JP3710975B2 - 低温脱硝触媒 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マンガン酸化物系の脱硝触媒に関する。さらに詳しくは、従来、脱硝触媒作用を発揮し得なかった低温度において、窒素酸化物を含むガスを効果的に脱硝処理することができ、しかも、触媒寿命が長く、水蒸気雰囲気下においても触媒効果が維持できる優れた低温脱硝触媒に関する。
【0002】
【従来の技術】
マンガン酸化物は、様々な用途、例えば吸着剤,触媒,酸化剤,マンガン乾電池やアルカリマンガン乾電池の正極活物質,リチウム一次電池の正極活物質などに用いられている。
これらの用途のうち触媒として用いる場合には、マンガン酸化物、特に二酸化マンガンの酸化反応を利用して、一酸化炭素(CO)除去及び脱硝(NOx;還元剤はNH3 )処理が行われる。この際の処理温度は、通常200℃以上で行われ、それ以上の温度にならないと触媒効果が発揮できないという問題を有していた。また、白金−ロジウム系等の触媒は脱硝効果に優れるが、800〜900℃の温度が反応条件であり、200℃以下の低温、特に150℃以下で作用する触媒の出現が望まれている。
【0003】
触媒としての二酸化マンガンは、一般には試薬等に使われている高純度の二酸化マンガンが使用されるが、試薬として使用される二酸化マンガンは比表面積が、BET値で55m2 /g程度であり、シリカゲル、アルミナ等の担体に比べて有効表面積がそれほど大きいとはいえず、触媒としての機能が必ずしも充分ではなかった。
脱硝触媒としての二酸化マンガン触媒に関する技術は、例えば特開平8−196920号公報,特開平10−225641号公報などに開示されている。
特開平8−196920号公報に記載された発明は、窒素酸化物を含む排ガスにアンモニアを添加してマンガン鉱石または二酸化マンガンからなる触媒により排ガス中の窒素酸化物を還元除去する技術に関するものであり、触媒としてマンガン鉱石が開示されている。
特開平10−225641号公報に記載された発明は、Mn、Fe、Co及びNiの少なくとも一種の金属酸化物が活性炭素繊維に担持された低温脱硝触媒であり、硝酸マンガン化合物を活性炭素繊維に担持させ、その後、酸化性雰囲気で加熱処理してマンガン塩を金属酸化物とする方法が開示されている。
この技術においては、脱硝触媒であるマンガン酸化物として、マンガン鉱石または二酸化マンガンを用い、またその際の脱硝温度は、白金−ロジウム系触媒や酸化バナジウム系触媒に比べてかなり低くしうるものの、必ずしも充分に満足しうるものではなく、しかも触媒寿命が短いという欠点があった。
【0004】
一方、実質上球状のマンガン酸化物を酸処理して、Mn2+成分及び他の不純物成分を溶解、除去してなる、平均粒径が0.1〜5μmで、かつ比表面積(BET値)が50m2 /g以上の活性化二酸化マンガンが提案されている(特開平6−92639号公報,特開平7−247122号公報)。そして、この活性化二酸化マンガンの用途として、空気浄化用吸着剤,有害金属類吸着剤,有価金属類吸着剤,特殊気体の酸化剤,その他電池用原料,フェライト用原料,触媒などが記載されている。しかしながら、触媒としての具体的な記載、実施例は当時確認も検討もされておらず、もちろん、脱硝触媒としての作用効果については、なんら認識されていなかった。
また、近年、二酸化マンガン(MnO2)に酸化マンガン(MnO)及び酸化第二鉄(Fe2 3)を含有させてなる活性化二酸化マンガンを低温脱硝触媒として使用することが提案されている(化学工学会第31回秋季大会研究発表講演要旨集,第2分冊,第189頁,1998年,社団法人化学工学会発行)。しかし、この脱硝触媒は、水蒸気雰囲気下での触媒効果が未だ不十分である。
