JP3710102B2 - 繊維強化樹脂製のゴルフクラブヘッドの製造方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、繊維強化樹脂製のゴルフクラブヘッドの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
繊維強化樹脂(FRP)によってゴルフクラブヘッドを製造することは従来より周知である。従来は一般にSMC(シートモールディングコンパウンド)法と称せられる方法によって、繊維強化樹脂製のゴルフクラブヘッドを製造していた。この方法は、低融点金属より成る中空コアを成形型内にセットし、このコアの外周面と成形型のキャビティとの間の空隙に強化繊維を混入した熱硬化性樹脂を流し込み、その樹脂を硬化させた後、その成形品を離型し、次いで内部のコアを溶融させ、これを成形品に形成した孔から流出させ、次いでその孔を塞ぐことによってゴルフクラブヘッドを得る方法である。
【0003】
ところが、上述した従来の方法によると、コアの外周面と成形型のキャビティとの間に空気が存在する状態で、当該コアのまわりに熱硬化性樹脂を流し込むので、流し込まれた樹脂中に多量の空気が混入してしまい、離型後のゴルフクラブヘッドに多数のピンホールが形成される。かかるピンホールは、ゴルフクラブヘッドの強度を低下させる原因となるばかりでなく、そのピンホールがゴルフクラブヘッドの外表面に現われると、その外観が低下する。このため、従来はそのピンホールを埋める複雑な後加工が必要となり、これによってゴルフクラブヘッドの製造コストが上昇する欠点を免れなかった。
【0004】
また従来の方法によると、強化繊維を混入した熱硬化性樹脂を成形型内に流し込む必要があり、その流し込みを可能とするために、樹脂と繊維の混合割合を常にほぼ一定にしなければならない。すなわち、樹脂に対する強化繊維の含有量を自由に変えることができないのである。このため、完成したゴルフクラブヘッドの重量を調整することが難しく、その設計自由度が狭められる欠点も免れなかった。
【0005】
さらに、強化繊維を熱硬化性樹脂と共に成形型に流し込むので、その強化繊維として、例えば25mm程度の短繊維を使用せざるを得ず、長繊維の使用は不可能であった。かかる短繊維を用いた場合、これを樹脂と共に成形型に流し込んだとき、その繊維の方向がランダムになれば問題はないが、その流れの方向によっては短繊維の並び方が一定方向に揃ってしまうことがあり、このようになると完成したゴルフクラブヘッドの強度が部分的に低下する。強化繊維として長繊維を用いることができれば、このような不具合を除去できるのであるが、従来の方法では、繊維混入樹脂を成形型に流し込まなければならないため、長繊維を使用することはできなかったのである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記従来の欠点を除去し、強化繊維として長繊維をも使用することが可能であって、加工仕上がりに優れた繊維強化樹脂製のゴルフクラブヘッドの製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するため、密閉中空体のまわりに強化繊維を巻き付けて装着し、これを成形型にセットした後、前記強化繊維の層から空気を吸引してその圧力を低下させ、次いで当該強化繊維層に未硬化の樹脂を注入し、該樹脂を硬化させて成形した後、その成形品を離型してゴルフクラブヘッドを得る繊維強化樹脂製のゴルフクラブヘッドの製造方法を提案する。密閉中空体は、内部に空気を封入した弾性スキン層により構成するのが好適である。
【0008】
その際、強化繊維層に未硬化の熱硬化性樹脂を注入した後、当該樹脂が硬化する前に、弾性スキン層の内部に空気を圧入してその内圧を付加すると有利である。
【0009】
また、上記各構成において、密閉中空体のまわりに強化繊維を装着し、これを成形型にセットするとき、強化繊維層の表面に硬質の部材を組付けた状態で、当該硬質部材を、強化繊維を装着した密閉中空体と共に成形型にセットし、樹脂の硬化により、前記硬質部材と該樹脂とを一体化することもできる。硬質の部材とは、例えばソール部材である。
【0010】
さらに、上記各構成において、強化繊維として長繊維を使用し、当該強化繊維を弾性スキン層に巻き付けて装着すると特に有利である。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をウッドタイプのゴルフクラブヘッドの製造方法に適用した実施形態例を図面に従って詳細に説明する。
【0012】
先ず、図1に示すように、内部に空気を封入した密閉中空体より成る弾性スキン層1を製造する。このスキン層1は、例えば0.1mm乃至0.3mm程度の肉厚を有する伸縮性のある材料から構成され、その内部に空気が密閉状態で封入されている。このため、その全体が所定の形態を維持すると共に、弾性を有している。例えば、ブロー成形によってナイロン又はポリカーボネイトなどの熱可塑性樹脂製の風船状の密閉中空体を成形することによって、スキン層1を製造することができる。
【0013】
