JP3712490B2 - インバータ加熱調理器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、トッププレート上に載置される鍋を加熱して調理するための一次側コイルに対して高周波電流を供給するインバータ回路を備えたインバータ加熱調理器に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
インバータ加熱調理器例えば誘導加熱調理器は、インバータ回路を用いて一次側コイルたる誘導加熱コイルに高周波電流を供給し、二次側コイルに相当する例えば鉄やステンレス等で構成される鍋を誘導加熱して調理を行うものである。斯様な誘導加熱調理器は、加熱調理の条件に応じてインバータ回路の出力を制御するためのマイクロコンピュータなどからなる制御回路を有している。
【0003】
従来、この制御回路に対して供給する直流の制御用電源は、その消費電力が比較的低容量であるため、100Vの商用交流電源を整流したものを抵抗を用いて電圧降下させることにより作成していた。
【0004】
また、従来は、例えば、インバータ回路等の電気部品の冷却用に設けられている冷却用ファンには100Vの交流モータを用いていたが、交流モータは大形且つ高価であるため、小形且つ安価な直流モータ(例えば、直流24V)を使用したいという要請があった。しかしながら、直流モータを使用すると、制御用電源を含めた直流電源の容量が増加するため、抵抗を用いて電圧降下させる方式では損失が大きくなってしまう。
【0005】
上記の事情から、スイッチングレギュレータからなる直流電源回路を使用することにより、制御回路の制御用電源及び直流モータの駆動用電源を作成することが考えられた。この様な直流電源回路を使用することによって、必要な電源容量を確保できると共に、トランスを用いて電源回路を構成する場合に比して全体を小形且つ軽量とすることができる。
【0006】
この場合、インバータ回路から誘導加熱コイルに供給される高周波電流の周波数は、可聴周波数領域を超える領域で且つスイッチング損失が大とならないように、一般に、20数KHz程度に設定されている。そして、直流電源回路のスイッチング周波数も、同様な理由から30KHz程度に設定されている。
【0007】
ところが、誘導加熱調理が開始されると、直流電源回路及びインバータ回路の両者の動作周波数が干渉することにより、両者の周波数差が可聴域である数KHzとなるため、これに伴う鍋の振動が使用者にとっては耳障りなうなり音として知覚されてしまうという問題が明らかになった。
【0008】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、スイッチングレギュレータからなる制御用直流電源回路を用いても、周波数干渉による耳障りなうなり音が発生することを防止できるインバータ加熱調理器を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載のインバータ加熱調理器は、交流電源を整流する整流回路と、
この整流回路の出力に基づき、トッププレート上に載置される鍋を加熱して調理するための一次側コイルに対して高周波電流を供給するインバータ回路と、
このインバータ回路の動作周波数を制御する制御手段と、
前記整流回路の出力に基づいて制御用直流電源を作成するスイッチングレギュレータからなる制御用直流電源回路とを備え、
前記インバータ回路の動作周波数と前記制御用直流電源回路のスイッチング周波数との一方が、他方に対して等しいか若しくは整数倍に設定されていることを特徴とする。
【0010】
斯様に構成すれば、インバータ回路の動作周波数と制御用直流電源回路のスイッチング周波数との何れか一方は、他方に略一致するか若しくは他方の略整数倍となることによって、両者の周波数干渉は生じず、加熱調理を行う際に耳障りなうなり音が発生することを防止できる。
【0011】
この場合、請求項2に記載したように、前記制御用直流電源回路を、電気部品を送風冷却する冷却用ファン駆動用の直流モータに電源を供給する構成としても良い。斯様に構成すれば、冷却用ファンの駆動用として小形且つ安価な直流モータを用いることができる。