従って、上記従来の触媒またはマンガン酸化物は、低温での触媒効果が満足でないかまたは確認されていないこと、および脱硝反応工程において水蒸気が介在すると触媒としての作用効果が著しく低下するが、従来のマンガン酸化物は、このような作用効果の低下を防止できないという課題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来の白金−ロジウム系触媒やバナジウム系触媒に比べて著しく低温度において、また、上記従来の二酸化マンガン触媒よりも一層低温において、窒素酸化物を含むガスを効果的に脱硝処理しうると共に、触媒寿命の長い新規な低温脱硝触媒を提供することを目的とするものである。
また、本発明の他の目的は、排ガス等の窒素酸化物を脱硝する際に、水蒸気が雰囲気中に含まれていても脱硝効果が失われることなく脱硝効果を維持できる脱硝触媒を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、低温脱硝触媒について鋭意研究を重ねた結果、一定のマンガン酸化物原料を硫酸による処理を施して、特定組成とした改質マンガン酸化物が、低温脱硝触媒として有効であることを知見した。また、詳細なメカニズムの解明等は今後の研究を待たねばならないところではあるが、このような触媒には、酸化マンガン(MnO)に加えて特に一定量のアルカリ分が含まれていることが触媒機能として有効に作用していると推測され、これらのことが前記目的に好適であることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち本発明は、四酸化三マンガン(Mn3 4)又は三酸化二マンガン(Mn2 3)を含むマンガン酸化物から酸化マンガン(MnO)を部分的に除去して得られる二酸化マンガン(MnO2)を主体とした改質マンガン酸化物からなる低温脱硝触媒であって、当該改質マンガン酸化物が、酸化マンガン(MnO)を4〜15重量%、酸化第二鉄(Fe2 3)を2〜10重量%及びアルカリ金属分をNa換算で0.1〜0.7重量%含むとともに、平均粒径0.5〜150μm及び嵩比重0.1〜0.7g/mlであることを特徴とする低温脱硝触媒を提供するものである。
なお、上記改質マンガン酸化物を、顆粒状若しくはペレット状に成形または担体表面に被覆して低温脱硝触媒とすることが好ましい。
また、この改質マンガン酸化物の比表面積(BET値)は、100m2 /g以上であることが好ましい。
さらに、上述の四酸化三マンガン(Mn3 4)又は三酸化二マンガン(Mn2 3)を含むマンガン酸化物は、例えばマンガン鉱石又は二酸化マンガン(MnO2)を800℃以上の温度で還元焙焼することによって得られる。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の低温脱硝触媒として用いられる改質マンガン酸化物は、平均粒径が0.5〜150μmの範囲にあり、好ましくは比表面積(BET値)が100m2 /g以上、特に150m2 /g以上である実質上球状体のものが好適である。
また、本発明の改質マンガン酸化物は、二酸化マンガン(MnO2)を主体とし、さらに酸化マンガン(MnO)を4〜15重量%、好ましくは8〜12重量%、酸化第二鉄(Fe2 3)を2〜10重量%、好ましくは4〜8重量%、及びアルカリ金属分をNa換算で0.1〜0.7重量%、好ましくは0.3〜0.5重量%含む弱アルカリ性のものである。特に、酸化マンガン(MnO)がこれより多くなると触媒としての酸化力が低下し、また酸化第二鉄(Fe2 3)が多すぎると相対的に二酸化マンガン(MnO2)含有量が少なくなり、触媒機能の低下に繋がる。
本発明の触媒である改質マンガン酸化物において、二酸化マンガン(MnO2)以外の他の成分(すなわち酸化マンガン(MnO)、酸化第二鉄(Fe2 3))アルカリを含有する理由、とりわけ酸化マンガン(MnO)とアルカリを含有する理由は、これらが含まれる場合には低温での触媒活性が向上し、しかも、水蒸気が反応工程に含まれていた場合であっても、触媒機能が低下しないという作用を有するものと考えられるからである。これらの成分がないと、低温、特に100℃以下での触媒活性及び水蒸気雰囲気下での触媒効果が失われる実験結果となった。従って、各成分は上記特定量含まれる必要があると思慮される。
