JPH0938250A - 繊維強化樹脂製のゴルフクラブヘッドの製造方法 - Google Patents

繊維強化樹脂製のゴルフクラブヘッドの製造方法

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JPH0938250A
JPH0938250A JP7216544A JP21654495A JPH0938250A JP H0938250 A JPH0938250 A JP H0938250A JP 7216544 A JP7216544 A JP 7216544A JP 21654495 A JP21654495 A JP 21654495A JP H0938250 A JPH0938250 A JP H0938250A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ピンホールが少なく、しかも強化繊維として
長繊維を使用できる繊維強化樹脂製のゴルフクラブヘッ
ドの製造方法を提案する。 【解決手段】 内部に空気を密閉した弾性スキン層1の
まわりに長繊維より成る強化繊維3を巻き付け、これを
成形型4にセットし、その成形型4の吸気孔7から強化
繊維層11の空気を吸引し、次いで樹脂注入孔8から強
化繊維層11に熱硬化性樹脂を注入し、これを硬化させ
てゴルフクラブヘッドを製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、繊維強化樹脂製の
ゴルフクラブヘッドの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】繊維強化樹脂(FRP)によってゴルフ
クラブヘッドを製造することは従来より周知である。従
来は一般にSMC(シートモールディングコンパウン
ド)法と称せられる方法によって、繊維強化樹脂製のゴ
ルフクラブヘッドを製造していた。この方法は、低融点
金属より成る中空コアを成形型内にセットし、このコア
の外周面と成形型のキャビティとの間の空隙に強化繊維
を混入した熱硬化性樹脂を流し込み、その樹脂を硬化さ
せた後、その成形品を離型し、次いで内部のコアを溶融
させ、これを成形品に形成した孔から流出させ、次いで
その孔を塞ぐことによってゴルフクラブヘッドを得る方
法である。
【0003】ところが、上述した従来の方法によると、
コアの外周面と成形型のキャビティとの間に空気が存在
する状態で、当該コアのまわりに熱硬化性樹脂を流し込
むので、流し込まれた樹脂中に多量の空気が混入してし
まい、離型後のゴルフクラブヘッドに多数のピンホール
が形成される。かかるピンホールは、ゴルフクラブヘッ
ドの強度を低下させる原因となるばかりでなく、そのピ
ンホールがゴルフクラブヘッドの外表面に現われると、
その外観が低下する。このため、従来はそのピンホール
を埋める複雑な後加工が必要となり、これによってゴル
フクラブヘッドの製造コストが上昇する欠点を免れなか
った。
【0004】また従来の方法によると、強化繊維を混入
した熱硬化性樹脂を成形型内に流し込む必要があり、そ
の流し込みを可能とするために、樹脂と繊維の混合割合
を常にほぼ一定にしなければならない。すなわち、樹脂
に対する強化繊維の含有量を自由に変えることができな
いのである。このため、完成したゴルフクラブヘッドの
重量を調整することが難しく、その設計自由度が狭めら
れる欠点も免れなかった。
【0005】さらに、強化繊維を熱硬化性樹脂と共に成
形型に流し込むので、その強化繊維として、例えば25
mm程度の短繊維を使用せざるを得ず、長繊維の使用は不
可能であった。かかる短繊維を用いた場合、これを樹脂
と共に成形型に流し込んだとき、その繊維の方向がラン
ダムになれば問題はないが、その流れの方向によっては
短繊維の並び方が一定方向に揃ってしまうことがあり、
このようになると完成したゴルフクラブヘッドの強度が
部分的に低下する。強化繊維として長繊維を用いること