【0012】
請求項3に記載したように、前記インバータ回路を、ハーフブリッジ型として構成すると良い。斯様に構成すれば、加熱調理において出力調整が行われてもインバータ回路の動作周波数は常に一定となるので、干渉によるうなり音の発生防止をより容易且つ十分に行うことができる。
【0013】
この場合、請求項4に記載したように、前記インバータ回路及び前記制御用直流電源回路を、1つの発振回路が出力する周波数信号に基づいて動作する構成とするのが好ましく、斯様に構成すれば、部品点数が削減される。
【0014】
また、請求項5に記載したように、前記インバータ回路を、共振型として構成し、
前記制御用直流電源回路のスイッチング周波数を、前記インバータ回路の最大出力となる動作周波数に対して等しいか若しくは整数倍に設定しても良い。
斯様に構成すれば、加熱調理において出力調整が行われるのに伴ってインバータ回路の動作周波数が変化しても、その出力が最大となる動作周波数において干渉が生ずることがないから、大きなうなり音の発生を防止することができる。
【0015】
請求項6に記載したように、前記インバータ回路を、共振型として構成し、
前記制御用直流電源回路を、そのスイッチング周波数が、前記インバータ回路の出力調整に伴う動作周波数の変化に追従するように構成するのが好ましく、斯様に構成すれば、加熱調理において出力調整が行われるのに伴ってインバータ回路の動作周波数が変化しても、その変化に制御用直流電源回路のスイッチング周波数が追従することによって、干渉によるうなり音の発生防止をより十分に行うことができる。
【0016】
また、この場合、請求項7に記載したように、前記制御用直流電源回路を、前記インバータ回路の動作開始前は一定周波数で動作し、前記インバータ回路の動作開始後は、その出力調整に伴う動作周波数の変化に追従するように構成すると良い。斯様に構成すれば、インバータ回路の動作が停止している間においても、制御用の直流電源が安定した状態で供給される。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をインバータ加熱調理器たる誘導加熱調理器に適用した場合の第1実施例について図1及び図2を参照して説明する。図1は、誘導加熱調理器の電気的構成を示す図である。100Vの交流電源1は、ダイオードブリッジで構成される全波整流回路(整流回路)2の交流入力端子に接続されており、全波整流回路2の直流出力端子は、直流母線3a,3bに夫々接続されている。直流母線3a,3bに間には、平滑コンデンサ4が接続されていると共に、直流母線3aには、チョークコイル5が挿入されている。
【0018】
また、直流母線3a,3b間には、誘導加熱コイル(一次側コイル)6及び共振コンデンサ7の並列回路とIGBT8のコレクタ,エミッタとの直列回路が接続されている。そのIGBT8のコレクタ,エミッタ間には、フライホイールダイオード9が逆並列に接続されている。尚、誘導加熱コイル6,共振コンデンサ7,IGBT8及びフライホイールダイオード9は、共振型のインバータ回路10を構成している。
【0019】
次に、電源回路(制御用直流電源回路)11の構成について述べる。全波整流回路2の直流出力端子の正側は、電源回路11内のダイオード12及び電流制限抵抗13の直列回路を介して、PNP形のトランジスタ14のエミッタに接続されている。PNP形のトランジスタ14のエミッタは、抵抗15を介して自身のベースに接続されており、そのベースは、抵抗16を介してNPN形のトランジスタ17のコレクタに接続されている。
【0020】
トランジスタ14のコレクタは、コイル19を介して電源回路11の直流母線18aに接続されていると共にフライホイールダイオード20のカソードに接続され、そのフライホイールダイオード20のアノードは、直流母線18bに接続されている。尚、この直流母線18bは、直流母線3bと共にアースに接続されている。
【0021】
