JP3711295B2 - 床用遮蔽蓋の把手装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、溝蓋,ピット蓋,フロアーハッチ等の各種の床用遮蔽蓋に適用する把手装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
床用遮蔽蓋の開閉に用いる把手装置にあって、出没可能な略T字形の把手杆を有する従来の把手装置は、図7,図8に示すように、矩形状の天板aの下面に収納筺体bを接合して内部を収納空隙部cとした本体ケースdを備え、前記天板aの中央に収納空隙部cと連通する矩形状の収納口eが開口されるとともに、該収納口eの両側に半円状の操作凹部f,fが形成され、さらに、天板aの四隅位置に固定螺子gの透孔hが形成されている。
【0003】
また、略T字形の把手杆iは、下部にストッパー片jが水平状に固着された吊持片kと、該吊持片kの上端に固定される矩形状の把持片mとからなり、この把手杆iの本体ケースdに対する組付けは、収納筺体bの底板に開口された挿通孔nに吊持片kを挿通した状態で、その上端に把持片mをリベットpで固定することによって行なわれる。
【0004】
そして、この把手装置を床用遮蔽蓋qに取付ける場合には、床用遮蔽蓋qに形成した取付孔rに本体ケースdの収納筺体bを嵌め込み、天板aの周縁を床用遮蔽蓋qの上面に当接させて本体ケースdを支持させ、天板aの透孔hに一致させて床用遮蔽蓋qに穿設した螺子挿通孔sに透孔hから固定螺子gを挿通し、下端にナットtを螺着して固定することによって、その取付けを行なっている。
【0005】
このように、床用遮蔽蓋qに取付けられた把手装置にあって、把手杆iは不使用時には、自重により下方移動し、把持片mを収納口eから収納空隙部c内に落し込むことによって、該把持片mの上面が天板aの上面と面一となって収納される。これにより、溝路等に配設した床用遮蔽蓋qの上部を人が歩行しても把手杆iに躓いたりせず、その安全性が確保される。一方、使用時には、操作凹部f,fに把持片mの側面の一部が露出しているので、この露出部分を挟持して把持片mを収納空隙部cから引き出すことができ、この引き出した把持片mを把持して吊持片kを引き上げることにより、その下端部のストッパー片jが本体ケースdの底面に当接して床用遮蔽蓋q全体を持上げることができるようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかして、従来の把手装置にあっては、本体ケースdを固定螺子gによって床用遮蔽蓋qに取付けた状態において、該固定螺子gの頭部が表面に露出しているため、見栄えが悪く、また、各構成部品が金属で成形されているため、重量があり、製造コストも高く、さらに、吊持片kと把持片mをリベットpによって連結して、把手杆iを本体ケースdに組付けているため、その組付け作業が面倒である等の問題点がある。
【0007】
本発明は、かかる問題点を解消し得る床用遮蔽蓋の把手装置の提供を目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、底面に挿通孔が開口された収納凹部と、該収納凹部の外周に側方突成された鍔縁とを備え、該鍔縁に固定螺子の透孔が形成され、前記収納凹部の両側に操作凹部が形成されてなる合成樹脂製の本体ケースと、
前記挿通孔に上下動可能に挿通され、下部にストッパー片を装着した吊持杆部と、該吊持杆部の上端に連成され、前記収納凹部に上方から収納される把持部とを備え、該把持部の外表面に金属製薄板カバーを被着してなる合成樹脂製の把手杆と、
前記鍔縁と略同一形状に形成され、その中央に前記収納凹部に対応する開口部が形成されるとともに、該開口部の両側に前記操作凹部に対応する凹部が形成されてなり、外周縁は、前記鍔縁の外周側縁に沿って下方に屈曲された曲成縁が形成される金属製薄板カバーとによって構成し、
さらに、合成樹脂製の本体ケースの鍔縁の外周縁と、金属製薄板カバーの曲成縁とのいずれか一方に係合溝を、いずれか他方に該係合溝に係合する係合突起を夫々形成し、前記鍔縁の透孔に挿通される固定螺子によって前記本体ケースを床用遮蔽蓋に固定した状態で、金属製薄板カバーを該本体ケースの外表面に被着して、係合溝に係合突起を係合することにより、前記固定螺子の頭部を覆い隠すように、金属製薄板カバーを本体ケースに固定するようにしたことを特徴とする床用遮蔽蓋の把手装置である。
【0009】
この構成にあって、吊持杆部の下部に、該吊持杆部の下端に開口する上下方向の割溝を形成し、該割溝の両側を二股状の弾性片部とするとともに、該弾性片部の左右側縁に係止段部を設け、ストッパー片に形成した嵌挿孔に前記弾性片部をその弾性を介して嵌合し、前記係止段部で係止することにより、ストッパー片を吊持杆部の下部に装着するように構成したものが好適な実施態様として提案され得る。
【0010】
