサーフェスか
ら空間のいかなる点までの距離を表すため、システム1
00は、強化されたモデリングインタフェースを提供す
ることができる。ツールは、オフセットサーフェス22
0に沿って移動するように制約されることが可能であ
る。このため、システムは、ツールに対し、オリジナル
サーフェスからの指定された深さ(内部オフセットサー
フェス)または高さ(外部オフセットサーフェス)にお
いてマテリアルを削除または追加させることができる。
オフセットサーフェス上にツールを維持するための計算
は、上述したように真のサーフェス上にツールを維持す
る程度に簡単である。
【0050】さらに、本システムは、ADF形態で、ま
たは従来からの距離フィールドとして、デジタル「マス
ク」420を使用することができる。マスクは、2つの
方法で使用することができる。第1に、マスクを使用し
て、ツールがモデルの指定された2Dまたは3D領域を
変更しないようにすることができる。第2に、ツールを
使用してマスクの一部を「切取る(cut-away)」ことがで
き、それにより、モデルの露出した部分のみが、マテリ
アルを追加するかまたは削除することによりさらに処理
される。
【0051】マスクは、「フォースフィールド」430
の形態とすることができ、それもまたADFとして表す
ことができる。フォースフィールドの再構成された距離
フィールドおよび勾配は、ツール深さまたはモデルのサ
ーフェスに対する近接を示す、物理的および視覚的キュ
ー、例えば触覚用のフォースフィードバックを提供する
ことができる。代替的に、フォースフィールドは、ツー
ルがフォースフィールドの「影響(influence)」431
内にある、すなわちツールがマスクエッジ近傍にある間
に、編集を制約することができる。さらに、より複雑な
編集制約を提供するために、複数のマスクおよびフォー
スフィールドを結合することができる。なお、マスクが
ツールをマスク領域内部で移動するように制約する場
合、フォースフィールドはマスクから内側へ拡張し、そ
うでない場合は、外側へ拡張する。
【0052】距離ベースの制約に対するアプリケーショ
ン 距離ベース制約は、多くのアプリケーションにおいて有
用である。Lelerにより「Constraint programming lang
uages, their specification and generation」、Addis
on-Wesley Publishing Company, 1988において定義され
るように、制約は、2つ以上のオブジェクト間の所望の
関係である。工業デザインは、しばしば、制約指向であ
ると考えられる。設計の制約は、通常、可能な解決法の
範囲における制限を示す。
【0053】通常単一モデルまたはサーフェスに関連す
る、許容制約を考慮する場合、制約の上記定義を拡張し
なければならない。従って、システム100の好ましい
実施形態では、制約は単一モデルに課せられるか、また
は2つ以上のモデル間の所望の関係を表す。
【0054】ADF制約は、少なくとも1つのADF、
例えば420と、システム100においてその制約を例
示化する制約手順440と、を含む。例えば、制約手順
440は、マスク420に関し、ツールがADFを入力
しないように絶対的に制限するか、ツールがサーフェス
から非常に小さい指定された距離内にある時にツールの
移動を制限するか、ツールが、ADFのフィールドを歪
める陽関数と相まって、そのフィールドによって画定さ
れる領域に入力しないように制限しなければならない。
さらに、制約を結合することにより、複合制約システム
を形成することができる。
【0055】この手法の新規性の1つは、制約を、AD
Fに変換されるかまたはADFとして直接描かれる2D
または3Dモデルとして表現することができる、という
ことである。適応的サンプル距離フィールドとしての制
約のこの表現により、制約を、空間を通して適応するこ
とができる。手順にADFを関連付けることにより、工
業デザインに対する特定のアプリケーションを有する無
制限の柔軟性が可能になる。例えば、本システムが集積
回路を設計するために使用される場合、ツールを所望の
精度に導く制約を指定することにより、サブミクロン精
度を容易に取得することができる。
【0056】距離ベースの制約に対するサーフェス追従
手順 図5は、システム100の距離ベースの制約を実現する
手順500を示す。手順500に対する入力データは、
モデル、ツール、マスクおよび/またはフォースフィー
ルドのADF10と、制約501、例えばサーフェスか
らの所望の距離と、ツールの向きおよび位置のパラメー
タ502、例えばツールの主軸およびサーフェスとの所
望の角度と、を含む。モデル、ツールおよび制約は、表
示装置において入力装置503、例えばマウスにより操
作される。
【0057】マウスは、ある現在の入力位置(p)50
4を指定する。入力位置は、ADFの座標系のp’50
5に変換される510。p’における距離および勾配5
06は再構成される520。ツールは、配置され方向付
けされる530ことにより、新たな向きおよび位置が確
定され507、ユーザに表示される540。
【0058】制御点編集 デジタルスカルプティングはデジタルモデル設計に対し
パワフルで柔軟な手段を提供するが、制御頂点操作に利
点がある場合もある。例えば、キャラクタの頬を膨らま
せるかまたは頬に皺を寄せるためには、スカルプティン
グツールを用いてマテリアルを追加または削除すること
により頬の形状を変更するよりも、制御頂点のセットを
編集する方が容易である可能性がある。
【0059】このため、図6および図7に示すように、
システム100は、後述するように、ADFモデル10
の一部610を選択し、選択された部分を、ユーザが制
御する詳細度レベルで制御頂点を用いてポリゴン(三角
形)モデル620に変換する手段700を提供する。そ
れにより、制御頂点を操作することができ、三角形モデ
ルからADFの編集部分620を再生することができ
る。
【0060】制御点編集手順700において、入力パラ
メータは、ADF10および三角形化パラメータ701
である。ステップ710は、三角形化するADFセル7
11を選択する。例えば、ユーザがモデルのサーフェス
を指し所望の部分を識別する。マークされたセルは、後
により詳細に説明するように三角形化される720。三
角形メッシュ721は、指定されたLODで、選択され
た部分の境界上にエッジを有する。そして、三角形メッ
シュは、いずれか既知の編集手順を使用して編集される
730。編集された三角形731は、編集されたADF
630を作成するように局所的に再生される740。編
集および再生中、選択された部分のエッジは、鮮鋭なエ
ッジを保持するように有効であり続けることができ、ま
たはサーフェスの選択された部分から残りの(選択され
ていない)部分への遷移が平滑であるように、緩和され
ることが可能である。
【0061】制限付き距離ツリー生成および編集 Frisken他は、ADFを生成する2つの方法を概説して
いる。ボトムアップ方法は、完全に占められた(fully p
opulated)八分木を生成し、セルの8つの子によって表
される距離フィールドがセルのサンプリングされた距離
値によって適切に近似される場合にセルを上方に合体さ
せる。トップダウン方法は、モデルの距離関数から計算
