JP3708887B2 - 遮音ドア又はパネル - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般住宅や、マンション等の集合住宅、或いはホテルなど遮音性を必要とする場所に使用されるドア又はパネル(間仕切りパネル)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、質量の重たいものほど、空気振動で伝わる音をよく遮断すると考えられている(質量則)。しかも、グラスウール等の多孔質材料の場合は、音の伝わろうとするエネルギーを吸収し、また音源側から受音側への音の経路(サウンドブリッジ)を遮断することで、遮音性能が向上する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、玄関ドアとして使用する場合を考えると、グラスウールだけを充填してドアを構成することは、ドアが重たくなり過ぎて好ましくない。つまり、単に重たくするだけでは限界があると共に、そのような構成のドアは、中・高周波数帯域の吸音効果は期待されるが、低周波数帯域の遮音性に問題を残すものであった。また、比較的柔性のグラスウールをドア全体に使用することは、ドア表面板に面振動が発生してしまうものであった。
【0004】
一方、ドアの重量を軽く構成すると共に、前記面振動を防止するために、ハニカム構造のペーパーコアを使用することも考えられるが、その場合には、ペーパーコアの剛性に基づいて、サウンドブリッジを引き起こしてしまうおそれがある。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その主たる目的は、比較的軽量且つ安価に、サウンドブリッジや面振動を効果的に防止して、中・高周波数帯域だけでなく低周波数帯域の遮音性も向上させる遮音ドア又はパネルを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の遮音ドア又はパネルは、ドアの中央部に、第1の芯材が配置される一方、この第1の芯材に隣接してドアの左右或いは上下に、第2の芯材が配置され、厚さ方向両面に設けられる一対の表面板間に、前記各芯材が挟まれて構成される。ここで、第1の芯材は、略コ字形状の2つの骨部材が、その開放部同士を向き合わされて配置されると共に、開放端部同士が緩衝部材にて接合されてなり、且つこのようにして構成される骨部材間に吸音材が充填されてなる。また、第2の芯材は、ドアの厚さ方向に貫通して多数の開口を有するハニカム状のペーパーコアとされている。そして、前記表面板は、略コ字形状の骨部材の中央片に重ね合わされて設けられる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の遮音ドア又はパネルについて、さらに詳細に説明する。ここでは、建物の玄関ドアに適用した例について説明する。
【0008】
図1は、本発明の遮音ドアの一実施例が適用された枠付きドアを示す正面図である。また、図2はその横断面図であり、図3は左右方向中央部における縦断面図である。
【0009】
これらの図に示すように、ドアはドア枠Fに開閉可能に、一側端部を丁番を介して吊り下げられている。ドアの内部には、複数本の芯材11,12が内蔵されている。本実施例では、各芯材11,12は、ドアの上下方向に沿って立設されており、ドアの左右方向に3本配置されている。本実施例では、ドアの幅寸法を略三等分し、その中央に第1の芯材11が配置される一方、その左右に第2の芯材12,12がそれぞれ配置されている。なお、図示例では、第1の芯材11の幅寸法は、第2の芯材12の幅寸法よりもやや大きく形成されている。
【0010】
第1の芯材11は、図2に示すように、同一形状の2つの骨部材2,2が緩衝部材3,3を介して接合されることにより、略矩形断面の筒状に形成されている。各骨部材2は、略コ字形状に形成されてなる。すなわち、左右方向に沿って配置される中央片21の左右両端部に、中央片21に垂直に前後方向に沿って左右両端片22,22が連設され、この左右両端片22の各先端部に、左右両端片22に垂直に且つ互いに近接する方向(左右方向内側)に延びる接合片23,23が連設されてなる。
