JPH0930920A - 尋常性ざ瘡用皮膚外用剤 - Google Patents

尋常性ざ瘡用皮膚外用剤

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JPH0930920A
JPH0930920A JP18165595A JP18165595A JPH0930920A JP H0930920 A JPH0930920 A JP H0930920A JP 18165595 A JP18165595 A JP 18165595A JP 18165595 A JP18165595 A JP 18165595A JP H0930920 A JPH0930920 A JP H0930920A
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acne vulgaris
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JP18165595A
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English (en)
Inventor
Masaya Ishida
賢哉 石田
Kazutoshi Sakurai
和俊 桜井
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Takasago International Corp
Original Assignee
Takasago International Corp
Takasago Perfumery Industry Co
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 アミノ化合物(1)又はそれらの塩を有効
成分とする尋常性ざ瘡用皮膚外用剤。 φ-(CH2)n-NH-R (1) 〔φはフェニル基、置換フェニル基(置換基は水酸基、
ハロゲン原子、低級アルコキシル基、トリフルオロメチ
ル基、アミノ基及びメチレンジオキシ基より成る群から
任意に選ばれる1〜5個)、イミダゾリル基又はピリジ
ル基。RはC6〜12のアルキル基。nは1又は2。〕 【効果】 プロピオニバクテリウム・アクネスの増殖を
抑制・殺菌し、尋常性ざ瘡を効果的に予防・治療でき
る。またアミノ化合物(1)又はそれらの塩は毒性が低
く、かつ低濃度の配合量でも当該菌に対して高い抗菌活
性を発揮することから、安全性や経済性にも優れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般式(1) φ-(CH2)n-NH-R (1) 〔式中、φはフェニル基、置換フェニル基(置換基の数
は1乃至5であり、それぞれの置換基は同一又は異なっ
ていてもよく、水酸基、ハロゲン原子、低級アルコキシ
ル基、トリフルオロメチル基、アミノ基及びメチレンジ
オキシ基より成る群から任意に選ばれる)、イミダゾリ
ル基又はピリジル基を、Rは炭素数6乃至12のアルキル
基を、nは1又は2を示す。〕で表されるアミノ化合物
又はそれらの塩を有効成分とする尋常性ざ瘡用皮膚外用
剤に関し、更に詳細には、尋常性ざ瘡の原因菌であるプ
ロピオニバクテリウム・アクネス(Propionibacterium
acnes)の増殖を抑制し、或いは殺菌することにより尋
常性ざ瘡を予防或いは治療することを目的とする、前記
一般式(1)で表されるアミノ化合物又はそれらの塩を有
効成分として含有する尋常性ざ瘡用皮膚外用剤に関す
る。
【0002】
【従来の技術】尋常性ざ瘡(ニキビ)は、特に青少年期
に顔面、胸部中央、上背部等に面皰、球疹、膿皰などを
生じることを特徴としており、その発生因子としては、
主として 1)皮脂の過剰分泌、 2)毛口狭窄、或いは 3)
グラム陽性嫌気性細菌の一種であるプロピオニバクテリ
ウム・アクネスの毛包脂腺管内での増殖などを挙げるこ
とができる。
【0003】従来、尋常性ざ瘡の主な治療法としては、
前述した3つの発生因子に焦点を当て、例えば、皮脂分
泌の抑制には女性ホルモン類が適用され、毛口狭窄の解
消には角質を溶解せしめるサリチル酸やレゾルシンなど
が適用されている。また、細菌の増殖抑制にはグルコン
酸クロルヘキシジンなどの殺菌消毒剤などが使用されて
いる。しかしながら、これら従来使用されている殺菌消
毒剤などは、使用時に皮膚の紅斑や剥落などを生ぜしめ
たり、種々の皮膚刺激を伴うことから、その使用量も制