された距離を複数のテスト点におけるセルのサンプリン
グされた距離値から再構成される距離と比較する属性(p
redicate)テストをパスしないセルを、再帰的に細分す
る。
【0062】実際的なアプリケーションでは、これら方
法は共に重大な限界を有する。ボトムアップ手法では、
高解像度ADFを生成するために過度な量のメモリと非
常に多くの距離計算が必要であり、再帰的トップダウン
手法は、八分木レベルを上下に移動し、多くの冗長距離
計算および再構成を必要とする。両手法ともに、メモリ
一貫性が乏しく、キャッシングから取得することができ
るあらゆる有益な効果を最小にする。8の最大八分木レ
ベル(レベル8ADF)のADFを生成するための時間
はおよそ20秒程度であり、レベル9ADFの場合は4
0秒程度である。これは、デスクトップPentium
(登録商標)IIIシステムで実行するトップダウン生
成方法を使用する比較的単純なCSGモデルの場合であ
る。両方法において、レベル9より高いADFを生成す
ることは、生成時間およびメモリ要件が過度となるため
非実際的である。
【0063】本システムにおいて、BDTジェネレータ
103は、メモリ要求と、メモリ一貫性と、ADFを構
成する際の計算と、のバランスをとる。同様のCSGモ
デルの生成時間は、レベル8ADFの場合1秒未満、お
よびレベル9ADFの場合約2秒まで、大幅に低減され
る。これは、従来技術の方法に対し速度が20倍向上し
ている。よりよいメモリ利用とより高速なジェネレータ
により、システムは、約8秒でレベル12ADFを生成
することができる。
【0064】なお、レベル12ADFは、1:2−12
すなわち1:0.00024の解像度範囲を表す。定期
的にサンプリングされる従来技術でのボリュームにおい
てこの動的範囲を表すためには、明確に大抵の汎用コン
ピュータの能力を超え、組込みプロセッサには間違いな
く不可能である、約700億のサンプル値が必要であ
る。際立って対照的に、一般的なレベル12ADFは、
およそ2〜300万程度の距離値と、相当な改良と、ラ
ップトップ、携帯情報端末および無線通信機器等の小型
携帯機器の能力の範囲内に十分であることが必要であ
る。
【0065】図8に示すように、BDTジェネレータ1
03は、再帰的細分割を適用し制限付き距離ツリー(B
DT)800を使用することにより、トップダウン法で
層のルートセル(C)801からADF10の生成を
開始する。図8は、レベル3(803)、レベル6(8
06)、レベル9(809)およびレベル12(81
2)の層を有するレベル12ADFの八分木を示す。表
記法Cは、さらなる細分割のための候補セルを示す。
層の深さは、その層が処理される時の八分木深さの増大
を確定する。例えば、層深さが3で生成されるレベル9
八分木は、まずレベル3、次にレベル6、最後にレベル
9に対して生成される。
【0066】各層内で、ADF八分木は、一度に1つの
BDT800で処理される。BDTは、2、3またはそ
れより大きい次元を有することができる。2Dの場合、
BDTは「タイル」と見なすことができ、3Dの場合は
「キューブ」と見なすことができる。BDTは、計算さ
れ再構成された距離を格納するために使用されるデータ
構造であり、それにより隣接するセルに対する冗長な距
離計算が避けられる。好ましい実施形態では、BDT
は、キャッシュにおけるアレイとして表される。特徴と
して、および図8に示すように、BDTは制限された深
さを有し、距離値が計算されている間、一時的にキャッ
シュに格納される。BDTの各距離値は、距離値が有効
であるか否かを示す関連する「妥当性」ビットを有す
る。他の特徴として、正常動作中、例えば編集およびス
カルプティング中、サーフェスセルを含む「サーフェ
ス」BDTのみが処理される。完全に内部セルと外部セ
ルとからなるBDTは、距離フィールドの「遠隔」部分
が訂正されるまで処理されない。以下の図17を参照の
こと。
【0067】層深さは、BDTのサイズを設定する。例
えば、3Dモデルの場合の3という層深さは、サイズ2
×2×2の立方BDTを示す。層深さ3のレベル
9ADFを生成する場合、第1層において8リーフセ
ルが生成される。第2層が処理される時、第1層からも
たらされる、レベル3の各リーフセルが、さらなる細分
割のための候補となり、新たなBDTの親セルとしての
役割を果たす。第3層を処理する場合、第2層からもた
らされるレベル6の各リーフセルが、さらなる細分割の
候補となり、ADFの最大の指定されたレベルに達する
までかまたは候補が無くなるまで続く。
【0068】本発明の利点として、各BDTに対する計
算され再構成された距離は、再帰的細分割中に必要な場
合にのみ生成される。さらに、BDTデータ構造は、A
DF10におけるようにポインタを使用しないため、必
要な記憶域が大幅に低減され、BDTをキャッシュする
ことを可能にし処理時間が低減される。さらに、BDT
の距離値がポインタベースのツリーではなくアレイ要素
として表される場合、距離値へのアクセスには単一の定
数時間演算が必要である。
【0069】各制限付き距離ツリー800に関連する対
応するビットマップ1009(図10参照)は、BDT
800の有効な距離値を追跡する。ビットマップは、B
DT内の距離値が計算され一度だけ格納されることを確
実にする。BDTの各距離値、すなわち各アレイ要素に
対し1つの妥当性ビットがある。
【0070】BDTが完全に処理された後、BDTの有
効な距離がADFに追加され、有効な距離に対するセル
ポインタがADFにおいて更新される。異なるBDTの
隣接するセルに亙っても距離が共有されることを確実に
するために、既に処理された隣接するセルからのBDT
800と対応するビットマップ1009とを初期化する
ことにより、BDT境界において特別な配慮がなされ
る。これによってまた、パフォーマンスが向上する。
【0071】BDTのサイズは、キャッシュ133のサ
イズに合うように調整することができる(図1参照)。
例えば、Pentium(登録商標)クラスシステムで
は、特に各距離値が2バイトのみを必要とする場合、8
までの距離値を格納するBDTが有効に作用する。さ
らに、ビットマップ1009の使用により、CPUとキ
ャッシュパフォーマンスとが向上する。例えば、32ビ
ットコンピュータでは、ビットマップ1009が単一メ
モリワードにおいて32の妥当性ビットを格納するた
め、BDTジェネレータは、単一動作においてBDTの
32の距離値を無効にすることができる。利点として、
制限付き距離ツリーデータ構造は、ADFのデータ構造
より実質的に小さい。
【0072】ADF10の最終セルおよび距離がメイン
メモリの隣接するアレイに格納されることにより、レン
ダリング等の他のシステム動作中にADF10を処理す
る場合の空間的一貫性およびパフォーマンスがさらに向
上する。これらアレイは、BDT生成中に必要に応じて
ブロックに割付けられる。BDT生成が完了すると、ア
レイは最大要求サイズに切捨てられる。アレイブロック
が隣接しているため、ADFがメモリ内で移動されるか
コピーされる場合、セルおよび距離値ポインタの更新が
高速かつ容易である。
【0073】図9、図10および図11は、BDTジェ
ネレータ103を実現するソフトウェア手順900のス
テップを示す。ステップ901は、セル、距離値(DistV