【0011】
そして、2つの骨部材2,2の開放部同士を向かい合わせて配置し、各骨部材2,2の各接合片23,23同士を緩衝部材3を介して接合する。つまり、骨部材2同士をリベットやネジ等の機械的な接合ではなく、緩衝部材3にて接着等により接合する。しかも、この緩衝部材3は、骨部材2の接合片23同士を接合するだけでなく、両骨部材2間の振動の伝搬を効果的に抑制するものである。
【0012】
緩衝部材3としては、例えば、厚みを有する接着材(両端面に接着層を備える弾性材)等が考えられる。具体的には、比較的厚みのある両面テープ(例えば、3MのVHB4620等)が使用される。あるいは、緩衝部材3として、面状ファスナを使用してもよい。なお、第1の芯材1内には、グラスウール等の吸音材6が充填される。
【0013】
一方、第2の芯材12は、ペーパーコアにより構成される。ペーパーコア12は、図4に示すように、厚さ方向に貫通する多数の開口12a,12a…を有するハニカム構造の芯材であり、紙材を用いて製作される。ペーパーコア12は、ハニカム構造であるから、実際の使用時(ドアの製作時)まで、蜂の巣状の多数の開口を潰した状態に圧縮して保管しておくことができ、使用時に引き伸ばして使用することができる。
【0014】
図4は、本実施例のドアの製作時の状況を示す概略斜視図である。
この図に示すように、まず、一方の表面板5上に、コ字形状材等から構成された矩形状の枠材4が配置される。その枠材内の左右方向中央部に、第1の芯材11が配置される。そして、その第1の芯材11の左右に、ペーパーコアからなる第2の芯材12,12をそれぞれ配置する。その後、これら芯材11,12の上面に、他方の表面板5がはられる。これにより、各芯材11,12の厚さ方向の前後両面を、それぞれ表面板5,5で挟んでなる遮音ドアが構成される。なお、第1の芯材11には、その骨部材2の中央片21に表面板5が重ね合わされる。
【0015】
表面板5,5の左右端部は、折り返された後(51)、ドアの厚さ方向内側に向けてL字形状に屈曲され、その屈曲部52が枠材4に固定される。また、表裏の各表面板5,5の前記折り返し部51,51間には、断面コ字形状のカバー材7が嵌着される(図2参照)。
【0016】
第1の芯材11の骨部材2は、前述のとおり、中央片21に対し左右各端片22,22を垂直に延出させ、その左右各端片22に対し接合片23を垂直に延出させて略コ字形状(一部切欠略ロ字形状)に形成されてなる。ここで、左右各端片22の前後方向の延出長さは、曲げ加工時に精度が出し易いことから、2つの骨部材2,2を組み合わせて芯材1を構成した場合においても、芯材1としての精度を保つことができる。これにより、表面板5に薄板を使用した場合でも、表面板5に芯材1の形状を浮き出させることなく、ドアやパネルを完成させることができる。
【0017】
しかも、各骨部材2,2の接合片23,23間に緩衝部材3を介在させることにより、寸法誤差を吸収して、表面板5への浮き出しを更に軽減できると共に、音等の振動伝搬を低レベルに抑えることができる。
【0018】
図5は、音響透過損失と中心周波数との関係を示す図である。同図において、実線でつながれた黒丸●は、本発明の上記実施例のドアの場合である。なお、白丸○は、黒丸●をJIS A4702に従ってオクターブ換算した場合を示している。
【0019】
この図より、上記実施例のドアは、JIS A 4702Ts−35等級線に沿うことが分かった。玄関ドアなどとして使用する場合には、十分な遮音性である。このように、本発明の芯材1を使用すれば、遮音性能の高いドアとすることができるので、遮音ドアとして、ホテルやマンション等の出入口に使用することができる。
【0020】
上記実施例では、ドアの中央部に、柔性のグラスウール6を使用した第1の芯材11を配置する一方、ドアの左右(或いは上下)に、剛性のパーパーコアを使用した第2の芯材12を配置した。骨部材2,2やグラスウール6をドア中央部だけに抑えて使用し、残りの部分にはペーパーコア12を使用することで、ドア全体の重量を軽くすることができる。なお、上記実施例の場合、表面板5や骨部材2の各板厚は、約0.6mmの薄いものでも対応可能であり(従来は約1.2mm必要)、この点からもドアの軽量化を図ることができる。