限されており、望ましい作用効果を発揮することが難し
い。
【0004】最近に至り、尋常性ざ瘡の予防や治療に適
用可能な種々の化合物が合成され、その抗菌作用が提示
されている。このような化合物としては、例えば4-n-ブ
チルカテコール誘導体と重金属を合わせた組成物(国際
公開第88/03806号公報)や1-ヒドロキシ-2-ピリドン
(米国特許第4,762,847号明細書)などの合成化合物が
挙げられるが、これらは安全性や経済性の点で未だ十分
なものとはいい難い。
【0005】一方、本発明の尋常性ざ瘡用皮膚外用剤の
有効成分である前記一般式(1)で表されるアミノ化合物
又はそれらの塩のうち、一部の化合物は特開昭62-23400
4号公報や特開昭63-2904号公報などに、それぞれ害虫忌
避剤、植物生長調節剤として記載開示されており、ま
た、中枢神経伝達系に関与するGABA(γ-アミノ酪酸)
阻害作用 (Biochemical Pharmacology, vol34, No.23,
p4173-4177 (1985))や過酸化脂質生成阻害作用(Jour
nal of Medicinal Chemistry, Vol.36, No.9,p1262-127
1 (1993))などの薬理作用を持つことが報告されてい
る。しかしながら、これらの文献には、アミノ化合物
(1)又はそれらの塩が、尋常性ざ瘡の原因菌であるプロ
ピオニバクテリウム・アクネスの増殖を抑制し、或いは
殺菌することにより、尋常性ざ瘡の予防や治療に対して
使用され得ることを示唆する記載は見当たらない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、公知の尋常
性ざ瘡用皮膚外用剤が有している欠点の一つである皮膚
刺激を低減し、低濃度の用量で高い抗菌作用を有する皮
膚外用剤を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、アミノ化
合物(1)又はそれらの塩に関して、医療や化粧品などの
分野における適用可能性を鋭意検討した結果、尋常性ざ
瘡の原因菌であるプロピオニバクテリウム・アクネスに
対して強い抗菌活性を有し、かつ安全性にも優れること
を見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】即ち、本発明は、アミノ化合物(1)又はそ
れらの塩を有効成分とする尋常性ざ瘡用皮膚外用剤を提
供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】一般式(1)において、φで表され
る置換フェニル基の置換基である低級アルコキシル基と
しては、例えばメトキシル基、エトキシル基、n-プロポ
キシル基、イソプロポキシル基、n-ブトキシル基、イソ
ブトキシル基、tert-ブトキシル基などの炭素数1乃至
4の直鎖状又は分枝状のアルコキシル基が、ハロゲン原
子としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、
ヨウ素原子などが挙げられ、φで表されるイミダゾリル
基としては、例えば2-イミダゾリル基などが、ピリジル
基としては、例えば2-ピリジル基、3-ピリジル基、4-ピ
リジル基などが挙げられる。Rで表される炭素数6乃至
12のアルキル基としては、直鎖状又は分枝状のもの、例
えばヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基
(ラウリル基)などが挙げられる。
【0010】アミノ化合物(1)又はそれらの塩は、公知
の方法、例えば以下に挙げる方法に従って製造すること
ができる。なお、下記の反応工程式中で用いられる記号
φ、R及びnは前記と同じ意味を示し、Xはハロゲン原
子を示す。
【0011】反応経路A:芳香族アルデヒド類(2)とア
ルキルアミン類(3)を、酢酸エチル、エタノール、テト
ラヒドロフランなどの有機溶媒中、5〜30℃で0.5〜6
時間反応させて化合物(4)とし、引き続きこのものを単
離することなく、5%Pd-C、ラネーニッケルなどの触
媒存在下に水素添加(水素圧3〜20kg/cm2)することに
より、一般式(1)においてn=1である化合物(1a)が得
られる。
【0012】
【化1】
【0013】反応経路B:芳香族アルデヒド類(2)とア
ルキルアミン類(3)を、エーテル−酢酸、エタノール、
酢酸ナトリウムなどの存在下に、0〜50℃、好ましくは
15〜25℃で0.5〜6時間反応させ、次いで、ピリジン−
