JPH08191713A - コンパクト容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は蓋の開閉が容易で、かつ開口部に作動
部材が露出せず、更に開口部に隙間が出来ない体裁の良
いコンパクト容器を目的としている。 【構成】容器本体１と蓋２とが開閉自在に蝶番され、か
つ容器本体１の開口部に第１フック７を有する凹所６が
穿設され、蓋２の開口部に前記第１フック７と係合され
る第２フック９が吊下されたコンパクト容器に於いて、
主翼形の作動部材１０が凹所６に揺動自在に収納され、
かつこの作動部材１０の一端部は第２フック９の下端部
に当接され、前記凹所６の口部には閉鎖パネル１３が取
り付けられ、かつこの閉鎖パネル１３の下面には押圧ボ
タン１７が昇降自在に取り付けられており、更に押圧ボ
タン１７の下端が作動部材１０の他端部に当接されるよ
うに構成されたコンパクト容器の構造である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は容器の開口部に取り付け
られた押圧ボタンを押下げすることによって、蓋を簡単
に開くことが出来るコンパクト容器に係り、特に、フッ
クピースの係合を解除することが出来る作動部材を作動
させるために、開口部に特定の隙間を形成することを不
要とした全く新しい構造のコンパクト容器を提供するも
のである。

【０００２】

【従来の技術】従来のこの種の作動部材を作動させて、
フックピースの係合を解除して蓋を簡単に開くコンパク
ト容器としては、例えば本件特許出願人が開発した実公
昭６３ー３０３２２号公報、実公平３ー１７７６２号、
実公平５ー１０７２７号公報、実公平５ー１０７２８号
公報等に示す技術が公知である。これ等の技術に於いて
は、作動部材の一部を容器の開口部に露出すると共に、
この作動部材を作動させるための一定の隙間を該作動部
材と容器との間に設けなければならなかった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】然るに、前述の従来の
公知技術では、作動部材を作動させるために、作動部材
と、この作動部材を収納した容器の開口部との間に所定
の隙間を形成しなければならなかったので、この隙間に
ほこりやゴミ等が侵入する問題があった。かつ作動部材
の一部を容器の開口部に露出しなければならず、しかも
作動部材と開口部との隙間が外方から目立つので、商品
としての体裁が悪い問題もあった。

【０００４】本発明に係るコンパクト容器は、前述の従
来の問題点に鑑み開発された全く新しい技術であって、
特に開口部の凹所に作動部材を収納すると共に、該凹所
を閉鎖し得る閉鎖パネルの下面に押圧ボタンを設けて、
この押圧ボタンを介して作動部材を作動させて、容器本
体と蓋とのフックの係合を解除し得るようにした全く新
しい技術を提供するものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明に係るコンパクト
容器は、前述の従来の問題点を根本的に改善した技術で
あって、その第１発明の要旨は、開口部に第１フックを
設けた容器本体と、該容器本体の第１フックに係合し得
る第２フックを開口部に設けた蓋とを開閉自在に蝶着し
てなるコンパクト容器に於いて、前記容器本体の開口部
に設けた凹所内に前記第１フックと第２フックとの係合
を解除し得る作動部材を収納し、かつ前記凹所の口部を
閉鎖し得る閉鎖パネルの下面に前記作動部材を作動し得
る押圧ボタンを設けて構成したことを特徴としたコンパ
クト容器である。

【０００６】本願の第２発明の要旨は、作動部材を容器
本体の凹所に揺動自在に取り付けて構成したことを特徴
とした第１発明のコンパクト容器である。また、本願の
第３発明の要旨は、所定位置に第２フックと係合し得る
第１フックを設けた作動部材を容器本体の凹所に摺動自
在に取り付けて構成したことを特徴とした第１発明のコ
ンパクト容器である。

【０００７】本願の第４発明の要旨は、閉鎖パネルは所
定位置にボタン用穴が設けられた基板と及び該基板の表
面に一体的に積層されたシート材とで構成され、かつ該
閉鎖パネルの前記ボタン用穴内に押圧ボタンが設けら
れ、かつ該押圧ボタンは弾性体を介して前記基板に連結
されて構成されていることを特徴とした第１発明、第２
発明及び第３発明のコンパクト容器である。更に、本願
の第５発明の要旨は、弾力性に富む一枚の基板よりなる
閉鎖パネルの下面に押圧ボタンが直接取り付けられて構
成されていることを特徴とした第１発明、第２発明及び
第３発明のコンパクト容器である。