【0021】
しかも、ドアの中央部に配置される第1芯材11は、骨部材2,2間に緩衝部材3を介在させて組み立てることで、サウンドブリッジを防ぐことができる。また、その第1の芯材11内に配置されたグラスウール6により、中・高周波数帯域の吸音効果を期待することができる。
【0022】
一方、ドアの左右に、第2の芯材12としてペーパーコアを配置した。このペーパーコア12は、ハニカム構造であるため、表面板5が拘束され、面振動が防止される。また、ペーパーコア12は、低周波数帯域の遮音欠損を防止することができる。
【0023】
このように、第1の芯材11と第2の芯材12との組合せにより、比較的軽量で、サウンドブリッジや面振動を効果的に防止して、低・中・高周波数帯域すべてに良好な遮音性を期待することができるドアやパネルを提供することが可能となる。しかも、特殊形状の骨部材2は、第1の芯材11に使用されるだけであり、他はペーパーコア12であるから、コストの低減を図ることもできる。
【0024】
なお、本発明の遮音ドア又はパネルは、上記実施例の構成に限らず適宜変更可能である。例えば、上記実施例では、ドアを左右方向に分割して、その中央部に第1の芯材11を配置する一方、その左右に第2の芯材12,12を配置する例について説明したが、上下方向に分割して、中央部に第1の芯材11を配置する一方、その上下に第2の芯材12,12を配置するようにしてもよい。
【0025】
また、第1の芯材11を構成する骨部材2は、コ字形状材の開放両端部に、左右方向内側に向かう接合片23,23を連設してなる例を示したが、接合片23,23を互いに離間する方向(左右方向外側)に延出するようにしてもよい。
【0026】
さらに、上記実施例では、建物用ドアに適用した例について説明したが、本発明はドアに限らず、間仕切りパネルなどの各種パネルなどにも適用することができる。
【0027】
【発明の効果】
以上詳述したとおり、本発明の遮音ドア又はパネルによれば、ドアの中央部に、柔性のグラスウールを使用した第1の芯材を配置する一方、ドアの左右(或いは上下)に、剛性のパーパーコアを使用した第2の芯材を配置した。この組合せにより、比較的軽量且つ安価に、サウンドブリッジや面振動を効果的に防止して、低・中・高周波数帯域すべてに良好な遮音性を期待することができるドアやパネルを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の遮音ドアの一実施例が適用された枠付きドアを示す正面図である。
【図2】図1のドアの横断面図である。
【図3】図1のドアの左右方向中央部における縦断面図である。
【図4】図1のドアの製作時の状況を示す概略斜視図である。
【図5】図1のドアの音響透過損失と中心周波数との関係を示す図である。
【符号の説明】
2 骨部材
3 緩衝部材
4 枠材
5 表面板
6 吸音材(グラスウール等)
7 カバー材
11 第1の芯材
12 第2の芯材(ペーパーコア)
12a 開口
21 中央片
22 左右端片
23 接合片
51 折り返し部
52 屈曲部
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般住宅や、マンション等の集合住宅、或いはホテルなど遮音性を必要とする場所に使用されるドア又はパネル(間仕切りパネル)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、質量の重たいものほど、空気振動で伝わる音をよく遮断すると考えられている(質量則)。しかも、グラスウール等の多孔質材料の場合は、音の伝わろうとするエネルギーを吸収し、また音源側から受音側への音の経路(サウンドブリッジ)を遮断することで、遮音性能が向上する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、玄関ドアとして使用する場合を考えると、グラスウールだけを充填してドアを構成することは、ドアが重たくなり過ぎて好ましくない。つまり、単に重たくするだけでは限界があると共に、そのような構成のドアは、中・高周波数帯域の吸音効果は期待されるが、低周波数帯域の遮音性に問題を残すものであった。また、比較的柔性のグラスウールをドア全体に使用することは、ドア表面板に面振動が発生してしまうものであった。