次に、図2に示すように、上述したスキン層1に隣接して例えば金属などの硬質材より成る芯棒2を配置し、その両者のまわりに強化繊維3を装着する。このように芯棒2とスキン層1のまわりに強化繊維3を装着したものを、図3に示すように成形型4を構成する上型5と下型6のキャビティ内にセットする。
【0014】
本例では、強化繊維としてカーボン繊維又はガラス繊維などの長繊維を使用し、その強化繊維3を弾性スキン層1に巻き付けて装着する。すなわち、かかる長繊維を編み込んだものを数層重ねるか、又は一方向に揃えたものを、例えば0度、90度のように交互に数層並べて弾性スキン層1と芯棒2のまわりに巻き付けるのである。巻き付けられた強化繊維層11の厚さは、例えばフェイス部の部位で4mm、その他の部位で2mm程度である。
【0015】
一方、図3に示すように、成形型4の適所、例えばその下型6と上型5には、内部のキャビティを型外に連通させる吸気孔7と樹脂注入孔8がそれぞれ形成されており、これらの孔7,8は、弁ないしは開閉蓋9,10と、図示していない導管を介して、同じく図示していない空気吸引装置と樹脂圧送装置にそれぞれ接続されている。
【0016】
前述のように、弾性スキン層1のまわりに強化繊維3を巻き付けて装着したものを成形型4にセットした後、開閉蓋9を開いて、上記空気吸引装置を作動させ、強化繊維3の層、すなわち強化繊維層11から空気を吸引する。このとき樹脂注入孔8は開閉蓋10によって閉鎖されている。このように強化繊維層11から空気を吸引してその圧力を低下させるのである。
【0017】
次いで、吸気孔7の開閉蓋9を閉じ、逆に樹脂注入孔8の開閉蓋10を開いて、樹脂圧送装置を作動させ、圧力の低下した強化繊維層11に、未硬化の液状熱硬化性樹脂を圧送して注入する。かかる樹脂としては、例えばエポキシ樹脂又はビニルエステル系樹脂などを用いることができる。このようにして強化繊維層11に熱硬化性樹脂を含浸させた後、開閉蓋10を閉じ、当該樹脂を自然硬化、又は熱を加えて硬化させ、熱硬化性樹脂を成形する。樹脂に熱を加えて硬化させるときは、成形型4にヒータを埋設しておき、その加熱作用で樹脂を硬化させてもよいし、成形型10を予め例えば100℃前後の温度に加熱しておく方法を採用することもできる。
【0018】
上述のように樹脂を成形した後、上型5と下型6を分離してその成形品を離型し、前述の孔7,8によって成形された樹脂部分や、上型5と下型6の間の隙間、すなわちそのパーティングライン12によって成形された樹脂部分等を研磨加工して除去すると共に、硬化した繊維強化樹脂によって取り囲まれた芯棒2を矢印A方向に抜き出す。このようにして内部が中空な繊維強化樹脂製のゴルフクラブヘッドが得られ、芯棒2を抜き出した後の穴に図示していないシャフトの先端部を挿入して固定すれば、ゴルフクラブが完成する。
【0019】
上述した製造方法によれば、従来のように繊維混入樹脂をコアのまわりに流し込むのではなく、強化繊維3から空気を抜き取り、その圧力を低下させた状態で、その強化繊維層11に未硬化の熱硬化性樹脂を注入するので、樹脂を含浸した強化繊維3中に空気が入り込むことを防止できる。よって離型後のゴルフクラブヘッドにピンホールが形成されることを効果的に抑えることができる。これにより、ゴルフクラブヘッドの強度低下を阻止でき、しかも表面に現われたピンホールを埋める後加工の工数を大幅に短縮できる。このようにして、強度が高く、しかもコストの低いゴルフクラブヘッドを得ることができるのである。
【0020】
また、密閉状態の空気が封入された弾性スキン層1のまわりに装着した強化繊維3から空気を抜き取るとき、その強化繊維層11は、弾性スキン層1から一定で均一な圧力を受ける。このため、強化繊維層11は、弾性スキン層1の外面と、成形型4のキャビティ面とに密着した状態となり、その繊維の密度が全体に亘って均一となる。かかる状態で、その強化繊維層11に未硬化の熱硬化性樹脂が注入されるので、樹脂を含浸した強化繊維3中に空気が入り込むことを防止できるだけでなく、その繊維3中に樹脂を満遍なく均一に行き届かせることができ、部分的に樹脂だけ、又は繊維だけの部分ができることを阻止できる。このため、完成したゴルフクラブヘッドの強度が局部的に低下することはなく、安定した強度のゴルフクラブヘッドを製造することができる。
【0021】
また、ゴルフクラブヘッド製造時に、弾性を有する弾性スキン層1に巻き付けた強化繊維3に対して未硬化の熱硬化性樹脂を注入するのであるが、かかる弾性スキン層1を製造するとき、その内部に注入する空気の量を調整することによって、樹脂を注入したときの弾性スキン層1の内圧を変化させることができる。従って、その弾性スキン層1に注入する空気量、すなわちその内圧を適宜変えることによって、樹脂に対する強化繊維の含有量、すなわち両者の含有比率を大きな範囲で調整することができる。
【0022】
例えば、弾性スキン層1の内圧を予め高めておけば、そのまわりに巻き付けられた強化繊維層11に熱硬化性樹脂を圧送して注入したとき、その圧力によって弾性スキン層1が収縮する量は少なくなり、注入された樹脂の圧力が高まる。よって、上型5と下型6との間のパーティングラン12に比較的に多量の樹脂を押し出し、強化繊維3に対する樹脂含有量を少なくすることができ、完成したゴルフクラブヘッドを軽量化することができる。