【０００８】

【作用】本願の第１発明に於いては、容器本体の凹所に
フックの係合を解除し得る作動部材を収納し、かつ該凹
所の口部を閉鎖パネルで閉鎖したので、閉鎖パネルで作
動部材を完全に隠蔽することが出来ると共に、開口部に
隙間が形成されることを防止出来る。更に閉鎖パネルの
下面に押圧ボタンを設けたので、閉鎖パネルの所定位置
を押圧することによって、押圧ボタンを下降させると共
に、この押圧ボタンで作動部材を作動させて、容器本体
の第１フックと蓋の第２フックとの係合を解除すること
が出来る。

【０００９】本願の第２発明に於いては、容器本体の開
口部の凹所に作動部材を揺動自在に取り付けたので、押
圧ボタンで該作動部材の片方の端部を押圧することによ
って、他方の端部を上昇せしめると共に、この端部に当
接されている蓋の第２フックを押上げて、該蓋の第２フ
ックと容器本体の第１フックとの係合を解除することが
出来る。

【００１０】本願の第３発明に於いては、容器本体の凹
所に第１フックを有する作動部材を摺動自在に取り付け
て構成したので、押圧ボタンで該作動部材を摺動させる
ことによって、作動部材に設けた第１フックと蓋の第２
フックとの係合を解除することが出来る。

【００１１】本願の第４発明に於いては、凹所を閉鎖し
得る閉鎖パネルが、基板とこの基板に一体的に積層され
たシート材とより形成され、かつ該基板にボタン用穴が
設けられると共に、このボタン用穴に配置された押圧ボ
タンが弾性体を介して基板に連結されているので、押圧
ボタンはシート材で被覆することが出来、更に閉鎖パネ
ルのボタン用穴に対応する位置のシート材を押圧するこ
とによって、押圧ボタンをスムーズに下降せしめること
が出来る。

【００１２】本願の第５発明は、閉鎖パネルの基板が弾
性力を有しており、かつその下面に押圧ボタンが直接取
り付けられているので、押圧ボタンに対応する位置の基
板を押圧することによって、基板と共に押圧ボタンをス
ムーズに下降せしめることが出来る。

【００１３】

【実施例】図により本発明に係るコンパクト容器の一実
施例を具体的に説明すると、図１は本発明の第１実施例
のコンパクト容器を示す断面説明図、図２は図１の容器
の要部の構成部品を示す斜視説明図、図３は図１の容器
の組立完成斜視図、図４は図１の容器の使用例を示す要
部の断面図、図５は第２実施例のコンパクト容器を示す
要部の断面説明図、図６は図５の容器の使用例を示す要
部の断面図、図７は第３実施例のコンパクト容器を示す
断面図、図８は図７の容器の要部の構成部品を示す断面
図、図９は図７の容器の使用例を示す断面説明図であ
る。

【００１４】図１乃至図４に於いて、１は容器本体であ
って、その後部には蓋２が蝶番ピン３を介して開閉自在
に蝶着されている。また、蝶番ピン３の周りには、蓋２
を押上げることが出来るトーションスプリング４が取り
付けられている。容器本体１には化粧料を収納し得る収
納部５が巾広く設けられると共に、この容器本体１の開
口部には後述の作動部材等を収納し得る凹所６が穿設さ
れ、かつ該凹所６の奥側の起立壁面には、第１フック７
が突設されている。

【００１５】前記蓋２の天井面には鏡８が取り付けられ
ると共に、その開口部には、前記第１フック７と係合し
得る第２フック９が吊り下げされている。１０は主翼形
の作動部材であって、その中央両側に小穴１１が穿設さ
れている。この作動部材１０は、前記容器本体１の凹所
６に水平状に収納されると共に、凹所６の両側壁に突設
したボス１２を前記小穴１１に挿入することによって、
凹所６内で揺動することが出来るように構成されてい
る。また、この作動部材１０の一端部は、第１フック７
に係合された状態の第２フック９の下面に当接し得るよ
うに配設されている。

【００１６】１３は閉鎖パネルであって、前記容器本体
１の開口部に設けられた凹所６の口部を閉鎖し得る寸法
を有している。この閉鎖パネル１３は、プラスチック製
基板１４の表面にプラスチック製シート１５を一体的に
積層することによって形成されている。基板１４の所定
位置にはボタン用穴１６が穿設されており、かつこのボ
タン用穴１６の中心部には押圧ボタン１７が配置されて
おり、この押圧ボタン１７は渦巻状弾性体１８を介して
基板１４に連結されている。従って、ボタン用穴１６及
び押圧ボタン１７は夫々シート１５によって被覆され、
かつボタン用穴１６に対応する位置にあるシート１５を
押すと、シート１５と共に押圧ボタン１７が押し下げら
れて下降するように形成されている。

