JP2878091B2 - 多孔質構造体モジュールを用いた音響パネル及び音響装置 - Google Patents

多孔質構造体モジュールを用いた音響パネル及び音響装置

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JP2878091B2
JP2878091B2 JP5293465A JP29346593A JP2878091B2 JP 2878091 B2 JP2878091 B2 JP 2878091B2 JP 5293465 A JP5293465 A JP 5293465A JP 29346593 A JP29346593 A JP 29346593A JP 2878091 B2 JP2878091 B2 JP 2878091B2
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勝久 大蔦
周一 谷
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清二郎 伊藤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、騒音発生源の周囲も
しくは伝搬経路に設置される音響パネル及び音響装置
改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図30は従来の音響パネルの構成を示す
斜視図、図31は縦断面図である。図において、1は箱
形状の遮音板、5は遮音板1の解放部を塞ぐように遮音
板1に固着されたパンチングメタル等の開孔を有する保
護板、52は保護板5を遮音板1に固着する留め具、7
0は遮音板1と保護板5との間に配置された吸音材、8
6は入射音である。
【0003】上記従来の音響パネルでは、保護板5側か
らの入射音86は吸音材70を通り、吸音材70を構成
する繊維との摩擦損失等により音波は減衰をして吸音さ
れていく。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の音響パネル
では、吸音材70の材料として、グラスウール、ロック
ウールが多く用いられている。これらの材料は繊維質の
非剛体であるため、材料自体の充填具合が不揃いで、品
質上、吸音特性にバラツキが生じ易かった。かつ、経時
変化に伴い、自重によって形状が変化し、吸音材の無い
空間が生じることがあり、十分な吸音性能が得られない
ことがあった。さらに、上記材料は、水分を吸収し易
く、吸水した後急激に吸音性能が悪化することがあっ
た。また、製作上も、非剛体のため形状が不安定で作業
性が悪く、かつ、材料が短い繊維質のため、その材料が
飛散し健康上においても有害であった。
【0005】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、経時変化や吸音特性のバラツキ
が少なく、製作時の作業性が良く、しかも吸音材料が飛
散せず健康上有害な影響を与えないような音響パネル
び音響装置を得ることを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明に係
る多孔質構造体モジュールを用いた音響装置は、プラス
チック粒子を部分的に加熱溶着した薄板構造の多孔質構
造体からなる吸音板と、それぞれが独立した複数の背面
空気層を形成するように吸音板を支持する支持部材とで
多孔質構造体モジュールを形成し、この多孔質構造体モ
ジュールを、遮音板上に背面空気層と遮音板が対向する
ように配列したものである。
【0007】請求項記載の発明に係る多孔質構造体
ジュールを用いた音響パネルは、プラスチック粒子を部
分的に加熱溶着した薄板構造の多孔質構造体からなる吸
音板と、それぞれが独立した複数の背面空気層を形成す
るように吸音板を支持する支持部材とで多孔質構造体モ
ジュールを形成し、この多孔質構造体モジュールを、遮
音板上に背面空気層と遮音板とが対向するように配列
ものである。
【0008】請求項記載の発明に関る多孔質構造体
ジュールを用いた音響パネルは、吸音板に対向配置され
開孔を有する保護板を備えるものである。
【0009】請求項記載の発明に関る多孔質構造体
ジュールを用いた音響パネルは、支持部材が外枠および
仕切り部を有し、上記外枠の内側の側面および仕切り部
の側面が、吸音板と垂直より大きな角度をなすように構
成されると共に、上記外枠および仕切り部の反吸音板側
に切り欠き部を有するものである。
【0010】請求項記載の発明に関る多孔質構造体
ジュールを用いた音響パネルは、多孔質構造体モジュー
ルと保護板の隙間に緩衝材を挿入したものである。
【0011】請求項記載の発明に関る多孔質構造体
ジュールを用いた音響パネルは、多孔質構造体モジュー
ルを吸音板が保護板側に来るように同一方向に複数個積
層したものである。
【0012】請求項記載の発明に関る多孔質構造体
ジュールを用いた音響パネルは、支持部材が並列配置さ