【0023】
逆に、弾性スキン層1の内圧が低くなるようにその内部への空気の封入量を設定しておけば、かかる弾性スキン層1のまわりに巻き付けられた強化繊維3に対して熱硬化性樹脂を圧送して注入したとき、その圧力によって弾性スキン層1が比較的大きく収縮するので、多量の樹脂を強化繊維3に含浸させることができる。これにより、強化繊維3に対する樹脂の含有量を増大させることができ、完成したゴルフクラブヘッドの重量を大きくすることができる。
【0024】
このように、樹脂と繊維の割合を比較的自由に変えることができるので、ゴルフクラブヘッドの重量を所望する大きさに設定できる。ゴルフクラブヘッドの重量に対する設計自由度を拡大できるのである。
【0025】
また、従来のように強化繊維混入の樹脂を成形型に流し込むのではなく、予め弾性スキン層1に強化繊維3を装着しておき、その強化繊維3に樹脂を注入するので、その強化繊維3として、前述の如く、長繊維を支障なく用いることができる。かかる長繊維を用いれば、完成したゴルフクラブヘッドの強度を効果的に高めることができる。特に本例のように編み込んだ長繊維を数層重ねて弾性スキン層1に巻き付ければ、完成したゴルフクラブヘッドの強度を著しく高めることが可能である。
【0026】
また、前述したゴルフクラブヘッドの製造方法において、強化繊維層に未硬化の熱硬化性樹脂を注入した後であって、その樹脂が硬化する前に、弾性スキン層1の内部に空気を圧入し、その内圧を付加することもできる。
【0027】
図4はかかる製造方法を実施する装置の一例を示す断面図である。ここに示した弾性スキン層1には筒状部13が一体に付設され、その筒状部13は、強化繊維層11の装着された弾性スキン層1が成形型4にセットされた状態で、後述するソール部材19と、成形型4の一部、図の例ではその下型6を貫通して延びている。筒状部13内の空気流通孔14は、弾性スキン層1の内部を外部に連通させる用をなし、その途中に弁体としての開閉ボール15が配置されている。かかる開閉ボール15は、弾性スキン層1の内部に空気が封入された状態で、その内圧によって、筒状部13の内部に形成された段状の止め部16に圧接する。これにより、空気流通孔14は閉鎖され、弾性スキン層1の内部の空気が外部に流出することが阻止される。成形型4外に突出した筒状部13の先端には導管17が接続され、筒状部13はこの導管17を介して図示していない空気圧送装置に接続されている。筒状部13は例えば樹脂より成り、弾性スキン層1と一体に成形されるか、又は成形後の弾性スキン層1に例えば接着剤によって一体化される。
【0028】
ここで、弾性スキン層1を密閉した状態で、前述のように強化繊維層11から空気を吸引し、次いでその強化繊維層11に未硬化の熱硬化性樹脂を圧入して注入するが、その注入後であって、当該樹脂が硬化する前に、筒状部13に接続された導管17を通して、空気圧送装置から空気を圧送する。このため、その空気圧によって開閉ボール15が止め部16から離れ、空気流通孔14が開放される。このようにして、弾性スキン層1の内部に空気が導入され、その内圧が高められる。その内圧が所定値に達すると、弾性スキン層1への空気の供給が止められ、これに伴って開閉ボール15は弾性スキン層1の内圧によって、止め部16に圧接し、空気流通孔14を閉鎖する。
【0029】
空気流通孔14は弾性スキン層1に向けてテーパ状に拡径しており、これによって、開閉ボール15が止め部16から離れたとき、空気流通孔14が開放されるのであるが、このとき開閉ボール15が弾性スキン層1の内部へ入り込まないように、空気流通孔14が弾性スキン層1の内部に開口する部分に、図5に示すように、間欠的に突出した複数のストッパ18が弾性スキン層1と一体に形成されている。図5においては、開閉ボールの図示を省略してある。図4に示した実施形態の他の構成は、図1乃至図3に示した実施形態と変りはない。
【0030】
なお、ゴルフクラブヘッドを成形型4から離型した後、図6に示すように、筒状部を切断し、その後にソール部材19にあけられている孔に、例えば金属より成るキャップ21をねじ込み、これをソール部材19に固定することによって、孔を閉鎖することができる。
【0031】
上述のように、強化繊維3に対して樹脂を注入した後、好ましくはその直後に、弾性スキン層1内に空気を導入してその内圧を高めると、硬化後の樹脂中にピンホールが形成されることをより確実に抑制することができる。すなわち、樹脂注入孔8から強化繊維3に対して樹脂を注入するとき、その樹脂中に極くわずかな気泡が含まれていることがあるが、これを放置すれば硬化後の樹脂中にピンホールが形成される。
【0032】