【００１７】また、押圧ボタン１７の下端は、作動部材
１０の他端部に隣接されており、押圧ボタン１７が下降
した際には、この作動部材１０の他端部を押し下げて、
作動部材１０が中央部を支点として揺動し、これによっ
て作動部材の一端部で蓋２の第２フック９を押し上げ
て、第１フック７と第２フック９との係合を解除し得る
如く構成されている。前記閉鎖パネル１３が装着される
容器本体１の開口部は、他の周りよりも肉厚で高く形成
されており、かつ前記凹所６に対応する部分の周りに切
欠部１９が穿設され、閉鎖パネル１３はこの切欠部１９
に嵌着し得るように構成されている。

【００１８】閉鎖パネル１３の両側には突起２０が突設
されており、かつ切欠部１９の両内壁には該突起２０が
嵌着し得る切溝２１が穿設されている。従って、閉鎖パ
ネル１３は切欠部１９内に嵌着することが出来、これに
よって凹所６も閉鎖し得るように構成されている。上記
実施例に於ける閉鎖パネル１３の押圧ボタン１７を覆っ
ているシート１５は、押圧ボタン１７から遊離されてい
る。また、この部分のシート１５は周りから膨出してい
る。この部分のシート１５に特定の記号等を印刷するこ
とも可能である。

【００１９】本発明に係るコンパクト容器は、上述の構
造と作用とを有するので、蓋２を開く際には、容器本体
１の開口部に取り付けられた閉鎖パネル１３の所定部
分、即ち押ボタン１７に対応する部分のシート１５を押
すことによって、押ボタン１７を押し下げ、作動部材１
０の一端部を下降させてボス１２を支点として揺動さ
せ、作動部材１０の他端部で蓋２の第２フック９を押し
上げて、第１フック７と第２フック９との係合を解除
し、コイルバネ４の作用で蓋２を自動的に押し上げて開
くことが出来る。

【００２０】上記実施例に於いては、閉鎖パネル１３を
基板１４にシート１５を積層することによって形成した
が、図５及び図６に示す如く、閉鎖パネル１３ａをゴム
質を有するプラスチック材等を使用することによって、
全体が柔軟性に富む構造にすることも可能である。この
場合には、閉鎖パネル１３ａが、それ自体で柔軟性を有
しているので、閉鎖パネル１３ａの下面の所定位置に押
圧ボタン１７を直接一体的に取り付けることが出来る。
従って、この図５及び図６の実施例の場合には、前述の
ようなボタン用穴１６及び渦巻状弾性体１８が不要であ
り、全体の構造を極めて簡単にすることが出来る。

【００２１】上記実施例に於いては、作動部材１０を主
翼型の作動部材にし、かつ容器本体１の開口部の凹所６
に作動部材１０を揺動自在に取り付けて構成したが、図
７乃至図９に示す如く、作動部材２２を容器本体１の凹
所６で摺動させるような構造にすることも出来る。即
ち、この実施例の場合には、図７乃至図９に示す如く、
作動部材２２は、中心部がＵ型溝体２３で形成され、か
つこのＵ型溝２３の片側上縁にフランジ２４が設けられ
ると共に、他側下側部にフランジ２５が設けられて構成
されている。

【００２２】また、フランジ２５が設けられた側のＵ型
溝体２３の内壁面には、蓋２の第２フック９に係合し得
る第１フック７が設けられており、かつ、フランジ２４
には押ボタン１７が挿通し得るテーパー孔２６が穿設さ
れている。このテーパー孔２６は、特に図７及び図９に
明らかな如く、作動部材２２の中心部より遠い内壁面に
テーパーが設けられている。本実施例の場合には、特に
図７に示す如く、押圧ボタン１７が一本の弾性体１８ａ
で基板１４に連結されており、押圧ボタン１７は弾性体
１８ａの付根部を支点として回動し得る如く構成されて
いる。従ってこのテーパー孔２６に押ボタン１７を深く
挿通した場合には、押ボタン１７の回動作用によって作
動部材２２を容器本体１の中心部に向けて摺動し得るよ
うに構成されている。更に、容器本体１の凹所６の底部
の片側には、図に示すように、フランジ２５を挿入し得
る切欠部２７が穿設されている。