このような性状を有する改質マンガン酸化物の製造方法については特に制限はなく、従来公知の方法(例えば特開平7−247122号公報など)により、四酸化三マンガン(Mn3 4)又は三酸化二マンガン(Mn2 3)を含むマンガン酸化物を酸処理することによって、所望の改質マンガン酸化物を製造することができる。以下に、改質マンガン酸化物の製造方法の一例について説明する。
【0008】
まず、マンガン酸化物原料は、四酸化三マンガン(Mn3 4)又は三酸化二マンガン(Mn2 3)を含むものであれば、市販のものをはじめ様々なものを用いることができる。例えば、マンガン鉱石又は二酸化マンガン(MnO2)を800℃以上の温度で還元焙焼することによって得ることができる。また、金属マンガン若しくはマンガン合金(フェロマンガン)の溶湯を酸化焙焼・蒸散させて得られた球状微粒子からなるマンガン酸化物を用いることもできる。特に二酸化マンガン粉末(平均粒径が0.1〜150μm程度)である微粒子状マンガン酸化物が好ましい。
次に、このようにして得られたマンガン酸化物を、必要に応じて粉砕して微粒子状のものとし、これに酸、特に硫酸などを加えて常温で又は加温して処理することにより、粒径を維持しつつ、粒子内部まで存在するMn2+成分(Mn3 4 中の酸化マンガン(MnO)成分)及び不純物成分などを溶解して除去すれば、二酸化マンガン(MnO2 )を主成分とした凹凸表面を有する改質マンガン酸化物を得ることができる。なお、この過程においては、所望により酸化第二鉄(Fe2 3)成分やアルカリ金属分の量を調節する操作を行うことも有効である。
かくして得られる改質マンガン酸化物は、酸化マンガン(MnO)、酸化第二鉄(Fe2 3)及びアルカリ金属分を上述の如き割合で含むとともに、平均粒径が0.5〜150μm、好ましくは1〜20μmであり、また嵩比重が0.1〜0.7g/ml、好ましくは0.3〜0.5g/mlである。またこの改質マンガン酸化物の比表面積(BET値)は好ましくは100m2 /g以上、特に好ましくは150m2 /g以上である。
【0009】
本発明においては、このようにして得られた粉末状の改質マンガン酸化物を低温脱硝触媒として用いるが、この改質マンガン酸化物をそのまま用いてもよく、また、顆粒状,球状,ペレット状,ハニカム状などに成形して用いてもよい。さらに、この改質マンガン酸化物を適当な担体に担持させて、担体表面を被覆して、粉末状,粒状,球状,ペレット状,ハニカム状などの形態で用いることもできる。この際用いられる担体としては、例えばアルミナ,シリカ,シリカアルミナ,チタニア,活性炭,ジルコニア,ゼオライト,ガラスなどが挙げられる。ここで改質マンガン酸化物の担持量は、特に制限はないが、好ましくは担体に対して0.1〜10重量%である。
本発明の低温脱硝触媒を用いて、脱硝処理する方法としては、本発明の触媒に、窒素酸化物を含む被処理ガスを還元剤の存在下に接触させる方法を挙げることができる。この際、還元剤としては、公知のもの、例えばアンモニア,水素,炭化水素化合物などを用いることができるが、これらの中でアンモニアが好適である。
【0010】
還元剤としてアンモニアを用いる場合、窒素酸化物は、下記の反応式で示すように無害な窒素と水蒸気に分解される。
4NO+4NH3 +O2 →4N2 +6H2 O ・・・(I)
6NO2 +8NH3 →7N2 +12H2 O ・・・(II)
上記還元剤の量は、窒素酸化物を還元、分解するのに必要な化学量論的な量又はそれ以上の範囲、具体的には窒素酸化物に対して、通常1〜5倍当量、好ましくは1〜2倍当量の範囲で選定される。
窒素酸化物を含む被処理ガスの組成は、排気ガスなどの組成のままでよいが一般的には、窒素酸化物10〜500ppm、好ましくは20〜300ppm、酸素3容量%以上、好ましくは5〜20容量%及び水蒸気50容量%以下、好ましくは0.5〜10容量%を含む組成のものが用いられる。また、触媒に接触させる際の温度としては特に制限はないが、100〜150℃の範囲で選定される。
【0011】