これに対し、上述の如く樹脂が硬化する前に弾性スキン層1に空気を供給してその内圧を高めると、その圧力によって、注入された未硬化樹脂に大きな圧力が及ぼされる。このため、かかる樹脂中に微量の気泡が混入していても、その気泡は極く小さなものに圧縮される。しかもかかる気泡の一部は、弾性スキン層1から及ぼされる大きな圧力によって、パーティングライン12に押し出される。このため、硬化した樹脂中のピンホールがより確実に減少する。しかも、たとえピンホールができても、その大きさが極く小さなものとなる。よって、離型後のゴルフクラブヘッドに対する後加工の工数をより一層短縮でき、場合によってはその後加工を省くことができる。このようにして、より強度が高く、かつよりコストの低いゴルフクラブヘッドを製造することができるのである。
【0033】
図4に示した実施形態では、筒状部13と開閉ボール15より成る弁装置を用いたが、他の適宜な形態の弁装置を用いて、弾性スキン層1の内部に空気を圧入し、その内圧を付加することもできる。
【0034】
ところで、図1乃至図5に示した各製造方法によって成形されたゴルフクラブヘッドの底部に金属などから成る硬質のソール部材を固着する必要がある。その際、前述のように離型したゴルフクラブヘッドの底部に、ソール部材をねじ又は接着剤などによって固着し、最終的なゴルフクラブヘッドを完成させることもできるが、このようにすればソール部材を固着する作業が必要となり、ゴルフクラブヘッドの製造工数が増大する。
【0035】
そこで、上述した各実施形態においては、図3及び図4に示すように、弾性スキン層1のまわりに強化繊維3を巻き付けて装着し、これを成形型4にセットするとき、強化繊維層11の表面の所定の位置に、先に簡単に説明した硬質のソール部材19を組付け、その状態で、そのソール部材19を、強化繊維3を装着した弾性スキン層1と共に成形型4にセットし、その強化繊維3に注入された熱硬化性樹脂の硬化により、ソール部材19と樹脂とを一体化するように構成されている。このようにすれば、熱硬化性樹脂の硬化によって、ソール部材19をその樹脂と一体化できるので、ねじなどによってソール部材を離型後のゴルフクラブヘッドに固着する作業が不要となる。
【0036】
強化繊維層11の表面にソール部材19を組付けるには、両者を例えば接着剤によって固定することができる。その際、図3及び図4に示すように、ソール部材19に予め適数のピン20を形成しておき、弾性スキン層1に強化繊維3を巻き付けた後、そのピン20を強化繊維3中に押し込み、この状態でソール部材19を強化繊維3に接着することが望ましい。このようにすれば、硬化後の樹脂がピン20に固着されるので、その樹脂に対するソール部材19の固定強度を高めることができる。なお、図4に示した例では、ソール部材19に筒状部13が貫通して挿入されることは先に説明した通りである。
【0037】
以上、ウッドタイプのゴルフクラブヘッドの製造方法について説明したが、本発明は、ウッドタイプ以外のゴルフクラブヘッドの製造方法にも適用可能である。
【0038】
【発明の効果】
請求項1に記載のゴルフクラブヘッドの製造方法によれば、樹脂中に形成されるピンホールを減少できるので、離型後のゴルフクラブヘッドの後加工を簡素化でき、そのコストを低減できると共に、ゴルフクラブヘッドの強度を高めることができる。しかも、樹脂だけの部分、又は強化繊維だけの部分が少なくなり、安定した強度のゴルフクラブヘッドを製造できる。さらに、完成したゴルフクラブヘッドの重量を大きな範囲で調整することが可能である。
【0039】
請求項2に記載のゴルフクラブヘッドの製造方法によれば、ピンホールの形成をより一層効果的に抑えることができ、上述した利点をより確実に得ることができる。
【0040】
請求項3に記載のゴルフクラブヘッドの製造方法によれば、樹脂の硬化によりソール部材を当該樹脂と一体化できるので、ゴルフクラブヘッドの製造工数を減少できる。
【0041】
請求項4に記載のゴルフクラブヘッドの製造方法によれば、強化繊維として長繊維を用いるので、完成したゴルフクラブヘッドの強度を著しく高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】弾性スキン層の垂直断面図である。
【図2】弾性スキン層と芯棒のまわりに強化繊維を巻き付けた状態を示す垂直断面図である。
【図3】強化繊維を巻き付けた弾性スキン層を成形型にセットしたときの様子を示す垂直断面図である。
【図4】他の実施形態を示す、図3と同様な断面図である。
【図5】図4の矢印V方向に見た図であって、開閉ボールの図示を省略した図である。
【図6】筒状部の切断後、ソール部材に形成された孔を、キャップによって閉鎖した状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 弾性スキン層
3 強化繊維
4 成形型
11 強化繊維層
19 ソール部材
【発明の属する技術分野】
本発明は、繊維強化樹脂製のゴルフクラブヘッドの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
繊維強化樹脂(FRP)によってゴルフクラブヘッドを製造することは従来より周知である。従来は一般にSMC(シートモールディングコンパウンド)法と称せられる方法によって、繊維強化樹脂製のゴルフクラブヘッドを製造していた。この方法は、低融点金属より成る中空コアを成形型内にセットし、このコアの外周面と成形型のキャビティとの間の空隙に強化繊維を混入した熱硬化性樹脂を流し込み、その樹脂を硬化させた後、その成形品を離型し、次いで内部のコアを溶融させ、これを成形品に形成した孔から流出させ、次いでその孔を塞ぐことによってゴルフクラブヘッドを得る方法である。