als)、BDTビットマップ1009およびBDT800
に対しメモリのブロックを割付ける。ステップ1000
(図10参照)は、セルのフィールドを初期化し、セル
のエラーを計算する。ステップ100で実行される他の
処理ステップは、最大深さレベル(MaxLevel)を初期化す
ること、BDTビットマップ1009のビットを無効に
すること、候補セルを設定すること(ルートセル801
から開始する)と、を含む。候補セルは、更なる細分割
を必要とする可能性のあるセルである。候補セルが無く
なるまで902、候補セルは再帰的にMaxLevel
まで細分割される1100(図11参照)。ステップ9
03において有効距離値がコピーされ、ステップ904
は次の候補セルを取得する。完了時、最終セルおよび距
離値が、所定の最大要求サイズに切捨てられる905。
【0074】図10に示すように、初期化ステップ10
00は、セルのフィールドを初期化するステップ100
1と、セルのエラー基準を計算するステップ1002
と、セルのエラー基準を設定するステップ1003と、
を含む。なお、すでに計算された距離を計算することを
避けるために、BDT800とその関連するビットマッ
プ1009とを使用する。
【0075】再帰的細分割ステップ1100は、以下の
サブステップを含む。ステップ1101は、内部セルお
よび外部セル、すなわちサーフェスセル以外のすべての
セルが、セルのコーナに対して格納される距離値とセル
の対角距離とを使用して、さらに細分割されないように
する。ステップ1102は、エラー基準が満たされる時
に細分割を停止する。ステップ1103は、MaxLe
velに達すると細分割を停止する。ステップ1104
は、実際に、セルの細分を実行し、ステップ1105お
よび1107は、セルの距離値に基づいてセルタイプ
(内部、外部およびサーフェス)を設定する。ステップ
1106は、可能な場合いつでも、内部および外部セル
をより大きいセルになるように合体する。
【0076】制限付きサーフェス生成 図8ないし図11に示すBDT生成方法は、通常、サー
フェスセルを細分割するのみである。このサーフェス限
定生成は、サーフェスセルにおける距離フィールドの正
確な表現を確実にしながらメモリ要求を低減する。これ
は、サーフェスに隣接する領域を処理するためには十分
である。
【0077】しかしながら、サーフェス追従、距離ベー
スの制約の使用およびフォースフィードバック等、上述
した編集方法のいくつかに対し、距離フィールドは、サ
ーフェスからのある距離に対して正確であることが要求
される。これら環境において、セルがサーフェスからの
指定された最小距離によって画定される制限された領域
内にある時はいつでも、セルが最大エラー制約を満足し
ない限り外部セルおよび内部セルが合体されないよう
に、BDT生成方法900が訂正される。この制限付き
サーフェス生成方法は、従来技術によるADF生成技術
とは異なる。
【0078】編集 本システムでは、スカルプティングは、局所的編集プロ
セスを使用してADF10に対して実行される。Friske
n他によって述べられているような従来技術によるAD
F処理技術と比較して、本発明によるBDTの使用によ
り、20(factor of 20)だけ編集時間を縮小し、2
(factor of 2)だけセルおよび距離値に対するメモリ
要求を低減する。これら進歩により、デスクトップおよ
び携帯型コンピュータシステムにおいて高詳細スカルプ
ティングの実行が可能になる。
【0079】より小型のコンピュータシステムにおける
より少ない資源に適応するため、システム100は、ス
カルプティングされた解像度とツール影響のボリュメト
リックな範囲とを共に制限することにより対話性を保証
することができる。上述したように、システム100
は、スカルプティング動作のスクリプト112とADF
の中間バージョンとを保持する。アイドル時間中にスク
リプト112を使用することにより、スカルプティング
解像度を増大しADF10にツール影響を拡張すること
ができる。
【0080】遠隔距離値の訂正 上述したように、ADF10は、モデルおよびツール距
離フィールドに対しCSG演算を施すことによってスカ
ルプティングされる。例えば、Frisken他による正・内
部および負・外部の符号付き距離値の変換に続いて、差
分スカルプティングツールの場合の点pにおけるスカル
プティングされた距離は、dist(p)=min(d
istmodel(p),−disttool(p))
として表すことができ、加算ツールの場合のpにおける
スカルプティングされた距離は、dist(p)=ma
x(distmodel(p)、dist
tool(p))である。min/max演算子を使用
することにより、図12aおよび図12bに示すよう
に、ADFのスカルプティングされたサーフェスから遠
隔の点において、ADF10の不正確な距離値がもたら
される可能性がある。
【0081】例えば、図12aおよび図12bに示すよ
うに、差分ツールを使用する場合の点P1(1201)
と加算ツールを使用する場合の点P2(1202)とは
共に、スカルプティングされたオブジェクトに存在しな
いサーフェスに対する距離が割当てられ、これら点に不
正確なフィールドがもたらされる。処理が、例えばレン
ダリング中、サーフェスにおける距離フィールドの正確
な表現のみを要求する場合、これら不正確な値は無効で
ある。
【0082】しかしながら、編集技術およびアプリケー
ションのいくつかは、サーフェスから遠隔の距離フィー
ルドの正確な表現を必要とする。例えば、システムが工
業デザインに使用される場合、指定されたパスに沿って
ツールを適当に案内するために、ボリュームを通してサ
ブミクロン距離精度が要求される場合がある。このた
め、アイドルプロセッサ110は、システムアイドル時
間中に遠隔距離フィールドを訂正する。また、アイドル
プロセッサ110は、マテリアルが削除されているか追
加されているという事実を反映するように、焦点領域、
例えばスカルプティングツールのワーキングサーフェス
近くにおいて、要求があり次第距離フィールドを訂正す
ることも可能である。
【0083】遠隔距離フィールドをモデルのサーフェス
の近くの所定の正確な距離だけ訂正することが可能な多
数の方法がある。レベルセット技術から導出される高速
前進(fast marching)法を使用して、サーフェス近くの
正確な値の狭い帯域から外側に向かって距離を伝搬する
ことができる。他の手法は、ゼロ値のアイソサーフェス
(iso-surface)における距離値と距離フィールド境界と
を一定に保持し、シミュレートされたアニーリングを使
用して中間のフィールドを平滑にする。これら方法のい
ずれも、適応的距離フィールドのために設計されておら
ず、両方法ともに対話式編集には非常に低速である。
【0084】図17は、例えばアイドル処理110中
の、本発明により遠隔距離値を訂正する方法1700を
示す。ステップ1701は、各内部/外部(非サーフェ
ス)セルに対し、最小の絶対値の距離値を有するセルコ
ーナをマークする。各非サーレスセルもまた、未処理と
してマークされる。なお、サーフェスセルの距離値は、
特定のエラー基準に対して常に正しく、通常訂正される
必要はない、と仮定することに留意されたい。しかしな