【0004】
一方、ドアの重量を軽く構成すると共に、前記面振動を防止するために、ハニカム構造のペーパーコアを使用することも考えられるが、その場合には、ペーパーコアの剛性に基づいて、サウンドブリッジを引き起こしてしまうおそれがある。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その主たる目的は、比較的軽量且つ安価に、サウンドブリッジや面振動を効果的に防止して、中・高周波数帯域だけでなく低周波数帯域の遮音性も向上させる遮音ドア又はパネルを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の遮音ドア又はパネルは、ドアの中央部に、第1の芯材が配置される一方、この第1の芯材に隣接してドアの左右或いは上下に、第2の芯材が配置され、厚さ方向両面に設けられる一対の表面板間に、前記各芯材が挟まれて構成される。ここで、第1の芯材は、略コ字形状の2つの骨部材が、その開放部同士を向き合わされて配置されると共に、開放端部同士が緩衝部材にて接合されてなり、且つこのようにして構成される骨部材間に吸音材が充填されてなる。また、第2の芯材は、ドアの厚さ方向に貫通して多数の開口を有するハニカム状のペーパーコアとされている。そして、前記表面板は、略コ字形状の骨部材の中央片に重ね合わされて設けられる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の遮音ドア又はパネルについて、さらに詳細に説明する。ここでは、建物の玄関ドアに適用した例について説明する。
【0008】
図1は、本発明の遮音ドアの一実施例が適用された枠付きドアを示す正面図である。また、図2はその横断面図であり、図3は左右方向中央部における縦断面図である。
【0009】
これらの図に示すように、ドアはドア枠Fに開閉可能に、一側端部を丁番を介して吊り下げられている。ドアの内部には、複数本の芯材11,12が内蔵されている。本実施例では、各芯材11,12は、ドアの上下方向に沿って立設されており、ドアの左右方向に3本配置されている。本実施例では、ドアの幅寸法を略三等分し、その中央に第1の芯材11が配置される一方、その左右に第2の芯材12,12がそれぞれ配置されている。なお、図示例では、第1の芯材11の幅寸法は、第2の芯材12の幅寸法よりもやや大きく形成されている。
【0010】
第1の芯材11は、図2に示すように、同一形状の2つの骨部材2,2が緩衝部材3,3を介して接合されることにより、略矩形断面の筒状に形成されている。各骨部材2は、略コ字形状に形成されてなる。すなわち、左右方向に沿って配置される中央片21の左右両端部に、中央片21に垂直に前後方向に沿って左右両端片22,22が連設され、この左右両端片22の各先端部に、左右両端片22に垂直に且つ互いに近接する方向(左右方向内側)に延びる接合片23,23が連設されてなる。
【0011】
そして、2つの骨部材2,2の開放部同士を向かい合わせて配置し、各骨部材2,2の各接合片23,23同士を緩衝部材3を介して接合する。つまり、骨部材2同士をリベットやネジ等の機械的な接合ではなく、緩衝部材3にて接着等により接合する。しかも、この緩衝部材3は、骨部材2の接合片23同士を接合するだけでなく、両骨部材2間の振動の伝搬を効果的に抑制するものである。
【0012】
緩衝部材3としては、例えば、厚みを有する接着材(両端面に接着層を備える弾性材)等が考えられる。具体的には、比較的厚みのある両面テープ(例えば、3MのVHB4620等)が使用される。あるいは、緩衝部材3として、面状ファスナを使用してもよい。なお、第1の芯材1内には、グラスウール等の吸音材6が充填される。
【0013】
一方、第2の芯材12は、ペーパーコアにより構成される。ペーパーコア12は、図4に示すように、厚さ方向に貫通する多数の開口12a,12a…を有するハニカム構造の芯材であり、紙材を用いて製作される。ペーパーコア12は、ハニカム構造であるから、実際の使用時(ドアの製作時)まで、蜂の巣状の多数の開口を潰した状態に圧縮して保管しておくことができ、使用時に引き伸ばして使用することができる。