【0003】
ところが、上述した従来の方法によると、コアの外周面と成形型のキャビティとの間に空気が存在する状態で、当該コアのまわりに熱硬化性樹脂を流し込むので、流し込まれた樹脂中に多量の空気が混入してしまい、離型後のゴルフクラブヘッドに多数のピンホールが形成される。かかるピンホールは、ゴルフクラブヘッドの強度を低下させる原因となるばかりでなく、そのピンホールがゴルフクラブヘッドの外表面に現われると、その外観が低下する。このため、従来はそのピンホールを埋める複雑な後加工が必要となり、これによってゴルフクラブヘッドの製造コストが上昇する欠点を免れなかった。
【0004】
また従来の方法によると、強化繊維を混入した熱硬化性樹脂を成形型内に流し込む必要があり、その流し込みを可能とするために、樹脂と繊維の混合割合を常にほぼ一定にしなければならない。すなわち、樹脂に対する強化繊維の含有量を自由に変えることができないのである。このため、完成したゴルフクラブヘッドの重量を調整することが難しく、その設計自由度が狭められる欠点も免れなかった。
【0005】
さらに、強化繊維を熱硬化性樹脂と共に成形型に流し込むので、その強化繊維として、例えば25mm程度の短繊維を使用せざるを得ず、長繊維の使用は不可能であった。かかる短繊維を用いた場合、これを樹脂と共に成形型に流し込んだとき、その繊維の方向がランダムになれば問題はないが、その流れの方向によっては短繊維の並び方が一定方向に揃ってしまうことがあり、このようになると完成したゴルフクラブヘッドの強度が部分的に低下する。強化繊維として長繊維を用いることができれば、このような不具合を除去できるのであるが、従来の方法では、繊維混入樹脂を成形型に流し込まなければならないため、長繊維を使用することはできなかったのである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記従来の欠点を除去し、強化繊維として長繊維をも使用することが可能であって、加工仕上がりに優れた繊維強化樹脂製のゴルフクラブヘッドの製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するため、密閉中空体のまわりに強化繊維を巻き付けて装着し、これを成形型にセットした後、前記強化繊維の層から空気を吸引してその圧力を低下させ、次いで当該強化繊維層に未硬化の樹脂を注入し、該樹脂を硬化させて成形した後、その成形品を離型してゴルフクラブヘッドを得る繊維強化樹脂製のゴルフクラブヘッドの製造方法を提案する。密閉中空体は、内部に空気を封入した弾性スキン層により構成するのが好適である。
【0008】
その際、強化繊維層に未硬化の熱硬化性樹脂を注入した後、当該樹脂が硬化する前に、弾性スキン層の内部に空気を圧入してその内圧を付加すると有利である。
【0009】
また、上記各構成において、密閉中空体のまわりに強化繊維を装着し、これを成形型にセットするとき、強化繊維層の表面に硬質の部材を組付けた状態で、当該硬質部材を、強化繊維を装着した密閉中空体と共に成形型にセットし、樹脂の硬化により、前記硬質部材と該樹脂とを一体化することもできる。硬質の部材とは、例えばソール部材である。
【0010】
さらに、上記各構成において、強化繊維として長繊維を使用し、当該強化繊維を弾性スキン層に巻き付けて装着すると特に有利である。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をウッドタイプのゴルフクラブヘッドの製造方法に適用した実施形態例を図面に従って詳細に説明する。
【0012】
先ず、図1に示すように、内部に空気を封入した密閉中空体より成る弾性スキン層1を製造する。このスキン層1は、例えば0.1mm乃至0.3mm程度の肉厚を有する伸縮性のある材料から構成され、その内部に空気が密閉状態で封入されている。このため、その全体が所定の形態を維持すると共に、弾性を有している。例えば、ブロー成形によってナイロン又はポリカーボネイトなどの熱可塑性樹脂製の風船状の密閉中空体を成形することによって、スキン層1を製造することができる。
【0013】
次に、図2に示すように、上述したスキン層1に隣接して例えば金属などの硬質材より成る芯棒2を配置し、その両者のまわりに強化繊維3を装着する。このように芯棒2とスキン層1のまわりに強化繊維3を装着したものを、図3に示すように成形型4を構成する上型5と下型6のキャビティ内にセットする。
【0014】
本例では、強化繊維としてカーボン繊維又はガラス繊維などの長繊維を使用し、その強化繊維3を弾性スキン層1に巻き付けて装着する。すなわち、かかる長繊維を編み込んだものを数層重ねるか、又は一方向に揃えたものを、例えば0度、90度のように交互に数層並べて弾性スキン層1と芯棒2のまわりに巻き付けるのである。巻き付けられた強化繊維層11の厚さは、例えばフェイス部の部位で4mm、その他の部位で2mm程度である。