ボラン錯体、水素化ホウ素ナトリウム、水素化リチウム
アルミニウムなどの還元剤を添加することにより、一般
式(1)においてn=1である化合物(1a)が得られる。
【0014】
【化2】
【0015】反応経路C:芳香族アルキルアミン類(5)
とハロゲン化アルキル(6)とを、クロロホルム、トルエ
ン、ジメチルホルムアミドなどの有機溶媒中、30〜110
℃で2〜24時間反応させて、脱ハロゲン化水素を行うこ
とにより、化合物(1)が得られる。
【0016】
【化3】
【0017】上記反応経路A、B及びCにおいて、原料
化合物として使用される芳香族アルデヒド類(2)、芳香
族アルキルアミン類(5)は、アミノ化合物(1)に対応する
置換基を有する市販の化合物をそのまま、或いは必要に
より適宜調製して使用することができる。
【0018】上記反応経路A、B又はCに従って合成さ
れたアミノ化合物(1)は、常法に従い、皮膚外用剤とし
て許容される塩の形に変換することができ、かかる塩と
しては、例えば塩酸、リン酸などの無機酸との塩、或い
はフマル酸、シュウ酸、マレイン酸、クエン酸、酒石酸
などの有機酸との塩を挙げることができる。
【0019】また、上記反応経路に従い製造されたアミ
ノ化合物(1)又はそれらの塩は、反応混合物中から通常
の分離・精製手段、例えば、抽出、濃縮、中和、蒸留、
再結晶、カラムクロマトグラフィー、薄層クロマトグラ
フィーなどを用いて分離・精製することができる。
【0020】上記反応経路A、B及びCの製造方法によ
り得られたアミノ化合物(1)又はそれらの塩の具体例を
表1に示す。
【0021】
【表1】
【0022】本発明の尋常性ざ瘡用皮膚外用剤には、ア
ミノ化合物(1)又はそれらの塩の1種を単独で、又は2
種以上を適宜組合せて配合することができ、またアミノ
化合物(1)又はそれらの塩以外に、当該分野で通常使用
される他の成分、例えば、界面活性剤、保湿剤、水、ア
ルコール、香料、油分、紫外線吸収剤、増粘剤、色剤、
酸化防止剤、キレート剤、防腐剤、防黴剤などを必要に
応じて適宜組み合わせて配合することができる。更に、
当該化合物の効果を増強するために、同様な作用効果を
有する既知の化合物である女性ホルモン類、サリチル酸
などを配合することも可能である。
【0023】本発明の尋常性ざ瘡用皮膚外用剤の製剤形
としては種々のものが考えられるが、ヒト用とする場合
には、例えば、軟膏、クリーム、ローション、乳液など
が挙げられる。アミノ化合物(1)は、これら外用剤の製
剤全体に対して約0.001〜1重量%、特に約0.01〜0.5重
量%の割合で配合するのが好ましい。本発明の尋常性ざ
瘡用皮膚外用剤の使用に際しては、疾患症状にもよる
が、通常1日1〜数回患部に塗布して使用することがで
きる。
【0024】
【実施例】本発明を更に詳細に説明するために、参考例
及び実施例(製剤処方例)を以下に示すが、本発明の範
囲はこれらによって何ら限定されるものではない。
【0025】参考例1(反応経路A:化合物番号15の合
成) 500mlオートクレーブ中に、2-イミダゾールカルバルデ
ヒド(2-imidazolecarboxaldehyde;Aldrich社製)6.9
g(70mmol)、n-ラウリルアミン12.8g(69mmol)、5
%Pd-C 2g及び酢酸エチル200mlを量り込み、水素気
流中(20kg/cm2)室温で24時間攪拌した。触媒を除去
し、溶媒を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(n-ヘキサン:酢酸エチル=2:1)により精製し
て、白色結晶のN-ラウリル-2-イミダゾールメチルアミ
ン11.0g(収率60%)を得た。
【0026】1H-NMR δ(ppm)(CDCl3);0.9(3H,t), 1.2
-1.3(18H,m), 1.4-1.5(2H,m),2.6-2.7(2H,t), 3.9(2H,
s), 7.0(2H,s) MS; 265(M+)
【0027】この白色結晶1.0g(3.8mmol)を12.5%塩
酸−エタノール溶液10mlに溶解し、30℃で1時間攪拌し
た。攪拌後、エタノールを減圧下に留去(20mmHg,50
℃)し、乾燥(2.0mmHg,50℃,2時間)して、白色結
晶のN-ラウリル-2-イミダゾールメチルアミン二塩酸塩
1.08g(収率100%)を得た。
【0028】参考例2(反応経路B:化合物番号10の合
成) 窒素気流中、n-ラウリルアミン11.1g(60mmol)及びイ
