JP3712525B2 - 抗菌剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、グラム陽性菌に起因する皮膚細菌感染症の防止、治療のための医薬部外品、各種グラム陽性細菌の感染治療のための医薬品などの分野で利用可能な抗菌剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
皮膚疾患の原因の一つである細菌による感染症治療を目的として、種々の抗生物質を中心とする抗菌剤が発明されてきた。しかし、微生物由来の抗生物質耐性遺伝子の進化等による耐性菌の出現や、抗菌剤自体による副作用の危険性などにより、さらに安全性が高い抗菌作用を持つ薬剤が広く望まれている。
【0003】
皮膚疾患の一つであるニキビは、皮脂分泌の増加、細菌の感染などが原因で起きることが一般的に知られている。すなわち、皮脂が溜まってできた面ぽうにグラム陽性菌であるプロピオニバクテリウム・アクネス(Propionibacterium acnes)、スタフィロコッカス・エピデルミディス(Staphylococcus epidermidis)が異常繁殖し毛嚢の炎症を生じ、膿ほうあるいは大きなしこりとなる。
【0004】
スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)は皮膚に常在し化膿症の原因菌に挙げられている。最近では院内感染の主原因菌として知られている。また、増殖の際に産生する蛋白毒素による食中毒を起こさせることでも知られている。
【0005】
バチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)は本来非病原性であるが、眼球が傷つけられた後本菌に感染すると結膜炎、虹彩炎、全眼球炎などの眼炎症を引き起こすことがある。
【0006】
抗菌剤としては種々のものが知られており、特にプロピオニバクテリウム・アクネス、スタフィロコッカス・エピデルミディスによるニキビ、スタフィロコッカス・アウレウスによる化膿症、バチルス・ズブチリスによる眼炎症に対して、サルファ剤や抗生物質がその治療薬として利用されている。しかしながら、サルファ剤や抗生物質は、対象となる菌の抵抗性獲得により殺菌効果あるいは増殖抑制効果の低下が顕著になってきている。さらに、病原菌による感染症に対する治療薬の多くは、投薬上安全性の観点(アレルギー、刺激性など)から副作用の点で問題があり、これらに代わる新たな治療薬の開発が望まれている。
【0007】
また、従来知られている多くの抗菌剤では、抗菌性を有する化合物自体が皮膚安全性に問題があったり、保存安定性が不充分な場合が多いことがよく知られている。
【0008】
また、ジオスコリア・コンポジータ(Dioscorea Composita)の抽出物及びハイドロカルコン誘導体は、高いチロシナーゼ阻害活性効果を有することが、既に特開平09-221439号で報告されているが、グラム陽性菌に対する抗菌効果については報告例は全くない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の解決すべき課題は、活性成分の皮膚安全性が高く、保存安定性を有する抗菌剤を提供することにある。
【0010】
そして、本発明の目的は、ハイドロカルコン誘導体を含有し、グラム陽性菌に対して優れた抗菌力を有する抗菌剤を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、このような状況を鑑み、鋭意研究を重ねた結果、ハイドロカルコン誘導体を含有する抗菌剤がグラム陽性菌に対して優れた抗菌力を有することを見出だした。また、本発明者らは、該誘導体は皮膚安全性が高く、各種医薬部外品、医薬品、化粧品に配合した場合に保存安定性が十分であることを見出した。
以上のような知見に基づき本発明者らは本発明を成すに至った。
【0012】
すなわち、本発明は、下記式(I)
【0013】
【化2】
Figure 0003712525
[式中、R1〜R4はそれぞれ独立にHまたは−COR(RはC1〜C20のアルキル基を示す。)を示す。]で表されるハイドロカルコン誘導体を有効成分として含有することを特徴とするグラム陽性菌用抗菌剤である。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を詳述する。
【0015】
本発明に係るハイドロカルコン誘導体は公知の化合物であり、その製造方法もまた公知である(特開平09-221439号公報)。
【0016】
また、本発明に係るハイドロカルコン誘導体は、ジオスコリア・コンポジータ(Dioscorea Composita)から抽出・精製により得ることができる。ジオスコリア・コンポジータからハイドロカルコン誘導体を抽出・精製する方法は植物抽出の常法が用いられるが、例えば特開平09-221439号公報に記載された方法により製造される。
【0017】