直流母線18a,18b間には、抵抗21及び22の直列回路,平滑コンデンサ23並びに図示しない冷却ファンを回転駆動するファンモータ(直流モータ)24と常開形のスイッチ24aとの直列回路が接続されており、抵抗21及び22の共通接続点は、電源制御回路25の入力端子に接続されている。
【0022】
発振回路26は、周波数22KHzの矩形波信号を出力するように設定されており、この矩形波信号は、電源制御回路25に与えられるようになっている。尚、スイッチ24aは、後述する操作部36から与えられる操作信号によって開閉制御されるようになっている。
【0023】
そして、電源制御回路25は、抵抗21及び22によって分圧された直流母線18a,18b間の検出電圧Vdを内部で設定されている基準電圧Vrと比較して、両者の差(Vr−Vd)が大である程正パルス幅のデューティ比が大となる矩形波信号Spを出力端子に出力するようになっている(図2参照)。この場合、矩形波信号Spの周波数は、発振回路26の周波数22KHzと同一である。また、Vd≧Vrとなる場合は、電源制御回路25の出力は停止される。尚、直流母線18a,18b間の電圧は、ファンモータ24の駆動用として例えば24Vとなるよう後述の様に制御される。
【0024】
電源制御回路25の出力端子は、負論理出力のドライバ27を介してNPN形のトランジスタ28のベースに接続されている。トランジスタ28のコレクタは、12Vの制御用電源にダイオード30及び抵抗29の直列回路を介して接続されていると共に、NPN形のトランジスタ17のベースに接続されており、トランジスタ28のエミッタは、トランジスタ17のエミッタと共にアースに接続されている。
【0025】
尚、12Vの制御用電源は、直流母線18a,18bに接続されている定電圧回路31によって作成されるものである。また、この定電圧回路31は、インバータ回路10を制御する制御装置(制御手段)32に対しても、5V程度の制御用電源を供給するようになっている。
【0026】
次に、制御装置32の構成について述べる。タイミング回路33の入力端子は、IGBT8のコレクタ及びエミッタ(アース)に夫々接続されており、タイミング回路33は、IGBT8のコレクタ−エミッタ間電圧がゼロ付近に低下するタイミングを検出して、その検出信号を出力制御回路34に出力するようになっている。
【0027】
出力制御回路34の出力端子は、駆動回路35を介してIGBT8のゲートに接続されている。出力制御回路34は、操作部36から与えられる操作信号に応じて、タイミング回路33の検出信号に基づき所定周波数のオンオフ信号をゲート信号としてIGBT8に出力するようになっている。
【0028】
次に、第1実施例の作用について説明する。先ず、電源回路11の動作について述べる。電源制御回路25は、上述のように、抵抗21及び22によって分圧された検出電圧Vdと基準電圧Vrとの差(Vr−Vd)に応じたデューティ比の矩形波信号Spを出力する(図2参照)。
【0029】
矩形波信号Spがハイレベルの時は、トランジスタ28はオフ状態であり、トランジスタ17はベース電流が流れてオン状態となる。トランジスタ17がオン状態であれば、トランジスタ14にもベース電流が流れてオン状態となって、直流母線18a,18b間の平滑コンデンサ23には、コイル19を介して充電電流が流れる。
【0030】
この様に、トランジスタ14が基準電圧Vrと検出電圧Vdとの差に応じて22KHzの周波数でスイッチングされることにより、直流母線18a,18b間の電圧は24Vに維持される。即ち、電源回路11は、スイッチングレギュレータとして構成されている。
【0031】
そして、使用者が操作部36において入力操作を行い加熱調理を開始する場合は、ファンモータ24のスイッチ24aに制御信号が与えられて閉状態となることにより、ファンモータ24は通電されて冷却ファンが回転駆動され、加熱調理器内部の各電気部品を送風冷却する。
【0032】
次に、誘導加熱コイル6の上部に図示しないトッププレートを介して載置される鍋(誘導加熱調理に適した鉄やステンレスなどからなる)37を加熱して調理を行う場合の、インバータ回路10及びその制御装置32の作用について説明する。