ができれば、このような不具合を除去できるのである
が、従来の方法では、繊維混入樹脂を成形型に流し込ま
なければならないため、長繊維を使用することはできな
かったのである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来の欠点を除去し、強化繊維として長繊維をも使用す
ることが可能であって、加工仕上がりに優れた繊維強化
樹脂製のゴルフクラブヘッドの製造方法を提供すること
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するため、内部に空気を封入した密閉中空体より成る
弾性スキン層のまわりに強化繊維を装着し、これを成形
型にセットした後、前記強化繊維の層から空気を吸引し
てその圧力を低下させ、次いで当該強化繊維層に未硬化
の熱硬化性樹脂を注入し、該樹脂を硬化させて成形した
後、その成形品を離型してゴルフクラブヘッドを得る繊
維強化樹脂製のゴルフクラブヘッドの製造方法を提案す
る。
【0008】その際、強化繊維層に未硬化の熱硬化性樹
脂を注入した後、当該樹脂が硬化する前に、弾性スキン
層の内部に空気を圧入してその内圧を付加すると有利で
ある。
【0009】また、上記各構成において、弾性スキン層
のまわりに強化繊維を装着し、これを成形型にセットす
るとき、強化繊維層の表面に硬質のソール部材を組付け
た状態で、当該ソール部材を、強化繊維を装着した弾性
スキン層と共に成形型にセットし、熱硬化性樹脂の硬化
により、ソール部材と該樹脂とを一体化することもでき
る。
【0010】さらに、上記各構成において、強化繊維と
して長繊維を使用し、当該強化繊維を弾性スキン層に巻
き付けて装着すると特に有利である。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明をウッドタイプのゴ
ルフクラブヘッドの製造方法に適用した実施形態例を図
面に従って詳細に説明する。
【0012】先ず、図1に示すように、内部に空気を封
入した密閉中空体より成る弾性スキン層1を製造する。
このスキン層1は、例えば0.1mm乃至0.3mm程度の
肉厚を有する伸縮性のある材料から構成され、その内部
に空気が密閉状態で封入されている。このため、その全
体が所定の形態を維持すると共に、弾性を有している。
例えば、ブロー成形によってナイロン又はポリカーボネ
イトなどの熱可塑性樹脂製の風船状の密閉中空体を成形
することによって、スキン層1を製造することができ
る。
【0013】次に、図2に示すように、上述したスキン
層1に隣接して例えば金属などの硬質材より成る芯棒2
を配置し、その両者のまわりに強化繊維3を装着する。
このように芯棒2とスキン層1のまわりに強化繊維3を
装着したものを、図3に示すように成形型4を構成する
上型5と下型6のキャビティ内にセットする。
【0014】強化繊維3として短繊維を用いることも可
能であるが、本例では、強化繊維としてカーボン繊維又
はガラス繊維などの長繊維を使用し、その強化繊維3を
弾性スキン層1に巻き付けて装着する。すなわち、かか
る長繊維を編み込んだものを数層重ねるか、又は一方向
に揃えたものを、例えば0度、90度のように交互に数
層並べて弾性スキン層1と芯棒2のまわりに巻き付ける
のである。巻き付けられた強化繊維層11の厚さは、例
えばフェイス部の部位で4mm、その他の部位で2mm程度
である。
【0015】一方、図3に示すように、成形型4の適
所、例えばその下型6と上型5には、内部のキャビティ
を型外に連通させる吸気孔7と樹脂注入孔8がそれぞれ
形成されており、これらの孔7,8は、弁ないしは開閉
蓋9,10と、図示していない導管を介して、同じく図
示していない空気吸引装置と樹脂圧送装置にそれぞれ接
続されている。
【0016】前述のように、弾性スキン層1のまわりに
強化繊維3を巻き付けて装着したものを成形型4にセッ