本発明において用いられるハイドロカルコン誘導体としては、例えば1,3−ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)プロパン、1−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−3−(4−ヒドロキシ−2−アセトキシフェニル)プロパン、1−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−3−(2−ヒドロキシ−4−アセトキシフェニル)プロパン、1−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−3−(2,4−ジアセトキシフェニル)プロパン、1,3−ビス(4−ヒドロキシ−2−アセトキシフェニル)プロパン、1−(2−ヒドロキシ−4−アセトキシフェニル)−3−(4−ヒドロキシ−2−アセトキシフェニル)プロパン、1−(4−ヒドロキシ−2−アセトキシフェニル)−3−(2,4−ジアセトキシフェニル)プロパン、1−(2−ヒドロキシ−4−アセトキシフェニル)−3−(2,4−ジアセトキシフェニル)プロパン、1,3−ビス(2−ヒドロキシ−4−アセトキシフェニル)プロパン、1,3−ビス(2,4−ジアセトキシフェニル)プロパン、1,3−ビス(2−ヒドロキシ−4−エタノイルオキシフェニル)プロパン、1,3−ビス(2,4−ジエタノイルオキシフェニル)プロパン、1,3−ビス(2−ヒドロキシ−4−ブタノイルオキシフェニル)プロパン、1,3−ビス(2,4−ジブタノイルオキシフェニル)プロパン、1,3−ビス(2−ヒドロキシ−4−オクタノイルオキシフェニル)プロパン、1,3−ビス(2,4−ジオクタノイルオキシフェニル)プロパン、1,3−ビス(2−ヒドロキシ−4−ドデカノイルオキシフェニル)プロパン、1,3−ビス(2,4−ジドデカノイルオキシフェニル)プロパン、1,3−ビス(2−ヒドロキシ−4−ヘキサデカノイルオキシフェニル)プロパン、1,3−ビス(2,4−ジヘキサデカノイルオキシフェニル)プロパン、1,3−ビス(2−ヒドロキシ−4−オクタデカノイルオキシフェニル)プロパン、1,3−ビス(2,4−ジオクタデカノイルオキシフェニル)プロパン等を挙げることが出来る。
【0018】
本発明に係るハイドロカルコン誘導体の使用量(配合量)は、後述の剤型において本発明の効果を発現しうる最小必要量から最大溶解量までの広い範囲であって、望ましくは総量を基準として0.0005〜10.0重量%(以下 wt%という)、特に0.01〜5 wt%が望ましい。
【0019】
本発明の抗菌剤には、皮膚外用剤としてその剤形に応じて、油分、水などを配合することができ、さらに必要に応じて界面活性剤、保湿剤、低級アルコール、増粘剤、香料、抗酸化剤、キレート剤、色素、防腐防黴剤などの慣用成分を適宜配合することができる。
【0020】
本発明の抗菌剤の剤型は任意であり、溶液系、可溶化系、乳化系、粉末分散系、水−油二層系、水−油−粉末三層系、どのような剤系でもかまわない。
【0021】
また、本発明の抗菌剤はそれ自体医薬品、医薬部外品、化粧品、トイレタリー用品として使用可能であるばかりでなく、グラム陽性菌の抗菌剤として任意に医薬品、医薬部外品、化粧品、トイレタリー用品等に混合してもよい。
【0022】
医薬品、医薬部外品、化粧品、トイレタリー用品としては、例えばクリーム、パック、ヘアトニック、ヘアクリーム、シャンプー、ヘアリンス、水性軟膏、油性軟膏などが挙げられる。
【0023】
本発明の抗菌剤の防除対象とする菌は、グラム陽性菌であるが、その中でも特に、スタフィロコッカス属(Staphylococcus)、プロピオン酸菌属(Propionibacterium)、バチルス属(Bacillus)、ミクロコッカス属(Micrococcus)、ストレプトコッカス属(Streptococcus)、ペプトコッカス属(Peptococcus)、ラクトバチルス属(Lactobacillus)、アクチノマイセイス属(Actinomyces)又はストレプトミセス属(Streptomyces)に属するグラム陽性菌である。更に好ましくは、皮膚に常在し種々の感染症の原因となる菌であるプロピオニバクテリウム・アクネス(Propionibacterium acnes)、スタフィロコッカス・エピデルミディス(Staphylococcus epidermidis)、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)、バチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)が挙げられる。
【0024】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に説明する。尚、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0025】
[製造例1](1,3−ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)プロパンの合成)
2,4−ジベンジルオキシベンズアルデヒド6.36g(20mmol)と2,4−ジベンジルアセトフェノン6.64g(20mmol)をメタノール80mlに懸濁させ、そこに金属ナトリウム1.15gのメタノール溶液(10ml)を滴下し、室温で10時間反応させた。得られた沈殿を濾取し、メタノールで洗浄した後乾燥して、2,4,2’,4’−テトラベンジルオキシカルコンを得た。収量は11.50gであった。
【0026】
得られた2,4,2’,4’−テトラベンジルオキシカルコンをテトラヒドロフラン及びエタノールに溶解し、ラネーニッケル触媒を添加し、水素ガスを吹き込みながら室温で20時間反応させた。反応後、触媒を濾別し、濾液を濃縮して、粗1,3−ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)プロパンを得た。