れた仕切り部を有し、上記仕切り部間の間隔をW、入射
音波の中で最も音圧レベルの高い音波の波長をλ、上記
支持部材が上記吸音板と接合する部分における支持部材
の稜線に対してほぼ直交する方向から入射する音波の吸
音板に対する平均的な入射角をβとしたとき、W<λ/
4cos(β)を満足するように構成したものである。
【0013】請求項記載の発明に関る多孔質構造体
ジュールを用いた音響パネルは、支持部材が格子状に配
置された仕切り部を有し、上記仕切り部間の一方の間隔
をW、他方の間隔をZ、入射音波の中で最も音圧レベル
の高い音波の波長をλ、周囲方向から入射する音波の吸
音板に対する平均的な入射角をβとしたとき、2WZ/
(W+Z)<λ/4cos(β)を満足するように構成
したものである。
【0014】
【作用】請求項1及び2記載の発明においては、吸音材
料として、プラスチック粒子を部分的に加熱溶着した薄
板構造の多孔質構造体を用いているので、材料が飛散す
ることはない。また、その吸音板と支持部材とで、背面
空気層を含む多孔質構造体モジュールを構成し、複数の
多孔質構造体モジュールを、遮音板上に上記背面空気層
と遮音板が対向するように配列して固定したので、全体
を1枚の吸音板で構成するのに比べて組み立て上の作業
性が良く、かつ、背面空気層の間隔が一定で吸音特性等
の品質も安定している。
【0015】また、請求項記載の発明においては、吸
音板に対向配置され開孔を有する保護板を備えるので、
石等の異物が当たって吸音板が破損するのを防止する。
【0016】また、請求項記載の発明においては、吸
音板がプラスチック粒子を部分的に加熱溶着した薄板構
造の多孔質構造体のため、水分が透過し易く、かつ、多
孔質構造体モジュールの支持部材の仕切り部および外枠
の内側の側面が、吸音板と垂直より大きな角度をなすと
ともに、その外枠および仕切り部の吸音板面の反対側に
切り欠き部を設けているので、水が下に流れ易く、容易
に音響パネル内部の水を抜くことができる。
【0017】また、請求項記載の発明においては、多
孔質構造体モジュールと保護板の隙間に緩衝材を挿入し
たので、多孔質構造体モジュールのがたつき音の発生を
防止できる。
【0018】また、請求項記載の発明においては、多
孔質構造体モジュールを吸音板が保護板側に来るように
同一方向に複数個積層したので、その分、吸音特性が向
上する。
【0019】また、請求項記載の発明においては、支
持部材が並列配置された仕切り部を有し、上記仕切り部
間の間隔をW、入射音波の中で最も音圧レベルの高い音
波の波長をλ、上記支持部材が上記吸音板と接合する部
分における支持部材の稜線に対してほぼ直交する方向か
ら入射する音波の吸音板に対する平均的な入射角をβと
したとき、W<λ/4cos(β)を満足するように構
成したので、支持部材にほぼ直交方向から入射する音波
によって、支持部材間の吸音板面上に音圧分布が生じる
のを防止でき、吸音板と背面空気層間の共鳴現象が増長
され吸音性能が向上する。
【0020】さらに、請求項記載の発明においては、
支持部材は格子状に配置された仕切り部を有し、上記仕
切り部間の一方の間隔をW、他方の間隔をZ、入射音波
の中で最も音圧レベルの高い音波の波長をλ、周囲方向
から入射する音波の吸音板に対する平均的な入射角をβ
としたとき、2WZ/(W+Z)<λ/4cos(β)
を満足するように構成したので、周囲方向から吸音板に
入射する音波によって、格子状の支持部材で囲まれた部
分の吸音板面上に音圧分布が生じるのを防止でき、吸音
板と背面空気層間の共鳴現象が増長され吸音性能が向上
する。
【0021】
【実施例】実施例1. 以下、この発明の―実施例を例えば防音壁に用いられる
音響パネルについて説明する。図1は請求項1〜記載
の発明の一実施例による多孔質構造体を用いた音響パネ
ルの構成を示す斜視図、図2は縦断面図である。図にお
いて、1は遮音板であり、この例では箱形状のものであ
る。2は遮音板1の中に組み込まれた多孔質構造体モジ
ュール、5は遮音板1に固着された開孔を有する保護
板、6aは遮音板1の開放部分に折り返された爪部と多
孔質構造体モジュール2の隙間に挿入された緩衝材、6
bは保護板5と多孔質構造体モジュール2の隙間に挿入
された緩衝材、10は遮音板1の側面下部に設けられた
水抜き孔、52は保護板5を遮音板1に固定する留め具
である。
【0022】図3は実施例1に係わる多孔質構造体モジ
ュール2の構成を示す斜視図、図4は縦断面図である。
図において、7はプラスチック粒子を部分的に加熱溶着
した薄板構造の多孔質構造体を用いた吸音板であり、例
えば同一出願人による特開平2−289333号公報
「多孔質構造体」に詳述されているようなものである。
20は外枠であり、内側の側面が吸音板7に対して垂直
より大きな角度θをなす。21は仕切り部であり、側面
が吸音板7と垂直より大きな角度θをなす。22は外枠
20と仕切り部21からなる格子状の仕切り構造を持つ
支持部材、23は外枠20および仕切り部21の反吸音