トした後、開閉蓋9を開いて、上記空気吸引装置を作動
させ、強化繊維3の層、すなわち強化繊維層11から空
気を吸引する。このとき樹脂注入孔8は開閉蓋10によ
って閉鎖されている。このように強化繊維層11から空
気を吸引してその圧力を低下させるのである。
【0017】次いで、吸気孔7の開閉蓋9を閉じ、逆に
樹脂注入孔8の開閉蓋10を開いて、樹脂圧送装置を作
動させ、圧力の低下した強化繊維層11に、未硬化の液
状熱硬化性樹脂を圧送して注入する。かかる樹脂として
は、例えばエポキシ樹脂又はビニルエステル系樹脂など
を用いることができる。このようにして強化繊維層11
に熱硬化性樹脂を含浸させた後、開閉蓋10を閉じ、当
該樹脂を自然硬化、又は熱を加えて硬化させ、熱硬化性
樹脂を成形する。樹脂に熱を加えて硬化させるときは、
成形型4にヒータを埋設しておき、その加熱作用で樹脂
を硬化させてもよいし、成形型10を予め例えば100
℃前後の温度に加熱しておく方法を採用することもでき
る。
【0018】上述のように樹脂を成形した後、上型5と
下型6を分離してその成形品を離型し、前述の孔7,8
によって成形された樹脂部分や、上型5と下型6の間の
隙間、すなわちそのパーティングライン12によって成
形された樹脂部分等を研磨加工して除去すると共に、硬
化した繊維強化樹脂によって取り囲まれた芯棒2を矢印
A方向に抜き出す。このようにして内部が中空な繊維強
化樹脂製のゴルフクラブヘッドが得られ、芯棒2を抜き
出した後の穴に図示していないシャフトの先端部を挿入
して固定すれば、ゴルフクラブが完成する。
【0019】上述した製造方法によれば、従来のように
繊維混入樹脂をコアのまわりに流し込むのではなく、強
化繊維3から空気を抜き取り、その圧力を低下させた状
態で、その強化繊維層11に未硬化の熱硬化性樹脂を注
入するので、樹脂を含浸した強化繊維3中に空気が入り
込むことを防止できる。よって離型後のゴルフクラブヘ
ッドにピンホールが形成されることを効果的に抑えるこ
とができる。これにより、ゴルフクラブヘッドの強度低
下を阻止でき、しかも表面に現われたピンホールを埋め
る後加工の工数を大幅に短縮できる。このようにして、
強度が高く、しかもコストの低いゴルフクラブヘッドを
得ることができるのである。
【0020】また、密閉状態の空気が封入された弾性ス
キン層1のまわりに装着した強化繊維3から空気を抜き
取るとき、その強化繊維層11は、弾性スキン層1から
一定で均一な圧力を受ける。このため、強化繊維層11
は、弾性スキン層1の外面と、成形型4のキャビティ面
とに密着した状態となり、その繊維の密度が全体に亘っ
て均一となる。かかる状態で、その強化繊維層11に未
硬化の熱硬化性樹脂が注入されるので、樹脂を含浸した
強化繊維3中に空気が入り込むことを防止できるだけで
なく、その繊維3中に樹脂を満遍なく均一に行き届かせ
ることができ、部分的に樹脂だけ、又は繊維だけの部分
ができることを阻止できる。このため、完成したゴルフ
クラブヘッドの強度が局部的に低下することはなく、安
定した強度のゴルフクラブヘッドを製造することができ
る。
【0021】また、ゴルフクラブヘッド製造時に、弾性
を有する弾性スキン層1に巻き付けた強化繊維3に対し
て未硬化の熱硬化性樹脂を注入するのであるが、かかる
弾性スキン層1を製造するとき、その内部に注入する空
気の量を調整することによって、樹脂を注入したときの
弾性スキン層1の内圧を変化させることができる。従っ
て、その弾性スキン層1に注入する空気量、すなわちそ
の内圧を適宜変えることによって、樹脂に対する強化繊
維の含有量、すなわち両者の含有比率を大きな範囲で調
整することができる。
【0022】例えば、弾性スキン層1の内圧を予め高め
ておけば、そのまわりに巻き付けられた強化繊維層11
に熱硬化性樹脂を圧送して注入したとき、その圧力によ
って弾性スキン層1が収縮する量は少なくなり、注入さ
れた樹脂の圧力が高まる。よって、上型5と下型6との