脱硝処理方法としては特に制限はなく、公知の方法に従えばよい。例えば本発明の低温脱硝触媒をカラムに充填し、これに窒素酸化物を含む被処理ガスと還元剤との混合ガスを導入する方法を用いることができる。触媒充填塔の型式については特に制限はなく、固定床,流動床,ハニカム回転式など、公知の型式の触媒充填塔を使用することができる。また、被処理ガスと還元剤との混合ガスの流速については特に制限はないが、空間速度として100〜1000hr-1程度で充分であり、また処理圧力は、通常常圧である。
脱硝触媒として、前記改質マンガン酸化物を用い、窒素酸化物を含む被処理ガスの脱硝処理を行うことにより、標準の二酸化マンガン又は電解二酸化マンガンを用いて脱硝処理を行う場合に比べて、100〜150℃の低温での処理において、優れた脱硝効果を発揮する上、触媒寿命も長くなる。
【0012】
【実施例】
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
実施例1
(1)改質マンガン酸化物の製造
容器内に収容した四酸化三マンガン(Mn3 4)650kgに、濃度71重量%の硫酸718リットルを常温常圧下で徐々に添加し、攪拌しながら反応させ、反応開始より2時間は常温、それ以降は蒸気を吹き込んで昇温させて70±5℃でさらに5時間反応させた。
反応終了後、攪拌を停止させて12時間程度静置し、その後ろ過を行い、このろ過後の不溶物に対してアルカリ溶液で中和し、ろ過、水洗後、120℃で乾燥することにより、平均粒径約2μm、比表面積(BET値)163m2 /g、嵩比重0.46g/ml及び真比重3.90g/mlの改質マンガン酸化物粉末を得た。
この改質マンガン酸化物粉末は、電子顕微鏡写真により、凹凸表面をもつ多孔質体であることが確認され、また、その組成は、MnO2 81.83重量%、MnO6.54%、Fe2 3 4.53重量%、H2 O1.96重量%、アルカリ分(Na換算)0.41重量%であった。
【0013】
(2)脱硝処理
径6mmのカラムに上記(1)で得た改質マンガン酸化物粉末0.10gを充填したのち、この触媒塔に、NO200ppm,NH3 200ppm,O2 15容量%及びヘリウム残部を含有する混合ガスを、100ミリリットル/分の速度で供給し、運転時間3時間後の各温度における脱硝率を求めた。その結果を第1表に示す。
また、100℃で20時間反応させ、脱硝率の経時変化を求めた。その結果を第2表に示す。また、別にNO100ppm,NH3 100ppm,O2 15容量%及び水蒸気1.5%を含ませた混合ガスを200ミリリットル/分の速度で供給し、運転時間3時間後の各温度に於ける脱硝率を求めた。結果を第3表に示す。
比較例1
平均粒径約14μm、比表面積(BET値)33m2 /g及び嵩比重1.55g/mlの電解二酸化マンガン粉末を用い、実施例1と同様にして脱硝処理を行い、各温度における脱硝率を求めると共に、脱硝率の経時変化を求めた。それぞれの結果を第1表及び第2表に示す。また、別にNO100ppm,NH3 100ppm,O2 15容量%及び水蒸気1.5%を含ませた混合ガスを用意し、実施例1と同様にして各温度に於ける脱硝率を求めた。結果を第3表に示す。
比較例2
平均粒径約2.6μm、比表面積(BET値)55m2 /g及び嵩比重1.46g/mlの標準の二酸化マンガン粉末を用い、実施例1と同様にして脱硝処理を行い、各温度における脱硝率を求めると共に、脱硝率の経時変化を求めた。それぞれの結果を第1表及び第2表に示す。また、別にNO100ppm,NH3 100ppm,O2 15容量%及び水蒸気1.5%を含ませた混合ガスを用意し、実施例1と同様にして各温度に於ける脱硝率を求めた。結果を第3表に示す。
【0014】
【表1】
Figure 0003710975
【0015】
〔注〕
1)運転時間3時間後のデータ
2)触媒量:0.1g
3)流量:100ミリリットル/分
【0016】
【表2】
Figure 0003710975
【0017】
〔注〕
1)触媒量:0.1g
2)反応温度:100℃
3)流量:100ミリリットル/分
【0018】
【表3】
Figure 0003710975
【0019】