【0033】
▲1▼先ず、出力制御回路34が駆動回路35を介してIGBT8のゲートにオン信号を与えると、電流が平滑コンデンサ4,直流母線3a,誘導加熱コイル6,IGBT8及び直流母線3bの経路で流れる。
▲2▼次に、出力制御回路34がIGBT8のゲートにオフ信号を与えると、誘導加熱コイル6に蓄積されている磁気エネルギが遅れ電流となって、共振コンデンサ7を充電する。
【0034】
▲3▼遅れ電流による共振コンデンサ7の充電が終了すると、共振コンデンサ7は、蓄積された電荷を誘導加熱コイル6に対して放電する。
▲4▼共振コンデンサ7の放電が終了すると、誘導加熱コイル6の逆方向の遅れ電流が、直流母線3a,平滑コンデンサ4,直流母線3b,フライホイールダイオード9及び誘導加熱コイル6の経路で流れる。
以上の過程を、タイミング回路33が検出するIGBT8のコレクタ−エミッタ間電圧のゼロクロス点に基づくタイミングをもって周期的に繰返すことにより、インバータ回路10は、誘導加熱コイル6に高周波電流を供給して鍋37を誘導加熱する。
【0035】
この時、使用者が操作部36において行う入力操作に応じた誘導加熱調理、即ちインバータ回路10の出力調整は、▲1▼においてIGBT8がオンしている期間の長短を以て、誘導加熱コイル6に流す電流量を調整することによって行われる。即ち、加熱出力を大とする場合には、IGBT8のオン期間を長くして誘導加熱コイル6に流す電流量を多くし、逆に、加熱出力を小とする場合には、IGBT8のオン期間を短くして誘導加熱コイル6に流す電流量を少なくする。
【0036】
上記調整の実際の制御は、出力制御回路34が出力するオンオフ信号の周波数(インバータ回路10の動作周波数)によって決定される。即ち、IGBT8のオン期間を短くする場合の動作周波数は高くなり、オン期間を長くする場合の動作周波数は低くなる。その周波数は、例えば、出力最小の場合には28KHz,出力最大の場合には22KHz程度となる範囲で変化する。
【0037】
而して、電源回路11におけるスイッチング周波数は、発振回路26により出力される矩形波信号の周波数22KHzに合わせて設定されており、インバータ回路10の出力が最大となった時に、その動作周波数と電源回路11のスイッチング周波数とが一致するようになっている。
【0038】
以上のように本実施例によれば、電源回路11のスイッチング周波数を、インバータ回路10の出力が最大となる時の動作周波数に一致するように設定したので、従来とは異なり、加熱調理中に両者の周波数差で生じる干渉によって、例えばトッププレート上に載置された振動発生源たる鍋37が振動するなどして耳障りなうなり音が発生することがなく、使用者は、より快適に調理を行うことができる。
【0039】
また、インバータ回路10の出力が最大以外の場合には、その出力が低下するにつれて両者の周波数差が大きくなる。従って、出力が高い場合に生じるうなり音は低周波であり、また、うなり音が使用者にとって不快感を与える周波数領域に達する場合には、インバータ回路10の出力は十分低下しているので、使用者に知覚されることは殆どない。
【0040】
更に、本実施例によれば、電源回路11は、冷却ファン駆動用のファンモータ24にも駆動用電源を供給するようにしたので、小形且つ安価な直流モータを用いることにより加熱調理器を小形且つ低価格で構成することができる。
【0041】
図3は本発明の第2実施例を示すものであり、第1実施例と同一部分には同一符合を付して説明を省略し、以下異なる部分についてのみ説明する。第2実施例においては、第1実施例における電源回路11の電源制御回路25が、電源制御回路25aに置き換わっており、電源回路(制御用直流電源回路)11aとなっている。その電源制御回路25aは、制御装置32の出力制御回路34がIGBT8に対して出力するオンオフ信号と同じ信号が与えられるようになっている。その他は第1実施例と同様の構成である。
【0042】