かかる把手装置にあっては、本体ケースを固定螺子によって床用遮蔽蓋に取付けた後、該本体ケースに金属製薄板カバーを被着することにより、前記固定螺子を覆い隠すことができる。また、本体ケース及び把手杆の主体が合成樹脂製のため軽く、その成形が容易で安価に提供でき、さらに、吊持杆部の下部に、弾性片部の弾性変形を介してストッパー片を装着し得るので、本体ケースに対する把手杆の組付けを容易に行なうことができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態の一例を図1〜図5について説明する。
【0012】
図面において、1は本発明にかかる把手装置を示す。2は該把手装置1を構成する本体ケースであって、該本体ケース2は、浅底皿状の収納凹部3と、該収納凹部3の外周に側方突成された矩形状の鍔縁4とを備えており、この収納凹部3と鍔縁4は合成樹脂によって一体に成形されている。
【0013】
前記収納凹部3の底面中央には挿通孔5が開口されており、収納凹部3の中央部の両側には、鍔縁4の上面から収納凹部3の下部に向けて湾曲状に傾斜した半円状の操作凹部6,6が形成されている。また、前記鍔縁4の四隅位置には、固定螺子7の頭部を没入可能な円錐状の座ぐり加工を施した透孔8が夫々形成されている。
【0014】
9は、本体ケース2の外表面に被着されるステンレス等からなる金属製薄板カバーであって、該金属製薄板カバー9は、前記鍔縁4と略同一の矩形状に形成され、その中央に前記収納凹部3に対応する開口部10が形成されるとともに、該開口部10の両側に前記操作凹部6,6に対応する凹部11,11が形成されている。
【0015】
また、金属製薄板カバー9の外周縁は、前記鍔縁4の外周側縁に沿って下方に屈曲された曲成縁12となっており、該曲成縁12には所定間隔で複数の係合突起13が内方に向けて突成される一方、鍔縁4の外周側縁には該係合突起13と係合可能な複数の係合溝14が形成されている。そして、図5に示すように、この係合溝14に前記係合突起13を夫々係合させることにより、本体ケース2の外表面に被着される金属製薄板カバー9を固定するようにしている。
【0016】
尚、前記係合突起13と係合溝14は、配置関係を逆にすることも可能である。即ち、係合突起13を鍔縁4の外周側縁に配設し、係合溝14を曲成縁12に配設することもできる。
【0017】
15は、前記本体ケース2に組付けられる把手杆であって、該把手杆15は、前記挿通孔5に上下動可能に挿通される吊持杆部16と、該吊持杆部16の上端に連成され、前記収納凹部3に上方から収納される把持部17とを備えており、この吊持杆部16と把持部17は合成樹脂によって一体に成形されている。
【0018】
前記把持部17は、収納凹部3に収納可能なように該収納凹部3と略同一形状に形成されており、その外表面には、ステンレス等からなる金属製薄板カバー18が被着されている。この金属製薄板カバー18は、把持部17の上面及び周側面を覆い、下縁18aを屈曲して把持部17の下面に係止することにより固定されている。
【0019】
また、前記吊持杆部16の下部には、該吊持杆部16の下端に開口する上下方向の割溝19が形成され、該割溝19の両側を二股状の弾性片部20,20とするとともに、該弾性片部20,20の左右側縁に係止段部21,21が設けられており、図6に示すように、弾性片部20,20をその弾性を介してストッパー片22の嵌挿孔23に嵌合し、係止段部21,21で係止することにより、ストッパー片22を吊持杆部16の下部に装着できるようになっている。
【0020】
そして、本体ケース2の挿通孔5に吊持杆部16を上方から挿通した状態で、上記のように吊持杆部16の下部にストッパー片22を装着することにより、本体ケース2に把手杆15を組付けるようにしている。
【0021】
かかる把手装置1を床用遮蔽蓋24に取付けるには、本体ケース2に把手杆15を組付けた状態において、図1に示すように、床用遮蔽蓋24に形成した取付け孔25に本体ケース2の収納凹部3を上方から嵌め込み、鍔縁4を床用遮蔽蓋24の上面に当接させて本体ケース2を支持させ、鍔縁4の各透孔8に一致させて床用遮蔽蓋24に夫々穿設した螺子挿通孔26に透孔8から固定螺子7を挿通し、下端にナット27を螺着して固定する。次に、金属製薄板カバー9を本体ケース2の外表面に被着し、前記係合突起13を係合溝14に夫々係合させることにより、金属製薄板カバー9を固定する。これにより把手装置1を床用遮蔽蓋24に取付けることができ、金属製薄板カバー9によって固定螺子7の頭部を覆い隠すことができる。ここで上記のように、係合突起13と係合溝14との係合操作により、金属製薄板カバー9を固定し得るので、該金属製薄板カバー9の固定を迅速かつ簡単に行なうことができる。
【0022】
このように、床用遮蔽蓋24に取付けられた把手装置1にあって、把手杆15は不使用時には、自重により下方移動し、把持部17を上方からから収納凹部3内に落し込むことによって、該把持部17の上面が鍔縁4の上面と面一となって収納される。一方、使用時には、カバー9が被着された操作凹部6,6にカバー18が被着された把持部17の側面の一部が露出しているので、この露出部分を挟持して把持部17を収納凹部3から上方に引き出すことができ、この引き出した把持部17を把持して吊持杆部16を引き上げることにより、その下端部のストッパー片22が本体ケース2の底面に当接して床用遮蔽蓋24を持上げることができる。