【００２３】図７乃至図９に示す実施例の場合には、容
器本体１の凹所６に作動部材２２を摺動自在に収納し、
かつ蓋２の第２フック９に係合し得る第１フックをＵ型
溝体２３の内壁面に設けたので、閉鎖パネル１３の押圧
ボタン１７を押し下げて、押圧ボタン１７をフランジ２
４のテーパー孔２６に深く挿通させた場合には、弾性体
１８ａの付根部を支点として回動する押圧ボタン１７の
作用で、作動部材２２を容器本体１の中心方向に向かっ
て摺動させ、これによって前記第１フック７と第２フッ
ク９との係合を自動的に解除し、蓋２を開くことが出来
るように構成されている。

【００２４】

【発明の効果】本発明に係るコンパクト容器は上述の構
造と作用とを有するので、次のような多大な効果を有し
ている。

【００２５】（１）フックを作動することが出来る作動
部材を容器本体の開口部の凹所に収納し、かつこの凹所
は閉鎖パネルで隠蔽したので、作動部材がコンパクト容
器の表面に露出することがない。（２）従って、極めて
体裁の良い容器を構成することが出来る。（３）閉鎖パ
ネルの下面に押圧ボタンを設けて、この押圧ボタンの下
降によって作動部材を作動するようにしたので、操作が
容易である。（４）従来の如く、作動部材とこの作動部
材を収納した容器との間に、作動部材を作動させるため
の隙間を形成する必要がない。（５）従って、隙間にほ
こりやゴミ等が侵入する問題がない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施例のコンパクト容器を示す断
面図である。

【図２】図１の容器の要部の構成部品を示す斜視説明図
である。

【図３】図１の容器の組立完成斜視図である。

【図４】図１の容器の使用例を示す要部の断面図であ
る。

【図５】第２実施例のコンパクト容器を示す要部の断面
説明図である。

【図６】図５の容器の使用例を示す要部の断面図であ
る。

【図７】第３実施例のコンパクト容器を示す断面図であ
る。

【図８】図７の容器の要部の構成部品を示す断面図であ
る。

【図９】図７の容器の使用例を示す断面説明図である。

【符号の説明】

１ 容器本体 ２ 蓋 ３ 蝶番ピン ４ コイルバ
ネ ５ 収納部 ６ 凹所 ７ 第１フック ８ 鏡 ９ 第２フック 10,10a 作動部材 11 小穴 12 ボス 13,13a 閉鎖パネル 14 基板 15 シート 16 ボタン用
穴 17 押圧ボタン 18,18a 弾性体 19 切欠部 20 突起 21 切溝 22 作動部材 23 Ｕ型溝体 24,25 フランジ 26 テーパー孔 27 切欠部

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】開口部に第１フックを設けた容器本体と、
   該容器本体の第１フックに係合し得る第２フックを開口
   部に設けた蓋とを開閉自在に蝶着してなるコンパクト容
   器に於いて、前記容器本体の開口部に設けた凹所内に前
   記第１フックと第２フックとの係合を解除し得る作動部
   材を収納し、かつ前記凹所の口部を閉鎖し得る閉鎖パネ
   ルの下面に前記作動部材を作動し得る押圧ボタンを設け
   て構成したことを特徴としたコンパクト容器。
2. 【請求項２】作動部材を容器本体の凹所に揺動自在に取
   り付けて構成したことを特徴とした請求項１のコンパク
   ト容器。
3. 【請求項３】所定位置に第２フックと係合し得る第１フ
   ックを設けた作動部材を容器本体の凹所に摺動自在に取
   り付けて構成したことを特徴とした請求項１のコンパク
   ト容器。
4. 【請求項４】閉鎖パネルは所定位置にボタン用穴が設け
   られた基板と及び該基板の表面に一体的に積層されたシ
   ート材とで構成され、かつ該閉鎖パネルの前記ボタン用
   穴内に押圧ボタンが設けられ、かつ該押圧ボタンは弾性
   体を介して前記基板に連結されて構成されていることを
   特徴とした請求項１、請求項２及び請求項３のコンパク
   ト容器。
5. 【請求項５】弾力性に富む一枚の基板よりなる閉鎖パネ
   ルの下面に押圧ボタンが直接取り付けられて構成されて
   いることを特徴とした請求項１、請求項２及び請求項３
   のコンパクト容器。