【0027】
クロロホルム/アセトン(30/1、容量比)及び酢酸エチル/エタノール(25/1、容量比)でのシリカゲルカラムクロマトグラフィーで主成分を分取した。収量は1.21gであった。
【0028】
[製造例2](1,3−ビス(2,4−ジアセトキシフェニル)プロパンの合成)
1,3−ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)プロパン24.9g(0.1mol)を酢酸エチル100mlに溶解し、無水酢酸49.0g(0.48mol)及びピリジン1.58g(0.02mol)を添加し、3時間還流した。得られた反応液に水50gを加えて抽出洗浄し、得られた酢酸エチル層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、エバポレーターで酢酸エチルを留去し、1,3−ビス(2,4−ジアセトキシフェニル)プロパン40.87g(収率98.0%)を得た。
【0029】
[製造例3](1,3−ビス(2,4−ジドデカノイルオキシフェニル)プロパンの合成)
1,3−ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)プロパン24.9g(0.1mol)、トルエン200ml、ピリジン47.4g(0.60mol)を混合し、これにラウロイル酸クロライド105.0g(0.48mol)を滴下し、その後1時間還流下で反応させた。得られた反応混合液に1NのHCl(500ml)及びクロロホルム(1リットル)を加え、分液によりクロロホルム層を分別した。分別したクロロホルム層を濃縮後、濃縮液からクロロホルム及びトルエンを留去し、得られた液状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/四塩化炭素=3/1:容量比)により精製した。
【0030】
[製造例4](1,3−ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)プロパンの単離)
ジオスコリア・コンポジータ100gを100%酢酸エチル1l中に入れ、室温で4時間攪拌しながら抽出を行った。濾過後ろ液をワコーゲルC−200で分画した。溶離はクロロホルム:メタノール=4:1の溶液で行い、溶離してきた液の各フラクションの一部を薄層クロマト(展開液は溶離液と同じ)で展開し、展開後10%の硫酸を噴霧後110℃、5分間加熱発色させ、赤色のスポットが確認されたフラクションを1,3−ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)プロパンの画分として集め、その濃縮液をエタノールに溶解した。これに1%の活性炭を添加し、1時間攪拌後、エバポレーターで濃縮し、1,3−ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)プロパンを得た。
【0031】
[試験例1] ハイドロカルコン誘導体の抗菌試験
培地にニッスイ社製変法GAM寒天培地及びポテトデキストロース寒天培地を用い、製造例1で合成した1,3−ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)プロパン、製造例2で合成した1,3−ビス(2,4−ジアセトキシフェニル)プロパン、製造例3で合成した1,3−ビス(2,4−ジドデカノイルオキシフェニル)プロパン、製造例4で単離した1,3−ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)プロパンについて、試験菌株に対する最小発育阻止濃度(MIC)を以下の方法で測定し評価した。
【0032】
MICの測定:
各化合物はジメチルスルホキシドで溶解後各希釈列にて寒天培地に添加混合し、試験用寒天平板を作製した。試験細菌は約106CFU/mlに調整し、白金耳を用いて試験用寒天平板に画線塗布し、細菌は37℃20時間培養、真菌については27℃で1週間培養後に、各々発育のみられない濃度をもってMICとした。
【0033】
試験菌株:
No.1:スタフィロコッカス・エピデルミディス(Staphylococcus epidermidis) IFO 12993
No.2:プロピオニバクテリウム・アクネス(Propionibacterium acnes)JCM 6425
No.3:スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)IFO 12732
No.4:カンディダ・アルビカン(Candida albicans) IFO 1061
No.5:アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger) ATCC 6275
【0034】
【表1】
Figure 0003712525
【0035】
[実施例1] (クリーム)
下記表2に記載の配合量においてB成分をA成分に混合し、均一に加熱溶解して温度を80℃にした。次いでC成分を注入撹拌混合した後、撹拌しながら30℃まで冷却しクリームを得た。
【0036】
【表2】
Figure 0003712525
【0037】
[比較例1](クリーム)
実施例1において成分(B)の1,3−ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)プロパンを除いた以外はすべて実施例1と同様にして調製した。