がら、例えばサーフェスが通過する大きいセルの場合、
エラー基準を変更することが望ましい場合がある。この
場合、これら大きいサーフェスセルを「訂正」のために
選択することができる。
【0085】そして、ステップ1702は、ソートキー
としてマークされた最小絶対値距離値を使用して、内部
/外部セルを昇順にソートする。ステップ1703は、
そのソートされた順序で内部/外部セルを処理する。
【0086】ステップ1704は、各内部/外部セル1
711の各エッジを検査し、エッジを共有しサーフェス
セルかまたは処理済みセルのいずれかである近傍セル1
705を確定し、その後ステップ1707は、隣接する
セルのエッジに対するあらゆる失われた距離値を内部/
外部セル1711の共有セルに付加する。なお、セルは
サイズが変化するため、距離値は共有エッジのいずれに
も現れる可能性があることに留意されたい。
【0087】そして、ステップ1708は、後述する訂
正方法1710のうちの1つに従って、新たに付加され
た距離値を使用して、内部/外部セル1711のコーナ
値を設定する。最後に、ステップ1708は、処理され
るに従ってセル1711をマークし、すべての内部/外
部セルが処理されるまで次のソートされた内部/外部セ
ルに対する処理を続ける。
【0088】訂正方法1 各セルコーナ頂点を「自由(free)」または「固定(fixe
d)」としてマークする。本発明の1つの実施形態では、
コーナは、隣接するサーフェスセルと共有されるコーナ
である場合にのみ固定であり、そうでない場合は自由で
ある。本発明の他の実施形態では、コーナは、隣接する
サーフェスセルかまたは処理済みセルと共有されるコー
ナである場合には固定であり、そうでない場合は自由で
ある。そして、各コーナに関連する付加された距離値の
数を確定する。付加された距離値は、それがあるコーナ
に接続されたエッジ上にある場合はそのコーナと関連
し、コーナとエッジの中間点との間のいずれかにある。
次に、関連する距離の最大数を有するコーナCを確定す
る。そして、セルを指定された解像度で一様にサンプリ
ングされたグリッドに分割する。好ましい実施形態で
は、グリッドを表現するために要求されるメモリは、C
PUのキャッシュに適合し、それによりパフォーマンス
が最大化される。最後に、コーナCから伝搬されセルの
自由コーナのみを訂正するレギュラグリッドに対しユー
クリッド距離変換を実行する。Cuisenaireによる「Dita
nce Transformations: Fast Algorithms and Applicati
ons to Medical Image Processing」, Ph.D.thesis、Uni
versite Catholique de Louvain, 1999を参照のこと。
【0089】訂正方法2 各自由コーナに対し最近傍の新たに付加された距離Dを
確定する。そして、各自由コーナCに対し、最近傍の新
たに付加された距離Dに対するユークリッド距離Nを確
定する。Cの距離が距離Dおよび距離Nによって画定さ
れる範囲外にある場合、Cの距離をこの範囲に設定す
る。
【0090】訂正方法3 方法2と同様に、しかしながら各自由コーナに対して最
近傍の新たに付加された距離を使用する代りに、各自由
コーナを訂正するために新たに付加された距離のすべて
を使用する。
【0091】訂正方法4 エッジに沿った距離の外挿かまたは距離フィールドを通
しての距離の外挿を使用して、すべての自由コーナにお
いて訂正された距離を導出するために新たに付加された
距離を使用する。
【0092】訂正のための内部/外部セルの選択 本発明の1つの実施形態では、ステップ1701は、内
部/外部セルをすべて選択する。本発明の他の実施形態
では、ステップ1701は、サーフェスから指定された
距離内の内部/外部セルのみを選択する。本発明のさら
に他の実施形態では、ステップ1701は、サーフェス
セルに隣接する近傍である内部/外部セルのみを選択す
る。本発明のさらに他の実施形態では、ステップ170
1は、指定された領域内の内部/外部セルのみを選択
し、この場合、その領域は、ユーザからの入力、例えば
マウスイベントによって指定される位置によって画定さ
れる。いくつかのアプリケーションでは、内部または外
部のセルの一方だけが訂正を必要とする。それらの場
合、本発明は、ステップ1701を、指定されたセルタ
イプ、すなわち内部または外部のみを選択するように制
限する。
【0093】BDT生成中に処理する内部/外部セルの
選択 訂正のために内部/外部セルを選択する上に列挙した同
様の基準を、いずれの内部/外部セルがBDF生成中に
属性(predicate)テストをパスするよう強制されるかの
選択に適用することができる。属性テストは、セルの再
構成方法が正確に距離フィールドを表すか否かを確定す
る。Frisken他を参照のこと。本発明の1つの実施形態
では、BDTジェネレータは、内部/外部セルが属性テ
ストをパスすることを要求しない(サーフェス制限生
成)。本発明の他の実施形態では、BDTジェネレータ
は、サーフェスからの指定された距離内の内部/外部セ
ルに対し属性テストにパスするよう強制する(制限付き
サーフェス生成)。本発明のさらに他の実施形態では、
BDTジェネレータは、指定された領域内にある内部/
外部セルに対し、その領域がユーザからの入力(例え
ば、マウスイベントの位置)によって画定される場合
に、属性テストをパスするように強制する。
【0094】高速レンダリング 高速グローバルレンダリング 本発明によるシステム100はまた、標準ハードウェア
およびソフトウェア実現レンダリングエンジンと統合さ
れ得るように、ADF10を三角形および点モデルに変
換する方法も含む。NVIDIA GeForce2等
の現行の標準ハードウェアの場合、これら変換方法は、
ADFの真に対話的な操作を提供する。三角形の場合、
ADFは、多くのコンピュータシステムで利用可能なハ
ードウェア三角形ラスタ化を利用して、OpenGLレ
ンダリングエンジン111を使用してレンダリングする
ことができる三角形モデルに変換される。ADFを三角
形に変換する方法は後述する。
【0095】変換時間は非常に高速である。すなわち、
システム100は、Pentium(登録商標) IV
クラスプロセッサにおいて、0.39秒でレベル9AD
Fから200,000の三角形を有する三角形モデルを
生成することができる。LODがより低いモデルは、よ
り高速に、例えば2000三角形モデルの場合10ミリ
秒未満で生成することが可能である。このように、ナビ
ゲーションツールが選択される場合、三角形モデルを進
行中にわずかな遅延で生成することができ、カメラのパ
ニング、スーミングまたは回転中の高速グローバルレン
ダリングが可能となる。
【0096】代替的に、本システムは、Rusinkiewicz他
により「Qsplat:A MultiresolutionPoint Rendering Sy
stem for Large Meshes」、Proc.SIGGRAPH’00, pp.343
〜352, 2000において述べられているような、コンピュー
タグラフィクスにおけるハードウェア支援の点レンダリ
ングに向かう最新の傾向を利用して、グローバルビュー
変更のための点ベースレンダリングを使用することがで
きる。