【0023】
【発明の効果】
本発明は上述のように、本体ケース2と把手杆15とを合成樹脂で形成し、本体ケース2の外表面に金属製薄板カバー9を被着するとともに、把手杆15の把持部17の外表面に金属製薄板カバー18を被着して把手装置1を構成したから、該把手装置1を床用遮蔽蓋24に取付けた状態において、固定螺子7の頭部が金属製薄板カバー9によって覆い隠されることにより見栄えが良く、また、把手杆15の収納時には金属製薄板カバー9,18のみが外面に露出するので意匠性が高められる。また、本体ケース2及び把手杆15の主体が合成樹脂製であるので、その成形が容易で安価に製造でき、従来の金属製のものと比較して軽量であるため、床用遮蔽蓋24の開閉を楽に行なうことができる。さらに、吊持杆部16の下部に、弾性片部20,20の弾性変形を介してストッパー片22を装着し得るので、本体ケース2に対する把手杆15の組付けを容易に行なうことができる等の優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる把手装置を床用遮蔽蓋に取付けた状態の縦断正面図である。
【図2】同上の把手装置の平面図である。
【図3】同上の把手装置の分解断面図である。
【図4】同上の把手装置の縦断側面図である。
【図5】係合突起と係合溝との係合部分の拡大断面図である。
【図6】弾性片部の作用説明図である。
【図7】従来の把手装置を床用遮蔽蓋に取付けた状態の縦断正面図である。
【図8】従来の把手装置の平面図である。
【符号の説明】
1 把手装置
2 本体ケース
3 収納凹部
4 鍔縁
5 挿通孔
6 操作凹部
7 固定螺子
8 透孔
9 金属製薄板カバー
15 把手杆
16 吊持杆部
17 把持部
18 金属製薄板カバー
19 割溝
20 弾性片部
21 係止段部
22 ストッパー片
23 嵌挿孔
24 床用遮蔽蓋
Claims (2)
- 底面に挿通孔が開口された収納凹部と、該収納凹部の外周に側方突成された鍔縁とを備え、該鍔縁に固定螺子の透孔が形成され、前記収納凹部の両側に操作凹部が形成されてなる合成樹脂製の本体ケースと、
前記挿通孔に上下動可能に挿通され、下部にストッパー片を装着した吊持杆部と、該吊持杆部の上端に連成され、前記収納凹部に上方から収納される把持部とを備え、該把持部の外表面に金属製薄板カバーを被着してなる合成樹脂製の把手杆と、
前記鍔縁と略同一形状に形成され、その中央に前記収納凹部に対応する開口部が形成されるとともに、該開口部の両側に前記操作凹部に対応する凹部が形成されてなり、外周縁は、前記鍔縁の外周側縁に沿って下方に屈曲された曲成縁が形成される金属製薄板カバーとによって構成し、
さらに、合成樹脂製の本体ケースの鍔縁の外周縁と、金属製薄板カバーの曲成縁とのいずれか一方に係合溝を、いずれか他方に該係合溝に係合する係合突起を夫々形成し、前記鍔縁の透孔に挿通される固定螺子によって前記本体ケースを床用遮蔽蓋に固定した状態で、金属製薄板カバーを該本体ケースの外表面に被着して、係合溝に係合突起を係合することにより、前記固定螺子の頭部を覆い隠すように、金属製薄板カバーを本体ケースに固定するようにしたことを特徴とする床用遮蔽蓋の把手装置。 - 吊持杆部の下部に、該吊持杆部の下端に開口する上下方向の割溝を形成し、該割溝の両側を二股状の弾性片部とするとともに、該弾性片部の左右側縁に係止段部を設け、ストッパー片に形成した嵌挿孔に前記弾性片部をその弾性を介して嵌合し、前記係止段部で係止することにより、ストッパー片を吊持杆部の下部に装着するようにしたことを特徴とする請求項1に記載した床用遮蔽蓋の把手装置。
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JP23770095A JP3711295B2 (ja) | 1995-08-22 | 1995-08-22 | 床用遮蔽蓋の把手装置 |
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JPH0960022A JPH0960022A (ja) | 1997-03-04 |
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JP23770095A Expired - Fee Related JP3711295B2 (ja) | 1995-08-22 | 1995-08-22 | 床用遮蔽蓋の把手装置 |
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1995
- 1995-08-22 JP JP23770095A patent/JP3711295B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH0960022A (ja) | 1997-03-04 |
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