【0014】
図4は、本実施例のドアの製作時の状況を示す概略斜視図である。
この図に示すように、まず、一方の表面板5上に、コ字形状材等から構成された矩形状の枠材4が配置される。その枠材内の左右方向中央部に、第1の芯材11が配置される。そして、その第1の芯材11の左右に、ペーパーコアからなる第2の芯材12,12をそれぞれ配置する。その後、これら芯材11,12の上面に、他方の表面板5がはられる。これにより、各芯材11,12の厚さ方向の前後両面を、それぞれ表面板5,5で挟んでなる遮音ドアが構成される。なお、第1の芯材11には、その骨部材2の中央片21に表面板5が重ね合わされる。
【0015】
表面板5,5の左右端部は、折り返された後(51)、ドアの厚さ方向内側に向けてL字形状に屈曲され、その屈曲部52が枠材4に固定される。また、表裏の各表面板5,5の前記折り返し部51,51間には、断面コ字形状のカバー材7が嵌着される(図2参照)。
【0016】
第1の芯材11の骨部材2は、前述のとおり、中央片21に対し左右各端片22,22を垂直に延出させ、その左右各端片22に対し接合片23を垂直に延出させて略コ字形状(一部切欠略ロ字形状)に形成されてなる。ここで、左右各端片22の前後方向の延出長さは、曲げ加工時に精度が出し易いことから、2つの骨部材2,2を組み合わせて芯材1を構成した場合においても、芯材1としての精度を保つことができる。これにより、表面板5に薄板を使用した場合でも、表面板5に芯材1の形状を浮き出させることなく、ドアやパネルを完成させることができる。
【0017】
しかも、各骨部材2,2の接合片23,23間に緩衝部材3を介在させることにより、寸法誤差を吸収して、表面板5への浮き出しを更に軽減できると共に、音等の振動伝搬を低レベルに抑えることができる。
【0018】
図5は、音響透過損失と中心周波数との関係を示す図である。同図において、実線でつながれた黒丸●は、本発明の上記実施例のドアの場合である。なお、白丸○は、黒丸●をJIS A4702に従ってオクターブ換算した場合を示している。
【0019】
この図より、上記実施例のドアは、JIS A 4702Ts−35等級線に沿うことが分かった。玄関ドアなどとして使用する場合には、十分な遮音性である。このように、本発明の芯材1を使用すれば、遮音性能の高いドアとすることができるので、遮音ドアとして、ホテルやマンション等の出入口に使用することができる。
【0020】
上記実施例では、ドアの中央部に、柔性のグラスウール6を使用した第1の芯材11を配置する一方、ドアの左右(或いは上下)に、剛性のパーパーコアを使用した第2の芯材12を配置した。骨部材2,2やグラスウール6をドア中央部だけに抑えて使用し、残りの部分にはペーパーコア12を使用することで、ドア全体の重量を軽くすることができる。なお、上記実施例の場合、表面板5や骨部材2の各板厚は、約0.6mmの薄いものでも対応可能であり(従来は約1.2mm必要)、この点からもドアの軽量化を図ることができる。
【0021】
しかも、ドアの中央部に配置される第1芯材11は、骨部材2,2間に緩衝部材3を介在させて組み立てることで、サウンドブリッジを防ぐことができる。また、その第1の芯材11内に配置されたグラスウール6により、中・高周波数帯域の吸音効果を期待することができる。
【0022】
一方、ドアの左右に、第2の芯材12としてペーパーコアを配置した。このペーパーコア12は、ハニカム構造であるため、表面板5が拘束され、面振動が防止される。また、ペーパーコア12は、低周波数帯域の遮音欠損を防止することができる。
【0023】
このように、第1の芯材11と第2の芯材12との組合せにより、比較的軽量で、サウンドブリッジや面振動を効果的に防止して、低・中・高周波数帯域すべてに良好な遮音性を期待することができるドアやパネルを提供することが可能となる。しかも、特殊形状の骨部材2は、第1の芯材11に使用されるだけであり、他はペーパーコア12であるから、コストの低減を図ることもできる。
【0024】