【0097】好ましい実施形態では、システム100
は、OpenGLレンダリングエンジン111を使用し
て点をレンダリングする。点ジェネレータ107は、
0.2秒で800,000のフォンシェーディングが施
された点をもたらすことができ、シェーディングがレン
ダリングエンジン111によって実行される場合、シェ
ーディングされていない点に対しては、0.12秒未満
で生成することができる。点は、デスクトップシステム
上で対話的にレンダリングすることができ、三角形モデ
ルのように、ナビゲーションツールが選択される場合は
要求があり次第生成されることも可能である。
【0098】距離フィールドおよび八分木データ構造を
使用することができることにより、ADFに対し、点を
生成するための一意の利点が与えられる。例えば、セル
内でランダムに生成された点は、その点における距離値
と勾配とを使用して1ステップでサーフェス上に単純に
投影することができる。さらに、セルサイズを使用し
て、そのセルで生成される点の数とサイズとを共に確定
することができ、それにより多重解像度レンダリング方
法が可能となる。
【0099】点生成は非常に高速であるため、システム
は、後向きセルおよび後向き点を間引き(cull)、セル内
の勾配を使用してシルエットエッジ上により多くの点を
生成する、ビュー依存の点生成も使用することも可能で
ある。
【0100】高速局所レンダリング 本発明は、システム資源に応じて、スカルプティングさ
れた領域の画像を局所的に更新するために2つの方法を
使用する。すなわち、ハードウェアレンダリングによる
局所的三角形生成と、ソフトウェアベースレンダリング
のための適応的レイキャスティングと、である。点生成
は、局所的編集に対しては十分に高速であるが、点モデ
ルは、三角形またはレイキャスティングのように画像の
微細なスカルプティングされた詳細を表現しない。従っ
て、点モデルは、高速局所レンダリングには利用されな
い。
【0101】局所的三角形 ハードウェアレンダリングに対しADF10が三角形モ
デルに変換され、ADFと三角形モデルとを共に保持す
るために十分なメモリがある場合、本システムは、スカ
ルプティング中にこれらモデルを局所的に更新すること
ができる。局所的更新を可能にするために、三角形は、
それらが生成されるもとのセルに従ってインデクスされ
る。セルがスカルプティングによって影響される場合、
スカルプティングプロセス中に、進行中に、その関連す
る三角形は削除され、新たな三角形が生成される。この
方法は非常に高速であるが、動的三角形モデルを保持す
るためのメモリと共に三角形インデクシングのためのセ
ル毎の追加のメモリが必要となる。
【0102】適応的レイキャスティング システム100は、スカルプティングされたサーフェス
の高品質レンダリングのためのレイキャスティングを提
供する。この方法がスカルプティング中に使用される場
合、画像は、ツールによって影響される領域内で局所的
に更新される。
【0103】ソフトウェアベースのレイキャスティング
を対話的更新に対して十分高速に実行することができな
いアプリケーションの場合、システム100は、適応的
レイキャスティン手法152を使用して、特定のビュー
ポイントにおいてモデルの画像表現を作成する。レイキ
ャスティング方法は、Guoにより「Progressive Radi
ance Evaluation Using Directional Maps」、Proc.SIG
GRAPH’98, pp.255〜266, 1998に述べられている方向一
貫性マップ(directional coherence map(DCM))
の拡張である。
【0104】更新される画像領域は、画像タイルの階層
に分割され、画像タイルの細分割は、知覚ベースの属性
によって導かれる。完全に細分割されていない画像タイ
ル内の画素は、画像を作成するためにバイリニア補間さ
れる。
【0105】各画像タイルに対し、レイが、タイルコー
ナにおいてADF10にキャストされ、線形交差方法を
使用してサーフェスと交差される。さらなる細分割に対
してテストするために使用される属性は、Mitche
llにより「Generating antialiased images at low s
ampling densities」、Proc.SIGGRAPH’87, pp.65〜72,
1987に述べられている方法に基づく。
【0106】Mitchellは、赤、緑および青のチャネルの
コントラストと、画像タイルに亙るカメラからの深さの
変動と、に対し個々に重み付けする。本発明による適応
的レイキャスティング手法152は、概して、画素毎に
1レイをキャストする場合に対してレンダリング時間を
6:1に低減することができ、画像がアンチエイリアシ
ングに対してスーパサンプリングされる場合は、10:
1より多く低減する。
【0107】キャラクタアニメーションパイプラインに
対するスカルプティングシステムの適応 デジタルモデル設計に対し新規なデータ表現を使用する
いかなるスカルプティングシステムも、現行のレンダリ
ングパイプラインと統合することができない限り、製作
システムに対し無用である。これらパイプラインは、特
にアニメーションスタジオにおいて広範囲に亙る可能性
がある。そのため、システム100は、三角形モデル、
陰関数、CSGモデル、ベジエパッチおよび走査データ
を含むいくつかの標準タイプの表現からモデルを入力
し、三角形モデルを出力する。上記表現のほとんどをA
DFに変換することは、Frisken他によって述べられて
いる。
【0108】この説明は、2つの重要な新しい開発に焦
点を当てている。すなわち、最新技術を発展させる走査
レンジデータからADFを生成する方法と、位相的に一
貫したLOD三角形モデルをたちまち生成する、ADF
を三角形にする方法と、である。
【0109】レンジデータからの入力 走査データを三角形モデルに変換するために利用可能な
いくつかの商用システムがある。ADFをシステムに取
入れる1つの手法は、走査データを三角形モデルに変換
した後、その三角形モデルをADF10に変換する、と
いうものである。しかしながら、経験から、走査データ
からの変換によってもたらされる三角形モデルはしばし
ば、問題があり、穴を含み、裏返された三角形であり、
サーフェスにオーバラップすることが分かる。その代り
に、本システムは、走査データから直接ADF10を生
成する。
【0110】いくつかの最近の研究論文は、より頑強で
隙間の無い表面再構成のために、走査データを、符号付
距離フィールドを利用する三角形モデルに変換する方法
を提示した。例えば、Curless他により「A Volumetric
Method for Building Complex Models from Range Imag
es」、Proc.SIGGRAPH’96, pp.303〜312, 1996において
述べられているような方法は、Cyberware走査
システムによって使用されるデータ変換方法の基礎であ
る。Wheelerは、「Automatic Modeling and Localizati
on for Object Recognition」、Ph.D.thesis、Carnegie
Mellon University、1996において、真のユークリッド
距離関数を使用する方法と、よりボリューム中心の手法