【0015】
一方、図3に示すように、成形型4の適所、例えばその下型6と上型5には、内部のキャビティを型外に連通させる吸気孔7と樹脂注入孔8がそれぞれ形成されており、これらの孔7,8は、弁ないしは開閉蓋9,10と、図示していない導管を介して、同じく図示していない空気吸引装置と樹脂圧送装置にそれぞれ接続されている。
【0016】
前述のように、弾性スキン層1のまわりに強化繊維3を巻き付けて装着したものを成形型4にセットした後、開閉蓋9を開いて、上記空気吸引装置を作動させ、強化繊維3の層、すなわち強化繊維層11から空気を吸引する。このとき樹脂注入孔8は開閉蓋10によって閉鎖されている。このように強化繊維層11から空気を吸引してその圧力を低下させるのである。
【0017】
次いで、吸気孔7の開閉蓋9を閉じ、逆に樹脂注入孔8の開閉蓋10を開いて、樹脂圧送装置を作動させ、圧力の低下した強化繊維層11に、未硬化の液状熱硬化性樹脂を圧送して注入する。かかる樹脂としては、例えばエポキシ樹脂又はビニルエステル系樹脂などを用いることができる。このようにして強化繊維層11に熱硬化性樹脂を含浸させた後、開閉蓋10を閉じ、当該樹脂を自然硬化、又は熱を加えて硬化させ、熱硬化性樹脂を成形する。樹脂に熱を加えて硬化させるときは、成形型4にヒータを埋設しておき、その加熱作用で樹脂を硬化させてもよいし、成形型10を予め例えば100℃前後の温度に加熱しておく方法を採用することもできる。
【0018】
上述のように樹脂を成形した後、上型5と下型6を分離してその成形品を離型し、前述の孔7,8によって成形された樹脂部分や、上型5と下型6の間の隙間、すなわちそのパーティングライン12によって成形された樹脂部分等を研磨加工して除去すると共に、硬化した繊維強化樹脂によって取り囲まれた芯棒2を矢印A方向に抜き出す。このようにして内部が中空な繊維強化樹脂製のゴルフクラブヘッドが得られ、芯棒2を抜き出した後の穴に図示していないシャフトの先端部を挿入して固定すれば、ゴルフクラブが完成する。
【0019】
上述した製造方法によれば、従来のように繊維混入樹脂をコアのまわりに流し込むのではなく、強化繊維3から空気を抜き取り、その圧力を低下させた状態で、その強化繊維層11に未硬化の熱硬化性樹脂を注入するので、樹脂を含浸した強化繊維3中に空気が入り込むことを防止できる。よって離型後のゴルフクラブヘッドにピンホールが形成されることを効果的に抑えることができる。これにより、ゴルフクラブヘッドの強度低下を阻止でき、しかも表面に現われたピンホールを埋める後加工の工数を大幅に短縮できる。このようにして、強度が高く、しかもコストの低いゴルフクラブヘッドを得ることができるのである。
【0020】
また、密閉状態の空気が封入された弾性スキン層1のまわりに装着した強化繊維3から空気を抜き取るとき、その強化繊維層11は、弾性スキン層1から一定で均一な圧力を受ける。このため、強化繊維層11は、弾性スキン層1の外面と、成形型4のキャビティ面とに密着した状態となり、その繊維の密度が全体に亘って均一となる。かかる状態で、その強化繊維層11に未硬化の熱硬化性樹脂が注入されるので、樹脂を含浸した強化繊維3中に空気が入り込むことを防止できるだけでなく、その繊維3中に樹脂を満遍なく均一に行き届かせることができ、部分的に樹脂だけ、又は繊維だけの部分ができることを阻止できる。このため、完成したゴルフクラブヘッドの強度が局部的に低下することはなく、安定した強度のゴルフクラブヘッドを製造することができる。
【0021】
また、ゴルフクラブヘッド製造時に、弾性を有する弾性スキン層1に巻き付けた強化繊維3に対して未硬化の熱硬化性樹脂を注入するのであるが、かかる弾性スキン層1を製造するとき、その内部に注入する空気の量を調整することによって、樹脂を注入したときの弾性スキン層1の内圧を変化させることができる。従って、その弾性スキン層1に注入する空気量、すなわちその内圧を適宜変えることによって、樹脂に対する強化繊維の含有量、すなわち両者の含有比率を大きな範囲で調整することができる。
【0022】
例えば、弾性スキン層1の内圧を予め高めておけば、そのまわりに巻き付けられた強化繊維層11に熱硬化性樹脂を圧送して注入したとき、その圧力によって弾性スキン層1が収縮する量は少なくなり、注入された樹脂の圧力が高まる。よって、上型5と下型6との間のパーティングラン12に比較的に多量の樹脂を押し出し、強化繊維3に対する樹脂含有量を少なくすることができ、完成したゴルフクラブヘッドを軽量化することができる。
【0023】
逆に、弾性スキン層1の内圧が低くなるようにその内部への空気の封入量を設定しておけば、かかる弾性スキン層1のまわりに巻き付けられた強化繊維3に対して熱硬化性樹脂を圧送して注入したとき、その圧力によって弾性スキン層1が比較的大きく収縮するので、多量の樹脂を強化繊維3に含浸させることができる。これにより、強化繊維3に対する樹脂の含有量を増大させることができ、完成したゴルフクラブヘッドの重量を大きくすることができる。
【0024】