間のパーティングラン12に比較的に多量の樹脂を押し
出し、強化繊維3に対する樹脂含有量を少なくすること
ができ、完成したゴルフクラブヘッドを軽量化すること
ができる。
【0023】逆に、弾性スキン層1の内圧が低くなるよ
うにその内部への空気の封入量を設定しておけば、かか
る弾性スキン層1のまわりに巻き付けられた強化繊維3
に対して熱硬化性樹脂を圧送して注入したとき、その圧
力によって弾性スキン層1が比較的大きく収縮するの
で、多量の樹脂を強化繊維3に含浸させることができ
る。これにより、強化繊維3に対する樹脂の含有量を増
大させることができ、完成したゴルフクラブヘッドの重
量を大きくすることができる。
【0024】このように、樹脂と繊維の割合を比較的自
由に変えることができるので、ゴルフクラブヘッドの重
量を所望する大きさに設定できる。ゴルフクラブヘッド
の重量に対する設計自由度を拡大できるのである。
【0025】また、従来のように強化繊維混入の樹脂を
成形型に流し込むのではなく、予め弾性スキン層1に強
化繊維3を装着しておき、その強化繊維3に樹脂を注入
するので、その強化繊維3として、前述の如く、長繊維
を支障なく用いることができる。かかる長繊維を用いれ
ば、完成したゴルフクラブヘッドの強度を効果的に高め
ることができる。特に本例のように編み込んだ長繊維を
数層重ねて弾性スキン層1に巻き付ければ、完成したゴ
ルフクラブヘッドの強度を著しく高めることが可能であ
る。
【0026】また、前述したゴルフクラブヘッドの製造
方法において、強化繊維層に未硬化の熱硬化性樹脂を注
入した後であって、その樹脂が硬化する前に、弾性スキ
ン層1の内部に空気を圧入し、その内圧を付加すること
もできる。
【0027】図4はかかる製造方法を実施する装置の一
例を示す断面図である。ここに示した弾性スキン層1に
は筒状部13が一体に付設され、その筒状部13は、強
化繊維層11の装着された弾性スキン層1が成形型4に
セットされた状態で、後述するソール部材19と、成形
型4の一部、図の例ではその下型6を貫通して延びてい
る。筒状部13内の空気流通孔14は、弾性スキン層1
の内部を外部に連通させる用をなし、その途中に弁体と
しての開閉ボール15が配置されている。かかる開閉ボ
ール15は、弾性スキン層1の内部に空気が封入された
状態で、その内圧によって、筒状部13の内部に形成さ
れた段状の止め部16に圧接する。これにより、空気流
通孔14は閉鎖され、弾性スキン層1の内部の空気が外
部に流出することが阻止される。成形型4外に突出した
筒状部13の先端には導管17が接続され、筒状部13
はこの導管17を介して図示していない空気圧送装置に
接続されている。筒状部13は例えば樹脂より成り、弾
性スキン層1と一体に成形されるか、又は成形後の弾性
スキン層1に例えば接着剤によって一体化される。
【0028】ここで、弾性スキン層1を密閉した状態
で、前述のように強化繊維層11から空気を吸引し、次
いでその強化繊維層11に未硬化の熱硬化性樹脂を圧入
して注入するが、その注入後であって、当該樹脂が硬化
する前に、筒状部13に接続された導管17を通して、
空気圧送装置から空気を圧送する。このため、その空気
圧によって開閉ボール15が止め部16から離れ、空気
流通孔14が開放される。このようにして、弾性スキン
層1の内部に空気が導入され、その内圧が高められる。
その内圧が所定値に達すると、弾性スキン層1への空気
の供給が止められ、これに伴って開閉ボール15は弾性
スキン層1の内圧によって、止め部16に圧接し、空気
流通孔14を閉鎖する。
【0029】空気流通孔14は弾性スキン層1に向けて
テーパ状に拡径しており、これによって、開閉ボール1
5が止め部16から離れたとき、空気流通孔14が開放
されるのであるが、このとき開閉ボール15が弾性スキ
ン層1の内部へ入り込まないように、空気流通孔14が
弾性スキン層1の内部に開口する部分に、図5に示すよ