と、を述べている。
【0111】そこでは、走査データは、異なるビューポ
イントから取られるオーバラップする2D走査レンジ画
像のセットからなる。各レンジ画像はレンジサーフェス
三角形メッシュに変換され、三角形メッシュはすべて同
じ座標系に取入れられる。そして、Wheelerは、ボリュ
ーム要素から各レンジサーフェスまでの符号付距離を計
算することにより、トップダウン方式で距離フィールド
の三色八分木を生成し、確率重み付き関数を使用して距
離を結合する。
【0112】確率関数は、元の走査方向に対する各寄与
三角形の角度と、その走査画像のエッジに対する三角形
の位置と、オーバラップしているレンジサーフェスに対
して計算される距離間の一致度と、可能性として他の要
因と、によって決まる。最後のステップとして、すべて
の境界リーフセルに対しLorensen他によるマーチングキ
ューブ法が適用されることにより、ボリューム境界を利
用すると仮定すると、符号付距離ボリュームから、閉じ
た、隙間の無い三角形サーフェスがもたらされる。Whii
lerの手法の問題は、モデルのサーフェスを含むすべて
のセルが同じ八分木レベルに細分割されるため、メモリ
要求および処理時間が増大し、またマーチングキューブ
を使用して生成される三角形の数が大幅に増大する、と
いうことである。
【0113】システム100は、ADF10に対してWh
eelerの方法を適応させその機能を高める。彼による三
色八分木のトップダウン生成は、上述したようなBDT
生成に置換えられる。ADF10において、境界セル
は、トリリニアフィールドとして表現され、従ってサー
フェスの平坦または略平坦領域において細分割を必要と
せず、メモリ要求と距離計算の数との両方が三色八分木
に対し大幅に節約される。
【0114】走査データがシステムに取入れられた後、
スカルプティングシステムを使用して、モデルの問題を
訂正することができる。問題は、遮蔽された領域と、解
像度限界またはスキャナノイズによる詳細の喪失と、レ
ンジ画像間の継ぎ目における粗いまたは破壊されたサー
フェスと、による場合がある。最後に、望ましい場合
は、後述する手法を使用してADF10を三角形モデル
に変換することができる。
【0115】本発明の他の利点として、ADF10で
は、従来技術による三色八分木の場合よりセルが大幅に
少ないため、システム100は、従来技術による方法よ
り大幅に少ない三角形を生成する。さらに、ADF10
は、指定された詳細度レベルでの三角形の生成をサポー
トする階層データ構造であるため(下を参照)、システ
ム100は、特にアプリケーションに対してサイズが調
整される三角形モデルを作成することができる。
【0116】図13は、スキャナまたはレンジファイン
ダ1301から走査データを入力する方法1300を示
す。スキャナは、レンジ画像(R1、…、RN)1302
を生成する。レンジ画像は、単一座標系のレンジメッシ
ュ1304に変換される1303。確率関数1305を
使用することにより、レンジメッシュはBDTジェネレ
ータ103を用いてADF1306に変換される。確率
関数は、ADFの対応するセルに対する各メッシュにお
ける各頂点の寄与(重み)を確定する。そして、ADF
10を作成するための遮蔽、ノイズ、細部の喪失等の問
題を訂正するために、エディタ104を適用することが
できる。
【0117】三角形への変換 また、本システム100は、レンダリングと、制御点ベ
ース編集と、現行のアニメーションパイプラインに統合
することができる出力モデルへの変換と、のためにAD
F10を三角形化する新しい方法も提供する。三角形化
方法は、ADFの八分木等、適応グリッドでサンプリン
グされる陰関数から一貫した三角形モデルを位相的に作
成する。本方法は非常に高速であり、リアルタイムに三
角形モデルを作成することができる。本方法をADFデ
ータ構造と共に使用することにより、後述するようなL
ODモデルを作成することができる。
【0118】従来技術によるサーフェスネット手法とは
異なり(下の引用参照)、本システムの強化された方法
は、適応グリッドでサンプリングされる距離値から三角
形メッシュを生成する。これは、ADFの隣接するセル
のサイズが大幅に変化する可能性があるため、特別な問
題を提示する。これは、頂点が、隣接するセルの共通す
るエッジのほぼいずれにも現れる可能性があることを意
味する。これまで、これら予測不可能に配置された頂点
をリアルタイムに接続して「上質の」三角形を形成する
ことは、未解決の問題であった。
【0119】新しい方法は、レギュラグリッド上にサン
プリングされるバイナリボリュームデータから全体的に
は平滑であるが局所的に正確である三角形モデルを構築
するために、マーチングキューブに対する代替として開
発された、サーフェスネット方法に基づく。Gibsonによ
る「Using distance maps for smooth surface represe
ntation in sampled volumes」、Proc. 1998 IEEE Volu
me Visualization Symposium, pp.23〜30, 1998を参照
のこと。しかしながら、その方法は、三角形頂点を移動
しながら、反復的なエネルギ最小化プロセスを使用す
る。これはかなりの時間がかかる。対照的に、本発明に
よる新しい方法は、単一ステップで、実質的にモデルの
サーフェス上にある頂点を移動する。
【0120】本方法は、モデルのサーフェス上にある三
角形頂点と、「良質な」三角形、すなわち等辺に近い三
角形と、をもたらす。さらに、後述するように、新しい
方法は、一般に適応グリッドと関連する裂け目問題に容
易に対処する。言換えれば、新しい方法は、隙間の無い
三角形モデルをもたらす。
【0121】本方法の基本的な3ステップは以下の通り
である。
【0122】第1に、ADFの各境界(サーフェス)リ
ーフセルに、最初にセルの中心位置に配置される頂点が
割当てられる。第2に、以下の制約を使用して位相的に
一貫した「隙間の無い(watertight)メッシュを作成する
ことにより、三角形を形成するように隣接するセルの頂
点が接続される。すなわち、(1)すべての三角形は、
共通のエッジを共有する3つの隣接するセルの頂点によ
って接続され、そのため三角形はセルエッジに関連付け
られ、(2)三角形は、そのエッジが距離フィールドの
ゼロ交差を有する、すなわちサーフェスがエッジと交差
する場合にのみ、エッジに関連付けられる。第3に、三
角形のすべてが形成された後、距離値に等しい単一ステ
ップサイズで、三角形の頂点がセルのサーフェスに向か
って、すなわちADF勾配の方向に移動される。
【0123】メッシュの精度およびジオメトリを向上さ
せるために、三角形頂点を、サーフェスに亙って隣接す
る頂点に向かって移動させることにより、三角形の品質
全体を向上させることができる。
【0124】好ましい三角形化方法1400の基本ステ
ップを、図14に示す。ステップ1401は、候補選択
パラメータ1420を使用して、ADF10のデータ値
を格納するために使用されるADF八分木をトラバース
することにより候補セルを選択する。本発明の1つの実
施形態では、候補選択パラメータ1420は、すべての
境界リーフセルが候補セルとして選択されることを指定