このように、樹脂と繊維の割合を比較的自由に変えることができるので、ゴルフクラブヘッドの重量を所望する大きさに設定できる。ゴルフクラブヘッドの重量に対する設計自由度を拡大できるのである。
【0025】
また、従来のように強化繊維混入の樹脂を成形型に流し込むのではなく、予め弾性スキン層1に強化繊維3を装着しておき、その強化繊維3に樹脂を注入するので、その強化繊維3として、前述の如く、長繊維を支障なく用いることができる。かかる長繊維を用いれば、完成したゴルフクラブヘッドの強度を効果的に高めることができる。特に本例のように編み込んだ長繊維を数層重ねて弾性スキン層1に巻き付ければ、完成したゴルフクラブヘッドの強度を著しく高めることが可能である。
【0026】
また、前述したゴルフクラブヘッドの製造方法において、強化繊維層に未硬化の熱硬化性樹脂を注入した後であって、その樹脂が硬化する前に、弾性スキン層1の内部に空気を圧入し、その内圧を付加することもできる。
【0027】
図4はかかる製造方法を実施する装置の一例を示す断面図である。ここに示した弾性スキン層1には筒状部13が一体に付設され、その筒状部13は、強化繊維層11の装着された弾性スキン層1が成形型4にセットされた状態で、後述するソール部材19と、成形型4の一部、図の例ではその下型6を貫通して延びている。筒状部13内の空気流通孔14は、弾性スキン層1の内部を外部に連通させる用をなし、その途中に弁体としての開閉ボール15が配置されている。かかる開閉ボール15は、弾性スキン層1の内部に空気が封入された状態で、その内圧によって、筒状部13の内部に形成された段状の止め部16に圧接する。これにより、空気流通孔14は閉鎖され、弾性スキン層1の内部の空気が外部に流出することが阻止される。成形型4外に突出した筒状部13の先端には導管17が接続され、筒状部13はこの導管17を介して図示していない空気圧送装置に接続されている。筒状部13は例えば樹脂より成り、弾性スキン層1と一体に成形されるか、又は成形後の弾性スキン層1に例えば接着剤によって一体化される。
【0028】
ここで、弾性スキン層1を密閉した状態で、前述のように強化繊維層11から空気を吸引し、次いでその強化繊維層11に未硬化の熱硬化性樹脂を圧入して注入するが、その注入後であって、当該樹脂が硬化する前に、筒状部13に接続された導管17を通して、空気圧送装置から空気を圧送する。このため、その空気圧によって開閉ボール15が止め部16から離れ、空気流通孔14が開放される。このようにして、弾性スキン層1の内部に空気が導入され、その内圧が高められる。その内圧が所定値に達すると、弾性スキン層1への空気の供給が止められ、これに伴って開閉ボール15は弾性スキン層1の内圧によって、止め部16に圧接し、空気流通孔14を閉鎖する。
【0029】
空気流通孔14は弾性スキン層1に向けてテーパ状に拡径しており、これによって、開閉ボール15が止め部16から離れたとき、空気流通孔14が開放されるのであるが、このとき開閉ボール15が弾性スキン層1の内部へ入り込まないように、空気流通孔14が弾性スキン層1の内部に開口する部分に、図5に示すように、間欠的に突出した複数のストッパ18が弾性スキン層1と一体に形成されている。図5においては、開閉ボールの図示を省略してある。図4に示した実施形態の他の構成は、図1乃至図3に示した実施形態と変りはない。
【0030】
なお、ゴルフクラブヘッドを成形型4から離型した後、図6に示すように、筒状部を切断し、その後にソール部材19にあけられている孔に、例えば金属より成るキャップ21をねじ込み、これをソール部材19に固定することによって、孔を閉鎖することができる。
【0031】
上述のように、強化繊維3に対して樹脂を注入した後、好ましくはその直後に、弾性スキン層1内に空気を導入してその内圧を高めると、硬化後の樹脂中にピンホールが形成されることをより確実に抑制することができる。すなわち、樹脂注入孔8から強化繊維3に対して樹脂を注入するとき、その樹脂中に極くわずかな気泡が含まれていることがあるが、これを放置すれば硬化後の樹脂中にピンホールが形成される。
【0032】
これに対し、上述の如く樹脂が硬化する前に弾性スキン層1に空気を供給してその内圧を高めると、その圧力によって、注入された未硬化樹脂に大きな圧力が及ぼされる。このため、かかる樹脂中に微量の気泡が混入していても、その気泡は極く小さなものに圧縮される。しかもかかる気泡の一部は、弾性スキン層1から及ぼされる大きな圧力によって、パーティングライン12に押し出される。このため、硬化した樹脂中のピンホールがより確実に減少する。しかも、たとえピンホールができても、その大きさが極く小さなものとなる。よって、離型後のゴルフクラブヘッドに対する後加工の工数をより一層短縮でき、場合によってはその後加工を省くことができる。このようにして、より強度が高く、かつよりコストの低いゴルフクラブヘッドを製造することができるのである。
【0033】
図4に示した実施形態では、筒状部13と開閉ボール15より成る弁装置を用いたが、他の適宜な形態の弁装置を用いて、弾性スキン層1の内部に空気を圧入し、その内圧を付加することもできる。