次に、第2実施例の作用について説明する。電源制御回路25aは、加熱調理が行われておらずインバータ回路10が動作する前は、第1実施例と同様に発振回路26が出力する22KHzの矩形波信号によって、トランジスタ14をスイッチングして制御用電源を作成する。
【0043】
そして、加熱調理が開始されてインバータ回路10が動作した後は、制御装置32の出力制御回路34が出力するオンオフ信号の周波数、即ち、インバータ回路10の動作周波数に応じて、トランジスタ14をスイッチングするように切替える。従って、加熱調理の開始後は、電源回路11aのスイッチング周波数はインバータ回路10の動作周波数に追従して変化するようになる。
【0044】
以上のように第2実施例によれば、電源回路11aは、インバータ回路10が動作する前は、発振回路26が出力する一定周波数の矩形波信号によりトランジスタ14をスイッチングして制御用電源を作成し、インバータ回路10が動作した後は、スイッチング周波数がインバータ回路10の動作周波数に追従して変化するようにしたので、スイッチング周波数はインバータ回路10の動作周波数に常に等しくなり、両者の干渉によるうなり音の発生防止を一層確実にすることができる。
【0045】
図4は本発明の第3実施例を示すものであり、第1実施例と同一部分には同一符合を付して説明を省略し、以下異なる部分についてのみ説明する。第3実施例においては、第1実施例における共振形のインバータ回路10に代えて、ハーフブリッジ形のインバータ回路38が設けられている。
【0046】
直流母線3a,3b間には、1つのアームを構成するIGBT39及び40のコレクタ及びエミッタが夫々接続されており、そのIGBT39及び40のコレクタ−エミッタ間には、フライホイールダイオード41及び42が夫々逆並列に接続されている。また、直流母線3a,3b間には、コンデンサ43及び44の直列回路が接続されており、それらの共通接続点とIGBT39及び40のエミッタ及びコレクタとの間には、誘導加熱コイル(一次側コイル)45が接続されている。以上がインバータ回路38を構成している。
【0047】
インバータ回路38の制御装置(制御手段)46は、第1実施例におけるタイミング回路33の代わりに、一定周波数(例えば、22KHz)の信号を出力する発振回路47を有しており、その発振回路47の出力信号は、出力制御回路48に与えられるようになっている。そして、出力制御回路48は、駆動回路50を介してIGBT39及び40のゲートに夫々オンオフ信号を与えるようになっている。以上が制御装置46を構成している。
【0048】
また、電源回路(制御用直流電源回路)11bの電源制御回路25は、第1実施例における発振回路26の代わりに、発振回路47から出力信号(周波数信号)を得るように構成されている。その他は第1実施例と同様の構成である。
【0049】
次に、第3実施例の作用について説明する。先ず、インバータ回路38の動作について述べる。
▲1▼正側のIGBT39がオン状態になると、電流は、直流母線3a,IGBT39,誘導加熱コイル45,コンデンサ44及び直流母線3bの経路で流れ、コンデンサ44が充電される。
▲2▼次に、IGBT39がオフ状態になると、遅れ電流が、誘導加熱コイル45,コンデンサ44及びフライホイールダイオード42の経路で流れる。
▲3▼そして、コンデンサ44が放電に転じると、誘導加熱コイル45,フライホイールダイオード41,直流母線3a,平滑コンデンサ4,直流母線3b及びコンデンサ44の経路で放電電流が流れる。
【0050】
▲4▼続いて、負側のIGBT40がオン状態になると、電流は、直流母線3a,コンデンサ43,誘導加熱コイル45,IGBT40及び直流母線3bの経路で流れ、コンデンサ43が充電される。
▲5▼次に、IGBT40がオフ状態になると、遅れ電流が、誘導加熱コイル45,フライホイールダイオード41及びコンデンサ43の経路で流れる。
▲6▼そして、コンデンサ43が放電に転じると、直流母線3a,平滑コンデンサ4,直流母線3b,フライホイールダイオード42,誘導加熱コイル45及びコンデンサ43の経路で放電電流が流れる。
【0051】