板7側に設けた切り欠き部、24は吸音板7を支持部材
22に固定するために外枠20に設けられた突起部、8
0は吸音板7の背面空気層、θは吸音板7と外枠20の
内側側面または仕切り部21側面のなす角度であり、9
0度より大きい。
【0023】吸音板7、支持部材22の材料としては、
ポリプロピレン樹脂、塩化ビニール樹脂、ABS樹脂、
ポリカーボネート樹脂等を用いることができ、多孔質構
造体モジュール2は、吸音板7を支持部材22の外枠2
0と仕切り部21と突起部24の間にできる隙間に挿入
して固定する。支持部材22の外枠20と仕切り部21
が補強となり、吸音板7の強度を増すことができる。ま
た、外枠20と仕切り部21の高さだけ吸音板7の背面
空気層80となるので多孔質構造体モジュール2は構造
的に背面空気層80を持つこととなる。さらに、吸音板
7に雨等の水分が降りかかった時、外枠20と仕切り部
21は吸音板7と直角より大きな角度(例えば、θは9
0.3〜120゜)をなしているので、図1〜4に示す
ように立てて設置した場合、吸音板7から透過した水分
は傾斜に従い低いほうへ流れ、支持部材22の切り欠き
23から下へ流れ落ちる。
【0024】遮音板1の材料としては、厚さ1〜2mm
の亜鉛メッキ鋼板を用い、図1のように折り曲げて箱状
に形成してもよい。音響パネルは、例えば、寸法が約6
00mm×3000mm×60mmのこのように構成さ
れた遮音板1に、寸法が約300mm×250mm×5
0mmの上記多孔質構造体モジュール2を24個配置
し、保護板5として厚さ1.5mmで開孔率約55%の
アルミ板を遮音板1に、留め具52としてリベットで固
定する。このように、組み立てるので従来例のように大
きな吸音板を1枚用いるのに比べて作業性が良く、か
つ、吸音板7の背面空気層80も確保することができ
る。また、多孔質構造体モジュール2は支持部材22の
切り欠き部23から水が下へ流れる構造になっているた
め、音響パネルの遮音板1の下部に水がたまり、側面下
部の水抜き孔10から音響パネル内部の水を抜くことが
可能である。
【0025】なお、多孔質構造体モジュール2を遮音板
1に組み込む時、作業上、多孔質構造体モジュール2と
遮音板1の間に隙間が必要となる。また、構造上、多孔
質構造体モジュール2と保護板5との間に隙間ができ
る。しかし、遮音板1および保護板5と、多孔質構造体
モジュール2の間に隙間があると実使用上、多孔質構造
体モジュール2が、がたつき音を発生する。そのため、
材料としては天然ゴム、合成ゴムや発泡材等の弾性を有
し、形状としては棒状またはパイプ状からなる緩衝材を
上記隙間にはめ込んで多孔質構造体モジュール2を固定
することにより、多孔質構造体モジュール2のがたつき
音を抑えることができる。
【0026】保護板5としては平板を遮音板1に固定す
る例について述べてきたが、図5、6に斜視図で示すよ
うに、保護板5を折り曲げて、遮音板1の側面で留め具
52を用いて固定しても同様の効果を奏する。また、保
護板5の材料としては、開孔を有していればよく、図5
に示したパンチング・メタル50や図6に示した金網5
1等を用いることができる。
【0027】実施例2. 図7は請求項記載の発明の一実施例による音響パネル
の構成を示す縦断面図である。図において、2a、2b
は遮音板1の中に組み込まれた各々独立した多孔質構造
体モジュールである。この例では、多孔質構造体モジュ
ール2a、2bは、吸音板7が保護板5側に来るように
同一方向に、遮音板1の中に2層重ねて配置されてい
る。このように構成すると多孔質構造体モジュール2
a、2bの各々の吸音特性を加えあわせた特性を持つ音
響パネルが得られる。なお、図7では多孔質構造体モジ
ュールを2個積層した場合について示しているが、これ
に限るものではなく、3個以上積層してもよく、同様の
効果が得られる。
【0028】実施例3. なお、音響パネルは場合によっては屋外で用いられるこ
ともあり、風圧等任意の外力に耐える構造である必要が
ある。上記実施例1では図3等に示したように、支持部
材22が外枠20と格子状に形成された仕切り部21に
より構成される場合について説明したが、これに限るも
のではなく、以下、多孔質構造体モジュール2の補強構
造に関する他の実施例を図について説明する。
【0029】図8は請求項1及び2記載の発明の他の実
施例に係わる多孔質構造体モジュールの構成を示す斜視
図である。図において、22aは吸音板7の背面に配さ
れ、吸音板7を補強する長方形平板の支持部材であり、
この例では4枚が並列に配置されている。このように構
成することにより、吸音板7単体よりも高い剛性が確保
でき、強度を向上させる効果がある。なお、支持部材2
2aは吸音板7に接着剤等で接着する、あるいはねじ等
の締結部材で結合するか、支持部材22aと吸音板7を
一体成形しても同様の効果が期待できる。
【0030】実施例4. 図9は請求項1及び2記載の発明の他の実施例に係わる
多孔質構造体モジュールの構成を示す斜視図である。こ