【0034】
ところで、図1乃至図5に示した各製造方法によって成形されたゴルフクラブヘッドの底部に金属などから成る硬質のソール部材を固着する必要がある。その際、前述のように離型したゴルフクラブヘッドの底部に、ソール部材をねじ又は接着剤などによって固着し、最終的なゴルフクラブヘッドを完成させることもできるが、このようにすればソール部材を固着する作業が必要となり、ゴルフクラブヘッドの製造工数が増大する。
【0035】
そこで、上述した各実施形態においては、図3及び図4に示すように、弾性スキン層1のまわりに強化繊維3を巻き付けて装着し、これを成形型4にセットするとき、強化繊維層11の表面の所定の位置に、先に簡単に説明した硬質のソール部材19を組付け、その状態で、そのソール部材19を、強化繊維3を装着した弾性スキン層1と共に成形型4にセットし、その強化繊維3に注入された熱硬化性樹脂の硬化により、ソール部材19と樹脂とを一体化するように構成されている。このようにすれば、熱硬化性樹脂の硬化によって、ソール部材19をその樹脂と一体化できるので、ねじなどによってソール部材を離型後のゴルフクラブヘッドに固着する作業が不要となる。
【0036】
強化繊維層11の表面にソール部材19を組付けるには、両者を例えば接着剤によって固定することができる。その際、図3及び図4に示すように、ソール部材19に予め適数のピン20を形成しておき、弾性スキン層1に強化繊維3を巻き付けた後、そのピン20を強化繊維3中に押し込み、この状態でソール部材19を強化繊維3に接着することが望ましい。このようにすれば、硬化後の樹脂がピン20に固着されるので、その樹脂に対するソール部材19の固定強度を高めることができる。なお、図4に示した例では、ソール部材19に筒状部13が貫通して挿入されることは先に説明した通りである。
【0037】
以上、ウッドタイプのゴルフクラブヘッドの製造方法について説明したが、本発明は、ウッドタイプ以外のゴルフクラブヘッドの製造方法にも適用可能である。
【0038】
【発明の効果】
請求項1に記載のゴルフクラブヘッドの製造方法によれば、樹脂中に形成されるピンホールを減少できるので、離型後のゴルフクラブヘッドの後加工を簡素化でき、そのコストを低減できると共に、ゴルフクラブヘッドの強度を高めることができる。しかも、樹脂だけの部分、又は強化繊維だけの部分が少なくなり、安定した強度のゴルフクラブヘッドを製造できる。さらに、完成したゴルフクラブヘッドの重量を大きな範囲で調整することが可能である。
【0039】
請求項2に記載のゴルフクラブヘッドの製造方法によれば、ピンホールの形成をより一層効果的に抑えることができ、上述した利点をより確実に得ることができる。
【0040】
請求項3に記載のゴルフクラブヘッドの製造方法によれば、樹脂の硬化によりソール部材を当該樹脂と一体化できるので、ゴルフクラブヘッドの製造工数を減少できる。
【0041】
請求項4に記載のゴルフクラブヘッドの製造方法によれば、強化繊維として長繊維を用いるので、完成したゴルフクラブヘッドの強度を著しく高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】弾性スキン層の垂直断面図である。
【図2】弾性スキン層と芯棒のまわりに強化繊維を巻き付けた状態を示す垂直断面図である。
【図3】強化繊維を巻き付けた弾性スキン層を成形型にセットしたときの様子を示す垂直断面図である。
【図4】他の実施形態を示す、図3と同様な断面図である。
【図5】図4の矢印V方向に見た図であって、開閉ボールの図示を省略した図である。
【図6】筒状部の切断後、ソール部材に形成された孔を、キャップによって閉鎖した状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 弾性スキン層
3 強化繊維
4 成形型
11 強化繊維層
19 ソール部材
Claims (4)
- 密閉中空体のまわりに強化繊維を巻き付けて装着し、これを成形型にセットした後、前記強化繊維の層から空気を吸引してその圧力を低下させ、次いで当該強化繊維層に未硬化の樹脂を注入し、該樹脂を硬化させて成形した後、その成形品を離型してゴルフクラブヘッドを得ることを特徴とする繊維強化樹脂製のゴルフクラブヘッドの製造方法。
- 密閉中空体を、内部に空気を封入した弾性スキン層により構成した請求項1に記載の繊維強化樹脂製のゴルフクラブヘッドの製造方法。
- 強化繊維層に未硬化の樹脂を注入した後、当該樹脂が硬化する前に弾性スキン層の内部に空気を圧入してその内圧を付加する請求項2に記載の繊維強化樹脂製のゴルフクラブヘッドの製造方法。
- 密閉中空体のまわりに強化繊維を装着し、これを成形型にセットするとき、強化繊維層の表面に硬質の部材を組付けた状態で、当該部材を、強化繊維を装着した密閉中空体と共に成形型にセットし、樹脂の硬化により、前記硬質部材と該樹脂とを一体化する請求項1乃至3に記載の繊維強化樹脂製のゴルフクラブヘッドの製造方法。
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