なお、本発明の遮音ドア又はパネルは、上記実施例の構成に限らず適宜変更可能である。例えば、上記実施例では、ドアを左右方向に分割して、その中央部に第1の芯材11を配置する一方、その左右に第2の芯材12,12を配置する例について説明したが、上下方向に分割して、中央部に第1の芯材11を配置する一方、その上下に第2の芯材12,12を配置するようにしてもよい。
【0025】
また、第1の芯材11を構成する骨部材2は、コ字形状材の開放両端部に、左右方向内側に向かう接合片23,23を連設してなる例を示したが、接合片23,23を互いに離間する方向(左右方向外側)に延出するようにしてもよい。
【0026】
さらに、上記実施例では、建物用ドアに適用した例について説明したが、本発明はドアに限らず、間仕切りパネルなどの各種パネルなどにも適用することができる。
【0027】
【発明の効果】
以上詳述したとおり、本発明の遮音ドア又はパネルによれば、ドアの中央部に、柔性のグラスウールを使用した第1の芯材を配置する一方、ドアの左右(或いは上下)に、剛性のパーパーコアを使用した第2の芯材を配置した。この組合せにより、比較的軽量且つ安価に、サウンドブリッジや面振動を効果的に防止して、低・中・高周波数帯域すべてに良好な遮音性を期待することができるドアやパネルを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の遮音ドアの一実施例が適用された枠付きドアを示す正面図である。
【図2】図1のドアの横断面図である。
【図3】図1のドアの左右方向中央部における縦断面図である。
【図4】図1のドアの製作時の状況を示す概略斜視図である。
【図5】図1のドアの音響透過損失と中心周波数との関係を示す図である。
【符号の説明】
2 骨部材
3 緩衝部材
4 枠材
5 表面板
6 吸音材(グラスウール等)
7 カバー材
11 第1の芯材
12 第2の芯材(ペーパーコア)
12a 開口
21 中央片
22 左右端片
23 接合片
51 折り返し部
52 屈曲部
Claims (4)
- ドアの中央部に、第1の芯材が配置される一方、この第1の芯材に隣接してドアの左右或いは上下に、第2の芯材が配置され、厚さ方向両面に設けられる一対の表面板間に、前記各芯材が挟まれて構成される遮音ドア又はパネルであって、
第1の芯材は、略コ字形状の2つの骨部材が、その開放部同士を向き合わされて配置されると共に、開放端部同士が緩衝部材にて接合されてなり、且つこのようにして構成される骨部材間に吸音材が充填されてなり、
第2の芯材は、ドアの厚さ方向に貫通して多数の開口を有するハニカム状のペーパーコアとされており、
前記表面板は、略コ字形状の骨部材の中央片に重ね合わされて設けられることを特徴とする遮音ドア又はパネル。 - ドアの幅方向或いは高さ方向に略三等分した中央部に、第1の芯材が配置され、残りの部分に第2の芯材が配置されることを特徴とする請求項1に記載の遮音ドア又はパネル。
- 第1の芯材は、中央片に対し左右各端片を垂直に延出させ、その左右各端片に対し接合片を垂直に延出させた略コ字形状の2つの骨部材を備え、
各骨部材の開放部同士が向き合わされて配置されると共に、各接合片同士が緩衝部材にて接合されてなり、
前記表面板は、骨部材の中央片に重ね合わされて設けられることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の遮音ドア又はパネル。 - 前記緩衝部材が、両面テープ又は面状ファスナからなり、
前記吸音材がグラスウールからなることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかに記載の遮音ドア又はパネル。
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JP2002058520A JP3708887B2 (ja) | 2002-03-05 | 2002-03-05 | 遮音ドア又はパネル |
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JP2003253970A JP2003253970A (ja) | 2003-09-10 |
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