の例では、波板状の支持部材22bが用いられており、
上記実施例3の場合と同様の効果がある。
【0031】実施例5. 図10は請求項1及び2記載の発明の他の実施例に係わ
る多孔質構造体モジュールの構成を示す斜視図である。
この例では格子状の支持部材22cが用いられている。
【0032】実施例6. 図11(a)(b)は請求項1及び2記載の発明の他の
実施例に係わる多孔質構造体モジュールの構成を示すそ
れぞれ平面図および側面図である。この例ではハニカム
構造の支持部材22dが用いられている。
【0033】実施例7. 図12(a)(b)は請求項1及び2記載の発明の他の
実施例に係わる多孔質構造体モジュールの構成を示すそ
れぞれ平面図および側面図である。この例では円筒状の
支持部材22eが用いられている。
【0034】実施例8. 図13は請求項1及び2記載の発明の他の実施例に係わ
る多孔質構造体モジュールの構成を示す斜視図である。
この例では柱状の支持部材22fが用いられている。
【0035】実施例9. 図14は請求項1及び2記載の発明の他の実施例に係わ
る多孔質構造体モジュールの構成を示す斜視図である。
図において、20aは外枠でありこの例では格子形状
で、内壁面の上方には吸音板7を支える出っぱりを有し
ている。この例では4枚の吸音板7がこの外枠20aに
図面に向かって上方から挿入されて組み立てられる。な
お、吸音板7は外枠20aに接着剤等で接着する、ある
いはねじ等の締結部材で結合することによりさらに強度
の向上が期待できる。
【0036】実施例10. 図15は請求項1及び2記載の発明の他の実施例に係わ
る多孔質構造体モジュールの構成を示す斜視図である。
図において、20bは断面コの字状に折り曲げられた外
枠であり、吸音板7の外周は外枠20bにより補強され
ている。この実施例の場合も吸音板7単体よりも高い剛
性が確保でき、強度を向上させる効果がある。また特に
強い力が作用しやすい外周を保護することで、強度の向
上策としては非常に効果的である。なお、吸音板7は外
枠20bに接着剤等で接着することによりさらに強度の
向上が期待できる。
【0037】実施例11. 図16は請求項1及び2記載の発明の他の実施例に係わ
る多孔質構造体モジュールの構成を示す斜視図である。
この実施例では、実施例3の図8で示したような長方形
状の支持部材22aで補強された吸音板7を更に上端を
内側に折り曲げた外枠20aにより補強した構造であ
り、支持部材22aと外枠20aの相乗的な補強効果に
より、吸音板単体よりも大幅に高い剛性が確保でき、強
度を向上させることができる。なお、本実施例では支持
部材として実施例3で示した長方形平板状の部材22a
を示したが実施例4〜実施例8で示した他の支持部材を
採用しても同様の効果が期待できる。
【0038】実施例12. 図17は請求項1及び2記載の発明の他の実施例に係わ
る多孔質構造体モジュールの構成を示す斜視図である。
この実施例では、実施例3〜8で示したような支持部材
22a〜22fで補強した複数の吸音板7(この例では
9枚)をまとめて外枠20aにより補強しており、さら
に高い強度が期待できる。
【0039】実施例13. 次に、請求項1及び2記載の発明の他の実施例であり、
吸音板に留め具挿入用等の孔が開けられた場合の吸音板
の開孔部周辺の補強構造について説明する。図18は請
求項1記載の発明の他の実施例に係わる吸音板の構成を
一部破断して示す斜視図である。この実施例では、吸音
板7に開けられた孔の回りは、多孔質構造体を形成して
いる粒子状の素材の圧着度合いを強めることにより孔を
補強した構造であり、特に強い力が作用しやすい孔の回
りの剛性を高めることで、強度の向上策としては非常に
効果的である。なお、本実施例では丸孔についての例を
示したが、他の切り欠きについても同様の効果が期待で
きる。また、図19に示すように、吸音板7に開けた孔
の回りに接着剤70等を流して固着することによりさら
に強度の向上が期待できる。
【0040】実施例14. 図20は請求項1及び2記載の発明の他の実施例に係わ
る吸音板の構成を一部破断して示す斜視図である。この
実施例では、吸音板7に開けられた孔にはめ具71を挿
入することにより孔を補強した構造であり、特に強い力
が作用しやすい孔の回りの剛性を高めることで、強度の
向上策としては非常に効果的である。なお、はめ具71
を接着剤等で吸音板7に接着することによりさらなる強
度の向上が期待できる。
【0041】実施例15. 図21は請求項1及び2記載の発明の他の実施例に係わ
る吸音板の構成を一部破断して示す斜視図である。この
実施例では、吸音板7に開けられた孔の回りの厚みを厚
くすることにより孔を補強しており、特に強い力が作用
しやすい孔の回りの剛性を高めることで、強度を向上さ
せている。なお、孔の回りに接着剤等を流して固着する
ことによりさらに強度の向上が期待できるのは実施例1
3の場合と同様である。
【0042】実施例16. 図22は請求項1及び2記載の発明の他の実施例に係わ