ソバニリン1.52g(10mmol)を100ml丸底フラスコに量
り込み、攪拌下にジイソプロピルエーテル17.5ml、氷酢
酸5mlの順で滴下した。滴下終了後、室温で約2時間攪
拌し、次いでボラン−ピリジン錯体(Aldrich社製)1.2
ml(10mmol)を10分かけて加え、更に2時間攪拌した。
5N塩酸12mlを滴下し10分間攪拌した後、5N水酸化ナ
トリウム水溶液で塩基性とし、生成物をジイソプロピル
エーテルで抽出、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグ
ラフィー(n-ヘキサン:酢酸エチル=2:1)により精
製して、黄褐色結晶のN-ラウリル-3-ヒドロキシ-4-メト
キシベンジルアミン2.6g(収率82%)を得た。
【0029】1H-NMR δ(ppm)(CDCl3);0.9(3H,t), 1.2
-1.3(18H,m), 1.4-1.5(2H,m),2.6(2H,t), 3.5(1H,s),
3.7(2H,s), 3.9(3H,s),6.8(2H,s), 6.9(1H,s) MS; 321(M+)
【0030】参考例3(反応経路C:化合物番号12の合
成) 窒素気流中、2,4-ジクロロベンジルアミン3.5g(20mmo
l)、トリエチルアミン4.0g(40mmol)及びクロロホル
ム10mlを100ml丸底フラスコに量り込み、50〜60℃で、
クロロホルム5mlに溶解したラウリルブロマイド4.9g
(20mmol)を撹拌下に滴下し、6時間攪拌した。この反
応液を室温まで冷却して濃縮後、酢酸エチルに溶解、水
洗し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホ
ルム:メタノール=10:1)により精製して、淡黄色結
晶のN-ラウリル-2,4-ジクロロベンジルアミン2.3g(収
率34%)を得た。
【0031】1H-NMR δ(ppm)(CDCl3);0.87(3H,t), 1.
2-1.3(18H,m), 1.8-1.9(2H,m),2.8-2.9(2H,m), 4.2(2H,
s), 7.4-7.45(1H,m),7.5(1H,m), 7.85(1H,d) MS; 344(M+)
【0032】この淡黄色結晶1.0g(2.9mmol)を12.5%
塩酸−エタノール溶液10mlに溶解し、30℃で1時間攪拌
した。攪拌後エタノールを減圧下に留去(20mmHg,50
℃)し、乾燥(2.0mmHg,50℃,2時間)して、黄白色
結晶のN-ラウリル-2,4-ジクロロベンジルアミン塩酸塩
1.07g(収率100%)を得た。
【0033】 実施例1(化粧水) (1) N-ラウリル-3-ヒドロキシ-4- メトキシベンジルアミン(化合物番号10) 0.1重量部 (2) グリセリン 2.0重量部 (3) 1,3-ブチレングリコール 2.0重量部 (4) クエン酸ナトリウム 0.1重量部 (5) エタノール 15.0重量部 (6) ポリオキシエチレンオレイルアルコール 0.5重量部 (7) パラベン 0.1重量部 (8) 精製水 (残部) 計 100.0重量部
【0034】上記成分(1)、(5)、(6)及び(7)を室温にて
混合溶解し、同じく室温にて混合溶解した成分(2)、
(3)、(4)及び(8)中に撹拌添加して、尋常性ざ瘡用化粧
水を得た。
【0035】 実施例2(クリーム剤) (1) N-ラウリル-3-ヒドロキシ-4- メトキシベンジルアミン(化合物番号10) 0.1重量部 (2) 色素 0.003重量部 (3) 1,3-ブチレングリコール 5.0重量部 (4) ミツロウ 2.0重量部 (5) セタノール 4.0重量部 (6) 精製ラノリン 10.0重量部 (7) スクワラン 30.0重量部 (8) パラオキシ安息香酸メチル 0.1重量部 (9) ポリオキシエチレンソルビタン モノラウリン酸エステル 2.0重量部 (10)精製水 (残部) 計 100.0重量部
【0036】上記成分(10)に成分(3)を加えて加熱し、7
0℃に保ち水相部とした。別に、成分(1)及び残りの成分
を混合し、加熱溶解して70℃とし油相部とした。この油
相部に水相部を加え、撹拌して予備乳化を行い、更にホ
モミキサーで均一に乳化して、O/W型の尋常性ざ瘡用ク
リーム剤を得た。
【0037】 実施例3(軟膏剤) (1) N-ラウリル-3-ヒドロキシ-4- メトキシベンジルアミン(化合物番号10) 0.5重量部 (2) ポリエチレングリコール "400" 10.0重量部 (3) 流動パラフィン 12.5重量部 (4) ワセリン 21.0重量部 (5) パラフィン 7.0重量部 (6) グリセリン 49.0重量部 計 100.0重量部