【0038】
[実施例2] (クレンジングフォーム)
下記表3に記載の配合量においてC成分を混合し、均一に加熱溶解して温度を70℃にする。と同時に、予め加熱溶解したA及びB成分を混合溶解後、C成分中にゆっくり撹拌添加し70℃に放置して、けん化反応を終了させて、クレンジングフォームを得た。
【0039】
【表3】
Figure 0003712525
【0040】
[実施例3] (ヘアートニック)
下記表4に記載の配合量においてB成分をA成分に室温で均一に混合溶解し、同じく室温に放置したC成分を、撹拌添加してヘアートニックを得る。
【0041】
【表4】
Figure 0003712525
【0042】
[実施例4] (油性軟膏)
下記表5記載の配合量において各成分を混合し、80℃まで加温し徐々に冷却し油性軟膏を得た。
【0043】
【表5】
Figure 0003712525
【0044】
[試験例2] 抗菌剤の抗菌試験
実施例1及び比較例1において製造された抗菌剤の性能を試験した。試験方法は下記の(a)〜(c)のとおりである。
【0045】
(a)有用性評価試験
尋常性ざそう或いはニキビの出やすい被験者40名を20名ずつに2群に分け、それぞれ実施例1及び比較例1の試料を1日2回ずつ塗布し、塗布開始後4週間後の皮膚の状態を評価した。尚、評価は表6の判定基準に従い、被験者の人数で示した。
【0046】
【表6】
Figure 0003712525
【0047】
(b)光パッチ試験
被験者25名の前腕屈側部皮膚に実施例1及び比較例1の試料0.05gを塗布した直径1.1cmのパッチテスト用絆創膏を用いて24時間クローズドパッチテストを行った。パッチテスト用絆創膏除去後、夏期の太陽光を6時間(1日3時間で2日間)照射した。評価は、表7の判定基準に従い、被験者25名の皮膚の状態を評価判定した。判定結果は、最終照射24時間後に(±)以上の人数で示した。
【0048】
【表7】
Figure 0003712525
【0049】
(c)保存安定性試験
実施例1及び比較例1の試料を45℃の恒温槽に入れて経日観察を行い、表8の判定基準に従って評価した。なお、「異常」とは、変色・変臭が生じる、乳化物で相分離が生じる現象を意味する。
【0050】
【表8】
Figure 0003712525
【0051】
実施例1・比較例1において製造された抗菌剤は表9に示すごとく、比較例1に比べ実施例1では良好な結果が得られた。
【0052】
【表9】
Figure 0003712525
【0053】
[試験例3] 抗菌剤の抗菌試験(2)
実施例2で得られたクレンジングフォーム、実施例3で得られたヘアートニック、実施例4で得られた油性軟膏のそれぞれについて、試験例2−(a)に示した方法に準じてプロピオニバクテリウム・アクネスに対する抗菌試験を行った。
【0054】
その結果、いずれの場合においても抗菌剤を配合した製品はプロピオニバクテリウム・アクネスに対する抗菌力に優れていた。比較のために(B)成分を配合しない製品を用いた場合、全ての成分を含む場合と比べて、プロピオニバクテリウム・アクネスに対する抗菌力が格段に劣っていた。
【0055】
【発明の効果】
本発明の抗菌剤は、グラム陽性菌に抗菌作用を示す。そのため本発明の抗菌剤はグラム陽性菌に起因する細菌感染症などの予防ないし治療、あるいはグラム陽性菌による感染を原因とするニキビ防止、治療に対して極めて有効である。また、本発明に係るハイドロカルコン誘導体は充分な皮膚安全性と保存安定性を有しているため、本発明の抗菌剤は皮膚刺激が少なく保存安定性にも優れている。

Claims (5)

  1. 下記式(I)
    Figure 0003712525
    [式中、R1〜R4はそれぞれ独立にHまたは−COR(RはC1〜C20のアルキル基を示す。)を示す。]で表されるハイドロカルコン誘導体を有効成分として含有することを特徴とするグラム陽性菌用抗菌剤。
  2. 式(I)の化合物が、ジオスコリア・コンポジータ(Dioscorea Composita)の抽出物から得られた化合物又はそのエステル化物である請求項1に記載の抗菌剤。
  3. グラム陽性菌が、スタフィロコッカス属(Staphylococcus)、プロピオン酸菌属(Propionibacterium)、バチルス属(Bacillus)、ミクロコッカス属(Micrococcus)、ストレプトコッカス属(Streptococcus)、ペプトコッカス属(Peptococcus)、ラクトバチルス属(Lactobacillus)、アクチノマイセイス属(Actinomyces)又はストレプトミセス属(Streptomyces)に属するグラム陽性菌である請求項1又は2に記載の抗菌剤。
  4. グラム陽性菌が、プロピオニバクテリウム・アクネス(Propionibacterium acnes)、スタフィロコッカス・エピデルミディス(Staphylococcus epidermidis)、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)、バチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)である請求項3に記載の抗菌剤。
  5. ニキビの予防、治療用である、請求項1〜4の何れか一項に記載の抗菌剤。
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