る吸音板の構成を一部破断して示す斜視図である。この
実施例では、吸音板7の板厚を変化させて板厚の増加部
100を設けることにより補強リブの役割をさせ、剛性
を高めて強度を向上させている。なお、図22では板厚
増加部100を吸音板7の外周および内部の対角方向に
設けたが、これに限るものではなく、例えば板厚増加部
101を格子状に設けてもよく、同様の効果が期待でき
る。
【0043】実施例17. 図23は請求項1及び2記載の発明の他の実施例に係わ
る吸音板の構成を一部破断して示す斜視図である。この
実施例では、多孔質構造体を形成している粒子状の素材
の圧着度合いを強めた加圧密着部101を、吸音板7の
外周および内部に設けることにより、補強リブの役割を
させ、剛性を高めて強度を向上させている。なお、板の
内部では加圧密着部101を対角方向に設けたり格子状
に設けたりしてもよく、図23の場合と同様の効果が期
待できる。
【0044】実施例18. 図24は請求項記載の発明の一実施例による多孔質構
造体を用いた音響パネルの要部の構成を説明する斜視図
である。この実施例は、音響パネルに入射する音波の方
向がほぼ一定している場合である。例えば、サイレンサ
ーなどに本音響パネルを応用する場合に相当する。図に
おいて、1は遮音板、7は吸音板、20は外枠、21は
仕切り部であり、この例では外枠20と仕切り部21と
で支持部材を構成している。80は吸音板7の背面空気
層、81は音響パネルに入射する音波の波面、82は入
射音波の進行方向を示すベクトル、83は音響パネルに
対する法線、84は吸音板7と仕切り部21とが接合す
る部分における仕切り部21の稜線、Wは支持部材22
の外枠20と仕切り部21または仕切り部21と仕切り
部21の間隔、βは仕切り部21の稜線84にほぼ直交
する方向から音響パネルに入射する音波の平均的な入射
角度、λは入射音波の中で最も音圧レベルが高い音波の
波長である。
【0045】図25、図26は吸音板7に入射する音波
の音圧分布を示す説明図である。図25は仕切り部21
の間隔Wが、ほぼ吸音板7上の見かけの入射音波の波長
λ/cos(β)の場合、図27は仕切り部21の間隔
が、ほぼ見かけの入射音波の波長λ/cos(β) の
1/4の場合である。音圧分布を示す図において+は正
圧、−は負圧が吸音板7に作用することを示す。矢印8
5、86は吸音板7を介して背面空気層80に作用する
入射音波の圧力の向きである。
【0046】図27は仕切り部21の間隔Wと入射音波
の波長λ、入射角βによる吸音率の違いを示す図であ
る。
【0047】吸音板7と仕切り部21からなる音響パネ
ルの吸音原理について説明する。吸音板7は、例えば特
開平2−289333号公報に示すようなプラスチック
粒子を加熱、圧縮成形により製造した多孔質構造体であ
る。音響的には、吸音板7は音響質量mと音響抵抗rに
相当する。吸音板7と仕切り部21と遮音板1とで囲ま
れた背面空気層80は音響的には音響容量cに相当す
る。吸音板7と背面空気層80は等価音響回路で表現す
ればr−m−cの直列共鳴回路となっている。ここで共
鳴周波数f0は、
【0048】
【数1】
【0049】となる。この共鳴周波数近くの周波数を持
つ音波が吸音板7に入射すると、音源側から見た入力イ
ンピーダンスは最小になり、吸音板7の持つ音響抵抗r
だけになる。そこで吸音板7の音響抵抗rを空気の特性
インピーダンスρa(ρ:空気の密度、a:音速)に近
い値になるようにプラスチック粒子間の溶着状態をチュ
ーニングすれば、空気の特性インピーダンスとの整合が
とれ、最も効率的に音波は音響パネルの中に進入する。
進入した音波は背面空気層80に存在する空気(音響容
量c)を強制加振する。強制加振された空気は、吸音板
7の隙間を出入りし、隙間の音響抵抗rにて熱に変換さ
れエネルギーの散逸が生じる。これは、入射音波が音響
パネル内でエネルギーが吸収されたこと、すなわち吸音
が行われたことになる。
【0050】ただし、上記吸音は音波が吸音板7に対し
て垂直に入射した場合、最も効果が高い。すなわち垂直
入射の状態では吸音板7上の音波の位相関係はどこでも
同じであり、全吸音板7は全背面空気層80と一体とな
り共鳴吸音を行うことができる。一方、音波は吸音板7
に垂直ではなく、ある入射角度βにて吸音板7に対して
入射した場合を考える。図24において、波長λの音波
が吸音板7に入射すると吸音板7上では、λ/cos(β)
幅の音圧分布が生じる。基本的に共鳴現象を使って音波
を吸収するので吸音板7の面方向に音圧分布が生じる
と、背面空気層80の隣り合った部分が逆方向の音響加
振を受けることになり、背面空気層80内で圧力バラン
スし、入射音波に同期した空気振動が起こらなくなる。
すなわち吸音板7と背面空気層80との間で共鳴現象が
起こらなくなり吸音効果を著しく阻害する。
【0051】図24〜図26をもとに上記吸音阻害現象
を防止するための仕切り部21の動作原理を説明する。