【0038】上記成分(1)乃至(6)を十分に撹拌混合し
て、尋常性ざ瘡用軟膏剤を得た。
【0039】 実施例4(乳液) (1) N-ラウリル-3-ヒドロキシ-4- メトキシベンジルアミン(化合物番号10) 0.1重量部 (2) 流動パラフィン 10.0重量部 (3) ワセリン 4.0重量部 (4) ステアリン酸 2.0重量部 (5) セタノール 1.0重量部 (6) グリセリンモノステアリン酸エステル 2.0重量部 (7) プロピレングリコール 7.0重量部 (8) 水酸化ナトリウム 0.4重量部 (9) 精製水 (残部) 計 100.0重量部
【0040】上記成分(1)乃至(6)を混合し、加熱溶解後
70℃に保ち油相部とした。別に、残りの成分を混合し、
加熱溶解して70℃とし水相部とした。油相部に水相部を
加え、ホモミキサーで均一に乳化し、十分に撹拌しなが
ら30℃まで冷却して、尋常性ざ瘡用乳液を得た。
【0041】〔試験例〕以下に、アミノ化合
物(1)の抗菌活性試験、安全性試験、製剤の抗菌活性試
験及び治療効果試験について説明する。
【0042】試験例1(抗菌活性試験) プロピオニバクテリウム・アクネス(Propionibacteriu
m acnes ATCC-11827)に対する被験化合物の抗菌活性を
試験した。なお、被験化合物としては、表1の化合物番
号1乃至16の16化合物を、比較対照化合物としてはオイ
ゲノールを用いた。 (方法)ABCMブイヨン培地水溶液(4.6%)(栄研化学
社製のABCMブイヨン培地46gを1リットルの精製水に溶
解したもの)に100μg/mlの濃度になるように被験化合
物を加え、このものを同培地によって2倍段階希釈を行
い殺菌した。この培地を試験管に5mlずつ分注し、その
各々に菌数が5×108個/ml程度になるように前培養した
プロピオニバクテリウム・アクネスの培養液を0.1ml接
種して嫌気性条件下で48時間静置培養した後、波長660n
mで濁度を測定し、菌の生育しない最小発育阻止濃度(M
IC:μg/ml)を求めた。 (結果)抗菌活性試験の結果を、表2に示した。
【0043】
【表2】
【0044】上表からも明かな通り、アミノ化合物(1)
は、比較対照化合物であるオイゲノールと比較しても、
低濃度でプロピオニバクテリウム・アクネスの生育を阻
止し、強い抗菌活性を有するものである。
【0045】試験例2(安全性試験) (方法)ハートレイ系モルモット(雌,体重350〜400
g)5又は10匹を用いて、被験化合物の1%重量濃度の
アセトン溶液を調製し、感作性、皮膚一次刺激性及び光
毒性試験を行った。被験化合物としては、表1の化合物
番号1、10及び14の3化合物を用いた。なお、感作性試
験は、マグヌッソンのMaximization法〔Magnusson, B a
nd Kligman, A. M.; The identification of contact a
llergens by animal assay. The guinea pig maximizat
ion test. (J. Inv. Derm., 52, p268-276(1969))〕に
準じて行い、感作誘導は10%重量濃度とした。また、光
毒性試験の陽性対照化合物は、100ppmに調整した8-メト
キシプソラレン(8-methoxypsoralen;Aldrich社製)の
エタノール溶液を用い、照射光源はFL-40S・BLB(300〜4
00nm;東芝社製)を使用した。 (結果)判定は全て肉眼で行い、その結果を表3に示し
た。
【0046】
【表3】
【0047】上表からも明らかな通り、被験化合物の全
てにおいて感作性、一次刺激性及び光毒性は認められな
かった。
【0048】試験例3(製剤の抗菌活性試験) 実施例1で得られた尋常性ざ瘡用化粧水(被験化粧水)
について、プロピオニバクテリウム・アクネスに対する
抗菌活性を試験した。比較対照例としては、有効成分で
ある成分(1)を含まない以外は実施例1に準じて処方さ
れた化粧水を用いた。 (方法)GAMブイヨン(日水製薬社製)水溶液(5.9%)
を殺菌した後、試験管に10mlずつ分注し、各試験管に20
又は50μl/mlの濃度になるように被験化粧水を加えた。
各培地に菌数が1×108個/ml程度になるように前培養し
たプロピオニバクテリウム・アクネス(ATCC6919)を0.