うに、間欠的に突出した複数のストッパ18が弾性スキ
ン層1と一体に形成されている。図5においては、開閉
ボールの図示を省略してある。図4に示した実施形態の
他の構成は、図1乃至図3に示した実施形態と変りはな
い。
【0030】なお、ゴルフクラブヘッドを成形型4から
離型した後、図6に示すように、筒状部を切断し、その
後にソール部材19にあけられている孔に、例えば金属
より成るキャップ21をねじ込み、これをソール部材1
9に固定することによって、孔を閉鎖することができ
る。
【0031】上述のように、強化繊維3に対して樹脂を
注入した後、好ましくはその直後に、弾性スキン層1内
に空気を導入してその内圧を高めると、硬化後の樹脂中
にピンホールが形成されることをより確実に抑制するこ
とができる。すなわち、樹脂注入孔8から強化繊維3に
対して樹脂を注入するとき、その樹脂中に極くわずかな
気泡が含まれていることがあるが、これを放置すれば硬
化後の樹脂中にピンホールが形成される。
【0032】これに対し、上述の如く樹脂が硬化する前
に弾性スキン層1に空気を供給してその内圧を高める
と、その圧力によって、注入された未硬化樹脂に大きな
圧力が及ぼされる。このため、かかる樹脂中に微量の気
泡が混入していても、その気泡は極く小さなものに圧縮
される。しかもかかる気泡の一部は、弾性スキン層1か
ら及ぼされる大きな圧力によって、パーティングライン
12に押し出される。このため、硬化した樹脂中のピン
ホールがより確実に減少する。しかも、たとえピンホー
ルができても、その大きさが極く小さなものとなる。よ
って、離型後のゴルフクラブヘッドに対する後加工の工
数をより一層短縮でき、場合によってはその後加工を省
くことができる。このようにして、より強度が高く、か
つよりコストの低いゴルフクラブヘッドを製造すること
ができるのである。
【0033】図4に示した実施形態では、筒状部13と
開閉ボール15より成る弁装置を用いたが、他の適宜な
形態の弁装置を用いて、弾性スキン層1の内部に空気を
圧入し、その内圧を付加することもできる。
【0034】ところで、図1乃至図5に示した各製造方
法によって成形されたゴルフクラブヘッドの底部に金属
などから成る硬質のソール部材を固着する必要がある。
その際、前述のように離型したゴルフクラブヘッドの底
部に、ソール部材をねじ又は接着剤などによって固着
し、最終的なゴルフクラブヘッドを完成させることもで
きるが、このようにすればソール部材を固着する作業が
必要となり、ゴルフクラブヘッドの製造工数が増大す
る。
【0035】そこで、上述した各実施形態においては、
図3及び図4に示すように、弾性スキン層1のまわりに
強化繊維3を巻き付けて装着し、これを成形型4にセッ
トするとき、強化繊維層11の表面の所定の位置に、先
に簡単に説明した硬質のソール部材19を組付け、その
状態で、そのソール部材19を、強化繊維3を装着した
弾性スキン層1と共に成形型4にセットし、その強化繊
維3に注入された熱硬化性樹脂の硬化により、ソール部
材19と樹脂とを一体化するように構成されている。こ
のようにすれば、熱硬化性樹脂の硬化によって、ソール
部材19をその樹脂と一体化できるので、ねじなどによ
ってソール部材を離型後のゴルフクラブヘッドに固着す
る作業が不要となる。
【0036】強化繊維層11の表面にソール部材19を
組付けるには、両者を例えば接着剤によって固定するこ
とができる。その際、図3及び図4に示すように、ソー
ル部材19に予め適数のピン20を形成しておき、弾性
スキン層1に強化繊維3を巻き付けた後、そのピン20
を強化繊維3中に押し込み、この状態でソール部材19
を強化繊維3に接着することが望ましい。このようにす
れば、硬化後の樹脂がピン20に固着されるので、その
樹脂に対するソール部材19の固定強度を高めることが
できる。なお、図4に示した例では、ソール部材19に