仕切り部21は、仕切り部21の稜線84が入射音波の
方向に対してほぼ直交するように設置してある。図25
より、仕切り部21の間隔Wが見かけの音波の波長λ/
cos(β)程度では、吸音板7を介して、背面空気層
80に反対符号の圧力85、86が作用する。そのため
吸音板7に含まれる音響質量mと背面空気層80に含ま
れる音響容量cは集中常数系として直列共鳴する事がで
きなくなり吸音力が低下する。図25には、仕切り部2
1の間隔Wを見かけの音波の波長λ/cos(β)の1
/4程度にしたときの音圧分布を示す。この程度の間隔
Wで仕切り部21を設置すれば、各背面空気層80は各
々独立に動作し、共鳴現象が起きやすくなり、吸音性能
が向上する。
【0052】図27には仕切り部21の間隔Wを見かけ
の音波の波長λ/cos(β)で規格化したときの吸音
率の変化を調べた結果を示す。図よりWcos(β)/
λが0.25より小さければ、すなわちW<λ/4co
s(β)を満足すれば、十分な吸音特性(最大吸音率
0.9以上)を得ることができる。
【0053】なお、本実施例では、支持部材の外枠20
または仕切り部21を縦方向に多重に並んだ構造を示し
たが、強度対策上、外枠20または仕切り部21と直行
する方向に補強用の外枠または仕切り部を支持部材に設
けても性能上問題ない。また、仕切り部21の間隔Wは
基本条件W<λ/4cos(β)を満足していれば等間
隔にしなくても同様な効果が得られる。
【0054】実施例19. 図28は請求項記載の発明の一実施例による多孔質構
造体を用いた音響パネルの要部の構成を説明する斜視図
である。この実施例は、音響パネルに入射する音波の入
射方向が周方向に分布している場合である。例えば防音
壁に本音響パネルを応用する場合に相当する。図におい
て、1は遮音板、7は吸音板、20は一方の外枠、30
は他方の外枠、21は一方の仕切り部、31は他方の仕
切り部、22は外枠20、30と仕切り部21、31か
らなる格子状の支持部材、80は吸音板7の背面空気
層、82は入射音波の進行方向を示すベクトル、83は
音響パネルに対する法線、Wは支持部材22の外枠20
と仕切り部21または仕切り部21と仕切り部21の間
隔、Zは支持部材22の外枠30と仕切り部31または
仕切り部31と仕切り部31の間隔、βはこの例では周
囲方向から音響パネルに入射する音波の入射角度であ
る。
【0055】本実施例では、音響パネルに入射する音波
の入射方向が特定できず、周方向の至る所から音波が入
射する場合の多孔質構造体を用いた音響パネルの構造を
示す。図28に示すように、吸音板7の背面空気層80
は支持部材22の外枠20、30、仕切り部21、31
で格子状に仕切られている。吸音板7としては例えば、
特開平2−289333に示すようなプラスチック粒子
を加熱、圧縮成形により製造した多孔質構造体である。
本実施例では背面空気層80が格子状に仕切られている
ので、どの方向から吸音板7に入射角βで音波が入射し
ても、各モジュールにおいては独立に共鳴状態を維持す
ることができる。この場合、代表格子間隔は仕切り部2
1の一方の間隔Wと、他方の間隔Zより2WZ/(W+
Z)に定義できる。図29に2WZcos(β)/(W
+Z)λをパラメータとして吸音性能を調べた結果を示
す。ここでλは、入射音波の中で最も音圧レベルが高い
音波の波長である。図29より代表格子間隔2WZ/
(W+Z)を見かけの入射音波の波長λ/cos(β)
で規格化した値が0.25より小さければ、すなわち2
WZ/(W+Z)<λ/4cos(β)を満足していれ
ば、十分な吸音特性が得られることがわかる。
【0056】なお本実施例では、支持部材の一方の外枠
20と他方の外枠30および一方の仕切り部21と他方
の仕切り部31を直交させて格子を形成していたが、格
子を直交させなくても同様の効果が得られる。また仕切
り部21の間隔W、Zともに基本の条件2WZ/(W+
Z)<λ/4cos(β)を満足していれば等間隔でな
くても同様の効果が得られる。さらに、上記実施例1
8、19では共に保護板が無い場合について説明した
が、保護板の有無に係わらず上記実施例と同様の効果を
そうするものである。
【0057】なお、上記各実施例では主に鉄道や道路等
の屋外で使用される防音壁について述べてきたので、石
等の異物が当たったりして吸音板7が破損するのを防ぐ
ために保護板5を備えた請求項2記載の発明の一実施例
を示した。しかし、例えば変圧器の防音等に使用される
音響パネルは屋内で使用されるため保護板5が無くても
よく、この場合も吸音特性については上記各実施例と同
等の効果が得られるものである。なお、保護板が無い場
合は、多孔質構造体モジュール2を固定するために遮音
板1に固定枠を設けたり、あるいは接着剤で接着した
り、ねじ止めする等の方法がある。
【0058】
【発明の効果】以上のように、請求項1及び2記載の発
明によれば、プラスチック粒子を部分的に加熱溶着した
薄板構造の多孔質構造体からなる吸音板と、それぞれが