IGBT39,40は、以上のように交互にオンオフが繰返される。尚、コンデンサ44,43の充放電については、IGBT39,40が夫々オンオフされる場合につき分けて説明したが、実際の動作においては、コンデンサ44が充電(放電)されている時はコンデンサ43が同時に放電(充電)するような電流ループが形成されている。
【0052】
斯様な構成のハーフブリッジ型のインバータ回路38においては、発振回路47が出力する一定周波数の信号に基づいてIGBT39,40が夫々交互にオンオフされるので、動作周波数は一定である。そして、加熱調理の出力調整は、動作周波数が一定の状態においてデューティ比を変化させることにより行われる(デューティ比が大となるにつれて、出力が大となる)。
【0053】
従って、電源回路11bにおいても、発振回路47が出力する一定周波数の信号を受けてスイッチング動作を行うように構成することにより、インバータ回路38の動作周波数と電源回路11bのスイッチング周波数を等しくすることが可能となる。
【0054】
以上のように第3実施例によれば、ハーフブリッジ型のインバータ回路38を用いたので、その動作周波数は常に一定であるから、電源回路11bのスイッチング周波数をその一定の動作周波数に合わせるだけで、両者の干渉によるうなり音の発生防止を容易且つ十分に行うことができる。また、インバータ回路38と電源回路11bとを一つの発振回路47が出力する信号に基づいて動作させることができるので、部品点数をより削減することができる。
【0055】
本発明は上記し且つ図面に記載した実施例にのみ限定されるものではなく、次のような変形または拡張が可能である。
第1実施例において、電源回路11のスイッチング周波数を、インバータ回路10の出力が最大となる時の動作周波数22KHzの整数倍、例えば44KHzに設定しても良い。逆に、インバータ回路10の出力が最大となる時の動作周波数を、電源回路11のスイッチング周波数22KHzの整数倍、例えば44KHzとなるように設定しても良い。斯様な場合でも、一方の基本周波数が他方の整数倍であるから、同様にうなり音の発生を防止することができる。
また、インバータ回路10の動作周波数に電源回路11のスイッチング周波数を一致させる場合、必ずしもインバータ回路10の出力が最大となる動作周波数に一致させる必要はない。例えば、使用者の聴感上干渉によるうなり音が最大となる動作周波数が、加熱調理器の筐体構造などの影響により出力が最大となる動作周波数以外となる場合などは、その聴感上うなり音が最大となる動作周波数に合わせて一致させれば良い。
【0056】
ファンモータ24の駆動用電源は、電源回路11,11a及び11b以外の別個の電源から供給しても良い。また、設計条件等に応じて、冷却ファン駆動用のモータを交流モータで構成しても良い。
第3実施例において、必ずしもインバータ回路38と電源回路11bとを一つの発振回路47によって動作させる必要はなく、夫々別個の発振回路によって動作させるようにしても良い。
インバータ回路10の動作周波数の範囲は、22〜28KHzに限ることなく適宜変更して良く、電源回路11のスイッチング周波数は、それに合わせて適宜一致させるようにすれば良い。
【0057】
【発明の効果】
本発明は以上説明した通りであるので、以下の効果を奏する。
請求項1記載のインバータ加熱調理器によれば、インバータ回路の動作周波数と制御用直流電源回路のスイッチング周波数との何れか一方は、他方と一致するか若しくは他方の整数倍となるので、両者の周波数干渉は生じず、加熱調理を行う際に耳障りなうなり音が発生することを防止でき、使用者は、快適に調理を行うことができる。
【0058】
請求項2記載のインバータ加熱調理器によれば、制御用直流電源回路は、冷却用ファン駆動用の直流モータに電源を供給するので、小形且つ安価な直流モータを用いて、全体の小形化及び低価格化を図ることができる。
【0059】
請求項3記載のインバータ加熱調理器によれば、インバータ回路をハーフブリッジ型としたので、加熱調理において出力調整が行われてもインバータ回路の動作周波数は常に一定となり、干渉によるうなり音の発生防止をより容易且つ十分に行うことができる。