第1表及び第2表から分かるように、本発明の改質マンガン酸化物からなる脱硝触媒は、電解二酸化マンガンや標準の二酸化マンガンからなる触媒に比べて、特に反応温度が100〜125℃の低温において脱硝性能に優れている上、経時による触媒活性低下も小さい。また、第3表から分かるように、水蒸気を含む混合ガスでは、著しく脱硝率に差がみとめられた。
実施例2
実施例1で用いた同じ触媒塔に、NO100ppm,NH3 100ppm,O2 15容量%及びヘリウム残部を含有する混合ガスを、200ミリリットル/分の速度で供給し、100℃で脱硝処理を行い、運転時間2時間後における流量(ミリリットル/g・分)と脱硝率との関係を求めた。結果を第4表に示す。
比較例3
実施例2において、改質マンガン酸化物粉末の代わりに、比較例1で用いたものと同じ電解二酸化マンガン粉末を用いた以外は、実施例2と同様にして脱硝処理を行い、運転時間2時間後における流量と脱硝率との関係を求めた。結果を第4表に示す。
【0020】
【表4】
Figure 0003710975
【0021】
〔注〕
(1)運転時間2時間後のデータ
(2)触媒量:0.1g
(3)反応温度:100℃
【0022】
実施例3
実施例1で用いた同じ触媒塔に、NO100ppm,NH3 100ppm,水蒸気1.5容量%及びヘリウム残部を含有する混合ガスを、200ミリリットル/分の速度で供給し、100℃で脱硝処理を行い、脱硝率の経時変化を求めた。結果を第5表に示す。
比較例4
実施例3において、改質マンガン酸化物粉末の代わりに、比較例1で用いたものと同じ電解二酸化マンガン粉末を用いた以外は、実施例3と同様にして脱硝処理を行い、脱硝率の経時変化を求めた。結果を第5表に示す。
比較例5
実施例3において、改質マンガン酸化物粉末の代わりに、比較例2で用いたものと同じ標準の二酸化マンガン粉末を用いた以外は、実施例3と同様にして脱硝処理を行い、脱硝率の経時変化を求めた。結果を第5表に示す。
【0023】
【表5】
Figure 0003710975
【0024】
〔注〕
1)触媒量:0.1g
2)反応温度:100℃
3)流量:200ミリリットル/分
【0025】
【発明の効果】
本発明の低温脱硝触媒は、改質マンガン酸化物からなるものであって、従来のバナジウム系触媒に比べて著しく低い温度において、また標準の二酸化マンガンや電解二酸化マンガン触媒よりも一層低温において、窒素酸化物を含むガスを効果的に脱硝処理することができる上、触媒寿命も長い。また、水蒸気雰囲気であっても本発明の低温脱硝触媒は、例えば火力発電や都市ゴミ流動溶融装置などから排出される様々な燃焼排ガスの脱硝処理に適用でき、また、ジーゼル車を始めとする自動車の排ガス浄化触媒などとしても使用することができる。

Claims (4)

  1. 四酸化三マンガン(Mn3 4)又は三酸化二マンガン(Mn2 3)を含むマンガン酸化物から酸化マンガン(MnO)を部分的に除去して得られる二酸化マンガン(MnO2)を主体とした改質マンガン酸化物からなる低温脱硝触媒であって、当該改質マンガン酸化物が、酸化マンガン(MnO)を4〜15重量%、酸化第二鉄(Fe2 3)を2〜10重量%及びアルカリ金属分をNa換算で0.1〜0.7重量%含むとともに、平均粒径0.5〜150μm及び嵩比重0.1〜0.7g/mlであることを特徴とする低温脱硝触媒。
  2. 改質マンガン酸化物を、顆粒状若しくはペレット状に成形または担体表面に被覆したことを特徴とする請求項1に記載の低温脱硝触媒。
  3. 改質マンガン酸化物の比表面積(BET値)が、100m2 /g以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の低温脱硝触媒。
  4. 四酸化三マンガン(Mn3 4)又は三酸化二マンガン(Mn2 3)を含むマンガン酸化物が、マンガン鉱石又は二酸化マンガン(MnO2)を800℃以上の温度で還元焙焼して得られるものである請求項1に記載の低温脱硝触媒。
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