独立した複数の背面空気層を形成するように上記吸音板
を支持する支持部材とで多孔質構造体モジュールを形成
し、この多孔質構造体モジュールを、遮音板上に上記背
面空気層と遮音板が対向するように配列したので、経時
変化や吸音特性のバラツキが少なく、組み立て上の作業
性が良く、しかも吸音材料が飛散せず健康上有害な影響
を与えない。
【0059】請求項記載の発明によれば、吸音板に対
向配置され開孔を有する保護板を備えるので、吸音板の
破損を防止できる。
【0060】請求項記載の発明によれば、支持部材が
外枠および仕切り部を有し、上記外枠の内側の側面およ
び仕切り部の側面が、吸音板と垂直より大きな角度をな
すように構成されると共に、上記外枠および仕切り部の
反吸音板側に切り欠き部を有するので、水が下に流れ易
く、容易に音響パネル内部の水を抜くことができる。
【0061】請求項記載の発明によれば、多孔質構造
体モジュールと保護板の隙間に緩衝材を挿入したので、
多孔質構造体モジュールのがたつき音の発生を防止でき
る。
【0062】請求項記載の発明によれば、多孔質構造
体モジュールを複数個積層して用いるので、その分、吸
音特性が向上する。
【0063】請求項記載の発明によれば、支持部材が
並列配置された仕切り部を有し、上記仕切り部間の間隔
をW、入射音波の中で最も音圧レベルの高い音波の波長
をλ、上記支持部材が上記吸音板と接合する部分におけ
る支持部材の稜線に対してほぼ直交する方向から入射す
る音波の吸音板に対する平均的な入射角をβとしたと
き、W<λ/4cos(β)を満足するように構成した
ので、支持部材にほぼ直交方向から入射する音波によっ
て、支持部材間の吸音板面上に音圧分布が生じるのを防
止でき、吸音板と背面空気層間の共鳴現象が増長され吸
音性能が向上する。
【0064】請求項記載の発明によれば、支持部材は
格子状に配置された仕切り部を有し、上記仕切り部間の
一方の間隔をW、他方の間隔をZ、入射音波の中で最も
音圧レベルの高い音波の波長をλ、周囲方向から入射す
る音波の吸音板に対する平均的な入射角をβとしたと
き、2WZ/(W+Z)<λ/4cos(β)を満足す
るように構成したので、周囲方向から吸音板に入射する
音波によって、格子状の支持部材で囲まれた部分の吸音
板面上に音圧分布が生じるのを防止でき、吸音板と背面
空気層間の共鳴現象が増長され吸音性能が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1による多孔質構造体を用いた音響パ
ネルの構成を一部破断して示す斜視図である。
【図2】 実施例1による多孔質構造体を用いた音響パ
ネルの構成を示す縦断面図である。
【図3】 実施例1に係わる多孔質構造体モジュールの
構成を一部破断して示す斜視図である。
【図4】 実施例1に係わる多孔質構造体モジュールの
構成を示す縦断面図である。
【図5】 実施例1による多孔質構造体を用いた音響パ
ネルの全体の構成を示す斜視図である。
【図6】 実施例1による多孔質構造体を用いた音響パ
ネルの他の例の全体の構成を示す斜視図である。
【図7】 実施例2による多孔質構造体を用いた音響パ
ネルの構成を示す縦断面図である。
【図8】 実施例3に係わる多孔質構造体モジュールの
構成を示す斜視図である。
【図9】 実施例4に係わる多孔質構造体モジュールの
構成を示す斜視図である。
【図10】 実施例5に係わる多孔質構造体モジュール
の構成を示す斜視図である。
【図11】 実施例6に係わる多孔質構造体モジュール
の構成を示し、(a)は平面図、(b)は側面図であ
る。
【図12】 実施例7に係わる多孔質構造体モジュール
の構成を示し、(a)は平面図、(b)は側面図であ
る。
【図13】 実施例8に係わる多孔質構造体モジュール
の構成を示す斜視図である。
【図14】 実施例9に係わる多孔質構造体モジュール
の構成を示す斜視図である。
【図15】 実施例10に係わる多孔質構造体モジュー
ルの構成を示す斜視図である。
【図16】 実施例11に係わる多孔質構造体モジュー
ルの構成を示す斜視図である。
【図17】 実施例12に係わる多孔質構造体モジュー
ルの構成を示す斜視図である。
【図18】 実施例13に係わる吸音板の構成を一部破
断して示す斜視図である。
【図19】 実施例13に係わる吸音板の構成を一部破
断して示す斜視図である。
【図20】 実施例14に係わる吸音板の構成を一部破
断して示す斜視図である。
【図21】 実施例15に係わる吸音板の構成を一部破
断して示す斜視図である。
【図22】 実施例16に係わる吸音板の構成を一部破
断して示す斜視図である。
【図23】 実施例17に係わる吸音板の構成を一部破
断して示す斜視図である。
【図24】 実施例18による多孔質構造体を用いた音
響パネルの要部構成を説明する斜視図である。
【図25】 実施例18の作用を説明する説明図であ
る。
【図26】 実施例18の作用を説明する説明図であ
る。
【図27】 実施例18の作用を説明する説明図であ
る。