【0060】
請求項4記載のインバータ加熱調理器によれば、インバータ回路及び制御用直流電源回路を1つの発振回路が出力する周波数信号に基づいて動作するようにしたので、部品点数を削減することができる。
【0061】
請求項5記載のインバータ加熱調理器によれば、加熱調理において出力調整が行われるのに伴って共振型のインバータ回路の動作周波数が変化しても、その出力が最大となる動作周波数において干渉が生ずることがないから、大きなうなり音の発生を防止することができる。
【0062】
請求項6記載のインバータ加熱調理器によれば、加熱調理において出力調整が行われるのに伴って共振型のインバータ回路の動作周波数が変化しても、その変化に制御用直流電源回路のスイッチング周波数が追従するので、干渉によるうなり音の発生防止をより十分に行うことができる。
【0063】
請求項7記載のインバータ加熱調理器によれば、制御用直流電源回路を、インバータ回路の動作開始前は一定周波数で動作し、インバータ回路の動作開始後はその出力調整に伴う動作周波数の変化に追従するようにしたので、インバータ回路の動作が停止している間においても、制御用の直流電源を安定した状態で供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を誘導加熱調理器に適用した場合の第1実施例を示す電気的構成図
【図2】電源回路の制御信号波形を示す図
【図3】本発明の第2実施例を示す図1相当図
【図4】本発明の第3実施例を示す図1相当図
【符号の説明】
2は全波整流回路(整流回路)、6は誘導加熱コイル(一次側コイル)、10はインバータ回路、11,11a及び11bは電源回路(制御用直流電源回路)、24はファンモータ(直流モータ)、32は制御装置(制御手段)、38はインバータ回路、45は誘導加熱コイル(一次側コイル)、46は制御装置(制御手段)、47は発振回路を示す。
Claims (7)
- 交流電源を整流する整流回路と、
この整流回路の出力に基づき、トッププレート上に載置される鍋を加熱して調理するための一次側コイルに対して高周波電流を供給するインバータ回路と、
このインバータ回路の動作周波数を制御する制御手段と、
前記整流回路の出力に基づいて制御用直流電源を作成するスイッチングレギュレータからなる制御用直流電源回路とを備え、
前記インバータ回路の動作周波数と前記制御用直流電源回路のスイッチング周波数との一方が、他方に対して等しいか若しくは整数倍に設定されていることを特徴とするインバータ加熱調理器。 - 前記制御用直流電源回路は、電気部品を送風冷却する冷却用ファン駆動用の直流モータに電源を供給するようになっていることを特徴とする請求項1記載のインバータ加熱調理器。
- 前記インバータ回路は、ハーフブリッジ型として構成されていることを特徴とする請求項1または2記載のインバータ加熱調理器。
- 前記インバータ回路及び前記制御用直流電源回路は、1つの発振回路が出力する周波数信号に基づいて動作することを特徴とする請求項3記載のインバータ加熱調理器。
- 前記インバータ回路は、共振型として構成されており、
前記制御用直流電源回路のスイッチング周波数は、前記インバータ回路の最大出力となる動作周波数に対して等しいか若しくは整数倍に設定されていることを特徴とする請求項1または2記載のインバータ加熱調理器。 - 前記インバータ回路は、共振型として構成されており、
前記制御用直流電源回路は、そのスイッチング周波数が、前記インバータ回路の出力調整に伴う動作周波数の変化に追従するように構成されていることを特徴とする請求項1または2記載のインバータ加熱調理器。 - 前記制御用直流電源回路は、前記インバータ回路の動作開始前は一定周波数で動作し、前記インバータ回路の動作開始後は、その出力調整に伴う動作周波数の変化に追従するように構成されていることを特徴とする請求項6記載のインバータ加熱調理器。
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