する。本発明の他の実施形態では、候補選択パラメータ
1420は、最大エラー基準がユーザ指定閾値を満たす
境界リーフセルのみが候補セルとして選択されることを
指定する。ADF八分木階層の選択されたセルより下の
セルは無視される。他の実施形態では、階層の深さとエ
ラー基準とを共に使用して候補セルを選択することがで
きる。
【0125】ステップ1402は、頂点を各候補セルと
関連付け、頂点をセルの中心に設定する。ステップ14
03は、処理される候補セルがまだあるか否かを判断す
る。候補セルが無い場合、ステップ1404は、各頂点
を、「平均の」隣接する頂点に向かう方向にセルのサー
フェスに向かって、緩和位置を含む接平面に沿って緩和
する。もしそうでなく候補セルがある場合、6つのエッ
ジの各々に対し(ステップ1405)、ステップ140
6は、サーフェスがエッジを交差するか否かを判断す
る。真である場合、ステップ1407は、エッジに関連
する三角形の頂点V0、V1およびV2を確定し(下の
説明を参照)、ステップ1408は、エッジからの三角
形の向きを確定する。
【0126】ステップ1407において、頂点V0は、
セルの関連する頂点、一般にセルの中心点に設定され
る。頂点V1およびV2は、メソッドgetFaceN
eighborVertex()(面近傍頂点取得)に
よって確定される。なお、エッジは、2つの隣接する
面、face1およびface2を有することに留意さ
れたい。頂点V1を確定するために、getFaceN
eighborVertex()は、エッジとface
1とを入力とし、頂点V1を、セルの面隣接する近傍が
セルと同じサイズかそれより大きい場合はその面隣接近
傍の頂点に、そうでない場合は、面に隣接しかつエッジ
上にゼロ交差を有する面隣接する近傍の一意の子セルの
頂点に、設定する。同様に、頂点V2を確定するため
に、getFaceNeighborVertex()
は、エッジとface2とを入力とし、頂点V2を、セ
ルの面隣接する近傍がセルと同じサイズかそれより大き
い場合はその面隣接近傍の頂点に、そうでない場合は、
面に隣接しかつエッジ上にゼロ交差を有する面隣接する
近傍の一意の子セルの頂点に、設定する。
【0127】図15は、3Dセルに対する12のエッジ
のうちの6つのみを考慮する、例えばエッジが対向する
対角コーナ1501〜1502に集まる1つの可能性を
示す。
【0128】サンプリングされた陰関数を三角形化する
従来技術による大抵の方法は、セルエッジおよび面に三
角形頂点を生成する。例えば、Bloomenthalによる「Pol
ygonization of Implicit Surfaces」、Computer Aided
Geometric Design、5(00):pp.341〜355, 1988と、Karr
on他による「New findings from the SpiderWeb algori
thm: toward a digital Morse Theory」、Proc.Vis.in
Biomedical Computing, pp.643〜657, 1994と、を参照
のこと。
【0129】図16aにおいて2Dで示すように、従来
技術による方法では、陰関数が適応的にサンプリングさ
れる場合、三角形化サーフェス1602において2つの
異なるサイズのセルが接する場所に裂け目がもたらされ
る可能性がある。これは、1つのセルの補間された頂点
位置が、その接続された隣接するセルの補間された位置
と一致しない可能性があるためである。これら問題は、
いくつかの方法で対処することができるが、概して、従
来技術による解決法は、三角形化方法を非常に複雑にす
る。
【0130】対照的に、本システムの改良された方法で
は、三角形頂点はセル中心に生成され、三角形は異なる
サイズのセルの面およびエッジを交差することができ
る。このため、図16aに示すタイプの裂け目は現れな
い。しかしながら、図16bに示すようにセルの2つの
隣接するセットの間のエッジ交差の数が異なる場合、三
角形化サーフェスに裂け目が現れる場合がある。
【0131】このタイプの裂け目は、ADFのプレコン
ディショニングにより、生成時または三角形化前に予防
することができる。プレコンディショニングステップ
は、境界リーフセルの面に亙るアイソサーフェスのゼロ
交差の数を、それら面隣接する近傍の関連するアイソサ
ーフェスのゼロ交差の総数と比較する。
【0132】ゼロ交差の数が等しくない場合、ゼロ交差
の数が一致するまで、セルはその面隣接する近傍からの
距離値を用いて細分割される。例えば、図16bの上部
の2Dセルはその下部エッジにゼロ交差を有しておら
ず、エッジ隣接する近傍は同じエッジに対し合計2つの
ゼロ交差を有する。プリコンディショニング中、上部の
セルは、さらに細分割される。
【0133】また、本システム100は、LODモデル
を作成するためにADFの階層データ構造を利用する。
境界リーフセルにおいて三角形頂点を配置する(seed)の
ではなく、階層データ構造がトラバースされ、頂点は、
生成または編集中に計算される最大エラー基準がユーザ
指定閾値を満たす境界セルに配置される。階層において
これらセルの下のセルは無視される。エラー閾値は、L
ODモデルにおいて生成される三角形の数に対し細かい
制御を連続的に可能としながら変更されることが可能で
ある。
【0134】大抵の従来の三角形デシメーションアルゴ
リズムと異なり、本明細書で述べるようにLODモデル
を作成する時間は、入力メッシュのサイズではなく出力
メッシュの頂点の数に比例する。生成時間は、従来技術
の方法を用いて可能であるより桁違いに優れている。シ
ステム100は、Pentium(登録商標) IVク
ラスプロセッサを備えたデスクトップシステムにおい
て、0.37秒で200,000の三角形モデルを生成
し、0.010秒未満で2000の三角形モデルを生成
することができる。
【0135】発明の効果 本システムは、デジタルキャラクタ設計およびアニメー
ションに使用される現行の製作パイプラインに、パワフ
ルな形状表現を統合する。本システムは、直観的に使用
することができ、達成することができる解像度および細
部の品質において表現力に富み、メモリ使用および処理
が効率的である。
【0136】ADFを、概念段階を越えて実際的なワー
キングシステムに取入れる方法を述べている。これら
は、距離フィールドを利用しユーザにさらなる制御を提
供するボリュメトリックスカルプティングインタフェー
スにおける革新と、メモリ要求が低減された効率的な生
成および編集アルゴリズムと、より優れたメモリ一貫性
および低減された計算と、標準PCにおけるハードウェ
ア加速度を利用するいくつかの新しいレンダリング手法
と、ADFから位相的に一貫したLOD三角形モデルを
生成する非常に高速な方法と、を含む。
【0137】本発明を好ましい実施形態の実施例として
説明したが、他のあらゆる適応および変更を本発明の精
神および特許請求の範囲内で行ってよい、ということは
理解されるべきである。従って、併記の特許請求の範囲
の目的は、かかる変形および変更のすべてを発明の精神
および特許請求の範囲内にあるように包含することであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明によるモデリングシステムのフロー図