【図28】 実施例19による多孔質構造体を用いた音
響パネルの要部構成を説明する斜視図である。
【図29】 実施例19の作用を説明する説明図であ
る。
【図30】 従来の音響パネルの構成を示す斜視図であ
る。
【図31】 従来の音響パネルの構成を示す縦断面図で
ある。
【符号の説明】
1 遮音板 2 多孔質構造体モジュール 5 保護板 6a、6b 緩衝材 7 吸音板 20、20a、20b 外枠 21 仕切り部 22、22a〜22f 支持部材 23 切欠き部 70 接着剤 71 補強はめ具 80 背面空気層 100 加圧密着部 101 板厚増加部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 谷 周一 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電 機株式会社 中央研究所内 (72)発明者 来会 雄司 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三菱電機株式会社内 (72)発明者 伊藤 清二郎 赤穂市天和651番地 三菱電機株式会社 赤穂製作所内 (72)発明者 江頭 英明 長崎市丸尾町6番14号 三菱電機株式会 社 長崎製作所内 (72)発明者 今井 智久 埼玉県大里郡花園町大字小前田1728番地 1 三菱電機ホーム機器株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−289333(JP,A) 実開 昭50−60811(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E01F 8/00 E01F 8/02

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラスチック粒子を部分的に加熱溶着し
    た薄板構造の多孔質構造体からなる吸音板と、それぞれ
    が独立した複数の背面空気層を形成するように上記吸音
    板を支持する支持部材とで多孔質構造体モジュールを形
    成し、この多孔質構造体モジュールを、遮音板上に上記
    背面空気層と遮音板が対向するように配列したことを特
    徴とする多孔質構造体モジュールを用いた音響装置。
  2. 【請求項2】 プラスチック粒子を部分的に加熱溶着し
    た薄板構造の多孔質構造体からなる吸音板と、それぞれ
    が独立した複数の背面空気層を形成するように上記吸音
    板を支持する支持部材とで多孔質構造体モジュールを形
    成し、この多孔質構造体モジュールを、遮音板上に上記
    背面空気層と遮音板とが対向するように配列したことを
    特徴とする多孔質構造体モジュールを用いた音響パネ
    ル。
  3. 【請求項3】 吸音板に対向配置され開孔を有する保護
    板を備えることを特徴とする請求項記載の多孔質構造
    モジュールを用いた音響パネル。
  4. 【請求項4】 支持部材は外枠および仕切り部を有し、
    上記外枠の内側の側面および仕切り部の側面が、吸音板
    と垂直より大きな角度をなすように構成されると共に、
    上記外枠および仕切り部の反吸音板側に切り欠き部を有
    することを特徴とする請求項または記載の多孔質構
    造体モジュールを用いた音響パネル。
  5. 【請求項5】 多孔質構造体モジュールと保護板の隙間
    に緩衝材を挿入したことを特徴とする請求項または
    記載の多孔質構造体モジュールを用いた音響パネル。
  6. 【請求項6】 多孔質構造体モジュールを複数個積層し
    て用いることを特徴とする請求項ないしの何れかに
    記載の多孔質構造体モジュールを用いた音響パネル。
  7. 【請求項7】 支持部材は並列配置された仕切り部を有
    し、上記仕切り部間の間隔をW、入射音波の中で最も音
    圧レベルの高い音波の波長をλ、上記支持部材が上記吸
    音板と接合する部分における支持部材の稜線に対してほ
    ぼ直交する方向から入射する音波の吸音板に対する平均
    的な入射角をβとしたとき、W<λ/4cos(β)を
    満足するように構成したことを特徴とする請求項ない
    の何れかに記載の多孔質構造体モジュールを用いた
    音響パネル。
  8. 【請求項8】 支持部材は格子状に配置された仕切り部
    を有し、上記仕切り部間の一方の間隔をW、他方の間隔
    をZ、入射音波の中で最も音圧レベルの高い音波の波長
    をλ、周囲方向から入射する音波の吸音板に対する平均
    的な入射角をβとしたとき、2WZ/(W+Z)<λ/
    4cos(β)を満足するように構成したことを特徴と
    する請求項ないしの何れかに記載の多孔質構造体
    ジュールを用いた音響パネル。
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