1ml接種して嫌気性条件下で48時間静置培養した後、波
長660nmで濁度を測定し、菌の生育状態を観察した。 (結果)製剤の抗菌活性試験の結果を、以下に示す3段
階の判定基準に従い表4に示した。 判定基準(-) :菌の増殖が認められず、透明である (+) :菌の増殖が認められ、濁りがある (++):菌の増殖が激しく、濁りが強い
【0049】
【表4】
【0050】上表からも明らかな通り、本発明の尋常性
ざ瘡用化粧水は、比較対照例に比べてプロピオニバクテ
リウム・アクネスの増殖が認められず、強い抗菌作用を
有することが認められた。
【0051】試験例4(治療効果試験) (方法)顔面に尋常性ざ瘡症状を有する被験者5名を対
象にして、被験者の顔面右側半分には実施例1又は実施
例4で処方された外用剤を、顔面左側半分には、有効成
分である成分(1)を含まない以外は実施例1又は実施例
4に準じて処方された外用剤を対照として用い、これら
の外用剤を1日朝晩2回ずつ1ヶ月間連続塗布し、1ヶ
月後の尋常性ざ瘡症状の治療効果を半顔比較法で判定し
た。 (結果)治療効果試験の結果は、以下に示す4段階の判
定基準で評価点の平均値を求め表5に示した。 判定基準(対照との比較において) 評価点4:完全に治癒している 評価点3:明らかに改善している 評価点2:僅かに改善している 評価点1:差がみられない
【0052】
【表5】
【0053】上表からも明らかな通り、本発明の尋常性
ざ瘡用皮膚外用剤のヒトに対する治療効果は、対照に比
べて著明に改善しており、また、被験者全例において、
皮膚に対する刺激、掻痒感などの異常は認められなかっ
た。
【0054】
【発明の効果】本発明の尋常性ざ瘡用外用剤は、アミノ
化合物(1)を有効成分として含有することにより、尋常
性ざ瘡の原因菌であるプロピオニバクテリウム・アクネ
スの増殖を抑制し、若しくは殺菌し、尋常性ざ瘡を効果
的に予防又は治療することができる。
【0055】更に、アミノ化合物(1)は毒性が低く、か
つ比較的低濃度の配合量でもプロピオニバクテリウム・
アクネスに対して高い抗菌活性を発揮することから、安
全性や経済性の面においても望ましいものである。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 31/135 ADA A61K 31/135 ADA 31/36 31/36 31/415 ADZ 31/415 ADZ 31/44 31/44 // A61K 9/06 9/06 K 9/107 9/107 S

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) φ-(CH2)n-NH-R (1) 〔式中、φはフェニル基、置換フェニル基(置換基の数
    は1乃至5であり、それぞれの置換基は同一又は異なっ
    ていてもよく、水酸基、ハロゲン原子、低級アルコキシ
    ル基、トリフルオロメチル基、アミノ基及びメチレンジ
    オキシ基より成る群から任意に選ばれる)、イミダゾリ
    ル基又はピリジル基を、Rは炭素数6乃至12のアルキル
    基を、nは1又は2を示す。〕で表されるアミノ化合物
    又はそれらの塩を有効成分とする尋常性ざ瘡用皮膚外用
    剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20110136710A1 (en) * 2009-12-08 2011-06-09 Chevron Oronite Company Llc Aminomethyl- substituted imidazole compounds for use as friction modifiers in lubricating oil compositions

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20110136710A1 (en) * 2009-12-08 2011-06-09 Chevron Oronite Company Llc Aminomethyl- substituted imidazole compounds for use as friction modifiers in lubricating oil compositions
US8268761B2 (en) * 2009-12-08 2012-09-18 Chevron Oronite Company Llc Aminomethyl-substituted imidazole compounds for use as friction modifiers in lubricating oil compositions

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