である。
【図2】 本発明によるサーフェス追従の図である。
【図3a】 編集ストロークの図である。
【図3b】 編集ストロークの図である。
【図3c】 編集ストロークの図である。
【図4】 制約付きサーフェス追従の図である。
【図5】 制約付きサーフェス追従のフロー図である。
【図6】 制御点編集の図である。
【図7】 制御点編集のフロー図である。
【図8】 ADF生成中のあらゆる段階での制限付き距
離ツリー(BDT)の図である。
【図9】 BDT生成のフロー図である。
【図10】 BDT生成のフロー図である。
【図11】 BDT生成のフロー図である。
【図12a】 モデルの外部点の図である。
【図12b】 モデルの内部点の図である。
【図13】 走査捕捉手順のフロー図である。
【図14】 三角形化手順のフローチャートである。
【図15】 図14の手順によって使用されるセルエッ
ジの図である。
【図16a】 エッジ間の裂け目の図である。
【図16b】 エッジ間の裂け目の図である。
【図17】 ADF訂正方法のフロー図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ロナルド・エヌ・ペリー アメリカ合衆国、マサチューセッツ州、ケ ンブリッジ、メープル・アベニュー 28、 ナンバー1 (72)発明者 サラ・エフ・フリスケン アメリカ合衆国、マサチューセッツ州、ケ ンブリッジ、メープル・アベニュー 28、 ナンバー1 Fターム(参考) 5B050 BA07 BA08 BA09 CA07 DA10 EA28 FA02 FA09 FA13

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モデルの適応的サンプル距離フィールド
    を訂正する方法であり、前記適応的サンプル距離フィー
    ルドが複数のセルを含み、各セルが該セルの頂点におけ
    る複数の距離値を格納し、該セルが内部セル、サーフェ
    スセルおよび外部セルを含み、隣接するセルが共通エッ
    ジを有する方法であって、 選択されたセルを未処理セルとしてマークすることと、 サーフェスセルを処理済みセルとしてマークすること
    と、 各未処理セルの特定の頂点を、最小絶対値距離値を有す
    る最小頂点としてマークすることと、 前記未処理セルを前記最小頂点の昇順にソートすること
    と、 a)各未処理セルの各共通エッジに対し、ソート順に、
    隣接する処理済みセルの距離値を前記共通エッジに付加
    することと、 b)前記エッジに付加された距離値と前記頂点の前記距
    離値とに従って、前記未処理セルの前記頂点の前記距離
    値を調整することと、 c)該未処理セルを処理済みとしてマークすることと、 すべてのセルが処理されるまでステップa、bおよびc
    を繰返すこととを含む方法。
  2. 【請求項2】 前記未処理セルの各頂点が隣接するサー
    フェスセルと共有される場合にのみ、該頂点を固定とし
    てマークし、そうでない場合は、該頂点を自由としてマ
    ークすることと、 各自由頂点に関連する付加された距離値の数を確定し、
    関連する距離値が、該自由頂点と該自由頂点に接続され
    た特定のエッジ上の中間点との間に位置するものである
    ことと、 関連する距離値の最大数を有する前記自由頂点を選択す
    ることと、 前記未処理セルを指定された解像度で一様にサンプリン
    グされたグリッドに分割することと、 前記未処理セルの前記自由頂点のみを訂正するように、
    前記関連する距離値の最大数を有する前記自由頂点コー
    ナから伝搬される前記一様にサンプリングされたグリッ
    ドに対し、ユークリッド距離変換を実行することとをさ
    らに含む請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記未処理セルの各頂点が処理済みセル
    と共有される場合にのみ、該頂点を固定としてマーク
    し、そうでない場合は、該頂点を自由としてマークする
    ことと、 各自由頂点に関連する付加された距離値の数を確定し、
    該関連する距離値が、該自由頂点と該自由頂点に接続さ
    れた特定のエッジ上の中間点との間に位置するものであ
    ることと、 関連する距離値の最大数を有する前記自由頂点を選択す
    ることと、 前記未処理セルを指定された解像度で一様にサンプリン
    グされたグリッドに分割することと、 前記未処理セルの前記自由頂点のみを訂正するように、
    前記関連する距離値の最大数を有する前記自由頂点コー
    ナから伝搬される前記一様にサンプリングされたグリッ
    ドに対し、ユークリッド距離変換を実行することとをさ
    らに含む請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記未処理セルの各頂点が隣接するサー
    フェスセルと共有される場合にのみ、該頂点を固定とし
    てマークし、そうでない場合は、該頂点を自由としてマ
    ークすることと、 各自由頂点における前記距離値を、前記付加された距離
    値の最近傍の1つに調整することとをさらに含む請求項
    1記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記未処理セルの各頂点が隣接するサー
    フェスセルと共有される場合にのみ、該頂点を固定とし
    てマークし、そうでない場合は、該頂点を自由としてマ
    ークすることと、 各自由頂点における前記距離値を前記付加された距離値
    の組合せに調整することとをさらに含む請求項1記載の
    方法。
  6. 【請求項6】 前記組合せは外挿である請求項5記載の
    方法。
  7. 【請求項7】 前記内部セルおよび外部セルが前記サー
    フェスから指定された距離内にある場合に、該内部セル
    および外部セルを未処理としてマークすることをさらに
    含む請求項1記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記内部セルおよび外部セルが前記サー
    フェスセルに隣接する近傍である場合に、該内部セルお
    よび外部セルを未処理としてマークすることをさらに含
    む請求項1記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記内部セルおよび外部セルが前記適応
    的サンプル距離フィールドの指定された領域に位置する
    場合に、該内部セルおよび外部セルを未処理としてマー
    クすることをさらに含む請求項1記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記内部セルを未処理としてマークす
    ることをさらに含む請求項1記載の方法。
  11. 【請求項11】 前記外部セルを未処理としてマークす
    ることをさらに含む請求項1記載の方法。
  12. 【請求項12】 特定のサーフェスセルを未処理として
    マークする請求項1記載の方法。
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