筒状部13が貫通して挿入されることは先に説明した通
りである。
【0037】以上、ウッドタイプのゴルフクラブヘッド
の製造方法について説明したが、本発明は、ウッドタイ
プ以外のゴルフクラブヘッドの製造方法にも適用可能で
ある。
【0038】
【発明の効果】請求項1に記載のゴルフクラブヘッドの
製造方法によれば、樹脂中に形成されるピンホールを減
少できるので、離型後のゴルフクラブヘッドの後加工を
簡素化でき、そのコストを低減できると共に、ゴルフク
ラブヘッドの強度を高めることができる。しかも、樹脂
だけの部分、又は強化繊維だけの部分が少なくなり、安
定した強度のゴルフクラブヘッドを製造できる。さら
に、完成したゴルフクラブヘッドの重量を大きな範囲で
調整することが可能である。
【0039】請求項2に記載のゴルフクラブヘッドの製
造方法によれば、ピンホールの形成をより一層効果的に
抑えることができ、上述した利点をより確実に得ること
ができる。
【0040】請求項3に記載のゴルフクラブヘッドの製
造方法によれば、樹脂の硬化によりソール部材を当該樹
脂と一体化できるので、ゴルフクラブヘッドの製造工数
を減少できる。
【0041】請求項4に記載のゴルフクラブヘッドの製
造方法によれば、強化繊維として長繊維を用いるので、
完成したゴルフクラブヘッドの強度を著しく高めること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】弾性スキン層の垂直断面図である。
【図2】弾性スキン層と芯棒のまわりに強化繊維を巻き
付けた状態を示す垂直断面図である。
【図3】強化繊維を巻き付けた弾性スキン層を成形型に
セットしたときの様子を示す垂直断面図である。
【図4】他の実施形態を示す、図3と同様な断面図であ
る。
【図5】図4の矢印V方向に見た図であって、開閉ボー
ルの図示を省略した図である。
【図6】筒状部の切断後、ソール部材に形成された孔
を、キャップによって閉鎖した状態を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1 弾性スキン層 3 強化繊維 4 成形型 11 強化繊維層 19 ソール部材

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部に空気を封入した密閉中空体より成
    る弾性スキン層のまわりに強化繊維を装着し、これを成
    形型にセットした後、前記強化繊維の層から空気を吸引
    してその圧力を低下させ、次いで当該強化繊維層に未硬
    化の熱硬化性樹脂を注入し、該樹脂を硬化させて成形し
    た後、その成形品を離型してゴルフクラブヘッドを得る
    ことを特徴とする繊維強化樹脂製のゴルフクラブヘッド
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 強化繊維層に未硬化の熱硬化性樹脂を注
    入した後、当該樹脂が硬化する前に弾性スキン層の内部
    に空気を圧入してその内圧を付加する請求項1に記載の
    繊維強化樹脂製のゴルフクラブヘッドの製造方法。
  3. 【請求項3】 弾性スキン層のまわりに強化繊維を装着
    し、これを成形型にセットするとき、強化繊維層の表面
    に硬質のソール部材を組付けた状態で、当該ソール部材
    を、強化繊維を装着した弾性スキン層と共に成形型にセ
    ットし、熱硬化性樹脂の硬化により、ソール部材と該樹
    脂とを一体化する請求項1又は2に記載の繊維強化樹脂
    製のゴルフクラブヘッドの製造方法。
  4. 【請求項4】 強化繊維として長繊維を使用し、当該強
    化繊維を弾性スキン層に巻き付けて装着する請求項1乃
    至3のいずれかに記載の繊維強化樹脂製のゴルフクラブ
    ヘッドの製造方法。
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